JP4186167B2 - 軸状部品の溶接装置 - Google Patents

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この発明は、供給通路から送出された軸状部品を移動電極に移行させ、この移動電極を所定の箇所へ変向して軸状部品を相手方部材に溶接する軸状部品の溶接装置に関している。
本発明に関連する先行技術として、特許第3684480号公報に開示された技術がある。ここに開示されている技術は、回動式供給アームの先端部にプロジェクションボルトを保持し、それから前記アームを回動させてプロジェクションボルトを下部電極のセット孔に挿入するものである。また、下部電極は上部電極に対向し、両電極の間に鋼板部品などが挿入される。そして、セット孔にボルトが挿入されていることにより、セット孔内の真空圧を上昇させ、この真空圧で真空スイッチを動作させてボルトが正しく挿入されていることを検知している。
特許第3684480号公報
上述のように、下部電極と上部電極が対向しているものであるから、下部電極のセット孔に対するボルトは定められた方向からしか挿入できないものとなる。したがって、前記特許文献1に記載されているような回動式供給アームを昇降させるような複雑な構造が要求される。とくに、下部電極と上部電極が終始対向した状態におかれているので、電極へのボルト供給に大きな制約が生じる。
また、真空圧によってセット孔内へのボルト挿入状態を検知するものであるから、セット孔内への挿入長さが短くても所定の真空圧になり、いわゆる不完全挿入であっても正常挿入であるとの検知信号が発せられて、誤った検知動作となる。
本発明は、上記の問題点を解決するために提供されたもので、電極の受入孔に対する軸状部品の挿入を行いやすくし、受入孔内の軸状部品の検出を正確におこなうことのできる軸状部品の溶接装置を提供することを目的とする。
問題を解決するための手段
請求項1に記載の発明は、雄ねじが形成された軸部に円形のフランジ部が一体に設けられ、前記軸部とは反対側のフランジ面に溶着用突起が設けられたプロジェクションボルトが溶接の対象となる軸状部品であり、供給通路から送出された前記軸状部品を保持する保持ユニットは、ブロック部材の上部に前記軸部がほぼ鉛直方向に起立した状態で前記フランジ部を保持する受け部が設けられたものであり、この保持ユニットを鉛直方向に起立した軸状部品の軸線方向に移動する進退式の供給手段が設けられ保持ユニット上で起立した軸状部品と同軸状態で待機し軸状部品の受入孔を有する移動電極が円板型の回転基部材の外周部に取り付けられ、この回転基部材はほぼ水平方向に配置されているとともに回転駆動手段によって回転する回転軸に固定され、待機中の移動電極は前記保持ユニットに保持された軸状部品および移動電極と対をなす可動電極と同軸状態となるように構成したことを特徴とする軸状部品の溶接装置である。
発明の効果
前記供給通路から送出された軸状部品を保持ユニットに起立状態で保持し、軸状部品の軸線方向に保持ユニットを移動して移動電極の受入孔に軸状部品を挿入し、その後、移動電極の向きを変えて可動電極と同軸状態にする。それから、両電極の間に位置させた鋼板部品などの相手方部材に対して、軸状部品が電気抵抗溶接で溶着される。
上述のように、移動電極は軸状部品を受入孔に受け入れてから可動電極と同軸になる位置へ移動するものであるから、すなわち、可動電極と対向していない位置で軸状部品を受け入れてから、可動電極と対向して同軸になる位置へ移動するものであるため、移動電極に軸状部品が挿入される箇所を設定する自由度が大幅に拡大される。したがって、供給通路の配置状態がいろいろと変化しても、前記進退式の供給手段を用いて、その変化に適応した動作を保持ユニットに付与することができ、特別に複雑な機構を採用することなく、動作信頼性の高い軸状部品の溶接装置がえられる。
移動電極は、回転軌跡を描いて移動するものであるから、この回転移動に要する占有空間が少なくて済み、近在の部材に対する影響が最小化される。また、回転動作は回転軸に基づくものであるから、回転軌跡が正確に確保でき、移動後の移動電極の軸線と可動電極の軸線とが正確に同軸状態となり、正常な溶接動作がえられる。また、回転基部材の外周部に移動電極が取り付けてあるので、可動電極の加圧力を受けるための剛性が十分に確保できる。さらに、複数の移動電極を回転基部材の外周部に取り付けることにより、溶接サイクル時間を短くして生産性を向上できる。
