JP7207124B2 - 校正装置、校正方法、分光カメラ、及び表示装置 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の装置では、光源から出射され、白色基準板で反射させた光を分光カメラで撮像して、各波長に対する白色基準データを取得する。また、分光カメラへの光の入射を遮断してダーク値を取得する。さらに、光源から出射され、反射率が既知の基準板で反射させた光を分光カメラで撮像して、各波長に対する各画素の測定値を取得する。基準板は複数色用意し、これらの複数色の基準板に対する分光画像をそれぞれ取得する。
そして、測定値からダーク値を減算した値を、白色基準データからダーク値を減算した値で除算して反射率を算出し、これらの反射率と既知の反射率とを用いて、波長むらを補正するための補正行列を算出する。これにより、光源の照明むらやシェーディングの影響を抑制した補正行列の算出が可能となる。
以下、第一実施形態について説明する。
図1は、第一実施形態の校正システム1の概略構成を示す図である。図2は、校正システム1のブロック図である。
図1及び図2に示すように、校正システム1は、光源部10と、校正基準器である分光光度計20と、校正対象である分光カメラ30と、校正装置40とを備えている。
光源部10は、表示装置11と、積分球12と、を備える。
表示装置11は、画像光を出力する装置である。この表示装置11は、例えばプロジェクターにより構成されている。
表示装置11は、図2に示すように、画像光生成部111、通信部112、メモリー113、及びプロセッサー114を備えて構成されている。
なお、以降の説明にあたり、表示装置11の通信部112、分光カメラ30の通信部34、校正装置40の通信部41を区別するため、表示装置11の通信部112を第一通信部112と称する。また、分光カメラ30の通信部34を第二通信部34と称し、校正装置40の通信部41を第三通信部41と称する。
また、表示装置11のメモリー113、分光カメラ30のメモリー35、校正装置40のメモリー42を区別するため、表示装置11のメモリー113を第一メモリー113と称する。また、分光カメラ30のメモリー35を第二メモリー35と称し、校正装置40のメモリー42を第三メモリー42と称する。
さらに、表示装置11のプロセッサー114、分光カメラ30のプロセッサー36、校正装置40のプロセッサー43を区別するため、表示装置11のプロセッサー114を第一プロセッサー114と称する。また、分光カメラ30のプロセッサー36を第二プロセッサー36と称し、校正装置40のプロセッサー43を第三プロセッサー43と称する。
光源は、ハロゲンランプ等により構成されており、画像光を生成するための光を出力する。
光分離素子は、光源から出力された光をR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の光に分離する。
液晶パネルは、R,G,Bの各色の光路上にそれぞれ設けられる。この液晶パネルは、複数の画素を有し、画素毎に光の透過率を変更可能な光学素子であり、第一プロセッサー114の制御に基づいて、各画素の光の透過率を変更する。
光合成素子は、液晶パネルを透過した各色の光を合成して、画像光を形成する。
投射光学系は、投射レンズ等を含んで構成され、画像光を外部に出射させる。
積分球12は、表示装置11から入射された画像光を反射面で反射させることで混合して、面内で光量が均一になる。均一化された画像光は、第一出射窓122から分光光度計20に出射され、第二出射窓123から分光カメラ30に出射される。
分光光度計20は、積分球12から出力された画像光を受光し、画像光の分光測定を実施する。この分光光度計20は、校正基準器であり、入射光の正確な分光測定を行う装置である。
本実施形態では、分光光度計20は、分光測定結果として、入射光の三刺激値を出力する。
分光カメラ30は、校正システム1で校正対象となる分光器であり、積分球12から出力された画像光を受光して、複数の波長に対する分光画像を撮像する。
分光カメラ30は、図2に示すように、入射光学系31、分光フィルター32、撮像部33、第二通信部34、第二メモリー35、及び第二プロセッサー36を備える。
入射光学系31は、画像光が入射される複数のレンズを備えて構成され、入射した画像光を分光フィルター32及び撮像部33に導く。
図3は、分光フィルター32の一例を示す図である。
