JP4665436B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、水素ガスに代表される燃料ガスが流れる燃料ガス流路に、リリーフバルブを設けた燃料電池システムに関するものである。
従来、この種の燃料電池システムとして、高圧水素タンクと燃料電池との間の燃料ガス流路にリリーフバルブを設置したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。このリリーフバルブは、燃料ガス流路内の燃料ガスが所定圧以上になったときに、機械的に開弁して、燃料ガス流路から外部である大気中に燃料ガスを放出する。
特開2002−134139号公報(第4頁および第1図)
このような従来の燃料電池システムでは、リリーフバルブによって、燃料電池およびシステム構成部品の異常高圧による損傷を防止することができる点では有用である。しかし、リリーフバルブから放出された燃料ガスに関する後処理については何ら考慮がされておらず、放出点周囲を高濃度の燃料ガスの雰囲気とするおそれがある。
本発明は、燃料ガスの異常高圧時に、燃料ガスを安全な濃度で適切に外部に放出することができる燃料電池システムを提供することをその目的としている。
本発明の他の燃料電池システムは、燃料電池に燃料ガスを供する燃料ガス流路と、燃料ガス流路に設けられ、燃料ガス流路内の燃料ガスが所定圧以上になったときに燃料ガスを外部に放出するリリーフバルブと、燃料ガス流路に分岐接続され、燃料電池から排出された燃料ガスを外部に排出する排出流路と、排出流路に設けられ、これを開閉するパージバルブと、排出流路においてパージバルブの下流側に設けられ、燃料ガスの濃度を低減するガス処理装置と、燃料ガス流路に設けられ、燃料ガス流路内の燃料ガスの圧力を検出する圧力検出手段と、圧力検出手段の検出結果に基づいて、パージバルブを開閉制御する制御装置と、を備え、制御装置は、圧力検出手段が燃料ガスの所定圧より低く設定された基準圧を検出したときに、パージバルブを開放制御するものである。
この構成によれば、リリーフバルブが開弁される燃料ガスの所定圧よりも低い基準圧で、制御装置によりパージバルブが開放される。このため、圧力検出手段により圧力監視が行われている燃料ガス流路内で異常な圧力上昇が起こった場合には、リリーフバルブに優先してパージバルブが開放する。
これにより、燃料ガスの過剰な圧力をパージバルブで逃がすことができ、燃料電池を含む各種のシステム構成部品を適切に保護することができる。また、パージバルブの下流側にはガス処理装置が設けられているため、パージバルブから放出された燃料ガスを処理して安全な濃度で外部に排出することが可能となる。さらに、パージバルブの開放によっても圧力上昇を回避し得なかった場合にのみリリーフバルブが予備的に開弁される構成であるが、パージバルブによる燃料ガスの放出が先行してなされているため、リリーフバルブが開弁した場合であってもその放出点周囲を比較的高濃度にしなくて済む。
ここで、「燃料ガス流路」には、燃料電池に新たな燃料ガスを供給する供給流路のほか、供給流路に合流して、燃料電池から排出された燃料オフガスを再び燃料電池に供給する循環流路が含まれる。燃料ガスは一般に水素ガスであり、燃料電池システムとしては、これを搭載した機器として燃料電池車両が代表される。
この場合、リリーフバルブのガス放出側に設けられた外部放出流路を更に備え、外部放出流路は、ガス処理装置の上流側における排出流路に合流していることが、好ましい。
この構成によれば、リリーフバルブが作動する場合であっても、リリーフバルブから放出された燃料ガスは外部放出流路を介してガス処理装置に送られるため、燃料ガスを確実に安全な濃度として外部に放出することが可能となる。
これらの場合、ガス処理装置は、燃料ガスの濃度を低減するための希釈ガスを導入可能に構成されていることが、好ましい。
この構成によれば、希釈ガスとして、酸素ガス、酸素オフガス、専用の不活性ガス、二次空気などを用いることで、適切に燃料ガスの濃度を低減することができる。
これらの場合、希釈ガスは、燃料電池に供される酸素ガスであることが、好ましい。
この構成によれば、専用の不活性ガスや燃料電池に供されない二次空気などを用いることなく、燃料ガスを処理することができる。
