JP4664920B2 - 高データ速度広帯域パケット化無線通信信号の多アンテナ受信機における信号合成装置および方法 - Google Patents

高データ速度広帯域パケット化無線通信信号の多アンテナ受信機における信号合成装置および方法 Download PDF

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Description

関連出願
この出願は2003年10月8日提出の同一出願人による米国特許出願第10/682,381号に関連する。同出願をここに参照してその記載内容をこの出願の明細書に組み入れる。
この発明は無線通信に関する。より詳しくいうと、この発明は高データ速度広帯域のパケット化した無線通信信号の多アンテナ受信機合成のための装置および方法に関する。
無線通信システムは信号を伝達するのにアンテナを用いる。無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)は特定の領域の中のノード相互間で情報を伝達する一種の無線通信システムである。
[信号の種類]
狭帯域信号および広帯域信号
現在用いられている無線通信システムの大部分は狭帯域信号用の通信システムである。狭帯域信号の周波数帯域幅は数十キロヘルツ(kHz)(例えば50kHz)から数百キロヘルツ(例えば500kHz)の範囲にある。これに対して、広帯域信号の帯域幅は1MHz以上である。
802.11規格および802.11a規格
広帯域信号の一つのタイプは、IEEE802.11規格によるWLANで用いる信号である。このIEEE802.11規格は、WLAN用の媒体アクセス制御(MAC)使用および物理レイヤ(PHY)使用の概要を規定している。
IEEE802.11a規格は802.11規格の一部であって、動作周波数5GHz乃至6GHzの範囲の高データ速度広帯域パケット化無線通信システムにおける通信を対象とする。一方、802.11a規格は直交周波数分割多重化(OFDM)変調、すなわち広い周波数範囲にわたる多数の搬送波周波数経由でデータを伝送することにより高データ速度通信を可能にするOFDM変調を用いる。この明細書においてIEEE802.11a規格に該当する説明は802.11g規格にも該当する。この802.11gOFDM規格は、2.4GHz帯で動作する点を除き、802.11a規格と同じである。802.11a規格はパケット伝送の成否を参酌し、パケット伝送問題に対処するように設計された機構を備える。802.11a規格の無線通信システムおよびそれ以外の無線通信システムは信号の送信中に多様な問題に遭遇し得る。
[回路障害]
例えば、無線通信システムは受信機回路における障害に伴う問題に遭遇し得る。より詳しくいうと、受信機回路は、(1)周波数ずれ、(2)直流(DC)レベルずれ、(3)搬送波位相ずれ、(4)タイミングずれ、などの障害に遭遇する。
通常の従来技術による受信回路100を図1Aに示す。この受信回路100は、アンテナ110,アナログ前置装置120,およびベースバンドシステム130を図示のとおり接続した形で備える。アナログ前置装置120は、局部発振器122と、低雑音増幅器(LNA)123と、ミキサ124と、アナログ増幅器125と、アナログフィルタ126とを備える。ベースバンドシステム130は、A−D変換器132と、ディジタルシグナルプロセッサ(DSP)とを備える。これらアナログ前置装置120およびベースバンドシステム130の構成部分の不完全性、すなわち局部発振器122,ミキサ124,フィルタ126,A−D変換器132,およびDSP134の不完全性のために、受信回路100には障害が生ずる。
従来技術による受信機ではこれら障害を障害消去回路などにより補正する試みを行っている。例えば、図1Bに示した従来技術の受信機140は、アナログ前置装置120に接続した改変ベースバンドシステム150を備える。この改変ベースバンドシステム150はA−D変換器132およびDSP134に相互接続した障害除去ユニット152を備える。この除去ユニット152はA−D変換器132のディジタル出力から回線障害を推算する。次に、この消去ユニット152はA−D変換器132の出力信号の中の回線障害を消去する。
[チャネル効果−フェーディングおよびマルチパス伝送経路]
例えば、無線通信システムは、フェーディングを伴う通信チャネルを通じて信号を送信するなどのチャネル効果に遭遇し得る。通信チャネルのフェーディングはマルチパスや伝送損失などによって生ずる。
マルチパスの場合は、送信されたRFエネルギーが、そのRFエネルギーの多数の伝搬経路により強められたり弱められたりする干渉を受けるとともに、受信アンテナへの到達の途中で多様な遅延を受ける。そのようなマルチパス干渉は、無線通信システムの用いる周波数全体にわたって信号の位相を変動させ振幅を減衰させる。WLANでは、この種のマルチパス干渉のために、受信機によるパケット受信に誤りが生じたり、パケット受信が完全に欠落したりすることがあり得る。
従来技術による受信機は、フェーディングやマルチパス干渉などのチャネル効果をチャネル補正回路によって補正している。例えば、図1Cに示した従来技術の受信回路160は、アナログ前置回路120および復号器176に相互接続した改変ベースバンドシステム170を含む。この改変ベースバンド170は、A−D変換器132および復号器176に接続したチャネル補正ユニット172を含む。このユニット172はA−D変換器132の出力のうち狭帯域信号についてチャネル等化を行う。
[アンテナダイバーシティ]
従来技術による受信回路はフェーディングやマルチパス干渉などのチャネル効果をアンテナダイバーシティで補正する。アンテナダイバーシティ付きの無線通信システムは多アンテナ受信機を用いる。複数アンテナ付きの受信機を、一つのアンテナにおける受信状態が悪化した際には受信状態の良いもう一つのアンテナを用いる形で用いる。例えば、図1dに示した従来技術の多アンテナ受信機180は、複数のアンテナ181および182と、受信部183と、ダイバーシティスイッチ189とを図示のとおり相互接続した形で備える。受信部183は、アナログ前置装置185と、ベースバンドシステム187とを備える。アナログ前置装置185およびベースバンドシステム187は上述の前置装置120およびベースバンドシステム130とそれぞれ同じ構成にすることができる。特定の通信チャネルがフェーディングを伴う場合は、ダイバーシティスイッチ189がフェーディングなしの通信チャネルを選ぶようにダイバーシティスイッチ189がアンテナ相互間の切換えを行う。しかし、このスイッチ189は受信信号に切換損失を生じさせる。また、この切換えダイバーシティでは選択されたアンテナからの信号だけを受信機で用いるので、ダイバーシティ利得は限られたものとなる。複数のアンテナからの複数の信号を最適状態で合成できれば、ダイバーシティ利得は増大する。
[高速切換えアンテナダイバーシティ]
複数のアンテナ利用のために従来技術では高速切換えアンテナダイバーシティも用いられてきた。例えば二つのアンテナを備える高速切換えアンテナダイバーシティ通信システムでは、パケット到着時にその信号の受信に第1のアンテナを用いる。その信号の受信のあと受信信号の品質の判定に十分な時間の経過ののち、受信システムは第2のアンテナに切り換わる。次に、その受信信号の品質の判定が完了するまで第2のアンテナを用いる。最後に、受信信号の品質の良い方のアンテナに受信システムが切り換わる。三つ以上のアンテナを用いる上述の高速切換えアンテナダイバーシティを構成する場合もある。
高速切換えアンテナダイバーシティ受信の試験は、受信パケットのプリアンブル、ヘッダまたはトレーニング部分で行う。データでなくプリアンブルを試験することによって、アンテナ切換え動作時のデータ喪失が生じないようにする。
[高速切換えアンテナダイバーシティおよび802.11aに伴う問題]
いくつかの理由で高速切換えアンテナダイバーシティは802.11a信号およびそれ以外の高データ速度無線通信信号には望ましくない。
不十分なチャネル品質推算
まず、802.11a信号およびそれ以外の高データ速度無線通信信号におけるパケット長のために、高速切換えアンテナダイバーシティ手法ではチャネル品質推算の精度が損なわれる。例えば、802.11a信号におけるパケットプリアンブルは、全体の長さが8マイクロ秒であってごく短い。高データ速度通信システムでは、システム効率を高い状態に保つためにプリアンブルは短くするのが好ましい。しかし、データ速度の上昇とともにパケットの長さは小さくなる傾向がある。
[通信性能の低下]
また、高速切換えアンテナダイバーシティは802.11aおよびそれ以外の高データ速度無線通信システムの性能を低下させる。互いに異なるアンテナからの複数の信号の切換えおよび測定に費やされる時間が、802.11a信号およびそれ以外の高データ速度無線通信信号のパケットプリアンブルの期間中に通常行う必要のある他機能の遂行のための時間を短くする。それら機能としては、(1)受信経路の増幅器の利得を適切に設定すること、(2)受信信号の周波数ずれを検出すること、および(3)シンボルタイミングの検出のための正しいシンボル境界の検出などがある。プリアンブルが短い場合は、周波数ずれ、利得設定、シンボルタイミング判定の品質が最良状態のアンテナの選択の所要時間のために損なわれる。したがって、アンテナ選択をプリアンブルの時間に限定すると、802.11aシステムなどの高データ速度無線通信システムの総合的性能が低下する。
