以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明を適用したAV(Audio Visual)システムの一実施の形態の構成例を示している。
図1において、AVシステムは、HD(Hard Disk)レコーダ41及びディスプレイ42から構成され、HDレコーダ41とディスプレイ42とは、HDMI(R)用のケーブル43を介して接続されている。
HDレコーダ41は、記録再生部51、コーデック52、HDMI(R)ソース53、及びHD54から構成され、HD54に対するデータの記録や再生を行う。
すなわち、記録再生部51は、コーデック52から供給される、画像とそれに付随する音声のベースバンドのデータをMPEG(Moving Picture Experts Group)方式等でエンコードして得られるエンコードデータを、HD54に記録する。また、記録再生部51は、HD54からエンコードデータを再生し(読み出し)、コーデック52に供給する。
コーデック52は、記録再生部51から供給されるエンコードデータを、ベースバンドの画像と音声のデータにMPEG方式等でデコードし、そのベースバンドの画像と音声のデータを、HDMI(R)ソース53や図示せぬ外部の装置に供給する。
また、コーデック52は、例えば、図示せぬ外部の装置から供給されるベースバンドの画像と音声のデータを、エンコードデータにエンコードし、そのエンコードデータを、記録再生部51に供給する。
HDMI(R)ソース53は、HDMI(R)に準拠した通信により、コーデック52から供給されるベースバンドの画像と音声のデータを、ケーブル43を介して、ディスプレイ42に一方向に送信する。
ディスプレイ42は、HDMI(R)シンク61、表示制御部62、及び表示部63から構成され、画像の表示等を行う。
すなわち、HDMI(R)シンク61は、HDMI(R)に準拠した通信により、ケーブル43を介して接続されているHDレコーダ41のHDMI(R)ソース53から一方向に送信されてくるベースバンドの画像と音声のデータを受信し、そのうちの画像のデータを、表示部62に供給する。なお、HDMI(R)シンク61が受信した音声のデータは、例えば、ディスプレイ42が内蔵する図示せぬスピーカに供給されて出力される。
表示制御部62は、HDMI(R)シンク61から供給されるベースバンドの画像のデータに基づき、表示部63を制御(駆動)し、これにより、表示部63に、対応する画像を表示させる。
表示部63は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)や、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)等で構成され、表示制御部62の制御にしたがって、画像を表示する。
以上のように構成される図1のAVシステムでは、例えば、ユーザが、HD54を再生するように、HDレコーダ41を操作すると、記録再生部51が、HD54からエンコードデータを再生し、コーデック52に供給する。
コーデック52は、記録再生部51から供給されるエンコードデータを、ベースバンドの画像と音声のデータにデコードし、そのベースバンドの画像と音声のデータを、HDMI(R)ソース53に供給する。
HDMI(R)ソース53は、HDMI(R)に準拠した通信により、コーデック52から供給されるベースバンドの画像と音声のデータを、ケーブル43を介して、ディスプレイ42に一方向に送信する。
ディスプレイ42では、HDMI(R)シンク61が、HDMI(R)に準拠した通信により、ケーブル43を介して接続されているHDレコーダ41のHDMI(R)ソース53から一方向に送信されてくるベースバンドの画像と音声のデータを受信し、そのうちの画像のデータを、表示制御部62に供給するとともに、音声のデータを、図示せぬスピーカに供給する。
表示制御部62は、HDMI(R)シンク61から供給される画像のデータに基づき、表示部63を制御し、これにより、表示部63では、対応する画像が表示される。
図2は、図1のHDMI(R)ソース53とHDMI(R)シンク61の構成例を示している。
HDMI(R)ソース53は、1の垂直同期信号から次の垂直同期信号までの区間(以下、適宜、ビデオフィールドという)から、水平帰線区間及び垂直帰線区間を除いた区間である有効画像区間(以下、適宜、アクティブビデオ区間ともいう)において、非圧縮の1画面分の画像の画素データに対応する差動信号を、複数のチャンネルで、HDMI(R)シンク61に一方向に送信するとともに、水平帰線区間又は垂直帰線区間において、画像に付随する音声データや制御パケット(Control Packet)その他の補助データ等に対応する差動信号を、複数のチャンネルで、HDMI(R)シンクに一方向に送信する。
すなわち、HDMI(R)ソース53は、ソース信号処理部71及びトランスミッタ72を有する。
ソース信号処理部71には、コーデック52(図1)等から、ベースバンドの非圧縮の画像(Video)や音声(Audio)のデータが供給される。ソース信号処理部71は、そこに供給される画像や音声のデータに必要な処理を施し、トランスミッタ72に供給する。また、ソース信号処理部71は、トランスミッタ72との間で、必要に応じて、制御用の情報やステータスを知らせる情報(Control/Status)等をやりとりする。
トランスミッタ72は、ソース信号処理部71から供給される画像の画素データを、対応する差動信号に変換し、複数のチャンネルである3つのTMDSチャンネル#0,#1,#2で、ケーブル43を介して接続されているHDMI(R)シンク61に、一方向にシリアル伝送する。
さらに、トランスミッタ72は、ソース信号処理部71から供給される、非圧縮の画像に付随する音声データや制御パケットその他の補助データ(auxiliary data)と、垂直同期信号(VSYNC)や水平同期信号(HSYNC)等の制御データ(control data)とを、対応する差動信号に変換し、3つのTMDSチャンネル#0,#1,#2で、ケーブル43を介して接続されているHDMI(R)シンク61に、一方向にシリアル伝送する。
また、トランスミッタ72は、3つのTMDSチャンネル#0,#1,#2で送信する画素データに同期したピクセルクロックを、TMDSクロックチャンネルで、ケーブル43を介して接続されているHDMI(R)シンク61に送信する。
HDMI(R)シンク61は、アクティブビデオ区間において、複数のチャンネルで、HDMI(R)ソース53から一方向に送信されてくる、画素データに対応する差動信号を受信するとともに、水平帰線区間及び垂直帰線区間において、複数のチャンネルで、HDMI(R)ソースから一方向に送信されてくる、補助データや制御データに対応する差動信号を受信する。
すなわち、HDMI(R)シンク61は、レシーバ81及びシンク信号処理部82を有する。
レシーバ81は、TMDSチャンネル#0,#1,#2で、ケーブル43を介して接続されているHDMI(R)ソース53から一方向に送信されてくる、画素データに対応する差動信号と、補助データや制御データに対応する差動信号を、同じくHDMI(R)ソース53からTMDSクロックチャンネルで送信されてくるピクセルクロックに同期して受信する。
さらに、レシーバ81は、差動信号を、対応する画素データや、補助データ、制御データに変換し、必要に応じて、シンク信号処理部82に供給する。
シンク信号処理部82は、レシーバ81から供給されるデータに必要な処理を施し、表示制御部62等に供給する。その他、シンク信号処理部82は、レシーバ81との間で、必要に応じて、制御用の情報やステータスを知らせる情報(Control/Status)等をやりとりする。
HDMI(R)の伝送チャンネルには、HDMI(R)ソース53からHDMI(R)シンク61に対して、画素データ、補助データ、及び制御データを、ピクセルクロックに同期して、一方向にシリアル伝送するための伝送チャンネルとしての3つのTMDSチャンネル#0ないし#2と、ピクセルクロックを伝送する伝送チャンネルとしてのTMDSクロックチャンネルとの他に、DDC(Display Data Channel)やCECラインと呼ばれる伝送チャンネルがある。
DDCは、HDMI(R)ソース53が、ケーブル43を介して接続されたHDMI(R)シンク61から、E-EDID(Enhanced Extended Display Identification Data)を読み出すのに使用される。
すなわち、HDMI(R)シンク61は、レシーバ81の他に、自身の性能(configuration/capability)に関する性能情報であるE-EDIDを記憶しているEDID ROM(Read Only Memory)(図示せず)を有している。HDMI(R)ソース53は、ケーブル43を介して接続されているHDMI(R)シンク61から、そのHDMI(R)シンク61のE-EDIDを、DDCを介して読み出し、そのE-EDIDに基づき、HDMI(R)シンク61の性能や設定、すなわち、例えば、HDMI(R)シンク61(を有する電子機器)が対応している画像のフォーマット(プロファイル)(例えば、RGB(Red,Green,Blue)や、YCBCR4:4:4,YCBCR4:2:2)などを認識する。
なお、HDMI(R)ソース53も、HDMI(R)シンク61と同様に、E-EDIDを記憶し、必要に応じて、そのE-EDIDを、HDMI(R)シンク61に送信することができる。
CECラインは、HDMI(R)ソース53とHDMI(R)リンク2との間で、制御用のデータの双方向通信を行うのに用いられる。
図3は、図2のトランスミッタ72とレシーバ81の構成例を示している。
トランスミッタ72は、3つのTMDSチャンネル#0ないし#2にそれぞれ対応する3つのエンコーダ/シリアライザ72A,72B、及び72Cを有する。そして、エンコーダ/シリアライザ72A,72B、及び72Cのそれぞれは、そこに供給される画素データや、補助データ、制御データをエンコードし、パラレルデータからシリアルデータに変換して、差動信号により送信する。
ここで、画素データが、例えば、R,G,Bの3成分を有する場合には、B成分(B component)はエンコーダ/シリアライザ72Aに、G成分(G component)はエンコーダ/シリアライザ72Bに、R成分(R component)はエンコーダ/シリアライザ72Cに、それぞれ供給される。
また、補助データとしては、例えば、音声データや制御パケットがあり、制御パケットは、例えばエンコーダ/シリアライザ72Aに、音声データは、例えばエンコーダ/シリアライザ72B及び72Cに、それぞれ供給される。
さらに、制御データとしては、1ビットの垂直同期信号(VSYNC)、1ビットの水平同期信号(HSYNC)、及び、それぞれ1ビットの制御ビットCTL0,CTL1,CTL2,CTL3があり、垂直同期信号及び水平同期信号はエンコーダ/シリアライザ72Aに、制御ビットCTL0及びCTL1はエンコーダ/シリアライザ72Bに、制御ビットCTL2及びCTL3はエンコーダ/シリアライザ72Cに、それぞれ供給される。
エンコーダ/シリアライザ72Aは、そこに供給される画素データのB成分、垂直同期信号及び水平同期信号、並びに補助データを、時分割で送信する。
すなわち、エンコーダ/シリアライザ72Aは、そこに供給される画素データのB成分を、固定のビット数である8ビット単位のパラレルデータとする。さらに、エンコーダ/シリアライザ72Aは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャンネル#0で送信する。
また、エンコーダ/シリアライザ72Aは、そこに供給される垂直同期信号及び水平同期信号の2ビットのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャンネル#0で送信する。
さらに、エンコーダ/シリアライザ72Aは、そこに供給される補助データを4ビット単位のパラレルデータとする。そして、エンコーダ/シリアライザ72Aは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャンネル#0で送信する。
エンコーダ/シリアライザ72Bは、そこに供給される画素データのG成分、制御ビットCTL0及びCTL1、並びに補助データを、時分割で送信する。
すなわち、エンコーダ/シリアライザ72Bは、そこに供給される画素データのG成分を、固定のビット数である8ビット単位のパラレルデータとする。さらに、エンコーダ/シリアライザ72Bは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャンネル#1で送信する。
また、エンコーダ/シリアライザ72Bは、そこに供給される制御ビットCTL0及びCTL1の2ビットのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャンネル#1で送信する。
さらに、エンコーダ/シリアライザ72Bは、そこに供給される補助データを4ビット単位のパラレルデータとする。そして、エンコーダ/シリアライザ72Bは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャンネル#1で送信する。
エンコーダ/シリアライザ72Cは、そこに供給される画素データのR成分、制御ビットCTL2及びCTL3、並びに補助データを、時分割で送信する。
すなわち、エンコーダ/シリアライザ72Cは、そこに供給される画素データのR成分を、固定のビット数である8ビット単位のパラレルデータとする。さらに、エンコーダ/シリアライザ72Cは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャンネル#2で送信する。
また、エンコーダ/シリアライザ72Cは、そこに供給される制御ビットCTL2及びCTL3の2ビットのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャンネル#2で送信する。
さらに、エンコーダ/シリアライザ72Cは、そこに供給される補助データを4ビット単位のパラレルデータとする。そして、エンコーダ/シリアライザ72Cは、そのパラレルデータをエンコードし、シリアルデータに変換して、TMDSチャンネル#2で送信する。
