JP4665192B2 - 軸状部品の供給装置 - Google Patents

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Description

この発明は、異常長さの軸状部品を排除して正常なものだけを溶接電極の受入孔に到達させる軸状部品の供給装置に関している。
本発明は、対象部品が軸状部品であるが、孔あき部品を対象にした供給装置が特許第3309245号公報に開示されている。ここに開示されている技術は、外形寸法の過大なプロジェクションナットをパーツフィーダに配置した通過ゲージで除去し、つぎに、ねじ孔内径が正常なナットよりも小さなナットを供給ロッドで弾き飛ばすものである。この弾き飛ばしは、過小なねじ孔に太い供給ロッドを押し当てて、供給ロッドがねじ孔を通過できないことを利用して行われている。
さらに、供給ロッドの保持ヘッドに保持したプロジェクションボルトを電極の受入孔内に挿入する技術として、特許第2509103号公報がある。ここに開示されている技術は、斜め方向に進退する供給ロッドの先端部にボルトの保持ヘッドが設けられ、供給ロッドが進出してボルトが前記受入孔と同軸になると、供給ロッドが上昇してボルトを受入孔内に挿入するものである。
特許第3309245号公報 特許第2509103号公報
上述の特許文献1に開示されている技術は、プロジェクションナットのような形状の部品であるから、通過ゲージで過大寸法のナットを選別することができる。しかし、軸状部品のように長尺な形態の部品を対象にする場合は、長尺性のある通過ゲージを準備する必要がある。ところが、このような長尺な通過ゲージを所定の箇所に配置することはスペース上の理由できわめて困難なことである。また、このような通過ゲージに対して長尺な軸状部品を正しく通過させるためには、軸状部品の移送姿勢を正しく維持する必要があるので、この点においても実用化が難しいものとなる。一方、供給ロッドを過小なねじ孔に押し当てて異常ナットを弾き飛ばすことは、簡単に実現できるが、軸状部品の異常長さものを弾き飛ばすことは困難である。
また、特許文献2に開示されている技術は、供給ロッドの保持ヘッドに保持されたボルトを電極の受入孔内に挿入するものであるが、このような動作箇所において異常長さの軸状部品を排除することは不可能である。
本発明は、上記の問題点を解決するために提供されたもので、異常長さの軸状部品をパーツフィーダから供給ロッド手前までの供給通路において、連携性のあるすなわちシステム性のある方式で除去することのできる軸状部品の供給装置を提供することを目的とする。
問題を解決するための手段
請求項1記載の発明は、軸状部品は、雄ねじが形成された軸部とこの軸部と一体に設けられたフランジ部とこのフランジ部に形成された溶着用突起からなるプロジェクションボルトであり、前記軸状部品を送出するパーツフィーダとこのパーツフィーダから供給ロッド手前までの供給通路を備えるとともに、前記供給ロッドがその保持ヘッドに保持された軸状部品を電極の受入孔に挿入するように供給動作を行う形式のものであり、前記パーツフィーダの移送通路がボウルの内周部に設けた搬送段部と吊り下げ搬送部とこの吊り下げ搬送部に連続した状態で配置された2枚の搬送板を平行に配置した送出部によって構成され、前記パーツフィーダに正常長さよりも長い過長部品を検出して除去するための過長部品検出手段が配置され、この過長部品検出手段は前記搬送板の間に固定され軸状部品の軸部の過長箇所を係止する通過規制部材によって構成され、吊り下げ搬送部と送出部の境界部分の上側に過長部品のフランジ部を送出部との間でロック状態にする規制板が配置され、供給ロッドが進出して所定位置に停止した前記保持ヘッドと前記受入孔との間の間隔が、正常長さよりも短い過短部品は受入孔に到達できない過短部品排除間隔に設定されていることを特徴とする軸状部品の供給装置。
発明の効果
パーツフィーダ内には、正常長さの軸状部品よりも長い過長部品や、正常長さよりも短い過短部品が正常長さの軸状部品とともに混在している場合がある。前記パーツフィーダまたは前記供給通路に正常長さよりも長い過長部品を検出して除去するための過長部品検出手段が配置されているから、過長部品はこの過長部品検出手段において除去される。したがって、供給ロッドの保持ヘッドに軸状部品が到達する時点では、過長部品がすでに除去されている。
つぎに、保持ヘッドに保持される軸状部品は正常長さのものか、または過短部品である。正常長さの軸状部品が保持ヘッドに保持されている場合には、保持ヘッドの移動で軸状部品の先端部が電極の受入孔に挿入されるので、この軸状部品は正しく受入孔に保持される。しかし、過短部品が保持ヘッドに保持されている場合には、前記過短部品排除間隔によって過短部品が受入孔に到達できないので、受入孔への挿入が不可能となる。このときに保持ヘッドから脱落するようにすれば、過短部品の排除が受入孔の直前で行える。
上述のように、過長部品がパーツフィーダまたは供給通路においてあらかじめ排除され、保持ヘッドに保持された過短部品は電極の受入孔の直前で排除することができる。つまり、過長部品が排除される場所領域がスペース的にも融通のききやすい上流側であり、過短部品が排除される場所領域が下流側であるから、軸状部品の移動経路において体系的にすなわちシステマティックに異常部品が除去されて行くのである。
したがって、過長部品があらかじめ排除された後に、正常または過短部品が保持ヘッドに支持されて、過短部品だけが受入孔に到達できないという処理を受ける。換言すると、過長部品は排除しやすい場所領域で排除され、過短部品は受入孔に到達させない方法で排除することができる。したがって、異常に長いものや短いものがそれぞれに適した箇所で除去され、確実に正常部品だけが電極に供給され、異常部品の溶接が確実に防止でき、後工程にとって信頼性の高い部品処理が実現する。