[アンテナ相互間の差の検出の困難性]
パケットプリアンブル期間中の高速アンテナ切換えは802.11aOFDM信号などの広帯域信号にさらに難しい問題をもたらす。プリアンブルは受信信号中の広帯域ノッチの検出に必要な周波数精細度を備えていない。したがって、広帯域信号がマルチパス干渉を受けた結果生ずる狭帯域中の多数のノッチを検出するのにプリアンブルは利用できない。プリアンブル電力のみに基づくアンテナ切換え判定は、アンテナ切換えで周波数領域のノッチを伴うアンテナにする可能性があり、パケット受信の欠落を生じさせる可能性がある。
上記802.11aOFDM信号などの広帯域信号のプリアンブル期間中のチャネル相互間の差の検出に伴うもう一つの問題は、組合せ短および長トレーニングシンボル系列がごく短い期間であること、とくに短トレーニングシンボル系列がごく限られた短い期間であることである。この期間がごく短いために、最良のアンテナの選択をこの短い期間内に行うことのできない慣用の手法は採用できなくなる。
[信号の合成]
アンテナからの信号の合成はダイバーシティ受信のもう一つの手法である。複数のアンテナからの複数の信号は、コヒーレント合成の利得を得るためにまず位相を一致させたのち合成する。この動作は信号が狭帯域の場合は比較的容易であるが広帯域の場合はより難しくなる。
[狭帯域信号の合成]
狭帯域無線通信システムでは、二つ以上のアンテナからの二つ以上の受信信号は周波数帯域全体にわたり目立った差を示さない(すなわち、それら信号は比較的平坦な周波数分布を示す)。したがって、それら二つ以上の狭帯域信号は、(1)真信号からの偏移による情報の喪失、または(2)受信信号同士による相殺のリスクはほとんどなく、合成手法を用いて比較的簡単にコヒーレント合成できる。概括的にいうと、狭帯域信号の振幅および位相応答は、802.11a信号などの広帯域信号の振幅および位相応答に比べて、周波数帯域全体にわたり大幅に変動することはない。したがって、狭帯域信号の合成のための重みは周波数依存性を備えず、互いに異なるアンテナからの狭帯域信号は容易に位相補正して合成できる。
[広帯域信号の合成における問題]
狭帯域信号の合成と対照的に、従来技術の合成手法または狭帯域ダイバーシティ手法による広帯域無線信号の合成は、周波数選択性の問題を解決しようとすれば、ずっと複雑になる。すなわち、広い周波数領域にわたって信号の位相および振幅に大幅な違いが生ずるためである。
[アンテナダイバーシティ合成]
従来技術によるアンテナダイバーシティ合成には、いくつかの手法がある。これらの手法の多くは、二つ以上のアンテナからの信号の組合せの試験に基づいている。一つの合成手法は、最大比合成(MRC)、すなわち二つ以上のアンテナからの信号を位相合わせしたあと信号対雑音比(SNR)に比例して重みづけをし、加算して重みづけずみの合成信号を生ずる手法である。MRCは、合成ずみの信号のSNRが各アンテナからの信号のSNRの和になり、最適SNR改善をもたらす。
もう一つの合成手法は等利得合成(EGC)である。等利得合成では、互いに等しい大きさで互いに異なる位相の重みづけを全信号に施す。図1Eを参照すると、従来技術による等利得コンバイナ190は、アナログ前置装置191および192と、ベースバンドユニット194および195と、位相補正ユニット196および197と、加算器198とを図示のとおり相互接続して構成する。しかし、EGCの性能は、合成後のSNRは各アンテナからの信号のSNRよりは通常大きいもののそれらSNRの値よりも小さいので最適値以下である。
これらの従来技術による合成手法は、位相および重みが周波数依存性を示さない狭帯域信号では十分に好ましい機能を発揮する。しかし、これら従来技術による手法は、802.11a信号のように、受信信号帯域幅全体にわたり位相および電力が一定でなく周波数依存性を示す広帯域信号では十分に好ましい機能を発揮し得ない。したがって、従来技術によるアンテナダイバーシティ合成手法は802.11a信号などの広帯域無線通信信号には適用できない。
USP 6 128 276 USP 6 522 898 USP 6 563 858 WO 00/077961 WO 03/023995 WO 03/075396 Schmidt et al "RobustFrequency and Timing Synchronization for OFDM", IEEE Transactions onCommunications, Vol.45, No.12 (December 1997), pages 1613-1621
したがって、802.11a信号などの高データ速度広帯域パケット化無線通信信号に伴う上記問題に対処するのに適合するとともに、この種の信号の合成に周波数依存性の重みづけを与える費用効率の高い多アンテナ受信信号合成手法が必要である。
一つの実施例では、この発明は、M個の高データ速度パケット化OFDM通信信号(「M個の信号」)を一つの出力信号に合成する装置、すなわちN個の周波数(Nは正の整数)を各々が含むM個の受信アンテナの各々でM個の信号の一つを受信(Mは2以上の整数)する受信装置においてそれらM個の信号を一つの合成出力信号に合成する装置を提供する。一つの好ましい実施異例では、この装置はM個の信号の各々に対応のディジタルデータについて、粗信号タイミング共同推算、精タイミング共同推算および周波数ずれの共同推算を行うタイミング共同回復ユニットを備える。また、この装置は、上記M個の信号の一つについてのディジタルデータを、その一つの信号対応のN個の周波数の各々についての副搬送波の形の周波数領域情報に各々が変換するM個の高速フーリエ変換(TFT)ユニットを備える。さらに、この装置は、上記M個のTFTユニットからの周波数領域情報を重みづけおよび合成して回線障害およびチャネル効果軽減ずみの合成出力信号を生ずる合成装置を備える。
一つの実施例では、タイミング共同回復ユニットは、M個の信号の各々を用いて粗信号タイミング共同推算を行う粗信号タイミング推算ユニットを備える。一つの実施例では、アンテナの数Mは1であり、その場合は粗タイミング共同推算ユニットの中の加算器の入力は単一である。
一つの実施例では、タイミング共同回復ユニットは、信号全部について周波数ずれ推算を行う周波数ずれ共同推算ユニットを備える。
もう一つの実施例では、多アンテナを各々が備える送信機および受信機でシステムを構成する。一つの実施例では、多数の互いに異なる送信アンテナから一つのアンテナを選択するのに低速アンテナ切換え手法を用い、多数の互いに異なる受信アンテナから一つのアンテナを選択するのに高速アンテナ切換え手法を用いる。
また、この発明は、M個の高データ速度パケット化OFDM通信信号(「M個の信号」)を一つの合成出力に合成する手法、すなわちN個の周波数(Nは正の整数)を各々が含むM個の信号の一つを各々が受信する(Mは2以上の整数)M個の受信アンテナからの信号を一つの合成出力信号に合成する方法を提供する。この方法は、上記M個の信号の各々に対応するディジタルデータについて信号タイミング共同推算および周波数ずれ共同推算を行う過程と、上記M個の信号の各々についてのディジタルデータをそれらM個の信号の各々に対応のN個の周波数についての副搬送波データの形の周波数領域情報に変換するとともにそれらM個の信号の各々について上記周波数領域情報を出力する過程と、回線障害およびチャネル効果を軽減ずみの合成出力信号を生ずるように上記周波数領域情報を重みづけのうえ合成する過程とを含む方法を提供する。
高データ速度の広帯域パケット化無線通信信号を多アンテナ受信機において効率よく低コストで合成するシステムおよび方法を提供できる。
この発明は高データ速度広帯域パケット化無線通信信号を多アンテナ受信機で合成するシステムおよび方法を提供する。一つの実施例では、高データ速度広帯域無線通信信号はパケット化したOFDM信号であり、移動車両の運転者に伴う車載装置の信号でも、建物内で移動する歩行者に伴う可搬型ユニットの信号でもあり得る。この明細書では移動車両の車載移動機を検討対象とするが、説明は上記可搬型ユニットにも該当する。図2を参照すると、この発明の一つの実施例の多アンテナ受信機合成装置215は、タイミング共同回復ユニット216,M個のFFTユニット220乃至222,およびコンバイナ224を図示のとおり相互接続した形で含む(ここで、Mは2以上の整数)。一つの実施例では、上記高データ速度広帯域パケット化無線通信信号は802.11a信号である。一つの実施例では、Mは2である。
もう一つの実施例では、Mは4である。
多アンテナ受信機合成装置215は、図2に示すとおり、M個のアンテナ202乃至204,M個の受信チェーン205乃至207と、自動利得制御(AGC)ユニット214,および復号器226に相互接続された多アンテナ受信機200を構成する。図2に示すとおり、受信チェーン205は互いに接続したRF前置装置206およびベースバンドユニット210を備え、受信チェーン207は互いに接続したRF前置装置208およびベースバンドユニット212を備える。
多アンテナRF前置装置は、共通の水晶発振器つきのM個のシンセサイザを含むM個の互いに独立のRFチェーンを含む。共通の水晶発振器は複数のチェーン相互間の共通同期を確保する。これら互いに独立のRF前置装置は互いに独立の位相雑音を伴うが、この発明による合成方法および合成システムは、それら独立の位相雑音に対する耐性を備える。
