JP4665397B2 - プロピレン生産を目的とする、4、5またはそれ以上の炭素原子を有するオレフィンを含む仕込み原料を多段転化させるための方法 - Google Patents

プロピレン生産を目的とする、4、5またはそれ以上の炭素原子を有するオレフィンを含む仕込み原料を多段転化させるための方法 Download PDF

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Description

本発明は、軽質炭化水素留分、特にブテンおよび/またはペンテンを含む留分から出発して、プロピレンを生産するための方法に関する。
さらに詳しくは本発明は、オレフィン系仕込み原料、すなわち、オレフィン、たとえば水蒸気分解またはFCCからの、炭素の数が4以上である炭化水素、たとえばC4および/またはC5留分(Cnという用語で、n個の炭素原子を有する炭化水素留分を表す)を含む仕込み原料を、少なくとも部分的にはプロピレンに転化させることが可能な、方法に関する。「FCC」という用語は、流動接触分解(Fluid Catalytic Cracking)の略称で、流動床接触分解のことを指す。一般的に、また本発明においては、FCCという用語は、製油所において、主として沸点がほぼ350℃より高い(仕込み原料の少なくとも50重量%、一般には少なくとも70重量%、多くの場合100重量%が350℃より高温で沸騰する)仕込み原料、たとえば減圧蒸留留出物や場合によっては常圧蒸留残油を使用して、重質石油留分を接触分解させるために使用される、従来からの方法を意味している。
これらC4/C5オレフィン留分は、製油所および水蒸気分解設備において、大量に、時には過剰な量で得られる。しかしながら、それらをリサイクルさせるには支障がある:
・それらを水蒸気分解にリサイクルさせるのは問題である(軽質オレフィンの収率が、パラフィン系留分を含む場合よりも低く、またコーキングを起こす傾向が強い)、
・それらをFCCにリサイクルさせることは、ほとんど考えられないが、その理由は、減圧蒸留留出物の仕込み原料に合わせてあるFCCの条件下では、それらが非常に反応性が低いからである。したがってそれらをFCCにリサイクルさせようとすると、より厳しい条件にするか、特殊な触媒を使用する必要がでてきて、FCCの運転操作を変更してしまうことになってしまう。
本発明による方法の仕込み原料にはさらに、水蒸気分解ガソリンや、FCCガソリン、あるいはいくつかのその他のオレフィン系ガソリンが含まれていてもよい。(ガソリンという用語は一般に、その大部分が少なくとも1つの転化装置または合成装置(たとえば、FCC、ビスブレーキング、コーキング、フィッシャー・トロプシュ装置など)から得られ、この留分の大部分、典型的には少なくとも90重量%が、少なくとも5個の炭素原子を有し、その沸点がほぼ220℃以下の炭化水素を含む、炭化水素留分を意味する。)
したがって本発明の方法の仕込み原料を構成するオレフィン留分は、好ましくは先に定義したものから選択するか、または、先に定義したもの混合物を含む。典型的な仕込み原料には通常、ブテンおよび/またはペンテンが目立ってかなりの量で含まれるが、エチレンや、場合によっては少量の未分別のプロピレン、ヘキセン、7〜10個の炭素原子を有するオレフィン、およびオレフィン系ガソリン留分が含まれていてもよい。最も多いケースは、仕込み原料が純粋なオレフィン系ではなく、パラフィン(特にn−ブタンおよび/またはイソブタン、ペンタン)、さらには場合によっては芳香族化合物、特にベンゼンおよび/またはトルエン、および/またはキシレンを含む。それには、イソブテンおよび/またはイソアミレンを含んでいてもよい。
その仕込み原料はさらに、高度に不飽和な化合物:ジエン(ジオレフィン)、特に4または5個の炭素原子を含むジエン(特にブタジエン)を含んでいてもよい。
その仕込み原料は典型的には、その終留点(当業者には周知のTBP法による)または少なくとも、仕込み原料の90重量%が留出する温度が、非常に一般的には320℃未満、一般的には250℃未満であるような、軽質な仕込み原料である。
本発明の目的である、C4および/またはC5オレフィン系炭化水素を含む仕込み原料を、プロピレンを含む留分に転化させるための方法では、以下のような一連の工程を連続で使用する:
・仕込み原料中に含まれるブテンおよび/またはペンテンをオリゴマー化および/またはコオリゴマー化して、特に大部分のものの炭素原子の数が8以上となるような、特により高級なオレフィンを得る工程。本発明による方法の変法で、仕込み原料にエチレンが含まれるような場合には、コオリゴマー化反応によって、C6またはC7オレフィンがある程度の量で生成する可能性もある。
・そのようにして生成したより高級なオレフィンを接触分解させる工程。
一般には、n個の同一のオレフィンの付加によって形成される化合物をオレフィンのオリゴマーと呼び、少なくとも2種の(異なった)n個のオレフィンの付加によって形成される化合物をコオリゴマーと呼んでいる。
本発明によれば、また以後の本発明の記載において、さらには特許請求項において、オリゴマーという用語(および、「オリゴマー化する」や「オリゴマー化」という用語)は、より広い意味で使用することとし、n個の同一および/または異なったオレフィンの付加により形成される、より高級なオレフィンに対して適用する(したがって、この用語は、コオリゴマーを含む留分に対しても適用する)。
オリゴマー化が重合と異なるのは、付加する分子の数が限られている点で、前記の数字のnが、ほとんどの場合少なくともオリゴマーの重量基準で、2〜10の間(両端を含む)、一般に2〜5の間、特に2〜4の間である。しかしながら、このオリゴマーには、n>10でオリゴマー化されたオレフィンが少量含まれていてもよい。ここで言う少量とは一般に、生成するオリゴマーの5重量%未満のことを言う。
本発明による方法を適用する設備は、製油サイト(石油精製所)の近傍または内部、または石油化学設備(一般に水蒸気分解装置)に設置する。
通常実施されるFCCの製造や水蒸気分解のための方法(それらでは、プロピレンは、他の製品、具体的にはガソリンまたはエチレンなどと同時に生産される)は別とすれば、プロピレンを生産するための公知の方法としては、エチレン+n−ブテンの混合物をプロピレンに転化させる複分解のための方法がある。この方法については、特許文献1に記載がある。
本発明による方法が複分解に比較して有利な点の1つは、C4およびC5留分ならびに、場合によってはより炭素原子の数が多い炭化水素留分、具体的にはガソリンの、オレフィン系化合物の全てからプロピレンが生産でき、コストが高くつくエチレンを大量に消費する必要がない、ということである。水蒸気分解サイトで適用した場合には、本発明による方法では、仕込み原料としてエチレンを使用せずにすむだけでなく、プロピレンと同時にエチレンを生産することが可能となる。エチレンの同時生産がプロピレンの生産よりも少ないのが普通であるので、これによって、水蒸気分解装置におけるプロピレン対エチレンの比を改良することが可能となる。
さらに、石油精製所に適用した場合、本発明による方法によって、(C4/C5留分も含めて)必要に応じて高付加価値化を図ることが可能となる。製油所ではよくあることであるが、高付加価値化のためにエチレンの量を変更することには比較的限度があったりおよび/または困難であったりする。
C4およびC5オレフィン留分からプロピレンを生産するための単一段プロセスもまた公知である:
・特に、従来からのFCCに近い技術によるが、ただし高温および高いシビアリティ(苛酷度)で、特にライザー出口における温度が700℃に近い条件で運転される、実質的に流動床接触分解からなる方法が公知である(「ライザー」とは、触媒および反応の仕込み原料を上昇循環させるための、垂直に立ち上がっているパイプである)。時には石油化学FCCと呼ばれることもある、このタイプの方法の欠点は、仕込み原料中に含まれるガソリンを過剰に分解してしまうことで、そのために、ガソリンの生産量が低下する。仕込み原料中に含まれるパラフィンもまたシビアな温度条件にさらされ、そのために熱分解が起きて、この方法で高付加価値化を図ることが困難な軽質な化合物、たとえばプロピレンよりも軽質な化合物が生成してしまう可能性がある。さらに、公表されているプロピレンの収率は、非常にシビアリティの高い条件下においてさえ、やっと30%を超える程度でしかない。
・プロピレンを生産するためのまた別な方法としては、触媒としてゼオライトZSM−5を使用した流動床方法がある。この方法は、特許文献2、さらには非特許文献1に記載されている。この方法の典型的な操作条件は、温度が600℃の領域で、圧力が0.1〜0.2MPaである。
そのような条件におけるプロピレンの収率はほぼ30%であるが、未反応のC4およびC5留分をリサイクルさせることによって、50%にまで上げることは可能である。
この方法の欠点は、シビアな操作条件が必須であることと、受け入れられる留分が、オレフィン系のC4およびC5であって、5より多い炭素原子数を有するガソリンではあってはならないことで、それに対して本発明の場合には、ガソリン留分を処理することが可能である。また別な欠点を挙げれば、仕込み原料中のパラフィンは、反応器の中を触媒的には転化されずに通過するが、部分的に、特に熱的に分解されて、望ましくない軽質の化合物を形成する可能性があることである。
単一段プロセスの系統では、非特許文献2に記載された方法を挙げることができる。これは固定床プロセスであって、触媒は、水蒸気の存在下で機能するZSM−5ゼオライト型のものである。その温度は500℃に近く、その圧力は0.1〜0.2MPaの間である。公表されているサイクルタイムは、1000時間のオーダーである。この触媒はインサイチュー(in situ)で再生され、その全寿命、すなわち、完全に更新されるまでに反応器の中で使用される時間の長さは、ほぼ15か月である。公表されているプロピレン収率はほぼ40%であるが、未反応のC4およびC5留分をリサイクルさせることによって、60%まで上昇させることが可能である。この方法により、比較的高いプロピレン収率を得ることが可能となる。しかしながら、この方法では水蒸気を使用する必要があり、その触媒のサイクルタイムも非常に高いといったものではない。
特許文献3および特許文献4に記載された方法を挙げることもできる。これは、高いSi/Al比(180〜1000)を有するMFI型ゼオライト触媒を使用して、ジエンや芳香族化合物の生成の原因となる水素連鎖移動反応を抑制する方法である。その温度は550℃に近く、その圧力は0.1MPaに近く、その空間速度は10h−1〜30h−1の間に設定される。そのプロピレン収率は、仕込み原料中に含まれるオレフィンの量に対して、30〜50%の間である。したがって、入ってくる仕込み原料に対する直接の値は、典型的には30%未満であろうと推測される。
特許文献5に記載されている方法も挙げることができる。これは、特別な特性を有するZSM−5型またはZSM−11型ゼオライト触媒を使用し、高い空間速度で実施する方法である。この方法にはさらに、その1つの変法において一連の、C4留分のオリゴマー化、未反応ブタンの除去、そしてオリゴマーの接触分解が記載されている。そのオリゴマー化の目的は、ブタンとブテンを分別するのは困難であるのに対し、ブテンをオリゴマー化することによって、ブタンとオリゴマーの分別を容易にして、分解工程より前にブタンを除去することにある。オレフィン系のC5留分は直接分解させる。仕込み原料にイソブテンおよび/またはイソペンテン、および/またはイソアミレンが含まれている場合についての、技術的な手段や特別な方法の工夫については、全く言及されていない。
最後に特許文献6について述べれば、オレフィン系C4留分からプロピレンおよびエチレンを生産するための方法が記載されていて、それには、エーテル化によってイソブテンを除去する工程が含まれる。
本発明による方法においては、イソブテンを除去することは、たとえそれが可能であったり好ましいことであったとしても、不可欠なものではないが、これについては、後に説明する。
