JP2004219322A - 非破壊分光測定器 - Google Patents

非破壊分光測定器 Download PDF

Info

Publication number
JP2004219322A
JP2004219322A JP2003008588A JP2003008588A JP2004219322A JP 2004219322 A JP2004219322 A JP 2004219322A JP 2003008588 A JP2003008588 A JP 2003008588A JP 2003008588 A JP2003008588 A JP 2003008588A JP 2004219322 A JP2004219322 A JP 2004219322A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
temperature
measurement target
emitting means
light emitting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003008588A
Other languages
English (en)
Inventor
Sumio Kono
澄夫 河野
Kazuo Sasaki
和雄 佐々木
Takashi Watanabe
隆 渡邉
Hikari Suzuki
光 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Food Research Institute
Astem Corp
Original Assignee
National Food Research Institute
Astem Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Food Research Institute, Astem Corp filed Critical National Food Research Institute
Priority to JP2003008588A priority Critical patent/JP2004219322A/ja
Publication of JP2004219322A publication Critical patent/JP2004219322A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Abstract

【課題】光誘導手段を簡素化しブロック化した、小型化や高精度で、外乱光への耐性を向上させた非破壊分光測定器を提供する。
【解決手段】複数の発光手段15を固定する第1の光案内ブロック11と、光を案内する光案内通路121と発光手段温度検出手段161を有する第2の光案内ブロック12と、光を拡散する光拡散手段18と拡散光を案内する光通路131と分岐光通路132と光分岐手段191と発光強度検出手段171とを有する第3の光案内ブロック13と、対象物に照射され対象物内部で拡散反射した発光手段からの光の強度を検出する反射光検出手段172と測定対象温度検出手段を保持する取付手段14とからなる光学ユニット10を備え、発光強度検出手段171が検出した発光手段の発光強度と発光手段温度検出手段161が検出した発光手段の温度をフィードバックして発光強度を制御するようにした非破壊分光測定器。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、果実などにおける離散的な吸収スペクトルを測定して、非破壊で糖度などの成分を測定する近赤外分光技術を利用した非破壊分光測定器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、果実糖度の非破壊測定法として、近赤外線の吸収現象を利用した分光分析が広く使われている。この非破壊分光測定法は、ハロゲンランプを光源として使い、光ファイバなどで光を誘導し、果実の表面へ照射させ、その反射光や透過光を回折格子などで分光し、果実の連続的な吸収スペクトルを測定し、その内必要な波長の吸光度を取り出し、予め用意された関係式に代入することで、糖度を測定するのが一般的である。
【0003】
また、本出願人は、小型化、低消費電力化により、圃場での持ち歩きを可能にした、ハンディ型果実成分非破壊測定器を提案した。これは、それ以前の方法に対して、LDなどの狭い半値幅を持つ光源を複数用いることが特徴である。ハロゲンランプと違い、必要とする波長の光のみを発光することから、無駄な電力を消費しないという利点を有している。また、回折格子などの分光の仕組みが不要で、小型化に適している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開20002−116141号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来、測定器の取り扱いにおける利便性の面から、小型化、低消費電力化が求められており、そのような考えから、光源にLEDやLDなどの波長域の狭い光源を採用するハンディ型果実成分非破壊測定器が提案されているが、さらなる小型化や高精度の追求、外乱光への耐性の点で改善の余地が残されている。
