JP2006078409A - 分光光度計及び分光方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光源の光量変動を補償し、良好なS/N比で高精度な分光測定を行なうことができる分光光度計及び分光方法を提供すること。
【解決手段】光を供給する光源101と、光源101からの光のうち、試料106aを透過または反射した光、または試料106aへ入射する光を分光する回折格子103と、試料106aを透過または反射し、かつ分光された光を受光する光検出器107と、光源101からの光のうち特定の波長λ1の光を透過または反射する干渉膜112と、干渉膜112を透過または反射した特定の波長λ1の光を受光する光検出器113と、光検出器107の検出結果と光検出器113の検出結果とに基づいて試料106aの分光特性を算出するCPU110とを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】光を供給する光源101と、光源101からの光のうち、試料106aを透過または反射した光、または試料106aへ入射する光を分光する回折格子103と、試料106aを透過または反射し、かつ分光された光を受光する光検出器107と、光源101からの光のうち特定の波長λ1の光を透過または反射する干渉膜112と、干渉膜112を透過または反射した特定の波長λ1の光を受光する光検出器113と、光検出器107の検出結果と光検出器113の検出結果とに基づいて試料106aの分光特性を算出するCPU110とを有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、分光光度計及び分光方法に関し、特に高精度の波長測定が可能な分光光度計に関するものである。
従来の分光光度計では、例えば、光源からの光を回折格子に入射させる。回折格子を回転させることで、光源からの光を分光する。分光された光は、試料セル内に配置された試料を透過する。光検出器は、試料を透過した光を検出する。一般に分光測定では、まず、基準となるリファレンス試料を測定する。そして、リファレンス試料の分光特性の測定結果を記憶しておく。以下、「分光特性」とは、試料の吸光度、透過率、反射率等の波長に応じた光学特性をいう。次に、測定対象となるサンプル試料を測定する。そして、リファレンス試料の測定結果に基づいて、サンプル試料の分光特性を算出する。ここで、リファレンス試料を測定したときの光量と、サンプル試料を測定したときの光量とを一致させることが必要となる。
一般に、分光光度計の光源として、重水素ランプやタングステンランプが用いられる。重水素ランプやタングステンランプの光量は、点灯時間の経過とともに減少する。このため、リファレンス試料の測定時の光量と、サンプル試料の測定時の光量とを略同一にするための構成が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に開示されている構成では、光源からの光をハーフミラーで2方向へ分割する。分割された一方の光は試料を測定する光学系へ導かれる。他方の光は、光量をモニタするためのモニタ光学系へ導かれる。また、予め、光源の点灯時間と相対放射強度との関係を測定しておく。図7は、光源の点灯時間T(横軸)と、相対放射強度I(縦軸)との関係を示す。ここで、測定開始時間Tsと測定終了時間Teとを決定する。そして、測定開始時間Tsの光強度と測定終了時間Teの光強度との平均値を測定期間中の光強度に設定する。図7において、設定された光強度を、測定時間における実線で示す。図7からも明らかなように、測定開始時間Tsでは、本来の光量よりも低い光量で光源を点灯駆動している。
光量は、光源の駆動電流または駆動電圧により制御できる。通常は、光源により定められている定格電流値で光源を駆動する。特許文献1の構成では、モニタ光学系からのモニタ結果を参照しながら、光量が一定となるように光源をフィードバック駆動している。
しかしながら、光源の光量の変化は、単調減少に限られず、環境温度等によりランダムに変化することもある。従来技術の構成では、光源の光量がランダムに変化したときは、光量を一定に維持することはできないので問題である。また、一般に光源の駆動電流を変化させることにより、光量を制御できる範囲は非常に限られている。これに対して、光源の点灯時間が長くなると、光量の変化量も大きくなる。このため、従来技術のような狭い範囲の光量制御では、光量を一定に維持することはできない。