待機中の移動電極と保持ユニットに保持された軸状部品と可動電極とが同軸上に整列している。そのために、移動電極を180度回転するだけで移動電極と可動電極とが対向した状態で同軸となる。上記のように3者を1軸上に整列させたものなので、3者の相対位置を設定することが行いやすくなり、軸状部品を移動電極に移行させることが正確に実行され、また、移動電極と可動電極との同軸性も確保でき、溶接装置としての動作が正確に果たされる。
記供給通路は、部品搬送装置の部品ガイド手段とされている。
例えば、直進フィーダのような部品搬送装置の部品ガイド手段から送出された軸状部品が保持ユニットに移載されるものであるから、保持ユニットへの軸状部品の移行が円滑になされる。また、部品搬送装置における軸状部品の搬送姿勢を種々なものに設定することができるので、起立状態にすることが行いやすく、保持ユニットにおける軸状部品の起立保持が正確にしかも簡単に行うことができ、移動電極の受入孔に対する挿入性が良好なものとなる。
記変向機構は、回転駆動手段によって回転する回転基部材の外周部に移動電極が取り付けられているものである。
移動電極は、回転軌跡を描いて移動するものであるから、この回転移動に要する占有空間が少なくて済み、近在の部材に対する影響が最小化される。また、回転動作は回転軸に基づくものであるから、回転軌跡が正確に確保でき、移動後の移動電極の軸線と可動電極の軸線とが正確に同軸状態となり、正常な溶接動作がえられる。また、回転基部材の外周部に移動電極が取り付けてあるので、可動電極の加圧力を受けるための剛性が十分に確保できる。さらに、複数の移動電極を回転基部材の外周部に取り付けることにより、溶接サイクル時間を短くして生産性を向上できる。
機中の移動電極は、前記保持ユニットに保持された軸状部品および前記可動電極と同軸状態になるように構成されている
待機中の移動電極と保持ユニットに保持された軸状部品と可動電極とが同軸上に整列している。そのために、移動電極を180度回転するだけで移動電極と可動電極とが対向した状態で同軸となる。上記のように3者を1軸上に整列させたものなので、3者の相対位置を設定することが行いやすくなり、軸状部品を移動電極に移行させることが正確に実行され、また、移動電極と可動電極との同軸性も確保でき、溶接装置としての動作が正確に果たされる。
記受入孔を有する移動電極は、軸状部品が受入孔内に挿入されていることを検知する検知手段を備えている。
このように検知手段で軸状部品が受入孔内に挿入されているかどうかが確認できるので、もし、挿入されていない場合には、未挿入であることを示す信号を検知手段から得て、移動電極の移動を行わないようにすることができる。つまり、移動電極の移動後ではなく移動前に未挿入であることが検知できるので、早期のうちに異常を発見することができ、無駄な時間を費やすことがない。
記検知手段は、軸状部品の存在を検知するセンサー手段である。
例えば、電磁動作式の近接スイッチや光学的な検知装置のようなセンサー手段によって、軸状部品を直接検知することができるので、軸状部品が受入孔に未挿入であることが確実に検知できる。また、センサー手段を受入孔の最も奥まった箇所に配置することにより、短い軸状部品が挿入されたときに未挿入であるとの信号をえて、異常であることに対応することが確実に行える。
記検知手段は、通電経路中に軸状部品が介在することによって通電経路が成立するものである。
このように軸状部品の存在によって通電経路が成立するので、軸状部品が受入孔に入っているときには、確実に移動電極の移動動作を開始することができ、他方、軸状部品が不存在であるときには、そのまま移動電極が移動することを確実に防止できる。また、移動電極に保持された軸状部品が保持ユニットによって押し付けられたときに、さらに軸状部品が移動して通電経路を成立させることができる。すなわち軸状部品の一部と移動電極の一部との間でスイッチ動作のようなことを行わせて、軸状部品の存在または不存在を検知することができる。
記軸状部品は、雄ねじが形成された軸部とこの軸部と一体に設けられたフランジ部とこのフランジ部に形成された溶着用突起からなるプロジェクションボルトである。
例えば、自動車の車体組立工程においては、幾種類ものプロジェクションボルトが鋼板部品に溶接されるので、床面に落ちているプロジェクションボルトを作業者が誤ってパーツフィーダに戻したりすることによって、正常長さよりも短い過短ボルトが混在することになる。しかし、上述のような検知動作により、過短ボルトの存在が発見できるので、後工程に及ぼす問題が解消される。