【0006】
光源にLEDを使用した場合、発光波長の半値幅が少なくとも20nm以上と広く、分光分析用の光源としては、精度の点で最適な光源とは言えなかった。
【0007】
また、LDは半値幅が2nm以下であるが、温度による波長変動が大きく、精密に波長変動を検出する必要があった。さらに、光ファイバの束により分岐した光の一部を、波長補正用のフィルターを透過させ、その透過量の変化によって波長の変動を検出する方法では、LD光が発光されてから果実に照射されるまでの経路において光の減衰が著しく、その結果外乱光に対する耐性が弱くなった。
【0008】
上記問題点に鑑み、本発明は、光誘導手段を簡素化しかつブロック化することによって、小型化の追求や高精度の要求に対応し、外乱光への耐性を向上させたLEDやLDを用いた非破壊分光測定器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、半値幅が3nm以下で、温度による波長変動が0.2nm/℃以下である光源を用い、また光誘導機構を簡略化することで、光の減衰を最小限に抑え、さらなる小型化と精度向上を達成した。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる非破壊分光測定器を果実成分測定器に適用した場合の構造を、図1〜図5を用いて説明する。図1は非破壊分光測定器の全体構成を説明する概念図であり、図2は非破壊分光測定器の機能構成を説明する機能構成図であり、図3は非破壊分光測定器の光学ユニットの構成を説明する模式的な断面図であり、図4は光学ユニットの背面図、図5は光学ユニットの正面図である。
【0011】
図1に示すように、この非破壊分光測定器1は、光学ユニット10と、演算回路部20と、表示装置30と、電源部40と、遮光フード50とを有して構成される。
【0012】
光学ユニット10は、非測定対象60に精度の高い波長の光を照射し、非測定対象60からの拡散反射光を受光する手段である。
【0013】
演算回路部20は、拡散反射光の強度と糖度などの成分との関係式である検量線が格納されており、測定対象60からの反射光のデータを用いて検量線を参照して測定対象60の糖度などの成分を演算し、表示装置30や図示を省略したパソコンなどの外部装置へ出力する働きと、発光素子の強度を監視して発光素子の出力強度を制御するとともに、発光素子の温度を監視して発光素子の発光波長の変化を検出し、測定対象の温度を監視して前記演算結果に対して温度補正を行う回路である。発光素子の温度と測定対象の温度は、反射光のデータと共に検量線のパラメータとして用いることも可能である。さらに、演算回路部20は、電圧制御回路を有している。
【0014】
演算回路20に格納される検量線は、外部から書き替えることも可能である。
【0015】
表示装置30は、例えばLCDを用いて構成され、測定結果などのデータを表示する手段である。
【0016】
電源部40は、例えば乾電池などの電源を有しており、光学ユニット10、演算回路部20、表示装置30へ電力を供給する手段であり、測定スイッチ41を有している。
【0017】
遮光フード50は、測定対象60からの反射光のみを受光素子へ到達させ、外光による測定誤差をなくすための遮光手段であり、さらに測定対象からの輻射熱による温度測定の精度を上げるための遮光手段である。遮光フード50は、測定対象60に接したときに測定対象を傷つけず、かつ外乱光の侵入を阻止するように、柔軟な材料で蛇腹状に構成される。遮光フード50の光学ユニット測定面側には、測定対象60に接する緩衝兼遮光用クッション51が設けられている。
【0018】
図2に示すように、非破壊分光測定器1は、異なる発光波長を有する複数の発光素子15と、測定対象60に照射し測定対象内部で拡散反射した発光素子からの光の強度を検出する反射光検出素子172と、発光素子の光の強度を検出する発光強度検出素子171と、発光強度検出素子が検出した発光手段の発光強度をフィードバックして発光強度を制御する発光制御部23と、発光素子の温度を検出する発光手段温度検出素子161と、測定対象の温度を検出する測定対象温度検出素子162と、測定対象毎の吸光度と発光手段の温度と測定対象の温度を共にパラメータとして作成した検量線22と、反射光検出素子が検出した測定対象内部で拡散反射された各波長毎の反射光の強度と測定対象の温度を用いて検量線を参照して測定対象の成分を演算する成分演算部21と、を備え、発光素子の温度変化に依存して変化した発光波長毎の反射光の強度を用いて検量線を参照して測定対象の成分を演算する。
【0019】