フランス特許第2 608 595号明細書 国際公開第01/04237号パンフレット 国際公開第99/29805号パンフレット 欧州特許公開第A−1 061 116号明細書 欧州特許第B1−0 109 059号明細書 米国特許第6,049,017号明細書 『ハーツ・フューエル・テクノロジー・アンド・マネージメント(Hart’s Fuel Technology and Management)』誌の1998年5月号に掲載された論文の「マキシマイジング・リファイナリー・プロピレン・プロダクション・ユージング・ZSM−5・テクノロジー(Maximizing Refinery Propylene Production Using ZSM-5 Technology)」 『ハイドロカーボン・エンジニアリング(Hydrocarbon Engineering)』誌の1999年5月号に掲載された論文の「プロダクション・オブ・プロピレン・フロム・ロウ・バリュード・オレフィンズ(Production of Propylene from Low Valued Olefins)」
本発明は上述した従来技術の問題点を解決することが出来る、プロピレン生産を目的とする、4、5またはそれ以上の炭素原子を有するオレフィンを含む仕込み原料を多段転化させるための方法を提供する。
請求項1に係る発明は、4個の炭素原子を有するオレフィンを含む炭化水素仕込み原料を接触転化させるための方法であって、前記方法が以下の一連の工程、すなわち:
・オリゴマー化のための少なくとも1段の工程b)またはb1)またはb3)であって、前記4個の炭素原子を有するオレフィンの接触オリゴマー化を、仕込み原料の中にさらに含まれるその他のオレフィン(前記その他のオレフィンは一方ではエチレンを、他方では5または6個の炭素原子を有するオレフィンを含む群に属している)の存在下に、少なくとも1基の反応器中で実施してオリゴマーを得るための工程、次いで、
・工程d)であって、前記オリゴマー化反応器とは別な反応器の中で、前記オリゴマーの少なくとも一部の接触分解を実施して、特にプロピレンを生産するための工程、
を包含することを特徴とする方法である。
請求項2に係る発明は、4個の炭素原子を有するオレフィンを含む、特にイソブテンを含む炭化水素仕込み原料を接触転化させるための方法であって、前記方法が以下の一連の工程、すなわち:
・オリゴマー化のための少なくとも1段の工程b)またはb1)またはb3)であって、仕込み原料中に含まれるオレフィンの接触オリゴマー化を少なくとも1基の反応器中で実施する工程、次いで、
・分別のための工程b2)またはc)であって、生成したオリゴマーの少なくとも一部を分離して、次の工程d)に供給することなく、直接抜き出し、前記抜き出し部分はジ−イソブテンおよび/またはトリ−イソブテンを含む、工程、
・工程d)であって、前記オリゴマー化反応器とは別な反応器の中で、生成した前記オリゴマーの少なくとも一部の接触分解を実施して、特にプロピレンを生産するための工程、
を包含することを特徴とする方法である。
請求項3に係る発明は、上述の工程d)の上流側で以下の工程、すなわち:
・限定されたオリゴマー化の第1の工程b1)、
・工程b1)の流出物を分別する工程b2)であって、次の工程b3)とd)に供給することなく直接抜き出す少なくとも1つの留分を製造し、前記抜き出した留分はジ−イソブテンおよび/またはトリ−イソブテンを含む、工程、
・ジ−イソブテンおよび/またはトリ−イソブテンを含む上述の留分を抜き出した後で、工程b2)の流出物、または前記流出物中に含まれる少なくともC4および/またはC5オレフィン系留分を最終的にオリゴマー化するための、工程b3)、
を実施する請求項2に記載の方法である。
請求項4に係る発明は、以下の:
・実質的にC4留分のみからなる仕込み原料を用い工程b1)、
・b1)において転化されなかったブテンに、C5、またはC2+C5留分を添加して工程b3)、
を実施する請求項3に記載の方法である。
請求項5に係る発明は、実質的な量の、5個の炭素原子を有するオレフィンを含む炭化水素仕込み原料を接触転化させるための方法であって、前記方法が以下の一連の工程、すなわち:
・オリゴマー化のための少なくとも1段の工程b)またはb1)またはb3)であって、仕込み原料中に含まれるオレフィンの接触オリゴマー化を少なくとも1基の反応器中で実施する工程、次いで、
・工程d)であって、前記オリゴマー化反応器とは別な反応器の中で、生成した前記オリゴマーの少なくとも一部の接触分解を実施して、特にプロピレンを生産するための工程、
を特徴とする方法である。
請求項6に係る発明は、前記オリゴマー化反応器の仕込み原料が0.5〜15重量%のエチレンを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法である。
請求項7に係る発明は、前記オリゴマー化反応器の仕込み原料が、C4、C5およびC6オレフィンの合計量に対して、0.5〜15重量%のエチレンを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法である。
請求項8に係る発明は、前記オリゴマー化反応器を用いる工程b)またはb1)またはb3)の仕込み原料が、少なくとも50重量%のC4+C5+C6炭化水素、少なくとも10重量%の4個の炭素原子を有するオレフィン、さらには5および/または6個の炭素原子を有するオレフィンを含み、その質量比[R1=(C5オレフィン+C6オレフィン)/C4オレフィン]が0.15より大きい、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法である。
請求項9に係る発明は、前記オリゴマー化反応器を用いる工程b)またはb1)またはb3)の仕込み原料が、少なくとも50重量%のC4+C5+C6炭化水素、少なくとも10重量%の4個の炭素原子を有するオレフィン、さらには5個の炭素原子を有するオレフィンを含み、その質量比[R2=C5オレフィン/C4オレフィン]が0.15より大きい、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法である。
請求項10に係る発明は、前記オリゴマー化反応器の仕込み原料が、ジオレフィン系および/またはアセチレン系化合物を含み、前記仕込み原料を、まず選択的水素化のための工程a)にかけてそれらジオレフィン系および/またはアセチレン系化合物を実質的に除去する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法である。
請求項11に係る発明は、前記オリゴマー化工程に使用するための前記触媒が形状選択性を有する酸性固体を含み、前記触媒が少なくとも1種のゼオライトを含み、前記ゼオライトがケイ素と、アルミニウム、鉄、ガリウム、リン、ホウ素からなる群より選択される少なくとも1種の元素、好ましくはアルミニウムとを含み、使用される前記形状選択性を示すゼオライトが、以下の構造タイプ:MEL、MFI、NES、EUO、FER、CHA、MFS、MWWの1種のゼオライトを含む群から、または、以下の:NU−85、NU−86、NU−88およびIM−5のゼオライトの群からのゼオライトである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法である。
請求項12に係る発明は、接触分解の工程d)の前記触媒がゼオライトを含み、分解を450℃〜650℃の間の温度、および0.1〜0.5MPaの間の圧力で実施する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法である。
請求項13に係る発明は、前記分解工程のために使用する前記触媒が、形状選択性を示すMFI型の構造のゼオライト単独を含むか、または形状選択性を示すMFI型の構造のゼオライトと、以下の構造タイプ:MEL(たとえばZSM−11)、NES、EUO、FER、CHA(たとえばSAPO−34)、MFS、MWWの1種のゼオライトを含む群から、または、以下の:NU−85、NU−86、NU−88およびIM−5のゼオライトの群から選択される他の形状選択性を示すゼオライトとを混合したものを含み、そして、使用される形状選択性を示す前記単一または複数のゼオライトが12より大きいSi/Al比を有している、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法である。
請求項14に係る発明は、前記分解工程のために使用する前記触媒が、1種または複数の、形状選択性を示すゼオライトを含み、形状選択性を示すゼオライト(1種または複数)のゼオライト(1種または複数)全量に対する比率が、70〜100重量%の間である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法である。
請求項15に係る発明は、前記分解工程において使用する前記触媒が、前記オリゴマー化工程において使用する前記触媒に含まれる前記形状選択性を示す単一または複数のゼオライトとは異なったSi/Al比を有する、形状選択性を示すゼオライトを含む、請求項11または請求項13に記載の方法である。
請求項16に係る発明は、前記接触分解反応器が固定床または移動床または流動床反応器である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法である。
一般的に言って、単一の触媒と一組だけの操作条件を使用した転化のための単一段プロセスに比較して、2段の分離した工程を使用する本発明による方法を採用すると、オレフィンの鎖長を伸ばしてから分解工程に送り込むことができ、それによって前記分解に対しての反応性がより高くなり、また、触媒や操作条件の点からみて、各工程を最適化することが可能となるが、それについては、後にさらに詳しく説明する。
操作条件を変化させることによって、特にオリゴマー化工程において、特に比較的高い圧力を使用することで付加反応を促進させることが可能となり、それに対して、分解の工程においては、比較的低い圧力と高い温度を使用するのが好ましい。具体的には、そのために、分解工程で形成されたプロピレンは、いったん形成されてしまえば、オリゴマー化する傾向は非常に少ない。
C4オレフィンと、少なくともある程度の量の、C2、C5およびC6オレフィン、特にC5および/またはC6からなる群のその他のオレフィンと、を含む仕込み原料を前もってオリゴマー化することにより、収率が上がり、プロピレンへの選択率が向上することも見いだされた。
具体的には、C4とC5オレフィン、またはC4とC5とC6、またはC4とC2とC5を含む混合物をオリゴマー化(おそらくは部分的にコオリゴマー化を伴う)すると、プロピレン収率(分解後)が改良され、転化率が上がり、また、C4留分だけをオリゴマー化して特にC5オレフィンを前もってオリゴマー化することなく分解する場合に比較して、操作条件の適用がより容易になる。このコオリゴマー化の効果が顕著となるのは、オリゴマー化されたC5留分の量が多い場合である。
オリゴマー化工程b)に供給される、本発明による方法の仕込み原料の内で好ましいのは、仕込み原料が、少なくとも50重量%、通常は少なくとも70重量%またはそれ以上のC4+C5+C6留分を含み、かつ、C4、C5、およびC6の留分の少なくとも2種のオレフィンを含むもので、特に以下の仕込み原料、すなわち:
・オレフィン系C4留分(すなわち、オレフィンを含み、場合によっては他の化合物、たとえばパラフィンを含んでいてもよい)を含む仕込み原料で、その仕込み原料にはたとえば、少なくとも10重量%のC4オレフィンを含み、さらに、C5および/またはC6オレフィンをたとえば少なくとも10重量%をふくむもので、質量比で:
R1=(C5オレフィン+C6オレフィン)/C4オレフィンの値が、0.15より大、たとえば0.2<R1<5、特に0.3<R1<3、そして特に0.5<R1<2、さらに特に0.7<R1<1.5のもの、
・または、オレフィン系C4留分を含む仕込み原料で、その仕込み原料が、たとえば少なくとも10重量%のC4オレフィンを含み、さらにC5オレフィンを、たとえば少なくとも10重量%含むもので、質量比で:
R2=C5オレフィン/C4オレフィンの値が、0.15より大、たとえば、0.2<R2<5、特に0.3<R2<3、特に0.5<R2<2、さらに特に0.7<R2<1.5のものである。
C4およびC5オレフィンを含むこれらの仕込み原料には、C6オレフィンをさらに含んでいてもよいが;仕込み原料に実質的にC6オレフィンを含んでいなくてもよく、たとえば質量比で:
