JP2006194812A - 分光蛍光光度計 - Google Patents
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Abstract
【課題】 近赤外蛍光測定を行う分光蛍光光度計において波長校正を簡便に且つ低コストで行う。
【解決手段】 波長校正時には、駆動部26により励起分光器2の回折格子21での回折光が0次光となるように回転位置を設定し、駆動部35により入射光路上に試料セル3に替えてミラー34を位置させる。励起光源11であるキセノンランプは近赤外波長領域に複数の輝線スペクトルを有し、そのスペクトルが保存された光が蛍光分光器4の入口スリット44に入射する。そこで、蛍光分光器4の回折格子41を回動させて波長走査を行い、信号処理部7はそれに応じて検出器51で得られた検出信号に基づいて蛍光スペクトルを作成する。制御部6はその蛍光スペクトルに現れる輝線スペクトルの波長と本来の輝線スペクトルの既知の真の波長との差に基づいて、蛍光分光器4の波長を校正する。これにより、波長校正用の低電圧水銀灯も光電子増倍管も不要になる。
【選択図】 図1
【解決手段】 波長校正時には、駆動部26により励起分光器2の回折格子21での回折光が0次光となるように回転位置を設定し、駆動部35により入射光路上に試料セル3に替えてミラー34を位置させる。励起光源11であるキセノンランプは近赤外波長領域に複数の輝線スペクトルを有し、そのスペクトルが保存された光が蛍光分光器4の入口スリット44に入射する。そこで、蛍光分光器4の回折格子41を回動させて波長走査を行い、信号処理部7はそれに応じて検出器51で得られた検出信号に基づいて蛍光スペクトルを作成する。制御部6はその蛍光スペクトルに現れる輝線スペクトルの波長と本来の輝線スペクトルの既知の真の波長との差に基づいて、蛍光分光器4の波長を校正する。これにより、波長校正用の低電圧水銀灯も光電子増倍管も不要になる。
【選択図】 図1
Description
本発明は分光蛍光光度計に関し、更に詳しくは、励起光に対して試料から放出される近赤外波長領域の蛍光を分析する近赤外用の分光蛍光光度計に関する。
一般的な分光蛍光光度計の光学系の概略構成を図4に示す。即ち、励起光源11から放射された光を励起分光器2に導入し、所定波長の単色光である励起光を取り出して蛍光性の試料Sに照射する。これに応じて試料Sから放出された蛍光は蛍光分光器4に導入され、蛍光分光器4により、励起光の反射や散乱、ラマン散乱光などの不所望の波長を除去しつつ所定波長の蛍光のみを選択し検出器51に導入する。通常、励起分光器2で取り出される励起光の波長は試料Sから放出される蛍光の強度が最大になるように決められ、励起光の波長を固定した状態で蛍光分光器により波長走査を行い、その際に検出器51で得られる信号に基づいて蛍光スペクトルを作成する。
励起光源11としては、紫外波長領域から可視波長領域に亘って幅広い範囲で連続スペクトルを有するキセノンランプが一般に使用される。一方、検出器としては、上記のような波長領域で高い検出感度を有する光電子増倍管が使用されることが多い。また、蛍光スペクトルを作成するためには、蛍光分光器における波長分散素子である回折格子の回転角度と取り出される光の波長との対応関係を予め求めるべく波長校正を行う必要があるが、波長校正には波長が既知である輝線スペクトルが必要である。キセノンランプは紫外・可視波長領域に明確な輝線スペクトルを持たないため、波長校正にはそうした輝線スペクトルを持つ低圧放電水銀灯が光源として使用される。
従来、上記のような分光蛍光光度計による検出対象は紫外・可視領域の蛍光のみであったが、近年、カーボンナノチューブ等の特性を測定するのに近赤外蛍光分光法が有用であることが知られるようになってきており、近赤外波長領域の蛍光を測定可能な分光蛍光光度計が開発されている(例えば非特許文献1など参照)。従来検出器として使用されていいる光電子増倍管は近赤外波長領域における感度が殆どないため、近赤外光の検出には近赤外波長領域に高い感度を有する半導体光検出器(固体InGaAs検出器やPbS検出器など)が使用される。非特許文献1に記載の分光蛍光光度計では、紫外・可視波長領域から近赤外波長領域までの蛍光測定を行うために光電子増倍管と固体InGaAs検出器とを併設し、ミラーによって使用する検出器を選択できるようにしている。