記過長部品検出手段は、軸状部品の過長箇所を係止するとともにパーツフィーダの移送通路に設けられた通過規制部材である。
前記通過規制部材が軸状部品の過長箇所を係止するので、過長軸状部品は確実に検出される。前記パーツフィーダの移送通路に配置された通過規制部材が移動してくる過長部品の過長箇所を受け止めるので、これにより過長部品はその姿勢が変化する。したがって、このような変化に基づいて異常部品であることが確実に検出できる。通常、軸状部品は長尺なので上下方向に吊り下げられた状態で搬送されるようになっている。そのため、過長な箇所にひっかかるような通過規制部材を所定の高さ位置に配置するだけで異常部品の検出ができる。
記過長部品検出手段は、軸状部品の過長箇所を係止するとともに前記供給通路に設けられた通過規制部材である。
前記通過規制部材が軸状部品の過長箇所を係止するので、過長軸状部品は確実に検出される。前記供給通路に配置された通過規制部材が移動してくる過長部品の過長箇所を受け止めるので、これにより過長部品はその姿勢が変化する。したがって、このような変化に基づいて異常部品であることが確実に検出できる。通常、軸状部品は長尺なので上下方向に吊り下げられた状態で搬送されるようになっている。そのため、過長な箇所にひっかかるような通過規制部材を所定の高さ位置に配置するだけで異常部品の検出ができる。
記過長部品検出手段は、軸状部品の過長箇所によって動作するとともに前記供給通路に設けられたセンサー手段である。
前記センサー手段が軸状部品の過長箇所を検知して動作信号を発するので、過長軸状部品は確実に検出される。前記供給通路に配置されたセンサー手段が移動してくる過長部品の過長箇所によって動作するので、これによって得られた信号に基づいて異常部品であることが確実に検出できる。通常、軸状部品は長尺なので上下方向に吊り下げられた状態で搬送されるようになっている。そのため、過長な箇所で動作するようなセンサー手段を所定の高さ位置に配置するだけで異常部品の検出ができる。また、このようなセンサー手段をパーツフィーダの移送通路に配置して、パーツフィーダ内で過長部品の検出を行うことも可能である。
記供給ロッドの進出は保持ヘッドに保持されている軸状部品の軸線が前記受入孔の軸線に合致した位置で停止し、この停止位置から正常長さの軸状部品が受入孔内に挿入されるように構成した。
上述のように、正常長さの軸状部品と受入孔の各軸線が合致してから、前記過短部品排除間隔のもとで、軸状部品が受入孔内に挿入される。したがって、正常な部品は通常の正しい動作のもとで受入孔に供給され、所定の溶接がなされる。
記受入孔を有する電極は、軸状部品が受入孔内に挿入されていることを検知する検知手段を備えている。
軸状部品が受入孔に挿入されていることを前記検知手段で確認できる。この確認によって発せられた信号で電極の進出動作を行うようにした場合には、軸状部品の存在を確認してから電極動作がなされるので、軸状部品のないいわゆる空打ち動作を防止できる。
記検知手段は、通電経路中に軸状部品が介在することによって通電経路が成立するものである。
このように軸状部品の存在によって通電経路が成立するので、軸状部品が受入孔に入っているときには、確実に電極の進出動作を開始することができ、軸状部品が不存在のまま電極が動作することを確実に防止できる。また、電極に保持された軸状部品が鋼板部品のような相手方部品に押し付けられたときに、さらに軸状部品が移動して通電経路を成立させることができる。すなわち軸状部品の一部と電極の一部との間でスイッチ動作のようなことを行わせるのである。このような場合には、軸状部品が受入孔内に存在しないとき、溶接電流の通電を行わないようにすることによって、異常通電を回避することができる。
記検知手段は、前記受入孔内に挿入された軸状部品の存在を検知するセンサーである。
軸状部品の存在を直接検知するセンサーが採用されているので、確実に軸状部品の有無が検知できる。また、このセンサーの取り付け位置によって、正常長さの軸状部品の検知は行うが、過短部品の検知は行わないようにすることができる。こうすることにより、何等かの原因で過短部品が受入孔に挿入されてもセンサーからの信号が発せられないので、電極の異常進出を防止することができる。
記過長部品検出手段における軸状部品は、ほぼ上下方向の姿勢とされている。
このように軸状部品をほぼ上下方向の姿勢にすることにより、軸状部品を上下方向に吊り下げられたような状態で搬送することができる。このような搬送姿勢により、過長部分を軸状部品の下端部分に位置させることができ、この下端部分に例えば通過規制部材を配置して過長部品の検出をおこなうことができる。すなわち、軸状部品が上下方向の姿勢になっているので、下端部分に何等かの部材を干渉させて過長部品の検出が簡単に実施できるのである。
記軸状部品は、雄ねじが形成された軸部とこの軸部と一体に設けられたフランジ部とこのフランジ部に形成された溶着用突起からなるプロジェクションボルトである。
例えば、自動車の車体組立工程においては、幾種類ものプロジェクションボルトが鋼板部品に溶接されるので、床面に落ちているプロジェクションボルトを作業者が誤ってパーツフィーダに戻したりすることによって、過長ボルトや過短ボルトが混在することになる。しかし、上述のような構成・作用によって、異常長さのボルトが排斥されるので、誤品ボルトの溶接が防止でき、後工程に及ぼす問題が解消される。
つぎに、本発明の軸状部品の供給装置を実施するための最良の形態を説明する。