本実施形態では、分光フィルター32として、第一基板321と、第二基板322と、第一基板321に設けられる第一反射膜323と、第二基板322に設けられる第二反射膜324と、ギャップ変更部325とを備える、波長可変型のファブリーペローエタロンを用いる。
この分光フィルター32では、第一反射膜323と第二反射膜324とがギャップを介して対向しており、ギャップの寸法に応じた波長の光が分光フィルター32を透過する。
第二基板322は、第二反射膜324が設けられる可動部332Aと、可動部322Aを保持して、第一基板321に対して進退させる保持部322Bとを備える。
また、ギャップ変更部325は、例えば静電アクチュエーター等により構成されており、可動部322Aを第一基板321側に変位させることで、第一反射膜323と第二反射膜324との間のギャップの寸法を変更する。これにより、分光フィルター32を透過する光の波長も変化する。
撮像制御部361は、駆動テーブルに基づいて分光フィルター32を制御し、分光フィルター32を透過する光の波長を切り替える。また、撮像部33の露光制御を行って、分光画像を撮像させる。
色補正部363は、補正行列を用いて、分光画像の所定位置の色を補正する。具体的には、色補正部363は、分光画像の所定位置に対する測定値を補正して三刺激値に色変換する。
より具体的には、分光カメラ30は、表示装置11から投射対象に投射された画像を撮像し、複数の波長に対する分光画像を取得する。また、分光カメラ30は、測色の対象となる測定点を表示装置11から受信し、校正システム1により設定された補正行列を用いて、分光画像における測定点に対する三刺激値を算出して、表示装置11に送信する。これにより、表示装置11は、測定点に対する三刺激値に基づいて、駆動パラメーターを更新して色補正を行うことが可能となる。
校正装置40は、図2に示すように、第三通信部41、第三メモリー42、第三プロセッサー43等を含んで構成されている。
第三通信部41は、表示装置11、分光光度計20、及び分光カメラ30に接続されており、これらの表示装置11、分光光度計20、及び分光カメラ30と通信する。
第三メモリー42は、校正装置40を制御する各種プログラムを記憶する。
第三プロセッサー43は、第三メモリー42に記録されたプログラムを読み込み実行することで、光出力指令部431、測定値取得部432、基準値取得部433、露光補正部434、階調値抽出部435、正規化処理部436、及び行列算出部437として機能する。
なお、本実施形態では、分光カメラ30は、撮像部33で画像光を撮像した際の露光時間を計測し、分光画像に関連付けて校正装置40に出力する。露光補正部434は、測定値取得部432により分光画像とともに受信した露光時間に基づいて、分光画像の各画素の階調値を補正する。
また、階調値抽出部435は、補正点の測定値の抽出に関し、ノイズの影響を抑制するため、補正点と、その周囲画素との階調値を取得し、これらの画素の階調値の平均を補正点に対する測定値とする。
行列算出部437は、正規化された測定値、及び分光基準値を用いて、測定値を分光基準値に変換するための補正行列を算出する。なお、本実施形態の補正行列は、分光画像の補正点の階調値を、三刺激値に変換する色変換行列となる。
本実施形態の校正システム1は、校正対象である分光カメラ30の色補正を行う。
図4は、本実施形態の校正方法を示すフローチャートである。
分光カメラ30の校正処理、つまり、補正行列の生成処理では、まず、図1に示すように、表示装置11、分光光度計20、及び分光カメラ30を積分球12に接続し、校正装置40に校正処理の開始を指令する。
これにより、校正装置40は、まず、画像光の色を示すカラー変数cを初期化してc=1とする(ステップS1)。なお、カラー変数cの最大値はCmaxであり、表示装置11から、本実施形態では、白色、赤色、緑色、青色の階調値をそれぞれ7パターンで変化させた28色の基準画像と、黒色の基準画像を用いるので、Cmax=29である。カラー変数と、基準画像の色とは予め対応付けられている。
そして、光出力指令部431は、表示装置11に対してカラー変数cに対応する基準画像の画像光を出射させる旨の出力指令を送信する(ステップS2)。ステップS2により校正装置40から表示装置11に画像光の出力指令が入力されると、表示装置11の出力制御部114Aは、駆動パラメーターに基づいて画像光生成部111を制御し、カラー変数cに対応した色の画像光を生成して積分球12に出射する。
基準値取得部433は、分光光度計20から基準三刺激値xCを受信すると(ステップS4)、第三メモリー42に記憶する。