レシーバ81は、3つのTMDSチャンネル#0ないし#2にそれぞれ対応する3つのリカバリ/デコーダ81A,81B、及び81Cを有する。そして、リカバリ/デコーダ81A,81B、及び81Cのそれぞれは、TMDSチャンネル#0ないし#2で差動信号により送信されてくる画素データや、補助データ、制御データを受信する。さらに、リカバリ/デコーダ81A,81B、及び81Cのそれぞれは、画素データや、補助データ、制御データを、シリアルデータからパラレルデータに変換し、さらにデコードして出力する。
すなわち、リカバリ/デコーダ81Aは、TMDSチャンネル#0で差動信号により送信されてくる画素データのB成分や、垂直同期信号及び水平同期信号、補助データを受信する。そして、リカバリ/デコーダ81Aは、その画素データのB成分や、垂直同期信号及び水平同期信号、補助データを、シリアルデータからパラレルデータに変換し、デコードして出力する。
リカバリ/デコーダ81Bは、TMDSチャンネル#1で差動信号により送信されてくる画素データのG成分や、制御ビットCTL0及びCTL1、補助データを受信する。そして、リカバリ/デコーダ81Bは、その画素データのG成分や、制御ビットCTL0及びCTL1、補助データを、シリアルデータからパラレルデータに変換し、デコードして出力する。
リカバリ/デコーダ81Cは、TMDSチャンネル#2で差動信号により送信されてくる画素データのR成分や、制御ビットCTL2及びCTL3、補助データを受信する。そして、リカバリ/デコーダ81Cは、その画素データのR成分や、制御ビットCTL2及びCTL3、補助データを、シリアルデータからパラレルデータに変換し、デコードして出力する。
図4は、HDMI(R)の3つのTMDSチャンネル#0ないし#2で各種の伝送データが伝送される伝送区間(期間)の例を示している。
なお、図4は、TMDSチャンネル#0ないし#2において、横×縦が720×480画素のプログレッシブの画像が伝送される場合の、各種の伝送データの伝送区間を示している。
HDMI(R)の3つのTMDSチャンネル#0ないし#2で伝送データが伝送されるビデオフィールド(Video Field)には、伝送データの種類に応じて、ビデオデータ区間(Video Data period)、データアイランド区間(Data Island period)、及びコントロール区間(Control period)の3種類の区間が存在する。
ここで、ビデオフィールドは、1の垂直同期信号(の立ち上がりエッジ(active edge))から次の垂直同期信号までの区間であり、水平帰線区間(horizontal blanking)、垂直帰線区間(vertical blanking)、並びに、ビデオフィールドから水平帰線区間及び垂直帰線区間を除いた区間であるアクティブビデオ区間(Active Video)に分けられる。
ビデオデータ区間(図4において左上り(右下り)の斜線を付してある部分)は、アクティブビデオ区間に割り当てられ、ビデオデータ区間では、非圧縮の1画面分の画像の画素(有効画素(active pixel))データが伝送される。
データアイランド区間(図4において右上り(左下り)の斜線を付してある部分)、及びコントロール区間(図4において縦方向の線を付してある部分)は、水平帰線区間と垂直帰線区間に割り当てられ、データアイランド区間及びコントロール区間では、補助データ(auxiliary data)が伝送される。
すなわち、データアイランド区間は、水平帰線区間と垂直帰線区間の一部分に割り当てられ、データアイランド区間では、補助データのうちの、制御に関係しないデータである、例えば、音声データのパケット等が伝送される。
コントロール区間は、水平帰線区間と垂直帰線区間の他の部分に割り当てられ、コントロール区間では、補助データのうちの、制御に関係するデータである、例えば、垂直同期信号及び水平同期信号や、制御パケット等が伝送される。
ここで、現行のHDMI(R)、すなわち、HDMI(R)の最新の仕様書である"High-Definition Multimedia Interface Specification Version 1.2a", December 14, 2005では、TDMSクロックチャンネル(図2)で伝送されるピクセルクロックの周波数は、例えば、165MHzであり、この場合、データアイランド区間の伝送レートは、約500Mbps程度である。
上述したように、データアイランド区間及びコントロール区間では、いずれも、補助データが伝送されるが、その区別は、制御ビットCTL0,CTL1によって行われる。
すなわち、図5は、制御ビットCTL0,CTL1と、データアイランド区間及びコントロール区間との関係を示している。
制御ビットCTL0,CTL1は、例えば、図5上から1番目に示すように、デバイスイネーブル(device enable)状態と、デバイスディセーブル(device disable)状態との2つの状態を表すことができる。なお、図5上から1番目では、デバイスイネーブル状態をH(High)レベルで表してあり、デバイスディセーブル状態をL(Low)レベルで表してある。
制御ビットCTL0,CTL1は、データアイランド区間では、デバイスディセーブル状態となり、コントロール区間では、デバイスイネーブル状態となり、これにより、データアイランド区間とコントロール区間とが区別される。
そして、制御ビットCTL0,CTL1がデバイスディセーブル状態としてのLレベルとなるデータアイランド区間では、図5上から2番目に示すように、補助データのうちの、制御に関係しないデータである、例えば、音声データ等が伝送される。
一方、制御ビットCTL0,CTL1がデバイスイネーブル状態としてのHレベルとなるコントロール区間では、図5上から3番目に示すように、補助データのうちの、制御に関係するデータである、例えば、制御パケットやプリアンブル等が伝送される。
その他、コントロール区間では、図5上から4番目に示すように、垂直同期信号及び水平同期信号も伝送される。
次に、図6を参照して、現行のHDMI(R)、すなわち、HDMI(R)の最新の仕様書である"High-Definition Multimedia Interface Specification Version 1.2a", December 14, 2005で規定されている画素データの伝送について説明する。
図6は、現行のHDMI(R)のビデオデータ区間において伝送される画像の画素データの伝送のタイミングを表すタイミングチャートである。
なお、現行のHDMI(R)では、RGB4:4:4,YCBCR4:4:4、及びYCBCR4:2:2の3つのフォーマットの画像の画素データを、TMDSチャンネル#0ないし#2で送信することができるが、以下では、上述の3つのフォーマットのうちの、例えば、RGB4:4:4を例に説明をする。
HDMI(R)において採用されているコンテンツのコピーを防止する技術であるHDCPでは、データに、8ビット単位でスクランブルがかけられる。このため、1つのTMDSチャンネルでは、ピクセルクロックの1クロックあたりに、固定のビット数単位、つまり、HDCPの処理の対象となる8ビット単位で、データが伝送される。
以上のように、1つのTMDSチャンネルでは、ピクセルクロックの1クロックあたりに、8ビットのデータが伝送されるので、3つのTMDSチャンネル#0ないし#2によれば、1クロックあたりに、24ビットのデータを伝送することができる。
そこで、現行のHDMI(R)では、RGB4:4:4の画像としての、各画素のR成分、G成分、及びB成分のそれぞれが8ビットの24ビット画像が、3つのTMDSチャンネル#0ないし#2で伝送される。
すなわち、現行のHDMI(R)では、図6に示すように、ピクセルクロックの1クロックにつき、24ビット画像の1画素の画素データのうちの8ビットのB成分がTMDSチャンネル#0で、8ビットのG成分がTMDSチャンネル#1で、8ビットのR成分がTMDSチャンネル#2で、それぞれ伝送される。
ところで、前述したように、近年、より階調の高い画像、つまり、R成分、G成分、及びB成分のそれぞれが、8ビットより大の10ビットや12ビット等の多ビットの画素データからなる高階調画像を伝送することの要請が高まっている。
現行のHDMI(R)では、上述したように、24ビット画像の伝送が、1つのTMDSチャンネルにおいて、ピクセルクロックの1クロックあたりに、8ビットのデータを伝送することによって行われているから、高階調画像の伝送は、単純には、1つのTMDSチャンネルにおいて、ピクセルクロックの1クロックあたりに、8ビットより大の、例えば、10ビットや12ビットのデータを伝送することによって行うことができる。
しかしながら、上述したように、HDMI(R)において採用されているコンテンツのコピーを防止する技術であるHDCPでは、データに、8ビット単位でスクランブルがかけられるため、1つのTMDSチャンネルにおいて、ピクセルクロックの1クロックあたりに、8ビット以外のビット数単位で、データを伝送することとすると、HDCPを適用することが困難になり、その結果、HDMI(R)に準拠したデータ伝送を行うことが困難になる。
そこで、現行のHDMI(R)では、上述したように、165MHzの周波数のピクセルクロックが採用されているが、このピクセルクロックとして、より高い周波数のピクセルクロックを採用することにより、1つのTMDSチャンネルにおいて、ピクセルクロックの1クロックあたりに、固定の8ビット単位のデータを伝送して、HDCPの適用を可能としながら、高階調画像の伝送も可能とすることができる。
例えば、ピクセルクロックの周波数を、24ビット画像を伝送する場合の165MHzの5/4倍とすることによって、R成分、G成分、及びB成分のそれぞれが、10ビットの高階調画像(以下、適宜、30ビット(=10ビット×3)画像ともいう)を伝送することができる。
すなわち、図7は、HDMI(R)のビデオデータ区間において30ビット画像を伝送する場合の画素データの伝送のタイミングを表すタイミングチャートである。
30ビット画像の伝送は、B成分がTMDSチャンネル#0で、G成分がTMDSチャンネル#1で、R成分がTMDSチャンネル#2で、それぞれ伝送される点、及びピクセルクロックの1クロックにつき、8ビットのデータが伝送される点において、24ビット画像の伝送と共通する。
但し、24ビット画像の伝送では、1画素の1つの成分(R成分、G成分、又はB成分)が8ビットであるために、その8ビットの成分が、ピクセルクロックの1クロックで伝送されるのに対して、30ビット画像の伝送では、1画素の1つの成分が10ビットであるために、その10ビットの成分が、ピクセルクロックの複数クロックに亘って伝送される点で、30ビット画像の伝送は、24ビット画像の伝送と異なる。
すなわち、いま、10ビットの成分のLSB(Least Significant Bit)からMSB(Most Significant Bit)までを、b0ないしb9で表すこととする。また、画像を構成する画素の、ラスタスキャン順で、i番目の画素のR成分、G成分、又はB成分を、それぞれ、R#i-1成分、G#i-1成分又はB#i-1と表すとともに、ピクセルクロックのあるクロック(パルス)を基準として、j番目のクロックを、クロック#j-1ということとする。
この場合、B成分については、図7に示すように、10ビットのB#0成分のうちの下位8ビットb0ないしb7が、クロック#0で伝送され、10ビットのB#0成分のうちの残りの上位2ビットb8及びb9と、次の画素の10ビットのB#1成分のうちの下位6ビットb0ないしb5との合計8ビットが、クロック#1で伝送される。
さらに、10ビットのB#1成分のうちの残りの上位4ビットb6ないしb9と、次の画素の10ビットのB#2成分のうちの下位4ビットb0ないしb3との合計8ビットが、クロック#2で伝送され、10ビットのB#2成分のうちの残りの上位6ビットb4ないしb9と、次の画素の10ビットのB#3成分のうちの下位2ビットb0及びb1との合計で8ビットが、クロック#3で伝送される。
そして、10ビットのB#3成分のうちの残りの上位8ビットb2ないしb9が、クロック#4で伝送される。
以上のように、4画素のB成分であるB#0ないしB#3成分が、クロック#0ないし#4の5クロックで伝送され、以下、同様にして、4画素のB成分が5クロックで伝送される。
24ビット画像については、図6で説明したように、8ビットのB成分が、1クロックで伝送されるが、30ビット画像については、10ビットのB成分の4画素分が、5クロックで伝送される。したがって、30ビット画像については、B成分を、24ビット画像の5/4倍の周波数のピクセルクロックを使用して伝送することにより、30ビット画像の1フレームを、24ビット画像の1フレームと同一の時間で伝送することができる。
なお、30ビット画像のB成分以外の成分、つまり、G成分及びR成分も、B成分と同様に伝送される。
また、30ビット画像の伝送では、5クロックで4画素の画素データを伝送することを、いわば伝送単位として、その伝送単位が繰り返されるが、この伝送単位におけるクロックを、フェーズ(Phase)ということとすると、30ビット画像の伝送単位は、5つのフェーズからなる。
次に、ピクセルクロックの周波数を、より高くすることによって、30ビット画像よりも高い階調の高階調画像、すなわち、R成分、G成分、及びB成分のそれぞれが、例えば、12ビットの高階調画像(以下、適宜、36ビット(=12ビット×3)画像ともいう)や、R成分、G成分、及びB成分のそれぞれが、例えば、16ビットの高階調画像(以下、適宜、48ビット(=16ビット×3)画像ともいう)等を伝送することが可能となる。
具体的には、例えば、ピクセルクロックの周波数を、24ビット画像を伝送する場合の165MHzの3/2倍とすることによって、R成分、G成分、及びB成分のそれぞれが、12ビットの36ビット画像を伝送することができる。
すなわち、図8は、HDMI(R)のビデオデータ区間において36ビット画像を伝送する場合の画素データの伝送のタイミングを表すタイミングチャートである。