この実施例における軸状部品1は、図1(B)に示すような鉄製のプロジェクションボルト1である。プロジェクションボルト1は、雄ねじが形成された軸部2と、この軸部2と一体に設けられた円形のフランジ部3と、このフランジ部3に形成された溶着用突起4から構成されている。以下、プロジェクションボルトを、単にボルトと記載することもある。
図1(A)は、装置全体の斜視図である。
まず、パーツフィーダ周辺の構造を説明する。
静止部材である架台5にパーツフィーダ6が固定されている。このパーツフィーダ6としては、振動式ボウルの送出通路から送出するもの、回転板に取り付けた磁石で所定個数の部品を吸着してそれを送出通路から送出するもの、あるいは、回転円板で搬送通路に部品を移動させこの部品が送出通路から送出されるもの等いろいろなものが採用できる。この実施例では、振動式ボウルの送出通路から送出する形式のものが採用されている。
振動式のボウル7から送出されたプロジェクションボルト1は、傾斜したガイドレール8に沿って移送される。このガイドレール8は、図1(B)に示すように、長尺な2本のレール部材9,10が平行な状態で結合部材11によって一体化されている。レール部材9,10の間に移送空間12が形成され、ここをボルト1の軸部2が通過するようになっている。そして、レール部材9,10の上面をフランジ部3が滑動するようになっており、したがって、ボルト1はいわゆる首吊り状態になっている。
前記ガイドレール8にそって移送されたボルト1は、一般的に使用されている送出ユニット13に送り込まれる。この送出ユニット13は、ボルト1を1つずつ送出して離れた箇所へ到達させるもので、送出ユニット13に入ってきたボルト1をその内部で1つだけ移行させ、この移行したボルト1に圧縮空気を噴射して供給ホース14内へ高速で送り出すものである。符号15は圧縮空気の供給管であり、送出ユニット13に接合してある。
なお、符号16は、ボルト1の蓄積ボックスであり、ボウル7内へボルト1の補充を行っている。また、符号17は、パーツフィーダ6の動作制御,送出ユニット13の動作制御,圧縮空気の噴射制御,後述の供給ロッドの動作制御などを行うための各種の制御装置が収納された制御ボックスである。
つぎに、部品供給装置19について説明する。
部品供給装置19は、前記送出ユニット13からのボルト1を供給ロッド20の保持ヘッド21で受け取って、目的箇所である可動電極22に到達させるものである。この可動電極22はほぼ鉛直方向に進退するようになっている。直角三角形の形をしたフレーム23の傾斜部24に外筒25が固定されている。この外筒25内に供給ロッド20が進退可能な状態で収容されている。外筒25の上端にエアシリンダ26が結合され、このエアシリンダ26のピストンロッド(図示していない)が供給ロッド20に結合されて、供給ロッド20が進退するようになっている。
機枠のような静止部材27に固定されたエアシリンダ28が前記フレーム23に結合され、このエアシリンダ28の出力でフレーム23,外筒25,供給ロッド20,エアシリンダ26などが一体になって昇降するようになっている。この昇降方向は、ほぼ鉛直方向となるようにエアシリンダ28の取り付け状態が設定されている。
前記供給ホース14内を高速で移動してきたボルト1をそのまま保持ヘッド21に到達させると、ボルト1の衝撃で保持ヘッド21の耐久性が低下するおそれがある。そのために、一般的に使用されている停止通過ユニット30がフレーム23に取り付けられている。
この停止通過ユニット30は、高速で移送されてきたボルト1を一旦停止し、その後、低速で保持ヘッド21に移行させるものである。停止通過ユニット30の内部に進退部材(図示していない)が設けられ、この進退部材が供給通路を閉鎖していることにより高速のボルト1が停止される。そして、進退部材が移動して前記閉鎖が開放されると、ボルト1が低速で保持ヘッド21に到達する。この進退部材を進退させるために、エアシリンダ31が設けられている。
図1(A)は、保持ヘッド21が停止通過ユニット30の真下に位置して供給ロッド20が最も後退した状態と、供給ロッド20が進出した状態とを示している。供給ロッド20が最も後退した状態で保持ヘッド21にボルト1が移載され、ついで供給ロッド20が進出して可動電極22の真下で停止する。それからエアシリンダ28の動作で供給ロッド20,保持ヘッド21が上方へ移動すると、ボルト1が可動電極22に供給される。
可動電極22にボルト1を供給する状態は、図6(H)に示されている。保持ヘッド21の上部に円形の凹部32が形成され、ここにボルト1のフランジ部3が着座するようになっている。凹部32の中央部に空気口33が開口している。この空気口33は空気通路34をへて空気吸排ポンプ(図示していない)に接続されている。可動電極22の中央部にボルト1の軸部2が挿入される受入孔35が設けてある。
供給ロッド20が進出して軸部2が受入孔35と同軸状態になると、供給ロッド20の進出が停止する。その後、エアシリンダ28の出力で供給ロッド20等がほぼ鉛直方向に上昇すると、図6(H)に2点鎖線で示すように、軸部2の先端部分が受入孔35内に進入する。この時点で圧縮空気が空気口33から噴射されて軸部2が完全に受入孔35内に入りきる。受入孔35内に入りきった軸部2は受入孔35の奥に配置した永久磁石36(図6(H)参照)に吸引されて、可動電極22でのボルト保持がなされる。なお、保持ヘッド21におけるボルト1の安定性を確保するために、永久磁石29が凹部32の下側に埋設されている。
つぎに、過長部品検出手段について説明する。