R3=(C4オレフィン+C5オレフィン)/C6オレフィンの値が10より大で、C6オレフィンは前もってオリゴマー化にかけることなく、オリゴマーと混合して、たとえば分解工程へと送られる。
これらの仕込み原料は、本発明の方法に従ってオリゴマー化および分解をすると、良好なプロピレン収率を与える。C4およびC5オレフィン、特にブテンとペンテンの二量化によって得られるC9コダイマーの留分は、C4またはC5オレフィンを直接分解する場合よりも、より良好なプロピレン収率と、より高いプロピレン/エチレン比を与えるが、特にその理由は、C9ダイマーの内のかなりの割合のものが分解により3モルのプロピレンとなるからであると、考えられる。
オリゴマーの接触分解から得られる留分は典型的には、オレフィン系C4およびC5留分を比較的少量しか含まない。仕込み原料の大部分は典型的には、外部からのオレフィン系留分で、フレッシュな仕込み原料、すなわち、本発明による方法の工程d)の流出物から来るものではなく、たとえば、水蒸気分解装置からの流出物(たとえば分解ナフサ)、および/またはFCCからの流出物、主として分解減圧蒸留留出物からの、1種または複数の仕込み原料である。これは具体的には、上記のR1およびR2の比の値に従った、充分な量のC5オレフィンを含む仕込み原料をオリゴマー化することが可能であるということを意味している。
本発明による方法によって、いくつかのメリットが得られる:
・仕込み原料の選択の自由度が大きくなる:オレフィン系C4留分だけではなく、C5および/またはC6、さらにはC7オレフィン系留分や、場合によってはオリゴマー化のための供給原料となりうるエチレン、および/または分解工程に容易に導入可能な比較的重質なオレフィン系ガソリンなどが使用できる、
・プロピレン収率が向上する、
・プロピレン/エチレン比が向上する、
・オリゴマーの反応性が向上するために、分解工程における転化率が高くなる、
・より温和な条件、特により低い温度で分解を実施することが可能なために、分解触媒(およびオリゴマー化触媒)のサイクルタイムが長くなる。ここでのサイクルタイムが長くなるということは、1種または複数の固定床または移動床接触分解反応器を、操作上の問題を招くことなく使用することが可能で、より費用がかかる流動床反応器を使用せずにすむ、ということを意味している。
したがって本発明は、4および/または5個の炭素原子を有するオレフィンを含む炭化水素仕込み原料を接触転化させるための方法を提案するものであって、前記方法の特徴は、以下の連続の工程を有していることである:
・オリゴマー化のための少なくとも1段の工程b)またはb1)またはb3)(これらの工程b)、b1)およびb3)については後ほど説明する)であって、そこでは、仕込み原料中に含まれる4および/または5個の炭素原子を有するオレフィンを、より高級なオレフィン、すなわち、大部分のものでは8以上の炭素原子の数を有するオリゴマーへ接触オリゴマー化することが、少なくとも1つの反応器の中で実施され、次いで、
・工程d)であって、そこでは、生成したオリゴマーの少なくとも一部、一般には実質的な割合(たとえば少なくとも20重量%、または少なくとも30重量%)、多くの場合さらに大きな割合(50重量%を超え、しばしば70%を超え、さらには100%)の接触分解を、オリゴマー化反応器とは別の反応器の中で実施して、具体的にはプロピレンを生産する。
仕込み原料をその装置に導入するより前に、工程a)においてまず選択的水素化をさせて、仕込み原料に混在していることが多いジオレフィンや他のアセチレン系不純物を除去することが可能であれば、好ましい。これら各種高度に不飽和な化合物はオリゴマー化触媒をある程度まで活性低下させること、および選択的水素化をすることによって、転化されるオレフィンの量を増やすことが可能であるということ、が実際に見いだされている。
本発明による方法の1つの変法においては、オリゴマー化工程b)からの流出物を、4および/または5個の炭素原子を有する化合物の少なくとも一部を分離するための蒸留を含む分別工程c)にかけ、それらを多くの場合直接除去して、接触分解反応器へは供給しない。反応によりオリゴマー化しないC4/C5留分は、実際のところ実質的にはパラフィン系のもので、接触分解に対する反応性も非常に低い。それを直接除去することによって、ある程度の熱分解によって望ましくないガス状生成物を発生させうる接触分解反応器を通過させずにすむ。このC4/C5仕込み原料は、水蒸気分解装置に送ることが可能であり、このパラフィン系の仕込み原料は、水蒸気分解のための良質な仕込み原料であることは判っている。
オリゴマー化工程b)からの流出物からC6留分および/またはC7留分を除去することも可能であり、場合によってはそれを、オリゴマー化工程からの同じ流出物の中の炭素原子が3個以下のC3留分化合物と同様に、水蒸気分解に送る。
接触分解工程d)からの流出物は典型的には、分別工程e)にかけるが、そこではもっとも普通には、ガスを圧縮し、1段または多段の蒸留で流出物を分離し、プロピレンリッチなC3留分、または実際には純粋なプロピレンを生産する。
分解工程からの流出物中に含まれる4および/または5個の炭素原子を有する化合物の一部を、工程b)の入口または工程a)の入口にリサイクルできれば、好都合である。
本発明による方法の各種反応工程の具体的な条件については、単一のサイトに統合した選択的水素化、オリゴマー化および接触分解を含み、使用する仕込み原料が主としてブテン、ペンテン、ブタン、ペンタン、さらには場合によってはブタジエンおよびペンタジエンを各種の量で含むC4およびC5炭化水素の軽質留分である、変法に従って、以下においてさらに詳しく述べる。
1)選択的水素化(工程a)):
この軽質留分は典型的には、接触分解装置および/または水蒸気分解装置から来る。この留分が水蒸気分解装置から来る場合には、ジエンおよびアセチレン系化合物の含量が高く、このことが、この場合にはジエンおよびアセチレン系化合物をオレフィンに選択的に水素化する工程がほとんど不可欠である理由である。さらにほとんどの場合において、工程b)におけるオリゴマー化触媒のコーキングを抑制し、またオリゴマー化反応器のサイクルタイムを長くすることが可能となるために、選択的水素化が望ましい。しかしながら、前記の選択的水素化の工程が本発明による方法の中に含まれていなくても、本発明の範囲から外れる訳ではない。
この第1の工程の主目的は、ジオレフィン(またはジエン)をモノオレフィンに転化させることである。事実、モノオレフィンが、工程2において生産されるオリゴマーの原料である。したがって、ジオレフィンをモノオレフィンに転化させるのが望ましい。この工程の第2の目的は、これらの留分の中には必ず存在していて、かつオリゴマー化にとっては好ましくない微量のアセチレン系炭化水素を除去することであって、それらの化合物もまた、転化によってモノオレフィンとする。
その留分の中に高い割合でジオレフィンが存在するような場合には、水素化の選択性をよりよく調節するために、転化反応を、直列に接続した2段または3段の反応器で実施することができれば好都合である。リサイクルにより処理する仕込み原料を、この選択的水素化工程からの流出物をある程度の量で使用して、希釈することもよく行われる。
選択的水素化工程からの流出物中のジオレフィン+アセチレン系化合物の残存含量は、典型的にはほぼ1000重量ppm未満、好ましくはほぼ100重量ppm未満、非常に好ましくは20重量ppm未満である。アセチレン系化合物の残存含量は、10ppm、または5ppmまたはさらに1重量ppm未満とすることができる。
この工程で起きる全ての反応に対して必要とされる水素の量は一般に、留分の組成の関数として調節され、化学量論量に対して水素がほんのわずか過剰になるようにするのが好都合である。
一般に、選択的水素化のこの工程は、アルミナ、シリカまたはシリカ・アルミナを含む担体の上に担持させた、ニッケル、パラジウムおよび白金からなる群より選択される少なくとも1種の金属を含む触媒を使用して実施する。耐熱性鉱物質担体、たとえばアルミナまたはシリカ・アルミナ上に固定した、少なくともパラジウムまたはパラジウム化合物を含む触媒を使用するのが好ましい。担体上のパラジウムの含量は典型的には、0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜1重量%の間とすることができる。場合によっては、当業者には公知の各種の前処理をそれらの触媒に施して、モノオレフィンに対するそれらの水素化選択性を改良することができる。
選択的水素化の操作温度は一般に0〜200℃の間であり、圧力は典型的には0.1〜5MPaの間、多くの場合は0.5〜5MPaの間であり、その空間速度は典型的には触媒1mあたり1時間あたり0.5〜20mの間、多くの場合触媒1mあたり1時間あたり0.5〜5mの間であり、そして、 /(アセチレン系+ジオレフィン系化合物)のモル比は一般に0.5〜5の間、好ましくは1〜3の間である。
接触分解のための供給原料としてガソリン留分をさらに使用する場合には、その留分をあらかじめ選択的に水素化をさせておくこともできるが、その場合C4および/またはC5留分の選択水素化と組み合わせるか、または別途に実施することができる。この選択的水素化を組み合わせて実施する場合には、そのガソリンは場合によっては、オリゴマー化よりは上流側で、C4および/またはC5留分から分離することができる。
選択的水素化は一般に、固定床反応器を使用し、処理対象の仕込み原料と水素を下降併行流にするか、あるいは、処理対象の仕込み原料を下降流、水素を上昇流として、実施する。
本発明の方法には、オリゴマー化よりも上流側に、仕込み原料を精製するための1つまたは複数の工程を(選択的水素化とは別、または組合せで)さらに含むことも可能であり、これは、それに続く工程(オリゴマー化および分解)の少なくとも1つにとっては、有用あるいは必要であろう。これら精製のための任意の工程の有用性は、使用する単一または複数の触媒、さらには操作条件によって直接決まってくるもので、対象とする個々のケースに関して当業者には明白であろう。したがって、オリゴマー化の上流側で、脱硫、および/または乾燥、および/または脱窒素、および/または脱酸素反応の1段または多段の工程が実施されて、次の不純物、すなわち硫黄、水、窒素、酸素の1種または複数を通常の技術にしたがって除去して、100ppm、または10ppm、またはさらに1重量ppm未満にしたとしても、本発明の範囲から外れる訳ではない。
2)オリゴマー化(工程b)):
この第2の工程の目的は、先行する工程から得られる、直鎖状、場合によっては分岐状のC4およびC5オレフィン、さらには存在する他の各種オレフィン、たとえば非限定的に挙げればC2オレフィン(エチレン)および/またはC6オレフィン(ヘキセン)をオリゴマー化して、炭素原子の数がほとんどの場合8以上であるモノオレフィンを含む炭化水素混合物を得ることである。典型的には、C4仕込み原料から出発すると、炭素原子の数が、最大で少なくとも30以下、たいていのものは8〜20の間のオリゴマーが得られる。
オリゴマー化は、1基または複数の反応器と、1種または複数の触媒を使用して、1段または多段の工程で実施することができる。以下に記述する触媒と操作条件は、すべての工程および/またはすべての反応器に適用することができる。
オリゴマー化工程では、ルイス酸、たとえば塩化アルミニウム、クロロアルキルアルミニウム、四塩化スズ、三フッ化ホウ素を含む触媒を使用することができるが、前記ルイス酸は微量の塩化水素酸、水、tert−ブチルクロリド、または有機酸と組み合わされていることも多い。
ダイマーへの選択性およびトリマーへの選択性は、触媒と操作条件によって決まってくる。本発明においては、オリゴマー化のための方法は、出発オレフィンのかなりの割合、必要があれば全部の転化が得られるようにする。
オリゴマー化工程において使用する触媒は、たとえばシリカ、アルミナ、またはシリカ・アルミナの上に担持させた硫酸または担持させたリン酸を含んでいてもよい。
オリゴマー化工程において使用する触媒には、スルホン樹脂(非限定的に例を挙げれば、ローム・アンド・ハース社(company ROHM & HAAS)から販売されているアンバーリスト(AMBERLIST)樹脂)がさらに含まれていてもよい。
このオリゴマー化工程において使用する触媒には、シリカ・アルミナ、または好ましくは形状選択性を示す固体酸が含まれていてもよい。