もう一つの実施例では、この多アンテナRF前置装置は、M個の互いに独立のRFチェーンと共通の水晶発振器つきのK個のシンセサイザ(KはM以下の整数)とを含む。この実施例では、一つのシンセサイザを二つ以上のRFチェーンに用いることができる。AGCユニット214は、全搬送波および全周波数にわたり多アンテナ受信機200の受信した信号の利得を調整して、後段で信号を検出できるようにする。AGCユニット214の構成の詳細については、本願と同一出願人による出願中の米国特許出願番号第09/849,442号「自動利得較正システム用の帯域内および帯域外信号検出」(2001年5月4日出願)および同第10/367,049号「ミドパケット利得変化を用いた受信機性能最適化方法および装置」(2003年2月14日出願)をここに参照してそれら出願の明細書の記載内容をこの明細書に組み入れる。
[動作]
多アンテナ受信合成装置215は、アンテナ202乃至204で受信した高データ速度広帯域パケット化無線通信信号を副搬送波ベースで合成できるように受信アンテナダイバーシティ合成を行う。したがって、周波数選択性チャネルについては、一つのアンテナにおける無入力を他のアンテナにおける同一副搬送波の寄与により補うことができる。これによって、そのチャネルにおけるマルチパス効果を軽減する。また、多アンテナ受信合成装置215は、ダイバーシティスイッチ189のようなダイバーシティスイッチを必要としないので、切換損失を軽減できる。さらに、多アンテナ受信合成装置215では受信アンテナ202乃至204の各々の最適利用がパケットの受信とともに自動的に達成できるので、切換え利用のダイバーシティは不要である。これによって、無線チャネルへのフェーディング効果は軽減される。また、多アンテナ受信合成装置215の出力での平均SNRはチェーン205乃至207の各々のSNRの和に等しいので、この合成装置215は電力およびSNRを確保しながらチャネル効果を軽減するのに役立つ。
図2に示すとおり、アンテナ202乃至204の各々は対応の受信チェーン205乃至207に直接に接続する。RF前置装置206乃至208はアンテナ202乃至204への受信信号をベースバンド信号にそれぞれ復調する。ベースバンドユニット210乃至212はベースバンド信号をディジタル信号にそれぞれ変換する。AGCユニット214は受信チェーン205乃至207の利得を最適値に設定する。また、AGCユニット214は、ベースバンドユニット210乃至212の出力をサンプリングし、それにしたがってRF前置装置206乃至208のアナログ利得を設定する。タイミング共同回復ユニット216は、(1)粗信号タイミング推算、(2)精信号タイミング推算、および(3)周波数ずれ推算を共通に行う。ベースバンドユニット210乃至212の出力はいずれも時間領域信号であり、チャネル推算用の長いトレーニング系列を含み、FFTユニット220乃至222に供給される。コンバイナ224はFFT220乃至222の出力を副搬送波ごとに受信周波数の各々について重みづけするとともに合成し、合成信号を生ずる。さらに、復号器226がコンバイナ224の出力を復号化する。一つの実施例では、復号器226はビタービ復号器で構成する。
[タイミング回復]
図2に示すとおり、タイミング共同回復ユニット216は、ベースバンドユニット210乃至212のベースバンド出力をいくつかのタスクの実行により時間領域で処理する。より詳細に述べると、共同タイミング回復ユニット216は、ベースバンドユニット210乃至212の出力につき、(1)粗信号タイミング共同推算、(2)周波数ずれ共同推算、および(3)精信号タイミング共同推算を行う。
[粗信号タイミング共同推算]
共同タイミング回復ユニット216はベースバンドユニット210乃至212の出力について粗信号タイミング共同推算を行う。すなわち、共同タイミング回復ユニット216は、AGCユニット214に対して、ベースバンドユニット210乃至212からの出力信号の中のデータの始点を示す。粗信号タイミング共同推算は、多アンテナ受信機200の中の受信チェーン205乃至207の全部に共通の粗信号タイミングの推算を含む。すなわち、粗信号タイミング共同推算は、多アンテナ受信機200の受信信号の始点を、短いトレーニングシンボルの末尾対応の長いトレーニングシンボルの始点の特定により判定する。
図3A−1を参照すると、一つの実施例では、粗信号タイミング共同推算を、ベースバンドユニット210乃至212の出力について、粗信号タイミング共同推算システム300によって行う。このシステム300は、M個の相互相関ユニット310および312と、M個の自己相関ユニット311および113と、M個の重みづけユニット318および319と、加算器320と、正規化ユニット330と、粗タイミング推算ユニット350とを図示のとおり相互接続した形で備える。
もう一つの実施例では、システム300は、図3A−2に示した相互接続の形で、M個の自己相関ユニット310および312と、M個の重みづけユニット315および317と、加算器320と、正規化ユニット330と、粗信号タイミング推算ユニット350とを備える。
[相互相関および自己相関の組合せ利用による粗信号タイミング共同推算動作]
図3A−1に示した粗信号タイミング推算システム300は、ベースバンドユニット210および212からの出力における信号電力に対する自己相関の大きさの低下で表される遷移時間を検出することにより粗信号タイミング推算を行う。
相互相関ユニット310は、ベースバンドユニット210からの出力の中の受信パケットのパケットヘッダからP個の短符号304を受け、相互相関ユニット312は、ベースバンドユニット212からの出力の中の受信パケットのパケットヘッダからP個の短符号306を受ける(ここでPは正の整数である)。これら短符号の各々は自己相関特性を備えるトレーニングシンボルである。受信した短符号が相互相関を含む場合は、その短符号はもう一つの既知の系列(無雑音)との間で相関しており、雑音軽減時により強い信号が得られる。一つの実施例では、Pは10,すなわち802.11aパケットの中の短符号の数以下の数を表す。
相互相関ユニット311および313は、ユニット310および312の出力の自己相関をそれぞれ別々にとる。その結果、自己相関ユニット311および313は、M個の位相整合ずみの相関出力信号315および317をそれぞれ生じ、これら信号315および317はコヒーレント合成可能である。
重みづけユニット318および319は、信号強度に基づき、上記自己相関出力に重みづけする。したがって、強度の大きい信号ほど組合せ自己相関に対する寄与が大きくなる。
加算器320は重みづけユニット318および319からの出力信号321および322を加算し、それら信号の中の雑音を軽減する。加算器320の出力を正規化ユニット330で信号電力により正規化する。
次段の粗タイミング推算ユニット250は、正規化ユニット330の出力344の信号電力に対する低下を閾値と比較することにより、上記短トレーニングシンボル系列の末尾を検出する。この閾値はハードウェア構成によって定めるが、誤検出の確率を最小に抑えるように設定する。粗タイミング推算ユニット350などの粗タイミング推算ユニットの例は同時出願中の米国特許出願第09/963,115号「微小周波数ずれ推算および計算、並びに通信システム性能改善への応用」(2001年9月24日出願)に記載してあるので、ここに参照してその記載内容をこの明細書に組み入れる。
[自己相関のみの利用による粗信号タイミング共同推算動作]
図3A−2に示した粗信号タイミング共同推算システム300は、ベースバンドユニット210および212からの出力における信号電力に対する自己相関の大きさの低下で表される遷移時間を検出することにより粗信号タイミング推算を行う。
自己相関ユニット310はベースバンドユニット210からの出力の中の受信パケットのパケットヘッダからP個の短符号304を受け、自己相関ユニット312はベースバンドユニット212からの出力の中の受信パケットのパケットヘッダからP個の短符号306を受ける(ここでPは正の整数である)。これら短符号の各々は自己相関特性を備えるトレーニングシンボルである。短符号が自己相関を含む場合は、その短符号はそれ自身との間に相関を示す。一つの例では、Pは10,すなわち802.11aパケットの中の短符号の数である。
自己相関ユニット310および312は、受信短符号304および306をそれぞれ別々に自己相関にかける。
重みづけユニット315および317は、信号強度に基づき、上記自己相関出力に重みづけする。したがって、強度の大きい信号ほど組合せ自己相関に対する寄与が大きくなる。
加算器320は重みづけユニットの出力314および316を加算し、それら信号の中の雑音を軽減する。加算器320の出力を正規化ユニット330で信号電力により正規化する。
次段の粗タイミング推算ユニット250は、正規化ユニット330の出力344の信号電力に対する低下を閾値と比較することにより、上記短トレーニングシンボル系列の末尾を検出する。この閾値はハードウェア構成によって定めるが、誤検出の確率を最小に抑えるように設定する。
[周波数ずれ共同推算]
共同タイミング回復ユニット216は、多アンテナ受信機200の全搬送波周波数にわたる周波数ずれ共同推算を行う。すなわち、共同タイミング回復ユニット216はベースバンド210および212からの信号の周波数ずれを補正する。この周波数ずれ共同推算は、多アンテナ受信機200の中の受信チェーン205および207すべてについて周波数ずれを共同推算することを含む。