この場合、燃料電池に酸素ガスを圧送する酸素ガス供給手段を更に備え、制御装置は、パージバルブの開放制御に同期して、酸素ガスをガス処理装置に導入するように酸素ガス供給手段を駆動することが、好ましい。
この構成によれば、パージバルブの開弁時に酸素ガス供給手段が駆動されるため、酸素ガスをガス処理装置に確実に導入させることができ、酸素ガスを用いた燃料ガスの処理を確実に行うことができる。
これらの場合、燃料ガス流路の上流端に設けられ、燃料ガスを貯蔵したガス供給源と、ガス供給源の下流側の燃料ガス流路に設けられ、制御装置により開閉制御されるシャットバルブを更に備え、制御装置は、圧力検出手段が基準圧を検出したときに、さらにシャットバルブを閉塞制御することが、好ましい。
この構成によれば、パージバルブを開弁する際に元弁となり得るシャットバルブを閉塞するようにしているため、ガス供給源から燃料ガス流路に燃料ガスが流出していくことを防止でき、パージバルブからの燃料ガスの放出を適切に行うことができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。この燃料電池システムは、燃料ガスが供せられる燃料ガス流路にリリーフバルブを配設し、さらにリリーフバルブの下流側に希釈装置などのガス処理装置を配設し、リリーフバルブからの燃料ガスの濃度を低減して外部に排出することができるものである。以下では、先ず、燃料ガスとして水素ガスを例に燃料電池システムの全体構成について説明し、その上で他の実施例として、水素ガスのリリーフ時における各種構成機器の制御方法について言及する
図1に示すように、燃料電池システム1は、酸素ガス(空気)および水素ガスの供給を受けて電力を発生する固体分子電解質型の燃料電池2を備えている。燃料電池2は、多数のセルを積層したスタック構造として構成されている。燃料電池システム1は、燃料電池2に酸素ガスを供給する酸素ガス配管系3と、燃料電池2に水素ガスを供給する水素ガス配管系4と、を具備している。
酸素ガス配管系3は、大気中の酸素ガスを取り込んで加湿器11に圧送するコンプレッサ12(酸素ガス供給手段)と、コンプレッサ12で取り込まれる酸素ガス中の粉塵等をろ過するフィルタ13と、加湿器11により加湿された酸素ガスを燃料電池2に供給する供給流路14と、燃料電池2から排出された酸素オフガスを加湿器11を介して消音器15に導く排出流路16と、排出流路16において加湿器11の上流側に設けられた背圧調整弁17と、を備えている。
コンプレッサ12は、駆動源となるモータ21を有し、モータ21の駆動は図2に示す制御装置5(制御手段)により制御される。コンプレッサ12は、モータ21の回転数を上げることで、燃料電池2に圧送する酸素ガスの流量および燃料電池2から排出する酸素オフガスの流量を大きくすることができるようになっている。背圧調整弁17は、制御装置5に接続されており、酸素オフガスの流量を調整することで、燃料電池2内の酸素ガスの圧力を調整する。
加湿器11は、浄化済みの酸素ガスと酸素オフガスとの間で水分交換を行う。水分交換後の酸素オフガスは、排出流路16を通って消音器15に送られる。消音器15で消音された酸素オフガスは、消音器15の下流側の排出流路16に配設されたガス処理装置19に導入される。ガス処理装置19では、後述するように、酸素オフガスを用いて水素ガスや水素オフガスの濃度を低減する。そして、ガス処理装置19で処理されたガスが、最終的に排ガスとしてシステム外の大気中に排気される。
水素ガス配管系4は、高圧の水素ガスを貯蔵した水素タンク31(ガス供給源)と、水素タンク31の水素ガスを燃料電池2に供給する供給流路32と、燃料電池2から排出された水素オフガスを(未反応の水素ガス)を供給流路32に戻すための循環流路33と、循環流路33の水素オフガスを供給流路32に還流させる水素ポンプ34と、水素ポンプ34の下流側の循環流路33に設けられ、水素オフガスの逆流を阻止する逆止め弁35と、循環流路33に分岐配管され、水素オフガス中の不純物を水素オフガスとともにガス処理装置19に導く排出流路36と、を有している。
