JP4660113B2 - ファイバブラッググレーティング物理量計測装置 - Google Patents

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本発明は、ファイバブラッググレーティング素子を用いて温度、機械的歪み等の物理量を計測するファイバブラッググレーティング物理量計測装置に関する。
ファイバブラッググレーティング(Fiber Bragg Grating 以下FBGと略す)素子は元来、光波長多重通信のキーコンポーネントとして開発されたものであるが、温度や歪み等の物理量に依存して変化する特定波長帯のFBG反射光を反射する性質があることから近年ではセンサとしての応用が盛んに行われ、種々のFBG素子を用いた光ファイバセンシングシステムが開発されている(例えば特許文献1参照)。
日本国内でも多くの特許出願がなされており、FBGセンサの構造や信号処理の方法、設置・敷設の方法などが数多く提案されている。
FBG素子は光センシングに共通の多くの利点を持つとともに、従来の光ファイバ分布センシングの課題であった測定・応答の遅さ、感度不足といったデメリットを克服できる技術として期待されている。
一般に、FBG物理量計測装置においては、波長多重と時間多重による多重化テクニックを用いて多数点監視システムを構築することが行われている。
ここで問題となるのが、測定時間と測定精度である。
このようなFBG物理量計測装置では、パルス光源を用いて、光ファイバ中に配置されたFBGセンサの位置により反射パルスが戻ってくるまでの時間差を使った時間多重識別技術、あるいは、FBGセンサの反射波長に重複しない波長を用いる波長多重識別技術を用いたものがある。
既存の装置では、全てのFBGセンサの測定を行うためには、波長と時間をパラメータとしてFGBセンサの数だけ測定手順を繰り返す必要があるため、FGBセンサの数が多くなればなるほど測定時間が長くなり、従来の光ファイバ分布センシング(例えばOTDR法)と同様に長い測定時間を必要とする結果となる。
特に、時間多重として、FBGセンサから戻ってくる反射パルス列中の1つの着目パルスだけを取り出して順次処理する方法の場合、装置構成が簡素になる反面、ほかのパルスの情報を捨てていることになり、測定時間やデータの利用効率という観点からは無駄が生じている。
また、パルス列情報を一括してデジタルデータに変換して処理する手法も考えられるが、データ処理量が多大なものとなりデータ転送速度に時間がかかるため、転送データ量を削減する必要があった。
測定精度に関しては、FBGセンサで温度以外の物理量を測定する場合、温度による反射波長の変化と測定対象とする物理量の影響を識別/分離するための各種手法が検討されている。
例えば、歪み計測用のFBGセンサでは、FBGセンサの温度変化を補償するため、それを打ち消すような温度特性をもった金属にFBGセンサを貼り付ける方式等が提案されているが、十分な適用性を得るには至っていない。
さらに、FBGセンサの反射パルスがフィルタを透過する光量の時間変化を使って振動を測定する方式では、温度が変化しても反射パルスの波長が変化するため、フィルタとの位置関係が変化し透過光量が変わるため、振動特性が変化したかのような誤った測定結果を与えてしまう可能性があった。
特開2002−352369号公報(第7頁−第11頁、図6参照)
ところで、従来のFBG物理量計測装置においては、パルス列の中で利用していないデータの存在や測定時間の課題についての具体的で、有効的な改良はなされていない。
また、振動測定時の温度補償についても具体的で、有効的な改良はなされていない。