図3B−1に示した実施例を参照すると、共同周波数ずれ推算を周波数ずれ共同推算システム360によって行う。このシステム360は、M個の相互相関ユニット361および363,M個の自己相関ユニット362および364,M個の重みづけユニット371および372,加算器370,正規化ユニット376,角度計算器380,および粗周波数ずれ共同推算ユニット390を図示のとおり相互接続した形で備える。
もう一つの実施例を示す図3B−2を参照すると、共同周波数ずれ推算を周波数ずれ共同検出システム360により行う。このシステム360はM個の自己相関ユニット361および363と、M個の重みづけユニット371および372と、加算器370と、正規化ユニット376と、角度計算器380と、粗周波数ずれ推算ユニット390とを図示のとおり相互接続した形で備える。
[相互相関および自己相関の組合せ利用による周波数ずれ共同推算動作]
図3B−1に示した周波数ずれ共同推算システム360は、ベースバンドユニット210および212からの信号について、周波数ずれ共同推算をいくつかの段階で行う。
相互相関ユニット361はベースバンドユニット210からの出力の中の受信パケットのパケットヘッダからP個の短符号304を受け、相互相関ユニット363はベースバンドユニット212からの出力の中の受信パケットのパケットヘッダからP個の短符号306を受ける。相互相関ユニット361および363は、受信短符号304および306と既知の短符号との間の相互相関をそれぞれ別々にとる。
自己相関ユニット362および364は相互相関ユニット361および363の出力の自己相関をそれぞれ別々による。その結果、自己相関ユニット362および364はM個の位相整合ずみの相関出力信号366および368をそれぞれ生じ、これら出力信号はコヒーレント合成できる。
重みづけユニット371および372は信号強度に基づき自己相関出力を重みづけする。したがって、信号強度が大きいほど組合せ自己相関への寄与が大きい。
これら重みづけユニット371および372の出力信号374および375を加算器370で加算し、それら信号の中の雑音成分を軽減する。加算器370の出力を正規化ユニット376で信号電力により正規化する。この正規化過程は、角度計算に相関を用いる場合は、その角度計算には位相情報のみを用いるから、オプションとなる。
角度計算手段380は正規化ユニット376の出力から角度を抽出し、その角度から粗周波数ずれ推算ユニット390がその角度の周波数ずれを算出する。
[自己相関のみの利用による周波数ずれ共同推算動作]
相互相関ユニット361はベースバンドユニット210からの出力の中の受信パケットのパケットヘッダからP個の短符号304を受け、相互相関ユニット363はベースバンドユニット212からの出力の中の受信パケットのパケットヘッダからP個の短符号306を受ける。自己相関ユニット361および363は、受信した短符号304および306の自己相関をそれぞれ別々にとる。
重みづけユニット371および372で信号強度に基づき上記自己相関の出力にそれぞれ重みづけする。したがって、信号強度が大きいほど組合せ自己相関への寄与が大きくなる。
加算器370は重みづけずみの自己相関ユニット出力366および368をコヒーレントに加算して、それら信号366および368の中の雑音の軽減を可能にする。上記加算器の加算出力を正規化手段376で信号電力により正規化する。この正規化の過程は、角度計算に自己相関を用いる場合は、その角度計算には位相情報のみを用いるから、オプションとなる。
角度計算手段380は正規化ユニット376の出力から角度を抽出し、その角度から粗周波数ずれ推算ユニット390がその角度の周波数ずれを算出する。
[精タイミング共同推算]
共同タイミング回復ユニット216はベースバンドユニット210および212の出力に基づき精タイミング共同推算を行う。精タイミング推算は、信号周波数帯全体にわたり、M個の信号の各々の直線的な位相ラムプの推算を伴う。信号のタイミングの微細なずれはM個の直線的位相ラムプ推算値から共通に抽出する。一つの実施例では、微細なタイミングずれは、直線的位相ラムプの重みづけ平均値である。位相ラムプは周知のとおり通常は長トレーニング系列により推算する。
[高速フーリエ変換]
図2を参照すると、FFTユニット220および222は多アンテナ受信機200の受けるN個の周波数について周波数領域情報を出力する。これらFFTユニット220および222の各々は受信周波数の各々について周波数領域情報を順次的に出力する。すなわち、受信周波数fについてはFFTユニット220および222の両方が振幅Aおよび位相Pを含むi番目の周波数領域情報を出力する。一つの実施例では、Nは128である。その実施例は、入力データストリームのサンプリングに2倍のオーバサンプリングを施した場合である。このようなFFTユニットの例は米国特許第6,507,619号、および同特許の一部継続出願である米国特許出願第09/816,810号「ディジタル通信用の復号化システムおよび方法」(2001年3月23日出願)に記載してある。
[コンバイナ]
多アンテナ受信機200の受信した周波数の各々についてコンバイナ224がFFTユニット220および222の出力を合成する。一つの実施例を示す図4を参照すると、このコンバイナ224は、CEU416と、重み計算手段420と、M個の重みづけブロック430乃至433と、加算器436と、パイロット追跡ユニット414と、チャネル相関ユニット440とを図示のとおり相関接続して備える。
受信周波数fの各々について、コンバイナ224は、(1)FFTユニット220乃至222の出力における位相ずれを四つのパイロットで補正するとともに、(2)DCオフセットおよびチャネル効果に起因する減衰をFFTユニットの出力の振幅の調整により補正する。
[コンバイナの動作]
チャネル推算ユニットCEU
周波数fの各々につき、CEU416はFFTユニット220乃至222の出力を受けて、M個のチャネル推算値418を重みづけ計算手段420に出力する。チャネル推算値418はM個のチャネル推算値
を含む。受信周波数の各々につき、CEU416は、次式すなわち
で与えられる値をもつ合成ずみチャネル推算値を出力する。ここで、
はFFTユニット220の出力に基づく第1のチャネルHのチャネル推算値、
はFFTユニット222の出力に基づき第MチャネルHのチャネル推算値である。Wはアンテナ1についての合成重みであり、Wは周波数fにおけるアンテナMについての合成重みである。これら重みの値は「重み計算手段」の項において説明してある。
[ビタービ重みづけ]
上述の組合せチャネル推算は復号器用のビタービ重みの発生にも用いる。上記米国特許第6,507,619号および米国特許出願第09/816,810号はビタービ重みづけを記載しているので、ここに参照してその記載内容をこの明細書に組み入れる。
単一アンテナの場合、すなわち上記米国特許第6,507,619号および特許出願第09/816,810号記載の単一アンテナの場合は、ビタービ重みづけはチャネル推算値の大きさに基づいており、チャネル推算電力に基づいていない。したがって、多アンテナの場合は、各周波数についてのチャネル推算の合成値をビタービ復号器の重みづけ係数として用いて対応の周波数におけるビットを復号化する。
[重み計算器]
受信周波数の各々について、重み計算器420はM個のアナログ利得209乃至211,すなわち受信チェーン205に伴うアナログ利得209乃至受信チェーン207に伴うアナログ利得211を受ける。周波数fの各々について、重み計算器420は、(1)CEU416からチャネル推算値を受け、(2)重みブロック430乃至433にM個の重み431乃至434をそれぞれ供給する。
周波数fの各々について、重み計算器420は、第1の重みづけ値に第1の利得調整値を乗算した値を含む第1の重み431を第1の重みづけブロック430に供給する。上記第1の重みは

の共役値を平滑化フィルタを通過させることによって発生し、第1の利得調整値は(Gmin/Gを有する(ここで、GminはM個のアナログ利得G(209)乃至G(211)のうちの最小のものである)。上記平滑化フィルタは重み推算値から雑音を除去する低域フィルタであって、ごく低いSNR環境の動作、すなわちチャネル推算値の雑音成分が非常に大きい場合の動作を行うのに必要である。また、受信周波数の各々について、重み計算器420は、重みづけブロック433に、M番目の重みづけ値およびM番目の利得調整を含むM番目の重み434を出力する。このM番目の重みづけ値は、

の共役値を平均化フィルタを通過させることによって生じ、一方M番目の利得調整値は(Gmin/Gである。
[利得調整の方法]
重みづけの重み値は複数の受信チェーンの利得相互間の差を生じさせる。それらの利得には次のもの、すなわち、
1.RF、IFおよびベースバンドを通じた総アナログ利得、
2.受信チェーン相互間の利得差に対応するチェーン雑音最低値、および
3.ディジタルスケーリング利得を含む総ディジタル利得
が含まれる。なお、ディジタルスケーリング利得は、A−D変換における十分な精細度の確保のためのスケールアップまたはスケールダウンに用いる。上記利得の積は重み計算ブロックにおける利得率Gで表すのが好ましい。
[チャネル/重みづけ推算のための判定饋還]
