以下、図面を参照しながら、本発明に係る送信装置、受信装置、信号伝送システム及び信号伝送方法を実施するための最良の形態について説明する。
1.第1の実施形態(第1の送信装置、受信装置及び3次元画像信号伝送システム)
2.第2の実施形態(第2の送信装置、受信装置及び3次元画像信号伝送システム)
3.第3の実施形態(第3の送信装置、受信装置及び3次元画像信号伝送システム)
<第1の実施形態>
[第1の3次元画像信号伝送システム]
図1は、本発明に係る第1の実施形態としての3次元画像信号伝送システム100の構成例(送信装置)、図2は、その構成例(受信装置)を各々示すブロック図である。図1及び図2に示す3次元画像信号伝送システム100は、信号伝送システムの一例を構成するものであり、3次元画像表示処理を行うための3次元画像信号を、例えば、記録再生装置から画像表示装置等へ伝送するものである。
3次元画像信号伝送システム100は、例えば、信号伝送部30、送信装置101及び受信装置201を有して構成される。送信装置101と受信装置201とは、2系統の信号伝送系の一例を構成する信号伝送部30によって接続される。信号伝送部30は、リンクLa,Lbを有してデュアルリンク信号伝送系を構成する。リンクLa及びリンクLbには、輝度信号Y[9:0]、色差信号Cb[9:0]、色差信号Cr[9:0]及び奥行き情報S23の信号DPT[9:0]が割り振られる。
送信装置101は、例えば、記録再生装置の信号出力段に設けられ、YCビット分離部11、シリアライザ12及びシリアライザ13を有して構成される。送信装置101は、2系統の信号伝送部30に接続された受信装置201に、YCbCr444方式の2次元画像信号S11と当該2次元画像信号S11の奥行き情報S21とを含む3次元画像信号ST1を伝送するものである。
このYCbCr444方式の2次元画像信号S11によれば、水平解像度が1920ピクセルで、垂直解像度が1080ラインとなる画像表示装置に対応して10ビットのデータフォーマットで与えられる[Pixel Size: 1920×1080, Color Space: YCbCr444 10bit, image Format: 2D image+Depth, Format Rate: 30,29.97,25, 24, 23.98 progressive and Psf,: 60, 59.94 50 fields Interlace]。
奥行き情報S21によれば、水平解像度が1920ピクセルで、垂直解像度が1080ラインとなる画像表示装置に対応して10ビットのデータフォーマットで与えられる。
YCビット分離部11は、信号分離部の一例を構成し、記録再生装置等から与えられるパラレルビット構成の2次元画像信号S11を入力してYCビット分離する。
この例で、2次元画像信号S11等を構成する輝度信号Y、色差信号Cb及び色差信号Crや、奥行き情報S21を構成する信号DPT等の後に付与される数字は、各ラインにおけるピクセル番号を示すものとする。
例えば、送信装置101に3次元画像信号ST1が入力されると、YCビット分離部11は、2次元画像信号S11から輝度信号Y[9:0]、偶数ピクセルの色差信号Cb−even[9:0]、偶数ピクセルの色差信号Cr−even[9:0]、奇数ピクセルの色差信号Cb−odd[9:0]、奇数ピクセルの色差信号Cr−odd[9:0]の各々を取り出すように動作する。
YCビット分離部11によって取り出された輝度信号Y[9:0]、偶数ピクセルの色差信号Cb−even[9:0]及び偶数ピクセルの色差信号Cr−even[9:0]は、シリアライザ12に出力される。YCビット分離部11によって取り出された奇数ピクセルの色差信号Cb−odd[9:0]、奇数ピクセルの色差信号Cr−odd[9:0]の各々は、シリアライザ13に出力される。
この例で、3次元画像信号ST1から奥行き情報S21が取り出され、シリアライザ13に入力される。奥行き情報S21は信号DPT[9:0]で与えられ、この奥行き情報S21の信号DPT[9:0]は、10ビット幅であり、例えば、最も奥側が「0」で、最も手前側が「1023」のようにグレースケールで表現されるものである。送信側で、3次元画像信号ST1から奥行き情報S21を抽出する手法については本発明の本質ではなく、いかなる手法を用いても良い。
YCビット分離部11には、シリアライザ12及びシリアライザ13が接続される。シリアライザ12は第1の信号処理部の一例を構成し、YCビット分離部11によってYCビット分離されたパラレルビット構成の2次元画像信号S11をシリアルビット構成の2次元画像信号S11に変換してリンクLaに出力する。シリアライザ12はシリアルディジタルインターフェースを構成し、その出力端がリンクLaに接続される。この例で、信号伝送部30のリンクLaとリンクLbには、輝度信号Y[9:0]、色差信号Cb[9:0]、色差信号Cr[9:0]が割り振られる。リンクLaには、水平解像度が1920ピクセルで、0〜1919ピクセルの輝度信号Y[9:0]、偶数ピクセルの色差信号Cb−even[9:0]及び、偶数ピクセルの色差信号Cr−even[9:0]が割り当てられる(図3参照)。
シリアライザ13は第2の信号処理部の一例を構成し、YCビット分離後のパラレルビット構成の2次元画像信号S11及びパラレルビット構成の奥行き情報S21をシリアルビット構成の2次元画像信号S11及び奥行き情報S21に変換してリンクLbに出力する。シリアライザ13はシリアルディジタルインターフェースを構成し、その出力端がリンクLbに接続される。リンクLbには、奥行き情報S21の信号DPT[9:0]及び、奇数ピクセルの色差信号Cb−odd[9:0]、奇数ピクセルの色差信号Cr−odd[9:0]が割り当てられる(図3参照)。
上述のシリアライザ12やシリアライザ13等は、シリアルビット構成の2次元画像信号S11又は及び奥行き情報S21に、伝送先の電子機器、例えば、画像表示装置を制御するための制御信号Scを多重する。この例で、制御信号Scは、例えば、水平同期信号(以下HSYNC信号という)、垂直同期信号(以下VSYNC信号という)、フィールド信号(以下FIELD信号という)及び、クロック信号(以下CLOCK信号という)等である。
制御信号Scは、3次元画像の輝度信号Yや色差信号Cb,Cr、奥行き情報S21等を構成する要素には無関係となるので、本発明では特に詳しく説明していない。3次元画像信号ST1を他の記録再生装置等の電子機器に伝送する場合、あるいは、画像表示装置に3次元用の画像を表示する場合は、HSYNC信号、VSYNC信号、FIELD信号及びCLOCK信号が必要になる。その場合には、これらの制御信号Scを3次元画像信号ST1に重畳して使用するようになされる。
上述の例では、HSYNC信号、VSYNC信号、FIELD信号及びCLOCK信号は、シリアライザ12,13にそれぞれシリアライズされた後、信号伝送部30に送出される。HSYNC信号、VSYNC信号、FIELD信号及びCLOCK信号は、2次元画像信号S11と奥行き情報S21とで共通している。信号伝送部30は、有線方式でも無線方式でも、どちらでもよい。
このように、送信装置101によれば、2系統のリンクLa,Lbを有する信号伝送部30に接続された受信装置201に、2次元画像信号S11と当該2次元画像信号S11の奥行き情報S21とを含む3次元画像信号ST1を伝送する場合に、デュアルリンク接続のシリアルディジタルインターフェースの一方のリンクLaで2次元画像信号S11を伝送できるようになると共に、他方のリンクLbで2次元画像信号S11、かつ/または、奥行き情報S21を伝送できるようになる。
図2に示す受信装置201は、2系統のリンクLa,Lbを有する信号伝送部30に接続された送信装置101から2次元画像信号S11と当該2次元画像信号S11の奥行き情報S21とを含む3次元画像信号ST1を受信するものである。受信装置201は、例えば、画像表示装置の信号入力段に設けられる。受信装置201は、入力ポート21,22、位相調整部23、デシリアライザ24,25、YCビット合成部26を有して構成される。3次元画像信号ST1は、2次元画像信号S11と当該2次元画像信号S11の奥行き情報S21とを含むものとする。