半導体光検出器は紫外・可視波長領域に殆ど感度を持たないため、上記のように幅広い波長範囲の蛍光測定に対応するためには、検出器として光電子増倍管と併用する必要がある。これに対し、例えばカーボンナノチューブの構造解析等の特定の目的のために、紫外・可視波長領域の励起光を用いて近赤外波長領域の蛍光を測定するのであれば、光電子増倍管を備える必要はない。即ち、近赤外波長領域の蛍光測定に目的を特化した分光蛍光光度計(本明細書では、こうした分光蛍光光度計を近赤外分光蛍光光度計と呼ぶ)では、光電子増倍管を省くことによりコストダウンを図ることができる筈である。
ところが、上述したように半導体光検出器は紫外・可視波長領域に殆ど感度を持たず、逆に、波長校正用光源である低圧放電水銀灯は近赤外波長領域には波長校正に利用できるような輝線スペクトルを持たない。そのため、近赤外分光蛍光光度計では、蛍光測定自体には必要なくても波長校正を行うために紫外・可視波長領域に感度を有する光電子増倍管を備える必要があり、上記のようなコストダウンを阻む要因になっている。
「ホリバ・ジョバンイボン 近赤外蛍光分光測定装置」、[online]、株式会社堀場製作所、[平成17年1月14日検索]、インターネット<URL : http://www.jyhoriba.jp/product_j/spex/nir/index.htm>
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その主な目的は、近赤外波長領域の蛍光を測定するための近赤外分光蛍光光度計において正確な蛍光スペクトルを作成するための波長校正を簡便に、且つ本来の蛍光測定には不要な光学部品をできるだけ使用せずに行えるようにした分光蛍光光度計を提供することにある。
一般に励起光の波長は蛍光の波長よりも短く、近赤外波長領域の蛍光を測定する場合でも励起光は紫外・可視波長領域である。この波長領域では、励起光源として使用するキセノンランプの放射光は連続スペクトル光である。これに対し、通常の蛍光測定では使用しない波長領域ではあるが、キセノンランプでは近赤外領域(特に800〜1500nm程度)にはキセノン元素に由来する輝線スペクトルが多数存在する。そこで、本発明者は励起光源として使用するキセノンランプがもともと持っている、近赤外波長領域における複数の輝線スペクトルに着目し、この輝線スペクトルを蛍光分光器の波長校正に活用することに想到した。
即ち、上記課題を解決するために成された本発明に係る分光蛍光光度計は、キセノンランプである励起光源から放射された光を励起分光器により分光して単色光化し、その所定波長の励起光を試料に照射してそれに対して該試料から放出された蛍光を蛍光分光器に導入し、該蛍光分光器により分光された蛍光を近赤外波長領域に感度を有する検出器で検出する分光蛍光光度計において、
a)前記励起分光器に導入された励起光を分光することなく該励起分光器から出射させる励起側分光回避手段と、
b)前記励起分光器の出射口から前記試料までの励起光の光路上に介挿され又は該試料に替えて挿入され、前記励起分光器から出射された光の全て又は一部を前記蛍光分光器に導入する光束案内手段と、
c)前記励起側分光回避手段により分光されていない光が前記励起分光器から出射し、前記光束案内手段によりその光の全て又は一部が前記蛍光分光器に導入されている状態において、前記検出器で検出された信号と、前記励起光源による放射光中の近赤外波長領域に現れる輝線スペクトルの既知の波長情報とに基づいて、前記蛍光分光器の波長を校正する波長校正手段と、
を備えることを特徴としている。
a)前記励起分光器に導入された励起光を分光することなく該励起分光器から出射させる励起側分光回避手段と、
