JP4660696B2 - 反射特性測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、試料面を所定方向から照明したときの、所定方向の反射光の分光特性から試料面の反射特性を測定する反射特性測定装置、特に試料面を法線から45°の方向から照明し、法線方向の反射光成分を受光する45/0ジオメトリーの反射特性測定装置に関する。
第1の従来例として、図15に示す45/0ジオメトリーの反射特性測定装置900では、試料面901は、その法線901nから45°の方向に配置された複数の光源(例えば光源902、903)によって照明される。この照明光が試料面901により反射された試料面反射光の成分901s(試料光901sという)が、反射鏡904とレンズ905とによってシングルチャンネルポリクロメータ906の入射スリットに収束されて入射し、分光強度が測定される。測定された試料面反射光の分光強度から、試料面901の分光反射率係数が求められる。
第2の従来例として、図16に示す45/0ジオメトリーの反射特性測定装置920では、ダブルチャンネルポリクロメータ921を用い、試料光901sをダブルチャンネルポリクロメータ921の試料光スリットに入射させるとともに、参照光として光源902の光束の一部(参照光902r)をダブルチャンネルポリクロメータ921の参照光スリットに入射させ、それぞれの分光強度を測定する。
第3の従来例として、図17に示す45/0ジオメトリーの反射特性測定装置940では、上記参照光902rの光軸を折り曲げて、試料光901sの光軸に直交させる反射鏡941と、その交点で両光軸に45°の角度で反射鏡941を挿入する反射鏡チョッパー942と、反射鏡チョッパー942を駆動するチョッパー駆動モータ943と、リレーレンズ944とを備えている。この構成では、反射鏡チョッパー942によって反射鏡941が光路(光軸)に挿入されたときには参照光902rが、反射鏡941が光路から退避したときには試料光901sが、リレーレンズ944を経てシングルチャンネルポリクロメータ906に入射する。
特開2003−075257号公報
しかしながら、上記第1の従来例では、構成がシンプルで低コストであるが、照明光の分光強度をモニターする参照光学系をもたないため、経時的、熱的な照明光の分光強度の変動を補正することができず、高精度の測定ができない。また、上記第2の従来例では、光源902からの参照光902rの分光強度測定値に基づいて照明光の変動を補正するので、第1の従来例に比べて測定安定性は優れるものの、ダブルチャンネルポリクロメータ921と、参照光902rを参照光スリットに導くための参照光学系とを必要とするためコストが嵩むという問題がある。また、第2の従来例のように、参照光902rを複数の光源の1つから採る場合や、試料面照明光とは異なる方向の光束を参照光とする場合には、参照光が照明光の変動を正確にモニターできないという問題がある。第3の従来例は、第1及び第2の従来例の欠点を克服するべく構成されたものであるが、この従来例では、シングルチャンネルポリクロメータ906を使用できるものの、構成が複雑となり、反射鏡941や、反射鏡チョッパー942によって光束中に挿入される反射鏡941の位置、角度の許容誤差が小さいことがコストを押し上げる要因となる。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、試料面照明光の変動を正確に補正(モニター)することができ、高い測定安定性を有するとともに、簡易な構成で低コストな反射特性測定装置を実現することを目的とする。
本発明に係る反射特性測定装置は、試料面を試料面法線に対する所定の角度から照明する照明手段と、前記照明手段による照明光が前記試料面に反射された前記試料面法線方向の試料面反射光を受光する受光手段と、前記受光手段への入射光の光路上における参照面に対して挿入及び退避可能に構成された該参照面入射光に対する光路変更を行う光路変更手段と、前記試料面と前記参照面との対称面であって、前記照明手段による照明光の一部を前記参照面へ向けて反射する固定された部分反射面と、前記光路変更手段の挿入及び退避動作並びに前記照明手段の照明動作を制御するとともに、前記受光手段の出力情報を演算処理する制御演算手段とを備え、前記受光手段は、前記光路変更手段の参照面からの退避時に、前記試料面反射光を主として受光し、前記光路変更手段の参照面への挿入時に、前記部分反射面により反射されて且つ前記受光手段へ向けて入射されるよう前記光路変更手段によって光路変更された前記照明光の一部を主として受光し、前記制御演算手段は、前記光路変更手段の挿入及び退避時における前記受光手段の出力情報に基づいて、前記照明光の変動が補正された試料面の反射特性を算出することを特徴とする。
上記構成によれば、照明手段によって、試料面が試料面法線に対する所定の角度から照明され、受光手段によって、照明手段による照明光が試料面に反射された試料面法線方向の試料面反射光が受光される。受光手段への入射光の光路上における参照面に対して挿入及び退避可能に構成された光路変更手段によって、該参照面入射光に対する光路変更が行われる。試料面と参照面との対称面である部分反射面によって、照明手段による照明光の一部が参照面へ向けて反射され、制御演算手段によって、光路変更手段の挿入及び退避動作並びに照明手段の照明動作が制御されるとともに、受光手段の出力情報が演算処理される。上記受光手段によって、光路変更手段の参照面からの退避時に、試料面反射光が主として受光され、光路変更手段の参照面への挿入時に、部分反射面により反射されて且つ受光手段へ向けて入射されるよう光路変更手段により光路変更された照明光の一部が主として受光される。そして、制御演算手段によって、光路変更手段の挿入及び退避時における受光手段の出力情報に基づいて、照明光の変動が補正された試料面の反射特性が算出される。