さらに、従来技術では、光源の光量を一定に維持するために、上述のように測定開始時間Tsにおいて、本来の光量よりも低い光量で光源を点灯駆動している。光量が定格値よりも低い状態で分光測定を行なうと、得られる信号成分の強度が低くなってしまう。この結果、S/N比が低下するので問題である。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、光源の光量変動を補償し、良好なS/N比で高精度な分光測定を行なうことができる分光光度計及び分光方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、第1の発明によれば、光を供給する光源と、光源からの光のうち、試料を透過または反射した光、または試料へ入射する光を分光する分光部と、試料を透過または反射し、かつ分光された光を受光する第1の検出器と、光源からの光のうち特定の波長領域の光を透過または反射する干渉膜と、干渉膜を透過または反射した特定の波長領域の光を受光する第2の検出器と、第1の検出器の検出結果と第2の検出器の検出結果とに基づいて試料の分光特性を算出する算出部とを有することを特徴とする分光光度計を提供できる。
また、第2の本発明によれば、光を供給する光供給工程と、基準となるリファレンス試料を透過または反射した光、またはリファレンス試料へ入射する光を分光するリファレンス試料分光工程と、リファレンス試料を透過または反射し、かつ分光された光を受光するリファレンス試料検出工程と、リファレンス試料を介さずに特定の波長領域の光を受光するリファレンス特定波長検出工程と、供給される光の光量を第1の光量値から第2の光量値まで変化させながら、リファレンス試料検出工程とリファレンス特定波長検出工程とを行なう繰り返し工程と、特定の波長領域において光量が変化したときの、リファレンス試料検出工程の検出結果とリファレンス特定波長検出工程の検出結果との相関関係を算出する相関関係算出工程と、測定対象となるサンプル試料を透過または反射した光、またはサンプル試料へ入射する光を分光するサンプル試料分光工程と、サンプル試料を透過または反射し、かつ分光された光を受光するサンプル試料検出工程と、サンプル試料を介さずに特定の波長領域の光を受光するサンプル特定波長検出工程と、サンプル特定波長検出工程と相関関係算出工程の算出結果とに基づいて、リファレンス試料検出工程の測定結果を補正する補正工程と、補正されたリファレンス試料検出工程の測定結果に基づいてサンプル試料の分光特性を算出する分光特性算出工程とを有することを特徴とする分光方法を提供できる。
第1の発明では、まず、基準となるリファレンス試料を第1の検出器で分光測定する。同時に、干渉膜の透過または反射により、リファレンス試料の測定時における光源からの光のうち特定の波長領域の光を取り出す。第2の検出器は、リファレンス試料の測定時における特定の波長領域の光の光量を検出する。次に、基準となるサンプル試料を第1の検出器で分光測定する。同時に、サンプル試料の測定時における干渉膜の透過または反射により、光源からの光のうち特定の波長領域の光を取り出す。第2の検出器は、サンプル試料の測定時における特定の波長領域の光の光量を検出する。第2の検出器における、リファレンス試料の測定時における特定の波長領域の光の光量と、サンプル試料の測定時における特定の波長領域の光の光量とから、光源の光量の変化量を知ることができる。算出部は、光源の光量の変化量に基づいて、第1の検出器で得られたリファレンス試料の分光測定結果を補正する。さらに、算出部は、補正されたリファレンス試料の分光測定結果に基づいて、サンプル試料の分光特性を算出する。これにより、リファレンス試料を測定する時の光源の光量と、サンプル試料を測定する時の光源の光量とが光量変化により異なっているとき、変化の仕方に関わらず、常に、高精度にサンプル試料を分光測定できるという効果を奏する。また、第1の発明では、光量を予め定格値よりも低い状態にしておく必要がない。これにより、光量が大きい状態でリファレンス試料とサンプル試料とを測定できる。このため、良好なSN比で分光測定できるという効果を奏する。