これにより、分光カメラ30は、積分球12から出射される均一光の画像光を撮像し、分光画像を得る。具体的には、撮像制御部361は、分光フィルター32を透過させる光の波長を、複数の波長に切り替え、各波長に対する分光画像をそれぞれ取得する。
ここで、カラー変数cの画像光に対する波長λaの分光画像をD0(x,y,c,λa)とする。なお、(x,y)は、分光画像の画素位置を示す。また、aは、分光画像の波長に対応する変数であり、最大値はamaxである。例えば、400nm~700nmを20nm間隔で16バンドの分光画像を撮像する場合、amax=16、λ1=400nm、λ16=700nmであり、D0(x,y,c,λ1)からD0(x,y,c,λ16)の16個の分光画像が得られる。
この際、分光カメラ30は、各波長の分光画像を撮像した際の、撮像部33への画像光の露光時間t(c,λa)をそれぞれ計測し、撮像された分光画像と関連付けて校正装置40に送信する。
校正装置40の測定値取得部432は、分光カメラ30から分光画像DC0(x,y,c,λa)を受信すると(ステップS6)、第三メモリー42に記憶する。
具体的には、階調値抽出部435は、各分光画像から、|x-xi|≦Δ、|y-yj|≦Δとなる画素の階調値{s(c,λa)}i,jを抽出する。Δは、予め設定された値であり、例えば、補正点から1画素内の画素を抽出する場合は、Δ=1である。そして、これらの画素の階調値の平均値を算出して、測定値S(i,j,c,λa)とする。
また、正規化処理部436は、1つの画像光を分光光度計20で測定した基準三刺激値xCを、その画像光の輝度値YCで除算し、これを表示装置11から出力した全ての画像光のそれぞれについて算出することで正規化基準値Bを求める。
よって、測定した画像光の色の数がCmaxの場合、正規化測定値Aは、amax×Cmaxの行列であり、正規化基準値Bは、3×Cmaxの行列となる。また、正規化測定値A及び正規化基準値Bは、補正点の数だけ算出される。
以上の後、行列算出部437は、以下の式(4)に基づいて、測定値を三刺激値に変換する補正行列M(i,j)を算出する(ステップS11)。
この後、行列算出部437は、算出された補正行列M(i,j)を分光カメラ30に送信する(ステップS12)。これにより、分光カメラ30は、受信した補正行列M(i,j)を第二メモリー35に記憶する。
一般に、人の目により暗色を知覚する場合、明るい環境より、暗い環境の方が色の判別精度が高い。例えば、暗所で表示装置11から画像光を照射して画像を表示する場合、明所で画像光を表示する場合に比べて、人の目は、暗色の色の違いをより明確に区別することができる。ここで、ステップS10による正規化処理を実施しない場合、暗色と明色とで、分光カメラ30で測定された測定値Scを三刺激値に変換する際の色変換誤差が同程度になる。この場合、暗所での暗色に対する色変換誤差が大きくなり、上記のような人の目に対応した色変換ができない可能性がある。これに対して、本実施形態では、ステップS10の処理を実施することで、暗所での色変換誤差を抑制できる。
次に、表示装置11における画像補正処理、及び分光カメラ30での測定処理について説明する。
図5は、画像補正処理を示すフローチャートである。
本実施形態の表示装置11により画像補正を行う場合、出力制御部114Aは、画像光生成部111を制御して、所定のテスト画像を投射対象に対して投射させる(ステップS21)。投射する画像は、上記基準画像であってもよく、その他のテストパターン画像であってもよい。
次に、表示装置11は、画像における測定点の位置座標を分光カメラ30に送信し(ステップS22)、分光カメラ30に測色処理を実施する旨の測色要求を送信する(ステップS23)。
ここで、図6に校正装置40により補正行列が算出された補正点Pと、表示装置11の測定点Qとの関係を示す。なお、図6において、補正点Pは白丸、測定点Qは黒丸で示している。また、外枠50は、分光カメラ30の撮像部33により撮像される撮像画像の外枠である。破線の円は、分光カメラ30において、分光フィルター32の第一反射膜323と第二反射膜324とが重なり合う領域であり、撮像画像のうち、分光フィルター32により分光された光が入射する光の分光範囲51を示す。本実施形態では、撮像部33により撮像される撮像画像の外枠50の内側に分光範囲51が含まれるが、分光範囲51内の所定領域を撮像部33で撮像するよう撮像範囲が設定されていてもよい。
さらに、図6において内枠52は、表示装置11から画像光が投射対象に投射されることで形成された表示画像を示している。つまり、表示画像が分光範囲51に含まれるように、表示装置11、分光カメラ30、投射対象の位置が設定されている。