そこで本発明は、FBGセンサを多点接続した条件でも測定時間が短く、また、振動測定時の温度変化の影響を補正し、測定精度の高いファイバブラッググレーティング物理量計測装置を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するために本発明のファイバブラッググレーティング物理量計測装置は、波長帯域に広がりのある光を発生する広帯域光源と、前記広帯域光源から所定の波長帯の帯域光を選択的に抽出する波長可変フィルタと、前記帯域光から光パルスを生成する光パルス化装置と、物理量計測対象に設けられた光ファイバを介して前記光パルス化装置に接続されたファイバブラッググレーティングセンサと、前記ファイバブラッググレーティングセンサで反射された反射光パルスを電気信号に変換し当該電気信号をA/D変換器によりデジタルデータに変換する光検出処理部と、前記デジタルデータを演算処理して物理量を算出する信号演算処理部を備え、時分割多重方式で多数点の物理量を計測するファイバブラッググレーティング物理量計測装置において、前記光検出処理部は前記反射光パルスを測定して得られた信号と、前記反射光パルスを測定して得られた信号を時間遅延させた信号とを減算処理し、さらに減算処理された前記信号を積分処理した信号のピーク値を求め、当該ピーク値をA/D変換器によりデジタルデータに変換し、前記信号演算処理部は前記ピーク値のデジタルデータから前記反射光パルスの中心波長を算出することを特徴とする。
本発明のファイバブラッググレーティング物理量計測装置によれば、FBGセンサを多点接続した条件でも測定時間が短く、また、振動測定時の温度変化の影響を補正し、測定精度の高い物理量の計測が行われる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、本発明の第1の実施の形態を図1乃至図4を参照して説明する。本実施の形態によるFBG物理量計測装置は、FBGセンサを照射する光を発生させる広帯域光源1、広帯域光源1から放出された光の波長をある特定の帯域に制限する波長可変フィルタ2、その波長帯域が制限された連続光をパルス光に変換する光パルス化装置3、図示しない物理量計測対象に設けられ、パルス化された光をFBGセンサ4に導く光ファイバ5、異なる位置に配置されたFBGセンサ4にパルス光を分岐させる光分岐器6、FBGセンサ4にパルス光の到達する時間を調整する遅延装置7、FBGセンサ4から戻ってくる反射パルス光を検出処理する光検出処理部8、検出した信号を処理する信号演算処理部9、各装置および処理部の制御を行う信号処理制御部10とから構成されている。
このように構成されたFBG物理量計測装置であると、パルス光は光ファイバ5を伝播し、光分岐器6を介して、例えば2つの幹線である分岐光ファイバ5A、5Bに送られる。
枝状に分岐した分岐光ファイバ5A、5BにはそれぞれFBGセンサ4が直列に接続されており、送り出されたパルス光は、光パルスの波長帯とFBGセンサ4の反射波長帯が合致する場合には反射される。
このとき、同一の分岐光ファイバに接続されたFBGセンサ4の反射波長をそれぞれ異なるものとすることにより、波長帯域が制限されたパルス光に対して各分岐光ファイバ5A、5Bに接続されたFBGセンサ4から反射して戻ってくるパルス数は最大でも1となるようにすることができる。
反射されたパルス光は同じ分岐光ファイバを通り、光分岐器6を介して光検出処理部8に送られ、ここで光信号から電気信号に変換される。
各分岐光ファイバ5A、5Bに接続されたFBGセンサ4で反射されたパルス光は、各分岐光ファイバに遅延装置7が挿入されているため、光検出処理部8に到達する時間がそれぞれ異なる。
信号処理制御部10は連続光をパルス光に変換するタイミングや、波長可変フィルタ2の波長走査、および光検出処理部8で行うデータ受信や転送のタイミングなどを制御する。
このようにして得られたデータは信号演算処理部9で演算処理され、所定の物理量情報が得られる。
次にこのようにして得られた信号の処理の仕方について説明する。
図2は第1の実施の形態における反射されたパルス光の処理装置の構成を示す図であり、図3は受信データの処理の概要を示したものである。
本実施の形態では、まずFBGセンサ4に入射したパルス光(図3(a))がFGBセンサ4に反射されてくる反射光パルス列(図3(b))を光検出器11で受け、光信号から電気信号に変換し(図3(c))、変換されたされたデータは、A/D変換器12を使ってデジタルデータに変換され(図3(f))、信号演算処理部9の演算回路13に転送され(図3(g))、演算処理される。
前記実施の形態では、FBGセンサ4の接続位置が予めわかっているので、それぞれのFBGセンサ4からパルス光が反射して戻ってくる時間が明確でかつ一定な値となっている。
