JP4661541B2 - 電子写真用トナー、電子写真用トナーの製造方法、画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真用トナー、該電子写真用トナーの製造方法及び画像形成方法に関する。
消費電力低減や高速印刷のために、定着装置の低エネルギー化(低温定着化)が近年図られている。低温定着化を達成するためトナーに要求される性能としては、低温での溶融性の向上であるため、低ガラス転移温度化、低軟化点化が具体的に挙げられる。
しかしながら、低ガラス転移温度化、低軟化点化を、従来の樹脂組成、樹脂の分子量制御で行っていくと、樹脂の粘弾性の低下により、低温定着時における画像の折り目定着強度の悪化、及び、光沢度が高くなると同時に光沢ムラを発生するという問題を生じていた。
例えば、折り目定着強度の向上の対策として、架橋性モノマーを添加することで、高分子量成分を生成する検討がされている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−173044号公報
しかしながら、上記検討では、低温定着時における折り目強度の確保と適当な光沢度と光沢ムラの抑制を満足するには至らなかったのである。そこで、低温定着性、折り目強度、光沢度抑制、光沢均一性を満足する電子写真用トナーの開発が望まれていた。
本発明は、上記問題を鑑みなされたもので、トナー画像を加熱ローラー表面温度90〜150℃の低温で転写材に定着しても、折り目定着強度が強く、転写材を折り曲げたところからトナーが剥離せず、且つ光沢度が抑えられた光沢ムラの無いトナー画像が得られる電子写真用トナー、該電子写真用トナーの製造方法及び画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明の課題は、下記構成を採ることにより達成される。
1.
結着樹脂と着色剤を含有する電子写真用トナーにおいて、
該電子写真用トナーが、少なくともイオン性解離基を有する重合性単量体と、水酸基を有するポリブタジエンにより形成される樹脂を含有し、
且つ、該電子写真用トナーのガラス転移温度が20〜50℃、軟化点が80〜110℃であることを特徴とする電子写真用トナー。
2.
前記水酸基を有するポリブタジエンの粘度が、30℃において1〜10Pa・sであることを特徴とする前記1に記載の電子写真用トナー。
3.
結着樹脂と着色剤を含有する電子写真用トナーの製造方法において、
水酸基を有するポリブタジエンの存在下で、イオン性解離基を有する重合性単量体を重合した後、コア・シェル構造とすることを特徴とする電子写真用トナーの製造方法
4.
前記1または2に記載の電子写真用トナーを用いて形成したトナー画像を、加熱ローラーの表面温度90〜150℃で転写材上に定着することを特徴とする画像形成方法
本発明の電子写真用トナー(以下、単にトナーともいう)、該トナーの製造方法、該トナーを用いた画像形成方法は、トナー画像を加熱ローラー表面温度90〜150℃の低温で転写材に定着しても、折り目定着強度が強く、転写材を折り曲げたところからトナーが剥離せず、且つ光沢が抑えられた光沢ムラの無いトナー画像(セミグロス画像)が得られる優れた効果を有する
本発明者等は、トナー中にポリブタジエンを含有し、ガラス転移温度が20〜50℃、軟化点が80〜110℃であるトナーを、加熱ローラー表面温度90〜150℃の低温で定着を行う画像形成方法に使用したときに、トナー画像が転写紙を折り曲げても剥離せず、折り目定着強度を向上していることを見出した。また、得られたトナー画像の光沢が抑えられ、文字画像を読むのに適したセミグロス画像が得られることを見出した。
低温定着時の折り目定着強度を向上させることができた要因としては、トナー中にポリブタジエンを含有させることによって、トナーと転写材として用いる紙との接着性、及びトナー同士の界面における接着性が向上したものと推測している。特に、結着樹脂との反応性の高い極性基を分子末端に備えたポリブタジエンタイプでは、重合性単量体と一部グラフト重合するために、更に折り目定着強度が向上したものと推測される。
また、光沢が抑えられる理由としては、熱定着時にトナー画像表面上に存在する、ポリブタジエンと離型剤の混合物の若干の濁りの影響、また上記グラフと重合による分子量増大により光沢を抑える効果が生じたものと推測している。更に、ポリブタジエンが常温で液状であると、熱定着時に瞬時にポリブタジエンと離型剤が混合し、光沢ムラの発生を防止しつつ、光沢を制御できたものと推測している。
尚、トナー画像の光沢は、標準光沢度で20〜50が好ましく、30〜40がより好ましい。
標準光沢度が上記範囲のトナー画像は、いわゆるオフィス文書として好ましい非光沢性と、カラー画像として必要な光沢性とを同時に満足することができる。
本発明における「標準光沢度」とは、べた画像部分において、JIS−Z8741により、入射角75°にて光沢計「GMX−203」(村上色彩技術研究所社製)により測定した値で表されるものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
《ポリブタジエン》
本発明のトナーは、該トナー中にポリブタジエンを含有することを特徴としている。
中でも、極性基を有するポリブタジエンであることが好ましい。
本発明における極性基とは、フェニル基、ナフチル基、カルボキシル基、エステル基、エーテル基、水酸基、アミド基、イミド基、ニトロ基、アミノ基、アンモニウム基、スルホニル基、チオール基、スルフィド基を示し、これらの中では水酸基が好ましい。
ポリブタジエンの含有量(割合)は、トナー全体に対して0.5〜30質量%が好ましく、2〜15質量%がより好ましく、3〜12質量%が更に好ましい。尚、上記ポリブタジエンは、単独でも混合して用いてもよい。
ポリブタジエンの含有量をこの範囲とすることで、良好な離型性及び帯電性が発現されると共に転写材に対して強固な接着性が発現され、安定した定着性能を発現することができる。また、融点が、50〜100℃の離型剤と併用することにより、光沢度抑制に顕著な効果が得られる。
本発明に用いられるポリブタジエンは、30℃で測定したときの粘度が1〜10Pa・sであるものが好ましい。
上記ポリブタジエンの具体例としては、市販のポリブタジエン「B−1000」、「B−2000」、「B−3000」(いずれも新日本石油化学製)、末端に水酸基を有する市販のポリブタジエン「R−45HT」、「R−15HT」(いずれも出光興産製)等が挙げられる。
尚、粘度は、JIS K2283に準拠して測定して得た値である。具体的には、測定試料を30℃に調温し、「B型粘度計」((株)トキメック社製)を用いて測定する。
《トナーのガラス転移温度》
本発明のトナーのガラス転移温度は、20〜50℃、好ましくは30〜40℃である。
本発明のトナーのガラス転移温度は、「DSC−7示差走査カロリメーター」(パーキンエルマー社製)、「TAC7/DX熱分析装置コントローラ」(パーキンエルマー社製)を用いて測定する。
測定手順としては、トナー4.5〜5.0mgを小数点以下2桁まで精秤し、アルミニウム製パン(Kit No.0219−0041)に封入し、「DSC−7サンプルホルダー」にセットする。リファレンスは空のアルミニウム製パンを使用した。