また、第2の本発明によれば、まず、リファレンス試料検出工程において、基準となるリファレンス試料の分光測定を行なう。同時に、リファレンス特定波長検出工程において、光源からの光のうち特定の波長領域の光の光量を検出する。次に、繰り返し工程において、光量を第1の光量値から第2の光量値まで変化させる。そして、相関関係算出工程において、特定の波長領域の光の光量と、リファレンス試料試料の分光測定結果との相関関係が得られる。次に、サンプル試料検出工程において、測定対象となるサンプル試料を測定する。同時に、サンプル特定波長検出工程において、サンプル試料を測定する際、特定の波長領域における光の光量を測定する。これにより、リファレンス試料を測定する時の光量と、サンプル試料を測定する時の光量との変化量を知ることができる。補正工程において、光量の変化量に基づいてリファレンス試料の分光測定結果を補正する。そして、補正されたリファレンス試料の分光測定結果に基づいて、サンプル試料の分光特性を算出する。これにより、リファレンス試料を測定する時の光源の光量と、サンプル試料を測定する時の光源の光量とが光量変化により異なっているとき、変化の仕方に関わらず、常に、高精度にサンプル試料を分光測定できるという効果を奏する。また、第2の発明では、光量を予め定格値よりも低い状態にしておく必要がない。これにより、光量が大きい状態でリファレンス試料とサンプル試料とを測定できる。このため、良好なS/N比で分光測定できるという効果を奏する。
以下に、本発明に係る分光光度計及び分光方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、実施例1に係る分光光度計100の概略構成を示す。分光光度計100は、分光ユニット120と、受光ユニット130とを備えている。光源101は、所定の波長領域の光を放射する。光源101として、重水素ランプ、タングステンランプ等を用いることができる。まず、光源101から放射された光のうち、分光ユニット120へ入射する光について説明する。
コリメータレンズ102は、光源101からの光を略平行光に変換して射出する。略平行光は平面ミラーM1で光路を回折格子101の方向へ折り曲げられる。回折格子103は入射光を反射する。反射した光は、平面ミラーM2で試料セル105の方向へ折り曲げられる。なお、平面ミラーM1と回折格子103との間の光路中には入射スリット(不図示)が配置されている。回折格子103と平面ミラーM2との間の光路中には射出スリット(不図示)が配置されている。パルスモータ104は、回折格子103を回転駆動する。これにより、光源101からの光は分光され、試料セル105に入射する。平面ミラーM1、M2と、回折格子103と、パルスモータ104とで分光部を構成する。本実施例では、試料へ入射する前の光を回折格子103により分光している。これに対して、光源101からの光を先に試料セル105に導き、その後に分光する構成でも良い。このように、分光部は、光源101からの光のうち、試料を透過または反射した光、または試料へ入射する光を分光する。
試料セル105内には、後述するリファレンス試料またはサンプル試料(図1ではいずれも「試料106a」として示す)が配置されている。試料セル105を透過した光は光検出器107により検出される。光検出器107は第1の検出器に対応する。光検出器107は、入射光をアナログ信号へ光電変換する。光検出器107からの検出信号は、増幅器108とA/D変換器109とを介してCPU110に取り込まれる。増幅器108は、検出信号の強度を増幅する。A/D変換器109は、増幅された信号をデジタル信号へ変換する。デジタル信号はCPU110に出力される。このように、分光ユニット120は、回折格子103を含む分光部からA/D変換器109までに至る系で構成されている。CPU110と分光ユニット120との間は、例えばシリアル通信可能に構成されている。また、CPU110は、試料セル105内の試料の吸光度、透過率等の分光特性を算出する。分光特性の算出手順は後述する。さらに、CPU110は、I/Oインターフェース111を介してパルスモータ104の駆動を制御する。このように、CPU110は、算出部の機能と、制御機能と、通信機能とを兼用している。
次に、光源101からの光のうち、受光ユニット130に入射する光について説明する。受光ユニット130は、干渉膜112からA/D変換器115までの系で構成されている。干渉膜112は、光源101を中心としてコリメータレンズ102と対向する位置に配置されている。干渉膜112は、光源101からの光のうち特定の波長λ1の光のみを透過させるバンドパスフィルタ、例えば透過型の干渉フィルタである。なお、干渉膜112は、特定の波長領域の光を選択的に取り出すことができるような反射型で構成しても良い。波長λ1は、分光光度計100が測定可能な任意の波長である。