そのため、光パルス化装置3へのトリガ信号(図3(d))を時間起点として各パルス光の反射時間に応じたゲート信号(図3(e))を容易に作成することができ、個々にパルス信号をA/D変換することができる。
ところで本実施の形態は、反射パルス光の中心波長を精度良く求めるために、例えば1000回程度の平均化処理を行っているが、処理速度を上げるためには計算機への転送データ量を極力少なくすることが必要である。
また、反射パルス光の中心波長算出方法として、波長可変フィルタの波長を反射パルス光中心波長近傍でスキャンした時の光検出器出力の波長依存性から反射パルス光中心波長を演算する方法を採用している。
しかし、本反射光パルス列は光検出器11の増幅段の都合で交流結合状態になっているため、必然的にベースラインがゼロレベルでなくなるので、精度良く中心波長を算出するにはベースラインの変動によらず、正確にパルス光を検出できる技術が必要となる。
反射光パルス列はFBGセンサ4の接続条件によって決まるので、常に同じ時間間隔でパルス列が得られる。
このため、図4に示すように、個々の光パルス信号をA/D変換した時にパルス位置に相当するデータのクロックとパルスのない位置に相当するデータのクロックも決まったものとなる。
演算回路13では、パルス位置とクロックの情報に基づいて、個々のパルスに対して、パルス部分に相当するデータの平均値(図中hで示す)、パルスのない部分に相当するデータの平均値(ベースライン)を算出するとともに、パルス部分の平均値からパルスのない部分の平均値の減算を行う。
このように、ベースラインの変動を補正したパルスの波高値(図中Hで示す)を求めているので、反射光パルス列の状態に依存せずに正しい測定を行うことができる。
また、波高値の複数の入射パルスに対する平均化処理も、上記演算を繰返し行うことにより容易に行うことができる。
本実施の形態では、これらの処理をPLD等を用いた演算回路13で実施し、平均化された波高値のみを計算機へ転送することにより、転送時間を短縮し、装置の処理速度を向上させることができる。
また、本実施の形態では、各反射パルスの間隔が短い場合を示しているが、例えば測定範囲が広く各分岐光ファイバに挿入される遅延装置7が長くなり、パルス間隔が長くなった場合でも、個々のパルスに対して時間ゲートを設け、パルス近傍のみのデータを処理するようにしているため、不要なデータの変換や処理に時間を費やす必要がなく、高速な処理が可能である。
以上のように本実施の形態によれば、全ての反射光パルス列データを取得するため、情報を捨てることがないのでデータの無駄がない。
また、物理量算出に必要なパルスの波高値をベースラインの変動に影響されることなく測定することができるので、測定時間の短縮と物理量測定精度が向上する。
次に、本発明の第2の実施の形態について図5を参照して説明する。
図5は本実施の形態における信号処理の流れを示したものであり、図3に示す第1の実施の形態における信号処理工程と同一の工程には同一の符号を付している。
本実施の形態では、1つの入射パルス光(図5(a))に対して、分岐光ファイバラインの接続数分の反射光パルスが戻ってくる(図5(b))。
この反射光パルス列は光検出器11で検出され電気信号に変換される(図5(c))。
次に、この電気信号は2つの出力の等しい信号に分割され、一方はある一定の時間遅れを持たせる(図5(h))。
これにより基の信号から時間遅延された信号を差し引いて(図5(i))、遅延時間をうまく調節すると図5に示すように差し引きした信号がゼロとなる時間ができる。
さらに、この信号を積分処理すると台形(あるいは三角形)となる(図5(j))。
この信号はピーク値検出回路を通すことにより容易にピーク値を求めることができる。
また、比較回路などにより積分信号の立下りを検知し、これをトリガとしてピーク値をA/D変換することができる(図5(f))。
この場合、A/D変換するのは各反射光パルスに対してピーク値1個であり、AD変換データを削減することができる。
以上のように本実施の形態によれば、反射光パルスを捨てることなく処理し、かつA/D変換するデータ数を削減することができるので、測定時間の短縮を図ることができる。
