JP4666171B2 - ドアクリアランス検出装置 - Google Patents

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本発明は車両のドア付近の障害物に対するクリアランスを検出するドアクリアランス検出装置に関するものである。
近年の車両には運転操作を支援するための種々の運転支援装置が装備されており、例えば車両周辺の障害物との距離に応じて運転者に警告を行うクリアランスシステムが実用化されている。当該クリアランスシステムは、所定の駐車領域への駐車時或いは車庫入れ時などに、車両の四隅に設置したコーナーセンサやリアバンパ中央に設置したバックセンサにより障害物との距離を検出し、検出した距離に応じてディスプレイによる表示やブザーによる警告音などで運転者に注意を喚起している。
ところで、上記車両の移動による障害物との衝突とは別に、駐車後のドア開放時にドアのエッジ部分を隣接車両や壁面などの障害物に接触させてしまう場合があり、このようなトラブルを防止するための対策も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上記コーナーセンサやバックセンサでは位置的にドア付近の障害物を検出不能であることから、当該特許文献1の技術では、ドア付近の障害物を検出可能なように車両の前後側面に距離センサを設置している。距離センサにより検出した障害物までの距離に基づきドアを開放可能な開放可能角度を算出し、この開放可能角度と実際の開放角度とに基づいてドアが障害物と接触する可能性が高いと判断したときに運転者に警告している。
特開2003−104055号公報
しかしながら、上記特許文献1の技術ではドアと障害物との接触防止のために専用の距離センサを要し、しかも各ドアを開放したときに接触の虞がある障害物を検出するにはドア枚数に対応する数の距離センサが必要なため、製造コストを高騰させてしまうという問題があった。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、センサ追加を要することなく製造コストの高騰を防止した上でドア付近の障害物を検出し、もって、ドア開放時のドアエッジの接触トラブルを確実に防止することができるドアクリアランス検出装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、車両の前部または後部の少なくとも一方に配設され、車両の側方に位置する障害物とのクリアランスを検出可能な障害物検出手段と、車両を前後方向に所定間隔で区分した各部位に対応して複数のメモリ領域が設定されて、予め障害物検出手段の位置及び車両のドア位置に対応するメモリ領域が特定され、各メモリ領域に障害物とのクリアランス情報を格納可能なクリアランス情報記憶手段と、車両と障害物との前後方向の相対移動を検出する移動検出手段と、移動検出手段の検出に基づき車両と障害物とがメモリ領域の設定間隔に対応する距離を相対移動する毎に、相対移動方向に位置する障害物検出手段により検出されたクリアランス情報を障害物検出手段の位置に対応するメモリ領域に格納すると共に、各メモリ領域に格納されているクリアランス情報を車両の相対移動方向と逆方向にシフトするクリアランス情報シフト手段と、クリアランス情報記憶手段からドア位置に対応するメモリ領域のクリアランス情報を読み出して障害物とのクリアランスとして確定するクリアランス情報確定手段とを備えたものである。
従って、例えば駐車中の他車や壁面などに隣接して車両を駐車させる場合、或いは駐車中の車両に隣接して他車が駐車する場合には、駐車完了後にはこれらの他車や壁面などが車両のドアを開放するときの障害物となり得るため、障害物とのクリアランスに応じて乗員に警告するなどの対処が必要となる。駐車の際に車両とこれらの障害物とは相対移動し、相対移動方向に位置する障害物検出手段により障害物とのクリアランスが順次検出される。クリアランス情報記憶手段内のメモリ領域の設定間隔に対応する距離を相対移動する毎に、障害物検出手段により検出されたクリアランス情報がメモリ領域に格納されると共に、各メモリ領域のクリアランス情報が上記車両の相対移動方向と逆方向にシフトされる。
結果として、各メモリ領域には所定間隔毎に障害物とのクリアランス情報が格納され、その内のドア位置に対応するメモリ領域のクリアランス情報がクリアランス情報確定手段により読み出されて障害物とのクリアランスとして確定される。よって、確定したクリアランスに基づいて乗員への警告などを実行して、ドア開放時のドアエッジの接触トラブルを防止可能となる。
そして、障害物検出手段としては、障害物との距離に応じてリアルタイムで運転者に警告を行って運転支援する所謂コーナーセンサなどを利用可能なため、実施のために専用の障害物検出手段を追加する必要がなく、これによる製造コストの高騰が未然に防止される。
請求項2の発明は、請求項1において、移動検出手段が、車両の車輪速を検出する車輪速センサであり、クリアランス情報シフト手段が、車輪速センサの検出に基づき車両の移動距離を判定するものである。
従って、駐車中の他車や壁面などの障害物に隣接して車両を駐車させる場合、車輪速センサが検出した車輪速から求められた車両の移動距離に基づき、メモリ領域に対するクリアランス情報の格納及びシフトがクリアランス情報シフト手段により行われる。
請求項3の発明は、請求項1において、障害物検出手段及び移動検出手段が、電波を射出して上記障害物による反射後に受信し、射出から受信までの時間差に基づいて障害物とのクリアランスを検出すると共に、射出時と受信時との周波数差に基づいて障害物との相対速度を検出するレーダセンサであり、クリアランス情報シフト手段が、レーダセンサの検出に基づき車両の移動距離または障害物の移動距離を判定するものである。