つぎに、本発明の軸状部品の溶接装置を実施するための最良の形態を説明する。
この実施例における軸状部品1は、図3(C)に示すような鉄製のプロジェクションボルト1である。プロジェクションボルト1は、雄ねじが形成された軸部2と、この軸部2と一体に設けられた円形のフランジ部3と、軸部2とは反対側のフランジ面に形成された溶着用突起4から構成されている。この溶着用突起4は、なだらかなテーパ形状であるが、これを複数個のいぼ状の突起にしてもよい。以下、プロジェクションボルトを、単にボルトと記載することもある。
図1は、装置全体の側面図である。
まず、パーツフィーダ周辺の構造を説明する。
静止部材である基台5にパーツフィーダ6が固定されている。このパーツフィーダ6としては、振動式ボウルの送出通路から送出するもの、回転板に取り付けた磁石で所定個数の部品を吸着してそれを送出通路から送出するもの、あるいは、回転円板で搬送通路に部品を移動させこの部品が送出通路から送出されるもの等いろいろなものが採用できる。この実施例では、振動式ボウルの送出通路から送出する形式のものが採用されている。
振動式のボウル7から送出されたプロジェクションボルト1は、送出通路8に沿って移送される。この送出通路8においては、ボルト1はそのフランジ部3が下側になって起立した状態で送出されるようになっている。
ボルト1の供給通路を形成する部品移送装置の部品ガイド手段は、直進フィーダ9のガイドレール10によって構成されている。なお、ボウル7の斜め上にボルト1の蓄積ボックス15が配置され、ボウル7にボルト1を補充するようになっている。
つぎに、直進フィーダ9を、図2にしたがって説明する。
この実施例における直進フィーダ9は一般的に使用されている形式のものである。すなわち、前記ガイドレール10は、図3(B)に示すように、ボルト1のフランジ部3が滑動する受けレール11と、軸部2が左右に傾くのを防止する2本の平行なレール部材12,13とから構成されている。受けレール11には、溶着用突起4が滑動できるようにするために浅いV字型の溝14が形成してあり、この溝14に沿って図3(B)の紙面に対して垂直方向に摺動するようになっている。
なお、図1はボルト1がガイドレール10にそって左方に移送される場合が図示されている。一方、図2(A)には、ボルト1がガイドレール10にそって右方に移送される場合が図示されている。
前記ガイドレール10に移送振動を付与して、ボルト1が図2(A)の右方へ移送される。このような振動を発生させるために、起振ユニット16が配置してある。この起振ユニット16は、下側基部材17と上側基部材18とが、2つの板ばね19,20で結合され、その間に電磁式バイブレータ21が配置されている。前記ガイドレール10は上側基部材18に結合されている。下側基部材17は、緩衝ゴム22を介して基台5に結合してある。また、ガイドレール10を通過しているボルト1が上方へせり上がるのを防止するために、押さえレール23が配置してある。
ついで、保持ユニットについて説明する。
この保持ユニットは符号25で示されている。図3(C)に示すように、保持ユニット25は直方体または円柱形のブロック部材26の上部に、フランジ部3の溶着用突起4を保持する受け部27が形成されている。この受け部27は、図3(A)や(C)に示すように、ガイドレール10側に開放された受け溝28が形成され、この受け溝28に連続した状態で溶着用突起4のテーパ面に密着する受け面29が設けてある。そして、受け溝28や受け面29に溶着用突起4の表面を着座させるために、永久磁石30が受け面29の下側に埋設してある。このような構造によって、ボルト1の軸部2はほぼ鉛直方向に起立するようになっている。なお、図2(A)の円形で囲んだ3Cの部分が、図3(C)に示されている。
ガイドレール10から移動してきたフランジ部3を受け止めるストッパ部材31が設けてある。このストッパ部材31を支持するために、支持ブロック32がブロック部材26にボルト付けなどで固定してある。支持ブロック32の平坦な上面に、板状のストッパ部材31が摺動可能な状態で取り付けてある。ストッパ部材31には、フランジ部3の外周部を受け止める円弧状の凹部33と位置調整用の長孔34が設けてある。この長孔34を貫通する固定ボルト35を支持ブロック32にねじ込んで、ストッパ部材31の位置調整と固定がなされる。