次に、本発明の第3の実施の形態について図6および図7を参照して説明する。
なお、以下の実施の形態の説明において図1、図2に示す第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図6は本実施の形態における光検出処理部8と信号処理制御部10の関連部分を示したものである。
反射光パルスは1つの光検出器11で検出され、光信号から電気信号に変換される。
電気信号に変換された光検出器11の出力は、ゲート信号発生部14で作られるゲートタイミングに従ってスイッチ15を切り替え、積分器16aと積分器16bに分けて取り込まれる。
さらに、積分器16aと積分器16bとで積算された信号は1つのA/D変換器12に送られ、順次デジタルデータに変換される。
図7は上述したデータの処理の流れを示したものであり、図3に示す第1の実施の形態における信号処理工程と同一の工程には同一の符号を付している。
光パルス化装置3では、ある一定の周期で広帯域光源1から放出された連続光をパルス光に変換しているが、その周期は枝上に分岐した分岐光ファイバ5A、5B上に配置されたFBGセンサ4の反射光パルス全てが戻ってくる時間よりも長くなるように設定されている。
本実施の形態では、1つの入射パルス光(図7(a))に対して、分岐光ファイバの接続数分の反射光パルスが戻ってくる(図7(b))。
反射光パルス列は光検出器11で電気信号に変換・増幅される(図7(c))。
一方の積分器16aは信号処理制御部10のゲート信号発生部14で作成されるトリガ信号a(図7(d))により設定される時間ゲートにより(図7(k))、光検出器11で変換・増幅された電気信号の中からある特定の反射パルスに対する信号のみを積算する(図7(l))。
同様に他方の積分器16bにおいてもゲート信号発生部14で作成されるトリガ信号b(図7(m))により設定される時間ゲートにより(図7(n))、光検出器11で変換・増幅された電気信号の中からある特定の反射パルスに対する信号のみを積算する(図7(o))。
実施例では、2つの積分器16aと16bを用いて反射光パルス列の信号を交互に取り込んでいる。
また、2つの積分器16aと16bで積算された信号は、信号処理制御部10からのA/D変換タイミング信号(図示せず)に従って、電気信号をA/D変換する(図7(f))。
図6では積分器が2つ、A/D変換器12が1つの場合について述べたが、図8に示すように例えば積分器が4つ、A/D変換器12が4つという組み合わせでも良く、これらはA/D変換器の処理速度やパルスの間隔に合わせて最適になるように設計すれば良い。
また、分岐光ファイバの本数が積分器の数で割り切れないとき等には、上述のように順次積分器を切り替えた場合に、送出されるパルスに対するある特定の反射光パルスを処理する積分器と次に送出されるパルスに対して動作する積分器が異なる場合がおこる。
実施例に示した構成の光ファイバ測定装置では、温度など静的な物理量を測定する際に、反射光パルスを複数回平均化するとともに、波長可変フィルタの波長を走査して、反射光パルスの中心波長を求めるという手順をとるため、反射光パルスの平均化において積分器の特性の違いが測定誤差となり精度の良い測定が行えなくなる。
このため、本実施の形態では、信号処理制御部が同じFBGセンサ4からの反射光パルスは同じ積分器が処理するように信号処理制御部10が制御信号を送信する機能を有する。
以上のように本実施の形態によれば、送出するパルス光に対して反射して戻ってくる反射光パルス列の信号を捨て去ることなく全て処理し、物理量算出に使用することができるので、測定時間の短縮化を図ることができる。
次に、本発明の第4の実施の形態について図9を参照して説明する。
図9は波長の検出処理に関する装置の構成を示す図で、赤外線領域の波長を持つFBGセンサ4からの反射光は分光装置17で分光された後に、波長変換装置18で光検出器アレイ19の感度の高い波長帯に反射光の波長帯域を変換する。
そして、検出器アレイ19で検出された光は信号演算処理部9で補正を行った後で物理量算出が行われる。