36ビット画像の伝送は、B成分がTMDSチャンネル#0で、G成分がTMDSチャンネル#1で、R成分がTMDSチャンネル#2で、それぞれ伝送される点、及びピクセルクロックの1クロックにつき、8ビットのデータが伝送される点において、24ビット画像の伝送と共通する。
但し、24ビット画像の伝送では、1画素の1つの成分が8ビットであるために、その8ビットの成分が、ピクセルクロックの1クロックで伝送されるのに対して、36ビット画像の伝送では、1画素の1つの成分が12ビットであるために、その12ビットの成分が、ピクセルクロックの複数クロックに亘って伝送される点で、36ビット画像の伝送は、24ビット画像の伝送と異なる。
すなわち、いま、12ビットの成分のLSBからMSBまでを、b0ないしb11で表すこととすると、B成分については、図8に示すように、12ビットのB#0成分のうちの下位8ビットb0ないしb7が、クロック#0で伝送され、12ビットのB#0成分のうちの残りの上位4ビットb8ないしb11と、次の画素の12ビットのB#1成分のうちの下位4ビットb0ないしb3との合計8ビットが、クロック#1で伝送される。
そして、12ビットのB#1成分のうちの残りの上位8ビットb4ないしb11が、クロック#2で伝送される。
以上のように、2画素のB成分であるB#0及びB#1成分が、クロック#0ないし#2の3クロックで伝送され、以下、同様にして、2画素のB成分が3クロックで伝送される。
24ビット画像については、図6で説明したように、8ビットのB成分が、1クロックで伝送されるが、36ビット画像については、12ビットのB成分の2画素分が、3クロックで伝送される。したがって、36ビット画像については、B成分を、24ビット画像の3/2倍の周波数のピクセルクロックを使用して伝送することにより、36ビット画像の1フレームを、24ビット画像の1フレームと同一の時間で伝送することができる。
なお、36ビット画像のB成分以外の成分、つまり、G成分及びR成分も、B成分と同様に伝送される。
また、36ビット画像の伝送では、3クロックで2画素の画素データを伝送することを、伝送単位として、その伝送単位が繰り返される。したがって、36ビット画像の伝送単位は、3つのフェーズからなる。
次に、R成分、G成分、及びB成分のそれぞれが、16ビットの48ビット画像の伝送は、ピクセルクロックの周波数を、24ビット画像を伝送する場合の165MHzの2倍とすることによって行うことができる。
すなわち、図9は、HDMI(R)のビデオデータ区間において48ビット画像を伝送する場合の画素データの伝送のタイミングを表すタイミングチャートである。
48ビット画像の伝送は、B成分がTMDSチャンネル#0で、G成分がTMDSチャンネル#1で、R成分がTMDSチャンネル#2で、それぞれ伝送される点、及びピクセルクロックの1クロックにつき、8ビットのデータが伝送される点において、24ビット画像の伝送と共通する。
但し、24ビット画像の伝送では、1画素の1つの成分が8ビットであるために、その8ビットの成分が、ピクセルクロックの1クロックで伝送されるのに対して、48ビット画像の伝送では、1画素の1つの成分が16ビットであるために、その16ビットの成分が、ピクセルクロックの複数クロックに亘って伝送される点で、48ビット画像の伝送は、24ビット画像の伝送と異なる。
すなわち、いま、16ビットの成分のLSBからMSBまでを、b0ないしb15で表すこととすると、B成分については、図9に示すように、16ビットのB#0成分のうちの下位8ビットb0ないしb7が、クロック#0で伝送され、16ビットのB#0成分のうちの残りの上位8ビットb8ないしb15が、クロック#1で伝送される。
以上のように、1画素のB成分であるB#0成分が、クロック#0及び#1の2クロックで伝送され、以下、同様にして、1画素のB成分が2クロックで伝送される。
24ビット画像については、図6で説明したように、8ビットのB成分が、1クロックで伝送されるが、48ビット画像については、16ビットのB成分の1画素分が、2クロックで伝送される。したがって、48ビット画像については、B成分を、24ビット画像の2倍の周波数のピクセルクロックを使用して伝送することにより、48ビット画像の1フレームを、24ビット画像の1フレームと同一の時間で伝送することができる。
なお、48ビット画像のB成分以外の成分、つまり、G成分及びR成分も、B成分と同様に伝送される。
また、48ビット画像の伝送では、2クロックで1画素の画素データを伝送することを、伝送単位として、その伝送単位が繰り返される。したがって、48ビット画像の伝送単位は、2つのフェーズからなる。
以上のように、ピクセルクロックの周波数を、例えば、24ビット画像を伝送する場合の5/4倍や、3/2倍、2倍とする周波数の調整を行うことによって、現行のHDMI(R)のTMDSチャンネルがピクセルクロックの1クロックあたりに伝送する固定のビット数である8ビットより多い10ビットや、12ビット、16ビットが各成分に割り当てられている画素データの伝送、すなわち、30ビット画像や、36ビット画像、48ビット画像といった高階調画像の伝送を、現行のHDMI(R)のTMDSチャンネルをそのまま利用して行うことができる。
したがって、現行のHDMI(R)において、24ビット画像の伝送が行われることを考慮すると、ピクセルクロックの周波数を調整することにより、現行のHDMI(R)のTMDSチャンネルがピクセルクロックの1クロックあたりに伝送する固定のビット数である8ビット以上のビット数が各成分に割り当てられている画素データの伝送、すなわち、例えば、24ビット画像の他、30ビット画像や、36ビット画像、48ビット画像といった高階調画像の伝送を、現行のHDMI(R)のTMDSチャンネルをそのまま利用して行うことができる。
いま、24ビット画像の他に、高階調画像の伝送を現行のHDMI(R)のTMDSチャンネルをそのまま利用して行うことができる通信インタフェースを、特に、ディープカラー(deep color)HDMI(R)と呼ぶこととすると、例えば、ディープカラーHDMI(R)に準拠したHDMI(R)ソースが、高階調画像の伝送を行う場合には、まず、通信相手であるHDMI(R)シンクがディープカラーHDMI(R)に対応(準拠)しているかどうかを認識する必要がある。
ここで、HDMI(R)シンクがディープカラーHDMI(R)に対応しているかどうかは、例えば、そのHDMI(R)シンクの性能に関する性能情報であるE-EDIDに記述しておく(含めておく)ことができる。
すなわち、図10は、E-EDIDにおけるVSDB(Vender Specific Definition Bit)を示している。
現行のHDMI(R)では、VSDBのByte#6のLSBから5,6,7ビット目のビット#4,#5,#6は、未使用(Reserved)になっているが、図10では、そのビット#4,#5,#6に、それぞれ、ビットSuport_30bit,Suport_36bit,Suport_48bitが割り当てられている。
VSDBのByte#6のビット#4に割り当てられているビットSuport_30bit、ビット#5に割り当てられているビットSuport_36bit、及びビット#6に割り当てられているビットSuport_48bitは、HDMI(R)シンクが、高階調画像に対応していない場合、すなわち、24ビット画像のみに対応している場合、例えば、すべて0とされる。
そして、HDMI(R)シンクが、高階調画像のうちの30ビット画像のみに対応している場合、ビットSuport_30bitのみが1とされる。また、HDMI(R)シンクが、高階調画像のうちの30ビット画像と36ビット画像に対応している場合、ビットSuport_36bitのみが1とされる。さらに、HDMI(R)シンクが、高階調画像の30ビット画像、36ビット画像、及び48ビット画像のすべてに対応している場合、ビットSuport_48bitのみが1とされる。
以上のように、HDMI(R)シンクがディープカラーHDMI(R)に対応しているかどうかを、E-EDIDのVSDBに記述しておくことにより、HDMI(R)ソースは、HDMI(R)シンクから、E-EDIDを読み出し、そのE-EDIDのVSDBを参照することにより、HDMI(R)シンクが高階調画像に対応しているかどうか、さらには、HDMI(R)シンクが高階調画像に対応している場合には、30ビット画像、36ビット画像、又は48ビット画像のうちのいずれに対応しているかを認識することができる。
なお、HDMI(R)ソースのE-EDIDのVSDBにも、図10に示したビットSuport_30bit,Suport_36bit,Suport_48bitを記述しておくことができる。
次に、HDMI(R)ソースとHDMI(R)シンクとの間のE-EDIDの交換は、HDMI(R)ソースとHDMI(R)シンクとが接続されたときや、HDMI(R)ソース又はHDMI(R)シンクの電源がオンにされたとき等の特定のタイミングで行われ、周期的に行われるものではない。
一方、HDMI(R)ソースとHDMI(R)シンクとが、高階調画像に対応している場合においては、HDMI(R)ソースからHDMI(R)シンクに対して、24ビット画像が伝送されることと、高階調画像が伝送されることとがあり、さらに、高階調画像が伝送されるケースでは、30ビット画像、36ビット画像、又は48ビット画像が伝送されることがある。
画像の伝送は、図4で説明したように、ビデオフィールドのアクティブビデオ区間(Active Video)に割り当てられているビデオデータ区間において行われるから、HDMI(R)シンクにおいて、ビデオデータ区間において伝送されてくる画像が、24ビット画像、30ビット画像、36ビット画像、又は48ビット画像のうちのいずれであるのかは、ビデオデータ区間を含むビデオフィールドごとに認識することができることが望ましい。
この場合、HDMI(R)ソースからHDMI(R)シンクに対して、ビデオフィールドごとに、そのビデオフィールドに含まれるビデオデータ区間において伝送されてくる画像が、24ビット画像、30ビット画像、36ビット画像、又は48ビット画像のうちのいずれであるのかを表す情報(以下、適宜、ディープカラーモードという)を伝送する必要がある。
ここで、HDMI(R)ソースからHDMI(R)シンクに対して、ビデオフィールドごとに伝送される情報として、垂直帰線区間のうちの、図4で説明したコントロール区間において伝送されるゼネラルコントロールパケット(General Control Packet)がある。
そこで、ディープカラーモードは、ゼネラルコントロールパケットに含め、これにより、ビデオフィールドごとに、HDMI(R)ソースからHDMI(R)シンクに伝送するようにすることができる。
すなわち、図11は、ゼネラルコントロールパケットのフォーマットを示している。
ゼネラルコントロールパケットは、パケットヘッダ(General Contorol Packet Header)と、サブパケット(General Control Subpacket)とを有しており、図11上側は、パケットヘッダを、図11下側は、サブパケットを、それぞれ示している。
現行のHDMI(R)では、ゼネラルコントロールパケットのサブパケット(図11下側)のByte#SB1のLSBから1,2,3ビット目のビット#0,#1,#2は、未使用で0とすることになっているが、図11では、そのビット#0,#1,#2に、それぞれ、ディープカラーモードを表すビットCD0,CD1,CD2が割り当てられている。
図12は、サブパケットのByte#SB1のビットCD0,CD1,CD2と、そのサブパケットを有するゼネラルコントロールパケットが伝送されるコントロール区間(図4)を含むビデオフィールドに含まれるビデオデータ区間(図4)に伝送される画像との関係を示している。
HDMI(R)シンクが高階調画像に対応していない場合(Color Depth not indicated)、ディープカラーモードを表すビットCD0,CD1,CD2は、現行のHDMI(R)と同様に、いずれも0とされる。
また、HDMI(R)シンクが高階調画像に対応している場合において、ビデオデータ区間で伝送される画像が24ビット画像であるときには、ディープカラーモードを表すビットCD0,CD1,CD2は、例えば、それぞれ、0,0,1とされ、ビデオデータ区間で伝送される画像が30ビット画像であるときには、ディープカラーモードを表すビットCD0,CD1,CD2は、例えば、それぞれ、1,0,1とされる。
さらに、ビデオデータ区間で伝送される画像が36ビット画像であるときには、ディープカラーモードを表すビットCD0,CD1,CD2は、例えば、それぞれ、0,1,1とされ、ビデオデータ区間で伝送される画像が48ビット画像であるときには、ディープカラーモードを表すビットCD0,CD1,CD2は、例えば、いずれも、1とされる。
以上のように、HDMI(R)ソースにおいて、ディープカラーモードを表すビットCD0,CD1,CD2をゼネラルコントロールパケットに含め、ビデオフィールドのコントロール区間に伝送することにより、HDMI(R)シンクでは、そのビデオフィールドのビデオデータ区間に伝送されてくる画像が、24ビット画像、30ビット画像、36ビット画像、又は48ビット画像のうちのいずれであるのかを認識することができる。
なお、現行のHDMI(R)では、図11に示したゼネラルコントロールパケットのサブパケット(図11下側)のByte#SB1のLSBから5,6,7ビット目のビット#4,#5,#6は、未使用で0とすることになっているが、図11では、そのビット#4,#5,#6に、それぞれ、フェーズを表すビットPP0,PP1,PP2が割り当てられている。
すなわち、30ビット画像、36ビット画像、又は48ビット画像が伝送される場合には、それぞれ、図7ないし図9で説明したように、フェーズが存在する。サブパケットのByte#SB1のビットPP0,PP1,PP2には、そのサブパケットを有するゼネラルコントロールパケットが伝送されるコントロール区間を含むビデオフィールドに含まれるビデオデータ区間に伝送される画像の画素データのうちの最後に伝送される画素データのフェーズを表す値がセットされる。