また、上記構成において、前記光路変更手段は、光を透過拡散する透過拡散面であることが好ましい。これによれば、光路変更手段が光を透過拡散する透過拡散面とされる。
また、上記構成において、前記透過拡散面は、回転駆動可能に構成されたチョッパーのブレードであり、該チョッパーのブレードは該ブレードに対する入射光を透過拡散する拡散板からなることが好ましい。これによれば、透過拡散面が、回転駆動可能に構成されたチョッパーのブレードとされ、該チョッパーのブレードが該ブレードに対する入射光を透過拡散する拡散板とされる。
また、上記構成において、前記透過拡散面は、該透過拡散面の法線に対する略45°方向の入射光を、該入射光の光軸と前記透過拡散面の法線とを含む面内の拡散成分が面外の拡散成分より大きくなるように透過拡散する不均等透過拡散面であることが好ましい。これによれば、透過拡散面が、該透過拡散面の法線に対する略45°方向の入射光を、該入射光の光軸と透過拡散面の法線とを含む面内の拡散成分が面外の拡散成分より大きくなるように透過拡散する不均等透過拡散面とされる。
また、上記構成において、前記制御演算手段は、前記透過拡散面の挿入及び退避時における前記受光手段の出力情報と予め与えられた補正係数の情報とを用いて、前記透過拡散面挿入時に前記照明光の一部とともに該透過拡散面に入射する試料面反射光の影響を補正する演算処理を行い、前記照明光の変動が補正された試料面の反射特性を算出することが好ましい。これによれば、制御演算手段によって、透過拡散面の挿入及び退避時における受光手段の出力情報と予め与えられた補正係数の情報とを用いて、透過拡散面挿入時に照明光の一部とともに該透過拡散面に入射する試料面反射光の影響を補正する演算処理が行われ、照明光の変動が補正された試料面の反射特性が算出される。
また、上記構成において、前記制御演算手段は、波長について移動平均した前記透過拡散面挿入時の前記受光手段の出力情報と、前記透過拡散面退避時の前記受光手段の出力情報とを用いて、前記照明光の変動が補正された試料面の反射特性を算出することが好ましい。これによれば、制御演算手段によって、波長について移動平均した透過拡散面挿入時の受光手段の出力情報と、透過拡散面退避時の受光手段の出力情報とを用いて、照明光の変動が補正された試料面の反射特性が算出される。
請求項1記載の発明によれば、試料面照明光と相関性の高い参照光情報に基づいて、試料面照明光の変動を正確に補正することができ、安定性の高い測定が可能となる。また、受光手段としてシングルチャンネルのポリクロメータを使用できるとともに、参照光の取り込みのための光路変更を、光路変更手段の参照面への挿入によって行うので、構成がシンプルとなり、コストを抑えることができる。
請求項2記載の発明によれば、光路変更手段による参照光の取り込みのための光路変更を、特別な光学系を用いず、位置、角度の許容範囲が広い透過拡散面の参照面への挿入によって行うことができ、よりシンプルな構成で低コストな測定装置を実現できる。
請求項3記載の発明によれば、透過拡散面の参照面に対する挿入及び退避を、ブレードが拡散板で構成されたチョッパーという単純な構成で容易に実現できる。
請求項4記載の発明によれば、不均等透過拡散面によって、該不均等透過拡散面に入射した照明光を効率良く受光手段に入射させることができる。
請求項5記載の発明によれば、参照光に混入する試料面反射光の影響を除去して高精度な測定が可能となる。
請求項6記載の発明によれば、透過拡散面挿入時における受光手段の出力のS/Nを改善し、ひいては試料面の反射特性測定値の精度を向上することができる。なお、波長についての移動平均によるS/Nの改善は、透過拡散面挿入時における受光手段の出力の波長依存性が単調且つ緩やかな場合に限って適用できるが、反射特性測定装置の光源として一般的な白熱光源を光源とする場合、照明光の分光分布は単調で緩やかであり、これに混入する試料面反射光は急峻な分光分布をもち得るものの、透過拡散面挿入時の該透過拡散面への入射光に占める試料面反射光の比率は照明光と比べて僅かであるため、当該入射光の波長依存性は十分単調且つ緩やかであり、上記条件を満たしている。
(反射特性測定装置の全体的な説明)
図1は、本発明に係る反射特性測定装置の一例を示す概略構成断面図である。図1に示すように、反射特性測定装置100において、測定試料の試料面1は、この試料面1の法線(試料面法線)1nを中心とする円周上に所定数配置された例えば白熱電球からなる光源2による照明光(後述の照明光I)によって、試料面法線1nに対して約45°の角度で傾斜した方向(以降、45°の方向という)から照明される。光源2によって照明された試料面の反射光(試料面反射光)の試料面法線1n方向の成分(以降、試料面反射光成分という)1sが、反射鏡6を経て対物レンズ7によってシングルチャンネルポリクロメータ8の入射スリットに収束されて入射し、例えば約360〜700nmの波長域における分光強度が波長間隔10nm(約10nmピッチ)で測定される。