従って、駐車中の他車や壁面などの障害物に隣接して車両(自車)を駐車させる場合、或いは駐車中の車両に隣接して障害物として他車が駐車してくる場合、レーダセンサにより検出された車両と障害物との相対移動距離に基づき、メモリ領域に対するクリアランス情報の格納及びシフトがクリアランス情報シフト手段により行われる。
請求項4の発明は、請求項1乃至3において、車両のドアの開放操作を検出する開放操作検出手段を備え、クリアランス情報確定手段が、開放操作検出手段によりドアの開放操作が検出されたとき、開放操作されたドアに対応するメモリ領域のクリアランス情報を読み出して障害物とのクリアランスとして確定するものである。
従って、駐車完了後に乗員によるドアの開放操作が開放操作検出手段により検出されると、開放操作されたドアに対応するメモリ領域のクリアランス情報がクリアランス情報確定手段により読み出されて障害物とのクリアランスとして確定される。このようにドアが開放操作されてドア接触の虞が生じた時点でクリアランスが確定されて必要に応じて警告などが行われることから、ドア接触の虞がないときの無用な警告などが未然に防止される。
請求項5の発明は、請求項2において、車両の操舵角を検出する操舵角検出手段と、操舵角検出手段により検出された操舵角と車輪速センサにより検出された車輪速から求めた車両の移動距離とに基づき、車両が円弧状の軌跡を辿って駐車したときに発生する車幅方向の変位量を算出する横変位量算出手段とを備え、クリアランス情報確定手段が、メモリ領域のクリアランス情報を横変位量算出手段により算出された変位量に基づいて補正し、補正後の値を障害物とのクリアランスとして確定するものである。
従って、操舵により円弧状の軌跡を辿って車両を駐車させる場合、障害物検出手段により検出されたクリアランス情報のメモリ領域への格納後に車両が車幅方向に変位するため、既にメモリ領域に格納されているクリアランス情報に誤差が生じる。このときの変位量が操舵角と車両の移動距離とに基づき横変位量算出手段により算出され、この変位量に基づきメモリ領域のクリアランス情報が補正されるため、操舵による誤差を排除した正確なクリアランス情報が得られる。
請求項6の発明は、請求項1乃至5において、クリアランス情報確定手段により確定された障害物とのクリアランスが所定値未満のときに障害物へのドア接触の警告を行う警告手段を備えたものである。
従って、障害物とのクリアランスが所定値未満のときには警告手段により障害物へのドア接触の警告が実行されるため、乗員が注意を喚起されて障害物とのドア接触が未然に防止される。
請求項7の発明は、請求項1乃至5において、クリアランス情報確定手段により確定された障害物とのクリアランスが所定値未満のときにドアの開放を強制的に規制するドア開放規制手段を備えたものである。
従って、障害物とのクリアランスが所定値未満のときにはドア開放規制手段によりドアの開放が強制的に規制されるため、ドア接触が未然に防止される。
請求項8の発明は、請求項1乃至5において、クリアランス情報確定手段により確定された障害物とのクリアランスが所定値未満のときに車両位置の変更を促す報知手段を備えたものである。
従って、障害物とのクリアランスが所定値未満のときには報知手段により車両位置の変更が促されるため、位置変更せずにドアを開放したときのドア接触が未然に防止される。
請求項9の発明は、請求項1乃至5において、障害物検出手段が、車両の前部及び後部にそれぞれ配設され、クリアランス情報確定手段が、車両と障害物との相対移動方向に位置する障害物検出手段により検出されたクリアランス情報が全てのメモリ領域に格納された後に、反移動方向に位置する障害物検出手段により障害物とのクリアランスが検出されたとき、両障害物検出手段が同一前後位置で検出したクリアランス情報の比に基づきドア位置に対応するメモリ領域から読み出したクリアランス情報を補正し、補正後のクリアランス情報を障害物とのクリアランスとして確定するものである。
従って、車両の前部及び後部の障害物検出手段が同一前後位置で検出したクリアランス情報の比に基づき、ドア位置に対応するメモリ領域から読み出したクリアランス情報が補正され、補正後のクリアランス情報が障害物とのクリアランスとして確定されるため、障害物検出手段の検出誤差を低減可能となる。
以上説明したように請求項1乃至3の発明のドアクリアランス検出装置によれば、センサ追加を要することなく製造コストの高騰を防止した上でドア付近の障害物を検出し、もって、ドア開放時のドアエッジの接触トラブルを確実に防止することができる。
請求項4の発明のドアクリアランス検出装置によれば、請求項1乃至3に加えて、車両のドアが開放されたときに障害物とのクリアランスを確定することで、無用な警告などを未然に防止することができる。
請求項5の発明のドアクリアランス検出装置によれば、請求項2に加えて、円弧状の軌跡を辿って車両を駐車させた場合でも、操舵による誤差を排除した正確なクリアランス情報を得ることができる。
請求項6の発明のドアクリアランス検出装置によれば、請求項1乃至5に加えて、障害物とのクリアランスに基づく警告により障害物とのドア接触を未然に防止することができる。
請求項7の発明のドアクリアランス検出装置によれば、請求項1乃至5に加えて、障害物とのクリアランスに基づくドアの開放規制により障害物とのドア接触を未然に防止することができる。
請求項8の発明のドアクリアランス検出装置によれば、請求項1乃至5に加えて、障害物とのクリアランスに基づく報知により車両位置を変更させ、もって障害物とのドア接触を未然に防止することができる。
請求項9発明のドアクリアランス検出装置によれば、請求項1乃至5に加えて、障害物検出手段の検出誤差を低減することができる。
以下、本発明を具体化したドアクリアランス検出装置の一実施形態を説明する。