次に、図13及び図14のフローチャートを参照して、図2のHDMI(R)ソース53及びHDMI(R)シンク61が、ディープカラーHDMI(R)に対応している場合の、そのHDMI(R)ソース53及びHDMI(R)シンク61の動作について説明する。
まず、図13のフローチャートを参照して、図2のHDMI(R)ソース53の動作について説明する。
HDMI(R)ソース53は、HDMI(R)シンク61から、図2で説明したDDCを介して、HDMI(R)シンク61のE-EDIDが送信されてくるのを待って、ステップS11において、そのE-EDIDを受信する。
そして、HDMI(R)ソース53は、ステップS12において、HDMI(R)シンク61からのE-EDIDのVSDB(図10)を参照することにより、HDMI(R)シンク61が受信することができる画像(対応している画像)が、24ビット画像、30ビット画像、36ビット画像、又は48ビット画像のうちのいずれであるのかを認識し、さらに、その、HDMI(R)シンク61が対応している画像の中から、ディープカラーモード、つまり、3つのTMDSチャンネル#0ないし#2で伝送する画像を決定する。
ここで、HDMI(R)ソース53では、HDMI(R)シンク61が対応している画像の中から、例えば、最も階調が高い画像を、3つのTMDSチャンネル#0ないし#2で伝送する画像として決定することができる。この場合、HDMI(R)シンク61が、例えば、24ビット画像、30ビット画像、36ビット画像、及び48ビット画像に対応しているときには、最も階調が高い48ビット画像が、TMDSチャンネル#0ないし#2で伝送する画像として決定される。
その後、HDMI(R)ソース53は、ステップS13において、ピクセルクロックの周波数を調整し、これにより、ステップS12で決定したディープカラーモードに対応したピクセルクロックの出力を開始して、ステップS14に進む。
ステップS14では、HDMI(R)ソース53は、ステップS12で決定したディープカラーモードが表す画像の画素データの、TMDSチャンネル#0ないし#2による伝送を開始する。
なお、ディープカラーモードが表す画像の、TMDSチャンネル#0ないし#2による伝送は、ステップS13で出力が開始されたピクセルクロックに同期して行われる。
また、ディープカラーモードが表す画像の、TMDSチャンネル#0ないし#2による伝送時には、HDMI(R)ソース53は、図11及び図12で説明したように、ビデオフィールド、つまり、フレームごとに、垂直帰線区間のコントロール区間(図4)において、ビデオデータ区間に伝送される画像のディープカラーモードを表すビットCD0,CD1,CD2が記述されたゼネラルコントロールパケットを伝送する。
次に、図14のフローチャートを参照して、図2のHDMI(R)シンク61の動作について説明する。
HDMI(R)シンク61は、ステップS31において、自身のE-EDIDを、DDC(図2)を介して、HDMI(R)ソース53に送信する。
その後、HDMI(R)ソース53において、図13で説明したように、ピクセルクロックの出力が開始され、ゼネラルコントロールパケットがTMDSチャンネル#0ないし#2を介して伝送されてくると、HDMI(R)シンク61は、ステップS32において、HDMI(R)ソース53からのゼネラルコントロールパケット(図11、図12)を受信し、そのゼネラルコントロールパケットのビットCD0,CD1,CD2を参照することにより、ビデオデータ区間に伝送されてくる画像のディープカラーモードを認識する。
そして、HDMI(R)シンク61は、ステップS32で認識したディープカラーモードの画像の画素データが、ピクセルクロックに同期して、TMDSチャンネル#0ないし#2を介して、HDMI(R)ソース53から送信されてくるのを待って、ステップS33において、その画素データを受信する。
なお、ステップS32及びS33の処理は、ビデオフィールドごとに行われる。
次に、HDMI(R)ソース53は、図13で説明したように、ディープカラーモードを決定し、そのディープカラーモードの画像をTMDSチャンネル#0ないし#2で伝送するが、HDMI(R)ソース53に対して、伝送対象として供給される画像、すなわち、例えば、コーデック52(図1)からHDMI(R)ソース53に供給される伝送対象の画像が、必ずしも、HDMI(R)ソース53で決定されたディープカラーモードの画像と一致するとは限らない。
つまり、伝送対象の画像が、HDMI(R)ソース53で決定されたディープカラーモードの画像よりも階調が低い画像であることがある。
ここで、HDMI(R)ソース53からHDMI(R)シンク61に伝送する伝送対象の画像を、以下、適宜、主画像という。
このように、主画像が、HDMI(R)ソース53で決定されたディープカラーモードの画像よりも階調が低い画像である場合、主画像の画素データは、例えば、図15に示すように伝送される。
すなわち、図15は、ディープカラーモードの画像が36ビット画像であり、主画像が、ディープカラーモードの画像よりも低い階調の30ビット画像である場合の、1つのTMDSチャンネルで送信(伝送)される画素データである送信画素データを示している。
ディープカラーモードの画像が36ビット画像である場合、その36ビット画像の画素データのR,G,Bの各成分は、12ビットであるから、1つのTMDSチャンネルで送信される送信画素データは、図15に示すように、12ビットのデータである。
一方、主画像が30ビット画像である場合、その30ビット画像の画素データのR,G,Bの各成分は、10ビットであるから、主画像である30ビット画像の伝送にあたり、1つのTMDSチャンネルで送信すべき主画像の画素データは、送信画素データのビット数である12ビットよりも少ない10ビットのデータである。
このように、主画像の画素データが、送信画素データよりもビット数が少ない画像である場合、HDMI(R)ソース53では、例えば、図15に示すように、主画像の画素データは、送信画素データの上位ビット側に、いわば詰める形で割り当てられて送信される。
したがって、上述のように、主画像の画素データが10ビットであり、送信画素データが12ビットである場合には、HDMI(R)ソース53のトランスミッタ72(図2)は、図15に示すように、10ビットの主画像の画素データを、12ビットの送信画素データの上位10ビットに割り当てて送信する。
この場合、HDMI(R)シンク61のレシーバ81(図2)では、HDMI(R)ソース53のトランスミッタ72からの12ビットの送信画素データが受信されるが、その12ビットの送信画素データのうちの、上位10ビットに割り当てられている主画像の画素データだけが処理され、残りの下位2ビットは無視される(破棄される)。
ここで、HDMI(R)ソース53及びHDMI(R)シンク61が、例えば、上述したように、36ビット画像に対応している場合、すなわち、HDMI(R)ソース53が12ビットの送信画素データを送信し、HDMI(R)シンク61が12ビットの送信画素データを受信することができる場合においては、主画像の画素データが、その12ビット未満の画素データであるときには、36ビット画像に対応しているHDMI(R)ソース53では、12ビットの送信画素データのうちの、主画像の画素データが割り当てられない下位ビットは、無信号(0)とされる。そして、36ビット画像に対応しているHDMI(R)シンク61では、HDMI(R)ソース53からの12ビットの送信画素データがそのまま処理され、その結果得られる画像が表示される。この画像の表示では、12ビットの送信画素データのうちの、主画像の画素データが割り当てられない下位ビットは、無信号(0)であるため、HDMI(R)シンク61での画像の表示では無視される。その結果、HDMI(R)シンク61では、12ビットの送信画素データのうちの上位ビットに割り当てられている画素データによる画像、つまり、主画像が表示される。したがって、HDMI(R)シンク61では、12ビットの送信画素データに、例えば、8ビットや10ビットの画素データが割り当てられていれば、その8ビットや10ビットの画素データによる画像が表示される。
以上のように、主画像の画素データのビット数B1が、送信画素データのビット数B2よりも少ない場合には、ビット数がB1の主画像の画素データが、ビット数がB2の送信画素データの上位ビットに割り当てられ、その送信画素データが、HDMI(R)ソース53からHDMI(R)シンク61に送信されるが、この場合、HDMI(R)ソース53からHDMI(R)シンク61に送信される送信画素データのうちの、主画像の画素データが割り当てられない下位のB2-B1ビットは、実質的に使用されていないので、非効率的である。
そこで、HDMI(R)ソース53及びHDMI(R)シンク61では、送信画素データのうちの、主画像の画素データが割り当てられないビットに、主画像とは別の信号(以下、適宜、副信号という)を割り当て、これにより、主画像と副信号とを同時に伝送する、効率的なデータ伝送を行うようにすることができる。
ここで、送信画素データのうちの、主画像の画素データが割り当てられないビットを、以下、適宜、余りビットという。
図16は、送信画素データに対して副信号を割り当てる割り当て方法を示している。
例えば、図15で説明したように、送信画素データ(1つのTMDSチャンネルで送信される画素データ)が12ビットであり、主画像の画素データ(の1つの成分)が10ビットである場合には、送信画素データの上位10ビットに、10ビットの主画像の画素データが割り当てられ、これにより、送信画素データの下位2ビットが、余りビットとなる。
いま、副信号が、例えば、8ビットを1単位とする信号(データ)であるとすると、図16に示すように、1単位の副信号は、余りビットとビット数に等しい2ビットごとの4つのデータに区分され、その4つのデータが、4画素の送信画素データの余りビットである下位2ビットにそれぞれ割り当てられる。
この場合、副信号が、例えば、R,G,Bの各成分が8ビットの画像であるとすると、この副信号である画像としては、例えば、主画像の1/4程度の解像度(画素数)の画像を採用することができる。
ここで、主画像が、例えば、R,G,Bの各成分が10ビットの、1920画素×1080ラインの画像であり、送信画素データが、例えば、12ビットである場合において、副信号が、例えば、R,G,Bの各成分が8ビットの、480画素×360ラインの画像であるときには、その480画素×360ラインの画像としての副信号は、主画像の1080ラインのうちの360ライン分の送信画素データの余りビットである下位2ビットに割り当てることができる。そして、この場合、主画像の1080ライン分の送信画素データのうちの、480画素×360ラインの画像としての副信号が割り当てられていない720(=1080-360)ライン分の送信画素データには、さらに他の副信号を割り当てることができる。
また、主画像が、例えば、R,G,Bの各成分が8ビットの、1920画素×1080ラインの画像であり、送信画素データが、例えば、12ビットである場合には、送信画素データの下位4ビットが余りビットになる。この場合、主画像の1080ライン分の送信画素データには、R,G,Bの各成分が8ビットの、960画素×720ライン程度の画像を、副信号として割り当てることができる。
なお、以下では、副信号は、8ビット単位の信号であるとする。
以上のように、送信画素データの余りビットに、副信号を割り当て、主画像とともに、TMDSチャンネル#0ないし#2で、送信画素データを伝送することができるHDMI(R)を、現行のHDMI(R)と区別するために、拡張HDMI(R)と呼ぶこととすると、拡張HDMI(R)に対応したHDMI(R)ソースが、副信号を送信画素データの余りビットに割り当てて伝送する場合には、まず、通信相手であるHDMI(R)シンクが拡張HDMI(R)に対応しているかどうかを認識する必要がある。
HDMI(R)シンクが拡張HDMI(R)に対応しているかどうかは、例えば、上述した、HDMI(R)シンクがディープカラーHDMI(R)に対応しているかどうかと同様に、HDMI(R)シンクの性能に関する性能情報であるE-EDIDに記述しておくことができる。
すなわち、図17は、E-EDIDにおけるVSDBを示している。
現行のHDMI(R)では、図10に示したように、VSDBのByte#7のLSBから5,6,7,8ビット目のビット#4,#5,#6,#7は、未使用(Reserved)になっているが、図17では、そのビット#4,#5,#6,#7に、それぞれ、ビットSub_2bit,Sub_4bit,Sub_8bit,Sub_Data_Supportが割り当てられている。
VSDBのByte#7のビット#4に割り当てられているビットSub_2bit、ビット#5に割り当てられているビットSub_4bit、及びビット#6に割り当てられているビットSub_8bitは、HDMI(R)シンクが、副信号を受信することができない場合、すなわち、副信号を扱うことができない場合、例えば、すべて0とされる。
そして、HDMI(R)シンクが、送信画素データの下位2ビットを余りビットとして、その2ビットの余りビットに割り当てられた副信号を扱うことができる場合、ビットSub_2bitは1とされる。また、HDMI(R)シンクが、送信画素データの下位4ビットを余りビットとして、その4ビットの余りビットに割り当てられた副信号を扱うことができる場合、ビットSub_4bitは1とされる。さらに、HDMI(R)シンクが、送信画素データの下位8ビットを余りビットとして、その8ビットの余りビットに割り当てられた副信号を扱うことができる場合、ビットSub_8bitは1とされる。
ビットSub_Data_Supportは、HDMI(R)シンクが、副信号を扱うことができる場合に1とされ、副信号を扱うことができない場合、つまり、拡張HDMI(R)に対応していない場合に0とされる。
なお、ビットSub_Data_Supportが0である場合には、Sub_2bit,Sub_4bit,Sub_8bitは、すべて0となる
以上のように、HDMI(R)シンクが拡張HDMI(R)に対応しているかどうかを、E-EDIDのVSDBに記述しておくことにより、HDMI(R)ソースは、HDMI(R)シンクから、E-EDIDを読み出し、そのE-EDIDのVSDBを参照することにより、HDMI(R)シンクが副信号を扱うことができるかどうか、さらには、HDMI(R)シンクが副信号を扱うことができる場合には、送信画素データの下位の何ビットを、余りビットとして、副信号に割り当てることができるのかを認識することができる。