水素ポンプ34は、制御装置5により駆動制御される。循環流路33は、供給流路32の合流点Aに接続されており、合流点Aで合流した新たな水素ガスと水素オフガスとからなる混合ガスが燃料電池2に供給される。すなわち、循環流路33および供給流路32により、燃料電池2に水素ガスを供する水素ガス流路38(燃料ガス流路)が構成されている。排出流路36にはパージバルブ39が設けられており、パージバルブ39は、排出流路36を開閉するシャットバルブとして機能する。パージバルブ39は、制御装置5により開閉制御されるが、燃料電池システム1の稼動時では通常は閉塞されている。パージバルブ39が開弁されることで、水素オフガスが排出流路36を通ってガス処理装置19に導かれる。
供給流路32には、水素タンク31側から順に、水素タンク31から流出した水素ガスの圧力を減圧する1次減圧用の1次レギュレータ51と、供給流路32を開閉するシャットバルブ52と、1次レギュレータ51で減圧された水素ガスをさらに減圧する2次減圧用の2次レギュレータ53と、2次レギュレータ53で減圧された水素ガスをさらに減圧する3次減圧用の3次レギュレータ54と、が設けられている。このような複数のレギュレータ(51,53,54)によって、燃料電池2には、調圧された水素ガスが供給されるようになっている。なお、レギュレータの数は任意である。
また、供給流路32の燃料電池2の入口側近傍には、供給流路32を開閉する入口側遮断弁55が設けられ、循環流路33の燃料電池2の出口側近傍には、循環流路33を開閉する出口側遮断弁56が設けられている。入口側遮断弁55および出口側遮断弁56は各々、制御装置5により開閉制御される。また、供給流路32および循環流路33からなる水素ガス流路38には、これから分岐するようにして複数のリリーフバルブ57が分散して設けられていると共に、水素ガス流路38内の水素ガスまたは水素オフガスの圧力を検出する複数の圧力センサ58(圧力検出手段)が分散して設けられている。
リリーフバルブ57は、水素ガス流路38内の水素ガスまたは水素オフガスが所定圧以上になったときに作動して、水素ガスまたは水素オフガスを外部に放出するものである。リリーフバルブ57は、水素ガスまたは水素オフガスの圧力により機械的に作動するものであり、例えば、弁座に離接可能に構成された弁体と、弁体を弁座に向かって付勢する調圧ばねとを具備しており、水素ガス流路38内の圧力が最低作動圧力(所定圧)に達したときに弁体が調圧ばねの付勢力に抗して弁座から離間する。これによりリリーフバルブ57は、開弁状態となって、ガス放出側に水素ガスまたは水素オフガスの流れ(放出)を許容する。
本実施形態では、供給流路32にはリリーフバルブ57が二つ設けられ、循環流路33にはリリーフバルブ57が一つ設けられている。供給流路32に設けられた一方のリリーフバルブ57は、シャットバルブ52の下流側に配設され、1次レギュレータ51から2次レギュレータ53に至る供給流路32内の水素ガスの圧力が所定の設定圧以上に上昇したときに開弁される。一方、供給流路32に設けられた他方のリリーフバルブ57は、2次レギュレータ53の下流側に配設され、2次レギュレータ53から3次レギュレータ54に至る供給流路32内の水素ガスの圧力が所定の設定圧以上に上昇したときに開弁される。
循環流路33に設けられたリリーフバルブ57は、水素ポンプ34の下流側に配設され、水素ポンプ34の下流側における循環流路33内の水素オフガスの圧力が所定の設定圧以上に上昇したときに開弁される。また、このリリーフバルブ57は、3次レギュレータ54から合流点Aを経て燃料電池2に至る供給流路32内の混合ガス(水素ガスおよび水素オフガス)の圧力が所定の設定圧以上に上昇したときに開弁される。
各リリーフバルブ57のガス放出側には、外部放出流路59が各々設けられており、各外部放出流路59の下流端は、排出流路36に合流してガス処理装置19に連通している。換言すれば、複数の外部放出流路59には単一のガス処理装置19が設けられており、複数のリリーフバルブ57から放出された水素ガスまたは水素オフガスは、各外部放出流路59を通って単一のガス処理装置19に流入する。なお、リリーフバルブ57および圧力センサ58の数は任意であるが、本実施形態では圧力センサ58は四つ設けられており、そのうち三つはリリーフバルブ57の上流側の近傍に設けられ、残りの一つは合流点Aの下流側の供給流路32に設けられている。