図1は本実施形態のドアクリアランス検出装置を示す全体構成図である。車両の四隅には駐車時の運転操作を支援するためのコーナーセンサ1(障害物検出手段、移動検出手段)が設置され、これらのコーナーセンサ1により車両の四隅に位置する障害物が検出される。本実施形態ではコーナーセンサ1としてミリ波レーダセンサを採用しており、当該ミリ波レーダセンサは、ミリ波を射出して障害物による反射後に受信し、射出から受信までの時間差に基づいて障害物までの距離を検出するだけでなく、射出時と受信時とのドップラー効果による周波数差に基づいて障害物との相対速度を検出可能に構成されている。
車両の前輪2a及び後輪2bには車輪速センサ3(移動検出手段)が配設され、各車輪速センサ3は対応する前後輪2a,2bの速度NHLを検出する。車両の前後左右の各ドア4の図示しないインナハンドルにはドアノブセンサ5(開放操作検出手段)が配設され、各ドアノブセンサ5は対応するインナハンドルへの乗員の接触を検出する。また、車両のステアリング6を支持するステアリングシャフト6aには操舵角センサ7(操舵角検出手段)が配設され、操舵角センサ7は運転者によるステアリング操舵角δを検出する。車両の運転席にはナビゲーションや運転支援のための各種情報を表示するためのディスプレイ8、及び音声案内や警告音を発するスピーカ9が配設されている。
車室内にはECU(電子コントロールユニット)11が配設され、ECU11は入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタなどにより構成されている。ECU11の入力側には、上記コーナーセンサ1、車輪速センサ3、ドアノブセンサ5、操舵角センサ7などの各種センサ類が接続されており、これらセンサ類からの検出情報がECU11に入力される。ECU11の出力側には上記ディスプレイ8、スピーカ9などの各種デバイス類が接続され、これらのデバイス類がECU11により駆動制御される。
上記コーナーセンサ1の検出情報は駐車時の運転支援に利用され、車両の駐車時においてECU11は車両移動方向のコーナーセンサ1により検出される障害物までの距離に応じて上記スピーカ9から警告音を発して運転者に注意を喚起し、これにより運転操作を支援する。
この運転支援は通常実施されている一般的なものであるが、加えて本実施形態ではコーナーセンサ1の検出情報を自車のドア4が開放されたときの左右側方に位置する他車(以下、隣接車両という)との接触防止にも利用しており、以下、当該制御について詳述する。
まず、ECU11の制御内容の説明に先立って、コーナーセンサ1の検出情報から隣接車両とのクリアランス情報を取得する原理、及びクリアランス情報取得のために予めECU11内に設定されているメモリ領域について述べる。
周知のように上記した障害物との衝突防止などには、コーナーセンサ1により検出された障害物との距離の減少に応じて警告音の周期を短縮化するなど、コーナーセンサ1の検出情報をリアルタイムで利用した処理が行われるが、これに対して隣接車両とのドア接触防止では、コーナーセンサ1の検出情報を自車の移動距離に応じて一旦メモリ領域に格納し、この格納した検出情報を駐車後に隣接車両との距離(以下、クリアランスと称する)の判定に適用している。
即ち、自車を後退または前進させて隣接車両の横に駐車する場合、コーナーセンサ1は障害物の場合と同様に隣接車両の側面とのクリアランスを検出するが、そのクリアランス情報は常に隣接車両の側面の1点に絞られる。従って、自車を隣接車両の横に駐車完了した時点では、前側のコーナーセンサ1は隣接車両の側面前部とのクリアランスを検出し、後側のコーナーセンサ1は隣接車両の側面後部とのクリアランスを検出し、何れも自車の前後ドア4の位置とは前後方向にずれている。この位置関係は自車の駐車位置が前後方向に変化しても同様であり、肝心のドア位置のクリアランス情報αはリアルタイムでは得られないことが判る。
そこで、本発明者は自車が駐車のために後退または前進しているときに、移動方向のコーナーセンサ1が隣接車両の側面と相対向しながら自車の移動に伴って隣接車両の側面とのクリアランスを順次検出していることに着目した。従って、これらの過去のクリアランス情報αの中には前後のドア位置と対応する値が存在することになり、前後ドア位置に対応するクリアランス情報αはコーナーセンサ1からドア位置までの距離、換言すれば自車の移動距離に基づいて特定可能であることを想到した。この現象は自車と隣接車両との相対移動により成立するため、停車中の自車の横に隣接車両が後退または前進して駐車する場合にも同様の手法を適用可能である。
この観点の基に、本実施形態では自車の側面の前後方向の部位に対応してECU11内に多数のメモリ領域を設定し(クリアランス情報記憶手段)、コーナーセンサ1により検出されたクリアランス情報αを自車や隣接車両の移動状況を模擬して各メモリ領域間で順次シフトさせることにより、駐車時の前後ドア位置に対応するクリアランス情報αを確定している。ECU11内のメモリ領域は自車の左右両側を想定して左右一対が設定されており、図2はクリアランス情報αを格納していないときの一方のメモリ領域Mの模式図を示しているが、他方のメモリ領域も全く同様の設定状態である。
メモリ領域Mとしては自車の全長の470cmを10cm毎に区分した47領域が設定され、各メモリ領域Mには、前側のコーナーセンサ1の前後位置と対応する「0」から後側のコーナーセンサ1と対応する「46」までの番号が付されている。また、このように自車の前後部位に対応して各メモリ領域Mが設定されることで、自車の前後ドア4が開放されたときのエッジ(反ヒンジ側の端部)と対応するメモリ領域Mが予め特定されており、本実施形態では左右共に前ドア4のエッジと対応するメモリ領域Mとして「25」が設定され、後ドア4のエッジと対応するメモリ領域Mとして「33」が設定されている。