測定条件としては、測定温度0℃〜200℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分で、Heat−cool−Heatの温度制御で行い、その2nd.Heatにおけるデータをもとに解析を行う。
ガラス転移温度は、第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1のピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間で最大傾斜を示す接線を引き、その交点をガラス転移温度として示す。
《トナーの軟化点》
本発明のトナーの軟化点は、80〜110℃、好ましくは90〜100℃である。
トナーの軟化点の測定は、以下のようにして行う。
20℃±1℃、50±5%RH環境下で、トナー1.1gをシャーレに入れ平らにならし、12時間以上放置した後、成型器「SSP−10A」(島津製作所製)にて3820kg/cm2の力で30秒間加圧し、直径1cmの円柱型の成型サンプルを作製する。
24℃±5℃、50±20%RH環境下において、フローテスタ「CFT−500D」(島津製作所製)により、上記成型サンプルを、荷重196N(20kgf)、開始温度60℃、予熱時間300秒、昇温速度6℃/分の条件で、円柱型ダイの穴(1mm径×1mm)より、直径1cmのピストンを用いて予熱終了時から押し出し、昇温法の溶融温度測定方法でオフセット値5mmの設定で測定したオフセット法温度Toffsetを、トナーの軟化点とする。
《トナーの製造方法》
次に、本発明のトナーの構造とその製造方法について説明する。
本発明のトナーは、コア粒子表面にシェルを設けたコア・シェル構造を有するものが好ましい。前記コア粒子中には、ポリブタジエンを含んでいることが好ましい。
コア・シェル構造を有するトナーのコア粒子は、懸濁重合法により調製された多層構造を有する複合樹脂粒子や、乳化重合、特に、多段重合法とよばれる多層構造を有する複合樹脂粒子を、着色剤粒子(或いは着色樹脂粒子)とともに凝集剤の存在下で凝集・融着させることにより得られる。そして、このように形成された複合樹脂粒子や着色樹脂粒子のコア粒子に、更に別途用意された樹脂粒子分散液を用いてシェリング操作を施し、コア粒子表面に少なくとも1層のシェルを形成する。このように、コア粒子表面にシェリング操作を施すことにより樹脂微粒子からなるシェルを形成してトナー粒子を形成する。
そして、生成されたシェル表面に外添剤を添加してコア・シェル構造を有するトナーを作製する。
トナーのコア粒子とシェル(単一層でも複数層でもよい)の質量比は、シェル
の質量比率はコア粒子の質量に対して、10〜30質量%であることが好ましい。
次に、本発明のトナーの製造方法について説明する。
本発明のトナーは、例えば、以下のような工程を経て作製されるものである。
(1)ポリブタジエン及び離型剤をラジカル重合性単量体に溶解或いは分散する溶解/分散工程
(2)樹脂微粒子の分散液を調製するための重合工程
(3)水系媒体中で樹脂微粒子と着色剤粒子を凝集、融着させてコア粒子(会合粒子)を得る凝集・融着工程
(4)会合粒子を熱エネルギーにより熟成して形状を調整する第1の熟成工程
(5)コア粒子(会合粒子)分散液中に、シェル用の樹脂粒子を添加してコア粒子表面にシェル用粒子を凝集、融着させてコア・シェル構造のトナー粒子を形成するシェル化工程
(6)コア・シェル構造のトナー粒子を熱エネルギーにより熟成して、コア・シェル構造のトナー粒子の形状を調整する第2の熟成工程
(7)冷却されたトナー粒子分散液からトナー粒子を固液分離し、当該トナー粒子から界面活性剤などを除去する洗浄工程
(8)洗浄処理されたトナー粒子を乾燥する乾燥工程
また、必要に応じて乾燥工程の後に、
(9)乾燥処理されたトナー粒子に外添剤を添加する工程
を有する場合もある。上記工程については、後で詳述する。
〔溶解/分散工程〕
この工程では、ラジカル重合性単量体にポリブタジエンを溶解または分散、或いは、ポリブタジエンと同時に離型剤を溶解または分散させて、ポリブタジエンを混合したラジカル重合性単量体溶液を調製する工程である。
〔重合工程〕
この重合工程の好適な一例においては、臨界ミセル濃度(CMC)以下の界面活性剤を含有した水系媒体中に、前記離型剤の混合物を溶解或いは分散含有したラジカル重合性単量体溶液を添加し、機械的エネルギーを加えて液滴を形成させ、次いで水溶性のラジカル重合開始剤を添加し、当該液滴中において重合反応を進行させる。尚、前記液滴中に油溶性重合開始剤が含有されていてもよい。このような重合工程においては、機械的エネルギーを付与して強制的に乳化(液滴の形成)処理が必須となる。かかる機械的エネルギーの付与手段としては、ホモミキサー、超音波、マントンゴーリンなどの強い撹拌又は超音波振動エネルギーの付与手段を挙げることができる。
この重合工程により、離型剤の混合物と結着樹脂とを含有する樹脂微粒子が得られる。かかる樹脂微粒子は、着色された微粒子であってもよく、着色されていない微粒子であってもよい。着色された樹脂微粒子は、着色剤を含有する単量体組成物を重合処理することにより得られる。また、着色されていない樹脂微粒子を使用する場合には、後述する凝集・融着工程において、樹脂微粒子の分散液に、着色剤微粒子の分散液を添加し、樹脂微粒子と着色剤微粒子とを融着させることでトナー粒子とすることができる。
〔凝集・融着工程〕(含第1の熟成工程)
前記融着工程における凝集、融着の方法としては、重合工程により得られた樹脂微粒子(着色又は非着色の樹脂微粒子)を用いた塩析/融着法が好ましい。また、当該凝集・融着工程においては、樹脂微粒子や着色剤微粒子とともに、離型剤微粒子や荷電制御剤などの内添剤微粒子を凝集、融着させることができる。
前記凝集・融着工程における「水系媒体」とは、主成分(50質量%以上)が水からなるものをいう。ここに、水以外の成分としては、水に溶解する有機溶媒を挙げることができ、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
着色剤微粒子は、着色剤を水系媒体中に分散することにより調製することができる。着色剤の分散処理は、水中で界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態で行われる。着色剤の分散処理に使用する分散機は特に限定されないが、好ましくは超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。また、使用される界面活性剤としては、前述の界面活性剤と同様のものを挙げることができる。尚、着色剤(微粒子)は表面改質されていてもよい。着色剤の表面改質法は、溶媒中に着色剤を分散させ、その分子量液中に表面改質剤を添加し、この系を昇温することにより反応させる。反応終了後、着色剤を濾別し、同一の溶媒で洗浄濾過を繰り返した後、乾燥することにより、表面改質剤で処理された着色剤(顔料)が得られる。