ガス処理装置19は、リリーフバルブ57やパージバルブ39から放出された水素ガスや水素オフガス(以下、リリーフガスと略記する。)の濃度を、酸素オフガスを用いて低減するものである。ガス処理装置19は、例えば、酸素オフガスとリリーフガスとを混合することにより、リリーフガス中の水素濃度を低減する希釈装置で構成される。あるいは、ガス処理装置19は、例えば、リリーフガスを酸素オフガスで酸化(燃焼処理)することにより、リリーフガス中の水素濃度を低減する酸化装置で構成される。ガス処理装置19によって処理された排ガスが、システム外の大気中に排気される。
なお、ガス処理装置19に導入するリリーフガスの濃度を低減するための希釈ガスは酸素オフガスに限るものではない。例えば、この種の希釈ガスとして、コンプレッサ12から供給流路14を介して燃料電池2に圧送する酸素ガスを用いることもできるし、また燃料電池2には供されない二次空気や窒素等の不活性ガスを用いることができる。もっとも、本実施形態のように、燃料電池2に供される酸素ガス(酸素オフガス)を用いる方が燃料電池システム1を複雑化させなくて済む。
以上のように、本実施形態の燃料電池システム1によれば、水素ガス配管系4のレギュレータ(51,53,54)が故障するなどして異常が生じて水素ガスまたは水素オフガスの圧力が異常高圧となった場合でも、水素ガス流路38にリリーフバルブ57を設けているため、水素ガスまたは水素オフガスの過剰な圧力を逃がすことができる。これにより、水素ガス配管系4の異常高圧に伴う燃料電池2の損傷やシステム構成部品の損傷を未然に適切に回避することができる。また、リリーフバルブ57から放出された水素ガス等のリリーフガスはガス処理装置19で処理されるため、最終的にリリーフガスを安全な濃度で大気中に適切に排気することができる
次に、図1ないし図3を参照して、燃料電池システム1の制御例について説明する。本制御例は、リリーフバルブ57によるリリーフガスの放出に関連して、システム構成部品を制御するものである。
図2に示す制御装置5(ECU)は、いずれも図示省略したが、CPU、CPUで処理する制御プログラムや制御データを記憶したROM、主として制御処理のための各種作業領域として使用されるRAM、および入出力インターフェースを有し、これらは互いにバスを介して接続されている。入出力インターフェースには、コンプレッサ12のモータ21、水素ポンプ34、背圧調整弁17、シャットバルブ52、入口側遮断弁55、出口側遮断弁56、およびパージバルブ39等を駆動する各種ドライバのほか、複数の圧力センサ58が接続されている。
そして、CPUは、上記の構成により、ROM内の制御プログラムに従って、入出力インターフェースを介して各圧力センサ58の検出信号を入力し、RAM内の各種データ等を処理した後、入出力インターフェースを介して各種ドライバに制御信号を出力することにより、燃料電池システム1全体を制御している。
例えば図3に示すように、燃料電池システム1の稼動中では、複数の圧力センサ58は水素ガス流路38内の圧力を適宜検出している(S1)。そして、圧力センサ58がリリーフバルブ57の作動開始圧(所定の設定圧)以上である旨を検出すると(S2)、制御装置5は、リリーフバルブ57が既に開弁してリリーフガスの放出が行われていると推定(判断)する(S3)。例えば、2次レギュレータ53の下流側の圧力センサ58が、供給流路32内の水素ガスの圧力がこの圧力センサ58の近傍のリリーフバルブ57の作動開始圧以上である旨を検出すると、制御装置5は、このリリーフバルブ57が開弁していると判断する。
そして、制御装置5は、リリーフバルブ57が開弁していると判断すると、水素タンク31の下流側であって全てのリリーフバルブ57の上流側にあるシャットバルブ52を閉塞制御する(S4)。これにより、水素タンク31の元弁となるシャットバルブ52が閉塞されるため、水素タンク31から供給流路32に水素ガスがさらに流出していくことを阻止することができ、リリーフバルブ57からのリリーフガスの放出が適切に且つ迅速になされるようになる。