b)前記励起分光器の出射口から前記試料までの励起光の光路上に介挿され又は該試料に替えて挿入され、前記励起分光器から出射された光の全て又は一部を前記蛍光分光器に導入する光束案内手段と、
c)前記励起側分光回避手段により分光されていない光が前記励起分光器から出射し、前記光束案内手段によりその光の全て又は一部が前記蛍光分光器に導入されている状態において、前記検出器で検出された信号と、前記励起光源による放射光中の近赤外波長領域に現れる輝線スペクトルの既知の波長情報とに基づいて、前記蛍光分光器の波長を校正する波長校正手段と、
を備えることを特徴としている。
本発明に係る分光蛍光光度計において、励起側分光回避手段により分光されていない光を励起分光器から出射させ、光束案内手段によりその光の全て又は一部を蛍光分光器に導入するようにすると、励起光源からの放射スペクトルが殆ど保存されたままの光が蛍光分光器に導入される。この状態で波長校正手段は、例えば蛍光分光器に含まれる回折格子を少しずつ回動させることで検出器に入射する単色光化された蛍光の波長を走査し、蛍光スペクトルに対応する検出信号を取得する。或いは、検出器がフォトダイオードアレイ型検出器のように多数の波長の強度信号を同時に取得できるものである場合には、回折格子の回動操作は必要なく、単に検出器における各フォトダイオード素子の検出信号を取り込む。
検出器で検出された信号に基づいて作成される蛍光スペクトルにはキセノンランプが持つ輝線スペクトルが現れる筈であり、そのスペクトル上での輝線スペクトルのピーク波長と、輝線スペクトルに関する既知の波長情報(真の波長)との差が蛍光分光器に起因する波長ずれである。そこで、波長校正手段はこの差に基づいて、例えば波長ずれができるだけゼロに近くなるように波長校正を行う。これにより、蛍光測定に使用する励起光源を利用し、且つ検出器としては近赤外波長領域のみに感度を有する(つまり紫外・可視波長領域には感度を持たない)検出器を利用して蛍光分光器の波長校正を行うことができる。
本発明に係る分光蛍光光度計によれば、近赤外波長領域のみの蛍光測定を行う場合に、その蛍光測定のためにもともと設けられている近赤外光用の検出器(例えば半導体光検出器)及び励起光源であるキセノンランプを利用して正確な波長校正を達成することができる。したがって、波長校正のみを目的として、低圧水銀放電灯等の波長校正用光源や紫外・可視波長領域に高い感度を持つ光電子増倍管をわざわざ設ける必要がなく、装置の低コスト化及び小形化を図ることができる。
また本発明に係る分光蛍光光度計では、励起側分光回避手段の具体的な態様として各種のものが考えられるが、例えば励起分光器が波長分散素子としての回折格子と該回折格子を回動させて該回折格子に対する光の入射角を変化させる駆動手段とを含む構成である場合、励起側分光回避手段は、回折格子の回折光が0次光となるようにその角度を設定するべく駆動手段を制御する構成とすることができる。
即ち、回折格子の回折光が0次光となるような条件の下では分光は行われず、回折格子に入射した光がそのまま反射して出てゆく。したがって、この構成によれば、特に付加的な部品を用いることなく、適切な制御のみによって励起分光器での分光を回避することができる。もちろん、通常の蛍光測定の機能も何ら損なわれない。
また光束案内手段の具体的な態様も各種のものが考えられるが、例えば、励起分光器から到来する光を反射する反射鏡を試料に替えて挿入する構成とすることができる。
この構成によれば、試料に励起光を照射するための光路及び試料から放出された蛍光を分光分析するための光路を変更したり、それら光路の途中に別の光学部品を介挿したりする必要がないので、装置の構成が複雑にならずに済む。また特に、試料と上記反射鏡とを駆動源により自動的に入れ替え可能な構成としておくことにより、必要なときに簡単な操作で以て波長校正や波長精度の確認が可能となり、装置の操作性が高まる。
[実施例]
以下、本発明の一実施例である近赤外分光蛍光光度計について、図1〜図3を参照して説明する。図1は本実施例による近赤外分光蛍光光度計の光学系を中心とする要部の構成図である。