たとえば、前記触媒には少なくとも1種の形状選択性を示すゼオライトを含むことができ、前記ゼオライトには、ケイ素と、アルミニウム、鉄、ガリウム、リン、ホウ素からなる群より選択された少なくとも1種の元素、好ましくはアルミニウムとが含まれる。前記ゼオライトは、たとえば以下に示すタイプの構造:MEL(たとえばZSM−11)、MFI(たとえばZSM−5)、NES、EUO、FER、CHA(たとえばSAPO−34)、MFS、MWWの1種であればよく、あるいはやはり形状選択性を示す、以下のゼオライト:NU−85、NU−86、NU−88およびIM−5、の1種であってもよい。
形状選択性を示すこれらゼオライトの優れている点は、高度に分岐したオリゴマー、たとえば三分岐異性体の生成を抑制することであり、そのような高度に分岐したオリゴマーを分解すると、プロピレン/イソブテン選択性の低下、すなわち、プロピレン/イソブテンの質量比の低下を招く。
形状選択性を示すゼオライトを複数使用することも可能で、たとえばMFI型ゼオライト(たとえばZSM−5)と、先に述べたような他のゼオライト、または先に述べタイプの1つとを組合せてもよい。
使用するゼオライトを、形状選択性を示さないゼオライト、たとえば構造タイプがFAUのゼオライトYと混合することも可能である。
単一または複数のゼオライトを、シリカ、アルミナ、またはシリカ・アルミナをベースとするマトリックス中に分散させることも可能で、ゼオライト(一般的には、形状選択性を示すゼオライト)の比率は通常、3〜80重量%の間、特に6〜50重量%の間、好ましくは10〜45重量%の間である。
形状選択性を示す、使用する単一のゼオライト(または使用する複数のゼオライト)は一般に、そのSi/Al比が12より大、好ましくは40より大、より好ましくは50より大、さらにより好ましくは80より大である。
このSi/Al比は、たとえば40〜1000の間とすることができる。そうすることによって、触媒の酸性度を低下させて、後に続く分解工程において反応性がほとんど無いかまたは全く無いパラフィンの生成をもたらす、水素連鎖移動反応を抑制することが可能となる。このような高いSi/Al比は、ゼオライトを製造する際に得ることもできるし、あるいはその後に脱アルミニウムをすることによって得ることもできる。
オリゴマー化触媒は、オリゴマー化においてかなりの活性を有しているものならば、前述の触媒とは最終的には異なったものであってもよい。
この触媒は、固体状態で使用することが可能であって、粉体の形状や、その直径が一般に0.4〜6mmの間、好ましくは0.6〜4mmの間の球状または押出し成形物の形状であってよい。
この触媒はさらに、飽和炭化水素たとえばヘキサンもしくはイソブタン、またはハロゲン化炭化水素たとえば塩化メチルの中に懸濁させる形態で使用することもできる。そのような懸濁体は、バブリング床において使用することが可能で、特にその平均直径が0.25〜1mmの間、好ましくは0.3〜0.8mmの間の粒子か、または、微細懸濁体で、その平均直径が0.02〜0.25mmの間、好ましくは0.03〜0.20mmの間の粒子を使用する。粒子がコロイド状態にあるような、懸濁体で使用することもまた可能である。
オリゴマー化反応器で適用するのに好適な形態は、固定床である。
その操作条件は触媒の関数として選択して、反応が充分な速度で起きるようにする。その温度(反応器出口における)は、たとえば、−100℃〜350℃の間、好ましくは0℃〜310℃の間、非常に好ましくは70℃〜310℃の間、たとえば120℃〜250℃の間、特に150〜220℃の間とする。多くの場合、オリゴマー化工程b)の温度は、接触分解工程d)の温度よりも、少なくとも40℃低め、好ましくは少なくとも80℃低め、非常に好ましくは少なくとも120℃低めとする。
その圧力は、典型的には0.1〜10MPaの間、好ましくは0.1〜5MPaの間、非常に好ましくは0.8〜4MPaの間、特に、1.5〜3.5MPaの間とする。多くの場合、オリゴマー化工程b)の圧力(反応器出口における)は、接触分解工程d)の圧力よりも、少なくとも0.5MPa高め、好ましくは少なくとも1MPa高め、非常に好ましくは少なくとも1.5MPa高めとする。
SVは一般に、触媒1mあたり1時間あたり0.1〜5mの間、好ましくは触媒1mあたり1時間あたり0.5〜4mの間とする。
操作条件は、仕込み原料の特性の関数として最適化されることが多い。
選択的水素化工程a)の場合およびオリゴマー化工程b)の場合で同様な条件を使用することも可能であり、特に圧力が同様で、相互の圧力差が最大で0.5MPa、さらには最大で0.3MPaとすることが可能である。そのようにすると、その2つの反応を互いに繋ぐことが可能となり、場合によっては、中間における分別や加圧もしくは減圧をする必要もなく、あるいは場合によっては、さらに中間冷却無し、もしくは中間加熱無しとすることさえ可能である。選択的水素化の反応と、オリゴマー化の反応を、同一反応器内で、2つの連続する触媒床中で実施することも可能である。
オリゴマー化の際のC4およびC5オレフィンの転化率は通常、70%または90%またはそれ以上、さらには事実上100%に達することもある。
この工程においては、特に下記の条件下では、仕込み原料に少量のエチレンを添加すると効果がある場合があるが、その理由は、エチレンが(仕込み原料のC4/C5オレフィンに付加することによって)6個または7個の炭素原子を有するオリゴマーの生成を促進し、それらがその後で分解されてプロピレンとなるからである。これによって、石油精製所の中で得られるエチレンの比較的限定された量を高付加価値化することが可能となる(前記エチレンは、実質的にはFCCで製造される)。この仕組みが有効なまた別の状況は、エチレンの需要は少ないがプロピレンの需要は高いままであるような経済状況にある、水蒸気分解装置からのエチレン供給の場合である。それによりエチレンの量を、利用可能な過剰量に調節することが可能である。(比較のために言えば、そのような調節は複分解を用いた方法では不可能で、そこでは、ブテンと同じくらい大量のエチレンが使用されている。)使用可能なエチレンの量は、たとえば、オリゴマー化の仕込み原料の0.5〜15重量%の間である。典型的には、オリゴマー化反応器の仕込み原料には、C4、C5およびC6オレフィンの合計量に対して、0.5〜15重量%のエチレンが含まれる。
接触分解の場合に比較して、かなり高圧、低温でオリゴマー化をさせることによって、2つのタイプの化学反応を最適化することができ、特定の触媒を使用することが可能となる。さらにそれによって、サイクルタイムが長くなり、またより温和な条件で使用されるために、特にコーキングに関してオリゴマー化触媒の寿命を長くすることが可能となる。
一般的には、このオリゴマー化反応器は固定床で、シリカ・アルミナ、または好ましくは少なくとも1種のゼオライト、非常に好ましくは形状選択性を示すゼオライト(たとえばMFI型ゼオライト)を含む触媒を使用し、温度が70℃〜+310℃の間、圧力が典型的には0.1〜5MPaの間、そして空間速度が触媒1mあたり1時間あたり0.1〜5mの間で運転される。
仕込み原料に、実質的な量あるいは大量にイソブテンを含むような場合に特に使用可能な、本発明による方法の1つの変法においては、オリゴマー化工程b)を3段の工程で実施することができる:
・工程b1)では限定的なオリゴマー化を行い、反応性のより高い分岐状オレフィン、特にイソブテンのオリゴマー化を優先的に実施して、直鎖状のオレフィンは特にわずかしかオリゴマー化しないようにすることが可能である。
・工程b2)では工程b1)からの流出物の分別を行い、たとえば蒸留またはその他各種公知の分別によって、ジ−イソブテンおよび/または場合によってはトリ−イソブテンを含む少なくとも1種の留分:ジ−イソブテンに富んだ、または実質的に純粋なジ−イソブテンのC8留分、または場合によってはC8留分(C8およびそれより重質の留分で、ジ−イソブテンと同時に任意の量でトリ−イソブテンを含む)を分離することが可能であるが、前記分離留分は、直接系外へ取り出す(すなわち、その後のオリゴマー化のための工程b3)および分解のための工程d)には供給しない)。
・工程b3)では工程b2)からの流出物の、またはジ−イソブテンおよび/または任意成分のトリ−イソブテンを含む前記の留分を除去したあとの少なくともオレフィン系C4および/またはC5留分の、最終的なオリゴマー化を行う。
これらの工程は、それぞれ互いの間さらには分解工程d)との間で相互に関係があり:工程b1)およびb2)によって、少なくとも部分的にイソブテンを反応生成物(接触分解によるプロピレン収率が比較的に低い、ジ−イソブテンおよび/またはトリ−イソブテン)の形で除去することが可能で、また、工程b3)において分岐度がより少ないオリゴマーを得て、工程d)における分解収率を向上させる。工程b3)の前で少なくとも部分的にイソブテンを除去することで、直鎖状C4および/またはC5オレフィンの深度オリゴマー化が必要とされる前記工程b3)における、ゴム質の生成を抑制することが可能となる。
上述のこの方法の変法(部分オリゴマー化b1)、次いで分別b2)によりb1)で生成したオリゴマーを少なくとも部分的な除去をした後、最終のオリゴマー化b3))は、イソブテンの代わりにイソアミレン(分岐状C5オレフィン)を含む仕込み原料や、イソブテンとイソアミレンとを含む仕込み原料にも適用することが可能である。それら分岐状のオレフィンは、それらの直鎖状の同族体に比較してより容易にかつ優先的にオリゴマー化することができるので、工程b1)の後でそれらを、少なくとも部分的には除去することが可能となる。
工程b1)は、プロピレンのための良好な前駆体である直鎖状オレフィンを形成させることを目的としてはいないので、前述したものの中の触媒を用いて実施することが可能であるだけでなく、形状選択性を示すゼオライトの割合を工程b3)の場合よりは減らしたゼオライト触媒や、さらには、実質的に中程度の酸性度の非晶質シリカ・アルミナからなる、非ゼオライト触媒も使用できる。
オリゴマー化の工程b1)では、また別な非常に選択的な操作条件を用いて、n−ブテン(直鎖状ブテン)および/またはn−ペンテンに対して、イソブテン(および/またはイソアミレン)の異性化を極めて優先的あるいは排他的に起こさせることが可能である。たとえば、最終工程に比較して第1工程のオリゴマー化をより温和な条件、具体的には第1工程においては温度を少なくとも40℃は低めにして、実施することも可能である。たとえば、第1のオリゴマー化b1)で20〜80℃の間の温度を用い、第2のオリゴマー化b3)では100℃を超える、さらには120℃以上の温度を用いて実施することも可能である。b3)と同一の、たとえばシリカ・アルミナ系の触媒を使用してもよいし、あるいはそれに代えて別な触媒を使用してもよい。
ジ−イソブテンおよびトリ−イソブテンは、実際のところ、当業者には公知のことではあるが、これらの化合物それぞれにおいて異性体の混合物である;具体的には、ジ−イソブテンには2種の異性体があり、その1つが2,4,4−トリメチル−2−ペンテンで、標準沸点が104.9℃であってガソリン領域で沸騰して、良好なオクタン価を有している。トリ−イソブテンにも複数のオリゴマーが含まれるが、そのいくつかは196〜210℃の間の標準沸点を有していて、高付加価値化の必要性に応じて、少なくとも部分的にガソリンベース中あるいは灯油中、またはガスオイルに加えることが可能である。化学産業で使用して、高付加価値化を図ることも可能である。
ジ−イソブテンに富む分離留分は、ガソリンベースとして大量に使用したり、他の用途たとえば化学産業などで使用したりして、高付加価値化を図ることができる。
工程b1)は、特にC4留分だけに適用することができ、次いで、b1)で転化されなかったブテンに、必要があれば、C5留分、またはC2およびC5留分を添加して、工程b3)の最終的なオリゴマー化を行う。C4留分以外の炭化水素を含む仕込み原料を用いて工程b1)を実施することも可能であり、そのようなものの例を挙げれば、C4およびC5のオレフィン留分、またはC4およびC5およびC6のオレフィン留分、またはC4およびC2のオレフィン留分、またはC4およびC2およびC5のオレフィン留分、またはC4およびC2およびC5およびC6のオレフィン留分などである。