無論、メモリ領域Mの領域数(47)、各メモリ領域Mの前後長(10cm)、ドア位置に対応するメモリ領域M(25,33)などの諸設定は車両に応じて任意に変更できる。また、隣接車両へのドア接触の対策は全てのドア4に実施する必要はなく、例えば一側面がドア接触の虞がないスライドドアとして構成された車両では、当該スライドドア側には対策を実施せず、他側面の通常のスィングドア4側のみに対策を講じてもよい。
一方、ECU11の制御は図3に示すクリアランス情報格納ルーチンに従って実行される。本実施形態では車輪速NHLから求めた車速=0km/hで、且つドア4が施錠中のとき以外、即ち、自車が駐車中で車室内からドア4が開放される虞がないとき以外は、ECU11により当該ルーチンが所定の制御インターバルで実行される。このため、車両のイグニションスイッチがオフ操作されても、ECU11にはバッテリ電力が供給されて作動を継続するように配慮されている。なお、当該ルーチンを常時実行してもよいことは言うまでもない。
まず、ECU11はステップS2で、前進か後退かを問わず自車が移動中(車速≠0km/h)であるか否かを判定する。自車の移動中及び他車(駐車完了後は隣接車両となる)の移動中は共にクリアランス情報αをメモリ領域M間で順次シフトさせるが、両者では移動距離の検出手法が異なるため、何れの状況かを識別するためにステップS2の処理が行われる。自車の移動中であるとしてYes(肯定)の判定を下したときにはステップS4に移行し、前回のクリアランス情報αのシフト時から自車が1メモリ領域に相当する10cm移動したか否かを判定し、判定がNo(否定)のときには一旦ルーチンを終了する。なお、クリアランス情報αの検出が初回のときには無条件でステップS4の判定がYesになる。
図4〜7は自車F1を後退駐車させる際のクリアランス情報αの取得状況を示す図、図8はクリアランス情報αのシフト時を示すメモリ領域Mの模式図、図9はクリアランス情報αとドア位置との関係を示すメモリ領域Mの模式図である。図4〜7では隣接車両F2の左側に自車F1を直線状に後退させて駐車する場合を示しており、自車F1の後退が開始された図4の時点では何れのコーナーセンサ1でも隣接車両F2は検出されておらず、図5の時点で右後側のコーナーセンサ1により隣接車両F2の左側面の最前部が検出される。自車F1の後退に伴って図6に示すようにコーナーセンサ1の検出位置は次第に隣接車両F2の後方に移行し、駐車が完了した図7の時点では検出位置が隣接車両F2の最後部に到達する。各図では隣接車両F2の側面に沿ってクリアランス情報αの取得状況を示しており、現在コーナーセンサ1で検出中のリアルタイムのクリアランス情報αを黒塗りで示し、過去のクリアランス情報α(後述のようにメモリ領域Mに格納される)を白枠で示している。
なお、自車F1と隣接車両F2との前後長の相違、相互の駐車スペースの位置関係、自車F1の駐車の仕方によってはコーナーセンサ1の検出位置が前後するが(隣接車両F2の最後部まで到達しない或いは最後部を通過するなど)、何れにしてもコーナーセンサ1により隣接車両F2の側面とのクリアランス情報αが前側から後側へとある程度の長さに亘って検出されることに相違ない。
上記後退駐車の例のように、自車F1の移動によりステップS4の判定がYesになると、続くステップS6でメモリ領域Mに格納されているクリアランス情報αを自車F1の移動方向と逆方向(車両の相対移動方向と逆方向)に1メモリ領域分シフトさせる(クリアランス情報シフト手段)。例えば後退駐車では図8に示すようにメモリ領域M「46」に格納されているクリアランス情報αをメモリ領域M「45」に移し替え、メモリ領域M「45」のクリアランス情報αをメモリ領域M「44」に移し替えるように、クリアランス情報αを前方のメモリ領域Mに向けてシフトさせる。
続くステップS8では隣接車両F2を検出中のコーナーセンサ1(上記図4〜7の例では右後側のコーナーセンサ1)が今回も隣接車両F2を検出しているか否かを判定する。例えばコーナーセンサ1の検出は5回/secの間隔で行われ、10cm間の全ての検出値の最小値、或いは全ての検出値の平均を今回のクリアランス情報αと見なす。隣接車両F2と離間して検出不能なときにはステップS8でNoの判定を下してステップS10に移行し、コーナーセンサ1の位置と対応するメモリ領域M(上記図4〜7の例では最後部の「46」)に検出不能を意味する[0]を格納してステップS14に移行する。
また、今回もコーナーセンサ1により隣接車両F2が検出されてステップS8の判定がYesになると、ステップS12に移行してセンサ検出値を新たなクリアランス情報αとしてセンサ位置と対応するメモリ領域Mに格納し、その後ステップS14に移行する。ステップS14では自車F1が停止(車速=0km/h)したか否かを判定し、移動を継続によりNoの判定を下したときには一旦ルーチンを終了する。
従って、以上のステップS2〜14の処理が繰り返されることにより、自車F1が10cm移動する毎に、新たにコーナーセンサ1により検出されたクリアランス情報αが対応するメモリ領域Mに格納されると共に、各メモリ領域Mのクリアランス情報αが移動方向と逆方向に順次シフトされる。結果として図7に示す駐車を完了した時点では、各メモリ領域Mには10cm毎に隣接車両F2の側面とのクリアランス情報αが格納されることになり、図9に示すように、その内のメモリ領域M「25」により前部ドア位置のクリアランス情報αを確定でき、メモリ領域M「33」により後部ドア位置のクリアランス情報αを確定できる(クリアランス情報確定手段)。
なお、図4〜7では隣接車両F2の左側に自車F1を駐車させて、隣接車両F2に対応する右側のメモリ領域Mにクリアランス情報αを格納した場合を示したが、当然ながら両側に隣接車両F2が存在する場合には、両側のメモリ領域Mに各隣接車両F2に対するクリアランス情報αがそれぞれ格納される。また、図4〜7では隣接車両F2に対して自車F1が並行に駐車した場合を示したが、図10に示すように自車F1が斜め駐車した場合でも、駐車位置までの自車F1の移動経路が直線であるなら、各メモリ領域Mのクリアランス情報αが実際の隣接車両F2とのクリアランスと整合する。一方、図5に示すように前後ドア4が隣接車両F2と対応しない位置で自車F1が駐車された場合、メモリ領域M「25」,「33」には検出不能の[0]が格納されるが、このときにはドア接触の虞が元々ないため、クリアランス情報αに基づく警告の必要もない。