また制御装置5は、コンプレッサ12のモータ21の回転数を上げるように、コンプレッサ12を制御する(S5)。これにより、燃料電池2に圧送される酸素ガスの流量および燃料電池2から排出される酸素オフガスの流量が大きくなる。その結果、ガス処理装置19に導かれる酸素オフガスの流量も大きくなり、ガス処理装置19において酸素オフガスを用いたリリーフガスの濃度の低減を確実に行うことができる。
このとき、コンプレッサ12の駆動制御は、圧力センサ58が検出した検出値の大小に基づいてコンプレッサ12のモータ21の回転数を可変することもできるが、検出値の大小に関らず、モータ21を最大回転数で駆動するようにしてもよい。もっともいずれの場合も、制御装置5により背圧調整弁17の開度を調整することで、燃料電池2内のアノードおよびカソードの極間差圧が所定の範囲に維持されるようにすることが好ましい。
なお、上記のステップ4(S4)に先行してステップ5(S5)を開始するようにしてもよい。また、ステップ3(S3)においてリリーフバルブ57が開弁されていると制御装置5により判断された場合に、制御装置5は、入口側遮断弁55および出口側遮断弁56の両者を確実に開放制御することが好ましい。さらに、このステップ3(S3)において、制御装置5は、パージバルブ39を開放制御してパージバルブ39から水素オフガスを放出するようにすることで、水素ガス配管系4における過剰圧の状態を通常の所定圧の状態へと迅速に回帰させることができる。
た、圧力センサ58がリリーフバルブ57の作動開始圧以上であると検出したときに、ステップ4(S4)およびステップ5(S5)に移行するようにしているが、この構成に代えて、圧力センサ58がリリーフバルブ57の作動開始圧よりも低い所定の圧力を検出したときに、ステップ4およびステップ5に移行するようにしてもよい。例えばステップ5に着目した場合、酸素ガスの伝播速度を考慮すると、リリーフバルブ57の作動開始圧より前にコンプレッサ12による作動量を増加させることができる。すなわち、本制御例には、圧力センサ58がリリーフバルブ58の所定圧に対応するリリーフガスの圧力を検出したときに、コンプレッサ12の駆動制御およびシャットバルブ52の閉塞制御がなされることが含まれる
次に、図4を参照して、本発明に係る燃料電池システム1の制御例について説明する。本制御例は、水素ガス流路38内の圧力が異常に上昇したときに、リリーフバルブ57による作動開始に優先してパージバルブ39を開放するようにしている。パージバルブ39の開閉制御は、複数の圧力センサ58の検出結果に基づいて制御装置5によりなされるが、異常高圧のときに制御装置5によってパージバルブ39を開放制御する制御開始圧(基準圧)は、リリーフバルブ57の作動開始圧よりも低く設定されている。
図4に示すように、燃料電池システム1の稼動中では、複数の圧力センサ58は水素ガス流路38内の圧力を適宜検出している(S11)。水素ガス流路38内の圧力が異常閾値以上に上昇した場合、すなわち圧力センサ58で検出された圧力値がパージバルブ39の制御開始圧以上である場合(S12)、その検出信号を入力された制御装置5は、シャットバルブ52を閉塞制御する(S13)と共に、パージバルブ39を開放制御する(S14)。パージバルブ39が開弁状態となることで、循環流路33内の水素オフガスが排出流路36に放出されるため、過剰な圧力を適切に逃がすことができる。
このとき、制御装置5は、パージバルブ39が断続的に開閉を繰り返すようにパージバルブ39を開放制御してもよいし、過剰な圧力を逃がすのに十分な所定時間だけパージバルブ39を開放制御するようにしてもよい。そして、パージバルブ39の開放制御に同期して、制御装置5によってコンプレッサ12のモータ21を駆動制御する(S15)ことで、ガス処理装置19においては、パージバルブ39の開放に伴い排出流路36から導入された水素オフガスの処理が酸素オフガスを用いて確実になされることになる。なおこのとき、コンプレッサ12の駆動制御は、モータ21を最大回転数で駆動することで行うこともできるし、パージバルブ39の動作状況に対応してモータ21の回転数を可変して行うこともできる。後者の場合には、例えば、パージバルブ39の開閉の動作間隔、動作回数や開放時の時間等により、モータ21の回転数を可変すればよい。