ここで、波長変換装置18はFBGセンサの使用波長帯域(例えば、CバンドおよびLバンド)の光を可視光の帯域に変換する蛍光体を用いる。
FBGセンサは、例えば温度に対する感度が0.01nm/℃程度であるので、精度良く測定するために高い波長分解能が要求されるため、素子数の多いアレイが実現されている可視光帯域の方が有利なためである。
しかしながら、従来のこのタイプの波長計では波長変換素子の変換効率の波長依存性が考慮されていないため、高精度に波長を算出することは難しかった。
FBGセンサの反射光波長は、反射光波形の重心位置から中心波長を求める方法などが用いられているが、波長により変換効率が異なると反射光波形が歪むため、中心波長を正しく演算することができなくなってしまう恐れがある。
本実施の形態では、信号演算処理部9に予めこの変換効率の波長依存性を記憶保持しておき、可視光の光検出器アレイから得られた分布を補正してFBGセンサの波長中心を演算するようにしているので、元々の光の波長分布を精度良く算出することができる。
次に、本発明の第5の実施の形態について図10乃至図12を参照して説明する。
図10に示すように、本実施の形態では、FBGセンサ4を複数の分岐光ファイバ5A、5Bに接続する。このとき同じ分岐光ファイバに接続されたFBGセンサ4の反射波長はそれぞれ異なる値を持つようにする。
また、FBGセンサ4に入射させる光は、各分岐光ファイバ5A、5Bから戻ってくるFBGセンサ4の反射光パルスをその到達時間で識別可能とするために、光パルス化装置3を使って連続光をパルス光にする。
光源は複数のFBGセンサ4の反射光波長をカバーするように広帯域光源1を用いる。
図11に本実施の形態における光検出処理に関する装置の構成を示す。FBGセンサ4から反射された赤外線領域の波長を持つ反射光パルス列は、光検出処理部8にある分光装置17に入射する。
反射光パルス列はその波長に応じて分光されるため異なる波長をもった光は検出器アレイ19の異なる素子に到達する。
本実施の形態では光をパルス化しているため、分岐光ファイバの長さを分岐間隔の長さよりも短くしておくと、ある分岐光ファイバに接続されたFBGセンサ4からの反射光パルスと異なる分岐光ファイバに接続されたFBGセンサからの反射光パルスを時間的に識別することができる。
そのため、信号処理制御部10により図12に示すように、光検出器アレイ19のデータ読出しタイミング(図12(p))を制御すれば、各分岐光ファイバ5A、5Bに接続されたFBGセンサ4からの反射光パルスの情報を順次取得することができる。
ここで、入射光パルスの周期を最後尾に接続されたFBGセンサ4からの反射光パルスが戻ってくる時間よりも長くなるようにしておくと、1つの検出器アレイ19で全てのFBGセンサ4を識別することが可能となる。
なお、図11では光検出器アレイ19として、反射光パルスと同じ帯域に感度の高い素子からなるものとしているため、波長変換装置を記載していないが、前記第4の実施の形態で示したように、波長変換装置を使い波長帯を可視光帯域にしてCCDなどの可視光に感度の高い検出素子を用いた検出器アレイ19を用いるようにしても良い。
以上のように本実施の形態によれば、パルス化した光と検出器アレイ19を用いることにより多数のFBGセンサ4を用いて物理量を短時間で測定することができる。
次に、本発明の第6の実施の形態について図13を参照して説明する。
公知技術で示されているように、本願のタイプのFBG物理量計測装置は、温度や歪みのような静的な物理量だけでなく、振動といった動的な物理量も測定できる。
一方、FBGセンサの反射光パルスの波長は温度によっても変化することは周知のとおりである。このため、振動のように温度以外の物理量を測定するFBGセンサ4では温度変化が反射波長に影響を与えるため、何らかの補正を行い測定精度を向上させることが必要である。
本実施の形態では、振動測定用のFBGセンサの補正方法について図13を参照して説明する。
FBGセンサ4の時間的変動を測定する場合、図13(a)に示すように波長可変フィルタ2の波長を予めFBGセンサ4の反射波長が波長可変フィルタ2のスロープ部分にかかるような位置Lに設定しておく。