具体的には、撮像制御部361は、分光フィルター32を透過させる光の波長を、複数の波長に切り替え、各波長に対する分光画像をそれぞれ取得する。また、撮像制御部361は、各波長の分光画像の各画素の階調値を、その波長の分光画像を撮像した際の露光時間で除算して、階調値を補正する。
具体的には、校正装置40が実施したステップS9と同様に、各分光画像から、|x-xm|≦Δ、|y-yn|≦Δとなる画素の階調値{s(λa)}m,nを抽出する。そして、これらの画素の階調値{s(λa)}m,nの平均値を算出して、測定値S(m,n,λa)とする。
つまり、分光カメラ30の第二メモリー35に記憶される補正行列は、分光画像の分光範囲内の所定の補正点Pに対するものである。しかしながら、図6に示すように、表示装置11から指令される測定点Qと、補正点Pとは必ずしも一致するとは限らない。
そこで、補間部362は、以下の(5)に示すように、補正点Pの補正行列M(i,j)から、位置(m,n)の測定点Qの補正行列M(m,n)を内挿補間により算出する。
表示装置11の画像補正部114Cは、分光カメラ30から測定点Qに対する三刺激値X(m,n)を受信すると、テスト画像の元データと比較して、画像光生成部111を駆動させる際の駆動パラメーターを補正する(ステップS24)。
本実施形態の校正装置40は、測定値取得部432、基準値取得部433、階調値抽出部435、正規化処理部436、及び行列算出部437として機能する第三プロセッサー43を有する。測定値取得部432は、光源部10からの均一光を分光カメラ30で撮像した際の撮像画像である分光画像を取得する。基準値取得部433は、均一光を校正基準器である分光光度計20で測定した際の分光基準値、つまり基準三刺激値xCを取得する。階調値抽出部435は、分光画像のうち補正行列の生成対象である補正点の階調値を測定値sCとして抽出する。正規化処理部436は、基準三刺激値xC及び測定値sCを、光源部10から出射される均一光の輝度値YCで除算して、正規化測定値A、及び正規化基準値Bを得る。そして、行列算出部437は、これらの正規化測定値A、及び正規化基準値Bを用いて、式(4)により、補正行列M(i,j)を算出する。
さらに、分光フィルター32において、面内での分光波長がずれる波長むらが生じている場合がある。本実施形態では、面内で均一な光を分光カメラ30で撮像するので、分光フィルターに生じている波長むらを補正した補正行列を算出することができる。
表示装置11から出力される画像光には、照明むらが含まれるが、積分球12に入射させることで、画像光の光量を均一にできる。
また、分光カメラ30を用いて、表示装置11の画像補正を行う場合、表示装置11から出力される画像光に基づいて補正行列を算出することで、表示装置11の画像補正の補正精度を高めることができる。
これにより、分光カメラ30の測色精度を向上させることができる。
これにより、測定点Qの位置が、補正点Pと異なる場合でも、測定点Qに対する補正行列M(m,n)を算出することができ、色補正部363により、分光画像の測定点Qの階調値を補正して、三刺激値に変換することができる。
次に第二実施形態について説明する。
第二実施形態は、第一実施形態と同じ構成の校正システム1であり、校正装置40における校正方法の一部が、第一実施形態と相違する。
なお、以降の説明にあたり、既に説明した事項については、同符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
つまり、本実施形態の校正装置40は、第一実施形態と同様、ステップS1からステップS9までの処理を実施し、測定値sCと、基準三刺激値xCとを取得する。
この際、本実施形態の校正装置40では、表示装置11から黒色の画像光を出力した際の測定値及び基準三刺激値を、それぞれ、黒色測定値sk及び黒色基準三刺激値xkとして取得する。
測定値sC、基準三刺激値xC,黒色測定値sk、及び黒色基準三刺激値xkは以下の構成要素を有する。
次に、行列算出部437は、以下の式(11)(12)により通常補正行列MC(i,j)及び黒色補正行列MK(i,j)を算出する。
すなわち、表示装置11は、ステップS21により、投射対象にテスト画像を出力して画像を表示させる。ステップS22及びステップS23を実施して、分光カメラ30に測定点Qの座標と測色要求を送信する。この際、表示装置11は、テスト画像に加え、黒色画像を表示させる。