入力ポート21は、一端が信号伝送部30のリンクLaに接続され、他端が位相調整部23に接続され、リンクLaから、YCビット分離された一方の2次元画像信号S11を受信する。入力ポート22は、一端が信号伝送部30のリンクLbに接続され、他端が位相調整部23に接続され、リンクLbから多重された他方の2次元画像信号S11及び奥行き情報S21を受信する。
位相調整部23は、リンクLaから受信したシリアルビット構成の2次元画像信号S11と、リンクLbから受信したシリアルビット構成の2次元画像信号S11及び奥行き情報S21との位相を調整する。例えば、位相調整部23は、リンクLaとリンクLbの各信号に生じている位相ずれを解消する。
位相ずれを解消する方法には、図3に示すように、ビデオ信号伝送開始(Start of Active Video:以下SAVという) を示す、例えば、フラグ(データ又は信号)や、ビデオ信号伝送終了(End of Active Video:以下EAVという) を示すフラグをリンクLaとリンクLbとでそれぞれ検出する。この検出に基づいて、その信号パターンが揃うように位相を調整する第1の方法がある。第2の方法としては、SAVフラグとビデオ信号伝送中(Active Video:以下AVという)を示すフラグとの境界、及び、AVフラグとEAVフラグとの境界を検出し、その信号パターンが揃うように位相を調整する方法が考えられる。どのような手法を用いて位相ずれを解消しても構わない。
位相調整部23には、デシリアライザ24及び25が接続される。リンクLa及びリンクLbからのシリアル信号であって、位相調整後のシリアル信号は、位相調整部23からデシリアライザ24及び25へ出力される。この例では、各信号の位相が揃っているため、ビットの位相ずれが解消された状態であって、輝度信号Y[9:0]、偶数ピクセルの色差信号Cb−even[9:0]、偶数ピクセルの色差信号Cr−even[9:0]、信号DPT[9:0]、奇数ピクセルの色差信号Cb−odd[9:0]、奇数ピクセルの色差信号Cr−odd[9:0]の各々がシリアル信号から抽出される。
デシリアライザ24は第1の信号処理部の一例を構成し、位相調整部23によって位相調整されたリンクLaからのシリアルビット構成の2次元画像信号S11をパラレルビット構成の2次元画像信号S11に変換する。例えば、デシリアライザ24は、リンクLaからのシリアル信号であって、位相調整後の信号から、輝度信号Y[9:0]、偶数ピクセルの色差信号Cb−even[9:0]、偶数ピクセルの色差信号Cr−even[9:0]の各々、HSYNC信号、VSYNC信号、FIELD信号及びCLOCK信号を抽出して復元する。
デシリアライザ25は第2の信号処理部の一例を構成し、位相調整部23によって位相調整されたリンクLbからのシリアルビット構成の2次元画像信号S11及び奥行き情報S21をパラレルビット構成の2次元画像信号S11及び奥行き情報S21に変換する。例えば、デシリアライザ25は、リンクLbからのシリアル信号であって、位相調整後の信号から、信号DPT[9:0]、奇数ピクセルの色差信号Cb−odd[9:0]、奇数ピクセルの色差信号Cr−odd[9:0]の各々、HSYNC信号、VSYNC信号、FIELD信号及びCLOCK信号を抽出して復元する。受信装置201で、2次元画像信号S11から奥行き情報S21を抽出する手法については本発明の本質ではなく、いかなる手法を用いても良い。
デシリアライザ24及び25には、信号合成部の一例を構成するYCビット合成部26が接続される。YCビット合成部26は、デシリアライザ24から出力されるパラレルビット構成の2次元画像信号S11とデシリアライザ25から出力されるパラレルビット構成の2次元画像信号S11とをYCビット合成する。例えば、YCビット合成部26は、輝度信号Y[9:0]、偶数ピクセルの色差信号Cb−even[9:0]、偶数ピクセルの色差信号Cr−even[9:0]、奇数ピクセルの色差信号Cb−odd[9:0]、奇数ピクセルの色差信号Cr−odd[9:0]の各々をビット合成して、元の輝度信号Y[9:0]、色差信号Cb[9:0]、色差信号Cr[9:0]を復元するようになされる。
このように受信装置201では、輝度信号Y[9:0]、色差信号Cb[9:0]、色差信号Cr[9:0]から2次元画像信号S11が生成され、信号DPT[9:0]から奥行き情報S21が生成されるため、3次元画像信号SR1に基づく3次元画像を表示できるようになる。
図3A及びBは、リンクLa及びリンクLbにおけるシリアル信号の伝送例を示すタイムチャートである。横軸は時間であり、横軸上の六角形はデータパケットを示している。この例で、3次元画像信号ST1が20ビット(D[19:0])で表現される場合であって、図1に示した信号伝送部30のリンクLaには、輝度信号Y[9:0]、偶数ピクセルの色差信号Cb−even[9:0]及び偶数ピクセルの色差信号Cr−even[9:0]が割り振られる。
図3Aに示すリンクLaによれば、シリアル信号の上位10ビット(D[19:10])には、SAV区間として、固定パターン(3FF 000 000 XYZ)が割り当てられる。SAV区間に続いてAV区間には、ビデオ信号(2次元画像信号S11)として輝度信号Y0[9:0],Y1[9:0],Y2[9:0]・・・・Y1919[9:0]が割り当てられる。AV区間に続いてEAV区間には、固定パターン(3FF 000 000 XYZ)が割り当てられる。
更に、シリアル信号の下位10ビット(D[9:0])には、SAV区間として、固定パターン(3FF 000 000 XYZ)が割り当てられる。SAV区間に続いてAV区間には、偶数ピクセルの色差信号Cb0[9:0],Cr0[9:0],Cb2[9:0]・・・・Cr1918[9:0]が割り当てられる。AV区間に続いてEAV区間には、固定パターン(3FF 000 000 XYZ)が割り当てられる。
また、図1に示した信号伝送部30のリンクLbには、奇数ピクセルの色差信号Cb−odd[9:0]、奇数ピクセルの色差信号Cr−odd[9:0]及び奥行き情報S21の信号DPT[9:0]が割り当てられる。
図3Bに示すリンクLbによれば、シリアル信号の上位10ビット(D[19:10])には、リンクLaと同様にして、SAV区間に固定パターン(3FF 000 000 XYZ)が割り当てられる。SAV区間に続いてAV区間には、奥行き情報S21として信号DPT0[9:0],DPT1[9:0],DPT2[9:0]・・・・DPT1919[9:0]が割り当てられる。AV区間に続いてEAV区間には、固定パターン(3FF 000 000 XYZ)が割り当てられる。
更に、シリアル信号の下位10ビット(D[9:0])には、SAV区間として、固定パターン(3FF 000 000 XYZ)が割り当てられる。SAV区間に続いてAV区間には、奇数ピクセルの色差信号Cb1[9:0],Cr1[9:0],Cb3[9:0]・・・・Cr1919[9:0]が割り当てられる。AV区間に続いてEAV区間には、固定パターン(3FF 000 000 XYZ)が割り当てられる。
これにより、送信装置101から受信装置201へリンクLaを利用して、輝度信号Y[9:0]、偶数ピクセルの色差信号Cb[9:0]及び偶数ピクセルの色差信号Cr[9:0]を伝送すること、及び、リンクLbを利用して、奇数ピクセルの色差信号Cb[9:0]、奇数ピクセルの色差信号Cr[9:0]及び奥行き情報S21の信号DPT[9:0]を伝送することができる。
続いて、本発明に係る信号伝送方法に関して3次元画像信号伝送システム100における動作例について説明する。図4は、3次元画像信号伝送システム100における動作例を示すフローチャートである。この例で、3次元画像信号ST1から奥行き情報S21が取り出され、シリアライザ13に入力される。奥行き情報S21は信号DPT[9:0]で与えられ、この奥行き情報S21の信号DPT[9:0]は、10ビット幅である。そして、送信装置101から受信装置201へリンクLaを利用して、輝度信号Y[9:0]、偶数ピクセルの色差信号Cb[9:0]及び偶数ピクセルの色差信号Cr[9:0]を伝送し、リンクLbを利用して、奇数ピクセルの色差信号Cb[9:0]、奇数ピクセルの色差信号Cr[9:0]及び奥行き情報S21の信号DPT[9:0]を伝送する場合を前提とする。