以下、本発明の一実施例である近赤外分光蛍光光度計について、図1〜図3を参照して説明する。図1は本実施例による近赤外分光蛍光光度計の光学系を中心とする要部の構成図である。
図1において、光源部1は励起光源11とミラー12とを含む。励起分光器2は、駆動部26により回動される回折格子21と、2つのミラー22、23と、入口スリット24と、出口スリット25とを含む。試料セル部3は駆動部35により軸32を中心に回転自在のホルダ31と、該ホルダ31の所定位置に固定された試料セル33と、同じくホルダ31の所定位置に固定された波長校正用ミラー34とを含む。蛍光分光器4は、駆動部46により回動される回折格子41と、2つのミラー42、43と、入口スリット44と、出口スリット45とを含む。検出部5は検出器51とミラー52とを含む。また、試料セル部3への入射光路上及び出射光路上にはそれぞれミラー36、37が設けられている。
検出器51による検出信号は信号処理部7に入力され、信号処理部7において所定の信号処理が施されることにより蛍光スペクトルが作成される。制御部6は信号処理部7や駆動部26、35、46等の動作を制御することで、後述するように所望の試料に対する蛍光分光測定を実行するとともに、こうした測定のための蛍光分光器4の波長校正動作を実行する。
励起光源11は高い放射強度を有するキセノン(Xe)ランプである。図3はこのキセノンランプの放射光のスペクトルの一例を示す図である。放射光のスペクトルは紫外波長領域から近赤外波長領域までの幅広い波長範囲(200nm〜2000nm)に亘る連続スペクトル(色温度:約6000K)となっている。また、キセノンランプはキセノンガスを封入した放電管であるから、連続スペクトル以外に、キセノン元素に由来する輝線スペクトルが近赤外波長範囲、特に800〜1500nmの波長範囲内に複数存在する。一方、検出器51は例えば固体InGaAs検出器であり、800〜1700nmの近赤外波長領域に感度を有する。
まず、制御部6による制御の下に、試料セル33に収容された試料Sの蛍光分光測定を行う場合の動作について説明する。このときには、図1に示すようにミラー36による入射光の光路上に試料セル33が位置するようにホルダ31の回転位置が決められる。
励起光源11から放射された光はミラー12で反射されて励起分光器2に送られる。励起分光器2では、入口スリット24で光域が制限された入射光がミラー22で反射されて回折格子21に入射し、回折格子21で波長分散された光はミラー23で反射されて出口スリット25に送られる。回折格子21は駆動部26により所定範囲で回動可能となっており、その回転角度に応じて出口スリット25を通過する単色光の波長が変化する。こうして励起分光器2から取り出された単色光である励起光はミラー36で反射されて、試料セル33内の試料Sに照射される。
この励起光に応じて試料Sから放出された蛍光はミラー37で反射されて蛍光分光器4に送られる。蛍光分光器4では励起分光器2と同様に、入口スリット44で光域が制限された入射光がミラー42で反射されて回折格子41に入射し、回折格子41で波長分散された光はミラー43で反射されて出口スリット45に送られる。回折格子41は駆動部46により所定範囲で回動可能となっており、その回転角度に応じて出口スリット45を通過する単色光の波長が変化する。こうして蛍光分光器4から取り出された単色光である蛍光はミラー52で反射されて検出器51に導入される。
試料Sの蛍光スペクトルを測定する際には、通常、励起分光器2において取り出される単色光(励起光)の波長は近赤外波長領域で試料Sから放出される蛍光強度が最も高くなるような波長に固定される。このように励起光の波長が固定された状態で、駆動部46により回折格子41を少しずつ回動させることで蛍光分光器4より取り出される単色光(蛍光)の波長を順次走査し、その各波長毎の蛍光強度信号を検出器51で取得する。信号処理部7がこうして取得した検出信号に基づいて蛍光スペクトルを作成するためには、回折格子41の回転位置(又はその回転駆動のための駆動部46への制御信号など)と波長との対応関係を予め確定しておく必要がある。そのために、本実施例の近赤外分光蛍光光度計では次のようにして蛍光分光器4の波長校正を実行する。