オリゴマー化を単一の工程b)で実施する場合には、工程b1)の後と同様にして、得られたオリゴマーの一部、たとえば、ジ−イソブテンおよび/またはトリ−イソブテンを含む留分を除去して、直接系外に出すことも可能である。
これら変法のいずれにおいても、分別工程b2)またはc)の後で、未反応のC4および/またはC5留分を除去して、その後の工程に問題が生じないようにすることもできる。
3)接触分解(工程d)):
接触分解の工程d)に供給される仕込み原料には、4および/または5個の炭素原子を有する軽質オレフィンをオリゴマー化することによって得られた少なくとも8個の炭素原子を有するオレフィンを、典型的には20〜100重量%、多くの場合30〜100重量%、最も多くの場合50〜100重量%、特に60〜100重量%の割合で含む。
その仕込み原料には、C2〜C10オレフィンからなる群より実質的に選択されるその他のオリゴマーを含んでいてもよく、少なくとも6個の炭素原子を有するオリゴマーの総量は工程d)の仕込み原料を基準にして、典型的には25〜100重量%、多くの場合35〜100重量%、最も多くの場合55〜100重量%、特に65〜100重量%の割合で含む。
具体的にはエチレンをブテンに添加することによって形成されるC6オリゴマー、または、少なくとも部分的にC6およびより高級な(C6)オレフィンから形成されるより重質なオリゴマーは、実際のところ、良質なプロピレン前駆体であって、接触分解のための供給原料として使用するのに適している。
接触分解工程で使用する触媒には、シリカ・アルミナを含んでいてもよい。しかしながら、形状選択性を示す固体酸を使用するのが好ましい。
たとえば、この触媒には少なくとも1種の形状選択性を示すゼオライトを含むことができ、前記ゼオライトには、ケイ素と、アルミニウム、鉄、ガリウム、リン、ホウ素からなる群より選択された少なくとも1種の元素、好ましくはアルミニウムとが含まれる。形状選択性を示す前記ゼオライトは、以下に示すタイプの構造:MEL(たとえばZSM−11)、MFI(たとえばZSM−5)、NES、EUO、FER、CHA(たとえばSAPO−34)、MFS、MWWの1種であればよく、あるいはやはり形状選択性を示す、以下のゼオライト:NU−85、NU−86、NU−88およびIM−5、の1種であってもよい。
これら形状選択性を示すゼオライトの利点は、それが、より良好なプロピレン/イソブテン選択率(分解工程からの流出物中でのプロピレン/イソブテン比がより高い)を与えるところにある。
形状選択性を示す複数のゼオライト、たとえば、MFI型のゼオライト(たとえばZSM−5)と、上述の、または上述のタイプの一つの、形状選択性を示す他のゼオライトとを組み合わせて、使用することもまた可能である。
以下の構造タイプ:MEL(たとえばZSM−11)、MFI(たとえばZSM−5)、NES、EUO、FER、CHA(たとえばSAPO−34)、MFS、MWWの1種のゼオライトを含む群から、または、以下の:NU−85、NU−86、NU−88およびIM−5のゼオライトの群からの形状選択性を示す単一または複数のゼオライトを、形状選択性を示さない、たとえば構造タイプがFAUのゼオライトYのようなゼオライトと混合することも可能である。
形状選択性を示す1種または複数のゼオライトを含む触媒を使用することが多いが、形状選択性を示すゼオライト(1種または複数)の割合は、ゼオライト(1種または複数)の全量を基準にして、70〜100重量%(両端を含む)の間である。具体的には、形状選択性を示すゼオライト(1種または複数)の割合が、ゼオライト(1種または複数)の全量を基準にして、80〜100重量%の間の触媒を使用することができ、さらには、単一または複数のゼオライトがすべて形状選択性を示すような触媒も使用できる。
単一または複数のゼオライトは、シリカ、アルミナまたはシリカ・アルミナをベースとしたマトリックス中に分散させることができ、ゼオライトの割合(一般的には形状選択性を示すゼオライトの割合)は、多くの場合3〜80重量%の間、好ましくは8〜70重量%の間、たとえば15〜60重量%の間、特に20〜50重量%の間である。使用する、形状選択性を示す、単一のゼオライト(または複数のゼオライト)は一般に、そのSi/Al比が12より大、好ましくは20より大、より好ましくは50より大、多くの場合80より大である。その比は、たとえば40〜500の間とすることができる。そうすることによって、触媒の酸性度を低下させ、プロピレンの生成を犠牲にしてパラフィンを生成させる、水素連鎖移動反応を抑制することが可能となる。
そのような高いSi/Al比は、ゼオライトを製造する際に得ることもできるし、あるいはその後に脱アルミニウムをすることによって得ることもできる。
最終的には、接触分解触媒は、プロピレンを生産するための接触分解においてかなりの活性を有しているものならば、前述の触媒とは異なったものであってもよい。
上記のSi/Al比は、オリゴマー化触媒と分解触媒とでは異なっていてもよく、それぞれが最適化されるようにすればよい。
この触媒は、固体状態で使用することが可能であって、流動床で使用するならば粉体の形状で、たとえば、その平均粒径を0.02〜0.5mmの間、好ましくは0.04〜0.15mmの間とする。典型的には、その触媒を次いで分解反応器から再生ゾーンへと連続的に循環させて、次いで反応器に戻す。したがって、そこで使用する技術は、FCCプロセスの場合に類似または同一である。
オリゴマーは、重質ガスオイルおよび/または減圧蒸留留出物と混合して(または別のライザー中で)、FCCプロセスによって分解することもできる。この変法は、本発明の出願と同時に行った、別の特許出願の目的となっている。そのような場合、重質の仕込み原料(重質ガスオイルおよび/または減圧蒸留留出物)に添加するオリゴマーの量は、ほとんどの場合比較的低く:仕込み原料の全量の、典型的には3〜40重量%の間、特に4〜30%、または4〜20重量%である。
処理される仕込み原料は典型的には、FCCから得られるオレフィン留分(C4および/またはC5および/またはC6および/またはC2)である。一般的には、オレフィン系留分の極めて限定された量が処理され、それによって、FCC中(減圧蒸留留出物および/または重質ガスオイルと共に)でのオリゴマーの分解の後で、分解ガス圧縮機およびガス処理設備で処理できるガスと軽質のC5/C6留分の量が増えるようになる。
オリゴマー化のための供給原料(各種精製処理後)は次いで、所定の量のオレフィン留分(C4および/またはC5および/またはC6および/またはC2)とすることが可能で、これは、FCCの生産に対応する補完的な量が除去分別されて、パージフローとなり、FCCまわりのC5軽質生成物のループと、オリゴマー化工程のループでの過度の膨張、特にイソブテンおよび/またはイソアミレンの蓄積を防止する。これらの化合物は、実際のところ、速やかにオリゴマー化するが(分解工程の間に)再び分解する傾向を有していて、かなりの量で、あるいは完全に出発物質にもどってしまって、プロピレンはほんの少量しか得られない。パージをすることによって、イソブテンおよび/またはイソアミレンが蓄積していくことを防ぐことができる。
別な方法として、固定床中または移動床中で使用することも可能で、その場合の形状は、その直径が一般に0.4〜6mmの間、好ましくは0.6〜4mmの間の球状物または押出し成形物である。
本発明による方法の好ましい実施態様の1つにおいては、たとえば直径1〜3mmの球状の触媒の移動床を、分解工程d)において使用する。その触媒を次いで分解反応器から再生ゾーンへと連続的または半連続的に循環させて、次いで反応器に戻す。
また別の好ましい実施態様においては、循環操作を伴う少なくとも2基の固定床反応器を使用し、当業者には周知の用語を用いれば、「スイング(swing)」反応器技術によって、一方の反応器が運転している(分解段階)ときには、もう一方の反応器は再生段階とする。第2の反応器の再生が終了したら、原料の仕込みをその第2の反応器に振り替えて、第1の反応器の触媒を再生する。3基の反応器を使用して2基の反応器を運転しながら1基を再生したり、あるいは3基の反応器を運転しながら1基を再生したり、あるいはN基の反応器を運転しながらP基の反応器を再生したりすることが可能であり、それらの変法は、本発明においては、スイング反応器と技術的には等価物と考えられる。
再生段階には典型的には、たとえば空気/窒素混合物、または酸素含量の低い空気(たとえばフュームの調節による)または空気を用いて、触媒上に形成された炭素系析出物を燃焼させる段階が含まれ、場合によっては、処理および触媒再生の他の手段が含まれていてもよい。
接触分解は通常、温度がほぼ450〜ほぼ650℃、好ましくは480℃〜600℃の間、反応器中での滞留時間が1分未満、多くの場合ほぼ0.1〜ほぼ50秒、好ましくは0.4〜15秒で実施する。操作圧力は、一般に0.1〜5MPaの間、最も多くの場合0.1〜1.5MPaの間、好ましくは0.1〜0.5MPaの間とする。
分解触媒を再生するための条件は一般に、温度を300〜900℃の間、特に500〜750℃の間、圧力は最も多くの場合で分解圧力の近く、または別な場合として大気圧の近くとする。
本発明による方法のまた別な実施態様においては、同一の循環触媒をオリゴマー化と分解の両方に使用することも可能である。
この触媒循環は、移動床または流動床で実現することができる。その場合触媒は、オリゴマー化ゾーン、接触分解ゾーン、および触媒再生のための第3のゾーンの、3つのゾーンの間で循環させるのが好都合で、この最後に挙げたゾーンでは特に、触媒の上に析出したコークの除去を(当業者には公知の技術の1つを用いて燃焼を調節することによって)実施する。たとえば、再生ゾーンから出てくる再生済み触媒の流れを2つに分けて、第1の流れをオリゴマー化ゾーンに、第2の流れを分解ゾーンに供給する。これら2つの反応ゾーンから出てくる触媒は(まず反応流出物を分離した後で)次いで、共通の再生ゾーンの中で再生することができる。
触媒の流れを、連続的に2つの反応ゾーンに(オリゴマー化の次に分解、あるいはその反対)供給することも可能である。
触媒の流れは、必要があれば、特にオリゴマー化ゾーンに供給する流れを冷却したり、別な冷却をしたりすることによって、オリゴマー化ゾーン中と分解ゾーン中での操作温度を変化させることも可能である。この冷却は、たとえば、触媒を冷たいガスと接触させたり、熱交換器を通したりすることによって、達成することができる。反応の仕込み原料を、異なった温度で供給して、これと同じ結果を得ることもできる。さらに、分解反応器を、比較的に温度の高い再生触媒を用いて運転することも可能である。
本発明による方法の実施態様の変法の主なものとしては、以下のようなものがある;
・変法A:オリゴマー化と分解では別な触媒を使用;固定床でオリゴマー化、好ましくは同一の反応器で時間間隔をおいて触媒を繰り返し再生するか、またはスイング反応器を用いる;固定床で接触分解、好ましくは他のスイング反応器(単一または複数)を用いて比較的頻繁に繰り返し再生を行う。
・変法B:オリゴマー化と分解では別な触媒を使用;固定床でオリゴマー化、好ましくは同一の反応器で時間間隔をおいて触媒を繰り返し再生するか、またはスイング反応器を用いる;移動床で接触分解(連続的または半連続的に触媒を再生ゾーンに循環させる)。
・変法C:オリゴマー化と分解では別な触媒を使用;固定床でオリゴマー化、好ましくは同一の反応器で時間間隔をおいて触媒を繰り返し再生するか、またはスイング反応器を用いる;流動床で接触分解(連続的に触媒を再生ゾーンに循環させる)。
・変法D:オリゴマー化と分解で共通の触媒を使用;移動床でオリゴマー化および分解(共通の触媒を、オリゴマー化ゾーン、分解ゾーン、および再生ゾーンの間を連続的または半連続的に循環)。
・変法E:オリゴマー化と分解で共通の触媒を使用;流動床でオリゴマー化および分解(共通の触媒を、オリゴマー化ゾーン、分解ゾーン、および再生ゾーンの間を連続的または半連続的に循環)。
変法A、BおよびCは、オリゴマー化工程では、液体中に懸濁させた触媒を使用して実施することも可能である。
本発明による好ましい変法は、特にオリゴマー化では固定床を使用する、変法A、BおよびCであって、最も好ましい変法は変法AおよびBである。
一般的に言って、プロセスのフレッシュな仕込み原料に含まれるオレフィンの量を基準としたプロピレン収率は、30〜60重量%の間、多くの場合40〜60重量%の間である。