干渉膜112を用いる理由を説明する。まず、受光ユニット130内に干渉膜112を配置することで、後述する分光ユニット120の出力との相関関係を算出できる。つまり、干渉膜112を用いないときは、受光ユニット130の出力と分光ユニット120の出力との相関関係を算出できない。また、受光ユニット130内の光検出器113は、分光ユニット120が測定可能な波長領域と異なる波長領域にも受光感度を有している。このため、干渉膜112を用いることで、分光ユニット120が測定可能な波長領域の光を受光ユニット130で測定できる。この結果、分光ユニット120が測定可能な波長領域を外れた領域の光を受光ユニット130が受光することによるノイズを低減できる。さらに、例えば、光源101としてハロゲンランプを用いることもある。ハロゲンランプは、紫外の波長領域において光出力が変動し不安定である。干渉膜112を用いないと、受光ユニット130は、このような不安定な変動成分も受光してしまう。従って、干渉膜112を用いることで、変動成分を除去し、分光ユニット120の測定可能な波長領域の光を受光し、安定した測定結果を得ることができる。
干渉膜112を透過した波長λ1の光は、光検出器113により検出される。光検出器113は第2の検出器に対応する。光検出器113からの検出信号は、増幅器114とA/D変換器115とを介してCPU110に取り込まれる。増幅器114とA/D変換器115との機能は、それぞれ上述の増幅器108とA/D変換器109の機能と同一である。
次に、分光測定の手順について説明する。分光測定においては、基準となるリファレンス試料の分光特定に対して、測定対象となるサンプル試料の分光特性を算出する。リファレンス試料としては、例えばISO規格で定められている透過率0.1%のNDフィルタを用いることができる。リファレンス試料の分光特性は、1つのリファレンス試料に対して1つの分光特性データを記憶しておけば良い。即ち、異なるサンプル試料を測定するたびに、リファレンス試料も測定する必要はない。
図4は、リファレンス試料を測定する手順を示すフローチャートである。まず、試料セル105内に試料106aとしてリファレンス試料を配置する。ステップS401において、光供給工程で光源101の駆動電流値を初期値に設定する。初期値として、例えば、定格電流値×0.9、即ち定格電流値よりも10%小さい値とする。ステップS402において、分光ユニット120でリファレンス試料の分光特性を測定する。ステップS402は、リファレンス試料分光工程とリファレンス試料検出工程とに対応する。同時に、ステップS403において、受光ユニット130で波長λ1の光量を測定する。このとき、光検出器113はリファレンス試料を介さずに特定の波長λ1を受光する。ステップS403は、リファレンス特定波長検出工程に対応する。ステップS404において、分光ユニット120による測定結果と、受光ユニットによる測定結果とをメモリ(不図示)に格納する。ステップ405において、CPU110は、光量が定格値、即ち光源101の駆動電流が定格電流値であるか、否かを判断する。判断結果が偽(No)のときは、ステップS406に進む。ステップS406において、CPU110は、光源101の駆動電流値を所定ステップ量だけ増加させる。そして、上述したステップS402、S403、S404の工程を繰り返す。ステップS402、S403、S404、S405、S406が繰り返し工程に対応する。また、定格電流値×0.9が第1の光量値に、定格電流値が第2の光量値にそれぞれ対応する。ステップ405の判断結果が真(Yes)のとき、ステップS407に進む。
図2は、波長λ1における分光ユニット120の出力Vλと受光ユニット130の出力Vとの相関関係を示す。上述の手順によれば、任意の光量のときの、受光ユニット130の出力VBと、そのときの分光ユニット120との出力V2とが同時に得られる。また、さらに光量を増加したときの、受光ユニット130の出力VAと、そのときの分光ユニット120との出力V1とが同時に得られる。なお、光検出器107、113は、光電変換の入出力関係が線形な領域を使用する。分光ユニット120の出力Vλと受光ユニット130の出力Vとの相関関係が、線形のときは、両者の関係は次式(1)で表すことができる。ステップS407において、CPU110は、次式(1)を算出する。ステップS407は、相関関係算出工程に対応する。
Vλ=((V1−V2)/(VA−VB))×(V−VA)+V1 ・・・(1)