これらを動作条件にして、図4に示すフローチャートのステップT1で送信装置101は、2次元画像信号S11と当該2次元画像信号S11の奥行き情報S21とを含む3次元画像信号ST1を入力する。奥行き情報S21は、3次元画像信号ST1から取り出されてシリアライザ13に入力される。
次に、送信装置101はステップT2で2次元画像信号S11を信号分離する。このとき、YCビット分離部11は、パラレルビット構成の2次元画像信号S11をYCビット分離する。この例で、YCビット分離部11は、2次元画像信号S11から輝度信号Y[9:0]、偶数ピクセルの色差信号Cb−even[9:0]、偶数ピクセルの色差信号Cr−even[9:0]、奇数ピクセルの色差信号Cb−odd[9:0]、奇数ピクセルの色差信号Cr−odd[9:0]の各々を取り出すように動作する。YCビット分離部11によって取り出された奇数ピクセルの色差信号Cb−odd[9:0]、奇数ピクセルの色差信号Cr−odd[9:0]の各々は、シリアライザ13に出力される。
更に、送信装置101はステップT3で、先に信号分離された一方の2次元画像信号S11をリンクLaに送信すると共に、ステップT4で、先に信号分離された他方の2次元画像信号S11と奥行き情報S21とを多重してリンクLbに送信する。このとき、ステップT3でシリアライザ12は、YCビット分離部11によってYCビット分離されたパラレルビット構成の2次元画像信号S11をシリアルビット構成の2次元画像信号S11に変換してリンクLaに出力する。図3Aに示したLink−Aによれば、シリアル信号の上位10ビットのAV区間で、2次元画像信号S11として輝度信号Y0[9:0],Y1[9:0],Y2[9:0]・・・・Y1919[9:0]が伝送される。更に、シリアル信号の下位10ビットのAV区間で、偶数ピクセルの色差信号Cb0[9:0],Cr0[9:0],Cb2[9:0]・・・・Cr1918[9:0]が伝送される。
上述のステップT4でシリアライザ13は、YCビット分離後のパラレルビット構成の2次元画像信号S11及びパラレルビット構成の奥行き情報S21を多重すると共にシリアルビット構成の2次元画像信号S11及び奥行き情報S21に変換してリンクLbに出力する。図3Bに示したLink−Bによれば、シリアル信号の上位10ビットのAV区間で、奥行き情報S21として信号DPT0[9:0],DPT1[9:0],DPT2[9:0]・・・・DPT1919[9:0]が伝送される。更に、シリアル信号の下位10ビットのAV区間で、奇数ピクセルの色差信号Cb1[9:0],Cr1[9:0],Cb3[9:0]・・・・Cr1919[9:0]が伝送される。送信装置101は上述の動作を繰り返す。
上述の送信装置101の動作を受けて、信号伝送部30のリンクLaでは、輝度信号Y[9:0]、偶数ピクセルの色差信号Cb−even[9:0]、偶数ピクセルの色差信号Cr−even[9:0]の各々、HSYNC信号、VSYNC信号、FIELD信号及びCLOCK信号をパラレル・シリアル変換(シリアライズ)したシリアル信号が伝送される。リンクLbでは、信号DPT[9:0]、奇数ピクセルの色差信号Cb−odd[9:0]、奇数ピクセルの色差信号Cr−odd[9:0]の各々、HSYNC信号、VSYNC信号、FIELD信号及びCLOCK信号をシリアライズした信号が伝送される。このようなデュアルリンク接続のシリアルディジタルインターフェースの一方のリンクLaで、2次元画像信号S11を受信できると共に、他方のリンクLbで2次元画像信号S11、かつ/または、奥行き情報S21を受信できるようになる。
受信装置201は、ステップR1で、リンクLaから信号分離された一方の2次元画像信号S11を受信すると共に、ステップR2で、リンクLbから多重された他方の2次元画像信号S11及び奥行き情報S21を受信する。
更に、ステップR3で、位相調整部23は、リンクLaから入力ポート21を介して受信したシリアルビット構成の2次元画像信号S11と、リンクLbから入力ポート22を介して受信したシリアルビット構成の2次元画像信号S11及び奥行き情報S21との位相を調整する。
例えば、位相調整部23は、リンクLaとリンクLbの各信号に生じている位相ずれを解消する。位相調整部23では図3で説明したようなSAVフラグや、EAVフラグをリンクLaとリンクLbとでそれぞれ検出する。この検出に基づいて、その信号パターンが揃うように位相を調整する。又は、位相調整部23は、SAVフラグとAVフラグとの境界、及び、AVフラグとEAVフラグとの境界を検出し、その信号パターンが揃うように位相を調整するようになされる。位相調整後のシリアル信号は、位相調整部23からデシリアライザ24及び25へ出力される。
その後、受信装置201は、ステップR4でリンクLaからのシリアル信号をシリアル・パラレル変換処理をすると共に、ステップR5で、リンクLbから受信した2次元画像信号S11と奥行き情報S21とを分離する。この例では、各信号の位相が揃っているため、ビットの位相ずれが解消された状態であって、輝度信号Y[9:0]、偶数ピクセルの色差信号Cb−even[9:0]、偶数ピクセルの色差信号Cr−even[9:0]、信号DPT[9:0]、奇数ピクセルの色差信号Cb−odd[9:0]、奇数ピクセルの色差信号Cr−odd[9:0]の各々が、シリアル信号から抽出される。
例えば、上述のステップR4でデシリアライザ24は、位相調整部23によって位相調整されたリンクLaからのシリアルビット構成の2次元画像信号S11をパラレルビット構成の2次元画像信号S11に変換する。このとき、デシリアライザ24は、リンクLaからのシリアル信号であって、位相調整後のシリアル信号から、輝度信号Y[9:0]、偶数ピクセルの色差信号Cb−even[9:0]、偶数ピクセルの色差信号Cr−even[9:0]の各々、HSYNC信号、VSYNC信号、FIELD信号及びCLOCK信号を抽出して復元する。
一方、デシリアライザ25は、上述のステップR5で位相調整部23によって位相調整されたリンクLbからのシリアルビット構成の2次元画像信号S11及び奥行き情報S21をパラレルビット構成の2次元画像信号S11及び奥行き情報S21に変換する。このとき、デシリアライザ25は、リンクLbからのシリアル信号であって、位相調整後のシリアル信号から、信号DPT[9:0]、奇数ピクセルの色差信号Cb−odd[9:0]、奇数ピクセルの色差信号Cr−odd[9:0]の各々、HSYNC信号、VSYNC信号、FIELD信号及びCLOCK信号を抽出して復元する。
更に、受信装置201は、ステップR6で、リンクLaから受信した2次元画像信号S11とリンクLbから受信した2次元画像信号S11とを合成する。このとき、YCビット合成部26は、デシリアライザ24から出力されるパラレルビット構成の2次元画像信号S11とデシリアライザ25から出力されるパラレルビット構成の2次元画像信号S11とをYCビット合成する。
上述した例では、YCビット合成部26が、輝度信号Y[9:0]、偶数ピクセルの色差信号Cb−even[9:0]、偶数ピクセルの色差信号Cr−even[9:0]、奇数ピクセルの色差信号Cb−odd[9:0]、奇数ピクセルの色差信号Cr−odd[9:0]の各々をビット合成して、元の輝度信号Y[9:0]、色差信号Cb[9:0]、色差信号Cr[9:0]を復元する。このように受信装置201では、輝度信号Y[9:0]、色差信号Cb[9:0]、色差信号Cr[9:0]から2次元画像信号S11が生成され、信号DPT[9:0]から奥行き情報S21が生成される。
そして、受信装置201は、ステップR7で、合成後の2次元画像信号S11と、分離後の奥行き情報S21とを含む3次元画像信号SR1を出力する。この受信装置201を実装した画像表示装置が3次元画像信号SR1に基づく3次元画像を表示するものであれば、前述のように2次元画像信号S11と奥行き情報S21を両方受信することにより、ユーザは3次元画像信号SR1に基づく3次元画像を鑑賞できるようになる。
このように第1の実施形態としての3次元画像信号伝送システム100及び信号伝送方法によれば、2次元画像信号S11と2次元画像信号S11の奥行き情報S21とを含む3次元画像信号ST1を伝送する場合に、本発明に係る送信装置101及び受信装置201が応用されるので、デュアルリンク接続のシリアルディジタルインターフェースの一方のリンクLaで2次元画像信号S11を伝送できると共に、他方のリンクLbで2次元画像信号S11、かつ/または、奥行き情報S21を伝送できるようになる。