さらに、本発明の非破壊分光測定器1は、複数の発光素子15を固定する第1の光案内ブロック11と、発光素子からの光を案内する光案内通路121と発光手段温度検出素子161を有する第2の光案内ブロック12と、光案内通路からの光を拡散する光拡散手段18および光拡散手段からの拡散光を案内する光通路131および光通路の光を分岐した光を案内する分岐光通路132および光通路の途中に設けた光分岐用ガラス板191ならびに発光強度検出素子171とを有する第3の光案内ブロック13と、光照射窓141を有し反射光検出素子172と測定対象温度検出素子162を保持する取付手段14とからなる光学ユニット10を備えている。
【0020】
発光素子15は、発光波長の半値幅が狭く温度による波長変動の小さな近赤外線発光LEDであることが望ましい。
【0021】
図3〜図5に示すように、光学ユニット10は、第1の光案内ブロック11と、第2の光案内ブロック12と、第3の光案内ブロック13と、取付板14と、複数の発光素子15−1〜15−5と、サーミスタなどの温度検出素子161と、分岐光検出素子171と反射光検出素子172−1〜172−4と、光分岐用ガラス板191と、保護ガラス板192とを有して構成される。さらに、光光学ユニット10は、正面に光照射窓141と、測定対象検出用発光素子151と、サーモパイルなどの温度検出素子162を有している。
【0022】
第1の光案内ブロック11は、熱電導率の大きな金属例えばアルミニウムを用いて構成され、発光波長の異なる複数の発光素子15−1〜15−5を固定するブロックであり、複数の発光素子固定穴111−1〜111−5を有している。発光素子固定穴111−1〜111−5に発光波長の異なる例えばLEDからなる発光素子15−1〜15−5が挿入固定されている。発光素子固定穴111−1〜111−5の周壁と発光素子15−1〜15−5との間には熱伝導性材料例えばシリコングリス112を介在させて、両者の間の熱伝導を高めている。
【0023】
第2の光案内ブロック12は、熱電導率の大きな金属例えばアルミニウムを用いて構成され、複数の発光素子15−1〜15−5からの光を光拡散板18へ導くとともに発光素子の温度を検知する機能を有するブロックであり、光拡散板18に集光する光案内通路121と、発光素子温度検出素子161を固定する温度検出素子固定穴122を有している。温度検出素子固定穴122の周壁と発光素子温度検出素子161との間には熱伝導性材料例えばシリコングリス123を介在させて、両者の間の熱伝導を高めている。
【0024】
第3の光案内ブロック13は、熱電導率の大きな金属例えばアルミニウムを用いて構成され、光を測定対象に照射するように案内するブロックであり、光通路131と、光分岐通路132と、光拡散板保持溝133と、ガラス板保持溝134と、光検出素子保持穴135とを有している。光通路131は、発光素子から照射され光拡散板18で拡散した光を、反射を繰り返して測定対象へ導く通路であり、途中に光の一部を分岐する光分岐通路132が設けられている。光分岐通路132は、発光素子からの光の一部を分岐した光を分岐光検出素子171へ導く通路であり、光通路131の光軸に直角に交差するように設けられており、一端が光通路131に開口し他端が光検出素子保持穴135に開口している。光拡散板保持溝133は、光通路131の一端に設けられており、光拡散板18を支持固定する。ガラス板保持溝134は、光通路131の途中に光軸に45度で交差するように設けられており、光分岐用ガラス板191を保持する。光検出素子保持穴135は、分岐光検出素子171を、絶縁材136を介して保持する。
【0025】
取付板14は、絶縁性の合成樹脂である例えばPEEK材を用いて構成され、光照射窓141と、反射光検出素子172−1〜172−4を保持する光照射窓141の周囲に配置された複数の光検出素子保持穴142−1〜142−4と、測定対象検出用発光素子151を保持する測定対象検出用発光素子保持穴143と、測定対象温度検出素子162を保持する温度検出素子保持穴144とを有して構成され、光照射窓141には、保護ガラス板192が固定されている。
【0026】
取付板14に取り付けられた光照射窓141と、反射光検出素子172と、測定対象温度検出素子162と、測定対象検出用発光素子151は、測定対象へ向けて配置される。
【0027】
光源を構成する発光素子15は、測定対象に半値幅の小さな精度の高い光を照射する素子であり、発光手段として働く、この実施例では異なる発光波長を有する5本のLED15−1〜15−5で構成され、第3の光案内ブロック13に設けた光拡散板18の中心へLEDの光が照射される角度で配置される。LED15−1〜15−5は、例えば、発光のピーク波長が810、845、872、904、915nmのいずれかであり、半値幅が4nm以下と狭い発光ダイオードである。さらに、この発光ダイオードは、温度による波長変動が0.2nm/℃以下であることが望ましい。
【0028】
光拡散板18は、光拡散手段として働き、例えば乳白色の合成樹脂板を用いて構成され、光案内通路の途中に設置されて、LEDからの精度の高い光を拡散して光通路131の内壁で反射を繰り返し、光照射窓面141から測定対象に均一な光を照射させる働きを有している。