これにより、分光カメラ30は、テスト画像と、黒色画像との双方に対して、ステップS31からステップS33を実施し、測定点Qに対する補正行列を内挿補間により算出する。内挿補間では、式(5)と同様にして、測定点Qに対する通常補正行列MC(m,n)及び黒色補正行列MK(m,n)をそれぞれ算出する。
そして、色補正部363は、以下の式(13)により、測定点Qの測定値SC(m,n)を三刺激値X(m,n)に変換する。なお、SK(m,n)は黒色画像における測定点Qの階調値である。
このように、黒色以外の色に対する通常補正行列MC(i,j)と、黒色に対応する黒色補正行列MK(i,j)をそれぞれ別に求めることで、暗色に対する測定値を三刺激値に色変換する際の、補正精度、及び色変換精度をさらに高めることができる。
次に第三実施形態について説明する。
上記第一実施形態及び第二実施形態では、ステップS9において、画像データから、
予め設定された補正点Pについて、λ1からλamaxの全波長に対する測定値S(i,j,c,λa)を抽出した。これに対し、第三実施形態では、複数の学習データを設定して学習を繰り返して最適値を探索する点で、上記第一実施形態及び第二実施形態と相違する。
この精度評価部438は、行列算出部437により算出された補正行列の補正精度を評価する。具体的には、精度評価部438は、算出された補正行列を用いて分光画像の各画素の測定値を三刺激値に変換し、分光光度計20で測定した分光基準値と比較して、その補正精度を評価する。また、本実施形態では、精度評価部438による補正精度が十分に高い補正行列が算出されるまで、補正行列を算出するための学習データを変更して、繰り返し補正行列の算出処理を行う。そして、精度評価部438は、補正精度が十分に高くなったと判断すると、その補正行列を採用して、分光カメラ30に送信する。
図8は、第三実施形態の校正方法を示すフローチャートである。
本実施形態では、上記第一実施形態又は第二実施形態と同様、校正装置40は、ステップS1からステップS8の処理を実施し、分光光度計20による画像光の測定と、分光カメラ30による画像光の分光画像の撮像と、を実施し、分光画像に関して、露光時間に応じた露光補正を行う。
そして、本実施形態では、階調値抽出部435は、ステップS9に替えて、ステップS9Aの処理を実施する。このステップS9Aでは、階調値抽出部435は、対象波長及び補正点Pを抽出する。つまり、本実施形態では、上述したように学習データを変更して、補正行列M(i,j)の算出を繰り返し実施するが、ステップS9Aでは、各回に用いる学習データを抽出する。
初回に実施するステップS9Aでは、階調値抽出部435は、予め設定された補正点P及び対象波長を抽出し、これを第1設定とする。本実施形態では、λ1からλamaxの全波長に対する測定値S(i,j,c,λa)のうちの一部または全部の対象波長の測定値を抽出する。ここで、以降の説明にあたり、抽出される対象波長をλbとして示す。bは、対象波長を示す変数であり、1からNλ(Nλ≦amax)までの値を取るものとする。
また、2回目以降のステップS9Aの処理では、階調値抽出部435は、第1設定の対象波長λb及び補正点Pの少なくともいずれかを、一部変更した学習データを複数生成し、これらを第2設定とする。この際、対象波長λbや補正点Pの個数が変更されてもよい。
この後、精度評価部438は、各学習データに基づいて算出された補正行列M(i,j)のそれぞれの補正精度を評価する(ステップS13)。
具体的には、精度評価部438は、所定のカラー変数cに対する対象波長λbの分光画像の各画素の測定値Scを、算出された補正行列M(i,j)で補正し、三刺激値(X(x,y),Y(x,y),Z(x,y))を算出する。そして、算出された各画素の三刺激値(X(x,y),Y(x,y),Z(x,y))を色彩値HC=(L* C(x,y),a* C(x,y),b* C(x,y))に変換する。この色彩値HCを対象色彩値HCと称する。対象色彩値HCの算出対象となる画素は、分光画像の全画素であってもよく、予め設定された一部の画素であってもよい。
また、精度評価部438は、分光光度計20により測定された分光基準値(X(c)、Y(c),Z(c))を色彩値HC0=(L* C0,a* C0,b* C0)に変換する。この色彩値HC0を基準色彩値HC0と称する。
そして、精度評価部438は、これらの対象色彩値HCと基準色彩値HC0の各画素(x,y)の色差ΔE(x,y)を以下の式(14)により算出する。
そこで、本実施形態では、精度評価部438は、色差ΔE(x,y)、対象波長λbの個数(Nλ)、及び補正点Pの個数(Nxy)を加味した、以下の式(15)に示す評価指標値Vを、補正行列M(i,j)の精度を評価する指標として算出する。