これにより、2次元画像信号S11の持つ階調度を低下させることなく、従来のデュアルリンク信号伝送系を用いて、2次元画像信号S11と2次元画像信号S11の奥行き情報S21とを含む3次元画像信号ST1を伝送することができる。
更に、片方のリンクLaのみが接続可能な画像表示装置であって、2次元画像信号S11のみが表示可能な画像表示装置においては、3次元画像信号ST1を受信した場合であっても、2次元画像信号S11の輝度信号Y[9:0]、 偶数ピクセルの色差信号Cb−even[9:0]、 偶数ピクセルの色差信号Cr−even[9:0]のみを受信して表示可能となるような3次元画像信号ST1の伝送システムを構築できるようになる。
例えば、受信装置201が入力ポート21のみを具備している場合であって、リンクLaの信号のみが受信できる場合である。この場合、受信装置201は、輝度信号Y[9:0]、偶数ピクセルの色差信号Cb−even[9:0]、偶数ピクセルの色差信号Cr−even[9:0]の各々を受信しており、これら信号はYCbCr422方式の10ビットの色情報を有している。従って、ユーザは水平解像度1920ピクセル、垂直解像度1080ライン、YCbCr422方式の10ビットの2次元画像信号S11に基づくカラー画像を鑑賞できるようになる。
なお、本実施例では信号DPTのビット数を10ビットとしたが、このビット幅は必要十分であればよく、必ずしも、10ビット幅に限定されるものではない。例えば、信号DPTのビット幅が8ビットで十分な場合は、リンクLbの上位10ビットD[19:10]のMSB側の8ビットを使用して奥行き情報S21を割り当てるなど、 一部のビットのみを用いるようにしても良い。
<第2の実施形態>
[第2の3次元画像信号伝送システム]
図5は、本発明に係る第2の実施形態としての3次元画像信号伝送システム200の構成例(送信装置)、図6は、その構成例(受信装置)を各々示すブロック図である。図5及び図6に示す3次元画像信号伝送システム200は、信号伝送システムの一例を構成するものであり、第1の実施形態と同様にして、3次元画像表示処理を行うための3次元画像信号を記録再生装置等から画像表示装置へ伝送するものである。
3次元画像信号伝送システム200は、信号伝送部30、送信装置102及び受信装置202から構成される。送信装置102と受信装置202とは、第1の実施形態と同様にして信号伝送部30によって接続される。信号伝送部30は、リンクLa,Lbを有してデュアルリンク信号伝送系を構成する。リンクLa及びリンクLbには、輝度信号Y[11:0]、色差信号Cb[11:0]、色差信号Cr[11:0]及び奥行き情報S23の信号DPT[11:0]が割り振られる。
送信装置102は、第1の実施形態と同様にして、記録再生装置等の信号出力段に設けられ、YCビット分離部11、シリアライザ12,13及びMUXビット生成部14を有して構成される。送信装置102も、2系統の信号伝送部30に接続された受信装置202に、YCbCr444方式の2次元画像信号S12と当該2次元画像信号S12の奥行き情報S22とを含む3次元画像信号ST2を伝送する。
このYCbCr444方式の2次元画像信号S12によれば、水平解像度が1920ピクセルで、垂直解像度が1080ラインとなる画像表示装置に対応して12ビットのデータフォーマットで与えられる[Pixel Size: 1920×1080, Color Space: YCbCr444 12bit, image Format: 2D image+Depth, Format Rate: 30,29.97,25, 24, 23.98 progressive and Psf,: 60, 59.94 50 fields Interlace]。
奥行き情報S22によれば、水平解像度が1920ピクセルで、垂直解像度が1080ラインとなる画像表示装置に対応して12ビットのデータフォーマットで与えられる。
YCビット分離部11は、信号分離部の一例を構成し、記録再生装置等から与えられるパラレルビット構成の2次元画像信号S12を入力してYCビット分離する。この例で、2次元画像信号S12等を構成する輝度信号Y、色差信号Cb及び色差信号Crや、奥行き情報S22を構成する信号DPT等の後に付与される数字は、各ラインにおけるピクセル番号を示すものとする。
例えば、送信装置102に3次元画像信号ST2が入力されると、YCビット分離部11は、2次元画像信号S12から、輝度信号Y[11:2]、偶数ピクセルの色差信号Cb−even[11:2]、偶数ピクセルの色差信号Cr−even[11:2]と、奇数ピクセルの色差信号Cb−odd[11:2]、奇数ピクセルの色差信号Cr−odd[11:2]と、輝度信号Y[1:0]、偶数ピクセルと奇数ピクセルそれぞれの色差信号Cb[1:0]、色差信号Cr[1:0]の各々を取り出すように動作する。
YCビット分離部11によって取り出された輝度信号Y[11:2]、偶数ピクセルの色差信号Cb−even[11:2]、偶数ピクセルの色差信号Cr−even[11:2]は、シリアライザ12に出力される。YCビット分離部11によって取り出された奇数ピクセルの色差信号Cb−odd[11:2]、奇数ピクセルの色差信号Cr−odd[11:2]は、シリアライザ13に出力される。YCビット分離部11によって取り出された輝度信号Y[1:0]、偶数ピクセルと奇数ピクセルそれぞれの色差信号Cb[1:0]、偶数ピクセルと奇数ピクセルそれぞれの色差信号Cr[1:0]は、MUXビット生成部14に出力される。
MUXビット生成部14は、ビット生成部の一例を構成し、YCビット分離部11によってYCビット分離されたパラレルビット構成の2次元画像信号S12に当該2次元画像信号S12の奥行き情報S22を多重するようになされる。MUXビット生成部14では多重ビットMUX[9:0]が設けられ、多重ビットMUX[9:0]内には、予約(以下Reserveという)領域が設けられる(図8B参照)。
この例で、3次元画像信号ST2から奥行き情報S22が取り出され、奇数ピクセルの色差信号Cb−odd[11:2]及び、奇数ピクセルの色差信号Cr−odd[11:2]と共にシリアライザ13に入力される。奥行き情報S22は信号DPT[11:0]で与えられ、この奥行き情報S22の信号DPT[11:0]は、12ビット幅であり、例えば、最も奥側が「0」で、最も手前側が「4096」のように表現されるものである。送信側で、3次元画像信号ST2から奥行き情報S22を抽出する手法については本発明の本質ではなく、いかなる手法を用いても良い。
YCビット分離部11には、シリアライザ12及びシリアライザ13が接続される。シリアライザ12は、YCビット分離部11によってYCビット分離されたパラレルビット構成の2次元画像信号S12をシリアルビット構成の2次元画像信号S12に変換してリンクLaに出力する。シリアライザ12はシリアルディジタルインターフェースを構成し、その出力端がリンクLaに接続される。この例で、信号伝送部30のリンクLaとリンクLbには、輝度信号Y[11:2]、色差信号Cb[11:2]、色差信号Cr[11:2]が割り振られる(図7参照)。
シリアライザ13は、YCビット分離後のパラレルビット構成の2次元画像信号S12及びパラレルビット構成の奥行き情報S22をシリアルビット構成の2次元画像信号S12及び奥行き情報S22に変換してリンクLbに出力する。シリアライザ13はシリアルディジタルインターフェースを構成し、その出力端がリンクLaに接続される。リンクLbには、奥行き情報S21の信号DPT[11:0]が割り当てられる(図7参照)。
上述のシリアライザ12やシリアライザ13等は、シリアルビット構成の2次元画像信号S12又は及び奥行き情報S22に、伝送先の電子機器、例えば、画像表示装置を制御するための制御信号Scを多重する。この例でも、HSYNC信号、VSYNC信号、FIELD信号及びCLOCK信号等の制御信号Scが重畳される。HSYNC信号、VSYNC信号、FIELD信号及びCLOCK信号は、2次元画像信号S12と奥行き情報S22とで共通している。信号伝送部30は、有線方式でも無線方式でも、どちらでもよい。