なお、HDMI(R)ソースのE-EDIDのVSDBにも、図17に示したビットSub_2bit,Sub_4bit,Sub_8bit,Sub_Data_Supportを記述しておくことができる。
また、図17では、送信画素データに割り当てる副信号が、2ビット、4ビット、又は8ビットのうちのいずれかであることとしたが、送信画素データに割り当てる副信号のビット数は、これらに限定されるものではない。
さらに、VSDBのByte#7のLSBから5ないし8ビット目の4ビット#4ないし#7には、Sub_2bit,Sub_4bit,Sub_8bit,Sub_Data_Supportではなく、送信画素データに割り当てる副信号のビット数に対応する値をセットすることが可能である。この場合、4ビット#4ないし#7によれば、16通りのビット数を表現することができる。
次に、上述したように、HDMI(R)ソースとHDMI(R)シンクとの間のE-EDIDの交換は、HDMI(R)ソースとHDMI(R)シンクとが接続されたときや、HDMI(R)ソース又はHDMI(R)シンクの電源がオンにされたとき等の特定のタイミングで行われ、周期的に行われるものではない。
一方、HDMI(R)ソースとHDMI(R)シンクとが、拡張HDMI(R)に対応している場合においては、HDMI(R)ソースからHDMI(R)シンクに対して送信される送信画素データに、副信号が割り当てられているときと、副信号が割り当てられていないときとがありうる。さらに、送信画素データに副信号が割り当てられているときには、その割り当てられている副信号が2ビット、4ビット、又は8ビットであることがある。
ここで、説明を簡単にするために、送信画素データに副信号が割り当てられていないことを、以下、適宜、送信画素データに割り当てられている副信号のビット数が0であるとも表現する。
送信画素データの伝送は、図4で説明したように、ビデオフィールドのアクティブビデオ区間(Active Video)に割り当てられているビデオデータ区間において行われるから、HDMI(R)シンクにおいて、ビデオデータ区間において伝送されてくる送信画素データに割り当てられている副信号が、0ビット、2ビット、4ビット、又は8ビットのうちのいずれであるのかは、ビデオデータ区間を含むビデオフィールドごとに認識することができることが望ましい。
この場合、HDMI(R)ソースからHDMI(R)シンクに対して、ビデオフィールドごとに、そのビデオフィールドに含まれるビデオデータ区間において伝送されてくる送信画素データに割り当てられている副信号が、0ビット、2ビット、4ビット、又は8ビットのうちのいずれであるのかを表す情報(以下、適宜、副信号情報という)を伝送する必要がある。
この副信号情報は、上述したディープカラーモードと同様に、垂直帰線区間におけるコントロール区間(図4)に伝送されるゼネラルコントロールパケットに含め、ビデオフィールドごとに、HDMI(R)ソースからHDMI(R)シンクに伝送するようにすることができる。
すなわち、図18は、副信号情報を含むゼネラルコントロールパケットを示している。
ゼネラルコントロールパケットは、図11で説明したように、パケットヘッダ(General Contorol Packet Header)と、サブパケット(General Control Subpacket)とを有しており、図18上側は、パケットヘッダを、図18下側は、サブパケットを、それぞれ示している。
現行のHDMI(R)では、ゼネラルコントロールパケットのサブパケットのByte#SB2のLSBから1,2,3ビット目のビット#0,#1,#2は、未使用で0とすることになっているが、図18では、そのビット#0,#1,#2に、それぞれ、副信号情報としてのビットSD0,SD1,SD2が割り当てられている。
図19は、サブパケットのByte#SB2のビットSD0,SD1,SD2と、そのサブパケットを有するゼネラルコントロールパケットが伝送されるコントロール区間(図4)を含むビデオフィールドに含まれるビデオデータ区間(図4)に伝送される送信画素データに割り当てられている副信号のビット数との関係を示している。
送信画素データに割り当てられている副信号のビット数が0ビットである場合、つまり、送信画素データに副信号が割り当てられていない場合(Sub Data not Inserted)、副信号情報としてのビットSD0,SD1,SD2は、現行のHDMI(R)と同様に、いずれも0とされる。
また、送信画素データに割り当てられているビット数が2ビットである場合、副信号情報としてのビットSD0,SD1,SD2は、例えば、それぞれ、1,0,0とされる。さらに、送信画素データに割り当てられているビット数が4ビットである場合、副信号情報としてのビットSD0,SD1,SD2は、例えば、それぞれ、0,1,0とされ、送信画素データに割り当てられているビット数が8ビットである場合、副信号情報としてのビットSD0,SD1,SD2は、例えば、それぞれ、1,1,0とされる。
以上のように、HDMI(R)ソースにおいて、副信号情報としてのビットSD0,SD1,SD2をゼネラルコントロールパケットに含め、ビデオフィールドのコントロール区間に伝送することにより、HDMI(R)シンクでは、そのビデオフィールドのビデオデータ区間に伝送されてくる送信画素データに割り当てられている副信号が、0ビット、2ビット、4ビット、又は8ビットのうちのいずれであるのかを認識することができる。
次に、図20は、図2のHDMI(R)ソース53が拡張HDMIに対応している場合の、そのHDMI(R)ソース53が有するソース信号処理部71の構成例を示している。
図20において、ソース信号処理部71は、主画像処理部101、副信号付加部102、副信号処理部103、副信号関連情報挿入部104、副信号受信可否判定部105、副信号割り当てビット数決定部106、副信号フレーム情報送信制御部107、及びディープカラーモード決定部108から構成されている。
主画像処理部101には、例えば、R,G,Bの各成分を有する主画像が供給される。主画像処理部101は、そこに供給される主画像に必要な処理を施し、その主画像の画素データを、副信号付加部102に供給する。
さらに、主画像処理部101は、そこに供給される主画像のビデオフィールド(図4)のビデオデータ区間の画素数(有効画素の画素数)Pを検出し、副信号処理部103に供給する。
また、主画像処理部101は、そこに供給される主画像の画素データの各成分のビット数B1を検出し、副信号割り当てビット数決定部106に供給する。
副信号付加部102には、主画像処理部101から、ビット数がB1の主画像の画素データが供給される他、副信号関連情報挿入部104から副信号が供給される。さらに、副信号付加部102には、ディープカラーモード決定部108から、ディープカラーモードが供給されるとともに、副信号割り当てビット数決定部106から、送信画素データに割り当てられる副信号のビット数B3を表す副信号割り当てビット数が供給される。
副信号付加部102は、ディープカラーモード決定部108からのディープカラーモードに基づき、送信画素データのビット数B2を認識する。すなわち、例えば、ディープカラーモードが、24ビット画像、30ビット画像、36ビット画像、又は48ビット画像を表している場合には、副信号付加部102は、それぞれ、8ビット、10ビット、12ビット、又は16ビットを、送信画素データのビット数B2として認識する。
そして、副信号付加部102は、副信号関連情報挿入部104から供給される副信号を、副信号割り当てビット数決定部106からの副信号割り当てビット数B3ごとに区分し、その区分した副信号である区分副信号を、主画像処理部101から供給されるビット数がB1の画素データの下位ビットとして付加することにより、ディープカラーモード決定部108からのディープカラーモードから認識したビット数B2の送信画素データ、つまり、ビット数がB1の主画像の画素データが上位ビットに割り当てられ、ビット数がB3の区分副信号が下位ビットに割り当てられた、ビット数がB2(=B1+B3)の送信画素データを構成する。
なお、副信号付加部102は、R,G,Bの各成分について、ビット数がB2の送信画素データを構成する。副信号付加部102で得られたビット数がB2の、R,G,Bの各成分の送信画素データは、トランスミッタ72(図2)に供給され、TMDSチャンネル#0ないし#2で、例えば、図6ないし図9で説明したタイミングのうちの、送信画素データのビット数B2に対応したタイミングで送信される。
副信号処理部103には、上述したように、主画像処理部101から、主画像のビデオデータ区間の画素数Pが供給される他、副信号が供給される。さらに、副信号処理部103には、副信号割り当てビット数決定部103から、副信号割り当てビット数が供給される。
副信号処理部103は、主画像処理部101から供給される、主画像のビデオデータ区間の画素数Pと、副信号割り当てビット数決定部103から供給される副信号割り当てビット数B3とから、1のビデオフィールドのビデオデータ区間で送信することができる副信号の最大のデータ量P×B3を求め、その最大のデータ量P×B3の範囲内で、1のビデオフィールド(1フレーム)のビデオデータ区間で送信する副信号のデータ量(以下、適宜、副信号付加単位データ量という)Dを決定する。
さらに、副信号処理部103は、そこに供給される副信号を、副信号付加単位データ量Dごとに、副信号関連情報挿入部104に供給する。
また、副信号処理部103は、送信画素データに副信号が含まれるかどうかを表す副信号情報を、副信号フレーム情報送信制御部107に供給する。
すなわち、副信号処理部103は、副信号付加単位データ量Dの副信号を、副信号関連情報挿入部104に供給する場合、すなわち、送信画素データに割り当てる副信号がある場合、送信画素データに副信号が含まれる旨の副信号情報を、副信号フレーム情報送信制御部107に供給する。また、副信号処理部103は、副信号付加単位データ量Dの副信号を、副信号関連情報挿入部104に供給しない場合、すなわち、副信号関連情報挿入部104に供給する副信号がない場合、送信画素データに副信号が含まれない旨の副信号情報を、副信号フレーム情報送信制御部107に供給する。
副信号関連情報挿入部104は、副信号処理部103からの副信号付加単位データ量Dの副信号に、その副信号に関連する副信号関連情報を含め(挿入し)、副信号付加部102に供給する。
副信号受信可否判定部105には、HDMI(R)ソース53の通信相手のHDMI(R)シンクから読み出されたE-EDIDのVSDB(図17)が供給される。
副信号受信可否判定部105は、そこに供給されるVSDBのビットSub_Data_Support(図17)を参照することにより、HDMI(R)ソース53の通信相手のHDMI(R)シンクが、副信号を受信することができるかどうか、つまり、副信号を扱うことができるかどうかを判定し、その判定結果を、必要なブロックに供給する。
また、副信号受信可否判定部105は、HDMI(R)ソース53の通信相手のHDMI(R)シンクが、副信号を扱うことができると判定した場合、さらに、VSDBのビットSub_2bit,Sub_4bit,Sub_8bit(図17)を参照することにより、HDMI(R)ソース53の通信相手のHDMI(R)シンクが扱うことができる副信号のビット数(以下、適宜、対応可能ビット数という)を認識して、副信号割り当てビット数決定部106に供給する。
副信号割り当てビット数決定部106には、上述したように、主画像処理部101から、主画像の画素データのビット数B1が供給されるとともに、副信号受信可否判定部105から、対応可能ビット数が供給される。さらに、副信号割り当てビット数決定部106には、ディープカラーモード決定部108から、ディープカラーモードが供給される。
副信号割り当てビット数決定部106は、ディープカラーモード決定部108から供給されるディープカラーモードに基づき、送信画素データのビット数B2を認識し、主画像処理部101からの主画像の画素データのビット数B1との差分B2-B1、つまり、送信画素データの余りビットのビット数B2-B1を求める。
そして、副信号割り当てビット数決定部106は、副信号受信可否判定部105からの対応可能ビット数の中に、送信画素データの余りビットのビット数B2-B1と一致するビット数がある場合には、そのビット数を、副信号割り当てビット数B3に決定する。
ここで、副信号受信可否判定部105からの対応可能ビット数が、例えば、2ビット、4ビット、及び8ビットの3種類である場合には、副信号割り当てビット数B3は、以下の値に決定される。
すなわち、送信画素データのビット数B2が、例えば、10ビットであり、主画素の画素データのビット数B1が、例えば、8ビットであるときには、副信号割り当てビット数B3は、2ビットに決定される。
また、送信画素データのビット数B2が、例えば、12ビットであり、主画素の画素データのビット数B1が、例えば、8ビット又は10ビットであるときには、副信号割り当てビット数B3は、それぞれ、4ビット又は2ビットに決定される。
さらに、送信画素データのビット数B2が、例えば、16ビットであり、主画素の画素データのビット数B1が、例えば、8ビット又は12ビットであるときには、副信号割り当てビット数B3は、それぞれ、8ビット又は4ビットに決定される。
なお、副信号割り当てビット数決定部106は、副信号受信可否判定部105からの対応可能ビット数の中に、送信画素データの余りビットのビット数B2-B1と一致するビット数がない場合には、例えば、副信号受信可否判定部105からの対応可能ビット数の中で、送信画素データの余りビットのビット数B2-B1未満のビット数に一致する対応可能ビット数のうちの、例えば、最大値を、副信号割り当てビット数B3に決定することができる。但し、ここでは、説明を簡単にするため、副信号受信可否判定部105からの対応可能ビット数の中に、送信画素データの余りビットのビット数B2-B1と一致するビット数がない場合には、HDMI(R)ソース53では、副信号の送信を行わず、通信相手のHDMI(R)シンクが、副信号を扱うことができないときと同様の処理が行われることとする。