この過長部品検出手段は、パーツフィーダ6に組み込まれるものと、パーツフィーダ6の送出部18から供給ホース14の終端すなわち供給ロッド20の手前までの供給通路に組み込まれるものがある。
最初に、パーツフィーダに組み込まれるものを、図2および図3にしたがって説明する。前記ボウル7の内周部に搬送段部38が設けてあり、これに連続した状態で吊り下げ搬送部39が設けてある。この吊り下げ搬送部39は、ピアノ線のような2本の線材40,41を所定間隔で配置したもので、図3に示すように、ボルト1の軸部2が両線材40,41の間に入り込み、フランジ部3の下側を線材40,41で支持している。つまり、2本の線材40,41によってボルト1が首吊り状態になっている。
前記線材40,41に連続した状態で送出部18が設けてある。この送出部18もボルト1を首吊り状態で搬送するもので、2枚の搬送板42を平行に配置し、その上面37,37をフランジ部3が滑動するようになっている。この送出部18に前記ガイドレール8が連続している。
前記搬送段部38,吊り下げ搬送部39,送出部18などによって、パーツフィーダ6の移送通路が形成されている。
前記パーツフィーダ7の移送通路に通過規制部材43が配置されている。この通過規制部材43は、軸部2の過長箇所を係止する。図2(B)に2点鎖線で示したボルト1は、右側から過長ボルト1A,正常ボルト1B,過短ボルト1Cであり、過長ボルト1Aの下端近傍が過長箇所2Aである。通過規制部材43は、正常ボルト1Bは通過させるが、過長ボルト1Aは通過させない高さ位置に取り付けてある。ここでは、2枚の搬送板42の間に溶接またはボルト付けなどで固定してある。
また、吊り下げ搬送部39と送出部18の境界部分の上側に規制板44が配置してある。この規制板44は、下方に開放しているコ字型断面の架橋部45が両搬送板42をブリッジ状になって結合しており、その前端部から規制板44が伸びている。ボルト1のフランジ部3は、この規制板44や架橋部45の下側を通過するようになっており、規制板44や架橋部45はボルト1が上方へ突き出るのを規制している。
過長ボルト1Aがボウル7の移送振動により移送通路である吊り下げ搬送部39を滑動してくると、その過長箇所2Aが通過規制部材43にひっかかった状態になり、過長ボルト1Aの上部が右側に傾き、そのときにフランジ部3(溶着用突起4)が規制板44の下面と送出部18の上面37に当たってロック状態になり、それ以上下流側に移動できなくなる。
このように過長ボルト1Aがロック状態になると、ガイドレール8への部品移送が途絶えるので、作業者は異常が発生したことを直ちに発見する。そして、動けない状態になった過長ボルト1Aを、作業者が送出部18の右方(図2(B)参照)から工具などを差し込み左方に押し戻してから、上方へ引き抜いて除去する。このようにして過長ボルト1Aが排除されると、つぎの正常ボルト1Bが通過規制部材43に接触することなく通過しガイドレール8の方へ移送されてゆく。同時に、過短ボルト1Cも通過規制部材43に接触することなく通過しガイドレール8の方へ移送されてゆく。
上述のようにして通過規制部材43を通過した正常ボルト1Bと過短ボルト1Cは、前記送出ユニット13から供給ロッド20の保持ヘッド21に空気搬送により到達する。
図3は、図2(B)を左側から見た各ボルトと通過規制部材43との関係を示す図であり、上述のように、過長ボルト1Aの過長箇所2Aが通過規制部材43にひっかかっており。それ以外は通過規制部材43を通過している状態が図示されている。
つぎに、パーツフィーダ6の送出部18から供給ホース14の終端すなわち供給ロッド20の手前までの供給通路に組み込まれる過長部品検出手段を、図4および図5にしたがって説明する。この例は、パーツフィーダ6の送出部18から図1(A)に図示した送出ユニット13に至る供給通路に直進フィーダ47が配置され、この直進フィーダ47が前記送出ユニット13に接続されているものであり、直進フィーダ47自体も供給通路の一部を構成している。
この実施例における直進フィーダ47は一般的に使用されている形式のものである。すなわち、レール部材48,49を平行に配列して、図1(B)に示したような首吊り式のガイドレール50が形成されている。このガイドレール50に移送振動を付与して、ボルト1が図4の右方へ移送される。このような振動を発生させるために、起振ユニット51が配置してある。
この起振ユニット51は、下側基部材52と上側基部材53とが、2つの板ばね54,55で結合され、その間に電磁式バイブレータ56が配置されている。前記ガイドレール50は上側基部材53に結合されている。下側基部材52は、緩衝ゴム57を介して静止部材27に結合してある。また、ガイドレール50に首吊り状態とされているボルト1が上方へせり上がるのを防止するために、押さえレール46が配置してある。
直進フィーダ47の中央部近傍に過長部品検出手段である検出ユニット60が配置されている。図4においては、この検出ユニット60は2点鎖線で図示されている。
図5(A)〜(C)は、図4に示す検出ユニット60の断面図である。レール部材49に、過長ボルト1A,正常ボルト1B,過短ボルト1Cを検出して動作するセンサー手段が取り付けてある。このセンサー手段は、フォトトランジスターなどいろいろなものが採用できるが、ここではボルト1の軸部2を磁気的に検知する通常の近接スイッチが採用されている。過長ボルト1Aの過長箇所2Aを検出する位置に第1センサー61が取り付けられている。正常ボルト1Bの下端部を検出する位置に第2センサー62が取り付けられている。