このように、送信装置102によれば、2系統のリンクLa,Lbを有する信号伝送部30に接続された受信装置202に、2次元画像信号S12と当該2次元画像信号S12の奥行き情報S22とを含む3次元画像信号ST2を伝送する場合に、デュアルリンク接続のシリアルディジタルインターフェースの一方のリンクLaで2次元画像信号S12を伝送できるようになると共に、他方のリンクLbで2次元画像信号S12、かつ/または、奥行き情報S22を伝送できるようになる。
この例で、信号伝送部30のリンクLaは、輝度信号Y[11:2]、偶数ピクセルの色差信号Cb−even[11:2]、偶数ピクセルの色差信号Cr−even[11:2]の各々、HSYNC信号、VSYNC信号、FIELD信号及びCLOCK信号をシリアライズしたシリアル信号が伝送される。リンクLbでは、多重ビットMUX[11:2]、奇数ピクセルの色差信号Cb−odd[11:2]、奇数ピクセルの色差信号Cr−odd[11:2]の各々、HSYNC信号、VSYNC信号、FIELD信号及びCLOCK信号をシリアライズしたシリアル信号が伝送される。
図6に示す受信装置202は、2系統のリンクLa,Lbを有する信号伝送部30に接続された送信装置102から2次元画像信号S12と当該2次元画像信号S12の奥行き情報S22とを含む3次元画像信号ST2を受信するものである。受信装置202は、入力ポート21,22、位相調整部23、デシリアライザ24,25、YCビット合成部26及びMUXビット分解部27を有して構成される。3次元画像信号ST2は、2次元画像信号S12と当該2次元画像信号S12の奥行き情報S22とを含むものとする。
入力ポート21は、一端が信号伝送部30のリンクLaに接続され、他端が位相調整部23に接続され、リンクLaから、Yビット分離された一方の2次元画像信号S12を受信する。入力ポート22は、一端が信号伝送部30のリンクLbに接続され、他端が位相調整部23に接続され、リンクLbから多重された他方の2次元画像信号S12及び奥行き情報S22を受信する。
位相調整部23は、リンクLaから受信したシリアルビット構成の2次元画像信号S12と、リンクLbから受信したシリアルビット構成の2次元画像信号S12及び奥行き情報S22との位相を調整する。例えば、位相調整部23は、リンクLaとリンクLbの各信号に生じている位相ずれを解消する。位相ずれを解消する方法については、第1の実施形態で説明した通りである。
位相調整部23には、デシリアライザ24及び25が接続される。リンクLa及びリンクLbからのシリアル信号であって、位相調整後のシリアル信号は、位相調整部23からデシリアライザ24及び25へ出力される。この例では、各信号の位相が揃っているため、ビットの位相ずれが解消された状態であって、輝度信号Y[11:2]、偶数ピクセルの色差信号Cb−even[11:2]、偶数ピクセルの色差信号Cr−even[11:2]、奥行き情報S22の信号DPT[11:0]、奇数ピクセルの色差信号Cb−odd[11:2]、奇数ピクセルの色差信号Cr−odd[11:2]の各々がシリアル信号から抽出される。
デシリアライザ24は、位相調整部23によって位相調整されたリンクLaからのシリアルビット構成の2次元画像信号S12をパラレルビット構成の2次元画像信号S12に変換する。例えば、デシリアライザ24は、リンクLaからのシリアル信号であって、位相調整後のシリアル信号から、輝度信号Y[11:2]、偶数ピクセルの色差信号Cb−even[11:2]、偶数ピクセルの色差信号Cr−even[11:2]の各々、HSYNC信号、VSYNC信号、FIELD信号及びCLOCK信号を抽出して復元する。
デシリアライザ25は第2の信号処理部の一例を構成し、位相調整部23によって位相調整されたリンクLbからのシリアルビット構成の2次元画像信号S12及び奥行き情報S22をパラレルビット構成の2次元画像信号S12及び奥行き情報S22に変換する。
例えば、デシリアライザ25は、リンクLbからのシリアル信号であって、位相調整後のシリアル信号から、多重ビットMUX[9:0]、奇数ピクセルの色差信号Cb−odd[11:2]、奇数ピクセルの色差信号Cr−odd[11:2]の各々、HSYNC信号、VSYNC信号、FIELD信号及びCLOCK信号を抽出して復元する。受信装置202で、2次元画像信号S12から奥行き情報S22を抽出する手法については本発明の本質ではなく、いかなる手法を用いても良い。
デシリアライザ25には、ビット分解部の一例を構成するMUXビット分解部27が接続され、デシリアライザ25から出力されるパラレルビット構成の2次元画像信号S12と奥行き情報S22とを信号分解するようになされる。例えば、MUXビット分解部27は、MUX[9:0]のシリアル信号を分解し、分解したシリアル信号から、パリティビット、輝度信号Y[1:0]、偶数ピクセルと奇数ピクセルそれぞれの色差信号Cb[1:0]、偶数ピクセルと奇数ピクセルそれぞれの色差信号Cr[1:0]、奥行き情報S22を構成するビットが抽出される。
デシリアライザ24及びMUXビット分解部27には、信号合成部の一例を構成するYCビット合成部26が接続される。YCビット合成部26は、デシリアライザ24から出力されるパラレルビット構成の2次元画像信号S12と、MUXビット分解部27から出力されるパラレルビット構成の2次元画像信号S12とをYCビット合成する。例えば、YCビット合成部26は、輝度信号Y[11:2]、偶数ピクセルの色差信号Cb−even[11:2]、偶数ピクセルの色差信号Cr−even[11:2]、奇数ピクセルの色差信号Cb−odd[11:2]、奇数ピクセルの色差信号Cr−odd[11:2]、輝度信号Y[1:0]、偶数ピクセルと奇数ピクセルそれぞれの色差信号Cb[1:0]及び偶数ピクセルと奇数ピクセルそれぞれの色差信号Cr[1:0]の各々をビット合成して、元の輝度信号Y[11:0]、色差信号Cb[11:0]、色差信号Cr[11:0]を復元するようになされる。
この復元によって、輝度信号Y[11:0]、色差信号Cb[11:0]、色差信号Cr[11:0]から2次元画像信号S12が、信号DPT[11:0]から奥行き情報S22が生成されるため、3次元画像信号SR2に基づく3次元画像を表示できるようになる。当該受信装置202が3次元画像信号SR2を表示できる場合は、前述のように2次元画像信号S12と奥行き情報S22を両方受信することにより、ユーザは3次元画像信号SR2を鑑賞できるようになる。
図7、図8A及びBは、3次元画像信号伝送システム200のリンクLa及びリンクLbにおけるシリアル信号の伝送例(その1、2)を示すタイムチャートである。横軸は時間であり、横軸上の六角形はデータパケットを示している。この例でも、3次元画像信号ST2が20ビット(D[19:0])で表現される場合であって、図5及び図6に示した信号伝送部30のリンクLaには、輝度信号Y[11:2]、偶数ピクセルの色差信号Cb[11:2]及び偶数ピクセルの色差信号Cr[11:2]が割り振られる。
図7に示すリンクLaによれば、シリアル信号の上位10ビット(D[19:10])には、SAV区間には固定パターン(3FF 000 000 XYZ)が割り当てられる。SAV区間に続いてAV区間には、輝度信号Y0[11:2],Y1[11:2],Y2[11:2]・・・・Y1919[9:0]が割り当てられる。AV区間に続いてEAV区間には固定パターン(3FF 000 000 XYZ)が割り当てられる。
更に、シリアル信号の下位10ビット(D[9:0])において、SAV区間には固定パターン(3FF 000 000 XYZ)が割り当てられる。SAV区間に続いてAV区間には、偶数ピクセルの色差信号Cb0[11:2],Cr0[11:2],Cb2[11:2]・・・・Cr1918[11:2]が割り当てられる。AV区間に続いてEAV区間には固定パターン(3FF 000 000 XYZ)が割り当てられる。
また、図5及び図6に示した信号伝送部30のリンクLbには、奇数ピクセルの色差信号Cb[11:2]、奇数ピクセルの色差信号Cr[11:2]と、 輝度信号Y[1:0]、偶数ピクセルと奇数ピクセルそれぞれの色差信号Cb[1:0]、偶数ピクセルと奇数ピクセルそれぞれの色差信号Cr[1:0]及び奥行き情報S22の信号DPT[11:0]が割り当てられる。