重み計算のもう一つの実施例ではチャネル推算、したがって重みづけの精度向上のために判定饋還を用いる。判定饋還データとしては、ビタービ復号器の出力を、またはビタービ復号器入力におけるハード判定複合データシンボルからのデータを用いることができる。好ましい実施例では、ビタービ復号器入力におけるハード判定複合データシンボルを用いている。ビタービ復号器の出力における複合データシンボルは誤り訂正ずみであり、したがって信頼性は高いが、ビタービ復号器における所要処理時間、すなわち5乃至10シンボル相当の長い時間の分だけ遅延を生ずる。
FFTユニットの出力をビタービ復号器入力におけるハード判定復号データで除算し、その出力を新たなチャネル推算値として用いる。この新たなチャネル推算値の位相を補正する一方、その推算値と既存のチャネル推算値との間の平均値をとる。その結果、雑音成分が平均化されることになり、合成重みの計算のためのより高精度のチャネル推算値を生ずる。上述の処理は多数のハード判定復号データシンボルの利用により反復できる。一つの実施例では、10個以下のハード判定符号データシンボルを用いる。上記米国特許第6,507,619号および米国特許出願第09/816,810号は上述の判定饋還を説明しているので、ここに参照してその内容をこの明細書に組み入れる。
[重みづけブロック]
一つの実施例では、受信周波数fの各々について重みづけブロック430がFFTユニット220の出力を重み431と乗算し、重みづけブロック433がFFTユニット222の出力を重み434で重みづけする。
[加算器]
受信周波数fの各々について、加算器436が重みづけブロック430乃至433の出力を加算する。受信周波数fの各々について加算器436は合成ずみの周波数領域情報、合成ずみの振幅Aおよび合成ずみの位相piを出力する。また、受信信号の各々について、加算器436はQ個の合成ずみのパイロット信号を生ずる(ここで、Qは正の整数である)。
[パイロット追跡ユニット]
受信信号の各々について、パイロット追跡ユニット414は加算器436の出力を受けてチャネル補正ユニット440に位相補正情報を供給する。このパイロット追跡ユニット414はパイロット周波数の中の各パイロット信号の位相を推算し、その推算値を既知のパイロット信号位相と比較し、それ以外の全周波数のデータ信号の位相を補正する。パイロット追跡ユニット414は、パイロット信号の位相が既知であることに基づいて位相ずれを算定するように、加算器436からのQ個の合成ずみのパイロット信号を用いて位相補正を行う。一つの実施例では、Qは802.11a信号のパイロット信号の数に等しい4である。
一つの実施例では、受信周波数の各々について、パイロット追跡ユニット414がQ個の合成ずみのパイロット信号を合成し、Q個の合成ずみのパイロット信号の雑音を軽減する。
[チャネル補正ユニット]
受信周波数の各々について、チャネル補正ユニット440は、(1)重み計算器420からの重み417,加算器436の出力およびパイロット追跡ユニット414からのパイロット追跡情報を受け、(2)合成した重みづけずみチャネルの逆数を算出し、(3)上記合成ずみのデータ信号出力に上記合成したチャネルの逆数を乗算する。一つの実施例では、受信周波数fの各々について、チャネル補正ユニット440が加算器436の出力、すなわち合成ずみのチャネル出力437を、出力のダイナミックレンジの最小化のために出力437の二乗根で除算する。
[重み精細度]
一つの実施例では、重み431乃至434をK個の値から一つの値をとって低精細度で表す。一つの実施例ではKの値は8である。低い精細度では、重みづけブロック430乃至433をより小さいハードウェア量および半導体チップ上の面積で具体化できる。
Kの値が8である場合は、重み431乃至434の各々は8個の値の一つの値をとることができ、重みづけブロック430乃至434は3ビット重みづけブロックで構成できる。すなわち、3ビット×12ビット重み乗算器を用いればよく、重みが12ビット表示である場合に必要な12ビット×12ビット乗算器よりもずっと小さくなる。したがって、この構成は、3ビット×12ビット乗算器の利用により、回路構成の複雑さを軽減したアンテナ受信機200の性能低下を最小に抑える。
一つの実施例では重み431乃至434は最大精細度、すなわち8ビット精細度を備える。乗算器の複雑さを軽減するために乗算器出力の上位12ビットのみを用いる。もう一つの実施例では、重み431乃至434の精細度をデータの精細度の半分以下とし、それによって、乗算器の複雑さを大幅に軽減する。
さらにもう一つの実施例では、重み431乃至434の精細度を1ビットとする。その場合は重みの値は1または0となり、重みづけ合成過程は複雑さ最小となる。チャネルの信号強度を閾値よりも大きくとる場合は、重みの大きさを1とし、それ以外の場合は重みの大きさを0とする。
一方、コンバイナ224はFFTユニット220乃至222の出力の発生に伴って乗算を順次的に行う。M個のFFTユニット220乃至222の出力の乗算を順次的に行うことにより、コンバイナ224は、図4に示すとおり、M個の乗算器430乃至433と一つの加算器436だけで構成できる。すなわち、一つのFFTユニットだけを備えるコンバイナは二つの乗算器と一つの加算器とを備えるだけでよい。このように、この構成は回路複雑性を軽減し、多アンテナ受信機200の性能低下を抑える。
[送信機との組合せ]
一つの実施例では、多アンテナ受信機200は、多アンテナ受信機/送信機コンバイナを構成するように多アンテナ送信機コンバイナとともに単一の半導体チップにパッケージすることもできる。この出願と同一の出願人による米国特許出願第10/682,381号「高データ速度広帯域パッケージ化無線通信信号の多アンテナ送信機ビーム形成装置および方法」(2003年10月8日出願)は上記多アンテナ送信機コンバイナの例を記載している。上述のチャネル推算ユニットおよび重みづけユニットは多アンテナ送信機にチャネル推算値および送信重みを与えるのに用いているが、これら送信機重みは正規化率を除き受信機合成重みと同じである。
[多アンテナ切換えおよび合成]
この発明の一つの実施例は多アンテナ切換えと組み合わせた多アンテナ受信機のシステムおよび方法を含む。高速アンテナ切換えおよび低速アンテナ切換えの両方を用いることができる。
低速アンテナ切換えはパケットの送信中に用いることができる。同一出願人による同時出願中の米国特許出願第09/832,029号「アンテナダイバーシティ達成のための方法およびシステム](2001年4月9日出願)記載の低速アンテナ切換え方法をこの発明に組み合わせて用いることができる。パケットをデフォルトアンテナから送信し、受信確認を多アンテナ受信機で受信する。送信K回にわたり(Kは整数)受信確認信号の受信がない場合は、送信アンテナをもう一つのアンテナに切り換える。Kの値は例えば2とする。
高速アンテナ切換えはパケット受信中に用いることができる。上記米国特許出願第09/832,029号記載の高速アンテナ切換え方法をこの発明に組み合わせて用いることができる。プリアンブルの期間中には各受信チェーンが多数の高速切換えアンテナの一つを選択することができる。受信電力最大値をもたらすアンテナを最初のプリアンブル期間中に選択する。各受信チェーンが最良状態の受信アンテナに切り換わったのち、受信パケットを上述の多アンテナ受信機と同様にプロセスする。
上掲の特許出願をここに参照してそれら出願の内容をこの明細書に組み入れる。
[結び]
この発明は無線通信に関する。より詳しくいうと、この発明は高データ速度広帯域パケット化無線通信信号の多アンテナ受信機合成のシステムおよび方法に関する。
この発明の好ましい実施例および多様な変形を上に述べてきたが、この発明の真意を逸脱することなく多様な変形および改変がこの発明にさらに可能であることは当業者には理解されよう。したがって、この発明は上述の説明によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲のみによって限定されるものである。
無線ディジタル加入者電話システムなどの無線通信システムのシステム容量の更なる拡大に利用できる。
従来技術による受信機のブロック図。 回線障害消去手段つきの従来技術による受信機のブロック図。 チャネル補正回路つきの従来技術による受信機のブロック図。 従来技術による多アンテナ受信機のブロック図。 従来技術による等利得コンバイナのブロック図。 この発明の一つの実施例による多アンテナ受信機コンバイナのブロック図。 この発明による粗信号タイミング共同推算システムの実施例の説明図。 この発明による粗信号タイミング共同推算システムの実施例の説明図。 この発明による周波数ずれ共同推算システムの実施例の説明図。 この発明による周波数ずれ共同推算システムの実施例の説明図。 この発明の一つの実施例によるコンバイナのブロック図。
符号の説明
100,140,160,180 受信機
110,181,182 アンテナ
120 アナログ前置装置
130,150 ベースバンドシステム
170 改変したベースバンドシステム
183 受信チェーン
189 アンテナ切換スイッチ
202,204 アンテナ
224 コンバイナ
215 多アンテナ受信機合成装置
205,207 受信チェーン
214 AGC回路
216 タイミング共同回復ユニット
220,222 高速フーリエ変換ユニット(FFT)
226 復号器