一方、駆動モータ10の回転駆動によって回転する拡散板チョッパー5が、シングルチャンネルポリクロメータ8への入射光の光路上(ここでは当該光路上の対物レンズ7の入射面近傍の位置)に位置される参照面1rに、上記試料面反射光成分1sの拡散を行う拡散板を間欠的に挿入される。ところで、拡散板チョッパー5は、入射光を透過拡散(拡散透過)する例えば円状の拡散板の一部分が切り欠かれてなる拡散板円盤(チョッパー)であり、ここでは図2の上面図に示すように、全周を例えば4等分する2つの拡散板ブレード5d(ブレード)と切り欠き部5eとから構成されている。拡散板チョッパー5が回転中心5xを軸として回転することで、対物レンズ7への入射光束中にこの拡散板ブレード5dと切り欠き部5eとが交互に挿入(配置)される。ただし、拡散板チョッパー5は拡散板の一部分が切り欠かれてなるものでなくともよく、要は、拡散板ブレード5dのように光が透過拡散される部分と切り欠き部5eのように光が透過拡散されない部分とを備えたものであればいずれの構成でもよい。
上記試料面1と参照面1rとの略中点の位置には、試料面法線1nと直交するガラス板4が配設されている。つまり、試料面1と参照面1rとはガラス板4に関して対称(鏡像の)位置関係とされている。このガラス板4は、該ガラス板4の表面及び裏面の2つの面によって光源2の放射光束2aの約20%を反射し(表面で約10%、裏面で約10%反射し、裏表の合計で約20%反射する)、残りの約80%は透過する。この光源2のガラス板4による反射光2rは参照面1rに向かい、透過光2sは試料面1を照明する。
拡散板チョッパー5が回転して参照面1rに拡散板ブレード5dが挿入された状態では、反射光2rによって拡散板ブレード5dが照明され、この反射光2rの拡散板ブレード5dによる透過拡散光の試料面法線1n近傍の成分が(拡散板ブレード5dの法線方向は試料面法線1nと同じ方向である)、参照光として反射鏡6及び対物レンズ7を経てシングルチャンネルポリクロメータ8の入射スリットに入射する。これと同時に、試料面反射光の試料面法線1nの試料面反射光成分1sがガラス板4を透過して拡散板ブレード5dに到達し、上記透過拡散光つまり参照光に混入する。
一方、参照面1rから拡散板ブレード5dが退避した状態では、試料面反射光の試料面法線1nの試料面反射光成分1sは直接、反射鏡6を経て(拡散板ブレード5dにより透過拡散されず)対物レンズ7に入射する。このとき、ガラス板4からの反射光2rは、拡散板ブレード5dが無いため透過拡散が行われず、これにより透過拡散光の試料面法線1n方向近傍の成分も生じず、すなわち反射光2rは、該反射方向から試料面法線1nへの光路変更(光路切り替え)が行われず、参照面1rを試料面法線1n(試料面法線1n方向の光軸)に対して約45°で通過することになり、対物レンズ7、さらにシングルチャンネルポリクロメータ8には入射しない。
制御部9は、各制御プログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)、演算処理や制御処理用のデータを格納するRAM(Random Access Memory)、及び当該制御プログラム等をROMから読み出して実行するCPU(中央演算処理装置)等を備え、反射特性測定装置100全体の動作制御を司る。制御部9は、光源2の照明動作を照明駆動回路2dを介して制御するとともに、駆動モータ10(例えばパルスモータ)をモータ制御回路10dを介して駆動制御し、拡散板チョッパー5を回転させる。また制御部9は、シングルチャンネルポリクロメータ8を制御し、拡散板チョッパー5の回転による拡散板ブレード5dの挿入時及び退避時のシングルチャンネルポリクロメータ8の出力をそれぞれ参照信号データ及び試料信号データとして受け取る。制御部9は、この受け取った参照信号及び試料信号データから、光源2の変動を補正した試料の反射率係数(分光反射率係数)を算出する。この反射率係数の算出方法については後に詳述する。なお、制御部9は、該制御部9と接続された所定の操作部(図示省略)からの測定開始信号を受け付けて当該測定(制御)動作を開始する。
(測定のタイミングチャート)
図3は、反射特性測定装置100各部の反射特性測定動作に関するタイミングチャートである。本実施形態では、光源2の照明光による1回の測定ごとに拡散板チョッパー5が2回転し、この回転に伴い、拡散板ブレード5d及び切り欠き部5eが参照面1rに4回挿入される。制御部9は、測定開始信号201を受けて、光源2を点灯し(符号202で示す光出力レベルにまで上昇させる)、駆動モータ10を起動して拡散板チョッパー5を回転させる。符号203で示す箇所は参照面1rに切り欠き部5eが挿入(配置)されている区間を、符号204で示す箇所は参照面1rに拡散板ブレード5dが挿入されている区間を示している。切り欠き部5eの挿入時には、符号205で示す試料光(後述の試料光Is)が、拡散板ブレード5dの挿入時には符号206で示す参照光(後述の参照光Ir)がシングルチャンネルポリクロメータ8に入射する。なお、ここでは、それぞれ4回入射されることをIs1〜Is4及びIr1〜Ir4で表している。制御部9は、光源2の光出力及び拡散板チョッパー5の回転の安定を待って、すなわち符号207、208で示す立ち上がり期間を経て、シングルチャンネルポリクロメータ8から連続的に分光データを取り込む。
制御部9は、拡散板チョッパー5の回転位置を検出するチョッパー位置検出手段(図示省略)によるマスク情報によって、拡散板ブレード5d及び切り欠き部5e挿入の過渡状態を排除してデータを積算し、拡散板ブレード5d及び切り欠き部5eの挿入毎の符号209で示す試料光データDs1〜Ds4及び符号210で示す参照光データDr1〜Dr4を求め、さらに最終的な試料光データ及び参照光データとして、それぞれ試料光データDs1〜Ds4の積算値Ds及び参照光データDr1〜Dr4の積算値Drを求める。
(照明光変動の補正の原理)
次に、照明光変動の補正の原理について説明する。以下の説明における試料光Is及び参照光Irは、それぞれの測定値である上記試料光データの積算値Ds及び参照光データの積算値Drと置き換えられる。