図8Aに示すリンクLbによれば、シリアル信号の上位10ビット(D[19:10])には、リンクLaと同様にして、SAV区間には、固定パターン(3FF 000 000 XYZ)が割り当てられる。ここで、多重ビットをMUX[9:0]とすると、SAV区間に続いてAV区間には、輝度信号Y、色差信号Cb、色差信号Cr及び奥行き情報S22を成す多重ビットとしてMUX0[9:0],MUX1[9:0],MUX2[9:0]・・・・MUX1919[9:0]が割り当てられる。AV区間に続いてEAV区間には、固定パターン(3FF 000 000 XYZ)が割り当てられる。
更に、シリアル信号の下位10ビット(D[9:0])において、SAV区間には、固定パターン(3FF 000 000 XYZ)が割り当てられる。SAV区間に続いてAV区間には、奇数ピクセルの色差信号Cb1[11:2],Cr1[11:2],Cb3[11:2]・・・・Cr1919[11:2]が割り当てられる。AV区間に続いてEAV区間には、固定パターン(3FF 000 000 XYZ)が割り当てられる。
図8Bに示す多重ビットMUX[9:0]には、MSB側から上位2ビットがパリティビット、これに続く下位2ビットに輝度信号Y[1],[0]、更に続く下位2ビットに色差信号Cb[1],[0]、更に続く下位2ビットに色差信号Cr[1],[0]が各々割り当てられ、LSB側の最下位2ビットにはReserve領域が割り当てられる。Reserve領域には、奥行き情報S22の信号DPT[11:0]が割り当てられる。
この例では、多重ビットMUX[9:0]には、1ピクセル毎に2ビットのReserve領域が発生するので、この部分を奥行き情報S22に割り当てることができる。奥行き情報S22の信号DPT[11:0]のうちの必要なビットは、Reserve領域の2ビット単独に割り当てるようにするか、もしくは、複数ピクセル分を組み合わせた多ビット(例えば、4ピクセル分の計8ビット)に割り当てるようにすれば良い。このように、Reserve領域に対するビット割り当て方法に合わせて、奥行き情報S22の信号DPT[11:0]をReserve領域に割り当てることで、Link−Bに奥行き情報S22を重畳できるようになる。
これにより、送信装置102から受信装置202へリンクLaを利用して、輝度信号Y[11:2]、偶数ピクセルの色差信号Cb[11:2]及び偶数ピクセルの色差信号Cr[11:2]を伝送すること、及び、リンクLbを利用して、奇数ピクセルの色差信号Cb[11:2]、奇数ピクセルの色差信号Cr[11:2]、輝度信号Y[1:0]、偶数ピクセルと奇数ピクセルそれぞれの色差信号Cb[1:0]、偶数ピクセルと奇数ピクセルそれぞれの色差信号Cr[1:0]及び奥行き情報S22の信号DPT[11:0]を伝送することができる。
このように第2の実施形態としての3次元画像信号伝送システム200及び信号伝送方法によれば、2次元画像信号S12と2次元画像信号S12の奥行き情報S22とを含む3次元画像信号ST2を伝送する場合に、本発明に係る送信装置102及び受信装置202が応用されるので、デュアルリンク接続のシリアルディジタルインターフェースの一方のリンクLaで2次元画像信号S12を伝送できると共に、他方のリンクLbで2次元画像信号S12、かつ/または、奥行き情報S22を伝送できるようになる。
これにより、2次元画像信号S12の持つ階調度を低下させることなく、従来のデュアルリンク信号伝送系を用いて、2次元画像信号S12と2次元画像信号S12の奥行き情報S22とを含む3次元画像信号ST2を伝送することができる。
更に、片方のリンクLa又はLbのみが接続可能な画像表示装置であって、2次元画像信号S12のみが表示可能な画像表示装置においては、3次元画像信号ST2を受信した場合であっても、2次元画像信号S12のみを受信して表示可能となるような3次元画像信号ST2の伝送システムを構築できるようになる。
例えば、受信装置202が入力ポート21のみを具備している場合であって、リンクLaの信号のみが受信できる場合である。この場合、受信装置202は、輝度信号Y[11:2]、色差信号Cb−even[11:2]、色差信号Cr−even[11:2]の各々を受信しており、これら信号はYCbCr422方式の10ビットの色情報を有している。従って、ユーザは水平解像度1920ピクセル、垂直解像度1080ライン、YCbCr422方式の10ビットの2次元画像信号S12に基づくカラー画像を鑑賞できるようになる。
なお、先に述べた通り、奥行き情報S22の信号DPT[11:0]は、12ビット幅であり、例えば、最も奥側が「0」で最も手前側が「4096」のように表現されるものとする。但し、このビット幅は必要十分であればよく、必ずしも、12ビット幅に限定されるものではない。例えば、信号DPTのビット幅が8ビットで十分な場合は、リンクLbの上位10ビットD[19:10]の多重ビットMUX[9:0]のMSB側の8ビットを使用して奥行き情報S22を割り当てるなど、一部のビットのみを用いるようにしても良い。
<第3の実施形態>
[第3の3次元画像信号伝送システム]
図9は、本発明に係る第3の実施形態としての3次元画像信号伝送システム300の構成例(送信装置)、図10は、その構成例(受信装置)を各々示すブロック図である。図9及び図10に示す3次元画像信号伝送システム300は、信号伝送システムの一例を構成するものであり、第1及び第2の実施形態と同様にして、3次元画像表示処理を行うための3次元画像信号を記録再生装置等から画像表示装置へ伝送するものである。
3次元画像信号伝送システム300は、信号伝送部30、送信装置103及び受信装置203から構成される。送信装置103と受信装置203とは、第1及び第2の実施形態と同様にして信号伝送部30によって接続される。信号伝送部30は、リンクLa,Lbを有してデュアルリンク信号伝送系を構成する。リンクLa及びリンクLbには、輝度信号Y[11:0]、色差信号Cb[11:0]、色差信号Cr[11:0]及び奥行き情報S23の信号DPT[11:0]が割り振られる。
送信装置103は、第1及び第2の実施形態と同様にして、記録再生装置等の信号出力段に設けられ、YCビット分離部11、シリアライザ12,13及びMUXビット生成部14を有して構成される。送信装置103も、2系統の信号伝送部30に接続された受信装置203に、YCbCr422方式の2次元画像信号S13と当該2次元画像信号S13の奥行き情報S23とを含む3次元画像信号ST3を伝送する。
このYCbCr422方式の2次元画像信号S13によれば、水平解像度が1920ピクセルで、垂直解像度が1080ラインとなる画像表示装置に対応して12ビットのデータフォーマットで与えられる[Pixel Size: 1920×1080, Color Space: YCbCr422 12bit, image Format: 2D image+Depth, Format Rate: 30,29.97,25, 24, 23.98 progressive and Psf,: 60, 59.94 50 fields Interlace]。
奥行き情報S23によれば、水平解像度が1920ピクセルで、垂直解像度が1080ラインとなる画像表示装置に対応して、12ビットのデータフォーマットで与えられる。
YCビット分離部11は、信号分離部の一例を構成し、記録再生装置等から与えられるパラレルビット構成の2次元画像信号S13を入力してYCビット分離する。この例で、2次元画像信号S13等を構成する輝度信号Y、色差信号Cb及び色差信号Crや、奥行き情報S23を構成する信号DPT等の後に付与される数字は、各ラインにおけるピクセル番号を示すものとする。
例えば、送信装置103に3次元画像信号ST3が入力されると、YCビット分離部11は、2次元画像信号S13から、輝度信号Y[11:2]、偶数ピクセルの色差信号Cb−even[11:2]、偶数ピクセルの色差信号Cr−even[11:2]と、輝度信号Y[1:0]、偶数ピクセルの色差信号Cb−even[1:0]、偶数ピクセルの色差信号Cr−even[1:0]の各々を取り出すように動作する。
YCビット分離部11によって取り出された輝度信号Y[11:2]、偶数ピクセルの色差信号Cb−even[11:2]、偶数ピクセルの色差信号Cr−even[11:2]は、シリアライザ12に出力される。YCビット分離部11によって取り出された輝度信号Y[1:0]、偶数ピクセルの色差信号Cb−even[1:0]、偶数ピクセルの色差信号Cr−even[1:0]は、MUXビット生成部14に出力される。