図1および2の記載を利用して、本発明をさらに詳しく説明する。
図1は、第1の変法により本発明による方法を実施するための設備を示しているが、プロセスの複数の工程の間で(特にリサイクリングによる)かなりの総合化が行われている。
水蒸気分解装置(図示せず)から得られるC4/C5仕込み原料を、配管1を通して導入する。配管1aからは、水素または水素リッチガスを導入し、それを、(直列に接続した2段または3段の反応ゾーンと、必要があれば中間冷却を有する)反応器R1内の固定床で実施する選択的水素化の工程で使用する。仕込み原料および水素リッチガスは、配管2を経由して、水素化反応器R1の中に導入する。R1には、配管13中を循環するリサイクル流れもまた供給する。したがって反応器R1には、図1に示す2つの別途な配管、2および13によって供給する。仕込み原料を、共通の配管を通して混合物として供給することも可能である。さらに、水素を反応器の上流側からではなく、反応器の内部に供給することもできる。当業者には明らかな、そのような変法の実施態様や同等の技術手段は、図1および2に示した他の反応器や分離ゾーンにも当てはめることができる。
反応器R1からの流出物は、配管3を経由して、安定化カラム(stabilization column)を含む分別ゾーンS1に供給する。
必要があれば、イソブテンを(以下において開示する技術または各種公知のその他の技術の1つによって)このS1で分離することが可能であり、オリゴマー化反応器中のイソブテンの量を減らすか、イソブテンを無くしてしまうことができる。実際のところ、イソブテンは容易に二量化して、分解するとプロピレン収率が低くなるジ−イソブテンを形成し、それがかなりの割合で再分解してイソブテンとなるために、イソブテンが蓄積しやすくなる。
先に説明したように、オリゴマー化の後、または限定的なオリゴマー化の後のいずれかで、C8オリゴマーの少なくとも1種の留分を分離して、分解にかけるジ−イソブテンリッチな留分の量を減らすかまたはかなり抑制することも可能である。
軽質な生成物、主として水素およびメタンは、配管4を経由して抜き出す。選択的に水素化したC4留分を、配管5を経由してオリゴマー化反応器R2に導入する。接触分解工程からの流出物から得られる、リサイクルされたオレフィン留分を、場合によっては配管10を経由して、オリゴマー化反応器に導入する。この留分は、オリゴマー化へ送るよりは、前述の配管13を経由して選択的水素化工程に送ることができれば、好ましい。
オリゴマー化工程からの流出物は、配管6を経由して分離し、分離ゾーンS2に導入する。ゾーンS2には典型的には、一連の、単蒸留塔および/または反応蒸留塔および/または抽出蒸留塔が含まれる(図1には示さず)。重質のオリゴマーを回収するためのオリゴマー化工程流出物の蒸留をした後で、少量の転化されなかったオレフィン系化合物と特にパラフィン系化合物を含む、残存のC4/C5留分を、配管7aを経由して抜き出す。オリゴマーは、少なくとも部分的に配管8を経由して送って、接触分解反応器R3の中に導入する。
そのようにして、抽出によるかまたは1段もしくは多段の蒸留によって、オリゴマー化工程流出物から(または、オリゴマー化工程が複数ある場合には少なくともその1つから)分離された、これらオリゴマーのその他の部分は、配管7cを経由して抜き出す(したがって、分解にかける留分から除去する)ことができる。こうすることによって、それらオリゴマーの幾分かを、場合によってはより付加価値の高い、プロピレンの生産以外の用途に回すことが可能となる。そうなるとプロピレンの生産量が減ることになるが、分解反応器のサイズも小さくすることができる。例を挙げれば、C10〜C14オリゴマーの一部を、直鎖状または非直鎖状アルキルベンゼンの製造のための基本原料、または他の化学用途もしくは石油化学用途のための基本原料として使用することができる。オリゴマー化工程流出物を分離して、ガソリン、灯油もしくはガスオイル、または家庭用暖房オイルの蒸留範囲に入る沸点を有する1種または複数の留分を抜き出すことも可能で、それらをそれらの製品のための基本原料として使用することができる。このように、オリゴマーの一部を抜き出して接触分解に供給しないということが、軽質オレフィンを転化させてプロピレンとするための単一段プロセス(このプロセスでは、オリゴマーの同時生産はできない)に対して、本発明による方法が著しく優れている点である。このことは、イソブテンがオリゴマー化仕込み原料中に存在する場合には、その化合物を分離たとえば蒸留によって、間接的に除去すること、および、ジ−イソブテンおよび/またはトリ−イソブテン(イソブテンのダイマーまたはトリマーを含む)、たとえばC8またはC8留分を含むオリゴマー留分を除去すること、にも役立っている。抜き出した留分は、オリゴマー化工程からの流出物の分別、たとえば蒸留によって、分離することができる。本発明においては、分別は幅広い意味で考えられていて、オリゴマー化工程流出物の一部の抜き出しやオリゴマーの抜き出しも含まれている。
オリゴマー化工程流出物中に含まれる、オリゴマー留分および/またはC4および/またはC5留分は、場合によっては、配管7bを経由してオリゴマー化反応器R2にリサイクルすることができ、前記のむしろ非反応性の留分によって発熱性の反応器R2(オリゴマー化が多段の反応器を使用しているならば、直列につながった反応器)における温度上昇を抑制することができる。オリゴマー化が2段の工程b1)とb3)で実施される場合には、それぞれの工程に対して、特定のリサイクル(同一の工程からの流出物の部分的なリサイクル)を実施することができる。
流出物のリサイクルは、選択的水素化の単一の工程(または複数の工程または単一の反応器もしくは複数の反応器)において使用することができ、リサイクルされる流出物は、選択的水素化工程からまたはオリゴマー化工程からの流出物とであってよく、場合によっては、選択的水素化+オリゴマー化を組合せての総合的なリサイクルとすることもできる。
配管8を循環するオリゴマーの仕込み原料を接触分解反応器R3で分解する。反応器R3は、好ましくは固定床または移動床反応器であって、これには場合によっては、配管9を経由して導入されるガソリン留分を同時に供給して、それにより、少なくとも部分的にプロピレンに分解されるオレフィンの量を増やすことも可能である。分解反応に関わらないガソリンのC5留分と、場合によってはC6留分とは、配管9から供給されるガソリンの大部分に同伴させるよりも、C4/C5仕込み原料と共に供給してオリゴマー化する方が好ましい。
したがって、接触分解装置の全仕込み原料には、C4および/またはC5オレフィンのオリゴマーと、任意成分のガソリンおよび/またはある程度の量(通常は比較的少量の)エチレンとが含まれる。この仕込み原料全体は比較的軽質で、この仕込み原料の少なくとも50重量%、通常は80重量%、典型的には少なくとも90重量%(そして多くの場合100%)が250℃未満の沸点を有している。この仕込み原料には典型的には、減圧蒸留留出物のような石油留分は含んでおらず、そのため、製油所におけるFCC装置の仕込み原料とは大幅に異なっている。
接触分解装置R3からの流出物は、配管11を経由して抜き出し、分離ゾーンS3の中に導入するが、このゾーンには典型的にはガス圧縮機と蒸留手段が含まれる。
本発明を実施するため設備が水蒸気分解サイトにある場合には、水蒸気分解装置の分留系統を使用してこれらの生成物を分別できれば、非常に有用である。したがって図1のゾーンS3は、一方では配管11の中を循環する(本発明による方法の)接触分解工程から来る生成物、他方では配管16を経由して供給される水蒸気分解の流出物に対する、共通の分別ゾーンを表している。接触分解工程からの流出物は、マイナー留分となっていて、水蒸気分解流出物の50モル%未満、多くの場合30モル%未満である。1つの変法として、接触分解からの流出物を水蒸気分解からの流出物と混合するのを、共通の分離ゾーンの上流側ではなく、水蒸気分解工程からの流出物をガソリン(または少なくとも重質ガソリン)を除去するための一次分別にかけた後や、さらには、水蒸気分解工程からのガス状流出物を圧縮する第1の工程の後、とすることもできる。
したがって本発明は、水蒸気分解の工程と接触分解の工程とを組み合わせ、好ましくは交叉するリサイクルを含む、転化のためのプロセスを提案するものであって、そこでは;
・全仕込み原料の少なくとも50重量%、一般には少なくとも60重量%を占める、炭化水素の主たる仕込み原料を、水蒸気分解の工程にかける工程、
・全仕込み原料(主たる仕込み原料と2次的な仕込み原料で構成される)の少なくとも5重量%、一般には少なくとも10重量%、たとえば10〜40重量%の間を占める、炭化水素の2次的な仕込み原料を、先に説明した(好ましくは固定床または移動床の)接触分解d)の工程にかける工程、
・水蒸気分解工程からおよび接触分解からの流出物を冷却する工程、
・冷却した水蒸気分解工程からおよび接触分解からの流出物を、共通の分別ゾーンにおいて少なくとも部分的に分別し、(場合によっては、流出物から、液体留分と、ガス状化合物、特に水素および3個以下の炭素原子を含む炭化水素を含むものの大部分または実質的には全部を、別途の予備的な分別を行った後においてでもよいが、共通の分別ゾーンで分別するのが好ましい)、少なくともエチレン、プロピレン、ならびに、C4および/またはC5、好ましくはC4およびC5オレフィンを含む少なくとも1種のオレフィン留分を生産する工程、
・前記オレフィン留分を、先に説明したような、オリゴマー化b)の少なくとも1つの工程にかけて、オリゴマーを生産する工程、
・前記オリゴマーの少なくとも一部を、工程d)に送る工程、
・工程b)からの流出物を、好ましくは工程c)で分別して、オリゴマーリッチ(少なくとも50重量%、多くの場合少なくとも70重量%、さらには90重量%)な少なくとも1つの留分と、主として(少なくとも50重量%、多くの場合少なくとも70重量%、さらには80重量%)の、5個以下の炭素原子を有する、たとえばオレフィンが比較的少なく、主としてC4および/またはC5パラフィンを含む留分を含む軽質炭化水素を含む少なくとも1つの軽質留分とに、分ける工程、
・先行する工程からの軽質留分の少なくとも一部を、好ましくは水蒸気分解工程に送る工程、が含まれる。
上記の内の最後の2つの工程は必須ではないが、本発明においては、好ましい。オリゴマーを生成させることによって、8個未満の炭素原子を有する軽質留分(C7)またはたとえば6個未満の炭素原子を有する留分(C5)と、たとえばC4/C5留分とを、蒸留によって容易に分離することが可能となる。これらの留分では、オレフィンのほとんどがオリゴマー化によってより重質な化合物になっているために、オレフィンの含量が低く、たとえば20重量%未満なので、水蒸気分解のための良好な仕込み原料となっている。
上記のように定義した転化のためのプロセスでは、上述の本発明による方法の1種または複数の変法を使用することが可能であって、たとえば;
・オリゴマー化工程b)の上流側における選択的水素化工程a)の使用、
・工程a)の前、または工程a)の後でかつ工程b)の前における、イソブテンの分離の使用、
・前述のように、少なくとも2段の工程におけるオリゴマー化の使用(工程、b1)、b2)、b3))、
・工程b2)またはc)における、一部のオリゴマー(すなわち、工程d)へは送らない部分)、特にジ−イソブテンおよび/またはトリ−イソブテンを含む部分の抜き出し、
・イソブテンのパージを実施するための、分解からの流出物のC4留分の一部の(リサイクルをさせることなく)抜き出し、などがある。
リサイクルさせた留分(単一または複数)からのイソブテンの分離は、フレッシュな(外部からの)仕込み原料、たとえばFCCから来る留分からのイソブテンの除去とは別途に行ってもよいし、あるいは、リサイクルされた留分とフレッシュな仕込み原料を混合物として処理するための単一の設備の中で、同時に行ってもよい。
イソブテンの分離は、たとえば溶媒を用いた抽出蒸留によって実施することが可能で、その溶媒は、N−メチルピロリドン(NMP)またはジメチルスルホキシド(DMSO)または後者の異性体であってよい。