【0029】
測定対象検出用発光素子151は、可視光線を発光するLEDを用いて構成され、測定対象が遮光フード50に接しているときのみ発光素子15の発光を許容して、使用者の安全を図る働きを有している。
【0030】
発光素子温度検出素子161は、例えばサーミスタを用いて構成され、光源の温度を測定する素子であり、発光手段温度検出手段として働き、温度データをパラメータとして演算回路に取り込み、演算結果を補正するのに用いる。
【0031】
測定対象温度検出素子162は、例えばサーモパイルを用いて構成され、測定対象からの輻射熱を検出して測定対象の温度を検出する素子であり、測定対象温度検出手段として働き、測定対象の温度データをパラメータとして演算回路に取り込み、演算結果を補正するのに用いる。
【0032】
分岐光検出素子171は、例えばフォトダイオードを用いて構成され、発光強度検出手段として働き、光分岐用ガラス板191からの分岐光を受光して光源の出力強度に関するデータを得て、当該発光素子15の出力を制御する働きを有している。
【0033】
反射光検出素子172は、例えばフォトダイオードを用いて構成され、反射光検出手段として働き、測定対象の内部で拡散反射されてきた光を受光する素子である。
【0034】
光分岐用ガラス板191は、光分岐手段として働き、光案内通路111の途中に45度の角度で設置され、LEDからの光の一部(8%程度)を反射分岐して、光通路131の側壁に設けた開口を経由して分岐項検出素子171に入射する。
【0035】
測定対象60は、例えば、りんご、なし、トマト等の果実であり、その糖度などの成分を測定することができる。また、かつおやマグロ等の魚肉を対象としその脂肪含有量を非破壊で測定することが可能である。さらに、人などの血液を採取することなく皮膚の外から糖度、コレステロールの値などの血中成分を測定することができる。
【0036】
次に、本発明にかかる非破壊分光測定器で、果実の糖度を測定する場合の動作手順を説明する。非破壊分光測定器1は、片手で持つことができ、もう一方の手で果実を接触部の遮光フード50に軽く当て、把持部に設けた測定スイッチ41を押すと、約1秒で糖度が算出され、表示装置30に表示される。
【0037】
測定スイッチ41が押されると電源が入り、配置されたLED15−1〜15−5が順次発光する。発光した光は、光案内通路121へ入射して光拡散板18で拡散される。拡散された光は、光通路131内壁で反射を繰り返し光照射窓141から果実60へ照射される。
【0038】
光通路131の途中に配置された光分岐用ガラス板191によって、LEDの入射光のうち常に一定の割合(8%)の光が反射され、分岐光検出素子171により検出される。分岐光検出素子171で受光した光の強度がフィードバックされて、光通路131から測定対象60に照射される光の強度が一定値になるようにLED15の電流が制御される。
【0039】
測定対象である果実に照射された光は、果実の内部で、拡散反射を繰り返し、その一部が、反射光検出素子172により検出される。ただし、光照射窓141から果実に照射された光のうち果実表面からの直接反射光は、保護用クッション51によって遮光され、反射光検出素子172では検出されない。
【0040】
反射光検出素子172によって検出された光の強度は、温度検出素子162が得た果実の温度データと、温度検出素子161が得たLEDの温度データとともに、前もって用意された関係式に代入され、糖度が算出される。算出された糖度は表示装置30に一定時間表示された後、電源が落ち、動作を完了する。
【0041】
次に、本発明かかる非破壊分光測定器において、反射光検出素子172の反射光強度検出データと測定対象温度検出素子162が得た果実の温度データから糖度を算出する関係式について説明する。本発明かかる非破壊分光測定器は、果実の糖度を非破壊で測定する。その方法は、透過力の比較的強い短波長領域の分光された近赤外線を果実に照射し、透過光量から吸光度を得て、その吸光度に対して果実の温度による補正を行った値から甘味に関連した指標を求めるものである。
【0042】
反射光検出素子172によって得られた五つの波長(λ1〜λ5)における果実の吸光度を、それぞれL(λ1)、L(λ2)、L(λ3)、L(λ4)、L(λ5)とし、温度検出素子162が得た果実の温度データをT1、温度検出素子161が得たLEDの温度データをT2とすると、果実の糖度Cは、一般に下記(1)式で表される。
【0043】
【数1】
Figure 2004219322
【0044】
本測定器1においては、下記(2)式の関係式を用いた。
【0045】
【数2】
Figure 2004219322
【0046】
ここで、K0、K1、K2、…、K7は比例定数を示す。
【0047】
ただし、吸光度L(λn)は、果実の温度の変化や、LEDの温度変化による測定波長(λn)の変化によってわずかながら変化するが、以下に述べる方法でKnの最適地を求める場合、上記(2)式の右辺の最後の二つの項によって補正が可能である。