一方、自車F1の停車によりステップS14の判定がYesになると、ECU11はステップS16に移行してコーナーセンサ1による検出中の操舵角δの平均値aveδが直進判定値δ0以上であるか否かを判定する。自車F1が円弧状の軌跡を辿って駐車した場合、既にメモリ領域Mに格納されているクリアランス情報αには自車F1の車幅方向の変位による誤差が生じるため、ステップS16ではその影響を補正する必要があるか否かを判定しているのである。直進判定値δ0としては0(直進)近傍の値が設定されており、ステップS16の判定がNoのとき、即ち、操舵によるクリアランス情報αへの影響を無視できるほど操舵角平均値aveδが小のときには、そのままルーチンを終了する。
また、ステップS16の判定がYesでクリアランス情報αへの影響が大のときには、ステップS18で駐車時の自車F1の円弧状の軌跡に基づき、各メモリ領域M毎(10cmの移動距離毎)に自車F1の車幅方向の変位量を補正値βとして算出し(横変位量算出手段)、続くステップS20で補正値βにより各メモリ領域M内のクリアランス情報αを補正した後にルーチンを終了する。
以下、ステップS18,20で実行される補正値βに基づくクリアランス情報αの補正の原理を説明する。
図11は円弧状の軌跡を辿って自車F1を後退駐車させた場合を示す図、図12は円弧状の軌跡を辿った駐車時に発生する自車F1の車幅方向の変位量(補正値β)を示す説明図である。なお、図11では自車F1の動きを判り易くするために移動軌跡の円弧を誇張して表した結果、右後側のコーナーセンサ1の検出エリアから隣接車両F2が外れているが、実際には図示した位置関係で既に隣接車両F2の左側面の最前部がコーナーセンサ1により検出されている。
図12では隣接車両F2を検出するコーナーセンサ1の移動軌跡を一点鎖線で示し、隣接車両F2と駐車後の自車F1とを二点鎖線で示しているが、円弧状の軌跡を辿って移動するときの自車F1は内輪差を発生し、後輪2bの移動軌跡に対して前輪2aの移動軌跡は外周側となる。右後側のコーナーセンサ1は後輪近傍に設置されているため、その移動軌跡は後輪2bの移動軌跡と近似し、これに対して前輪2aと共に自車F1の前部はより円弧の外周側を移動することになる。このため、コーナーセンサ1の移動軌跡に従って前側よりクリアランス情報αが順次検出・格納された後に、自車F1の前部が円弧の外周側、つまり隣接車両F2に接近する方向に変位した二点鎖線で示す姿勢で駐車完了する。結果として自車F1の前部ほどコーナーセンサ1の移動軌跡に対して車幅方向に変位することになり、検出されたクリアランス情報αと実際のクリアランスとの間に食い違いが生じる。
ステップS18では、この円弧状の軌跡に起因する自車F1の車幅方向の変位を幾何学的に割り出して補正値βとして算出しており、その一例として、自車F1の前後位置Xにおいて発生する補正値βの算出手順を説明する。
まず、前輪の操舵角δで自車F1が後退駐車した場合、後輪の旋回半径Rは次式(1)で算出できる。
R=WB/tanδ ………(1)
ここに、WBは前後輪間のホイールベースである。
図12では自車F1が操舵角δを保って後退駐車し、自車F1と共にコーナーセンサ1がC地点を中心としてA地点(検出位置)からB地点(駐車位置)まで距離Lだけ移動した場合が示され、駐車完了時において自車F1の前部はA地点に対して隣接車両F2側のE地点に位置して車幅方向の変位量AEが発生している。なお、同図ではコーナーセンサ1の軌跡に対して旋回中心Cが離間しているため、コーナーセンサ1の旋回半径ACを短縮化して図示しているが、実際はA−C−D間でD地点を直角とする直角三角形を形成している。
ここで、移動距離Lを直線と見なすと、変位量BDは次式(2)で表すことができる。
BC=AC−cos(L/AC)×AC ………(2)
上記のように後輪2bの移動軌跡とコーナーセンサ1の移動軌跡とは近似するため、車輪速センサ3により検出された後輪2bの移動距離をコーナーセンサ1の移動距離Lと見なすと共に、上式(1)より算出した後輪2bの旋回半径Rをコーナーセンサ1の旋回半径ACと見なして上式(2)に代入すれば、変位量BDを算出できる。
コーナーセンサの変位量BDは自車F1の前部の車幅方向の変位量AEと近似するため、A地点でのクリアランス情報αの検出後に自車F1の前部が変位量AE(=BD)だけ隣接車両F2側に接近した位置変位に対応して、検出したクリアランス情報αから変位量BDを減算すれば、現実に則した正確なクリアランス情報αが得られる。
以上の手順に従ってステップS18では仮想したコーナーセンサ1の円弧状の軌跡に基づき、各メモリ領域Mに対応する検出位置(図12の前後位置Xに相当)で発生する変位量BDを算出して補正値βとして設定し、ステップS20ではこれらの補正値βを各メモリ領域Mのクリアランス情報αから減算して補正している。
この説明は後退駐車の場合であるが、操舵を伴う前進駐車の場合でも同様の処理を適用可能であり、詳細はしないが、前輪2aの移動軌跡を前側のコーナーセンサ1の移動軌跡と見なして仮想し、このコーナーセンサ1の移動軌跡に基づき自車F1の前部の車幅方向への変位量を算出して、検出されたクリアランス情報αと実際のクリアランスとの食い違いを補正できる。
一方、自車F1の移動中でないとして上記ステップS2でNoの判定を下したときには、ステップS22以降で他車(以下の説明では、駐車完了後を想定して隣接車両F2と称する)の移動を想定したコーナーセンサ1の検出処理を実行する。隣接車両F2の移動は自車F1の移動のように車輪速NHLに基づいて推定できないため、以降の処理では、コーナーセンサ1が有する障害物との相対速度の検出機能を利用して隣接車両F2の移動を推定する。