切り欠き部5e挿入時のシングルチャンネルポリクロメータ8への入射光(試料光Isとする)には、試料面反射光だけでなく、照明光Iの一部が混入しており、一方、拡散板ブレード5d挿入時の当該入射光には、照明光Iだけでなく(照明光Iの上記ガラス板4による20%反射光だけでなく)、試料面反射光の一部が混入している。このことから、試料光Is及び参照光Irは以下の(1)、(2)式で表すことができる。なお、前者における“照明光Iの一部”とは、例えば、試料面1の外周部近傍における、試料を位置固定する部材或いはカバー体の表面で散乱反射され、いくつかの経路を経てシングルチャンネルポリクロメータ8に入射する試料面反射光以外の所謂迷光であり、(1)式右辺の第2項(I*b)を示す。また、後者の“照明光I”とは、(2)式右辺の第2項(I*b)を示す。
Is=I*R*a+I*b ・・・(1)
Ir=I*R*a+I*b ・・・(2)
但し、I:照明光、R:試料の反射率係数
及びb:試料光Isに占める試料面反射光I*R及び照明光Iの寄与を表す係数
及びb:参照光Irに占める試料面反射光I*R及び照明光Iの寄与を表す係数
また、記号「*」は乗算を示す(以下同様)。
ここで、本発明における反射特性測定装置100による照明光変動の補正について説明する前に、従来における(上記図16に示す反射特性測定装置920参照)当該補正について説明する。上記(1)、(2)式は、従来でも基本的には同じであるが、従来では、参照光への試料面反射光の寄与を無視できる(a≒0、すなわちI*R*a≒0)ため、上記(2)式は、以下の(3)式で表される。これは、光源902からの参照光902rが、直接、ダブルチャンネルポリクロメータ921に入射されることによる。
Ir=I*b ・・・(3)
このとき、試料光Isと参照光Irとの比rは以下の(4)式で表される。
r(=Is/Ir)=R*a/b+b/b ・・・(4)
上記(4)式における右辺第2項(試料光に混入した照明光の寄与)を除去するために、測定に先立ってダーク校正を行う。
<ダーク校正>
試料の無い状態(R=0)で試料光(この場合の試料光を(Is)とする)と参照光(この場合の参照光を(Ir)とする)とを測定し、比rを求める。このrは、以下の(5)式で表される。
=(Is)/(Ir)=b/b ・・・(5)
<試料xの測定>
試料(この場合の試料を試料xとし、この試料xの反射率係数をRxとする)の試料光(この場合の試料光を(Is)xとする)と参照光(この場合の参照光を(Ir)xとする)とを測定して比rを求める。そして、以下の(6)式に示すようにr−rの演算(このように上記ダーク校正で求めたrを用いてrに対する補正つまりr−rの演算を行うことをダーク補正という)を行う。
−r=(Is)x/(Ir)x−(Is)/(Ir)
=Rx*a/b ・・・(6)
上記(6)式から、以下の(7)式に示すように、反射率係数Rxを求める。
Rx=(r−r)*C ・・・(7)
但し、C:校正係数(=b/a
この校正係数Cは、白色校正によって求められる。
<白色校正>
既知の反射率係数Rwを有する白色基準面のrを測定し、以下の(8)式によって校正係数Cを求める。
C=R/(r−r) ・・・(8)
次に、本発明における補正の原理について説明する。本発明の技術では、参照光への試料光の寄与aが無視できないので、試料光と参照光との比rは以下の(9)式で表される。
r=Is/Ir=(R*a+b)/(R*a+b
=(R+B)/(R*A+B) ・・・(9)
但し、A=a/a、B=b/a、B=b/aであり、比rを反射率係数Rに変換するには、これらの定数A、B及びBが既知でなければならない。先ず、ダーク校正とその直後に行う白色校正とによってAを決定する。
<ダーク校正>
試料のない状態(R=0)で試料光(Is)と参照光(Ir)とを測定し、比rを求める(以下の(10)、(11)及び(12)式参照)。
(Is)=I*b ・・・(10)
(Ir)=I*b ・・・(11)
=(Is)/(Ir)=B/B ・・・(12)
<白色校正>
続いて、既知の反射率係数Rwを有する白色基準面の試料光(この場合の試料光を(Is)wとする)と参照光(この場合の参照光を(Ir)wとする)とを測定する(以下の(13)、(14)式参照)。
(Is)w=I*Rw*a+I*b ・・・(13)
(Ir)w=I*Rw*a+I*b ・・・(14)
上記ダーク校正及び白色校正の2つの測定間で照明光Iの変化がないとすれば、ダーク校正時の試料光(Is)データと参照光(Ir)データとをそれぞれ減じた(ダーク補正した)白色基準面の試料光(Is)wと(Ir)wとの比r’によって、以下の(15)式からAを求めることができる。
’=[(Is)w−(Is)]/[(Ir)w−(Ir)
=a/a=1/A ・・・(15)
及びBは測定に先立って行われる白色校正に対するダーク補正がなされた以下の(16)式に示す比rによって求めることができる。
=(Is)w/(Ir)w=(Rw+B)/(Rw*A+B) ・・・(16)
は既知であるため、上記(12)式及び上記(16)式から、以下の(17)、(18)式に示すようにB及びBを求めることができる。
=Rw*(1−A*r)/(r−r) ・・・(17)
=r*B ・・・(18)
<試料xの測定>
試料xの上記(9)式で表される比rは、上記で求めたA、B及びBを用いて、以下の(19)式によって反射率係数Rxに変換される。
Rx=(r*B−B)/(1−r*A) ・・・(19)
を求める(10)〜(15)式は、連続して行われるダーク校正と白色校正との間での照明光の変化が無視できることを前提としているが、本実施形態のように白熱電球などの光源は短時間の変化が極めて小さく、この前提を満足する。上記の反射率係数Rxを波長毎に求めることで、分光反射率係数を得ることができる。また、上記によって、定数A、B及びBを求めた後に、従来技術の白色校正を併せて行うことで、温度変化などに起因する、処理回路を含む系の変化を補正することができる。この場合、試料の反射率係数Rxは、校正係数Cを用いて、以下の(20)式により求められる。