さらに、レール部材48の上部に過長,正常,過短各ボルトの全てを検出する存在検知センサー63が取り付けられている。この存在検知センサー63には、タイマー(図示していない)が接続されており、センサー63からの動作信号で計時動作をおこなって、所定時間経過後に信号が出るようになっている。なお、これらのセンサー61,62,63は、図5(E)に示すように、軸部2に沿った上下方向の一直線上に配列してある。
したがって、第1センサー61から動作信号が出たときには、過長ボルト1Aが検出ユニット60に移動してきたことを報知し、後述の除去装置によってガイドレール50から除去される。また、第2センサー62から動作信号が出たときには、正常ボルト1Bが検出ユニット60に移動してきたことを検知し、前記除去装置を動作させることなくガイドレール50に沿って移動してゆく。また、過短ボルト1Cが移動してきたときには、第1および第2いずれのセンサー61,62からなにも動作信号は出されない。そして、存在検知センサー63からの信号で所定時間経過すると、除去装置が動作して、ガイドレール50から除去される。
除去装置としては、電磁ソレノイドで異常ボルトを跳ね飛ばす形式のもの、リフト部材で異常ボルトを吊り出す形式のものなどいろいろなものが採用できる。ここでは、後者の形式のものであり、図5(D),(E),(F)は前記除去装置を示す斜視図や側面図である。レール部材48,49の上部に沿った状態で2本のリフト片65が配置され、これら両利リフト片65は架橋部材66で一体化されている。図5(E)に示すように、前記リフト片65の真下に各センサー61,62,および63が配列されている。
架橋部材66の上部に揺動ロッド67が固定され、静止部材に固定された支持軸68を中心にして揺動するようになっている。この揺動動作を行わせるために、電磁アクチュエータ69が設けられ、この進退出力で揺動ロッド67が揺動する。
リフト片65上をフランジ部3が通過するときに、そのボルト1が過長または過短であることが前記センサー61および63で検知されると、電磁アクチュエータ69が動作して揺動ロッド67が揺動し、異常ボルト1Aまたは1Cがガイドレール50から抜き取られて除去動作がなされる。
上述のような各センサー61,62,63,タイマー,除去装置の電磁アクチュエータ69等の順を追った動作は、通常のシーケンス制御装置によって簡単に実行させることができる。
上記の例では、過長ボルト1Aと過短ボルト1Cが除去装置で排除されるようになっているが、これを過長ボルト1Aだけを排除するようにしてもよい。
なお、図示していないが、供給通路であるガイドレール50の下部に図2(B)に示したような通過規制部材43を配置することによって、図2や図3に示したものと同様な動作をえることができる。
つぎに、過短部品排除間隔について説明する。
過長ボルト1Aは、パーツフィーダ6またはパーツフィーダ6の送出部18から供給ホース14の端部までの供給通路に配置された過長部品検出手段によって検知されて除去されるが、残った過短ボルト1Cを除去するために、供給ロッド20の保持ヘッド21と、可動電極22の前記受入孔35の開口部との間に過短部品排除間隔Lが設定されている。
この過短部品排除間隔Lは、エアシリンダ28の動作により正常ボルト1Bが上昇したときには、図6(H)に2点鎖線で示すように、正常ボルト1Bの先端部分が受入孔35内に進入するが、エアシリンダ28の動作により過短ボルト1Cが上昇したときには、図7(H)に2点鎖線で示すように、過短ボルト1Cの先端部が受入孔35の開口部にとどかない間隔である。
上述の実施例の動作を説明する。
パーツフィーダ6のボウル7内には、正常ボルト1Bが入れてあるがその中に過長ボルト1Aと過短ボルト1Cが混入していることがある。過長ボルト1Aをパーツフィーダ6において除去する場合には、図2(B)に示すように、通過規制部材43にひっかかった過長ボルト1Aを、前述のようにして作業者が取り除く。また、過長ボルト1Aを供給通路である直進フィーダ47において除去する場合には、検知された過長ボルト1Aがリフト片65によってガイドレール50から引き抜かれる。
このようにして過長ボルト1Aが除去されると、正常ボルト1Bと過短ボルト1Cが送出ユニット13から供給ホース14をへて停止通過ユニット30に到達し、それから保持ヘッド21に移載される。
正常ボルト1Bの挙動は図6に示されている。図6(A)に丸1で示すように、正常ボルト1Bが保持ヘッド21に保持される。それから、供給ロッド20が丸2で示すように、進出して軸部2が受入孔35と同軸になった位置で進出は停止する(図6(B)参照)。ついで、エアシリンダ28により保持ヘッド21が上昇して軸部2の先端部分が丸3で示すように、受入孔35内に進入する(図6(C)参照)。それに引き続いて、圧縮空気が空気口33から噴射されて丸4で示すように、軸部2が受入孔35の奥まで入りきり、永久磁石36で吸引される(図6(D)参照)。その後、図6(E),(F)に丸5,丸6で示すように、供給ロッド20が逆に戻ると、図6(G)の丸7で示すように、可動電極22が進出して正常ボルト1Bの溶着用突起4を固定電極71上の鋼板部品72に押し付けて、溶接電流を通電する。
上述の一連の動作において、過短部品排除間隔Lが前述のように設定されているので、正常ボルト1Bの軸部2が受入孔35内に確実に挿入されて、可動電極22に保持されて正常な溶接がなされる。