副信号割り当てビット数決定部106は、副信号割り当てビット数B3を決定すると、その副信号割り当てビット数B3を、副信号付加部102、副信号処理部103、及び副信号フレーム情報送信制御部107に供給する。
副信号フレーム情報送信制御部107には、上述したように、副信号処理部103から、送信画素データに副信号が含まれるかどうかを表す副信号情報が供給されるとともに、副信号割り当てビット数決定部106から、副信号割り当てビット数B3が供給される他、ディープカラーモード決定部108から、ディープカラーモードが供給される。
副信号フレーム情報送信制御部107は、副信号処理部103からの副信号情報と、ディープカラーモード決定部108からのディープカラーモード、さらには、必要に応じて、副信号割り当てビット数決定部106から供給される副信号割り当てビット数B3を含むゼネラルコントロールパケット(図18)を、トランスミッタ72(図2)に送信させる。
すなわち、副信号フレーム情報送信制御部107は、副信号処理部103からの副信号情報が、送信画素データに副信号が含まれない旨を表している場合には、図18のビットSD0,SD1,SD2が、いずれも0にセットされ、さらに、ビットCD0,CD1,CD2が、ディープカラーモード決定部108からのディープカラーモードを表す値にセットされたゼネラルコントロールパケット(以下、適宜、副信号なしのゼネラルコントロールパケットという)を、トランスミッタ72に送信させる送信制御を行う。
また、副信号フレーム情報送信制御部107は、副信号処理部103からの副信号情報が、送信画素データに副信号が含まれる旨を表している場合には、図18のビットSD0,SD1,SD2が、副信号割り当てビット数決定部106からの副信号割り当てビット数B3を表す値にセットされ、さらに、ビットCD0,CD1,CD2が、ディープカラーモード決定部108からのディープカラーモードを表す値にセットされたゼネラルコントロールパケット(以下、適宜、副信号ありのゼネラルコントロールパケットという)を、トランスミッタ72に送信させる送信制御を行う。
ディープカラーモード決定部108には、HDMI(R)ソース53の通信相手のHDMI(R)シンクから読み出されたE-EDIDのVSDB(図17)が供給される。
ディープカラーモード決定部108は、そこに供給されるVSDBのビットSuport_30bit,Suport_36bit,Suport_48bit(図17)を参照することにより、HDMI(R)ソース53の通信相手のHDMI(R)シンクが、高階調画像に対応しているかどうかを判定し、対応していないと判定した場合、ディープカラーモード、つまり、3つのTMDSチャンネル#0ないし#2で伝送する画像を、24ビット画像に決定する。
また、ディープカラーモード決定部108は、HDMI(R)ソース53の通信相手のHDMI(R)シンクが、高階調画像に対応していると判定した場合、さらに、VSDBのビットSuport_30bit,Suport_36bit,Suport_48bit(図17)を参照することにより、HDMI(R)ソース53の通信相手のHDMI(R)シンク対応している高階調画像を認識し、その、HDMI(R)シンクが対応している高階調画像の中から、ディープカラーモード、つまり、3つのTMDSチャンネル#0ないし#2で伝送する画像を決定する。
すなわち、ディープカラーモード決定部108は、例えば、HDMI(R)シンクが対応している画像の中から、例えば、最も階調が高い画像を、ディープカラーモード(3つのTMDSチャンネル#0ないし#2で伝送する画像)として決定する。
そして、ディープカラーモード決定部108は、ディープカラーモードを、副信号付加部102、副信号割り当てビット数決定部106、及び副信号フレーム情報送信制御部107に供給する。
次に、図21を参照して、図20の副信号関連情報挿入部104が副信号に含める副信号関連情報について説明する。
拡張HDMI(R)では、副信号が、ビデオフィールド(図4)のビデオデータ区間の画素データ、つまり、送信画素データの下位ビットに割り当てられ、送信画素データの上位ビットに割り当てられた主画像とともに送信されるが、必ずしも、すべての送信画素データに、副信号が割り当てられるとは限らない。
すなわち、副信号のデータ量によっては、ビデオデータ区間の一部の送信画素データだけに、副信号が割り当てられ、残りの送信画素データには、副信号が割り当てられないことがある。
このように、ビデオデータ区間の一部の送信画素データに、副信号が割り当てられ、残りの送信画素データに、副信号が割り当てられない場合には、そのような送信画素データを受信するHDMI(R)シンクにおいて、副信号が割り当てられている送信画素データと、割り当てられていない送信画素データとを区別し、副信号が割り当てられている送信画素データについてだけ、その下位ビットを、副信号として抽出する必要がある。
そこで、副信号関連情報挿入部104では、副信号付加単位データ量Dの副信号、つまり、1つのビデオフィールド(図4)のビデオデータ区間の送信画素データに割り当てられる副信号に、少なくとも、副信号が割り当てられている送信画素データを区別するのに用いられる情報を含む副信号関連情報が含められる。
すなわち、副信号関連情報は、例えば、図21右側に示すように、副信号開始情報と副信号終了情報とからなり、副信号開始情報は、副信号付加単位データ量Dの副信号の先頭に配置され、副信号終了情報は、副信号付加単位データ量の副信号の最後に配置される。
そして、副信号開始情報は、例えば、図21左に示す、ビデオフィールドのビデオデータ区間の第1ライン(上から1番目の水平ライン)を構成する画素の送信画素データに割り当てられ、副信号付加単位データ量の副信号は、第2ライン以降のラインを構成する画素の送信画素データに、順次割り当てられる。
いま、副信号付加単位データ量Dの副信号のすべてが、第2ラインないし第M+1ラインを構成する画素の送信画素データに割り当てられたとすると、副信号終了情報は、その直後の第M+2ラインを構成する画素の送信画素データに割り当てられる。
以上のように、副信号付加単位データ量Dの副信号の先頭に配置される副信号開始情報には、例えば、第2ライン以降の画素の送信画素データに、副信号が割り当てられている旨や、その副信号が画像データ、音声データ、又はテキストデータであるといった副信号の種類(属性)を表す情報、さらには、副信号のフォーマット、その他の副信号に関連する情報を含めることができる。
また、副信号付加単位データ量の副信号の最後に配置される副信号終了情報には、副信号の最後であることを表すユニークなコード、さらに、副信号の最後が割り当てられている送信画素データが、第M+1ラインを構成する画素の途中の画素の送信画素データである場合には、その送信画素データの画素の位置を表す情報などを含めることができる。
なお、ビデオフィールドのビデオデータ区間の1ラインが、例えば、1920画素で構成される場合において、送信画素データの、例えば、下位2ビットに、副信号を割り当てるときには、1ラインを構成する画素の送信画素データに割り当てることができる副信号のデータ量は、2ビット×1920画素=3840ビット=480バイトであるから、副信号開始情報と副信号終了情報としては、それぞれ480バイトの情報を採用することができる。
また、図20の副信号処理部103では、副信号付加単位データ量Dは、それに副信号に含められる副信号開始情報及び副信号終了情報のデータ量を加えたデータ量が、ビデオデータ区間で送信することができる副信号の最大のデータ量P×B3を越えないように決定される。
次に、図22のフローチャートを参照して、図2のHDMI(R)ソース53が、拡張HDMI(R)に対応しており、そのHDMI(R)ソース53のソース信号処理部71が図20に示したように構成される場合の、HDMI(R)ソース53の動作について説明する。
HDMI(R)ソース53においては、主画像の画素データが、ソース信号処理部71(図20)の主画像処理部101に供給され、さらに、必要に応じて、副信号が、副信号処理部103に供給される。
主画像処理部101では、そこに供給される主画像に必要な処理が施され、その処理後の主画像の画素データが、副信号付加部102に供給される。
また、主画像処理部101は、そこに供給される主画像のビデオフィールド(図4)のビデオデータ区間の画素数(有効画素の画素数)Pを検出し、副信号処理部103に供給する。
さらに、主画像処理部101は、主画像の画素データの各成分のビット数B1を検出し、副信号割り当てビット数決定部106に供給する。
また、HDMI(R)ソース53は、HDMI(R)シンク61から、図2で説明したDDCを介して、HDMI(R)シンク61のE-EDIDが送信されてくるのを待って、ステップS101において、そのE-EDIDを受信する。
HDMI(R)ソース53において、HDMI(R)シンク61からのE-EDIDは、ソース信号処理部71(図20)の副信号受信可否判定部105と、ディープカラーモード決定部108に供給される。
ディープカラーモード決定部108は、ステップS102において、HDMI(R)シンク61からのE-EDIDのVSDB(図17)を参照することにより、HDMI(R)シンク61が対応している画像が、24ビット画像、30ビット画像、36ビット画像、又は48ビット画像のうちのいずれであるのかを認識する。 さらに、ディープカラーモード決定部108は、DMI(R)シンク61が対応している画像の中から、3つのTMDSチャンネル#0ないし#2で伝送する画像を決定し、その画像を表すディープカラーモードを、副信号付加部102、副信号割り当てビット数決定部106、及び副信号フレーム情報送信制御部107に供給する。
なお、HDMI(R)シンク61が対応している画像が、24ビット画像のみである場合、すなわち、HDMI(R)シンク61が、高階調画像に対応していない場合、HDMI(R)ソース53は、後述するステップS104以降の処理を行わず、現行のHDMI(R)に準拠した処理を行う。したがって、この場合、副信号の伝送は、行われない。
その後、HDMI(R)ソース53は、ステップS103において、ピクセルクロックの周波数を、ステップS102で決定したディープカラーモードに対応した周波数に調整し、そのピクセルクロックの出力を開始して、ステップS104に進む。
ステップS104では、副信号受信可否判定部105は、そこに供給される、HDMI(R)シンク61からのE-EDIDのVSDBのビットSub_Data_Support(図17)を参照することにより、HDMI(R)シンク61が、副信号を受信することができるかどうか、つまり、副信号を扱うことができるかどうかを判定する。
ステップS104において、HDMI(R)シンク61が副信号を扱うことができないと判定された場合、すなわち、VSDBのビットSub_Data_Support(図17)が、副信号を扱うことができない旨を表す値である0になっている場合、ステップS105に進み、以下、HDMI(R)ソース53は、副信号を伝送せずに、ステップS102で決定されたディープカラーモードが表す画像の画素データを、TMDSチャンネル#0ないし#2で伝送する。
すなわち、ステップS105では、副信号フレーム情報送信制御部107が、副信号なしのゼネラルコントロールパケット、つまり、図18のビットSD0,SD1,SD2が、いずれも0にセットされ、さらに、ビットCD0,CD1,CD2が、ステップS102でディープカラーモード決定部108から供給されたディープカラーモードを表す値にセットされたゼネラルコントロールパケットを、ビデオフィールドの垂直帰線区間のコントロール区間(図4)において、トランスミッタ72(図2)に送信させ、ステップS106に進む。
ステップS106では、副信号付加部102が、主画像処理部101から供給される主画像の画素データだけから、ステップS102で決定されたディープカラーモードの画像に対応するビット数B2の送信画素データを構成し、トランスミッタ72に供給する。これにより、トランスミッタ72が、ビデオフィールドのビデオデータ区間において、送信画素データを送信して、ステップS107に進む。
ここで、送信画素データの送信は、ステップS103で出力が開始されたピクセルクロックに同期して行われる。
ステップS107では、副信号付加部102が、直前のステップS106で送信画素データを送信したビデオフィールド(以下、適宜、注目ビデオフィールドという)のアクティブビデオ区間に、まだ送信していない送信画素データが存在するかどうかを判定する。
ステップS107において、注目ビデオフィールドのアクティブビデオ区間に、まだ送信していない送信画素データがあると判定された場合、ステップS106に戻り、注目ビデオフィールドのアクティブビデオ区間の、まだ送信していない送信画素データが送信される。
また、ステップS107において、注目ビデオフィールドのアクティブビデオ区間に、まだ送信していない送信画素データがないと判定された場合、すなわち、注目ビデオフィールドのアクティブビデオ区間の送信画素データのすべての送信が終了した場合、ステップS108に進み、副信号付加部102は、注目ビデオフィールドの次のビデオフィールド(フレーム)が存在するかどうかを判定する。
ステップS108において、注目ビデオフィールドの次のビデオフィールドが存在すると判定された場合、その、次のビデオフィールドが、新たに、注目ビデオフィールドとされて、ステップS105に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
また、ステップS108において、注目ビデオフィールドの次のビデオフィールドが存在しないと判定された場合、処理を終了する。
一方、ステップS104において、HDMI(R)シンク61が副信号を扱うことができると判定された場合、すなわち、VSDBのビットSub_Data_Support(図17)が、副信号を扱うことができる旨を表す値である1になっている場合、副信号受信可否判定部105は、VSDBのビットSub_2bit,Sub_4bit,Sub_8bit(図17)を参照することにより、HDMI(R)シンク61が扱うことができる副信号のビット数である対応可能ビット数を認識して、副信号割り当てビット数決定部106に供給して、ステップS109に進む。