【0048】
将来、測定を想定される果実については、少なくとも100個以上の試料を関係式の作成用に用意し、吸光度L(λn)、試料の温度T1、LEDの温度T2、屈折等時計による糖度Cなどのデータを測定した。その際、恒温槽を用いて試料の温度、LED(実際には本測定器本体)の温度を、それぞれ5℃から40℃まで5℃おきに変化させ、試料温度とLED温度のそれぞれの組み合わせにおけるデータを測定した。
【0049】
このようにして得たデータをコンピュータにより統計的に処理し、線形重回帰分析の手法を用いて、Knの最適値を得た。この結果、5℃から40℃の測定環境の下で、高精度の糖度の推定が可能となった。
【0050】
本発明による非破壊分光測定器においては、試料の温度、LEDの温度を反映する値として、温度検出素子162で得たT1,温度検出素子161で得たT2を関係式のパラメータとして用いたが、試料の温度やLEDの温度に相関の高い波長の吸光度などを関係式のパラメータとして換わりに用いることで、測定対象温度検出素子162や発光素子温度検出素子161を利用しないことも可能である。
【0051】
以上の実施の形態では、発光素子15を5個用い、それぞれの発光波長のピーク波長が810、845、872、904、915nmのいずれかであり、半値幅が4nm以下と狭い発光ダイオードであり、温度による波長変動が0.2nm/℃以下であるものを用いた例を説明したが、例えば室内のような温度変化の少ない環境で使用する場合などでは、発光波長のピーク値が810、872、904nmの3個のLEDとしても十分に精度の高い測定結果を得ることができる。
【0052】
さらに、本発明によれば、発光素子の温度を監視して発光素子の発光強度を制御するようにしているので、温度変化が多少大きなLDを用いても十分実用に供し得る非破壊分光測定器を提供することができる。
【0053】
光を照射して内部で拡散反射された光により測定対象の内部の糖度などの成分を測定するには、照射光が十分に内部に到達しそこで拡散反射された光の強度を検出する必要がある。そのためには、測定対象への光照射部と反射光受光部との距離を大きくする必要がある、しかしながら、光照射部と反射光受光部との距離を大きくすると、光の減衰が大きくなり精度が低下するという問題がある。上記の説明では、光の減衰に対処するために、1つの光照射部からの光を4つの受光部によって検出して精度を上げている。
【0054】
スイカや、メロンなどの果皮の厚い果実を測定する場合には、4つの光照射部からの光を1つの受光部によって検出するようにして、大きな変更もなく精度よく果皮の厚い果実の成分を測定することができる。さらに、上記実施の形態では、1つの光照射部からの光を4つの受光部によって検出しているが、1つの光照射部からの光を1つの受光部によって検出しても若干精度は低下するが測定対象の成分を測定することは可能である。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、半値幅が狭く、温度に対して変動の小さな光源を使用すると、高精度の検量線の作成が可能になり、波長の変動を光源の温度を用いて補正でき、光学的経路を簡略化することができる。その結果、本発明によれば、小型で、電力消費が少なく、外乱光に強い、高精度の、圃場で使用可能な非破壊分光測定器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる非破壊分光測定器の概念図。
【図2】本発明の実施の形態にかかる非破壊分光測定器の機能構成図。
【図3】本発明の実施の形態にかかる非破壊分光測定器の光学ユニットの構成の概要を説明する断面図。
【図4】本発明の実施の形態にかかる非破壊分光測定器の光学ユニットの背面図。
【図5】本発明の実施の形態にかかる非破壊分光測定器の光学ユニットの正面図。
【符号の説明】
1 非破壊分光測定器
10 光学ユニット
11 第1の光学ブロック
111 発光素子固定用穴
112 シリコングリス
12 第2の光学ブロック
121 光案内通路
122 温度検出素子固定穴
123 シリコングリス
13 第3の光学ブロック
131 光通路
132 光分岐通路
133 光拡散板保持溝
134 ガラス板保持溝
135 光検出素子保持穴
136 絶縁材
14 取付板
141光照射窓
142 光検出素子保持穴
143 測定対象検出用発光素子保持穴
144 温度検出素子保持穴
15 発光素子
151 測定対象検出用発光素子
161 発光素子温度検出素子
162 測定対象温度検出素子
171 分岐光検出素子
172 反射光検出素子
18 光拡散板
191 光分岐用ガラス板
192 保護ガラス板
20 演算回路部
21 成分演算部
22 連続吸収スペクトルデータ
23 発光制御部
30 表示装置
40 電源部
41 測定スイッチ
50 遮光フード
51 緩衝兼遮光用クッション
60 測定対象(果実)