波長校正を行う際には、制御部6は駆動部26により、励起分光器2において回折格子21に対する光の入射角と出射角(反射角)とが等しくなる回転位置に来るように回折格子21を回動させる。また制御部6は駆動部35によりホルダ31を回動させ、ミラー36で反射して来た入射光の光路上に、試料セル33に替えて波長校正用ミラー34を位置させる。このときの光路を図2に示す。
励起分光器2では、回折格子21に対する入射光は回折格子21の格子面で鏡面反射し出口スリット25に到達する。回折格子の分光の原理より、上記入射及び出射条件の下では回折光は0次光となって全ての波長で直進するため分光は行われない。つまり、出口スリット25から取り出される光は単色光ではなく、分光されていない連続スペクトルを持つ光となる。したがって、図3に示したような励起光源11の放射スペクトルが殆どそのまま保存された光がミラー36で反射されて試料セル部3に向かって進行する。
図2に示すように試料セル部3に入射して来る光はホルダ31に取り付けられた波長校正用ミラー34でほぼ直角に反射されてミラー37に向かい、このミラー37で反射されて蛍光分光器4の入口スリット44に集光される。したがって、このときには励起光源11であるキセノンランプから放射された、図3に示した連続スペクトルを有する光がそのまま蛍光分光器4の入口スリット44に導入されることになる。この状態で、制御部6は駆動部46により蛍光分光器4の回折格子41を少しずつ回動させてゆき、出口スリット45から取り出される単色光の波長を所定の近赤外波長領域の範囲(例えば 検出器51が感度を有する800〜1700nmの範囲)で順次走査する。そして、この波長走査に応じた蛍光強度を検出器51で検出し、信号処理部7はその検出信号に基づいて近赤外波長領域での蛍光スペクトルを作成する。
上述したようにキセノンランプでは近赤外波長領域に現れる複数の輝線スペクトルの真の波長は既知であるから、制御部6は、各輝線スペクトルの真の波長と、上記測定によって得られた蛍光スペクトル上に現れている各輝線スペクトルの波長(実測波長)とのずれができるだけゼロになるように蛍光分光器4の波長を校正する。具体的には、例えば回折格子41の角度を変化させるために駆動部46に送出する制御信号(例えば駆動部46の駆動源がステップモータである場合には、該ステップモータに印加するパルスの数)を調整することにより蛍光分光器4の波長を校正し、信号処理部7で作成される蛍光スペクトルの波長軸を正確なものとすることができる。
[変形例]
上記実施例の構成では、試料セル33の代わりにミラー34を置くことで励起光源11から放射された連続スペクトルを有する光を蛍光分光器4の入口スリット44に導くようにしていたが、例えば試料セル部3に光を集光するミラー36の代わりに光を意図的に散乱させるテフロン(登録商標)ブロック等の光散乱素子を置いてもよい。この構成では、光散乱素子で散乱された光の一部が蛍光分光器4の入口スリット44に導入されるため、上記のようにミラー36、34、37で反射させた光を入口スリット44に導入する場合に比べて光量は下がる。しかしながら、こうした散乱光の利用でも必要十分な光量が得られる場合には、上述した波長校正用ミラーなどの光学素子を使用せずに済むのでコスト低減が可能となる。
上記実施例の構成では、試料セル33の代わりにミラー34を置くことで励起光源11から放射された連続スペクトルを有する光を蛍光分光器4の入口スリット44に導くようにしていたが、例えば試料セル部3に光を集光するミラー36の代わりに光を意図的に散乱させるテフロン(登録商標)ブロック等の光散乱素子を置いてもよい。この構成では、光散乱素子で散乱された光の一部が蛍光分光器4の入口スリット44に導入されるため、上記のようにミラー36、34、37で反射させた光を入口スリット44に導入する場合に比べて光量は下がる。しかしながら、こうした散乱光の利用でも必要十分な光量が得られる場合には、上述した波長校正用ミラーなどの光学素子を使用せずに済むのでコスト低減が可能となる。