好ましい凝集、融着方法である塩析/融着法は、樹脂微粒子と着色剤微粒子とが存在している水中に、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩及び3価の塩等からなる塩析剤を臨界凝集濃度以上の凝集剤として添加し、次いで、前記樹脂微粒子のガラス転移点以上であって、且つ前記混合物の融解ピーク温度(℃)以上の温度に加熱することで塩析を進行させると同時に融着を行う工程である。ここで、塩析剤であるアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩は、アルカリ金属として、リチウム、カリウム、ナトリウム等が挙げられ、アルカリ土類金属として、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられ、好ましくはカリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが挙げられる。
凝集、融着を塩析/融着で行う場合、塩析剤を添加した後に放置する時間をできるだけ
短くすることが好ましい。この理由として明確では無いが、塩析した後の放置時間によって、粒子の凝集状態が変動し、粒径分布が不安定になったり、融着させたトナーの表面性が変動したりする問題が発生する。また、塩析剤を添加する温度としては少なくとも樹脂微粒子のガラス転移温度以下であることが必要である。この理由としては、塩析剤を添加する温度が樹脂微粒子のガラス転移温度以上であると樹脂微粒子の塩析/融着は速やかに進行するものの、粒径の制御を行うことができず、大粒径の粒子が発生したりする問題が発生する。この添加温度の範囲としては樹脂のガラス転移温度以下であればよいが、一般的には5〜50℃、好ましくは10〜45℃である。
また、塩析剤を樹脂微粒子のガラス転移温度以下で加え、その後にできるだけ速やかに昇温し、樹脂微粒子のガラス転移温度以上であって、且つ、前記混合物の融解ピーク温度(℃)以上の温度に加熱する。この昇温までの時間としては1時間未満が好ましい。更に、昇温を速やかに行う必要があるが、昇温速度としては、0.25℃/分以上が好ましい。上限としては特に明確では無いが、瞬時に温度を上げると塩析が急激に進行するため、粒径制御がやりにくいという問題があり、5℃/分以下が好ましい。この融着工程により、樹脂微粒子及び任意の微粒子が塩析/融着されてなる会合粒子(コア粒子)の分散液が得られる。
そして、本発明では、凝集・融着工程の加熱温度や第1の熟成工程の加熱温度と時間の制御することにより、形成したコア粒子が凹凸形状を有するものになるように制御する。具体的には、凝集・融着工程で加熱温度を低めにして樹脂粒子同士の融着の進行を抑制させて異形化を促進させたり、第1の熟成工程で加熱温度を低めに、且つ、時間を短くしてコア粒子を凹凸形状のものに制御する。
〔シェル化工程〕(含む第2の熟成工程)
シェル化工程では、コア粒子分散液中にシェル用の樹脂粒子分散液を添加してコア粒子表面にシェル用の樹脂粒子を凝集、融着させ、コア粒子表面にシェル用の樹脂粒子を被覆させてトナー粒子を形成する。
具体的には、コア粒子分散液は上記凝集・融着工程及び第1の熟成工程での温度を維持した状態でシェル用樹脂粒子の分散液を添加し、加熱撹拌を継続しながら数時間かけてゆっくりとシェル用樹脂粒子をコア粒子表面に被覆させてトナー粒子を形成する。加熱撹拌時間は、1時間〜7時間が好ましく、3時間〜5時間が特に好ましい。そして、シェル化によりトナー粒子が所定の粒径になった段階で塩化ナトリウムなどの停止剤を添加して粒子成長を停止させ、その後もコア粒子に付着させたシェル用樹脂粒子を融着させるために数時間加熱撹拌を継続する。このようにして、コア粒子表面に樹脂粒子を固着させてシェルを形成し、まるみを帯び、しかも形状のそろったトナー粒子が形成される。
〔冷却工程〕
この工程は、前記トナー粒子の分散液を冷却処理(急冷処理)する工程である。冷却処理条件としては、1〜20℃/minの冷却速度で冷却する。冷却処理方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法を例示することができる。
〔固液分離・洗浄工程〕
この固液分離・洗浄工程では、上記の工程で所定温度まで冷却されたトナー粒子の分散液から当該トナー粒子を固液分離する固液分離処理と、固液分離されたトナーケーキ(ウェット状態にあるトナー粒子をケケーキ状に凝集させた集合物)から界面活性剤や塩析剤などの付着物を除去する洗浄処理とが施される。ここに、濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用して行う濾過法など特に限定されるものではない。
〔乾燥工程〕
この工程は、洗浄処理されたトナーケーキを乾燥処理し、乾燥されたトナー粒子を得る工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを使用することが好ましい。乾燥されたトナー粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。尚、乾燥処理されたトナー粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
〔外添処理工程〕
この工程は、乾燥されたトナー粒子に必要に応じ外添剤を混合し、トナーを作製する工程である。
外添剤の混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル等の機械式の混合装置を使用することができる。
本発明のトナーの平均粒径は体積基準におけるメディアン粒径(D50)にて3〜9μmであることが好ましい。この体積基準におけるメディアン粒径(D50)は「コールターマルチサイザーIII」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用のコンピューターシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した装置を用いて測定、算出することができる。
測定手順としては、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20ml(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作製する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定濃度5〜10%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを25000個に設定して測定する。尚、コールターマルチサイザーのアパチャー径は50μmのものを使用した。
本発明のトナーは、黒トナー、或いはカラートナーとして用いることができる。
次に、本発明のトナーを構成する化合物(結着樹脂、着色剤、離型剤、荷電制御剤、外添剤)について説明する。
(結着樹脂)
結着樹脂を構成する重合性単量体として使用されるものは、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの様なスチレン或いはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸或いはメタクリル酸誘導体がある。これらビニル系単量体は単独或いは組み合わせて使用することができる。