過短ボルト1Cの挙動は図7に示されている。図7(C)に示すように、保持ヘッド21が上昇しても軸部2が短いので受入孔35の開口部との間に隙間ができてしまう。このような隙間のある状態で空気口33から圧縮空気が噴射されると、過短ボルト1Cは傾いて軸部2が受入孔35内に進入できない状態になる。すなわち、噴射空気による動圧がフランジ部3に対して偏って作用するため、空気噴射により過短ボルト1Cを傾斜させないで鉛直方向に上昇させることは、ほぼ不可能である。したがって、過短ボルト1Cは図7(D)に示すように、受入孔35に入らないで可動電極22の外側へ転落する。あるいは、軸部2が受入孔35に入ったとしても永久磁石36の吸引磁力が軸部2に十分作用しないので、図7(E)に示すように、保持ヘッド21が丸5の方へ戻る際に軸部2が受入孔35から抜け出て、同様に転落する。
以上に説明した実施例の作用効果を列記すると、つぎのとおりである。
パーツフィーダ6内には、正常ボルト1Bよりも長い過長ボルト1Aや、正常長さよりも短い過短ボルト1Cが正常ボルト1Bとともに混在している場合がある。前記パーツフィーダ6または前記供給通路に過長ボルト1Aを検出して除去するための過長部品検出手段が配置されているから、過長ボルト1Aはこの過長部品検出手段において除去される。したがって、供給ロッド20の保持ヘッド21にプロジェクションボルト1が到達する時点では、過長ボルト1Aがすでに除去されている。
つぎに、保持ヘッド21に保持されるボルト1は正常ボルト1Bか、または過短ボルト1Cである。正常ボルト1Bが保持ヘッド21に保持されている場合には、保持ヘッド21の移動で軸部2の先端部が可動電極22の受入孔35に挿入されるので、この軸部2は正しく受入孔35に保持される。しかし、過短ボルト1Cが保持ヘッド21に保持されている場合には、前記過短部品排除間隔Lによって過短ボルト1Cが受入孔35に到達できないので、受入孔35への挿入が不可能となる。このときに保持ヘッド21から脱落するようにすれば、過短ボルト1Cの排除が受入孔35の直前で行える。
上述のように、過長ボルト1Aがパーツフィーダ6または供給通路においてあらかじめ排除され、保持ヘッド21に保持された過短ボルト1Cは可動電極22の受入孔35の直前で排除することができる。つまり、過長ボルト1Aが排除される場所領域がスペース的にも融通のききやすい上流側であり、過短ボルト1Cが排除される場所領域が下流側であるから、ボルト1の移動経路において体系的にすなわちシステマティックに異常ボルトが除去されて行くのである。
したがって、過長ボルト1Aがあらかじめ排除された後に、正常または過短ボルトが保持ヘッド21に支持されて、過短ボルト1Cだけが受入孔35に到達できないという処理を受ける。換言すると、過長ボルト1Aは排除しやすい場所領域で排除され、過短ボルト1Cは受入孔35に到達させない方法で排除することができる。したがって、異常に長いものや短いものがそれぞれに適した箇所で除去され、確実に正常ボルト1Bだけが可動電極22に供給され、異常ボルトの溶接が確実に防止でき、後工程にとって信頼性の高い部品処理が実現する。
前記過長部品検出手段は、過長ボルト1Aの過長箇所2Aを係止するとともに、パーツフィーダ6の移送通路に設けられた通過規制部材43である。
前記通過規制部材43が過長ボルト1Aの過長箇所2Aを係止するので、過長ボルト1Aは確実に検出される。前記パーツフィーダ6の移送通路に配置された通過規制部材43が、移動してくる過長ボルト1Aの過長箇所2Aを受け止めるので、これにより過長ボルト1Aはその姿勢が変化する。したがって、このような変化に基づいて過長ボルト1Aであることが確実に検出できる。通常、プロジェクションボルト1は長尺なので上下方向に吊り下げられた状態で搬送されるようになっている。そのため、過長な箇所にひっかかるような通過規制部材43を所定の高さ位置に配置するだけで過長ボルト1Aの検出ができる。
前記過長部品検出手段は、過長ボルト1Aの過長箇所2Aを係止するとともに前記供給通路に設けられた通過規制部材43である。
前記通過規制部材43が過長ボルト1Aの過長箇所2Aを係止するので、過長ボルト1Aは確実に検出される。前記供給通路に配置された通過規制部材43が移動してくる過長ボルト1Aの過長箇所2Aを受け止めるので、これにより過長ボルト1Aはその姿勢が変化する。したがって、このような変化に基づいて過長ボルト1Aであることが確実に検出できる。通常、プロジェクションボルト1は長尺なので上下方向に吊り下げられた状態で搬送されるようになっている。そのため、過長な箇所にひっかかるような通過規制部材43を所定の高さ位置に配置するだけで過長ボルト1Aの検出ができる。
前記過長部品検出手段は、過長ボルト1Aの過長箇所2Aによって動作するとともに前記供給通路であるガイドレール50に設けられたセンサー手段である。
前記センサー手段である第1センサー61が過長ボルト1Aの過長箇所2Aを検知して動作信号を発するので、過長ボルト1Aは確実に検出される。前記ガイドレール50に配置された第1センサー61が移動してくる過長ボルト1Aの過長箇所2Aによって動作するので、これによって得られた信号に基づいて過長ボルト1Aであることが確実に検出できる。通常、プロジェクションボルト1は長尺なので上下方向に吊り下げられた状態で搬送されるようになっている。そのため、過長な箇所で動作するような第1センサー61を所定の高さ位置に配置するだけで過長ボルト1Aの検出ができる。また、このようなセンサー手段をパーツフィーダ6の移送通路に配置して、パーツフィーダ6内で過長部品の検出を行うことも可能である。この場合には、図2(B)の通過規制部材43の代わりに第1センサー61が搬送板42に取り付けられる。
前記供給ロッド20の進出は保持ヘッド21に保持されているボルト1の軸線が前記受入孔35の軸線に合致した位置で停止し、この停止位置から正常ボルト1Bが受入孔35内に挿入されるように構成した。