まず、ステップS22ではコーナーセンサ1により隣接車両F2が検出されたか否かを判定し、判定がNoのとき、即ち隣接車両F2が検出されずにドア接触の虞がないときには、そのままルーチンを終了する。隣接車両F2の検出によりステップS22の判定がYesになると、ステップS24で前回のクリアランス情報αのシフト時から自車F1が1メモリ領域Mに相当する10cm移動したか否かを判定し、判定がNoのときにはルーチンを終了する。自車F1が停止しているため、コーナーセンサ1により検出された相対速度は隣接車両F2の移動速度と見なせ、この移動速度から求めた隣接車両F2の移動距離に基づきステップS24の判定が実行される。
図13〜16は隣接車両F2が直線状に後退駐車した際のクリアランス情報αの取得状況を示す図である。隣接車両F2の後退が開始された図13の時点では何れのコーナーセンサ1でも隣接車両F2は検出されておらず、図14の時点で右前側のコーナーセンサ1により隣接車両F2の左側面の最後部が検出される。隣接車両F2の後退に伴って図15に示すようにコーナーセンサ1の検出位置は次第に隣接車両F2の前方に移行し、駐車が完了した図16の時点では検出位置が隣接車両F2の最前部に到達する。なお、自車F1の後退駐車を示す図4〜7と同様に、各図では現在コーナーセンサ1で検出中のリアルタイムのクリアランス情報αを黒塗りで示し、メモリ領域Mに格納された過去のクリアランス情報αを白枠で示している。
隣接車両F2が検出されてステップS24の判定がYesになると、続くステップS26でメモリ領域Mに格納されているクリアランス情報αを隣接車両F2の移動方向(車両の相対移動方向と逆方向)に1メモリ領域分シフトさせる。例えば隣接車両F2の後退駐車では、図8に示す自車F1の後退駐車とは逆に後方に向けてクリアランス情報αがシフトされる。続くステップS28では、上記ステップS22で検出判定した新たなクリアランス情報αを、コーナーセンサ1の位置と対応するメモリ領域M(上記例では最前部の「0」)に格納してルーチンを終了する。
従って、以上のステップS22〜28の処理が繰り返されることにより、隣接車両F2が10cm移動する毎に、新たにコーナーセンサ1により検出されたクリアランス情報αが対応するメモリ領域Mに格納されると共に、各メモリ領域Mのクリアランス情報αが隣接車両F2の移動方向に順次シフトされる。結果として図16に示す駐車を完了した時点では、各メモリ領域Mには10cm毎に隣接車両F2の側面とのクリアランス情報αが格納されることになり、その内のメモリ領域M「25」,[33]により前後ドア位置のクリアランス情報αを確定できる。
一方、以上のクリアランス情報格納ルーチンと並行して、ECU11は図17に示すドアクリアランス判定ルーチンを所定の制御インターバルで実行している。説明の便宜上、例えば図4〜7に示す自車F1の後退駐車、或いは図13〜16に示す他車の後退駐車などが行われ、クリアランス情報格納ルーチンにより各メモリ領域Mに既に隣接車両F2とのクリアランス情報αが格納されているものとする。
まず、ECU11はステップS32で各ドア4のドアノブセンサ5がオンしたか否かを判定する。駐車完了後に乗員が降車のために何れかのドア4のインナハンドルに手を触れると、Yesの判定を下してステップS34に移行し、ドアノブセンサ5のドア4に対応するメモリ領域Mからクリアランス情報αを読み出す。続くステップS36では読み出したクリアランス情報αが予め設定された所定値α0未満であるか否かを判定し、判定がNoのときにはルーチンを終了する。所定値α0としては、一般的な乗員が隣接車両F2を特に意識せずにドア4を開放したときの自車F1側面からのドアエッジの突出量に対して若干の余裕分を見込んだ値が設定されている。従って、ステップS36の判定がNoのときには、ドアエッジが隣接車両F2に接触する虞はほとんどなく、これを受けて警告は行われない。
クリアランス情報αが所定値α0以上でステップS36の判定がYesのときには、隣接車両F2へのドアエッジの接触の虞があると見なして、ステップS38でスピーカ9から警告音、或いは「隣の車にドア4が接触する虞があります」などのメッセージを発して乗員に警告した後、ルーチンを終了する(警告手段)。この警告により乗員は慎重にドア4を開放することになり、ドア接触によるトラブルが未然に防止される。
なお、各メモリ領域Mに格納されているクリアランス情報αは、自車F1の前後ドア4が共に開放された時点で消去される。或いは、その後の施錠と共にECU11への電力供給が中止される時点でクリアランス情報αを消去してもよい。
以上の説明では隣接車両F2を想定したが、隣接車両F2に限らずドア開放時に接触する虞がある障害物であれば、同様の処理によりドア接触防止を図ることができる。例えば図18は壁面Wに隣接して自車F1を後退駐車する場合であるが、このときでも駐車完了時には各メモリ領域Mに壁面Wとのクリアアランス情報が10cm毎に格納され、メモリ領域M「25」,[33]により前後ドア位置のクリアランス情報αを確定できる。
ここで、図18に示すように壁面Wが自車F1の前後長以上に連続する場合、自車F1の移動方向のコーナーセンサ1が検出したクリアランス情報αが全てのメモリ領域Mに格納された後、反移動方向のコーナーセンサ1もクリアランス情報αを検出することになる。自車F1が操舵を伴わずに直進で駐車すれば、同一の前後位置で検出された両センサ1のクリアランス情報αは一致するはずであるが、何れかのセンサ1が故障などで誤検出していると双方のクリアランス情報αには差が生じる。