また、樹脂を構成する重合性単量体としてイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることが更に好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
更に、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
これら重合性単量体はラジカル重合開始剤を用いて重合することができる。この場合、懸濁重合法では油溶性重合開始剤を用いることができる。この油溶性重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系又はジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンなどの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤などを挙げることができる。
また、乳化重合法を用いる場合には水溶性ラジカル重合開始剤を使用することができる。水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸及びその塩、過酸化水素等を挙げることができる。
(着色剤)
本発明に用いられる着色剤は、公知の無機又は有機着色剤を使用することができる。具体的な着色剤を以下に示す。
黒色の着色剤としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
また、マゼンタもしくはレッド用の着色剤としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48;1、C.I.ピグメントレッド53;1、C.I.ピグメントレッド57;1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
また、オレンジもしくはイエロー用の着色剤としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
また、グリーンもしくはシアン用の着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15;2、C.I.ピグメントブルー15;3、C.I.ピグメントブルー15;4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
尚、これらの着色剤は必要に応じて単独もしくは2つ以上を選択併用しても良い。また、着色剤の添加量はトナー全体に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲に設定するのが良い。
(離型剤)
本発明で使用される離型剤としては従来公知の各種のものが使用できる。このようなものとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、パラフィンワッックス、サゾールワックスなど長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスルトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。
中でも、離型剤融点としては、融点が50〜100℃のものが好ましい。
離型剤の添加量は、トナー全体に対して1〜15質量%が好ましく、3〜12質量%がより好ましい。
(荷電制御剤)
本発明のトナーには、必要に応じて荷電制御剤を添加することができる。荷電制御剤としては、公知の化合物を用いることができ、具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩或いはその金属錯体等が挙げられる。含有される金属としては、Al、B、Ti、Fe、Co、Niなどが挙げられる。荷電制御剤として特に好ましいのはベンジル酸誘導体の金属錯体化合物である。尚、荷電制御剤は、好ましくはトナー全体に対して0.1〜20.0質量%の含有率とすると、良好な結果を得ることができる。
(外添剤)
本発明のトナーは、外添剤を添加して作製されたものが好ましい。外添剤の添加量は、トナー全量に対して0.1〜10.0質量%が好ましい。
外添剤としては、特に限定されず公知の無機微粒子、有機微粒子、滑剤等を用いることができる。
無機微粒子としては、シリカ、チタニア、アルミナ、チタン酸ストロンチウム粒子等一般的なものが挙げられる。
有機粒子としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン−メチルメタクリレート共重合体、ベンゾグアナミン、メラミン等の粒子が挙げられる。
大粒径の無機粒子としては、チタンドープシリカ等のドープ物が好ましく用いられ、更に、これらの無機粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤等によって疎水化処理されていることが好ましい。
滑剤としては、高級脂肪酸の金属塩を挙げることができる。かかる高級脂肪酸の金属塩の具体例としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸銅、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等のステアリン酸金属塩;オレイン酸亜鉛、オレイン酸マンガン、オレイン酸鉄、オレイン酸銅、オレイン酸マグネシウム等のオレイン酸金属塩;パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸銅、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸カルシウム等のパルミチン酸金属塩;リノール酸亜鉛、リノール酸カルシウム等のリノール酸金属塩;リシノール酸亜鉛、リシノール酸カルシウム等のリシノール酸金属塩等が挙げられる。
《現像剤》
本発明のトナーは、一成分現像剤、二成分現像剤として用いることができる。一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤或いはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものが挙げられ、何れにも使用することができる。また、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の鉄含有磁性粒子に代表される従来から公知の材料を用いることができるが、特に好ましくはフェライト粒子もしくはマグネタイト粒子である。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは20〜80μmのものが良い。
キャリアの体積平均粒径の測定は、レーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているコーティングキャリア、或いは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
また、キャリアとトナーの混合比は、質量比でキャリア:トナー=1:1〜50:1の範囲とするのが良い。