上述のように、正常ボルト1Bと受入孔35の各軸線が合致してから、前記過短部品排除間隔Lのもとで、正常ボルト1Bが受入孔35内に挿入される。したがって、正常ボルト1Bは通常の正しい動作のもとで受入孔35に供給され、所定の溶接がなされる。
前記過長部品検出手段におけるプロジェクションボルト1は、ほぼ上下方向の姿勢とされている。
このようにボルト1をほぼ上下方向の姿勢にすることにより、ボルト1を上下方向に吊り下げられたような状態で搬送することができる。このような搬送姿勢により、過長ボルト1Aの過長部分2Aを過長ボルト1Aの下端部分に位置させることができ、この下端部分に例えば通過規制部材43を配置して過長ボルト1Aの検出をおこなうことができる。すなわち、ボルト1が上下方向の姿勢になっているので、下端部分に何等かの部材を干渉させて過長ボルト1Aの検出が簡単に実施できるのである。
前記軸状部品は、雄ねじが形成された軸部2とこの軸部2と一体に設けられたフランジ部3とこのフランジ部3に形成された溶着用突起4からなるプロジェクションボルト1である。
例えば、自動車の車体組立工程においては、幾種類ものプロジェクションボルト1が鋼板部品72に溶接されるので、床面に落ちているプロジェクションボルト1を作業者が誤ってパーツフィーダ6に戻したりすることによって、過長ボルト1Aや過短ボルト1Cが混在することになる。しかし、上述のような構成・作用によって、異常長さのボルトが排斥されるので、誤品ボルトの溶接が防止でき、後工程に及ぼす問題が解消される。
図8は第2の実施例を示す。
この実施例は、前述の実施例における可動電極22に正常ボルト1Bの検知機能を付与したものである。
断面円形の可動電極22は、筒状の電極本体73の下側に端部材74がねじ部75で一体化されている。この端部材74はほぼ筒状の形態であり、その内側に絶縁筒78が接着などで取り付けてある。また、電極本体73の上端にはねじ部76を介して結合部77が一体化されている。電極本体73の内側にも絶縁筒79が挿入してあり、その内側には大径孔80と小径孔81が形成してある。両絶縁筒78,79はポリプロピレンやポリアミド樹脂などの絶縁性のある合成樹脂でつくられている。
絶縁筒79に摺動可能な状態で挿入された断熱部材82は、大径孔80と摺動する大径部83と、小径孔81と摺動する小径部84によって構成され、その内部に前記永久磁石36が埋設してある。断熱部材82は永久磁石36が過熱状態になるのを防止している。そして、断熱部材82は導通性のある例えば、ステンレス鋼でつくられている。前記絶縁筒78の筒内空間と小径孔81の内部空間が、前述の受入孔35を構成している。
結合部77の内端面に絶縁板85が挿入され、そこに密着している導通板86に陽極側の導線87が結線してある。圧縮コイルスプリング88が導通板86と断熱部材82との間に挿入されている。なお、符号89は導線87を保護する絶縁筒である。
前記電極本体73,端部材74,結合部77,断熱部材82等は導電性の良好な金属材料、例えば、ステンレス鋼やクロム銅で製作されている。
前記受入孔35内に挿入されているボルト1は正常長さの正常ボルト1Bであり、受入孔35の深さは、永久磁石36の吸引力で軸部2の端部が小径部84の端部に接触しているとき、フランジ部3と端部材74の先端部との間にわずかな隙間L1が形成されるように設定されている。また、電極本体73の外周面に陰極側の導線90が結合してある。
通電経路は、導線87,導通板86,圧縮コイルスプリング88,断熱部材82,正常ボルト1B,端部材74,電極本体73,導線90の順序で形成されている。図8(A)は、可動電極22が進出して正常ボルト1Bの溶着用突起4が鋼板部品72に押し付けられた状態を示している。この状態では、フランジ部3と端部材74の先端部との間にわずかな隙間L1が形成されているので、前記順序による通電経路は隙間L1で絶たれた状態になっている。
可動電極22の加圧力がさらに上昇して進出すると、その反力で断熱部材82が圧縮コイルスプリング88を縮めながら相対的に後退し、隙間L1が消滅する。つまり、隙間L1がスイッチ機能を果たしている。したがって、フランジ部3と端部材74の先端部が圧接され、前記導通経路に通電がなされる。この通電状態が検知されることにより、正常ボルト1Bが受入孔35内に挿入されていることが確認でき、この確認信号に基づいて溶接電流の通電がなされる。
もし、何等かの原因で正常ボルト1Bが受入孔35に挿入されていないときには、可動電極22が図8(B)に示すように、可動電極22が進出して端部材74の先端部が鋼板部品72に圧接しても、導線87から導線90に至る通電がなされないので、この不通電をトリガー信号にして溶接電流の通電を事前に中止することができる。これにより、鋼板部品72だけが溶融するような異常事態が回避できる。
このように、正常ボルト1Bが通電経路中に介在していることにより、正常ボルト1Bが挿入されているときには、通常の加圧ないしは溶接電流の通電がなされ、正常な溶接が行われる。
また、何等かの原因で過短ボルト1Cが排除されないで受入孔35に差し込まれた状態が発生しても、過短ボルト1Cの軸部が断熱部材82の小径部84にはとどかないので、前記通電経路が不成立となり、正常ボルト1Bが受入孔35に挿入されていないときと同じ動作がなされて、異常事態が回避される。
上述のような受入孔35に正常ボルト1Bが挿入されていることを検知する検知手段が、前記通電経路の成立または不成立によって実現されている。他方、別の検知手段として、図8(A),(B)に2点鎖線で図示したように、受入孔35の最も奥まった位置に軸部2の存在を検知するセンサー91を設けるものがある。センサー91としてはいろいろなものが採用できるが、ここでは近接スイッチのタイプである。