ステップS109では、副信号割り当てビット数決定部106は、主画像処理部101からの主画像の画素データのビット数B1、副信号受信可否判定部105からの対応可能ビット数、及びディープカラーモード決定部108からのディープカラーモードから認識される送信画素データのビット数B2に基づき、上述したようにして、送信画素データに割り当てられる副信号のビット数である副信号割り当てビット数B3を決定し、副信号付加部102、副信号処理部103、及び副信号フレーム情報送信制御部107に供給して、ステップS110に進む。
ここで、副信号処理部103は、主画像処理部101から、主画像のビデオデータ区間の画素数Pが供給され、副信号割り当てビット数決定部103から、副信号割り当てビット数B3が供給されると、その主画像のビデオデータ区間の画素数Pと副信号割り当てビット数B3とから、上述したようにして、1のビデオフィールドのビデオデータ区間で送信する副信号のデータ量である副信号付加単位データ量Dを決定する。
そして、副信号処理部103は、ステップS110において、ビデオフィールドのビデオデータ区間の画素データに付加すべき副信号があるかどうかを判定する。
ステップS110において、ビデオフィールドのビデオデータ区間の画素データに付加すべき副信号があると判定された場合、すなわち、例えば、副信号処理部103に副信号が供給されている場合、副信号処理部103は、そこに供給されている副信号のうちの、副信号付加単位データ量Dだけの副信号を、副信号関連情報挿入部104に供給するとともに、送信画素データに副信号が含まれる旨の副信号情報を、副信号フレーム情報送信制御部107に供給して、ステップS111に進み、以下、HDMI(R)ソース53は、副信号と、ステップS102で決定されたディープカラーモードが表す主画像の画素データとを、TMDSチャンネル#0ないし#2で伝送する。
すなわち、ステップS111では、副信号フレーム情報送信制御部107が、副信号処理部103からの副信号情報に応じて、副信号ありのゼネラルコントロールパケット、つまり、図18のビットSD0,SD1,SD2が、ステップS109で副信号割り当てビット数決定部106から供給された、送信画素データに割り当てられる副信号のビット数である副信号割り当てビット数B3に応じた値にセットされ、さらに、ビットCD0,CD1,CD2が、ステップS102でディープカラーモード決定部108から供給されたディープカラーモードを表す値にセットされたゼネラルコントロールパケットを、ビデオフィールドの垂直帰線区間のコントロール区間(図4)において、トランスミッタ72(図2)に送信させ、ステップS112に進む。
ここで、ステップS110において、ビデオフィールドのビデオデータ区間の画素データに付加すべき副信号があると判定されると、上述したように、副信号処理部103が、そこに供給されている副信号のうちの、副信号付加単位データ量Dだけの副信号を、副信号関連情報挿入部104に供給する。
副信号関連情報挿入部104は、副信号処理部103からの副信号付加単位データ量Dの副信号が供給されると、その副信号に関連する副信号関連情報を、図21で説明したように含めて、副信号付加部102に供給する。
副信号付加部102は、ステップS112において、送信画像データの構成、つまり、主画像処理部101からの主画像の画素データへの、副信号関連情報挿入部104からの副信号の付加を開始する。
すなわち、副信号付加部102は、副信号関連情報挿入部104からの副信号を、ステップS109で副信号割り当てビット数決定部106から供給された副信号割り当てビット数B3ごとの区分副信号に区分し、主画像処理部101からの画素データの下位ビットとして付加することにより、ステップS102でディープカラーモード決定部108から供給されたディープカラーモードから認識したビット数B2の送信画素データ、つまり、ビット数がB1の主画像の画素データが上位ビットに割り当てられ、ビット数がB3の区分副信号が下位ビットに割り当てられた、ビット数がB2の送信画素データを構成する。
そして、副信号付加部102は、ステップS112からステップS113に進み、主画像の画素データが上位ビットに割り当てられ、区分副信号が下位ビットに割り当てられた送信画素データを、トランスミッタ72に供給し、これにより、トランスミッタ72が、ビデオフィールドのビデオデータ区間において、送信画素データを送信して、ステップS114に進む。
ここで、送信画素データの送信は、ステップS103で出力が開始されたピクセルクロックに同期して行われる。
ステップS114では、副信号付加部102が、直前のステップS113で送信画素データとして画素データを送信したビデオフィールドである注目ビデオフィールドのアクティブビデオ区間に、まだ送信していない送信画素データが存在するかどうかを判定する。
ステップS114において、注目ビデオフィールドのアクティブビデオ区間に、まだ送信していない送信画素データがあると判定された場合、ステップS113に戻り、注目ビデオフィールドのアクティブビデオ区間の、まだ送信していない画素データが送信画素データとして送信される。
また、ステップS114において、注目ビデオフィールドのアクティブビデオ区間に、まだ送信していない送信画素データがないと判定された場合、すなわち、注目ビデオフィールドのアクティブビデオ区間の送信画素データのすべての送信が終了した場合、ステップS115に進み、副信号付加部102は、注目ビデオフィールドの次のビデオフィールドが存在するかどうかを判定する。
ステップS115において、注目ビデオフィールドの次のビデオフィールドが存在すると判定された場合、その、次のビデオフィールドが、新たに、注目ビデオフィールドとされて、ステップS110に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
また、ステップS115において、注目ビデオフィールドの次のビデオフィールドが存在しないと判定された場合、処理を終了する。
一方、ステップS110において、ビデオフィールドのビデオデータ区間の画素データに付加すべき副信号がないと判定された場合、すなわち、例えば、副信号処理部103に副信号が供給されていない場合、副信号処理部103は、送信画素データに副信号が含まれない旨の副信号情報を、副信号フレーム情報送信制御部107に供給して、ステップS116に進み、副信号フレーム情報送信制御部107は、副信号処理部103からの副信号情報に応じて、ステップS105と同様に、副信号なしのゼネラルコントロールパケット、つまり、図18のビットSD0,SD1,SD2が、いずれも0にセットされ、さらに、ビットCD0,CD1,CD2が、ステップS102でディープカラーモード決定部108から供給されたディープカラーモードを表す値にセットされたゼネラルコントロールパケットを、ビデオフィールドの垂直帰線区間のコントロール区間(図4)において、トランスミッタ72(図2)に送信させる。
そして、以下、ステップS113ないしS115において、HDMI(R)ソース53は、副信号を伝送せずに、ステップS102で決定されたディープカラーモードが表す主画像の画素データを、TMDSチャンネル#0ないし#2で伝送する。
すなわち、ステップS116で副信号なしのゼネラルコントロールパケットが送信された場合、ステップS113では、副信号付加部102が、主画像処理部101から供給される主画像の画素データだけから、ステップS102で決定されたディープカラーモードの画像に対応するビット数B2の送信画素データを構成し、トランスミッタ72に供給する。これにより、トランスミッタ72が、ビデオフィールドのビデオデータ区間において、送信画素データを送信して、ステップS114に進む。
ここで、送信画素データの送信は、ステップS103で出力が開始されたピクセルクロックに同期して行われる。
ステップS114では、副信号付加部102が、直前のステップS113で送信画素データとして画素データを送信したビデオフィールドである注目ビデオフィールドのアクティブビデオ区間に、まだ送信していない送信画素データが存在するかどうかを判定する。
ステップS114において、注目ビデオフィールドのアクティブビデオ区間に、まだ送信していない送信画素データがあると判定された場合、ステップS113に戻り、注目ビデオフィールドのアクティブビデオ区間の、まだ送信していない送信画素データが送信される。
また、ステップS114において、注目ビデオフィールドのアクティブビデオ区間に、まだ送信していない送信画素データがないと判定された場合、すなわち、注目ビデオフィールドのアクティブビデオ区間の送信画素データのすべての送信が終了した場合、ステップS115に進み、副信号付加部102は、注目ビデオフィールドの次のビデオフィールドが存在するかどうかを判定する。
ステップS115において、注目ビデオフィールドの次のビデオフィールドが存在すると判定された場合、その、次のビデオフィールドが、新たに、注目ビデオフィールドとされて、ステップS110に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
また、ステップS115において、注目ビデオフィールドの次のビデオフィールドが存在しないと判定された場合、処理を終了する。
次に、図23は、図2のHDMI(R)シンク61が拡張HDMIに対応している場合の、そのHDMI(R)シンク61が有するシンク信号処理部82の構成例を示している。
図23において、シンク信号処理部82は、FIFO(First In First Out)メモリ121、副信号有無判定部122、分離部123、主画像処理部124、主画像メモリ125、副信号処理部126、及び副信号メモリ127から構成されている。
FIFOメモリ121には、レシーバ81(図2)が受信した、ビデオフィールド(図4)のビデオデータ区間の送信画素データが供給される。
FIFOメモリ121は、レシーバ81からの送信画素データを順次記憶し、分離部123に供給する。
副信号有無判定部122には、レシーバ81が受信した、ビデオフィールド(図4)の垂直帰線区間のコントロール区間のゼネラルコントロールパケットが供給される。
副信号有無判定部122は、レシーバ81からのゼネラルコントロールパケット(図18)のビットSD0,SD1,SD2に基づいて、そのゼネラルコントロールパケットが送信されてきた垂直帰線区間の直後のビデオデータ区間に送信されてくる送信画素データに、副信号が含まれるかどうかを判定し、その判定結果を、分離部123に供給する。
さらに、副信号有無判定部122は、送信画素データに副信号が含まれると判定した場合には、レシーバ81からのゼネラルコントロールパケット(図18)のビットSD0,SD1,SD2に基づいて、そのゼネラルコントロールパケットが送信されてきた垂直帰線区間の直後のビデオデータ区間に送信されてくる送信画素データに含まれる副信号の副信号割り当てビット数B3を認識し、分離部123に供給する。
分離部123は、副信号有無判定部122から、送信画素データに副信号が含まれない旨の判定結果が供給された場合、FIFOメモリ121からの送信画素データを受信し、その送信画素データに割り当てられている主画像の画素データを、主画像処理部124に供給する。
また、分離部123は、副信号有無判定部122から、送信画素データに副信号が含まれる旨の判定結果が供給された場合、FIFOメモリ121からの送信画素データを受信し、副信号有無判定部122から供給される副信号割り当てビット数B3に基づいて、送信画素データから、主画像の画素データと、区分副信号とを分離する。
すなわち、分離部123は、FIFOメモリ121からの送信画素データのうちの、副信号有無判定部122からの副信号割り当てビット数B3だけの下位ビットを、区分副信号として抽出し、副信号処理部126に供給する。さらに、分離部123は、FIFOメモリ121からの送信画素データのうちの、残りの上位ビットを、主画像の画素データとして抽出し、主画像処理部124に供給する。
主画像処理部124は、分離部123から供給される主画像の画素データに必要な処理を施し、1のビデオフィールド分の主画像を再構成して、主画像メモリ125に供給する。
主画像メモリ125は、主画像処理部124から供給される主画像を一時記憶する。なお、主画像メモリ125に記憶された主画像は、適宜読み出され、表示制御部62(図1)に供給される。
副信号処理部126は、分離部123から供給される区分副信号から、元の副信号を再構成して、副信号メモリ127に供給する。なお、図21で説明したように、副信号には、副信号関連情報が含まれており、副信号処理部126は、この副信号関連情報を必要に応じて参照して、副信号を再構成する。
副信号メモリ127は、副信号処理部126から供給される副信号を一時記憶する。
次に、図24のフローチャートを参照して、図2のHDMI(R)シンク61が、拡張HDMI(R)に対応しており、そのHDMI(R)シンク61のシンク信号処理部82が図23に示したように構成される場合の、HDMI(R)シンク61の動作について説明する。
HDMI(R)シンク61は、ステップS131において、自身のE-EDIDを、DDC(図2)を介して、HDMI(R)シンク61に送信する。
その後、HDMI(R)シンク61において、図22で説明したように、ピクセルクロックの出力が開始され、ゼネラルコントロールパケットがTMDSチャンネル#0ないし#2を介して伝送されてくると、HDMI(R)シンク61のレシーバ81(図2)は、ステップS132において、HDMI(R)シンク61からのゼネラルコントロールパケット(図18)を受信し、シンク信号処理部82の副信号有無判定部122(図23)に供給して、ステップS133に進む。
ステップS133では、副信号有無判定部122は、レシーバ81からのゼネラルコントロールパケット(図18)のビットSD0,SD1,SD2に基づいて、そのゼネラルコントロールパケットが送信されてきた垂直帰線区間の直後のビデオデータ区間に送信されてくる送信画素データに、副信号が含まれるかどうかを判定する。