MUXビット生成部14は、ビット生成部の一例を構成し、YCビット分離部11によってYCビット分離されたパラレルビット構成の2次元画像信号S13の奇数ピクセル又は及び偶数ピクセルに対して信号多重のための予約ビットを生成する。MUXビット生成部14では多重ビットMUX[9:0]が設けられ、多重ビットMUX[9:0]内には、予約(以下Reserveという)領域が設けられる(図12A, B及びC参照)。
この例で、3次元画像信号ST3から奥行き情報S23が取り出され、奥行き情報S23は信号DPT[11:0]で与えられ、この奥行き情報S23の信号DPT[11:0]は、12ビット幅であり、例えば、最も奥側が「0」で、最も手前側が「4096」のように表現されるものである。送信側で、3次元画像信号ST3から奥行き情報S23を抽出する手法については本発明の本質ではなく、いかなる手法を用いても良い。
YCビット分離部11には、シリアライザ12及びMUXビット生成部14が接続される。シリアライザ12は、YCビット分離部11によってYCビット分離されたパラレルビット構成の2次元画像信号S13をシリアルビット構成の2次元画像信号S13に変換してリンクLaに出力する。シリアライザ12はシリアルディジタルインターフェースを構成し、その出力端がリンクLaに接続される。この例で、信号伝送部30のリンクLaには、輝度信号Y[11:2]、偶数ピクセルの色差信号Cb−even[11:2]、偶数ピクセルの色差信号Cr−even[11:2]が割り振られる(図9参照)。
シリアライザ13は、YCビット分離後のパラレルビット構成の2次元画像信号S13及びパラレルビット構成の奥行き情報S23をシリアルビット構成の2次元画像信号S13及び奥行き情報S23に変換してリンクLbに出力する。シリアライザ13はシリアルディジタルインターフェースを構成し、その出力端がリンクLbに接続される。リンクLbには、例えば、奥行き情報S23の信号DPT[11:0]が割り当てられる。
上述のシリアライザ12やシリアライザ13等は、シリアルビット構成の2次元画像信号S13又は及び奥行き情報S23に、伝送先の電子機器、例えば、画像表示装置を制御するための制御信号Scを多重する。この例でも、HSYNC信号、VSYNC信号、FIELD信号及びCLOCK信号等の制御信号Scが重畳される。HSYNC信号、VSYNC信号、FIELD信号及びCLOCK信号は、2次元画像信号S13と奥行き情報S23とで共通している。信号伝送部30は、有線方式でも無線方式でも、どちらでもよい。
このように、送信装置103によれば、2系統のリンクLa,Lbを有する信号伝送部30に接続された受信装置203に、2次元画像信号S13と当該2次元画像信号S13の奥行き情報S23とを含む3次元画像信号ST3を伝送する場合に、デュアルリンク接続のシリアルディジタルインターフェースの一方のリンクLaで2次元画像信号S13を伝送できるようになると共に、他方のリンクLbで2次元画像信号S13、かつ/または、奥行き情報S23を伝送できるようになる。
この例で、信号伝送部30のリンクLaは、輝度信号Y[11:2]、偶数ピクセルの色差信号Cb−even[11:2]、偶数ピクセルの色差信号Cr−even[11:2]の各々、HSYNC信号、VSYNC信号、FIELD信号及びCLOCK信号をシリアライズしたシリアル信号が伝送される。リンクLbでは、輝度信号Y[1:0]、 偶数ピクセルの色差信号Cb−even[1:0]、偶数ピクセルの色差信号Cr−even[1:0]の各々などを多重した多重ビットMUX[9:0]、奥行き情報S23の信号DPT[11:0]、HSYNC信号、VSYNC信号、FIELD信号及びCLOCK信号をシリアライズしたシリアル信号が伝送される。
図10に示す受信装置203は、2系統のリンクLa,Lbを有する信号伝送部30に接続された送信装置103から2次元画像信号S13と当該2次元画像信号S13の奥行き情報S23とを含む3次元画像信号ST3を受信するものである。受信装置203は、入力ポート21,22、位相調整部23、デシリアライザ24,25、YCビット合成部26及びMUXビット分解部27を有して構成される。3次元画像信号ST3は、2次元画像信号S13と当該2次元画像信号S13の奥行き情報S23とを含むものとする。
入力ポート21は、一端が信号伝送部30のリンクLaに接続され、他端が位相調整部23に接続され、リンクLaから、Yビット分離された一方の2次元画像信号S13を受信する。入力ポート22は、一端が信号伝送部30のリンクLbに接続され、他端が位相調整部23に接続され、リンクLbから多重された他方の2次元画像信号S13及び奥行き情報S23を受信する。
位相調整部23は、リンクLaから受信したシリアルビット構成の2次元画像信号S13と、リンクLbから受信したシリアルビット構成の2次元画像信号S13及び奥行き情報S23との位相を調整する。例えば、位相調整部23は、リンクLaとリンクLbの各信号に生じている位相ずれを解消する。位相ずれを解消する方法については、第1及び第2の実施形態で説明した通りである。
位相調整部23には、デシリアライザ24及び25が接続される。リンクLa及びリンクLbからのシリアル信号であって、位相調整後のシリアル信号は、位相調整部23からデシリアライザ24及び25へ出力される。この例では、各信号の位相が揃っているため、ビットの位相ずれが解消された状態であって、輝度信号Y[11:2]、偶数ピクセルの色差信号Cb−even[11:2]、偶数ピクセルの色差信号Cr−even[11:2]、奥行き情報S23の信号DPT[11:0]、輝度信号Y[1:0]、 偶数ピクセルの色差信号Cb−even[1:0]、偶数ピクセルの色差信号Cr−even[1:0]の各々がシリアル信号から抽出される。
デシリアライザ24は、位相調整部23によって位相調整されたリンクLaからのシリアルビット構成の2次元画像信号S13をパラレルビット構成の2次元画像信号S13に変換する。例えば、デシリアライザ24は、リンクLaからのシリアル信号であって、位相調整後のシリアル信号から、輝度信号Y[11:2]、偶数ピクセルの色差信号Cb−even[11:2]、偶数ピクセルの色差信号Cr−even[11:2]の各々、HSYNC信号、VSYNC信号、FIELD信号及びCLOCK信号を抽出して復元する。
デシリアライザ25は第2の信号処理部の一例を構成し、位相調整部23によって位相調整されたリンクLbからのシリアルビット構成の2次元画像信号S13及び奥行き情報S23をパラレルビット構成の2次元画像信号S13及び奥行き情報S23に変換する。
例えば、デシリアライザ25は、リンクLbからのシリアル信号であって、位相調整後のシリアル信号から、輝度信号Y[1:0]、 偶数ピクセルの色差信号Cb−even[1:0]、偶数ピクセルの色差信号Cr−even[1:0]の各々などを多重した多重ビットMUX[9:0]、HSYNC信号、VSYNC信号、FIELD信号及びCLOCK信号を抽出して復元する。受信装置203で、2次元画像信号S13から奥行き情報S23を抽出する手法については本発明の本質ではなく、いかなる手法を用いても良い。
デシリアライザ25には、ビット分解部の一例を構成するMUXビット分解部27が接続され、デシリアライザ25から出力されるパラレルビット構成の2次元画像信号S13を奇数ピクセル又は及び偶数ピクセルに信号分解する。例えば、MUXビット分解部27は、MUX[9:0]のシリアル信号を分解し、分解したシリアル信号から、パリティビット、輝度信号Y[1:0]、偶数ピクセルの色差信号Cb−even[1:0]、偶数ピクセルの色差信号Cr−even[1:0]、奥行き情報S23を構成するビットが抽出される。
デシリアライザ24及びMUXビット分解部27には、信号合成部の一例を構成するYCビット合成部26が接続される。YCビット合成部26は、デシリアライザ24から出力されるパラレルビット構成の2次元画像信号S13と、MUXビット分解部27から出力されるパラレルビット構成の2次元画像信号S13とをYCビット合成する。