このような位置にセンサー91が配置されているので、正常ボルト1Bの軸部2は検知されるが、正常ボルト1Bが挿入されていないかまたは過短ボルト1Cが挿入されているときには、センサー91からの検知信号がえられない。このような検知信号がないことをトリガー信号にして、軸部2の不存在を検出し、上述の動作と同様にして溶接電流の異常通電を予防できる。
なお、検知信号がないことをトリガー信号にすることは、通常の方法でよく、例えば、軸部2が受入孔35に挿入される際に動作するエアシリンダ28の動作信号でタイマーの計時を開始し、一定時間経過しても「軸部2あり」の信号がなければ、このタイマーからの信号で軸部の不存在を確認し、次への動作を行わないようにするのである。
第2の実施例の作用効果を列記すると、つぎのとおりである。
前記受入孔35を有する可動電極22は、正常ボルト1Bが受入孔35内に挿入されていることを検知する検知手段を備えている。
正常ボルト1Bが受入孔35に挿入されていることを前記検知手段で確認できる。この確認によって発せられた信号で可動電極22の進出動作を行うようにした場合には、正常ボルト1Bの存在を確認してから電極動作がなされるので、正常ボルト1Bが挿入されていないときや、過短ボルト1Cが挿入されているときのいわゆる空打ち動作を防止できる。
前記検知手段は、通電経路中に正常ボルト1Bが介在することによって通電経路が成立するものである。
このように正常ボルト1Bの存在によって通電経路が成立するので、正常ボルト1Bが受入孔35に入っているときには、確実に可動電極22の進出動作を開始することができ、正常ボルト1Bが不存在のまま可動電極22が動作することを確実に防止できる。また、可動電極22に保持された正常ボルト1Bが鋼板部品72に押し付けられたときに、さらに正常ボルト1Bが移動して隙間L1を閉じて通電経路を成立させることができる。すなわち正常ボルト1Bのフランジ部3と可動電極22の端部材74との間でスイッチ動作のようなことを行わせるのである。このような場合には、正常ボルト1Bが受入孔35内に存在しないとき、溶接電流の通電を行わないようにすることによって、異常通電を回避することができる。
前記検知手段は、前記受入孔35内に挿入された正常ボルト1Bの存在を検知するセンサー91である。
正常ボルト1Bの存在を直接検知するセンサー91が採用されているので、確実に正常ボルト1Bの有無が検知できる。また、このセンサー91を受入孔35の最も奥まった位置に取り付けることによって、正常長さの正常ボルト1Bの検知は行うが、過短ボルト1Cの検知は行わないようにすることができる。こうすることにより、何等かの原因で過短ボルト1Cが受入孔35に挿入されてもセンサー91からの信号が発せられないので、可動電極22の異常進出の防止や、溶接電流の通電を防止することができる。
上述のように、本発明によれば、過長部品をパーツフィーダや供給通路においてあらかじめ除去し、過短部品は電極の直前で除去するものである。このようにシステム的に異常長さの部品が排除されるので、装置全体の適材な箇所で排除動作を行うことができる。したがって、自動車の車体溶接工程や、家庭電化製品の溶接などにおいて広く利用することができる。
全体的な斜視図とプロジェクションボルトの正面図である。 パーツフィーダの斜視図と部分的な縦断側面図である。 吊り下げ搬送部における各長さのボルトを示す断面図である。 直進フィーダの側面図である。 検出ユニットの断面図や部分的な斜視図である。 正常ボルトの供給動作を段階的に示す簡略的な側面図である。 過短ボルトの供給動作を段階的に示す簡略的な側面図である。 他の実施例における可動電極の断面図である。
符号の説明
1 軸状部品,プロジェクションボルト
2 軸部
2A 過長箇所
3 フランジ部
4 溶着用突起
6 パーツフィーダ
8 ガイドレール
13 送出ユニット
18 送出部
19 部品供給装置
20 供給ロッド
21 保持ヘッド
22 可動電極
28 エアシリンダ
30 停止通過ユニット
35 受入孔
L 過短部品排除間隔
39 吊り下げ搬送部
43 通過規制部材
47 直進フィーダ
50 ガイドレール
60 検出ユニット
61 第1センサー
62 第2センサー
65 リフト片
71 固定電極
72 鋼板部品
L1 隙間
91 センサー

Claims (1)

  1. 軸状部品は、雄ねじが形成された軸部とこの軸部と一体に設けられたフランジ部とこのフランジ部に形成された溶着用突起からなるプロジェクションボルトであり、前記軸状部品を送出するパーツフィーダとこのパーツフィーダから供給ロッド手前までの供給通路を備えるとともに、前記供給ロッドがその保持ヘッドに保持された軸状部品を電極の受入孔に挿入するように供給動作を行う形式のものであり、前記パーツフィーダの移送通路がボウルの内周部に設けた搬送段部と吊り下げ搬送部とこの吊り下げ搬送部に連続した状態で配置された2枚の搬送板を平行に配置した送出部によって構成され、前記パーツフィーダに正常長さよりも長い過長部品を検出して除去するための過長部品検出手段が配置され、この過長部品検出手段は前記搬送板の間に固定され軸状部品の軸部の過長箇所を係止する通過規制部材によって構成され、吊り下げ搬送部と送出部の境界部分の上側に過 長部品のフランジ部を送出部との間でロック状態にする規制板が配置され、供給ロッドが進出して所定位置に停止した前記保持ヘッドと前記受入孔との間の間隔が、正常長さよりも短い過短部品は受入孔に到達できない過短部品排除間隔に設定されていることを特徴とする軸状部品の供給装置。
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