イソブテンおよび場合によっては他の分岐状オレフィン、特にイソアミレンの分離には、アルコールによってイソブテンをエーテル化させ、ついで蒸留することが含まれていてもよい。反応蒸留による水素異性化を実施して、ブテンからイソブテンを分離することも可能である(ブテン−1をブテン−2に転化させれば、ブテン−2はイソブテンから分離できる)。
オリゴマー化よりも上流側で分岐状オレフィン(イソブテンおよび/またはイソアミレン)を分離するために、1種または複数の公知の分離方法を使用することも本発明の範囲の中であるが、そのような方法の例を挙げれば、液液抽出、エーテル化、またはその他の方法たとえば、膜分離方法や、場合によっては擬似向流(simulated countercurrent)での選択的吸着剤法などがある。
本発明による方法のいくつかの技術的変法を、水蒸気分解と接触分解とを組み合わせた方法について述べてきたが、本発明による方法を実施するための設備が、FCC(精製サイト)と結合されていたり、または混合サイト(水蒸気分解装置+FCC)にあったり、あるいは独立したサイトにあっても、適用することが可能である。
図1の説明を続けると;イソブテンを除去し典型的にはパラフィンを含む、オレフィン系留分を、配管10を経由してオリゴマー化反応器へとリサイクルさせる。図1の点線で示した配管のように配管15次いで配管13を経由して選択的水素化反応器R1にリサイクルさせ、その後でオリゴマー化反応器R2にリサイクルさせるのが、好ましい。
イソブテンを分離した後に、パラフィンの分離を行うことも可能で、それによって、パラフィンもイソブテンもなく、実質的に直鎖状オレフィンを含む留分を、選択的水素化またはオリゴマー化にリサイクルまたはフィードすることができる。
工程d)における接触分解で得られたガソリン留分の全部、または好ましくは一部を、場合によっては、点線で示した配管14によって、接触分解にリサイクルさせることも可能である。リサイクルさせるC4/C5留分以外の、接触分解装置からの流出物は、配管12を経由するかさらには図示していない他の配管を経由して、抜き出す。分解からの流出物に含まれるC4/C5留分の一部または全部もまた、抜き出して、リサイクルさせないことも可能である。
極めて一般的には、オリゴマー化にかける仕込み原料には、C5オレフィン留分を単独か、またはC4および/またはC2のような他のオレフィン留分と混合して、含むことができる。オリゴマー化していないC5仕込み原料よりも、C5留分単独のオリゴマー、または他のオレフィンとコオリゴマー化したものを分解する方が、より良好な分解結果(プロピレン収率)が得られることが見いだされた。この改良は、プロピレンへの分解の選択性と、オリゴマーのシングルパスでの転化率との両方に関わり、それらが向上する。出発オレフィンに比較してオリゴマーにおいて、シングルパスでの転化率の向上が認められるのは、具体的には分子量の増加がその理由で、本発明の適用が考えられるすべてのオレフィン系仕込み原料で顕著に認められる。
また別の変法においては、イソブテンを分離することなく、C4/C5留分をリサイクルさせることもできる。粗原料のC4/C5仕込み原料を、選択的に水素化させてから、R2でオリゴマー化して、S2で分離させる。この場合S2は、オリゴマーの(蒸留による)分離だけを含み、配管8を経由して反応器R3に送り、実質的にパラフィン系の、残りのC4/C5留分(オリゴマー化からの流出物に含まれる)は配管7aを経由して抜き出される。すると、イソブテンを直接的または間接的にパージするためには、分解から得られるC4留分の一部を(リサイクルさせずに)抜き出すか、および/または分解工程へ一部のオリゴマーを供給しないことが、好ましい。このオリゴマー、特にジ−イソブテンおよび/またはトリ−イソブテンを含むオリゴマーの抜き出しは、すでに説明してきたような、1段または2段の工程でのオリゴマー化の範囲内で実施することも可能である。
C6オレフィン系留分もまたリサイクルすることができる。
図2に示すのは、1種で同一の触媒を使用する本発明による方法の変法を実施するための設備であって、触媒は流動床で、3つの個別のゾーン、すなわち、オリゴマー化反応器R2、分解反応器R3、および触媒の共通の再生を行うゾーンZの中および間を循環させる。固形物の流れは実線の配管で示し、仕込み原料、流出物または各種リサイクルの流れは点線で示してある。
触媒はゾーンZの中で再生されるが、その条件は、500℃〜750℃程度の高温で、圧力レベルは典型的には0.1MPa〜4MPaの間、好ましくは0.1〜3MPaの間であり、燃焼ガスの手段を用いるが、それは一般には空気、または窒素で希釈した空気、および/または燃焼ガスをリサイクルさせたものである。
この空気(または希釈空気)は、配管21を経由してゾーンZに供給し、燃焼フュームは配管22を経由して排出する。
ゾーンZの中では、触媒再生は、1段または、温度と酸素分圧を変化させた多段の工程で実施することができる。このようにすれば、再生プロセスを2段の工程に分割することによって、触媒上に析出したコークをまず低い酸素分圧で燃焼させ、次いで、激しい燃焼反応が起きる危険性がないので、温度と酸素分圧とを上げることが可能となる。ゾーンZは酸素の雰囲気下にあるため、不活性ガスたとえば窒素の流れを用いて、前記ゾーンの上流側および下流側に緩衝ゾーンを設けるのが望ましく、それによって、反応器R2、R3およびゾーンZの間で触媒を移動させるための配管を経由した、酸素の漏れ込みを防ぐことが可能となる。より一般的には、この設備には図には示していない化学工学的手段が含まれていてもよく、そのようなものとしてはたとえば、触媒ホッパー、液体および/またはガスを用いた触媒の流れを混合させる手段、混合、加圧または減圧、濡らし、不活性化のためのチャンバー、ストリッピング、触媒の加熱または冷却のための手段、たとえば流動化固体のストリッパーまたは流動化固体を加熱または冷却するための熱交換器など、がある。
再生済み触媒の典型的な流れは、ゾーンZからオリゴマー化反応器R2に配管A1を経由して輸送され、部分的に活性低下してR2からゾーンZに配管A2を経由して戻る。
同様にして、再生済み触媒の別な流れが典型的には、ゾーンZから接触分解反応器R3に配管A3を経由して輸送され、部分的に活性低下してR3からゾーンZに配管A4を経由して戻る。
この設備はまた別のモードで運転することも可能である:再生済み触媒全部を、配管A3を経由して反応器R3に送り、次いで、反応器R3から反応器R2に配管A6を経由して輸送し、その後配管A2を経由してゾーンZに戻るようにすることもできる。
同様にして、再生済み触媒全部を、配管A1を経由して反応器R2に送り、反応器R2から反応器R3に配管A5を経由して輸送し、その後配管A4を経由してゾーンZに戻るようにすることもできる。
この設備では、これら2つの循環モードを組み合わせて運転することも可能で、その場合には(再生済み触媒の流れの全体ではなく)触媒の流れを分けて使用する。
(分解反応器R3に比較して)オリゴマー化反応器R2の方の温度を低くするのは、R2に供給する触媒の流れを冷却する(またはさらに冷却する)か、および/または比較的低温の反応剤をR2に供給することにより、達成される。これらの冷却手段は、図には示していない。
運転圧力はこれら反応器R2、反応器R3、および再生Zの3つのゾーンでは、触媒の循環を助けるために、同程度または実質的に同じとすることができるが、圧力を変えて、たとえばオリゴマー化をより高い圧力で運転することもまた可能である。
図2に示したその他の符号を付けた要素については、図1で既に説明した。図2は、流動床ではなく、移動床で運転するR2およびR3を有する本発明による方法を実施する設備を表しているとすることも可能である(連続または半連続的(断続的)に、粒子の形状たとえば直径1〜3mmの間の球状の触媒を循環させる)。
本発明による方法は、上記の要素に限定されるものではなく、各種変法や、本発明には記述されていないが、当業者には既に公知の実施態様で実施することが可能である。
実施例1(本発明実施例);
以下のパイロットプラントに適用した例で本発明を説明するが、これは本発明の範囲を限定するものではない。
水蒸気分解からのC4留分に、分解工程からリサイクルさせたC4/C5留分を添加したものを、オリゴマー化のための供給原料として使用する。前記留分はあらかじめ選択的水素化をさせて、もともと含まれていたイソブテンを除去したものである。
前記仕込み原料と、オリゴマー化工程からの流出物の組成(重量パーセント)を表1に示す。
オリゴマー化ゾーンの操作条件は次の通りである:圧力5.5MPa、温度220℃、SV=1h−1。使用した触媒は、MFI型ゼオライトで、そのSi/Al比が48のものである。触媒は、平均直径2mmの球状の形態で使用する。
得られるオリゴマーは、C8オレフィン系オリゴマーが主で、少量のC12を含むが、それを以下の操作条件の分解ゾーンに供給する:
・圧力:0.2MPa
・温度:520℃
・SV=10h−1
使用した触媒には、シリカ・アルミナマトリックス中に分散させた、30重量%のゼオライトZSM−5を含む。触媒は、平均直径2mmの球状の形態で使用する。
オリゴマーの分解収率については、表2に示す。
分解工程からのC4/C5留分(イソブテンは別にして)を、次いで、先に述べたようにしてリサイクルさせる。
コークバランス(分解工程においてほぼ2%)も考慮にいれた総合的なプロピレン収率を計算すると、最初の仕込み原料中のオレフィンを基準にして、収率48%である。オリゴマー化工程を出る未転化のC4/C5オレフィンをリサイクルさせれば、この収率を少し上げることも可能である。
1つの変法として、プロピレンとガソリン(および場合によっては灯油)の併産を実施することを望むなら、(分解工程は変更することなく)オリゴマー化工程の流速を上げて、ガソリンベース、および場合によっては灯油ベースとなるオリゴマーの追加の留分を分離することができる。
Figure 0004665397
Figure 0004665397
実施例2;各種オレフィン系仕込み原料のオリゴマー化:
2種のC4およびC5オレフィン留分を使用することができ(たとえばFCCから来るものでよい)、それらについて、C4留分だけ、またはC4留分をC5留分と混合して(コオリゴマー化)のいずれかで、予備的なオリゴマー化を実施する:それらのオリゴマー化工程からの流出物を、以下の実施例3および4で使用する。
オリゴマー化の条件は、実施例1の場合と同じである。
仕込み原料の組成、およびオリゴマー化工程からの流出物の組成を、表3に示す;
Figure 0004665397
実施例3(本発明実施例):
実施例2に従って、(C4+C5)留分をオリゴマー化(コオリゴマー化)して得られたC5留分(表3の最後の列)を実施例1の場合と同じ条件で接触分解させる。分解収率は、C4+C5仕込み原料(除くイソブテン)のオレフィン留分に対する重量%で、実施例1の場合と同様に表すと、表4のようになる:
Figure 0004665397
たとえばFCC装置の中の分解反応器、または固定床もしくは移動床装置、または分解ガス圧縮機、またはガス処理装置の能力に限度があるような場合には、分解工程のための供給原料として、オリゴマー化で得られるC5留分ではなく、オリゴマー化で得られるC6留分を使用することで、分解するオリゴマーの流速を減らし、プロピレンのロスを比較的少なく抑えることが可能である。
分解工程に送るオリゴマーの仕込み原料をさらに減らしたければ、C8あるいはさらにC9留分だけを分解工程に送る必要がある。オリゴマー化を2段の工程、b1)およびb3)で実施するような場合には、これらとは異なる変法を使用することも可能である。たとえば、第1のC4/C5留分のオリゴマー化b1)を実施し、C8オリゴマーを分別ゾーンに抜き出してガソリンおよび/または灯油のベースの調製に使用し、残ったC4/C5留分を第2のオリゴマー化工程b3)に供給して、次いで、第2のC8またはC9オリゴマーを分離して、分解工程のための供給原料として使用する、ことも可能である。
実施例4(比較例):
元々のC5留分(すなわち、前もってオリゴマー化をしていないもの)に、実施例2に従ってC4留分をオリゴマー化したものからの留出物に含まれるC5留分を添加し、実施例1の条件で接触分解させる。この比較例では、(典型的には、このオリゴマー化の後かつ分解の前に、ブタンを除去する目的で)C4留分だけをオリゴマー化する。このC5留分は、C4留分よりはパラフィンの含量が相対的に低く、C4留分のオリゴマー化によって得られるC5オリゴマーと混合して、直接分解する。この場合の分解収率を、以下の表に示す;