前記ブロック部材26は、供給手段であるエアシリンダ37によって進退動作を行う。エアシリンダ37は、基台5に固定された支持ブラケット38に取り付けられ、そのピストンロッド39にブロック部材26が固定してある。ピストンロッド39がほぼ鉛直方向に進退するように、エアシリンダ37が取り付けてある。
つぎに、移動電極の配置状態と変向機構について説明する。
図2(A)に示すように、細長い箱状の支柱40に、支持アーム41と42がほぼ鉛直方向に対向した状態で固定されている。下側の支持アーム42に軸受43が固定され、これに回転軸44が支持されている。この回転軸44はほぼ水平方向に配置されている。回転軸44に円板型の回転基部材45が固定され、その外周部に移動電極46が取り付けてある。ここでは、図2(B)に示すように、回転基部材45の直径方向の一直線上に2つの移動電極46,46が取り付けてある。回転軸44が回転すると、2つの移動電極46,46は1仮想平面上で回転するようになっている。なお、図2(B)は、同図(A)のB矢視図である。
回転軸44を回転させるために、回転駆動手段47が支持アーム42に取り付けてある。回転駆動手段47としては、180度毎に回動するエアモータや回転角の制御ができる電動モータなどが採用される。この回転駆動手段47は、移動電極46が回転基部材45の外周部に90度間隔で4本取り付けられているときには、90度の回動角度で動作するようになっている。図2(B)に示す場合は、180度の回動角度で動作するようになっている。
上述のようにして変向機構が回転駆動手段47,回転軸44,回転基部材45などによって構成されている。
支持アーム41には、ほぼ鉛直方向に進退するエアシリンダ49が取り付けてあり、そのピストンロッドに結合した導通ブロック50に可動電極51が取り付けてある。この可動電極51もほぼ鉛直方向に進退する。図2(A)は、起立しているボルト1と待機している移動電極46と可動電極51に対向している移動電極46と可動電極51とが一直線上に整列している状態を示している。
支柱40の内部に変圧器48が格納され、そこから伸びている導線61が可動電極51側に接続され、また、導電板62が移動電極46側に接続されている。
ロボット装置52は通常のタイプ、例えば、6軸タイプのものであり、作動アーム53の先端部にクランプ機構54が設けてある。このクランプ機構54によって鋼板部品55をクランプし、ロボット装置52を動作させて移動電極46と可動電極51との間に鋼板部品55が挿入される。
つぎに、移動電極46の内部構造を説明する。
移動電極46の中央部に電極の軸線方向に受入孔57が設けてあり、その奥部に永久磁石58が取り付けてある。図4(A)に示すように、受入孔57の長さは、正常な長さの軸部2よりもわずかに長く設定してあり、軸部2が完全に受入孔57内に入りきった状態、すなわちフランジ部3が電極端面に密着した状態において、軸部2の端部と永久磁石58の間にわずかな隙間が形成される。
移動電極46には、受入孔57にボルト1の軸部2が挿入されていることを検知する検知手段が配置されている。この検知手段としては、軸部2の存在を検知するセンサー手段の形式のものと、電気導通性を利用した形式のものがある。
図4は、前者のセンサー手段の例である。受入孔57の最も奥まった位置にセンサー59が取り付けてある。このセンサー59としては、軸部2を電磁的に検知する近接スイッチ形式のものや、光学的に動作するフォトセンサーなど種々なものが採用できる。ここでは、近接スイッチ形式のものである。なお、センサー59からの信号は導線60をへて通常の制御装置(図示していない)に結線されている。
前記保持ユニット25がエアシリンダ37で押し上げられて、図4(A)に示すように、軸部2が完全に受入孔57内に入りきると、軸部2の端部近傍をセンサー59が検知する。その後、保持ユニット25が下降して元位置にもどる。それから、回転駆動手段47に動作信号が送られ、回転駆動手段47が動作し、ボルト1を保持した移動電極46が180度回動する。このような動作において、センサー59からの信号やエアシリンダ37の動作信号や回転駆動手段47の動作信号などが前記制御装置に送られて通常のシーケンス制御が行われる。
ボルト1を保持した移動電極46が180度回って可動電極51と同軸状態になると、今度は、ロボット装置52が動作して鋼板部品55が所定位置に移動する。その後、可動電極51が進出して鋼板部品55をボルト1の溶着用突起4に加圧し、溶接電流が通電されて鋼板部品55への溶接が完了する。