なお、本実施形態では、ステップS12において、行列算出部437は、補正行列M(i,j)だけでなく、対象波長λb及び補正点Pも分光カメラ30に送信する。よって、分光カメラ30は、補正行列M(i,j)、対象波長λb、及び補正点Pを第二メモリー35に記憶する。この場合、分光カメラ30は、ステップS31で、対象波長λbに対する分光画像を撮像し、ステップS33で、補間部362により、補正点Pの情報を用いて、測定点Qに対する補正行列を内挿補間により算出する。
この際、ステップS13で算出された評価指標値Vの最小値を、前回の評価指標値Vpastの最小値から差し引いた値が正の値である場合、新たに算出された評価指標値Vが前回よりも小さく、精度が高くなっていることを意味する。この場合、次のステップS9Aを実施する際に、階調値抽出部435は、新たに算出された評価指標値Vに対応する学習データを第1設定として、第1設定の対象波長λb及び補正点Pの少なくともいずれかを一部変更した新たな学習データを複数生成する。また、ステップS13で算出された評価指標値Vの最小値を、前回の評価指標値Vpastの最小値から差し引いた値が負の値である場合、新たに算出された評価指標値Vが前回よりも大きく、精度が低くなっていることを意味する。よって、ステップS9Aにおいて、階調値抽出部435は、評価指標値Vpastの最小値に対応する学習データを第1設定として、第1設定の対象波長λb及び補正点Pの少なくともいずれかを一部変更した新たな学習データを複数生成する。
本実施形態では、校正装置40は、さらに精度評価部438を備え、行列算出部437により算出された補正行列M(i,j)の補正精度を評価する。
これにより、補正精度の高い補正行列を確認することができる。
これにより、本実施形態では、補正点Pの位置、補正点Pの個数Nxy、対象波長λb、及び対象波長λbの個数Nλを変更した様々な学習データを用いることで、測定値を、分光基準値に最も近い値に変換可能な補正行列を探索することができ、高い補正精度の補正行列を得ることができる。
そして、精度評価部438は、新たな学習データに基づいて算出された補正行列M(i,j)と、前回の学習データに基づいて算出された補正行列M(i,j)との評価の差、つまり評価向上値が所定の閾値以下である場合に、新たな学習データに基づく補正行列M(i,j)を採用する。この場合、最適な補正行列M(i,j)を探索するために要する補正行列の算出処理の繰り返し回数を少なくでき、効率よく、補正精度の高い補正行列M(i,j)を得ることができる。
なお、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、及び各実施形態を適宜組み合わせる等によって得られる構成は本発明に含まれるものである。
上記実施形態では、式(6)、又は、式(11)(12)により、最小二乗法に基づいて補正行列を算出したが、これに限定されない。行列算出部437は、例えば、主成分回帰法や、部分的最小二乗回帰法を用いて補正行列を算出してもよい。
上記実施形態では、分光光度計20により、三刺激値を測定し、分光カメラの補正点Pに対する測定値を補正して三刺激値に色変換する補正行列を算出したが、これに限定されない。
例えば、分光光度計が、L*a*b*値、反射率スペクトル等の他の色座標を計測する基準校正器であってもよい。この場合、行列算出部437は、測定値をL*a*b*値や反射スペクトル等に変換する補正行列を算出することができる。
また、校正基準器として、分光光度計20を用いたが、校正済みの分光カメラを用いてもよい。
上記実施形態では、画像光を出射する表示装置11の画像補正を行うための分光カメラ30、及びその分光カメラ30の校正を行う校正装置40を例示したが、これに限定されない。例えば、対象物の成分分析を行うための分光カメラ30の校正システム1としてしてもよい。この場合、光源部10は、表示装置11ではなく、ハロゲンランプ等の他の光源と積分球12により構成されていてもよい。
光源部10として、表示装置11から積分球12に画像光を入射させて均一光を生成する例を示したが、これに限定されない。例えば、光源からの光を拡散反射させる拡散反射板に照射し、拡散反射板で反射された光を分光光度計20及び分光カメラ30で測定してもよい。
上記実施形態では、表示装置11と、分光カメラ30とが、別体として設けられ、第一通信部112及び第二通信部34により通信可能に接続される例を示したが、表示装置11と分光カメラ30とが一体的に設けられる構成としてもよい。