Figure 0004665397
この比較例におけるプロピレン収率は、本発明による実施例3の場合よりは、はるかに低いことがわかる。このことは、分解を実施する前に、炭素原子数の異なるオレフィンを含む複雑な留分をコオリゴマー化することのメリットを示していて、すなわち、プロピレンへの選択性とシングルパスでの転化率が改良される(注:実施例3および4を実施例1と比較することはできない。その理由は、仕込み原料が異なっている上に、それらは、分解の間に再生成するオレフィンのリサイクルの無い、シングルパス分解に相当するからである)。
したがって、本発明による方法によって、各種の変法を用いれば、所定の仕込み原料に対するプロピレンの生産量を改良することが可能となる。これにより、1パスあたりの転化率が高いために、リサイクルが減少し、典型的には、プロピレンへの分解の選択性を改良することも可能となる。これによりさらに、オクタン価の高いガソリン(特にジ−イソブテン含量の高いガソリン)とプロピレンとの同時生産、または、ジ−イソブテン(2種の異性体の混合物)とプロピレンとの同時生産、または、ガソリンベースおよび/または灯油ベースおよび/またはガスオイルとプロピレンとの同時生産が可能となる。
本発明の一例を示すフローシートである。 本発明の一例を示すフローシートである。
符号の説明
1 C4/C5仕込み原料用配管
1a 水素または水素リッチガス用配管
2 仕込み原料および水素リッチガス用配管
3 水素化反応物配管
4 水素およびメタン抜出し配管
5 選択的に水素化したC4留分配管
6 オリゴマー化工程からの流出物配管
7a 残存のC4/C5留分配管
7b オリゴマー留分および/またはC4および/またはC5留分用配管
7c オリゴマー抜出し配管
8 オリゴマー配管
9 導入ガソリン留分用配管
10 接触分解工程からのリサイクルオレフィン留分用配管
11 接触分解装置R3からの流出物用配管
12 接触分解装置からの流出物用配管
13 リサイクル流れ用配管
14 リサイクル流れ用配管
15 リサイクル流れ用配管
16 水蒸気分解装置からの流出物の供給配管
21 空気(または希釈空気)配管
22 燃焼フューム配管
A1 再生済み触媒供給配管
A2 部分的に活性低下した触媒の戻り配管
A3 再生済み触媒供給配管
A4 部分的に活性低下した触媒の戻り配管
A5 反応器R2から反応器R3への触媒供給配管
A6 反応器R3から反応器R2への触媒供給配管
R1 水素化反応器
R2 オリゴマー化反応器
R3 接触分解反応器
S1 分別ゾーン
S2 分離ゾーン
S3 分離ゾーン
Z 触媒の共通再生ゾーン

Claims (9)

  1. 4個の炭素原子を有するオレフィンを含む炭化水素仕込み原料を接触転化させるための方法であって、前記方法が以下の一連の工程、すなわち:
    ・オリゴマー化のための少なくとも1段の工程であって、前記4個の炭素原子を有するオレフィンの接触オリゴマー化を、仕込み原料の中にさらに含まれるその他のオレフィン(前記その他のオレフィンは一方ではエチレンを、他方では5または6個の炭素原子を有するオレフィンを含む群に属している)の存在下に、少なくとも1基の反応器中で実施してオリゴマーを得るための工程であって、このオリゴマー化工程は、温度70℃〜310℃の間、圧力0.1〜10MPaの間、空間速度(SV)触媒1m あたり1時間あたり0.1〜5m の間で、形状選択性を有する酸性固体を含む触媒を用いて実施され、前記触媒は少なくとも1種のゼオライトを含み、前記ゼオライトがケイ素と、アルミニウム、鉄、ガリウム、リン、ホウ素からなる群より選択される少なくとも1種の元素、好ましくはアルミニウムとを含み、使用される前記形状選択性を示すゼオライトが、以下の構造タイプ:MEL、MFI、NES、EUO、FER、CHA、MFS、MWWの1種のゼオライトを含む群から、または、以下の:NU−85、NU−86、NU−88およびIM−5のゼオライトの群からのゼオライトである、工程と、
    ・次いで、前記オリゴマー化反応器とは別な反応器の中で、前記オリゴマーの少なくとも一部の接触分解を実施して、特にプロピレンを生産するための工程d)であって、この接触分解工程d)は温度450℃〜650℃の間、および圧力0.1〜0.5MPaの間で、ゼオライトを含む触媒を用いて実施され、前記触媒が、形状選択性を示すMFI型の構造のゼオライト単独を含むか、または形状選択性を示すMFI型の構造のゼオライトと、以下の:NU−85、NU−86、NU−88およびIM−5のゼオライトの群から選択される他の形状選択性を示すゼオライトとを混合したものを含み、そして、使用される形状選択性を示す前記単一または複数のゼオライトが12より大きいSi/Al比を有している、工程と
    を包含し、
    オリゴマー化工程の温度は接触分解工程d)の温度よりも少なくとも40℃低めとするように選択され、オリゴマー化工程の圧力は接触分解工程d)の圧力よりも少なくとも0.5MPa高めとするように選択されることを特徴とする方法。
  2. 4個の炭素原子を有するオレフィンを含み、イソブテンを含む炭化水素仕込み原料を接触転化させるための方法であって、前記方法が以下の一連の工程、すなわち:
    ・オリゴマー化のための少なくとも1段の工程であって、仕込み原料中に含まれるオレフィンの接触オリゴマー化を少なくとも1基の反応器中で実施する工程であって、このオリゴマー化工程は、温度70℃〜310℃の間、圧力0.1〜10MPaの間、空間速度(SV)触媒1m あたり1時間あたり0.1〜5m の間で、形状選択性を有する酸性固体を含む触媒を用いて実施され、前記触媒は少なくとも1種のゼオライトを含み、前記ゼオライトがケイ素と、アルミニウム、鉄、ガリウム、リン、ホウ素からなる群より選択される少なくとも1種の元素、好ましくはアルミニウムとを含み、使用される前記形状選択性を示すゼオライトが、以下の構造タイプ:MEL、MFI、NES、EUO、FER、CHA、MFS、MWWの1種のゼオライトを含む群から、または、以下の:NU−85、NU−86、NU−88およびIM−5のゼオライトの群からのゼオライトである、工程と、
    次いで、
    ・ジ−イソブテンおよび/または場合によってはトリ−イソブテンを含む少なくとも1種の留分を抜き出すことを可能にする分別のための工程b2)または4および/または5個の炭素原子を有する化合物の少なくとも一部を分離するための蒸留を含む分別のための工程c)であって、生成したオリゴマーの少なくとも一部を分離して、次の工程d)に供給することなく、直接抜き出し、前記抜き出し部分はジ−イソブテンおよび/またはトリ−イソブテンを含む、工程、
    ・前記オリゴマー化反応器とは別な反応器の中で、生成した前記オリゴマーの少なくとも一部の接触分解を実施して、特にプロピレンを生産するための工程d)であって、この接触分解工程d)は温度450℃〜650℃の間、および圧力0.1〜0.5MPaの間で、ゼオライトを含む触媒を用いて実施され、前記触媒が、形状選択性を示すMFI型の構造のゼオライト単独を含むか、または形状選択性を示すMFI型の構造のゼオライトと、以下の:NU−85、NU−86、NU−88およびIM−5のゼオライトの群から選択される他の形状選択性を示すゼオライトとを混合したものを含み、そして、使用される形状選択性を示す前記単一または複数のゼオライトが12より大きいSi/Al比を有している、工程と
    を包含し、
    オリゴマー化工程の温度は接触分解工程d)の温度よりも少なくとも40℃低めとするように選択され、オリゴマー化工程の圧力は接触分解工程d)の圧力よりも少なくとも0.5MPa高めとするように選択されることを特徴とする方法。
  3. 上述の工程d)の上流側で以下の工程、すなわち:
    ・反応性のより高い分岐オレフィンの優先的なオリゴマー化を行うことを可能にする限定されたオリゴマー化の第1の工程b1)、
    ・工程b1)の流出物を分別する工程b2)であって、次の工程b3)とd)に供給することなく直接抜き出す少なくとも1つの留分を製造し、前記抜き出した留分はジ−イソブテンおよび/またはトリ−イソブテンを含む、工程、
    ・ジ−イソブテンおよび/またはトリ−イソブテンを含む上述の留分を抜き出した後で、工程b2)の流出物、または前記流出物中に含まれる少なくともC4および/またはC5オレフィン系留分を最終的にオリゴマー化するための、工程b3)、
    を実施する請求項2に記載の方法。
  4. 以下の:
    ・C4留分のみからなる仕込み原料を用いて工程b1)、
    ・b1)において転化されなかったブテンに、C5、またはC2+C5留分を添加して工程b3)、
    を実施する請求項3に記載の方法。
  5. 5個の炭素原子を有するオレフィンを含む炭化水素仕込み原料を接触転化させるための方法であって、前記方法が以下の一連の工程、すなわち:
    ・オリゴマー化のための少なくとも1段の工程であって、仕込み原料中に含まれるオレフィンの接触オリゴマー化を少なくとも1基の反応器中で実施する工程であって、このオリゴマー化工程は、温度70℃〜310℃の間、圧力0.1〜10MPaの間、空間速度(SV)触媒1m あたり1時間あたり0.1〜5m の間で、形状選択性を有する酸性固体を含む触媒を用いて実施され、前記触媒は少なくとも1種のゼオライトを含み、前記ゼオライトがケイ素と、アルミニウム、鉄、ガリウム、リン、ホウ素からなる群より選択される少なくとも1種の元素、好ましくはアルミニウムとを含み、使用される前記形状選択性を示すゼオライトが、以下の構造タイプ:MEL、MFI、NES、EUO、FER、CHA、MFS、MWWの1種のゼオライトを含む群から、または、以下の:NU−85、NU−86、NU−88およびIM−5のゼオライトの群からのゼオライトである、工程と、
    次いで、
    ・前記オリゴマー化反応器とは別な反応器の中で、生成した前記オリゴマーの少なくとも一部の接触分解を実施して、特にプロピレンを生産するための工程d)であって、この接触分解工程d)は温度450℃〜650℃の間、および圧力0.1〜0.5MPaの間で、ゼオライトを含む触媒を用いて実施され、前記触媒が、形状選択性を示すMFI型の構造のゼオライト単独を含むか、または形状選択性を示すMFI型の構造のゼオライトと、以下の:NU−85、NU−86、NU−88およびIM−5のゼオライトの群から選択される他の形状選択性を示すゼオライトとを混合したものを含み、そして、使用される形状選択性を示す前記単一または複数のゼオライトが12より大きいSi/Al比を有している、工程と
    を包含し、
    オリゴマー化工程の温度は接触分解工程d)の温度よりも少なくとも40℃低めとするように選択され、オリゴマー化工程の圧力は接触分解工程d)の圧力よりも少なくとも0.5MPa高めとするように選択されることを特徴とする方法。
  6. 前記オリゴマー化反応器の仕込み原料が、ジオレフィン系および/またはアセチレン系化合物を含み、前記仕込み原料を、まず選択的水素化のための工程a)にかけてそれらジオレフィン系および/またはアセチレン系化合物を除去する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記分解工程のために使用する前記触媒が、1種または複数の、形状選択性を示すゼオライトを含み、形状選択性を示すゼオライト(1種または複数)のゼオライト(1種または複数)全量に対する比率が、70〜100重量%の間である、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記分解工程において使用する前記触媒が、前記オリゴマー化工程において使用する前記触媒に含まれる前記形状選択性を示す単一または複数のゼオライトとは異なったSi/Al比を有する、形状選択性を示すゼオライトを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記接触分解反応器が固定床または移動床または流動床反応器である、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
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