なお、光検出器の検出特性によっては、分光ユニット120の出力Vλと受光ユニット130の出力Vとの相関関係が、非線形となるときがある。このときは、光源101の光量を複数のステップ量で変化させる。次に、複数の出力V、Vλを取得する。そして、複数の出力V、Vλに基づいて非線形な近似式を算出すれば良い。そして、ステップS408において、算出された式(1)がメモリ(不図示)に格納される。また、受光ユニット130内の光検出器113に光を全く入射させないときの暗電流値も測定しておく。暗電流値はメモリ(不図示)に格納しておく。
次に、測定対象となるサンプル試料の測定手順について説明する。図5は、サンプル試料の測定手順を示すフローチャートである。試料セル105内の試料106aとしてリファレンス試料の代わりにサンプル試料を配置する。また、光源101は、S/N比を高くするため、できるだけ大きい電流値、例えば、定格電流値で点灯駆動する。ステップS501において、分光ユニット120によりサンプル試料を測定する。同時に、受光ユニット130により特定の波長λ1の光を測定する。ステップS501は、サンプル試料分光工程とサンプル試料検出工程とに対応する。また、ステップS502は、サンプル特定波長検出工程に対応する。
ステップS503において、分光ユニット120によるサンプル試料の測定結果と、受光ユニット130の測定結果とをメモリ(不図示)に格納する。受光ユニット130の測定結果により、サンプル試料を測定しているときの波長λ1の光の光量がわかる。そして、CPU110は、図2に示す式(1)を参照して、リファレンス試料の測定時の光量と、サンプル試料の測定時の光量との変化量(差分)を算出する。例えば、リファレンス試料を測定したときの受光ユニット130の出力VAと、サンプル試料を測定したときの受光ユニット130の出力VBとの差分が、光量の変化量に対応する。このとき、分光ユニット120側では出力V1から出力V2へ低下している。
そして、ステップS504において、CPU110は、式(1)に基づいてリファレンス試料の測定結果を補正する。ステップS504は、補正工程に対応する。図3の曲線Raは、光源101の光量が最大、即ち駆動電流が定格電流値のときのリファレンス試料の測定結果を示す。図3の横軸は波長、縦軸は分光ユニット120の出力をそれぞれ示す。曲線Raで示されるリファレンス試料の測定結果はメモリ(不図示)に格納されている。
上述のように、サンプル試料の測定において、光量の変化量は出力V1と出力V2との差分として得られている。CPU110は、波長λ1における出力の差分(V1−V2)に対応するように、曲線Raを曲線Rbへ補正する。本実施例では、式(1)は線形な直線式である。このため、差分(V1−V2)が、曲線Raと曲線Rbとの差分となるように補正すれば良い。このように、ステップS504では、リファレンス試料の分光測定結果を変化した光量に対応した値に補正できる。なお、リファレンス試料の測定時の光量(定格電流駆動)と、サンプル試料の測定時の光量(定格電流駆動)とが同一のときは、補正の必要はなく、曲線Raをそのまま用いることができる。
ステップS505において、CPU110は、次式(2)に基づいてサンプル試料の分光特性を算出する。ステップS505は、分光特性算出工程に対応する。
ABS(λ)=Log((Ref(λ)−Dak)/(Spl(λ)−Dak))
・・・・・(2)
ここで、Ref(λ)はリファレンス試料の補正された測定結果(図3の曲線Rb)、
Spl(λ)は、サンプル試料の測定結果、
Dakは、受光ユニット130内の光検出器113へ光を全く入射させないときの暗電流値、
ABS(λ)は、サンプル試料の分光特性、例えば濃度をそれぞれ示す。
ABS(λ)=Log((Ref(λ)−Dak)/(Spl(λ)−Dak))
・・・・・(2)
ここで、Ref(λ)はリファレンス試料の補正された測定結果(図3の曲線Rb)、
Spl(λ)は、サンプル試料の測定結果、
Dakは、受光ユニット130内の光検出器113へ光を全く入射させないときの暗電流値、
ABS(λ)は、サンプル試料の分光特性、例えば濃度をそれぞれ示す。
本実施例によれば、光源の光量変化がリファレンス試料の測定時と、サンプル試料の測定時とで生じたときでも、変化の仕方に関わらず、常に、高精度にサンプル試料を分光測定できるという効果を奏する。また、リファレンス試料やサンプル試料の測定時に、光量を予め定格値よりも低い状態にしておく必要がない。これにより、光量が大きい状態でリファレンス試料とサンプル試料とを測定できる。このため、良好なS/N比で分光測定できるという効果も奏する。以上説明したように、分光光度計100は、光源101の光量変動を補償し、良好なS/N比で高精度な分光測定を行なうことができる。