《画像形成方法》
本発明のトナーは、トナー像が形成された転写材を、定着装置を構成する加熱部材間を通過させて定着する接触型定着方式の画像形成方法に好適に使用される。
以下、画像形成方法に用いる画像形成装置、定着装置について説明する。
図1は、本発明に用いられる画像形成装置の一例を示す断面図である。
図1において、20Y(20M、20C、20Bk)は画像形成ユニット、21Y(21M、21C、21Bk)は感光体ドラム、22Y(22M、22C、22Bk)はスコロトロン帯電器、23Y(23M、23C、23Bk)は露光光学系、24Y(24M、24C、24Bk)は現像器、25Y(25M、25C、25Bk)はクリーニング装置、34Y(34M、34C、34Bk)は転写器、40は定着装置、115は転写材搬送ベルト、160は搬送部、Pは転写材を示す。
以下、図1の画像形成装置について説明する。
図1の画像形成装置では、4組の画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Bkが転写材搬送ベルト115に沿って設けられている。
各画像形成ユニットは、感光体ドラム21Y(21M、21C、21Bk)、スコロトロン帯電器22Y(22M、22C、22Bk)、露光光学系23Y(23M、23C、23Bk)、現像器24Y(24M、24C、24Bk)及びクリーニング装置(クリーニング手段)25Y(25M、25C、25Bk)より構成され、各画像形成ユニットの感光体ドラム(21Y、21M、21C、21Bk)上に形成された各トナー像を、タイミングを合わせて搬送されてくる転写材(転写紙、OHP等)Pに、転写手段としての転写器34Y(34M、34C、34Bk)により順次転写して、重ね合わせカラートナー像を形成する。
転写材Pは、転写材搬送ベルト115に乗って搬送され、転写材分離手段としての紙分離AC除電器161による除電作用と、所定の間隔を空けて搬送部160に設けられる分離部材である分離爪210とにより、搬送ベルトから分離される。
次に転写材Pは、搬送部160を通った後、加熱ロール41と、加圧ロール42とにより構成される定着装置(定着手段)40へと搬送され、加熱ロール41と加圧ロール42により形成されるニップ部Tで転写材Pが挟持され、熱と圧力とが加えられることにより
転写材P上の重ね合わせトナー像が定着された後、機外へ排出される。
前記露光手段には像露光光源として、半導体レーザを用いた走査光学系、及びLEDや液晶シャッター等の固体スキャナー等を用いることができる。
転写材を搬送する転写材搬送ベルト115には、ポリイミド、ポリカーボネート、PVdF等の高分子フィルムや、シリコンゴム、フッ素ゴム等の合成ゴムにカーボンブラック等の導電性フィラーを添加して導電化したもの等が用いられ、ドラム状、ベルト状どちらでもよいが、装置設計の自由度の観点からベルト状が好ましい。
また、転写ベルトの表面は、適当に粗面化されていることが好ましい。転写ベルトの十点表面粗さRzを0.5〜2μmにすることにより、転写材と転写ベルトの密着性を高め、転写ベルト上での転写材の揺動を防止し、感光体から転写材へのトナー像の転写性を良好にすることができる。
本発明に用いられる転写材とは、トナー画像を保持する支持体で、通常画像支持体、転写体或いは転写紙と通常よばれるものである。具体的には薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙やコート紙等の塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布等の各種転写材を挙げることができるが、これらに限定5れるものではない。
図2は、本発明で用いられる定着装置(加圧ローラーと加熱ローラーを用いたタイプ)の一例を示す断面図である。
図2に示す定着装置10は、加熱ローラー71と、これに当接する加圧ローラー72とを備えている。尚、図2において、17は転写材(転写紙)P上に形成されたトナー像である。
加熱ローラー71は、フッ素樹脂又は弾性体からなる被覆層82が芯金81の表面に形成されてなり、線状ヒーターよりなる加熱部材75を内包している。
芯金81は、金属から構成され、その内径は10〜70mmとされる。芯金81を構成する金属としては特に限定されるものではないが、例えば鉄、アルミニウム、銅等の金属或いはこれらの合金を挙げることができる。
芯金81の肉厚は0.1〜15mmとされ、省エネの要請(薄肉化)と、強度(構成材料に依存)とのバランスを考慮して決定される。例えば、0.57mmの鉄よりなる芯金と同等の強度を、アルミニウムよりなる芯金で保持するためには、その肉厚を0.8mmとする必要がある。
被覆層82の表面を構成するフッ素樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)及びPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)などを例示することができる。
フッ素樹脂からなる被覆層82の厚みは10〜500μmとされ、好ましくは20〜400μmとされる。
フッ素樹脂からなる被覆層82の厚みが10μm未満であると、被覆層としての機能を十分に発揮することができず、定着装置としての耐久性を確保することができない。一方、500μmを超える被覆層の表面には紙粉によるキズがつき易く、当該キズ部にトナーなどが付着し、これに起因する画像汚れを発生する問題がある。
また、被覆層82を構成する弾性体としては、LTV、RTV、HTVなどの耐熱性の良好なシリコンゴム及びシリコンスポンジゴムなどを用いることが好ましい。
被覆層82を構成する弾性体のアスカーC硬度は、80°未満とされ、好ましくは60°未満とされる。
また、弾性体からなる被覆層82の厚みは0.1〜30mmが好ましく、0.1〜20mmがより好ましい。
加熱部材75としては、ハロゲンヒーターを好適に使用することができる。
加圧ローラー72は、弾性体からなる被覆層84が芯金83の表面に形成されてなる。被覆層84を構成する弾性体としては特に限定されるものではなく、ウレタンゴム、シリコンゴムなどの各種軟質ゴム及びスポンジゴムを挙げることができ、被覆層84を構成するものとして例示したシリコンゴム及びシリコンスポンジゴムを用いることが好ましい。
また、被覆層84の厚みは0.1〜30mmが好ましく、0.1〜20mmがより好ましい。
加熱ローラー10の表面温度は90〜150℃が好ましく、90〜130℃がより好ましい。
定着線速は80〜640mm/secが好ましい。また、加熱ローラーのニップ幅は8〜40mm、好ましくは11〜30mmに設定する。
図3は、本発明で用いられる定着装置(ベルトと加熱ローラーを用いたタイプ)の一例を示す概略図である。
図3に示す定着装置10は、ニップ幅を確保するためにベルトと加熱ローラーを用いたタイプのもので、定着ローラー601とシームレスベルト11、及びシームレスベルト11を介して定着ローラー601に押圧される圧力パッド(圧力部材)12a、圧力パッド(圧力部材)12bとで主要部が構成されている。