Rx=C*(r*B−B)/(1−r*A) ・・・(20)
上記校正係数Cは、既知の反射率係数Rwを有する白色基準面を測定して上記(19)式により求めた反射率係数Rw’と当該既知の反射率係数Rwとから、以下の(21)式により求められる。
C=Rw/Rw’ ・・・(21)
(測定動作フローの説明)
<全体フロー>
図4は、本発明に係る反射特性測定装置による反射特性測定動作の全体的なフローを示すフローチャートである。本発明に係る反射特性測定装置は、当該全体フローで示すステップを経て試料測定に到る。このフローでは、従来技術の白色校正(白色再校正)を併用し、上記(20)式によって試料の分光反射率係数Rx(λ)を求めている。先ず、上記(19)式における3つの定数A、B及びBを波長毎に求めて記憶する(ステップS1)。これらの定数は上記(20)式によって試料の分光反射率係数Rx(λ)を算出する際に必要となる。次に、白色再校正を行う(ステップS2)。そして、試料の測定を行う(ステップS3)。
<基本測定ルーチン>
図5は、基本測定動作の一例を示すフローチャートである。ダーク校正、白色校正及び試料測定のいずれにおいても、基本測定ルーチン(後述のステップS22、S32及びS62に該当)によって試料光及び参照光の分光強度Is(λ)、Ir(λ)が測定される。先ず、制御部9は測定開始信号を受け、光源2を点灯し、拡散板チョッパー5の回転を開始する(ステップS11)。照明光と拡散板チョッパー5の回転との安定に必要な時間をおいて(ステップS12)、これらが安定した後、拡散板ブレード5dの参照面1rからの退避時におけるシングルチャンネルポリクロメータ8の出力から試料光の分光強度Is(λ)を測定して記憶する(ステップS13)。また、拡散板ブレード5dの参照面1rへの挿入時におけるシングルチャンネルポリクロメータ8の出力から参照光の分光強度Ir(λ)を測定する(ステップS14)。参照光の分光強度Ir(λ)を波長に沿って移動平均し、その結果を改めてIr(λ)とし、これを記憶する(ステップS15)。光源2を消灯し、拡散板チョッパー5の回転を停止する(ステップS16)。
以下の説明では煩雑を避けるため、上記Is(λ)、Ir(λ)をそれぞれIs、Irと記す。なお、記号化された他の量もこれに準じ、実際には、これらの量は全て波長毎に求められる。
<ダーク校正ルーチン>
図6は、ダーク校正動作の一例を示すフローチャートである。ダーク校正は、定数設定時に行われる。先ず、試料載置面に照明光を略完全に吸収する光トラップを配置する(ステップS21)。上記基本測定ルーチンによって、試料反射光と参照光との分光強度Is、Irを得る(ステップS22)。このIs、Irをそれぞれ(Is)、(Ir)として記憶する(ステップS23)。そして、比r(=(Is)/(Ir))を求めて記憶する(ステップS24)。
<白色校正ルーチン>
図7は、白色校正動作の一例を示すフローチャートである。白色校正は、定数設定時と試料測定時とに行われる。先ず、試料載置面に既知の分光反射率係数Rwを有する白色基準試料を配置する(ステップS31)。上記基本測定ルーチンによって、試料反射光と参照光との分光強度Is、Irを得る(ステップS32)。このIs、Irをそれぞれ(Is)w、(Ir)wとして記憶する(ステップS33)。そして、比r(=(Is)w/(Ir)w)を求めて記憶する(ステップS34)。
<定数設定フロー>
図8は、定数設定動作の一例を示すフローチャートである。先ず、上記ダーク校正ルーチンによってダーク校正し、(Is)、(Ir)及びrを得る(ステップS41)。引き続き、白色校正ルーチンによって白色校正を行い、(Is)w、(Ir)w及びrを得る(ステップS42)。次に、r’=[(Is)w−(Is)]/[(Ir)w−(Ir)](上記(15)式参照)によって比r’を求める(ステップS43)。そして、3つの定数A、B及びBを以下の各式によって求めて記憶し、校正係数Cの初期値「1」を記憶する(ステップS44)。
=1/r’;この式を(15)’式とする(上記(15)式参照)
=Rw*(1−A*r)/(r−r)(上記(17)式参照)
=r*B(上記(18)式参照)
C=1
<白色再校正フロー>
図9は、白色再校正動作の一例を示すフローチャートである。白色再校正は、定数設定後の系の変化を補正するもので、白色基準試料の既知の分光反射率係数と、設定された定数A、B及びBを用いて上記(19)式によって測定した当該白色基準試料の分光反射率係数測定値との比から、校正係数Cを求めて記憶する。短期の変化を補正する白色再校正は、光学系に固有の定数を設定する定数設定よりも高頻度で行われる。先ず、白色校正ルーチンによって白色校正を行い、rを得る(ステップS51)。次に、Rw’=(r*B−B)/(1−r*A)(上記(19)式参照)によってその時点の反射率係数Rw’を求める(ステップS52)。そして、C=Rw/Rw’(上記(21)式参照)によって校正係数Cを求めて記憶する(ステップS53)。
<試料測定フロー>
図10は、試料測定動作の一例を示すフローチャートである。試料測定は、通常は白色再校正後に行われる。定数設定後に測定する場合は、校正係数C=1(初期値)となる。先ず、試料載置面に試料を配置する(ステップS61)。上記基本測定ルーチンによって、試料反射光と参照光との分光強度Is、Irを得る(ステップS62)。このIs、Irから比r(=Is/Ir)を求める(ステップS63)。そして、Rx=C*(r*B−B)/(1−r*A)(上記(20)式参照)によって、試料の反射率係数Rxを求めて、出力する(ステップS64)。