図6は、実施例2に係る分光光度計200の概略構成を示す。本実施例は、試料を反射型で測定する点、及びアレイ型の撮像デバイス、例えばCCDで一括して分光データを得る点が上記実施例1と異なる。上記実施例1と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
光源101からの光は、ハーフミラーHMにより試料106bの方向へ折り曲げられる。試料106bは試料ステージ205上に載置されている。試料106bとして、リファレンス試料やサンプル試料を用いる。試料で反射した光は、再度ハーフミラーHMに入射する。ハーフミラーHMを透過した光は、凹面ミラーM3に入射する。凹面ミラーM3は、入射光を略平行光に変換して反射する。反射された略平行光は回折格子103に入射する。回折格子103で分光された光は、CCD207に入射する。CCD207は第1の検出器に対応する。CCD207は、制御回路210により、データ取得のタイミング等が制御されている。CCD207は、多波長の検出信号を同時に光電変換する。CCD207からの検出信号は、増幅器108とA/D変換器109とを介してCPU110に取り込まれる。増幅器108は、検出信号の強度を増幅する。A/D変換器109は、増幅された信号をデジタル信号へ変換する。デジタル信号はCPU110に出力される。このように、分光ユニット220は、回折格子103を含む分光部からA/D変換器109までに至る系で構成されている。
本実施例では、反射型のサンプル試料の分光特性を測定できる。また、上記実施例1と異なり回折格子103を回転駆動することなく、一括して分光データを取り込むことができる。分光光度計220における分光測定手順は、上記実施例1で説明した手順と同一である。このため、本実施例では、リファレンス試料の分光測定結果を変化した光量に対応した値に補正できる。この結果、光源の光量変化が、リファレンス試料の測定時と、サンプル試料の測定時とで生じたときでも、変化の仕方に関わらず、常に、高精度にサンプル試料を分光測定できるという効果を奏する。また、光量を予め定格値よりも低い状態にしておく必要がない。これにより、光量が大きい状態でリファレンス試料とサンプル試料とを測定できる。このため、良好なSN比で分光測定できるという効果を奏する。以上説明したように、分光光度計200は、光源101の光量変動を補償し、良好なS/N比で高精度な分光測定を行なうことができる。
また、上記実施例1のような透過型の分光光度計において、本実施例で説明したCCDによる分光データを一括受光する構成とすることもできる。さらに、本実施例のような反射型の分光光度計において、上記実施例1で説明した回折格子を回転駆動する構成とすることもできる。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形例をとることができる。
以上のように、本発明に係る分光光度計は、高精度の波長測定が可能な分光光度計に有用である
100 分光高度計
101 光源
102 コリメータレンズ
103 回折格子
104 パルスモータ
105 試料セル
106a サンプル試料、リファレンス試料
107 光検出器
108 増幅器
109 A/D変換器
110 CPU
111 I/Oインターフェース
112 干渉膜
113 光検出器
114 増幅器
115 A/Dコンバータ
M1、M2 平面ミラー
200 分光器
207 CCD
210 制御回路
220 分光ユニット
M3 凹面ミラー
101 光源
102 コリメータレンズ
103 回折格子
104 パルスモータ
105 試料セル
106a サンプル試料、リファレンス試料
107 光検出器
108 増幅器
109 A/D変換器
110 CPU
111 I/Oインターフェース
112 干渉膜
113 光検出器
114 増幅器
115 A/Dコンバータ
M1、M2 平面ミラー
200 分光器
207 CCD
210 制御回路
220 分光ユニット
M3 凹面ミラー
Claims (2)
- 光を供給する光源と、
前記光源からの光のうち、試料を透過または反射した光、または前記試料へ入射する光を分光する分光部と、