また、上記実施例では蛍光分光器4において回折格子41を回動させることで波長走査を行っていたが、検出器51として多数のフォトダイオードを直線状に並べたアレイ型の近赤外検出器(近赤外フォトダイオードアレイ検出器)を使用し、出口スリット45を除去して回折格子41の位置を固定した状態で波長分散光を同時にアレイ型近赤外検出器に導入するようにしてもよい。この場合、波長校正は、アレイ型近赤外検出器の1個ずつのフォトダイオードの位置と波長との対応関係を調整することで達成できる。
また、上記実施例では、駆動部35の駆動力により本来の測定対象である試料セル33と波長校正用ミラー34とを入れ替える構成としていたが、ユーザーが手動で両者を切り替える構成としたり入れ替える構成としたりしてもよい。
また、上記実施例は本発明の一例であって、上記変形例以外についても、本発明の趣旨の範囲で適宜変更、修正、追加を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。
1…光源部
11…励起光源
12…ミラー
2…励起分光器
21…回折格子
22、23…ミラー
24…入口スリット
25…出口スリット
26…駆動部
3…試料セル部
31…ホルダ
32…軸
33…試料セル
34…波長校正用ミラー
35…駆動部
36、37…ミラー
4…蛍光分光器
41…回折格子
42、43…ミラー
44…入口スリット
45…出口スリット
46…駆動部
5…検出部
51…検出器
52…ミラー
6…制御部
7…信号処理部
S…試料
11…励起光源
12…ミラー
2…励起分光器
21…回折格子
22、23…ミラー
24…入口スリット
25…出口スリット
26…駆動部
3…試料セル部
31…ホルダ
32…軸
33…試料セル
34…波長校正用ミラー
35…駆動部
36、37…ミラー
4…蛍光分光器
41…回折格子
42、43…ミラー
44…入口スリット
45…出口スリット
46…駆動部
5…検出部
51…検出器
52…ミラー
6…制御部
7…信号処理部
S…試料
Claims (3)
- キセノンランプである励起光源から放射された光を励起分光器により分光して単色光化し、その所定波長の励起光を試料に照射してそれに対して該試料から放出された蛍光を蛍光分光器に導入し、該蛍光分光器により分光された蛍光を近赤外波長領域に感度を有する検出器で検出する分光蛍光光度計において、
a)前記励起分光器に導入された励起光を分光することなく該励起分光器から出射させる励起側分光回避手段と、
b)前記励起分光器の出射口から前記試料までの励起光の光路上に介挿され又は該試料に替えて挿入され、前記励起分光器から出射された光の全て又は一部を前記蛍光分光器に導入する光束案内手段と、
c)前記励起側分光回避手段により分光されていない光が前記励起分光器から出射し、前記光束案内手段によりその光の全て又は一部が前記蛍光分光器に導入されている状態において、前記検出器で検出された信号と、前記励起光源による放射光中の近赤外波長領域に現れる輝線スペクトルの既知の波長情報とに基づいて、前記蛍光分光器の波長を校正する波長校正手段と、
を備えることを特徴とする分光蛍光光度計。 - 前記励起分光器は、波長分散素子としての回折格子と、該回折格子を回動させて該回折格子に対する光の入射角を変化させる駆動手段と、を含み、前記励起側分光回避手段は、前記回折格子の回折光が0次光となるようにその角度を設定するべく前記駆動手段を制御するものであることを特徴とする請求項1に記載の分光蛍光光度計。
- 前記光束案内手段は、前記励起分光器から到来する光を反射する反射鏡を前記試料に替えて挿入するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の分光蛍光光度計。
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Cited By (8)
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