Claims (6)

  1. 異なる発光波長を有する複数の発光手段と、測定対象に照射し測定対象内部で拡散反射した発光手段からの光の強度を検出する反射光検出手段と、を有し、異なる波長の吸光度から測定対象の成分の大きさを測定する非破壊分光測定器において、
    測定環境の温度や測定対象の温度について様々な条件下で測定したデータをもとに検量線を作成することで、使用時の温度に関する測定条件の違いによる誤差を軽減した、
    ことを特徴とする非破壊分光測定器。
  2. 異なる発光波長を有する複数の発光手段と、測定対象に照射し測定対象内部で拡散反射した発光手段からの光の強度を検出する反射光検出手段と、発光手段の光の強度を検出する発光強度検出手段と、発光強度検出手段が検出した発光手段の発光強度をフィードバックして発光強度を制御する発光制御手段とを有する非破壊分光測定器において、
    複数の発光手段を固定する第1の光案内ブロックと、発光手段からの光を案内する光案内通路と発光手段温度検出手段を有する第2の光案内ブロックと、光案内通路からの光を拡散する光拡散手段および光拡散手段からの拡散光を案内する光通路および光通路の光を分岐した光を案内する分岐光通路および光通路の途中に設けた光分岐手段ならびに発光強度検出手段とを有する第3の光案内ブロックと、光照射窓を有し反射光検出手段と測定対象温度検出手段を保持する取付手段とからなる光学ユニットを備えた、
    ことを特徴とする非破壊分光測定器。
  3. 異なる波長の吸光度から測定対象の成分の大きさを測定することを特徴とする請求項2に記載の非破壊分光測定装置。
  4. 発光手段の温度を検出する発光手段温度検出手段を備え、発光手段温度検出手段が検出した発光手段の温度をパラメータの一つとして検量線を作成し、発光手段の温度変化に依存する発光波長の変化による吸光度の変化を補正したことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の非破壊分光測定器。
  5. 測定対象の温度を検出する測定対象温度検出手段を備え、測定対象温度検出手段が検出した測定対象の温度をパラメータの一つとして検量線を作成し、測定対象の温度に依存する吸光度の変化を補正したことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の非破壊分光測定器。
  6. 発光手段が、発光波長の半値幅が狭く温度による波長変動の小さな近赤外線発光LEDであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の非破壊分光測定器。
JP2003008588A 2003-01-16 2003-01-16 非破壊分光測定器 Pending JP2004219322A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003008588A JP2004219322A (ja) 2003-01-16 2003-01-16 非破壊分光測定器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003008588A JP2004219322A (ja) 2003-01-16 2003-01-16 非破壊分光測定器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004219322A true JP2004219322A (ja) 2004-08-05