前記試料を透過または反射し、かつ分光された光を受光する第1の検出器と、
前記光源からの光のうち特定の波長領域の光を透過または反射する干渉膜と、
前記干渉膜を透過または反射した前記特定の波長領域の光を受光する第2の検出器と、
前記第1の検出器の検出結果と前記第2の検出器の検出結果とに基づいて前記試料の分光特性を算出する算出部とを有することを特徴とする分光光度計。 - 光を供給する光供給工程と、
基準となるリファレンス試料を透過または反射した光、または前記リファレンス試料へ入射する光を分光するリファレンス試料分光工程と、
前記リファレンス試料を透過または反射し、かつ分光された光を受光するリファレンス試料検出工程と、
前記リファレンス試料を介さずに特定の波長領域の光を受光するリファレンス特定波長検出工程と、
前記供給される光の光量を第1の光量値から第2の光量値まで変化させながら、前記リファレンス試料検出工程と前記リファレンス特定波長検出工程とを行なう繰り返し工程と、
前記特定の波長領域において光量が変化したときの、前記リファレンス試料検出工程の検出結果と前記リファレンス特定波長検出工程の検出結果との相関関係を算出する相関関係算出工程と、
測定対象となるサンプル試料を透過または反射した光、または前記サンプル試料へ入射する光を分光するサンプル試料分光工程と、
前記サンプル試料を透過または反射し、かつ分光された光を受光するサンプル試料検出工程と、
前記サンプル試料を介さずに前記特定の波長領域の光を受光するサンプル特定波長検出工程と、
前記サンプル特定波長検出工程と前記相関関係算出工程の算出結果とに基づいて、前記リファレンス試料検出工程の測定結果を補正する補正工程と、
補正されたリファレンス試料検出工程の測定結果に基づいて前記サンプル試料の分光特性を算出する分光特性算出工程とを有することを特徴とする分光方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004264777A JP2006078409A (ja) | 2004-09-13 | 2004-09-13 | 分光光度計及び分光方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004264777A JP2006078409A (ja) | 2004-09-13 | 2004-09-13 | 分光光度計及び分光方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006078409A true JP2006078409A (ja) | 2006-03-23 |
Family
ID=36157993
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004264777A Withdrawn JP2006078409A (ja) | 2004-09-13 | 2004-09-13 | 分光光度計及び分光方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006078409A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010048640A (ja) * | 2008-08-21 | 2010-03-04 | National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology | 絶対分光放射計 |
JP2010249649A (ja) * | 2009-04-15 | 2010-11-04 | Olympus Corp | 測光装置および測光方法 |
JP2015105857A (ja) * | 2013-11-29 | 2015-06-08 | セイコーエプソン株式会社 | 分光測定装置及び分光測定方法 |
-
2004
- 2004-09-13 JP JP2004264777A patent/JP2006078409A/ja not_active Withdrawn
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JP2010249649A (ja) * | 2009-04-15 | 2010-11-04 | Olympus Corp | 測光装置および測光方法 |
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