校正装置40が露光補正部434を備える構成としたが、分光カメラ30の撮像制御部361が、撮像された分光画像の階調値を露光補正して校正装置40に出力するように構成されていてもよい。この場合、校正装置40の露光補正部434は不要にできる。
また、分光カメラ30の撮像部33が、受光する光の光量に応じて露光時間を変更しない場合では、露光補正を実施しなくてもよい。
上記実施形態では、表示装置11から、測定点Qの座標を分光カメラ30に送信してから、分光カメラ30による分光画像の撮像が実施された。これに対して、分光カメラ30による分光画像の撮像の後、分光画像を表示装置11に送信し、表示装置11は、受信した分光画像に基づいて測定点Qを設定してもよい。つまり、分光カメラ30と表示装置11とが別体である場合、分光カメラ30と表示装置11との相対位置が変化する場合があり、この場合、分光画像において、表示装置11により投射された画像光の投射範囲が変動する場合がある。表示装置11が、分光画像に基づいて、測定点Qを設定する場合では、分光画像で画像光の投射範囲が変動しても、正しく測定点Qを設定することができる。
上記実施形態では、分光カメラ30の第二メモリー35に補正行列が記憶され、分光カメラ30の補間部362及び色補正部363が、表示装置11から指示された測定点Qに対する三刺激値を算出する例を示した。
これに対して、補正行列が表示装置11の第一メモリー113に記憶され、第一プロセッサー114が、補間部362や色補正部363として機能してもよい。この場合、分光カメラ30は、分光画像を撮像すると、撮像した分光画像を表示装置11に送信する。そして、表示装置11において、測定点Qに対する補正行列を内挿補間により算出し、測定点Qに対する三刺激値を算出する。
上記第三実施形態では、精度評価部438は、学習データ毎、カラー変数c毎に評価指標値Vを算出した。これに対して、この際、同一の学習データから算出される、カラー変数cに対する評価指標値をカラー評価指標値VCとし、カラー評価指標値VCに基づいて総合評価指標値Vを算出してもよい。例えば、精度評価部438は、学習データ毎に算出されるカラー評価指標値VCのうちの最大値を総合評価指標値Vとしてもよく、学習データ毎に算出されるカラー評価指標値VCの平均値を総合評価指標値Vとしてもよい。g
上記第三実施形態では、精度評価部438は、ステップS14でYESと判定した場合に、新たに算出された評価指標値Vの最小値に対応する補正行列M(i,j)を採用した。
これに対し、ステップS14でYESと判定した場合、さらに、新たに算出された評価指標値Vの最小値を、前回の評価指標値Vpastの最小値から差し引いた値が正の値であるか否かを判定してもよい。この場合、新たに算出された評価指標値Vの最小値を、前回の評価指標値Vpastの最小値から差し引いた値が正の値であれば、新たに算出された評価指標値Vの最小値に対応する補正行列M(i,j)を採用する。また、新たに算出された評価指標値Vの最小値を、前回の評価指標値Vpastの最小値から差し引いた値が負の値であれば、前回算出された評価指標値Vpastの最小値に対応する補正行列M(i,j)を採用する。
上記実施形態では、分光フィルター32として、図3に示すようなファブリーペローエタロンを例示したが、これに限定されない。分光フィルター32としては、その他、AOTFやLCTF等の各種分光素子を用いることができる。
第三実施形態では、ステップS13において、精度評価部438は、色差ΔE(x,y)として、L*a*b*色空間における色差ΔEabを算出したが、これに限定されない。例えば、精度評価部438は、「CIE DE2000」の定義に基づいた色空間での色差ΔE00を色差ΔE(x,y)として算出してもよい。
Claims (11)
- 光源部からの均一光を分光カメラで撮像した際の撮像画像である分光画像を取得する測定値取得部と、
前記均一光を校正基準器で測定した際の測定結果である分光基準値を取得する基準値取得部と、
前記分光画像のうち、補正行列を生成する画素である補正点の階調値を測定値として抽出する階調値抽出部と、
前記補正点の前記測定値、及び前記分光基準値を、前記光源部から出射される前記均一光の輝度値で除算して、正規化測定値、及び正規化基準値を得る正規化処理部と、
前記正規化測定値及び前記正規化基準値に基づいて、前記補正行列を算出する行列算出部と、
を備えることを特徴とする校正装置。 - 請求項1に記載の校正装置において、
前記光源部は、画像光を出力する表示装置と、前記画像光の光を均一化する積分球とを含む