以上のように、本制御例によれば、水素ガス流路38内の圧力が異常に上昇すると、パージバルブ39が開放されるため、異常高圧に伴う燃料電池2やシステム構成部品の損傷を適切に防止することができる。また、パージバルブ39から放出された水素オフガスは、ガス処理装置19により濃度の低減処理をなされるため、最終的にリリーフガスを安全な濃度で大気中に適切に排気することができる。さらに、以上のようなパージバルブ39の開閉制御を含む一連の制御によっても圧力上昇を回避できず、水素ガス流路38内の圧力がリリーフバルブ57の作動開始圧に達するような場合には、リリーフバルブ57が機械的に作動して開弁する。したがって、水素ガス流路38内の過剰圧を確実に逃がすことができる。すなわち、フェールセーフを好適に達成することができる。
なお、パージバルブ39を開弁するステップ(S14)に先行して、制御装置5は、入口側遮断弁55および出口側遮断弁56の両者を確実に開放制御することが好ましい。また、上記した制御例と同様に、コンプレッサ12を駆動制御する際に(S15)、制御装置5により背圧調整弁17の開度を調整して、燃料電池2内のアノードおよびカソードの極間差圧が所定の範囲に維持することが好ましい。
実施形態に係る燃料電池システムの構成を示す構成図である。 実施形態に係る燃料電池システムの制御構成を示すブロック図である。 料電池システムの制御を示すフローチャートである。 本発明に係る燃料電池システムの制御を示すフローチャートである。
符号の説明
1 燃料電池システム、2 燃料電池、3 酸素ガス配管系、4 水素ガス配管系、5 制御装置(制御手段)、12 コンプレッサ(酸素ガス供給手段)、19 ガス処理装置、31 水素タンク(ガス供給源)、32 供給流路、33 循環流路、36 排出流路、38 水素ガス流路(燃料ガス流路)、39 パージバルブ、52 シャットバルブ、57 リリーフバルブ、58 圧力センサ(圧力検出手段)、59 外部放出流路

Claims (6)

  1. 燃料電池に燃料ガスを供する燃料ガス流路と、
    前記燃料ガス流路に設けられ、当該燃料ガス流路内の燃料ガスが所定圧以上になったときに燃料ガスを外部に放出するリリーフバルブと、
    前記燃料ガス流路に分岐接続され、前記燃料電池から排出された燃料ガスを外部に排出する排出流路と、
    前記排出流路に設けられ、これを開閉するパージバルブと、
    前記排出流路において前記パージバルブの下流側に設けられ、燃料ガスの濃度を低減するガス処理装置と、
    前記燃料ガス流路に設けられ、当該燃料ガス流路内の燃料ガスの圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記圧力検出手段の検出結果に基づいて、前記パージバルブを開閉制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記圧力検出手段が燃料ガスの前記所定圧より低く設定された基準圧を検出したときに、前記パージバルブを開放制御する燃料電池システム。
  2. 前記リリーフバルブのガス放出側に設けられた外部放出流路を更に備え、
    前記外部放出流路は、前記ガス処理装置の上流側における前記排出流路に合流している請求項に記載の燃料電池システム。
  3. 前記ガス処理装置は、燃料ガスの濃度を低減するための希釈ガスを導入可能に構成されている請求項またはに記載の燃料電池システム。
  4. 前記希釈ガスは、前記燃料電池に供される酸素ガスである請求項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記燃料電池に酸素ガスを圧送する酸素ガス供給手段を更に備え、
    前記制御装置は、前記パージバルブの開放制御に同期して、酸素ガスを前記ガス処理装置に導入するように前記酸素ガス供給手段を駆動する請求項に記載の燃料電池システム。
  6. 前記燃料ガス流路の上流端に設けられ、燃料ガスを貯蔵したガス供給源と、
    前記ガス供給源の下流側の前記燃料ガス流路に設けられ、前記制御装置により開閉制御されるシャットバルブを更に備え、
    前記制御装置は、前記圧力検出手段が前記基準圧を検出したときに、さらに前記シャットバルブを閉塞制御する請求項ないしのいずれか一項に記載の燃料電池システム。
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