そこで、この関係を利用して、例えば図18の後退駐車では、右前側のコーナーセンサ1が最初にクリアランス情報α(メモリ領域M「0」に対応)を検出した時点で、既に最前部のメモリ領域M「0」に格納されている右後側のコーナーセンサ1のクリアランス情報αと比較し、その差に基づいてメモリ領域Mに格納されているクリアランス情報αの信頼性を判断可能となる。例えば差が所定値以上のときには、その原因が右後側のコーナーセンサ1の故障にあり、各メモリ領域Mのクリアランス情報αより実際のクリアランスが小さい可能性があると見なし、上記所定値α0を減少補正して乗員への警告を行い易くするなどの対策を講じることができる。
また、センサ故障以外にも、コーナーセンサ1の検出誤差の低減にも利用できる。例えば図18の例で車両が直進で後退していれば、右後側のコーナーセンサ1と右前側のコーナーセンサ1とのクリアランス情報αは一致するはずであり、不一致の場合は何れかのコーナーセンサ1の検出誤差が原因と見なせる。そこで、同一前後位置での両コーナーセンサ1のクリアランス情報α(例えば上記メモリ領域M「0」)の比に基づき、右後側のコーナーセンサ1により検出された前後ドア位置のクリアランス情報αを補正してもよい。
以上詳述したように本実施形態のドアクリアランス検出装置では、自車F1の前後方向の部位に対応してECU11内に多数のメモリ領域Mを設定し、障害物検出用の既存のコーナーセンサ1を利用して駐車時に隣接車両F2とのクリアランス情報αを検出すると共に、自車F1や隣接車両F2の移動状況を模擬して各メモリ領域間でクリアランス情報αを順次シフトさせることにより、駐車完了時の前後ドア位置に対応するクリアランス情報αを確定して、これらのクリアランス情報αに基づいてドア開放時に必要に応じて乗員に警告を行っている。従って、隣接車両F2とのクリアランスが不足しているときには警告により乗員が注意を喚起されて隣接車両F2へのドアエッジの接触を未然に防止することができる。そして、既存のコーナーセンサ1を利用しているため、実施のために専用のセンサを追加する必要がなく、これによる製造コストの高騰を未然に防止することができる。
また、車両の各ドア4のドアノブセンサ5の検出に基づき、ドア4が開放操作されてドア接触の虞が生じた時点で隣接車両F2とのクリアランスが確定されて必要に応じて警告が行われる。従って、自車F1を駐車しただけで何れのドア4も開放操作されない場合のように、隣接車両F2へのドア接触の虞がないときには警告は実行されず、無用な警告により乗員に不信感を与えることを未然に防止できる。
自車F1が円弧状の軌跡を辿って駐車する際に、コーナーセンサ1の移動軌跡に対して駐車後の自車F1が車幅方向に変位する現象に着目し、操舵角δ及び移動距離Lから車幅方向の変位量BDを算出して補正値βとし、この補正値βによりクリアランス情報αを補正している。従って、操舵による誤差を排除した正確なクリアランス情報αを得ることができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では自車F1の前後のコーナーセンサ1の検出情報を利用して前進駐車及び後退駐車の何れにも対応したが、何れか一方のみに対応させてもよい。
また、上記実施形態ではドアノブセンサ5によるドア開放の検出時に警告を行ったが、必ずしもドア開放を判定する必要はなく、例えば自車F1の駐車が完了した時点、或いは他車の駐車が完了した時点で、自車F1の何れかのドア4が隣接車両F2に接触する虞があるときにはドア開閉と関係なく警告を行うようにしてもよい。
また、ドアヒンジ箇所にドア4の開放を規制するストッパ機構を設けて、クリアランス情報αが所定値α0未満のときにストッパ機構を作動させて乗員の解放操作を所定角度で強制的に規制するようにしてもよい(ドア開放規制手段)。また、自車F1と隣接車両F2とが極端に接近してドア4を開放しても乗員が降車する余地がない場合の対策として、クリアランス情報αが上記所定値α0より小さな所定値α1未満のときには、「隣の車に接近し過ぎて降車できないため、車の位置を変更して下さい」などのメッセージを発して、自車位置の変更を促すようにしてもよい(報知手段)。
また、上記実施形態では自車F1の駐車時に車輪速センサ3の検出情報に基づいて自車F1の移動を判定したが、隣接車両F2の駐車時と同様にコーナーセンサ1により検出された隣接車両F2との相対速度に基づいて自車F1の移動を判定してもよい。
また、上記実施形態では、操舵を伴う自車F1の駐車時に操舵角δを一定とした円弧状の軌跡を想定して補正値βを算出したが、実際の駐車時の運転操作では隣接車両F2との位置関係や傾きなどに応じて操舵角δを左右に調整しながら駐車する場合もある。そこで、駐車時の自車F1の移動中において操舵角δ及び移動距離Lに基づき自車F1の瞬間的な移動軌跡を逐次算出し、駐車完了後に各移動軌跡を接続して自車の駐車位置までの1本の連続した移動軌跡を割り出し、各メモリ領域Mに対応する自車F1の側面と移動軌跡との差を車幅方向の変位、即ち上記補正値βとして算出するようにしてもよい。
実施形態のドアクリアランス検出装置を示す全体構成図である。 クリアランス情報を格納していないメモリ領域を示す模式図である。 ECUが実行するクリアランス情報格納ルーチンを示すフローチャートである。 自車を直線状に後退駐車させたときのクリアランス情報の取得状況を示す図である。 自車を直線状に後退駐車させたときのクリアランス情報の取得状況を示す図である。 自車を直線状に後退駐車させたときのクリアランス情報の取得状況を示す図である。 自車を直線状に後退駐車させたときのクリアランス情報の取得状況を示す図である。 クリアランス情報のシフト時を示すメモリ領域の模式図である。 クリアランス情報とドア位置との関係を示すメモリ領域の模式図である。 自車が斜め駐車したときのクリアランス情報の取得状況を示す図である。 自車を円弧状の軌跡を辿って後退駐車させた場合を示す図である。 円弧状の軌跡を辿った駐車時に発生する自車の車幅方向の変位量を示す説明図である。 隣接車両が後退駐車したときのクリアランス情報の取得状況を示す図である。 隣接車両が後退駐車したときのクリアランス情報の取得状況を示す図である。 隣接車両が後退駐車したときのクリアランス情報の取得状況を示す図である。 隣接車両が後退駐車したときのクリアランス情報の取得状況を示す図である。 ECUが実行するドアクリアランス判定ルーチンを示すフローチャートである。 壁面に隣接して自車を後退駐車させるときのクリアランス情報の取得状況を示す図である。