310,312 相互相関ユニット
311,313 自己相関ユニット
318,319 重みづけユニット
320 加算器
330 正規化ユニット
350 粗タイミング推算ユニット

Claims (59)

  1. M個の高データ速度広帯域パケット化OFDM無線通信信号(以下、「M個の信号」という、Mは2以上の整数)を合成出力信号の形に合成する装置であって、少なくともM個の受信アンテナの各々が前記M個の信号の一つを受信し、前記M個の信号の各々がN個の周波数(Nは正の整数)を含む装置において、
    前記M個の信号の各々に対応するディジタルデータについて粗信号タイミング共同推算および周波数ずれ共同推算を行う共同タイミング回復ユニットと、
    前記M個の信号の一つのディジタルデータを、その一つの信号についてのN個の周波数の各々の副搬送波データの形の周波数領域情報に各々が変換するとともに前記周波数領域情報を前記M個の信号の各々について出力するM個の高速フーリエ変換(FFT)ユニットと、
    前記M個のFFTユニットからの前記周波数領域情報を重み付けするとともに合成して、回線障害およびチャネル効果を軽減した合成出力信号を生ずる合成器と
    を含み、
    共同タイミング推算を行う前記共同タイミング回復ユニットが前記M個の信号の中のP個の継続的短符号の粗末尾時間を判定し、
    前記共同タイミング回復ユニットが前記M個の信号の中のP個の短符号のいくつかの自己相関を用いて前記粗末尾時間を判定し、
    前記共同タイミング回復ユニットが前記M個の信号の各々について前記共同粗信号タイミング推算を行う粗信号タイミング共同推算ユニットを含み、その粗信号タイミング共同推算ユニットが、
    前記M個の信号の一つにおいて、それらM個の信号の始点を前記自動利得制御ユニットが示したあと、前記M個の信号の一つの中の前記P個の短符号のいくつか(Pは正の整数)を各々が互いに独立に自己相関にかけるとともに前記一つの信号について前記P個の短符号の自己相関を表す自己相関信号を出力するM個の自己相関ユニットと、
    信号強度に基づき前記自己相関出力を重み付けするM個の重み付けユニットと、
    重みづけおよび加算ずみの自己相関信号を生ずるように前記M個の重みづけずみの自己相関信号を加算する加算器と、
    前記重みづけおよび加算ずみの自己相関信号を正規化して正規化ずみの自己相関信号を出力する正規化ユニットと、
    前記正規化ずみの自己相関信号を受けて、前記M個の信号の各々につき、前記正規化ずみの自己相関信号電力と閾値との比較により、前記M個の信号の中の前記P個の短符号の末尾を検出する粗タイミング推算ユニットと
    を含む装置
  2. 前記M個のアンテナの一つに接続した入力を各々が備え、前記M個の信号の各々に対応するアナログデータを各々が出力するM個の無線周波数前置装置と、
    前記M個の無線周波数前置装置の一つの出力に接続されアナログデータを受ける入力と、前記M個の信号の各々に対応するディジタルデータを出力する出力とを各々が有するM個のベースバンドユニットと
    をさらに含み、
    前記共同タイミング回復ユニットが、前記M個の信号の一つに対応する前記ディジタルデータを受けるように前記M個のベースバンドユニットの一つのユニットの出力に各々が接続されている複数の入力を備える
    請求項1記載の装置。
  3. 前記FFTユニットが前記ディジタルデータを前記周波数領域情報に変換する請求項2記載の装置。
  4. 自動利得制御ユニット、すなわち前記M個の信号の始点を示す信号を前記共同タイミング回復ユニットに送る自動利得制御ユニットをさらに含む請求項2記載の装置。
  5. 前記Pが10に等しい請求項記載の装置。
  6. 前記共同タイミング回復ユニットが、前記個の信号の中のP個の短符号のいくつかと既知の短符号系列との間の相互相関と、それに続く対応の相互相関出力の自己相関とを用いて前記末尾の粗タイミングを判定する請求項記載の装置。
  7. 前記Pが10に等しい請求項6記載の装置。
  8. 前記共同タイミング回復ユニットが精タイミング共同推算も行う請求項1記載の装置。
  9. 前記精タイミング共同推算を、前記M個の信号の各々の前記P個の短符号に続く長トレーニング系列に基づいて動作する精タイミング共同推算ユニットで行う請求項記載の装置。
  10. 前記精タイミング共同推算ユニットが、前記M個の信号の各々について精タイミングずれを判定するように、直線的位相ラムプを推算する請求項記載の装置。
  11. 前記M個のFFTの各々が周波数領域情報を順次的に出力する請求項1記載の装置。
  12. 前記周波数領域情報が振幅および位相を含む請求項11記載の装置。
  13. 前記信号がパケット化した802.11g信号である請求項1記載の装置。
  14. 前記パケット化したOFDM信号が802.11a信号である請求項1記載の装置。
  15. 前記合成器の用いる前記重みをチャネル推算から得る請求項1記載の装置。
  16. 前記重みを判定饋還データを用いて更新する請求項15記載の装置。
  17. 前記判定饋還データをハード判定復号データシンボルから得る請求項16記載の装置。
  18. 前記判定饋還データをビタービ復号器出力から得る請求項16記載の装置。
  19. 前記M個のFFTユニットの各々を前記少なくともM個のアンテナの一つに切り換える切換え動作を行う高速アンテナ切換ユニットをさらに含む請求項1記載の装置。
  20. 前記高速アンテナ切換ユニットによる一つのアンテナの選択が、そのアンテナの第1の短プリアンブル期間内に得られた受信電力が他のアンテナからの受信電力よりも大きいことに基づいている請求項19記載の装置。
  21. M個の高データ速度広帯域パケット化OFDM無線通信信号(以下、「M個の信号」という、Mは2以上の整数)を合成出力信号の形に合成する装置であって、少なくともM個の受信アンテナの各々が前記M個の信号の一つを受信し、前記M個の信号の各々がN個の周波数(Nは正の整数)を含む装置において、
    前記M個の信号の各々に対応するディジタルデータについて粗信号タイミング共同推算および周波数ずれ共同推算を行う共同タイミング回復ユニットと、
    前記M個の信号の一つのディジタルデータを、その一つの信号についてのN個の周波数の各々の副搬送波データの形の周波数領域情報に各々が変換するとともに前記周波数領域情報を前記M個の信号の各々について出力するM個の高速フーリエ変換(FFT)ユニットと、
    前記M個のFFTユニットからの前記周波数領域情報を重み付けするとともに合成して、回線障害およびチャネル効果を軽減した合成出力信号を生ずる合成器と
    を含み、
    共同タイミング推算を行う前記共同タイミング回復ユニットが前記M個の信号の中のP個の継続的短符号の粗末尾時間を判定し、
    前記共同タイミング回復ユニットが前記M個の信号の各々の中のP個の短符号のいくつかの相互相関とそれに続く対応の相互相関出力の自己相関とを用いて前記粗末尾時間を判定し、
    前記共同タイミング回復ユニットが、前記M個の信号の各々につき前記粗信号タイミング共同推算を行う粗信号タイミング共同推算ユニットを含み、その粗信号タイミング共同推算ユニットが、
    前記M個の信号の一つにおいて、それらM個の信号の始点を前記自動利得制御ユニットが示したあと、前記M個の信号の一つの中の前記P個の短符号のいくつかと既知の短符号との間の相互相関を各々がとり、前記M個の信号の各々につき相互相関信号を各々出力するM個の相互相関ユニットと、
    前記M個の相互相関ユニットの互いに別々の一つに各々が論理接続され、対応の相互相関ユニットの出力を互いに別々に各々が自己相関にかけるM個の自己相関ユニットと、
    前記信号強度に基づき前記自己相関出力に重み付けするM個の重みづけユニットと、
    重みづけおよび加算ずみの自己相関信号を生ずるように前記M個の重みづけずみの自己相関信号を加算する加算器と、
    前記重みづけおよび加算ずみの自己相関信号を正規化して正規化ずみの自己相関信号を出力する正規化ユニットと、
    前記正規化ずみの自己相関信号を受け、前記M個の信号について、前記正規化ずみの自己相関信号の信号電力と閾値との比較により前記M個の信号の中の前記P個の末尾タイミングを判定する粗タイミング推算ユニットとを含み、
    前記M個のアンテナの一つに接続した入力を各々が備え、前記M個の信号の各々に対応するアナログデータを各々が出力するM個の無線周波数前置装置と、
    前記M個の無線周波数前置装置の一つの出力に接続されアナログデータを受ける入力と、前記M個の信号の各々に対応するディジタルデータを出力する出力とを各々が有するM個のベースバンドユニットと
    をさらに含み、
    前記共同タイミング回復ユニットが、前記M個の信号の一つに対応する前記ディジタルデータを受けるように前記M個のベースバンドユニットの一つのユニットの出力に各々が接続されている複数の入力を備える
    装置。
  22. 前記Pが10に等しい請求項21記載の装置。
  23. M個の高データ速度広帯域パケット化OFDM無線通信信号(以下、「M個の信号」という、Mは2以上の整数)を合成出力信号の形に合成する装置であって、少なくともM個の受信アンテナの各々が前記M個の信号の一つを受信し、前記M個の信号の各々がN個の周波数(Nは正の整数)を含む装置において、