このようにボルト1が鋼板部品55に溶接されているときには、他方の下側の移動電極46にボルト1が挿入されて、つぎの動作に備える。
また、図4(B)に示すように、何等かの原因で軸部2の短い異常なボルト1が受入孔57に挿入されたときには、軸部2の端部近傍がセンサー59の箇所までとどかないので、センサー59からは何の信号も出されない。このような場合、エアシリンダ37の動作でタイマー(図示していない)を作動させ、所定時間経過してもセンサー59から信号が出ないときに、タイマーから異常信号を出して警報を発するようにする。このようなシーケンス制御は、前記制御装置で簡単に実施することができる。この警報をトリガー信号にして、移動電極46の変向動作を禁止する。
また、ボルト1が受入孔57に挿入されていないときも、上述の短いボルト1の場合と同じ動作で、移動電極46の変向動作を禁止する。
上述のように、移動電極46に挿入されたボルト1の長さに異常があったり、ボルト1が挿入されなかったりするときには、待機している移動電極46を移動させないようにする。こうすることにより、移動電極46の待機状態の段階で異常を検出し、移動電極46が可動電極51側へ移動することが防止される。したがって、移動電極46が異常なまま可動電極51側へ移動するという無駄な動作が回避でき、異常回復に要する時間の短縮がなされて、溶接装置の動作効率を高めることができる。
つぎに、電気導通性を利用した形式の移動電極46について説明する。
この形式の移動電極46は、図5に示されている。断面円形の移動電極46は、筒状の電極本体73の下側に端部材74がねじ部75で一体化されている。この端部材74はほぼ筒状の形態であり、その内側に絶縁筒78が接着などで取り付けてある。また、電極本体73の上端にはねじ部76を介して結合部77が一体化されている。電極本体73の内側にも絶縁筒79が挿入してあり、その内側には大径孔80と小径孔81が形成してある。両絶縁筒78,79はポリプロピレンやポリアミド樹脂などの絶縁性のある合成樹脂でつくられている。
絶縁筒79に摺動可能な状態で挿入された断熱部材82は、大径孔80と摺動する大径部83と、小径孔81と摺動する小径部84によって構成され、その内部に前記永久磁石58が埋設してある。断熱部材82は永久磁石58が過熱状態になるのを防止している。そして、断熱部材82は導通性のある例えば、ステンレス鋼でつくられている。前記絶縁筒78の筒内空間と小径孔81の内部空間が、前述の受入孔57を構成している。
結合部77の内端面に絶縁板85が挿入され、そこに密着している導通板86に陽極側の導線87が結線してある。圧縮コイルスプリング88が導通板86と断熱部材82との間に挿入されている。なお、符号89は導線87を保護する絶縁筒である。
前記電極本体73,端部材74,結合部77,断熱部材82等は導電性の良好な金属材料、例えば、ステンレス鋼やクロム銅で製作されている。
結合部77が回転基部材45に圧入されて、両者が一体化されている。
前記受入孔57内に挿入されているボルト1は正常長さのものであり、受入孔57の深さは、永久磁石58の吸引力で軸部2の端部が小径部84の端部に接触しているとき、フランジ部3と端部材74の先端部との間にわずかな隙間L1が形成されるように設定されている。また、電極本体73の外周面に陰極側の導線90が結合してある。
通電経路は、導線87,導通板86,圧縮コイルスプリング88,断熱部材82,正常長さのボルト1,端部材74,電極本体73,導線90の順序で形成されている。図5(A)は、2点鎖線で示すように、保持ユニット25が上昇してボルト1が小径部84に接触している状態を示している。この状態では、フランジ部3と端部材74の先端部との間にわずかな隙間L1が形成されているので、前記順序による通電経路は隙間L1で絶たれた状態になっている。
保持ユニット25がさらに上昇して進出すると、断熱部材82が圧縮コイルスプリング88を縮めながら後退し、隙間L1が消滅する。つまり、隙間L1がスイッチ機能を果たしている。したがって、フランジ部3と端部材74の先端部が圧接され、前記導通経路に通電がなされる。この通電状態が検知されることにより、正常長さのボルト1が受入孔57内に挿入されていることが確認でき、この確認信号に基づいて移動電極46の移動がなされる。