なお、上記実施形態では、参照光の取り込みのための光路変更を拡散板チョッパー5(50)を用いて行う構成としているが、要は、当該光路変更(光路変換)が可能であれば拡散板チョッパーに限らず何れの構成であってもよく、例えば光の反射又は光の屈折を利用して光路を変更する(光束の方向を切り替える)ことが可能なプリズムやミラー(或いはこれらの組み合わせ)等で構成された光学系(光路変更手段)であってもよい。この場合、図1において、当該光学系が参照面1rに対して挿入されると、光源2のガラス板4による反射光2rは、この光学系により光路変更され、参照光として反射鏡6及び対物レンズ7を経てシングルチャンネルポリクロメータ8の入射スリットに入射し、一方、光学系が参照面1rから退避すると、反射光2rは、参照面1rを上述したように約45°の角度で通過し、対物レンズ7、さらにシングルチャンネルポリクロメータ8には入射しない。
以上のように本実施形態における反射特性測定装置100(200、300)によれば、光源2によって、試料面1が試料面法線1nに対する所定の角度(ここでは約45°)から照明され、シングルチャンネルポリクロメータ8(受光手段)によって、光源2による照明光が試料面1に反射された試料面法線1n方向の試料面反射光(試料面反射光成分1s)が受光される。シングルチャンネルポリクロメータ8への入射光の光路上における参照面1rに対して挿入及び退避可能に構成された光路変更手段(拡散板チョッパー5)によって、該参照面入射光に対する光路変更が行われる。試料面1と参照面1rとの対称面であるガラス板4によって、光源2による照明光(放射光束2a)の一部(反射光2r)が参照面1rへ向けて反射され、制御部9によって、光路変更手段の挿入及び退避動作並びに光源2の照明動作が制御されるとともに、シングルチャンネルポリクロメータ8の出力情報が演算処理される。上記シングルチャンネルポリクロメータ8によって、光路変更手段の参照面1rからの退避時に、試料面反射光が主として受光され、光路変更手段の参照面1rへの挿入時に、ガラス板4により参照面1rに向けて反射されて且つシングルチャンネルポリクロメータ8へ向けて入射されるよう光路変更手段により光路変更された上記照明光の一部(反射光2r;具体的には、反射光2rが光路変更されて反射鏡6へ向けて入射される光であり、光路変更手段の法線方向つまり試料面法線1n方向の成分)が主として受光される。そして、制御部9によって、光路変更手段の挿入及び退避時におけるシングルチャンネルポリクロメータ8の出力情報に基づいて、照明光(放射光束2a)の変動すなわち試料面照明光の変動が補正された試料面1の反射特性が算出される。
これにより、試料面照明光と相関性の高い参照光情報に基づいて、試料面照明光の変動を正確に補正することができ、安定性の高い測定が可能となる。また、受光手段としてシングルチャンネルのポリクロメータ8を使用できるとともに、参照光の取り込みのための光路変更を、光路変更手段の参照面1rへの挿入によって行うので、構成がシンプルとなり、コストを抑えることができる。
また、光路変更手段が光を透過拡散する透過拡散面とされるので、光路変更手段による参照光の取り込みのための光路変更を、特別な光学系を用いず、位置、角度の許容範囲が広い透過拡散面の参照面への挿入によって行うことができ、よりシンプルな構成で低コストな測定装置を実現できる。
また、図2に示すように、透過拡散面が、回転駆動可能に構成された拡散板チョッパー5の拡散板ブレード5dとされ、該拡散板チョッパー5の拡散板ブレード5dが該拡散板ブレード5dに対する入射光を透過拡散する拡散板とされるので、透過拡散面の参照面1rに対する挿入及び退避を、ブレードが拡散板で構成された拡散板チョッパー5という単純な構成で容易に実現できる。
また、図11に示すように、透過拡散面が、該透過拡散面の法線に対する略45°方向の入射光(例えば入射光20c、22c)を、該入射光の光軸と透過拡散面の法線521とを含む面内の拡散成分が面外の拡散成分より大きくなるように透過拡散する不均等透過拡散面とされるので、不均等透過拡散面によって、該不均等透過拡散面に入射した照明光を効率良くシングルチャンネルのポリクロメータ8に入射させることができる。
また、制御部9によって、透過拡散面の挿入及び退避時におけるシングルチャンネルのポリクロメータ8の出力情報と予め与えられた補正係数(上記校正係数Cや定数A、B及びB等)の情報とを用いて、透過拡散面挿入時に照明光の一部とともに該透過拡散面に入射する試料面反射光の影響を補正する演算処理が行われ、照明光の変動が補正された試料面1の反射特性が算出されるので、参照光に混入する試料面反射光の影響を除去して高精度な測定が可能となる。
また、本発明に係る反射特性測定装置300は、光源302と試料用開口301a及び測定用開口301bとを備える積分球301で構成された積分球照明手段によって、該試料用開口301aに配設された試料面1が拡散照明され、シングルチャンネルポリクロメータ8(受光手段)によって、積分球照明手段による拡散照明光が試料面1に反射されてなる所定方向の試料面反射光(試料面反射光成分1s)が測定用開口301bを通して受光される。また、透過拡散面が、測定用開口301bの近傍における参照面1rに対して挿入及び退避可能に構成され、制御部9によって、透過拡散面の挿入及び退避動作並びに積分球照明手段の照明動作が制御されるとともに、シングルチャンネルポリクロメータ8の出力情報が演算処理される。上記シングルチャンネルポリクロメータ8によって、透過拡散面の参照面1rからの退避時に、試料面反射光が主として受光され、透過拡散面の参照面1rへの挿入時に、測定用開口301bから該透過拡散面に入射した拡散照明光の一部が主として受光される。そして、制御部9によって、透過拡散面の挿入及び退避時におけるシングルチャンネルポリクロメータ8の出力情報に基づいて、拡散照明光の変動が補正された試料面1の反射特性が算出される。