    前記M個の信号の各々に対応するディジタルデータについて粗信号タイミング共同推算および周波数ずれ共同推算を行う共同タイミング回復ユニットと、
    前記M個の信号の一つのディジタルデータを、その一つの信号についてのN個の周波数の各々の副搬送波データの形の周波数領域情報に各々が変換するとともに前記周波数領域情報を前記M個の信号の各々について出力するM個の高速フーリエ変換(FFT)ユニットと、
    前記M個のFFTユニットからの前記周波数領域情報を重み付けするとともに合成して、回線障害およびチャネル効果を軽減した合成出力信号を生ずる合成器と
    を含み、
    前記共同タイミング回復ユニットが前記M個の信号の周波数ずれを判定し、
    前記共同タイミング回復ユニットが前記M個の信号について前記周波数ずれ共同推算を行う周波数ずれ共同推算ユニットを含み、その周波数ずれ共同推算ユニットが、
    前記M個の信号の各々の中の前記P個の短符号のいくつか(Pは正の整数)を各々が互いに独立に自己相関にかけるとともに前記P個の短符号のいくつかの自己相関出力である自己相関信号を出力するM個の自己相関ユニットと、
    信号強度に基づき前記自己相関出力を重み付けするM個の重み付けユニットと、
    重みづけおよび加算ずみの自己相関信号を生ずるように前記M個の重みづけずみの自己相関信号を加算する加算器と、
    前記重みづけおよび加算ずみの自己相関信号を正規化して正規化ずみの自己相関信号を出力する正規化ユニットと、
    前記正規化ずみの自己相関信号から角度を抽出する角度計算器と、
    前記角度を用いて周波数ずれを生ずる粗周波数ずれ推算ユニットと
    を含む装置。
  24. 前記Pが10に等しい請求項23記載の装置。
  25. M個の高データ速度広帯域パケット化OFDM無線通信信号(以下、「M個の信号」という、Mは2以上の整数)を合成出力信号の形に合成する装置であって、少なくともM個の受信アンテナの各々が前記M個の信号の一つを受信し、前記M個の信号の各々がN個の周波数(Nは正の整数)を含む装置において、
    前記M個の信号の各々に対応するディジタルデータについて粗信号タイミング共同推算および周波数ずれ共同推算を行う共同タイミング回復ユニットと、
    前記M個の信号の一つのディジタルデータを、その一つの信号についてのN個の周波数の各々の副搬送波データの形の周波数領域情報に各々が変換するとともに前記周波数領域情報を前記M個の信号の各々について出力するM個の高速フーリエ変換(FFT)ユニットと、
    前記M個のFFTユニットからの前記周波数領域情報を重み付けするとともに合成して、回線障害およびチャネル効果を軽減した合成出力信号を生ずる合成器と
    を含み、
    前記共同タイミング回復ユニットが、前記M個の信号の重みづけずみの周波数ずれを算定し、前記M個の信号の各々につき前記周波数ずれ共同推算を行う周波数ずれ共同推算ユニットを含み、その周波数ずれ共同推算ユニットが、
    前記M個の信号の一つの始点を前記自動利得制御ユニットが示したあと、前記M個の信号の一つの中の前記P個の短符号のいくつかと既知の短符号との間の相互相関を各々がとり、前記一つの信号につき相互相関信号を各々出力するM個の相互相関ユニットと、
    前記M個の相互相関ユニットの互いに別々の一つに各々が接続され、対応の相互相関ユニットの出力を互いに別々に各々が自己相関にかけるM個の自己相関ユニットと、
    前記信号強度に基づき前記自己相関出力に重みづけするM個の重みづけユニットと、
    重みづけおよび加算ずみの自己相関信号を生ずるように前記M個の重みづけずみの自己相関信号を加算する加算器と、
    前記重みづけおよび加算ずみの自己相関信号を正規化して正規化ずみの自己相関信号を出力する正規化ユニットと、
    前記正規化ずみの自己相関信号から角度を抽出する角度計算器と、
    前記角度を用いて周波数ずれを生ずる粗周波数ずれ推算ユニットと
    を含む装置。
  26. M個の高データ速度広帯域パケット化OFDM無線通信信号(以下、「M個の信号」という、Mは2以上の整数)を合成出力信号の形に合成する装置であって、少なくともM個の受信アンテナの各々が前記M個の信号の一つを受信し、前記M個の信号の各々がN個の周波数(Nは正の整数)を含む装置において、
    前記M個の信号の各々に対応するディジタルデータについて粗信号タイミング共同推算および周波数ずれ共同推算を行う共同タイミング回復ユニットと、
    前記M個の信号の一つのディジタルデータを、その一つの信号についてのN個の周波数の各々の副搬送波データの形の周波数領域情報に各々が変換するとともに前記周波数領域情報を前記M個の信号の各々について出力するM個の高速フーリエ変換(FFT)ユニットと、
    前記M個のFFTユニットからの前記周波数領域情報を重み付けするとともに合成して、回線障害およびチャネル効果を軽減した合成出力信号を生ずる合成器と
    を含み、
    前記共同タイミング回復ユニットが、前記M個の信号の重みづけずみの周波数ずれを算定し、前記M個の信号につき前記周波数ずれ共同推算を行う周波数ずれ共同推算ユニットを含み、その周波数ずれ共同推算ユニットが、
    前記M個の信号の各々の中の前記P個の短符号のいくつかを互いに別々に各々が自己相関にかけ、前記P個の短符号のいくつかの自己相関出力である自己相関信号を出力するM個の自己相関ユニットと、
    前記信号強度に基づき前記自己相関出力に重み付けするM個の重みづけユニットと、
    重みづけおよび加算ずみの自己相関信号を生ずるように前記M個の重みづけずみの自己相関信号を加算する加算器と、
    前記重みづけおよび加算ずみの自己相関信号から角度を抽出する角度計算器と、
    前記角度を用いて周波数ずれを生ずる粗周波数ずれ推算ユニットと
    を含む装置。
  27. M個の高データ速度広帯域パケット化OFDM無線通信信号(以下、「M個の信号」という、Mは2以上の整数)を合成出力信号の形に合成する装置であって、少なくともM個の受信アンテナの各々が前記M個の信号の一つを受信し、前記M個の信号の各々がN個の周波数(Nは正の整数)を含む装置において、
    前記M個の信号の各々に対応するディジタルデータについて粗信号タイミング共同推算および周波数ずれ共同推算を行う共同タイミング回復ユニットと、
    前記M個の信号の一つのディジタルデータを、その一つの信号についてのN個の周波数の各々の副搬送波データの形の周波数領域情報に各々が変換するとともに前記周波数領域情報を前記M個の信号の各々について出力するM個の高速フーリエ変換(FFT)ユニットと、
    前記M個のFFTユニットからの前記周波数領域情報を重み付けするとともに合成して、回線障害およびチャネル効果を軽減した合成出力信号を生ずる合成器と
    を含み、
    前記共同タイミング回復ユニットが、前記M個の信号の重みづけずみの周波数ずれを算定し、前記M個の信号の各々につき前記周波数ずれ共同推算を行う周波数ずれ共同推算ユニットを含み、その周波数ずれ共同推算ユニットが、
    前記M個の信号の一つの始点を前記自動利得制御ユニットが示したあと、前記M個の信号の一つの中の前記P個の短符号のいくつかと既知の短符号との間の相互相関を各々がとり、前記一つの信号につき相互相関信号を各々出力するM個の相互相関ユニットと、
    前記M個の相互相関ユニットの互いに別々の一つに各々が接続され、対応の相互相関ユニットの出力を互いに別々に各々が自己相関にかけるM個の自己相関ユニットと、
    前記信号強度に基づき前記自己相関出力に重み付けするM個の重みづけユニットと、
    重みづけおよび加算ずみの自己相関信号を生ずるように前記M個の重みづけずみの自己相関信号を加算する加算器と、
    前記重みづけおよび加算ずみの自己相関信号から角度を抽出する角度計算器と、
    前記角度を用いて周波数ずれを生ずる粗周波数ずれ推算ユニットと
    を含む装置。
  28. M個の高データ速度広帯域パケット化OFDM無線通信信号(以下、「M個の信号」という、Mは2以上の整数)を合成出力信号の形に合成する装置であって、少なくともM個の受信アンテナの各々が前記M個の信号の一つを受信し、前記M個の信号の各々がN個の周波数(Nは正の整数)を含む装置において、
    前記M個の信号の各々に対応するディジタルデータについて粗信号タイミング共同推算および周波数ずれ共同推算を行う共同タイミング回復ユニットと、
    前記M個の信号の一つのディジタルデータを、その一つの信号についてのN個の周波数の各々の副搬送波データの形の周波数領域情報に各々が変換するとともに前記周波数領域情報を前記M個の信号の各々について出力するM個の高速フーリエ変換(FFT)ユニットと、
    前記M個のFFTユニットからの前記周波数領域情報を重み付けするとともに合成して、回線障害およびチャネル効果を軽減した合成出力信号を生ずる合成器と
    を含み、
    前記共同タイミング回復ユニットが前記M個の信号の重みづけずみの周波数ずれを算定し、前記合成器が、
    前記M個の信号の各々における前記N個の周波数の各々につき前記M個のFFTの出力を受けるとともにチャネル推算値を出力するチャネル推算ユニット(CEU)と、