符号の説明
1 コーナーセンサ(障害物検出手段、移動検出手段、レーダセンサ)
3 車輪速センサ(移動検出手段)
5 ドアノブセンサ(開放操作検出手段)
7 操舵角センサ(操舵角検出手段)
9 スピーカ(警告手段、報知手段)
11 ECU(クリアランス情報記憶手段、クリアランス情報シフト手段、
クリアランス情報確定手段、横変位量算出手段、警告手段、報知手段、
ドア開放規制手段)

Claims (9)

  1. 車両の前部または後部の少なくとも一方に配設され、該車両の側方に位置する障害物とのクリアランスを検出可能な障害物検出手段と、
    上記車両を前後方向に所定間隔で区分した各部位に対応して複数のメモリ領域が設定されて、予め上記障害物検出手段の位置及び上記車両のドア位置に対応するメモリ領域が特定され、各メモリ領域に上記障害物とのクリアランス情報を格納可能なクリアランス情報記憶手段と、
    上記車両と上記障害物との前後方向の相対移動を検出する移動検出手段と、
    上記移動検出手段の検出に基づき上記車両と上記障害物とが上記メモリ領域の設定間隔に対応する距離を相対移動する毎に、相対移動方向に位置する上記障害物検出手段により検出されたクリアランス情報を該障害物検出手段の位置に対応する上記メモリ領域に格納すると共に、各メモリ領域に格納されているクリアランス情報を上記車両の相対移動方向と逆方向にシフトするクリアランス情報シフト手段と、
    上記クリアランス情報記憶手段から上記ドア位置に対応するメモリ領域のクリアランス情報を読み出して上記障害物とのクリアランスとして確定するクリアランス情報確定手段と
    を備えたことを特徴とするドアクリアランス検出装置。
  2. 上記移動検出手段は、上記車両の車輪速を検出する車輪速センサであり、
    上記クリアランス情報シフト手段は、上記車輪速センサの検出に基づき上記車両の移動距離を判定することを特徴とする請求項1記載のドアクリアランス検出装置。
  3. 上記障害物検出手段及び移動検出手段は、電波を射出して上記障害物による反射後に受信し、射出から受信までの時間差に基づいて障害物とのクリアランスを検出すると共に、射出時と受信時との周波数差に基づいて障害物との相対速度を検出するレーダセンサであり、
    上記クリアランス情報シフト手段は、上記レーダセンサの検出に基づき上記車両の移動距離または上記障害物の移動距離を判定することを特徴とする請求項1記載のドアクリアランス検出装置。
  4. 上記車両のドアの開放操作を検出する開放操作検出手段を備え、
    上記クリアランス情報確定手段は、上記開放操作検出手段により上記ドアの開放操作が検出されたとき、該開放操作されたドアに対応するメモリ領域のクリアランス情報を読み出して上記障害物とのクリアランスとして確定することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のドアクリアランス検出装置。
  5. 上記車両の操舵角を検出する操舵角検出手段と、
    上記操舵角検出手段により検出された操舵角と上記車輪速センサにより検出された車輪速から求めた上記車両の移動距離とに基づき、該車両が円弧状の軌跡を辿って駐車したときに発生する車幅方向の変位量を算出する横変位量算出手段とを備え、
    上記クリアランス情報確定手段は、上記メモリ領域のクリアランス情報を上記横変位量算出手段により算出された変位量に基づいて補正し、補正後の値を障害物とのクリアランスとして確定することを特徴とする請求項2記載のドアクリアランス検出装置。
  6. 上記クリアランス情報確定手段により確定された障害物とのクリアランスが所定値未満のときに障害物へのドア接触の警告を行う警告手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のドアクリアランス検出装置。
  7. 上記クリアランス情報確定手段により確定された障害物とのクリアランスが所定値未満のときに上記ドアの開放を強制的に規制するドア開放規制手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のドアクリアランス検出装置。
  8. 上記クリアランス情報確定手段により確定された障害物とのクリアランスが所定値未満のときに車両位置の変更を促す報知手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のドアクリアランス検出装置。
  9. 上記障害物検出手段は、上記車両の前部及び後部にそれぞれ配設され、
    上記クリアランス情報確定手段は、上記車両と上記障害物との相対移動方向に位置する上記障害物検出手段により検出されたクリアランス情報が全てのメモリ領域に格納された後に、反移動方向に位置する上記障害物検出手段により上記障害物とのクリアランスが検出されたとき、両障害物検出手段が同一前後位置で検出したクリアランス情報の比に基づき上記ドア位置に対応するメモリ領域から読み出したクリアランス情報を補正し、補正後のクリアランス情報を上記障害物とのクリアランスとして確定することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のドアクリアランス検出装置。
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