もし、何等かの原因で正常長さのボルト1が受入孔57に挿入されていないときには、図5(B)に示すように、導通経路中にボルト1が導通部材として介在しないので、通電状態が検知されない。したがって、ボルト1が不存在であることが図4で説明した状態と同様にして検出される。このような通電状態の不検出をトリガー信号にして、移動電極46の移動動作が禁止される。
また、正常長さよりも短いボルト1が受入孔57に挿入されたときには、小径部84に軸部がとどかないで導通経路の導通が成立しないので、上記のボルト1が受入孔57内に挿入されていないときと同様な動作がなされる。
なお、検知信号がないことをトリガー信号にすることは、通常の方法でよく、例えば、軸部2が受入孔57に挿入される際に動作するエアシリンダ37の動作信号でタイマーの計時を開始し、一定時間経過しても「軸部2あり」の信号がなければ、このタイマーからの信号で軸部の不存在を確認し、次への動作を行わないようにするのである。
以上に説明した実施例の作用効果を列記すると、つぎのとおりである。
前記供給通路であるガイドレール10から送出されたプロジェクションボルト1を保持ユニット25に起立状態で保持し、ボルト1の軸線方向に保持ユニット25を移動して移動電極46の受入孔57にボルト1の軸部2を挿入し、その後、移動電極46の向きを変えて可動電極51と同軸状態にする。それから、両電極46,51の間に位置させた鋼板部品55に対して、ボルト1の溶着用突起4が電気抵抗溶接で溶着される。
上述のように、移動電極46はボルト1を受入孔57に受け入れてから可動電極51と同軸になる位置へ移動するものであるから、すなわち、可動電極51と対向していない位置でボルト1を受け入れてから、可動電極51と同軸になる位置へ移動するものであるため、移動電極46にボルト1が挿入される箇所を設定する自由度が大幅に拡大される。したがって、ガイドレール10の配置状態がいろいろと変化しても、前記進退式のエアシリンダ37を用いて、その変化に適応した動作を保持ユニット25に付与することができ、前述の特許文献1のように特別に複雑な機構を採用することなく、動作信頼性の高いボルト1の溶接装置がえられる。
前記供給通路は、直進フィーダ9のガイドレール10である。
直進フィーダ9のガイドレール10から送出されたボルト1が保持ユニット25に移載されるものであるから、保持ユニット25へのボルト1の移行が円滑になされる。また、直進フィーダ9におけるボルト1の搬送姿勢を種々なものに設定することができるので、起立状態にすることが行いやすく、保持ユニット25におけるボルト1の起立保持が正確にしかも簡単に行うことができ、移動電極46の受入孔57に対する挿入性が良好なものとなる。
前記変向機構は、回転駆動手段47によって回転する回転基部材45の外周部に移動電極46が取り付けられているものである。
移動電極46は、回転軌跡を描いて移動するものであるから、この回転移動に要する占有空間が少なくて済み、近在の部材に対する影響が最小化される。また、回転動作は回転軸44に基づくものであるから、回転軌跡が正確に確保でき、移動後の移動電極46の軸線と可動電極51の軸線とが正確に同軸状態となり、正常な溶接動作がえられる。また、回転基部材45の外周部に移動電極46が取り付けてあるので、可動電極51の加圧力を受けるための剛性が十分に確保できる。さらに、複数の移動電極46を回転基部材45の外周部に取り付けることにより、溶接サイクル時間を短くして生産性を向上できる。
待機中の移動電極46は、前記保持ユニット25に保持されたボルト1および前記可動電極51と同軸状態になるように構成した。
待機中の移動電極46と保持ユニット25に保持されたボルト1と可動電極51とが同軸上に整列している。そのために、移動電極46を180度回転するだけで移動電極46と可動電極51とが対向した状態で同軸となる。上記のように3者を1軸上に整列させたものなので、3者の相対位置を設定することが行いやすくなり、ボルト1を移動電極46に移行させることが正確に実行され、また、移動電極46と可動電極51との同軸性も確保でき、溶接装置としての動作が正確に果たされる。
前記受入孔57を有する移動電極46は、ボルト1が受入孔57内に挿入されていることを検知する検知手段を備えている。
このように検知手段でボルト1が受入孔57内に挿入されているかどうかが確認できるので、もし、挿入されていない場合には、未挿入であることを示す信号を検知手段から得て、移動電極46の移動を行わないようにすることができる。つまり、移動電極46の移動後ではなく移動前に未挿入であることが検知できるので、早期のうちに異常を発見することができ、無駄な時間を費やすことがない。