例えば、YCビット合成部26は、輝度信号Y[11:2]、偶数ピクセルの色差信号Cb−even[11:2]、偶数ピクセルの色差信号Cr−even[11:2]、輝度信号Y[1:0]、偶数ピクセルの色差信号Cb−even[1:0]、偶数ピクセルの色差信号Cr−even[1:0]の各々をビット合成して、元の輝度信号Y[11:0]、色差信号Cb[11:0]、色差信号Cr[11:0]を復元するようになされる。
この復元によって、輝度信号Y[11:0]、色差信号Cb[11:0]、色差信号Cr[11:0]から2次元画像信号S13が、信号DPT[11:0]から奥行き情報S23が生成されるため、3次元画像信号SR3に基づく3次元画像を表示できるようになる。当該受信装置203が3次元画像信号SR3を表示できる場合は、前述のように2次元画像信号S13と奥行き情報S23を両方受信することにより、ユーザは3次元画像信号SR3を鑑賞できるようになる。
図11、図12A〜Cは、3次元画像信号伝送システム300のLink−A及びBにおけるシリアル信号の伝送例(その1,2)を示すタイムチャートである。横軸は時間であり、横軸上の六角形はデータパケットを示している。この例でも、3次元画像信号ST3が20ビット(D[19:0])で表現される場合であって、図9及び図10に示した信号伝送部30のリンクLaには、輝度信号Y[11:2]、偶数ピクセルの色差信号Cb[11:2]及び偶数ピクセルの色差信号Cr[11:2]が割り振られる。
図11に示すリンクLaによれば、シリアル信号の上位10ビット(D[19:10])には、SAV区間には固定パターン(3FF 000 000 XYZ)が割り当てられる。SAV区間に続いてAV区間には、輝度信号Y0[11:2],Y1[11:2],Y2[11:2]・・・・Y1919[11:2]が割り当てられる。AV区間に続いてEAV区間には固定パターン(3FF 000 000 XYZ)が割り当てられる。
更に、シリアル信号の下位10ビット(D[9:0])において、SAV区間には固定パターン(3FF 000 000 XYZ)が割り当てられる。SAV区間に続いてAV区間には、偶数ピクセルの色差信号Cb0[11:2],Cr0[11:2],Cb2[11:2]・・・・Cr1918[11:2]が割り当てられる。AV区間に続いてEAV区間には固定パターン(3FF 000 000 XYZ)が割り当てられる。
図12Aに示すリンクLbによれば、シリアル信号の上位10ビット(D[19:10])には、リンクLaと同様にして、SAV区間には、固定パターン(3FF 000 000 XYZ)が割り当てられる。ここで、多重ビットをMUX[9:0]とすると、SAV区間に続いてAV区間には、輝度信号Y、色差信号Cb、色差信号Cr及び、他の信号を成す多重ビットとしてMUX0[9:0],MUX1[9:0],MUX2[9:0]・・・・MUX1919[9:0]が割り当てられる。AV区間に続いてEAV区間には、固定パターン(3FF 000 000 XYZ)が割り当てられる。
更に、シリアル信号の下位10ビット(D[9:0])において、SAV区間には固定パターン(3FF 000 000 XYZ)が割り当てられる。SAV区間に続いてAV区間には、奥行き情報S23の信号DPT0[11:2],DPT1[11:2],DPT2[11:2]・・・・DPT1919[11:2]が割り当てられる。AV区間に続いてEAV区間には固定パターン(3FF 000 000 XYZ)が割り当てられる。
図12Bに示す多重ビットMUXe[9:0]は、図12Aから抽出したもので、MSB側から上位2ビットにパリティビットが、これに続く下位2ビットには輝度信号Y[1],[0]が、更に続く下位2ビットには偶数ピクセルの色差信号Cb[1],[0]が、更に続く下位2ビットには偶数ピクセルの色差信号Cr[1],[0]が各々割り当てられ、LSB側の最下位2ビットにはReserve領域が割り当てられる。この例で、多重ビットMUXe[9:0]は偶数ピクセル目を示すものである。
図12Cに示す多重ビットMUXo[9:0]も、図12Aから抽出したもので、MSB側から上位2ビットにパリティビットが、これに続く下位2ビットには輝度信号Y[1],[0]が、更に続く下位6ビットにはReserve領域が各々割り当てられる。この例で、多重ビットMUXo[9:0]は奇数ピクセル目を示すものである。上述のReserve領域には、例えば、奥行き情報S23の信号DPT[11:0]の一部のビットや制御信号Sc等が割り当てられる。
この例では、多重ビットMUX[9:0]には、偶数ピクセル毎に2ビットのReserve領域が発生するので、この部分に奥行き情報S23の信号DPT[11:0]の一部のビットや制御信号Sc等を割り当てることができる。また、奇数ピクセル毎に6ビットのReserve領域が発生するので、この部分に奥行き情報S23の信号DPT[11:0]の一部のビットや制御信号Sc等を割り当てることができる。
これにより、送信装置103から受信装置203へリンクLaを利用して、輝度信号Y[11:2]、偶数ピクセルの色差信号Cb[11:2]及び偶数ピクセルの色差信号Cr[11:2]を伝送すること、及び、リンクLbを利用して、輝度信号Y[1:0]、偶数ピクセルの色差信号Cb[1:0]、偶数ピクセルの色差信号Cr[1:0]及び奥行き情報S23の信号DPT[11:0]を伝送することができる。
このように第3の実施形態としての3次元画像信号伝送システム300及び信号伝送方法によれば、2次元画像信号S13と2次元画像信号S13の奥行き情報S23とを含む3次元画像信号ST3を伝送する場合に、本発明に係る送信装置103及び受信装置203が応用されるので、デュアルリンク接続のシリアルディジタルインターフェースの一方のリンクLaで2次元画像信号S13を伝送できると共に、他方のリンクLbで2次元画像信号S13、かつ/または、奥行き情報S23を伝送できるようになる。
これにより、2次元画像信号S13の持つ階調度を低下させることなく、従来のデュアルリンク信号伝送系を用いて、2次元画像信号S13と2次元画像信号S13の奥行き情報S23とを含む3次元画像信号ST3を伝送することができる。
更に、片方のリンクLaのみが接続可能な画像表示装置であって、2次元画像信号S13のみが表示可能な画像表示装置においては、3次元画像信号ST3を受信した場合であっても、2次元画像信号S13のみを受信して表示可能となるような3次元画像信号ST3の伝送システムを構築できるようになる。
例えば、受信装置203が入力ポート21のみを具備している場合であって、リンクLaの信号のみが受信できる場合である。この場合、受信装置203は、輝度信号Y[11:2]、偶数ピクセルの色差信号Cb−even[11:2]、偶数ピクセルの色差信号Cr−even[11:2]の各々を受信しており、これら信号はYCbCr422方式の10ビットの色情報を有している。従って、ユーザは水平解像度1920ピクセル、垂直解像度1080ライン、YCbCr422方式の10ビットの2次元画像信号S13に基づくカラー画像を鑑賞できるようになる。
なお、先に述べた通り、奥行き情報S23の信号DPT[11:0]は、12ビット幅であり、例えば、最も奥側が「0」で最も手前側が「4096」のように表現されるものとする。但し、このビット幅は必要十分であればよく、必ずしも12ビット幅に限定されるものではない。例えば、本実施例のように、奥行き情報S23に関して、10ビットの信号DPT[11:2]のみを使用する場合は、シリアライザ13のデータD[9:0]に信号DPT[11:2]を割り当てれば良い。また、信号DPTのビット幅が8ビットで十分である場合は、そのデータD[11:2]のMSB側の8ビットのみを使用すれば良い。逆に、12ビットの幅が必要な場合は、D[11:2]以外にMUXe[1:0]を使用するなどの手法が考えられる。
11・・・YCビット分離部、12,13・・・シリアライザ、14・・・MUXビット生成部、21,22・・・入力ポート、23・・・位相調整部、24,25・・・デシリアライザ、26・・・YCビット合成部、27・・・MUXビット分離部、30・・・信号伝送部(信号伝送系:リンクLa,リンクLb)、101,102,103・・・送信装置、201,202,203・・・受信装置、100,200,300・・・3次元画像信号伝送システム