    前記M個の信号の各々における前記N個の周波数の各々につき前記CEUから前記チャネル推算値の対応の一つの値を受けるとともにM個のRF利得を受け、前記CEUへの饋還を行い、重み値を出力する重み計算器と、
    前記M個の信号の各々における前記N個の周波数の各々につき、前記重み計算器から前記重み値を受け、前記M個の信号の各々における前記N個の周波数の各々について前記副搬送波データを受け、前記M個の信号の各々における前記N個の周波数の各々について前記副搬送波データをそれに対応する前記重み値と乗算して前記M個の信号の各々の前記N個の周波数の各々について重みづけずみの副搬送波データを生ずるM個の重みづけブロックと、
    前記重みづけずみの副搬送波データを加算してN個の重みづけずみの副搬送波データ加算出力を生ずる加算器と、
    前記N個の周波数の各々につき、前記加算器からの出力の対応のパイロットデータを受け、パイロット追跡情報を出力するパイロット追跡ユニットと、
    前記N個の周波数の各々につき、前記重み計算器からの前記重み値、前記加算器からの対応の重みづけずみ副搬送波データ加算出力、および前記パイロット追跡ユニットからの前記パイロット追跡情報を前記合成出力信号に変換するチャネル相関ユニットと
    を含む装置。
  29. 前記重み計算器からの前記重み値を判定饋還データを用いて更新する請求項28記載の装置。
  30. 前記判定饋還データをハード判定復号データシンボルから得る請求項29記載の装置。
  31. 前記判定饋還データをビタービ復号器出力から得る請求項29記載の装置。
  32. 前記M個の重みの各々が離散化した重みである請求項28記載の装置。
  33. 前記離散化した重みを3ビットの2進数で表した請求項32記載の装置。
  34. 前記周波数領域信号を12ビットの2進数で表した請求項28記載の装置。
  35. 前記M個の重みづけブロックの各々が12ビット×3ビット乗算器である請求項28記載の装置。
  36. M個の高データ速度広帯域パケット化OFDM無線通信信号(以下、「M個の信号」という、Mは2以上の整数)を合成出力信号の形に合成する装置であって、少なくともM個の受信アンテナの各々が前記M個の信号の一つを受信し、前記M個の信号の各々がN個の周波数(Nは正の整数)を含む装置において、
    前記M個の信号の各々に対応するディジタルデータについて粗信号タイミング共同推算および周波数ずれ共同推算を行う共同タイミング回復ユニットと、
    前記M個の信号の一つのディジタルデータを、その一つの信号についてのN個の周波数の各々の副搬送波データの形の周波数領域情報に各々が変換するとともに前記周波数領域情報を前記M個の信号の各々について出力するM個の高速フーリエ変換(FFT)ユニットと、
    前記M個のFFTユニットからの前記周波数領域情報を受けてチャネル推算値を生ずるチャネル推算ユニットと、
    前記チャネル推算値およびM個の利得、すなわちM個の受信チェーンに関連したアナログ利得調整値であるM個の利得を用いてM個の重み値を生ずる重み計算器と、
    前記M個の重み値と前記M個のFFTユニットからの前記周波数領域情報とを乗算してM個の積を生ずるM個の重みづけブロックと、
    前記M個の積を互いに加算して合成出力信号を生ずる加算器と
    を含む合成器と
    前記N個の周波数の各々につき、前記加算器からの出力の対応のパイロットデータを受け、パイロット追跡情報を出力するパイロット追跡ユニットと、
    前記N個の周波数の各々につき、前記重み計算器からの前記重み値、前記加算器からの対応の重みづけずみ副搬送波データ加算出力、および前記パイロット追跡ユニットからの前記パイロット追跡情報を前記合成出力信号に変換するチャネル相関ユニットと
    を含む装置。
  37. 前記重み計算器が前記M個の重み値から雑音を除去する滑化フィルタを含む請求項36記載の装置。
  38. 前記M個の利得がRF利得、IF利得およびベースバンド利得を含む請求項36記載の装置。
  39. 前記M個の利得が前記M個の信号を伝送するチェーンの相互間の基底雑音、すなわち前記チェーンの相互間の利得の差に対応する基底雑音を含む請求項36記載の装置。
  40. 前記M個の利得が前記チャネル推算値をスケールアップ/スケールダウンしてA−D変換器(ADC)で十分な分解能を得るようにするディジタルスケーリング利得を含む請求項36記載の装置。
  41. 前記M個の利得が、アナログ利得と、M個の信号を伝送するチェーン相互間の基底雑音と、ディジタルスケーリング利得との積である利得係数を含む請求項36記載の装置。
  42. 前記M個のアンテナの一つに接続した入力を各々が備え、前記M個の信号の各々に対応するアナログデータを各々が出力するM個の無線周波数前置装置と、
    前記M個の無線周波数前置装置の一つの出力に接続されアナログデータを受ける入力と、前記M個の信号の各々に対応するディジタルデータを出力する出力とを各々が有するM個のベースバンドユニットと
    をさらに含み、
    前記共同タイミング回復ユニットが、前記M個の信号の一つに対応する前記ディジタルデータを受けるように前記M個のベースバンドユニットの一つのユニットの出力に各々が接続されている複数の入力を備える
    請求項36記載の装置。
  43. 自動利得制御ユニット、すなわち前記M個の信号の始点を示す信号を前記共同タイミング回復ユニットに送る自動利得制御ユニットをさらに含む請求項42記載の装置。
  44. 共同タイミング推算を行う前記共同タイミング回復ユニットが前記M個の信号の中のP個の継続的短符号の粗末尾時間を判定する請求項36記載の装置。
  45. 前記共同タイミング回復ユニットが前記M個の信号の中のP個の短符号のいくつかの自己相関を用いて前記粗末尾時間を判定する請求項44記載の装置。
  46. 前記共同タイミング回復ユニットが、前記M個の信号の各々の中のP個の短符号のいくつかと既知の短符号との間の相互相関と、それに続く対応の相互相関出力の自己相関とを用いて前記末尾の粗タイミングを判定する請求項44記載の装置。
  47. 前記タイミング共同回復ユニットが、前記M個の信号の各々の前記P個の短符号に続く長トレーニング系列に基づいて動作する精タイミング共同推算ユニットを含む請求項36記載の装置。
  48. 前記精タイミング共同推算ユニットが、前記M個の信号の各々について精タイミングずれを判定するように、直線的位相ラムプを推算する請求項47記載の装置。
  49. M個の高データ速度広帯域パケット化OFDM無線通信信号(以下、「M個の信号」という、Mは2以上の整数)を合成出力信号の形に合成する方法であって、少なくともM個の受信アンテナの各々が前記M個の信号の一つを受信し、Nが正の整数である方法において、
    前記M個の信号の各々に対応するディジタルデータについて粗信号タイミング共同推算および周波数ずれ共同推算を行う過程と、
    前記M個の信号の各々のディジタルデータを、その各々の信号についてのN個の周波数の各々の副搬送波データの形の周波数領域情報に変換するとともに前記M個の信号の各々についての周波数領域情報を出力する過程と、
    前記周波数領域情報を用いてチャネル推算値を生ずる過程と、
    前記チャネル推算値およびM個の利得値、すなわち前記M個の受信チェーンに関連したアナログ利得調整値であるM個の利得値を用いてM個の重み値を生ずる過程と、
    前記M個の重み値と前記周波数領域情報とを乗算してM個の積を生ずる過程と、
    前記M個の積を互いに加算して前記合成出力信号を生ずる過程と
    前記N個の周波数の各々につき、対応のパイロット周波数からパイロットデータを受けるとともに、それらN個の周波数の各々につきパイロット追跡情報を出力する過程と、
    前記N個の周波数の各々につき、前記M個の重み値、対応の重みづけずみ副搬送波データ加算出力、および前記パイロット追跡情報を前記合成出力信号に変換する過程と
    を含む方法。
  50. 前記M個の重み値から雑音を除去する過程をさらに含請求項49記載の方法。
  51. 前記M個の利得値がRF、IFおよびベースバンド利得を含む請求項49記載の方法。
  52. 前記M個の利得値が前記M個の信号を伝送する雑音基底値、すなわち前記チェーン相互間の利得差に対応する雑音基底値を含む請求項49記載の方法。
  53. 前記M個の利得値が、前記チャネル推算値をスケールアップ/スケールダウンするためのディジタルスケーリング利得値を含む請求項49記載の方法。
  54. 前記M個の利得が、利得係数、すなわちアナログ利得、前記M個の信号を伝送する受信チェーン相互間の基底雑音およびディジタルスケーリング利得の積である利得係数を含む請求項49記載の方法。
  55. 前記M個の重み値を更新する過程をさらに含む請求項54記載の方法。
  56. 前記M個の重みを更新する過程が、新たに得られたチャネル推算値を用いる過程を含む請求項55記載の方法。
  57. 前記M個の重み値を更新する過程が判定饋還データを用いることを含む請求項56記載の方法。
  58. 前記判定饋還データをハード判定復号データシンボルから得る請求項57記載の方法。
  59. 前記判定饋還データをビタービ復号器出力から得る請求項57記載の方法。
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