これにより、参照光の取り込みのための光路変更を、特別な光学系を用いず、位置、角度の許容範囲が広い透過拡散面の参照面1rへの挿入によって行うことができるとともに、受光手段としてシングルチャンネルのポリクロメータ8を使用できるので、構成がシンプルとなり、コストを抑えることができる。
また、試料用開口301aと測定用開口301bとが積分球301の略対極に配置され、光源302が試料用開口301aと測定用開口301bとの略対称面310sの近傍に配置されるので、試料面照明光と参照面入射光とが相関性の高いものとなり、試料面照明光と相関の高い参照光を得ることができ、これにより、拡散照明光の変化を正確に補正することができ、安定性の高い測定が可能となる。
なお、本発明は、以下(A)〜(D)の態様をとることができる。
(A)上記実施形態では、参照光として拡散板(拡散板ブレード5d)に入射する光量は照明光の20%程度であり、参照光測定値のS/Nが試料反射光測定値より低くなり、反射率係数測定値の精度を下げることが起こり得る。参照光の分光分布が単調で、その変化の波長依存性が緩やかであれば、波長に沿って移動平均する、すなわち分光分布測定値を波長について移動平均することで、S/Nを改善することができる。上記実施形態では、可視光源が白熱電球であるので、参照光の分光分布が単調であるという条件を満たすものの、混入する試料光が急峻な波長依存性をもちえるので、移動平均によるS/N改善は大きな測定誤差を招きかねない。しかしながら、参照光に試料反射光が混入していてもその比率が小さいときには、波長依存性は緩やかなので、上記移動平均してS/Nを改善することが可能となる。このことを踏まえ、反射特性測定装置100(200、300)において、制御部9によって、波長について移動平均した即ち分光分布測定値を波長について移動平均した透過拡散面挿入時のシングルチャンネルのポリクロメータ8の出力情報と、透過拡散面退避時のシングルチャンネルのポリクロメータ8の出力情報とを用いて、照明光の変動が補正された試料面1の反射特性を算出するようにすることで、透過拡散面挿入時におけるシングルチャンネルのポリクロメータ8の出力のS/Nを改善し、ひいては試料面1の反射特性測定値の精度を向上することができる。
(B)上記拡散板チョッパー50の拡散板(拡散板ブレード5d)の代わりに、例えば図11に示すような拡散特性を有する不均等拡散板(不均等拡散面)すなわち拡散板ブレード51d、52dを備えた図12に示す拡散板チョッパー50を用いてもよい。拡散板チョッパー50における拡散板ブレード(ここでは拡散板ブレード52dを用いて説明する)は、図11の符号510で示す上面図及び符号520で示す側面図のように、拡散板ブレード52dに対する入射光、すなわち拡散板ブレード52dの法線521に対する略45°方向からの入射光20c、22cを、特定の方向52aには大きく、これと直交する方向には小さくなるように謂わば楕円状に拡散する(この拡散の様子は例えば符号52eで示す円で表される)。ただし、上記特定の方向とは、例えば入射光20c、22cの光軸(入射方向)と拡散板ブレード52d(透過拡散面)の法線(法線方向)とを含む面内の方向(面内方向)である。
したがって、この不均等拡散板からなる拡散板ブレード51d、52dを用いた拡散板チョッパー50では、図12の上面図に示すように、4つの可視光源20〜23を、互いに直交する4方位に配置し、2つの拡散板ブレード51d、52dがそれぞれ参照面1rに挿入されたときの楕円状拡散の長軸(長軸51a、52aとする)が、拡散板チョッパー50の回転に応じて、入射光20c、22c或いは入射光21c、23cの方向に略一致するように(長軸51aが入射光21c及び23cに一致するように、長軸52aが入射光20c及び22cに一致するように)、上述の不均等拡散板を配置することで、当該拡散板への入射光20c〜23cを、効率良く対物レンズ7、さらにシングルチャンネルポリクロメータ8に入射させることができる。ただし、上述の通常の拡散板を用いる場合とは異なり、楕円状拡散の軸(長軸)を可視光線の方向に略一致させて停止する必要があり、拡散板チョッパー50の厳密な制御が必要となる。
(C)上記反射特性測定装置100を、図13に示すように、参照面1rが対物レンズ7とシングルチャンネルポリクロメータ8との間に配置され(参照面1rが入射光光路における対物レンズ7の前方に位置していなくてもよい)、また、反射特性測定装置100と同様に、参照面1rに拡散板ブレード5dが挿入、退避されるように拡散板チョッパー5が配置されてなる反射特性測定装置200としてもよい。なお、図13では、光源2を図中右側に1つだけ記載しているが、これに限定されず、反射特性測定装置100と同じく所定数備えた構成となっている。