定着ローラー601は、金属製のコア(円筒状芯金)10aの周囲に耐熱性弾性体層10b、及び離型層(耐熱性樹脂層)10cを形成したものであり、コア10aの内部には、加熱源としてのハロゲンランプ14が配置されている。定着ローラー601の表面の温度は温度センサー15によって計測され、その計測信号により、図示しない温度コントローラによってハロゲンランプ14がフィードバック制御されて、定着ローラー601の表面が一定温度になるように調整される。シームレスベルト11は、定着ローラー601に対し所定の角度巻き付けられるように接触し、ニップ部を形成している。
シームレスベルト11の内側には、低摩擦層を表面に有する圧力パッド12がシームレスベルト11を介して定着ローラー601に押圧される状態で配置されている。圧力パッド12は、強いニップ圧がかかる圧力パッド12aと、弱いニップ圧がかかる圧力パッド12bとが設けられ、金属製等のホルダー12cに保持されている。
更にホルダー12cには、シームレスベルト11がスムーズに摺動回転するようにベルト走行ガイドが取り付けられている。ベルト走行ガイドはシームレスベルト11内面と摺擦するため摩擦係数が低い部材が望ましく、且つ、シームレスベルト11から熱を奪いにくいように熱伝導の低い部材が良い。尚、シームレスベルトのベルト部材の具体例としては、ポリイミド製を挙げることができる。
尚、剥離の補助手段として、定着ローラー601のニップ部の下流側に、剥離部材20を配設することも可能である。剥離部材20は、剥離バッフル20aが定着ローラー601の回転方向と対向する向き(カウンタ方向)に定着ローラー601と近接する状態でホルダー20bによって保持されている。
図4は、本発明で用いられる定着装置(ソフトローラーと加熱ローラーを用いたタイプ)の一例を示す概略図である。
図4に示す定着装置10は、定着ニップを確保するとともに、転写材の巻き付きを防止し、画質に優れるソフトローラーと加熱ローラーを用いたタイプのもので、加熱ローラー部材として加熱ローラー601と、ソフトローラー部材としてのソフトローラー17bを用い、加熱ローラー601の内部に加熱部材としてのハロゲンランプ14を備えたものである。
加熱ローラー601とソフトローラー17bとの間にニップ部Nを形成し、ニップ部Nを通して熱と圧力とを加えることにより、転写材P上のトナー像を定着するものである。上記において、ソフトローラー17bの内部にも加熱部材としてのハロゲンランプ14(不図示)を配設するようにしても良い。
内部に加熱部材としてのハロゲンヒーター14が設けられる加熱ローラー601は、基体として金属部材、例えばアルミ材を用いた、肉厚5〜20mm程度の円筒状の金属パイプ171aと、該金属パイプ171aの外周面に厚さ5〜30μm程度のPFA(パーフルオロアルコキシ)コーティング、或いはPFAチューブを被覆した離型層173aとを形成した、外径50〜80mm程度のハードローラーとして形成される。加熱ローラー601は、駆動減速系GKaを介して加熱ローラー駆動モータMaによって独立駆動される。
加熱ローラー17bとしては、基体として例えば鉄材を用いた、肉厚5〜10mm程度の円筒状の芯金として金属パイプ171bと、該金属パイプ171bの外周面に、例えばシリコン材を用い、厚さ3〜15mm厚の肉厚で、ゴム硬度が30〜50Hs(JIS、Aゴム硬度)の柔らかめのゴム部材からなる弾性体としてのゴムローラー層172bと、該ゴムロール層172bの表面に厚さ15〜100μm程度のPFA(パーフルオロアルコキシ)コーティング、或いはPFAチューブを被覆した離型層173bとを形成した、外径50〜80mm程度の柔らかめのソフトローラーとして構成される。また、加圧ローラー17bも駆動減速系GKbを介して加圧ローラー駆動モータMbによって独立駆動される。
加圧ローラー17bの外周で、加熱ローラー601と加圧ローラー17bとのニップ部Nの上流側に、内部に加熱部材としてハロゲンランプHLaを有する定着補助ローラー部材である定着補助ローラー17cが設けられる。
定着補助ローラー17cは、基体として例えばアルミ材を用いた、肉厚1〜3mm程度の円筒状芯金にPFA(パーフルオロアルコキシ)をコーティングした金属パイプ171cと、該金属パイプ171cの内部にハロゲンランプHLaを配置したローラー部材として構成される。定着補助ローラー17cは加圧ローラー17bに不図示のバネで押圧されて加圧ローラー17bの回転に従動し、従動回転される。
ハードローラーである加熱ローラー601とソフトローラーである加圧ローラー17bとの間に形成される下側の凸状のニップ部Nにより記録紙P上のトナー像(或いはカラートナー像)が定着される。
また、加熱ローラー601に接触又は非接触の温度センサーTS1を設け、加熱ローラー601の温度制御を行う。定着補助ローラー17cに接触或いは非接触の温度センサーTS2を設け、定着補助ローラー17cの温度制御を行う。
図3の定着装置10は、ニップ幅を確保するためにベルトと加熱ローラーを用いたタイプのもので、加熱ローラー601とシームレスベルト11、及びシームレスベルト11を介して加熱ローラー601に押圧される圧力パッド(圧力部材)12a、圧力パッド(圧力部材)12bとで主要部が構成されている。
以下に、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
《ポリブタジエンの準備》
以下のポリブタジエンを準備した。
R−15HT 30℃における粘度1.5Pa・s
R−45HT 30℃における粘度5.0Pa・s
《トナーの作製》
〈トナーBk1の作製〉
3層構造樹脂粒子の作製
(コア用の樹脂粒子Aの製造)
第一段重合
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム4gとイオン交換水3000gを仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。昇温後、過硫酸カリウム10gをイオン交換水200gに溶解させたものを添加し、液温75℃とし、下記単量体混合液を1時間かけて滴下後、75℃にて2時間加熱、撹拌することにより重合を行い、樹脂粒子を調製した。これを「樹脂粒子(A1)」とする。
スチレン 532g
n−ブチルアクリレート 200g
メタクリル酸 68g
n−オクチルメルカプタン 16g
第二段重合
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム3gをイオン交換水1560gに溶解させた溶液を仕込み、80℃に加熱後、前記「樹脂粒子(A1)」を固形分換算35gと、離形剤であるワックスを下記単量体溶液を80℃にて溶解させた溶液を添加し、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)により、1時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製した。
スチレン 100g
n−ブチルアクリレート 62g
メタクリル酸 12g
n−オクチルメルカプタン 1.75g
パラフィンワックス「HNP−57」(日本精鑞製) 70g
ポリブタジエン「R−45HT」(出光興産社製) 35g