ことを特徴とする校正装置。 - 請求項2に記載の校正装置において、
前記光源部は、前記表示装置から黒色と、複数の低階調色を含む複数の単一色の前記画像光を出力させ、
前記正規化処理部は、黒色以外の単一色の前記画像光に対する前記補正点の前記測定値から、黒色の前記画像光に対する前記補正点の前記測定値を差し引いた値を、前記画像光の前記輝度値で除算して前記正規化測定値とし、黒色以外の単一色の前記画像光に対する前記分光基準値から、黒色の前記画像光に対する前記分光基準値を差し引いた値を、前記画像光の前記輝度値で除算して前記正規化基準値とし、黒色及び複数の低階調色の前記画像光に対する前記補正点の前記測定値を、前記画像光の前記輝度値で除算して黒色正規化測定値とし、黒色及び低階調色の前記画像光に対する前記分光基準値を、前記画像光の前記輝度値で除算して黒色正規化基準値とし、
前記行列算出部は、前記正規化測定値及び前記正規化基準値に基づいて、通常補正行列を算出し、前記黒色正規化測定値及び前記黒色正規化基準値に基づいて、黒色補正行列を算出する
ことを特徴とする校正装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の校正装置において、
前記分光画像の前記階調値を前記分光カメラで前記均一光を測定した際の露光時間で除算して露光補正する露光補正部を備える
ことを特徴とする校正装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の校正装置において、
前記行列算出部により算出された前記補正行列の補正精度を評価する精度評価部を備える
ことを特徴とする校正装置。 - 請求項5に記載の校正装置において、
前記階調値抽出部は、前記補正点の位置、前記補正点の個数、前記補正点に対する前記測定値を抽出する対象波長、及び前記対象波長の数の少なくともいずれかを変更した複数の学習データを生成し、
前記行列算出部は、複数の前記学習データのそれぞれに対して前記補正行列を算出し、
前記精度評価部は、各前記学習データに対する前記補正行列をそれぞれ評価して、最も高評価である前記補正行列を採用する
ことを特徴とする校正装置。 - 請求項6に記載の校正装置において、
前記階調値抽出部は、前記精度評価部により最も高評価と評価された前記補正行列に対応する前記学習データの、前記補正点の位置、前記補正点の個数、前記対象波長、及び前記対象波長の数の少なくともいずれかを変更して、新たな学習データを生成し、
前記精度評価部は、前記新たな学習データに基づく前記補正行列と、前回の前記学習データに基づく前記補正行列との評価の差が所定の閾値以下である場合に、前記新たな学習データに基づく前記補正行列を採用する
ことを特徴とする校正装置。 - 分光カメラで撮像される分光画像を補正する補正行列を算出する校正装置の校正方法であって、
光源部からの均一光を前記分光カメラで撮像して前記分光画像を取得するステップと、
前記均一光を校正基準器で測定した際の測定結果である分光基準値を取得するステップと、
前記分光画像のうち、前記補正行列を生成する画素である補正点の階調値を測定値として抽出するステップと、
前記補正点の前記測定値、及び前記分光基準値を、前記光源部から出射される前記均一光の輝度値で除算して、正規化測定値、及び正規化基準値を得るステップと、
前記正規化測定値及び前記正規化基準値に基づいて、前記補正行列を算出するステップと、
を実施することを特徴とする校正方法。 - 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の校正装置により算出された前記補正行列が記録される記録部と、
前記補正行列を用いて前記分光画像の所定位置の色を補正する色補正部と、
を備えることを特徴とする分光カメラ。 - 請求項9に記載の分光カメラにおいて、
表示装置から測定点の座標を取得し、複数の前記補正点に対する前記補正行列から、前記測定点に対する前記補正行列を内挿補間する補間部を備える
ことを特徴とする分光カメラ。 - 請求項10に記載の分光カメラと通信可能に接続され、画像光を出力する表示装置であって、
前記分光カメラに、前記分光画像の所定の測定点の位置を送信して、測色の実施を指令する測色指令部と、
前記分光カメラから、前記測定点に対する測色結果を受信し、前記測色結果に基づいて、前記画像光を補正する画像補正部と、を備える
ことを特徴とする表示装置。
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