ステップS133において、送信画素データに副信号が含まれないと判定された場合、副信号有無判定部122は、その旨の判定結果を、分離部123に供給して、ステップS134に進む。
ステップS134では、HDMI(R)シンク61のレシーバ81(図2)が、HDMI(R)ソース53からのゼネラルコントロールパケットのビットCD0,CD1,CD2が表すディープカラーモードの画像の送信画素データが、ピクセルクロックに同期して、TMDSチャンネル#0ないし#2を介して、HDMI(R)シンク61から送信されてくるのを待って、その送信画素データを受信し、シンク信号処理部82のFIFOメモリ121を介して、分離部123に供給して、ステップS135に進む。
ステップS135では、分離部123は、副信号有無判定部122からの、送信画素データに副信号が含まれない旨の判定結果に応じて、FIFOメモリ121を介して供給される送信画素データに割り当てられている主画像の画素データを、主画像処理部124に供給する。
さらに、ステップS135では、主画像処理部124が、1のビデオフィールド分の主画像を再構成するために、分離部123からの主画像の画素データを主画像メモリ125に供給して記憶させ、ステップS136に進む。
ステップS136では、主画像処理部124が、1のビデオフィールド分の主画像の画素データの処理が終了したか、つまり、主画像メモリ125に、1のビデオフィールド分の主画像が記憶されたかどうかを判定する。
ステップS136において、1のビデオフィールド分の主画像の画素データの処理が終了していないと判定された場合、ステップS134に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
また、ステップS136において、1のビデオフィールド分の主画像の画素データの処理が終了したと判定された場合、次のビデオフィールドにおいてゼネラルコントロールパケットが送信されてくるのを待って、ステップS132に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
一方、ステップS133において、送信画素データに副信号が含まれると判定された場合、副信号有無判定部122は、レシーバ81からのゼネラルコントロールパケット(図18)のビットSD0,SD1,SD2に基づいて、送信画素データに含まれる副信号の副信号割り当てビット数B3を認識し、送信画素データに副信号が含まれる旨の判定結果とともに、分離部123に供給して、ステップS137に進む。
ステップS137では、HDMI(R)シンク61のレシーバ81(図2)が、HDMI(R)ソース53からのゼネラルコントロールパケットのビットCD0,CD1,CD2が表すディープカラーモードの画像の送信画素データが、ピクセルクロックに同期して、TMDSチャンネル#0ないし#2を介して、HDMI(R)シンク61から送信されてくるのを待って、その送信画素データを受信し、シンク信号処理部82のFIFOメモリ121を介して、分離部123に供給して、ステップS138に進む。
ステップS138では、分離部123は、副信号有無判定部122からの、送信画素データに副信号が含まれる旨の判定結果に応じて、FIFOメモリ121を介して供給される送信画素データから、副信号有無判定部122からの副信号割り当てビット数B3だけの下位ビットを分離し、区分副信号として、副信号処理部126に供給する。
さらに、ステップS138では、分離部123は、FIFOメモリ121を介して供給される送信画素データから、残りの上位ビットを分離し、主画像の画素データとして、主画像処理部124に供給して、ステップS139に進む。
ステップS139では、主画像処理部124が、1のビデオフィールド分の主画像を再構成するために、分離部123からの主画像の画素データを主画像メモリ125に供給して記憶させる。さらに、ステップS139では、副信号処理部126が、副信号を再構成するために、分離部123からの区分副信号を、副信号メモリ127に供給して記憶させる。
ステップS140では、主画像処理部124が、1のビデオフィールド分の主画像の画素データの処理が終了したか、つまり、主画像メモリ125に、1のビデオフィールド分の主画像が記憶されたかどうかを判定する。
ステップS140において、1のビデオフィールド分の主画像の画素データの処理が終了していないと判定された場合、ステップS137に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
また、ステップS140において、1のビデオフィールド分の主画像の画素データの処理が終了したと判定された場合、次のビデオフィールドにおいてゼネラルコントロールパケットが送信されてくるのを待って、ステップS132に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
以上のように、HDMI(R)シンク61(図2)の性能を表す性能情報としてのE-EDIDを受信し、その後、ビデオフィールド(1の垂直同期信号から次の垂直同期信号までの区間)から、水平帰線区間及び垂直帰線区間を除いたアクティブビデオ区間(有効画像区間)に割り当てられたビデオデータ区間において、非圧縮の1画面分の画像の画素データを、ピクセルクロックの1クロックあたりに固定のビット数のデータを伝送する3つのTMDSチャンネル#0ないし#2で、差動信号により、HDMI(R)シンク61に一方向に送信するHDMI(R)ソース53では、トランスミッタ72が、ピクセルクロックの周波数を調整することにより、固定のビット数である8ビット以上のビット数が割り当てられている送信画素データを、3つのTMDSチャンネル#0ないし#2で、差動信号により、HDMI(R)シンク61に一方向に送信する。
この場合において、HDMI(R)ソース53では、E-EDIDのVSDB(図17)に基づいて、HDMI(R)シンク61が副信号を受信することができるか否かが判定され、HDMI(R)シンク61が副信号を受信することができる場合、トランスミッタ72により送信される送信画素データよりもビット数が少ない画素データからなる主画像の画素データに、副信号を付加することにより、送信画素データが構成され、トランスミッタ72により、3つのTMDSチャンネル#0ないし#2で送信される。
また、HDMI(R)ソース53では、垂直帰線区間のコントロール区間(図4)において、その垂直帰線区間の直後のビデオデータ区間に送信される送信画素データに、副信号が含まれるかどうかを表す副信号情報としてのビットSD0,SD1,SD2を含むゼネラルコントロールパケット(図18)が送信される。
一方、E-EDIDを送信し、その後、HDMI(R)ソース53から、3つのTMDSチャンネル#0ないし#2で、差動信号により送信されてくる画素データを受信するHDMI(R)シンク61では、レシーバ81が、3つのTMDSチャンネル#0ないし#2で、差動信号により送信されてくる送信画素データを受信する。
さらに、HDMI(R)シンク61では、垂直帰線区間のコントロール区間(図4)に送信されてくるゼネラルコントロールパケット(図18)に含まれるビットSD0,SD1,SD2に基づいて、その垂直帰線区間の直後のビデオデータ区間に送信されてくる送信画素データに、副信号が含まれるかどうかが判定され、送信画素データに、副信号が含まれる場合、送信画素データから、副信号が分離される。
したがって、主画像の画素データのビット数が、ディープカラーモードによって決まる送信画素データのビット数よりも少ない場合には、送信画素データのビットの、主画像の画素データに割り当てられないビットに、副信号を割り当て、主画像とともに、副信号を伝送するという効率的なデータ伝送を行うことができる。
なお、送信画素データのビット数と、主画像の画素データのビット数との差が大であるほど、送信画素データに、データ量が大の副信号(区分副信号)を割り当てることができる。
また、本実施の形態では、副信号の用途については、特に言及しなかったが、副信号は、種々の用途に使用することができる。
具体的には、副信号としては、例えば、主画像と同期した低解像度の画像や、主画像と異なる番組の画像、その他の画像を採用することができる。この場合、ディスプレイ42(図1)では、副信号としての画像を、PinP(Picture in Picture)用の子画面に表示し、あるいはスプリット表示することができる。
また、副信号としては、例えば、主画像の表示を制御する制御信号を採用することができる。この場合、ディスプレイ42では、主画像の表示を、副信号としての制御信号に応じて制御することができる。
なお、副信号として、画像(動画)を採用する場合において、その画像に音声が付随するときには、その音声は、送信画素データに割り当てて送信することもできるし、主画像に付随する音声と同様に、データアイランド区間(図4)に送信することもできる。すなわち、HDMI(R)では、データアイランド区間(図4)において、複数の音声チャンネルの音声データの送信をすることができ、副信号としての画像に付随する音声は、主画像に付随する音声データの送信に使用されていない音声チャンネルを用いて行うことができる。
次に、上述したソース信号制御部71やシンク信号処理部82の一連の処理は、専用のハードウェアにより行うこともできるし、ソフトウェアにより行うこともできる。一連の処理をソフトウェアによって行う場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、例えば、HDMI(R)ソース53やHDMI(R)シンク61を制御するマイクロコンピュータ等のコンピュータにインストールされる。
そこで、図25は、上述した一連の処理を実行するプログラムがインストールされるコンピュータの一実施の形態の構成例を示している。
プログラムは、コンピュータに内蔵されている記録媒体としてのEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-only Memory)205やROM203に予め記録しておくことができる。
あるいはまた、プログラムは、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto Optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、ディジタル衛星放送用の人工衛星を介して、コンピュータに無線で転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを、入出力インタフェース206で受信し、内蔵するEEPROM205にインストールすることができる。
コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)202を内蔵している。CPU202には、バス201を介して、入出力インタフェース206が接続されており、CPU202は、ROM(Read Only Memory)203やEEPROM205に格納されているプログラムを、RAM(Random Access Memory)204にロードして実行する。これにより、CPU202は、上述したフローチャートにしたがった処理、あるいは上述したブロック図の構成により行われる処理を行う。
ここで、本明細書において、コンピュータに各種の処理を行わせるためのプログラムを記述する処理ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
また、プログラムは、1のコンピュータにより処理されるものであっても良いし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであっても良い。
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
すなわち、例えば、主画像の画素データのビット数B1、送信画素データのビット数B2、及び副信号割り当てビット数B3は、いずれも、上述した値に限定されるものではない。さらに、例えば、ビットSuport_30bit,Suport_36bit,Suport_48bitや、ビットSub_2bit,Sub_4bit,Sub_8bit,Sub_Data_Support、副信号情報としてのビットSD0,SD1,SD2等を割り当てる領域も、上述した領域に限定されるものではなく、現行のHDMI(R)において、未使用(Reserved)になっている任意の領域に割り当てることができる。
また、本発明は、HDMI(R)の他、受信装置の性能を表す性能情報を受信した後、1の垂直同期信号から次の垂直同期信号までの区間から、水平帰線区間及び垂直帰線区間を除いた区間である有効画像区間において、非圧縮の1画面分の画像の画素データを、ピクセルクロックの1クロックあたりに固定のビット数のデータを伝送する複数のチャンネルで、差動信号により、受信装置に一方向に送信する送信装置と、性能情報を送信した後、送信装置から、複数のチャンネルで、差動信号により送信されてくる画素データを受信する受信装置とからなる通信インタフェースに適用可能である。
41 HDレコーダ, 42 ディスプレイ, 43 ケーブル, 51 記録再生部, 52 コーデック, 53 HDMI(R)ソース, 54 HD, 61 HDMI(R)シンク, 62 表示制御部, 63 表示部, 71 ソース信号処理部, 72 トランスミッタ, 72Aないし72C エンコーダ/シリアライザ, 81 レシーバ, 81Aないし81C リカバリ/デコーダ, 82 シンク信号処理部, 101 主画像処理部, 102 副信号付加部, 103 副信号処理部, 104 副信号関連情報挿入部, 105 副信号受信可否判定部, 106 副信号割り当てビット数決定部, 107 副信号フレーム情報送信制御部, 108 ディープカラーモード決定部, 121 FIFOメモリ, 122 副信号有無判定部, 123 分離部, 124 主画像処理部, 125 主画像メモリ, 126 副信号処理部, 127 副信号メモリ, 201 バス, 202 CPU, 203 ROM, 204 RAM, 205 EEPROM, 206 入出力インタフェース