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム5gをイオン交換水100gに溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を80℃にて1時間にわたり加熱撹拌することにより重合を行い、樹脂粒子を得た。これを「樹脂粒子(A2)」とする。
第三段重合
更に、過硫酸カリウム10gをイオン交換水200gに溶解させた溶液を添加し、80℃の温度条件下に、
スチレン 294g
n−ブチルアクリレート 155g
n−オクチルメルカプタン 7.08g
からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌することにより重合を行った後、28℃まで冷却し樹脂粒子を得た。これを「樹脂粒子(A3)」とする。
(シェル用の樹脂粒子Bの製造)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム4gとイオン交換水3000gを仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。昇温後、過硫酸カリウム10gをイオン交換水400gに溶解させたものを添加し、液温80℃とし、下記単量体混合液を2時間かけて滴下後、80℃にて2時間加熱、撹拌することにより重合を行い、樹脂粒子を調製した。これを「樹脂粒子B」とする。
スチレン 624g
2−エチルヘキシルアクリレート 120g
メタクリル酸 56g
n−オクチルメルカプタン 16.4g
(着色剤Bk分散液の作製)
ドデシル硫酸ナトリウム90gをイオン交換水1600gに撹拌溶解した。この溶液を撹拌しながら、カーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)420gを徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の分散液を調整した。これを、「着色剤Bk分散液」とする。この着色剤Bk分散液における着色剤粒子の粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、110nmであった。
(凝集・融着工程)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、「樹脂粒子A」を固形分換算で392gと、イオン交換水1100gと、「着色剤Bk分散液」200gを仕込み、液温を30℃に調整した後、5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。次いで、塩化マグネシウム60gをイオン交換水60gに溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間保持した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて80℃まで昇温し、80℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。この状態で、「コールターマルチサイザーIII」にて会合粒子の粒径を測定し、体積基準におけるメディアン径が6μmになった時点で、塩化ナトリウム40gをイオン交換水160gに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、更に、熟成工程として液温度80℃にて1時間にわたり加熱撹拌することにより粒子間の融着を進行させ、「コア粒子」を形成した。
(シェリング工程)
次いで、「樹脂粒子B」を固形分換算で44g添加し、80℃にて1時間にわたり撹拌を継続し、「コア粒子」の表面に「樹脂粒子B」の粒子を融着させシェルを形成させた。ここで、塩化ナトリウム150gをイオン交換水600gに溶解した水溶液を添加し熟成処理を行い、所望の円形度になった時点で30℃に冷却した。
(洗浄・乾燥工程)
生成した粒子をバスケット型遠心分離機「MARKIII 型式番号60×40」(松本機械(株)製)で固液分離し、トナー母体粒子のウェットケーキを形成した。該ウェットケーキを、前記バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで40℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥して「トナーBk母体粒子」を作製した。
上記で得られた「トナーBk母体粒子」に、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm)を1質量%及び疎水性チタニア(数平均一次粒子径=20nm)を0.3質量%添加し、ヘンシェルミキサーにより混合して、本発明の「トナーBk1」を作製した。
〈トナーBk2の作製〉
トナーBk1の作製例のコア用樹脂粒子Aの製造工程の第2段重合において、ポリブタジエンの品種と添加量を表1に示したように変更した他は同様にして、本発明の「トナーBk2」を作製した。
〈トナーBk3〜Bk7の作製〉
トナーBk1の作製例のコア用樹脂粒子Aの製造工程の第2段重合において、パラフィンワックスの添加量と、ポリブタジエンの添加量を表1に示したように変更するとともに、第3段重合において、スチレンを202.5g、n−ブチルアクリレートを211.5g、メタクリル酸を36gに変更した他は同様にして、本発明の「トナーBk3〜Bk7」を作製した。
〈トナーBk8の作製〉
トナーBk1の作製例のコア用樹脂粒子Aの製造工程の第2段重合において、ポリブタジエンの品種と添加量を表1に示したように変更するとともに、第3段重合において、スチレンを288g、n−ブチルアクリレートを126g、メタクリル酸を36gに変更した他は同様にして、本発明の「トナーBk8」を作製した。
〈トナーBk9の作製〉
トナーBk1の作製例のコア用樹脂粒子Aの製造工程の第2段重合において、ポリブタジエンの品種と添加量を表1に示したように変更するとともに、第3段重合において、スチレンを310.5g、n−ブチルアクリレートを94.5g、メタクリル酸を45gに変更した他は同様にして、本発明の「トナーBk9」を作製した。
〈トナーBk10の作製〉
トナーBk4の作製例のコア用樹脂粒子Aの製造工程の第2段重合において、パラフィンワックスの添加量を105gに変更し、R−45HTを添加せずに、n−オクチルメルカプタンを2g、n−ブチルアクリレートを215gに変更した他は同様にして比較用の「トナーBk10」を作製した。
〈トナーBk11の作製〉
トナーBk9の作製例のコア用樹脂粒子Aの製造工程の第2段重合において、n−オクチルメルカプタンを0.5gに変更するとともに、第3段重合において、スチレンを315g、n−ブチルアクリレートを90g、メタクリル酸を45g、n−オクチルメルカプタンを3gに変更する他は同様にして比較用の「トナーBk11」を作製した。
〈トナーBk12の作製〉
トナーBk8の作製例のコア用樹脂粒子Aの製造工程の第2段重合において、ポリブタジエンを入れずに、NKエステルHD(新中村化学社製)を56gに変更した他は同様にして比較用の「トナーBk12」を作製した。
〈トナーC1〜C12の作製〉
「トナーBk1〜Bk12」の着色剤Bk分散液の作製で用いた「リーガル330R」(キャボット社製)の420gを「C.I.ピグメントブルー15:3」の210gに変更した他は同様にして「トナーC1〜C12」を作製した。