前記検知手段は、ボルト1の存在を検知するセンサー59である。
例えば、電磁動作式の近接スイッチや光学的な検知装置のようなセンサー59によって、ボルト1を直接検知することができるので、ボルト1が受入孔57に未挿入であることが確実に検知できる。また、センサー59を受入孔57の最も奥まった箇所に配置することにより、短いボルト1が挿入されたときに未挿入であるとの信号をえて、異常であることに対応することが確実に行える。
前記検知手段は、通電経路中にボルト1が介在することによって通電経路が成立するものである。
このようにボルト1の存在によって通電経路が成立するので、ボルト1が受入孔57に入っているときには、確実に移動電極46の移動動作を開始することができ、他方、ボルト1が不存在であるときには、そのまま移動電極46が移動することを確実に防止できる。また、移動電極46に保持されたボルト1が保持ユニット25によって押し付けられたときに、さらにボルト1が移動して通電経路を成立させることができる。すなわちボルト1の一部と移動電極46の一部との間でスイッチ動作のようなことを行わせて、ボルト1の存在または不存在を検知することができる。
前記軸状部品は、雄ねじが形成された軸部2とこの軸部2と一体に設けられたフランジ部3とこのフランジ部3に形成された溶着用突起4からなるプロジェクションボルト1である。
例えば、自動車の車体組立工程においては、幾種類ものプロジェクションボルト1が鋼板部品55に溶接されるので、床面に落ちているプロジェクションボルト1を作業者が誤ってパーツフィーダ6に戻したりすることによって、正常長さよりも短い過短ボルトが混在することになる。しかし、上述のような検知動作により、過短ボルトの存在が発見できるので、後工程に及ぼす問題が解消される。
図2(A)に示すように、供給通路すなわち直進フィーダ9が溶接機の下部すなわち支持アーム42の下側に配置されていることにより、供給通路であるガイドレール10から送出されたボルト1を移動電極46や可動電極51の真下に位置させることができる。そのために、保持ユニット25と移動電極46と可動電極51などを一直線上に配置することがおこないやすくなり、装置全体をコンパクトにまとめることが可能となる。
上述のように、本発明によれば、可動電極と対向していない位置で軸状部品を受け入れてから、可動電極と対向して同軸になる位置へ移動するものであるため、軸状部品の移動が簡素化され、コンパクトな溶接装置がえられる。したがって、自動車の車体溶接工程や家庭電化製品の鋼板溶接などにおいて、広く利用することが期待できる。
装置全体を示す側面図である。 装置全体を示す側面図と部分的な外観図である。 装置の部分的な平面図と断面図である。 移動電極の断面図である。 他の移動電極の断面図である。
符号の説明
1 プロジェクションボルト
2 軸部
3 フランジ部
4 溶着用突起
9 直進フィーダ
10 ガイドレール
25 保持ユニット
26 ブロック部材
27 受け部
37 エアシリンダ
44 回転軸
45 回転基部材
46 移動電極
47 回転駆動手段
51 可動電極
55 鋼板部品
57 受入孔
59 センサー

Claims (1)

  1. 雄ねじが形成された軸部に円形のフランジ部が一体に設けられ、前記軸部とは反対側のフランジ面に溶着用突起が設けられたプロジェクションボルトが溶接の対象となる軸状部品であり、供給通路から送出された前記軸状部品を保持する保持ユニットは、ブロック部材の上部に前記軸部がほぼ鉛直方向に起立した状態で前記フランジ部を保持する受け部が設けられたものであり、この保持ユニットを鉛直方向に起立した軸状部品の軸線方向に移動する進退式の供給手段が設けられ保持ユニット上で起立した軸状部品と同軸状態で待機し軸状部品の受入孔を有する移動電極が円板型の回転基部材の外周部に取り付けられ、この回転基部材はほぼ水平方向に配置されているとともに回転駆動手段によって回転する回転軸に固定され、待機中の移動電極は前記保持ユニットに保持された軸状部品および移動電極と対をなす可動電極と同軸状態となるように構成したことを特徴とする軸状部品の溶接装置。
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