(D)上記実施形態における技術は、図14に示すように積分球照明を行う反射特性測定装置300に対しても応用できる。この場合、制御部9によって制御回路102dを介して制御される光源302の放射光束302aは、高反射率、高拡散特性の内壁(例えば白色塗料が塗布された内壁)を有する積分球301によって拡散多重反射され、拡散照明光302sとなって、積分球301の試料用開口301aに配設された試料面1を照明する。照明された試料面からの反射光の試料面法線1nに略平行な試料面反射光成分1sが、試料用開口301aの略対極に位置する測定用開口301bを通り、反射鏡6と対物レンズ7とによって、シングルチャンネルポリクロメータ8に収束、入射する。本変形態様(D)では、測定用開口301b近傍が参照面1rとなり、拡散板チョッパー5は、測定用開口301bの直後(測定用開口301b直近の反射鏡6側の後方位置)に拡散板(拡散板ブレード5d)を挿入、退避させる。この場合も先の変形態様(C)と同様、拡散板挿入時には該拡散板に入射した拡散照明光302rが、また拡散板退避時には試料反射光が主として、対物レンズ7、シングルチャンネルポリクロメータ8に入射する。なお、図14に示すように、上記略対極に位置する試料用開口301aと測定用開口301bとの略対称面310s近傍に光源302を配置することで、試料照明光(拡散照明光302s)と相関性の高い参照面入射光(拡散照明光302r)を得ることができる。
本発明に係る反射特性測定装置の一例を示す概略構成断面図である。 拡散板ブレードの一例を示す上面図である。 上記反射特性測定装置各部の反射特性測定動作に関するタイミングチャートである。 上記反射特性測定装置による反射特性測定動作の全体的なフローを示すフローチャートである。 基本測定動作の一例を示すフローチャートである。 ダーク校正動作の一例を示すフローチャートである。 白色校正動作の一例を示すフローチャートである。 定数設定動作の一例を示すフローチャートである。 白色再校正動作の一例を示すフローチャートである。 試料測定動作の一例を示すフローチャートである。 拡散板ブレードの一変形例を説明するための模式図である。 拡散板ブレードの一変形例を説明するための模式図である。 反射特性測定装置の変形態様を示す概略構成断面図である。 反射特性測定装置の変形態様を示す概略構成断面図である。 従来の反射特性測定装置を示す図である。 従来の反射特性測定装置を示す図である。 従来の反射特性測定装置を示す図である。
符号の説明
1 試料面
1n 試料面法線
1r 参照面
1s 試料面反射光成分(試料面反射光)
2 光源(照明手段)
2a、302a 放射光束
2d 照明駆動回路
2r 反射光(請求項1記載の部分反射面に反射された照明光の一部)
2s 透過光
4 ガラス板(部分反射面)
5 拡散板チョッパー(透過拡散面、チョッパー、光路変更手段)
5d 拡散板ブレード(ブレード、透過拡散面)
5e 切り欠き部
6 反射鏡
7 対物レンズ
8 シングルチャンネルポリクロメータ(受光手段)
9 制御部(制御演算手段)
10 駆動モータ
10d モータ制御回路
50 拡散板チョッパー(チョッパー、不均等透過拡散面)
100、200、300 反射特性測定装置
301 積分球(積分球照明手段)
301a 試料用開口
301b 測定用開口
302 光源(積分球照明手段)
310s 対称面(請求項8記載の対称面)

Claims (6)

  1. 試料面を試料面法線に対する所定の角度から照明する照明手段と、
    前記照明手段による照明光が前記試料面に反射された前記試料面法線方向の試料面反射光を受光する受光手段と、
    前記受光手段への入射光の光路上における参照面に対して挿入及び退避可能に構成された該参照面入射光に対する光路変更を行う光路変更手段と、
    前記試料面と前記参照面との対称面であって、前記照明手段による照明光の一部を前記参照面へ向けて反射する固定された部分反射面と、
    前記光路変更手段の挿入及び退避動作並びに前記照明手段の照明動作を制御するとともに、前記受光手段の出力情報を演算処理する制御演算手段とを備え、
    前記受光手段は、前記光路変更手段の参照面からの退避時に、前記試料面反射光を主として受光し、前記光路変更手段の参照面への挿入時に、前記部分反射面により反射されて且つ前記受光手段へ向けて入射されるよう前記光路変更手段によって光路変更された前記照明光の一部を主として受光し、
    前記制御演算手段は、前記光路変更手段の挿入及び退避時における前記受光手段の出力情報に基づいて、前記照明光の変動が補正された試料面の反射特性を算出することを特徴とする反射特性測定装置。
  2. 前記光路変更手段は、光を透過拡散する透過拡散面であることを特徴とする請求項1記載の反射特性測定装置。
  3. 前記透過拡散面は、回転駆動可能に構成されたチョッパーのブレードであり、該ブレードに対する入射光を透過拡散する拡散板からなることを特徴とする請求項2記載の反射特性測定装置。
  4. 前記透過拡散面は、該透過拡散面の法線に対する略45°方向の入射光を、該入射光の光軸と前記透過拡散面の法線とを含む面内の拡散成分が面外の拡散成分より大きくなるように透過拡散する不均等透過拡散面であることを特徴とする請求項2又は3記載の反射特性測定装置。
  5. 前記制御演算手段は、前記透過拡散面の挿入及び退避時における前記受光手段の出力情報と予め与えられた補正係数の情報とを用いて、前記透過拡散面挿入時に前記照明光の一部とともに該透過拡散面に入射する試料面反射光の影響を補正する演算処理を行い、前記照明光の変動が補正された試料面の反射特性を算出することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の反射特性測定装置。
  6. 前記制御演算手段は、波長について移動平均した前記透過拡散面挿入時の前記受光手段の出力情報と、前記透過拡散面退避時の前記受光手段の出力情報とを用いて、前記照明光の変動が補正された試料面の反射特性を算出することを特徴とする請求項2記載の反射特性測定装置。
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