〈トナーM1〜M12の作製〉
「トナーBk1〜Bk12」の着色剤Bk分散液の作製で用いた「リーガル330R」(キャボット社製)の420gを「C.I.ピグメントレッド122」の357gに変更した他は同様にして「トナーM1〜M12」を作製した。
〈トナーY1〜Y12の作製〉
「トナーBk1〜Bk12」の着色剤Bk分散液の作製で用いた「リーガル330R」(キャボット社製)の420gを「C.I.ピグメントイエロー74」の378gに変更した他は同様にして「トナーY1〜Y12」を作製した。
表1に、「トナーBk1〜Bk12」の作製に用いたポリブタジエンと離型剤の種類、それらの量、得られたトナーの重量平均分子量、トナーのガラス転移温度、トナーの軟化点を示す。
Figure 0004661541
尚、「トナーC1〜C12」、「トナーM1〜M12」及び「トナーY1〜Y12」は測定結果が「トナーBk1〜Bk12」の測定結果と同等であったので省略する。
《現像剤の調製》
上記で作製したトナー粒子の各々に対してシリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度が6質量%の「現像剤Bk1〜Bk12」、「現像剤C1〜C12」、「現像剤M1〜M12」、「現像剤Y1〜Y12」を調製した。
《画像評価》
上記で作製したトナーの画像評価装置として、「bizhub PRO C500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)に、図2の定着装置を装着したものを用いた。
尚、定着速度、熱ローラーの表面材質、表面温度は以下のようにした。
定着速度:230mm/sec
加熱ローラーの表面材質:PTEE
加熱ローラーの表面温度:125℃(但し、低温定着性評価時は適宜設定)
評価は、上記評価装置に上記で作製したトナーを順番に装填し、常温常湿(20℃、55%RH)の環境で、以下の項目について行った。
プリントは、画素率が10%の画像(文字画像が7%、人物顔写真、べた白画像、べた画像がそれぞれ1/4等分にあるオリジナル画像)をCFペーパー(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)に1000枚行った。
尚、◎、○は問題なく合格レベル、×は実用上問題となるレベルである。
(折り目定着強度評価)
折り目の定着強度として、下記のように折り目の定着率を測定した。ここで、折り目定着率とは、トナーの定着物を内面にして折り曲げたとき、その折り曲げ部分でのトナーはがれの程度を定着率で示したものである。
測定方法は、べた画像部(画像濃度が0.8)を画像面を内側にして折り、3回指で擦った後、画像を開いて「JKワイパー」(株式会社クレシア製)で3回ふき取り、べた画像の折り目箇所の折り曲げ前後の画像濃度から下記式により算出した値である。
折り目定着率(%)=(折り曲げ後画像濃度)/(折り曲げ前画像濃度)×100
得られた折り目定着率から、下記のように折り目強度をランク評価した。
尚、○以上が問題なしレベルである。
評価基準
◎:90〜100%で、折り目定着強度が優れている
○:80〜90%未満で、折り目定着強度が良好
×:80%未満で、折り目定着強度が不良。
(光沢度)
べた画像部の光沢度は、定着装置の加熱ローラー表面温度125℃にて画像を転写材上に定着して得られたトナー画像を評価した。尚、光沢度の測定は前記「標準光沢度の測定方法」に記載の方法で行った。
評価基準
◎:光沢度が、30〜40
○:光沢度が、20〜30未満、もしくは40より大きく〜50
×:光沢度が、20未満、もしくは50より大きい
(光沢ムラ)
光沢ムラは、べた画像部の光沢をルーペで拡大し目視で評価した。
評価基準
◎:光沢のムラが全く検知できない
○:ルーペで拡大しない限り、光沢のムラが全く検知できない
×:すじ状の光沢のムラが目視で検知できる。
(低温定着性)
評価機の定着装置を改造し、加熱ローラーの表面温度(ローラーの中心部で測定)を、90〜150℃の範囲で5℃刻みで変化させ、それぞれの表面温度の際に、搬送方向に対して垂直方向に5mm幅のべた黒帯状画像を有するA4版画像を縦送りで搬送定着した後に、搬送方向に対して垂直に5mm幅のべた黒帯状画像と20mm幅のハーフトーン画像を有するA4画像を横送りで搬送し、定着オフセットに起因する画像汚れが発生しない温度領域(非オフセット用域)により下記の判定を行った。
評価基準
◎:90〜150℃の温度範囲で、非オフセット領域が30以上〜40℃
○:90〜150℃の温度範囲で、非オフセット領域が15以上〜25℃
×:90〜150℃の温度範囲で、非オフセット領域が10℃以下。
表2に、評価結果を示す。
Figure 0004661541
表2から明らかなように、本発明の「トナーBk1〜Bk9」、「トナーC1〜C9」、「トナーM1〜M9」、「トナーY1〜Y9」は何れの評価項目も優れているが、比較用の「トナーBk10〜Bk12」、「トナーC10〜C12」、「トナーM10〜M12」、「トナーY10〜Y12」は評価項目のいくつかに問題が有ることが判る。
本発明で用いられる画像形成装置の一例を示す断面構成図である。 本発明で用いられる定着装置(加圧ローラーと加熱ローラーを用いたタイプ)の一例を示す断面図である。 本発明で用いられる定着装置(ベルトと加熱ローラーを用いたタイプ)の一例を示す概略図である。 本発明で用いられる定着装置(ソフトローラーと加熱ローラーを用いたタイプ)の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 半導体レーザ光源
2 ポリゴンミラー
3 fθレンズ3
4 感光体ドラム
5 帯電器
6 現像器
7 転写器
9 分離器(分離極)
P 転写材
10 定着装置
11 クリーニング器
12 帯電前露光(PCL)
13 クリーニングブレード

Claims (4)

  1. 結着樹脂と着色剤を含有する電子写真用トナーにおいて、
    該電子写真用トナーが、少なくともイオン性解離基を有する重合性単量体と、水酸基を有するポリブタジエンにより形成される樹脂を含有し、
    且つ、該電子写真用トナーのガラス転移温度が20〜50℃、軟化点が80〜110℃であることを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 前記水酸基を有するポリブタジエンの粘度が、30℃において1〜10Pa・sであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー。
  3. 結着樹脂と着色剤を含有する電子写真用トナーの製造方法において、
    水酸基を有するポリブタジエンの存在下で、イオン性解離基を有する重合性単量体を重合した後、コア・シェル構造とすることを特徴とする電子写真用トナーの製造方法
  4. 請求項1または2に記載の電子写真用トナーを用いて形成したトナー画像を、加熱ローラーの表面温度90〜150℃で転写材上に定着することを特徴とする画像形成方法
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