Family

ID=32898344

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003008588A Pending JP2004219322A (ja) 2003-01-16 2003-01-16 非破壊分光測定器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004219322A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102004025448A1 (de) * 2004-05-19 2005-12-15 Bruker Optik Gmbh Verfahren zum Messen eines Spektrums einer Messprobe mittels eines Infrarot-Spektrometers und derartiges Infrarot-Spektrometer
JP2006090894A (ja) * 2004-09-24 2006-04-06 Himi Ichi 微量試料用撹拌装置、及びそれを用いた微量試料の特性測定方法、並びにその装置。
JP2007225312A (ja) * 2006-02-21 2007-09-06 Konica Minolta Sensing Inc 反射特性測定装置
JP2008519266A (ja) * 2004-11-04 2008-06-05 アプレラ コーポレイション 熱補償型発光ダイオードを備える、光学走査システム
WO2010143799A1 (ko) * 2009-06-09 2010-12-16 Han Lee-Jin 휴대용 물질 분석 시스템
WO2013137145A1 (ja) * 2012-03-14 2013-09-19 千代田電子工業株式会社 非破壊測定装置
JP2014240786A (ja) * 2013-06-12 2014-12-25 淳司 神成 発光ダイオードを用いた成分濃度分析装置及び発光ダイオードを用いた測定器
JP2022524603A (ja) * 2019-03-12 2022-05-09 ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング センサ装置の熱調節

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102004025448A1 (de) * 2004-05-19 2005-12-15 Bruker Optik Gmbh Verfahren zum Messen eines Spektrums einer Messprobe mittels eines Infrarot-Spektrometers und derartiges Infrarot-Spektrometer
JP2006090894A (ja) * 2004-09-24 2006-04-06 Himi Ichi 微量試料用撹拌装置、及びそれを用いた微量試料の特性測定方法、並びにその装置。
JP2008519266A (ja) * 2004-11-04 2008-06-05 アプレラ コーポレイション 熱補償型発光ダイオードを備える、光学走査システム
JP2007225312A (ja) * 2006-02-21 2007-09-06 Konica Minolta Sensing Inc 反射特性測定装置
JP4660696B2 (ja) * 2006-02-21 2011-03-30 コニカミノルタセンシング株式会社 反射特性測定装置
WO2010143799A1 (ko) * 2009-06-09 2010-12-16 Han Lee-Jin 휴대용 물질 분석 시스템
KR101129043B1 (ko) * 2009-06-09 2012-03-27 한이진 휴대용 물질 분석 시스템
WO2013137145A1 (ja) * 2012-03-14 2013-09-19 千代田電子工業株式会社 非破壊測定装置
JP2014240786A (ja) * 2013-06-12 2014-12-25 淳司 神成 発光ダイオードを用いた成分濃度分析装置及び発光ダイオードを用いた測定器
JP2022524603A (ja) * 2019-03-12 2022-05-09 ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング センサ装置の熱調節

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3326521B1 (en) Compact spectrometer system for non-invasive measurement of absorption and transmission spectra in biological tissue samples
CA2605467C (en) Systems and methods for correcting optical reflectance measurements
JP4701468B2 (ja) 生体情報測定装置
US7343185B2 (en) Measurement of body compounds
JP2007509718A5 (ja)
US9259176B2 (en) Biological optical measurement instrument and operation method therefor
US20150241347A1 (en) Nondispersive infrared micro-optics sensor for blood alcohol concentration measurements
JP2001299727A (ja) 生体中のグルコース濃度の測定装置
JP2004219322A (ja) 非破壊分光測定器
JP4714822B2 (ja) 光散乱体の非破壊測定装置
JP3620798B2 (ja) 非破壊分光測定器
JP6230017B2 (ja) 発光ダイオードを用いた成分濃度分析装置
JP2008157809A (ja) レーザ出力制御装置および光学測定ユニット
KR101738164B1 (ko) 간섭 막두께계
JP2002116141A (ja) ハンディ型果実成分非破壊測定器
JP4325179B2 (ja) 非侵襲型生体成分の定量装置
TW201209412A (en) Apparatus and method for estimating bilirubin concentration using refractometry
US20150260644A1 (en) Foodstuff analysis device
JP5070387B2 (ja) 光散乱体の非破壊測定装置
KR20090109027A (ko) 다채널 과일 내부 품질 측정 방법 과 장치
JP2002350338A (ja) 血糖値計
JPH09182740A (ja) 生体の光学的測定装置
Soller et al. i, United States Patent (10) Patent No.: US 8873035 B2

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050310

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050322

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050719