するとFBGセンサ4の反射光波長が振動により長波長側、あるいは短波長側に動くと、波長可変フィルタ2を透過する光量が図13(b)に示すように反射光波長Wの動きに合わせて変化する。
この透過光量を光検出器11で変換した電気信号についてFFT等の周波数解析を行えば、FBGセンサ4の振動状態を測定することができる。
しかし、FBGセンサ4は温度変化によっても反射光波長が変化するので、温度の上昇や下降にともない、図13に示したように波長可変フィルタ2との位置関係が変化する(図13(b))。
本実施の形態では予め、FBGセンサ4と波長可変フィルタ2の初期の位置関係、すなわち光検出器出力の中心値とその振幅を信号演算処理部9に記憶しておき、その中心値をモニタしておくことにより振動状態が変化したのか、あるいは温度が変化したのかの判定を行うことができる。
さらに、波長可変フィルタ2との位置関係がずれた場合には、予め信号演算処理部9に記憶させておいた補正係数を用いて補正を行い、振動状態を補正し、正確な測定値を算出するようにする。
補正係数は、例えば、FBGセンサの波長中心位置と振幅の関係を関数化、あるいはテーブルとして記憶しておき、測定された光量の中心値と振幅を、記憶された関係を用いて補正すれば良い。
さらに、FBGセンサの温度と波長の関係を予め信号演算処理部9に記憶しておけば、振幅中心値の変化から振動センサの温度を知ることもできる。
以上のように本実施の形態によれば、FBGセンサの温度変化による中心波長変化を補正することができる補正装置を設けたのでので、振動といった動的な物理量の測定においても高精度な測定ができる。
次に、本発明の第7の実施の形態について図13を参照して説明する。
前記実施の形態においては、FBGセンサの出力をソフト的に補正したが、FBGセンサから得られた検出器信号の中心値を使って、波長可変フィルタの波長を変更するようにしても良い。
図13(a)に示すような位置にFBGセンサの波長と波長可変フィルタ2の波長位置が初期設定されていた場合、例えば、FBGセンサの温度が上昇すると、FBGセンサの反射波長は長波長側に動くので、図13(b)に示したような関係となる。
これを予め記憶しておいたFBGセンサの波長中心と波長可変フィルタを透過する光量の中心値との関係を用いて、図13(a)の相対位置関係になるように、波長可変フィルタ2の波長値の設定を変更し、再度測定を行い、それを正しい値として採用する。
また、温度が低下した場合には、図13(c)のようにFBGセンサの波長が低波長側に動くが、同様にして、波長可変フィルタ2の波長を再設定したあとで測定を行えば良い。
波長可変フィルタ2の波長を上記のように再設定して測定を行えば、測定精度を向上させることができる。
本実施の形態では、予め光量の中心値の変化に閾値を設けておき、変化量がこの閾値を超える場合にのみ実際に波長可変フィルタ2の波長値の再設定を行うようにする。
また、再設定が必要なFBGセンサが複数ある場合には、波長可変フィルタ2の再設定する必要のある波長値が昇順あるいは降順の一方向の調整で可能となるように行うものとする。
これにより、波長値の再設定動作が必要最小限ですむため、フィルタ波長の移動時間を短縮することができる。
以上のように本実施の形態によれば、FBGセンサの温度が変化した場合にも、その影響を補正する補正装置を設けたので、振動といった動的な物理量の測定においても精度の良い測定が行える。
本発明の第1の実施の形態を示すブロック図。 本発明の第1の実施の形態におけるパルス光の処理装置を示すブロック図。 本発明の第1の実施の形態における受信データの処理の概要を示す説明図。 本発明の第1の実施の形態におけるデジタル化された反射光パルス列信号を示す説明図。 本発明の第2の実施の形態における信号検出方法を示す説明図。 本発明の第3の実施の形態における光検出処理部と信号処理制御部との関連部分を示すブロック図。 本発明の第3の実施の形態におけるデータ処理の流れを示す説明図。 本発明の第3の実施の形態における積分器が4つの場合の光検出処理部と信号処理制御部との関連部分を示すブロック図。 本発明の第4の実施の形態における検出器アレイを用いて測定する場合のブロック図。 本発明の第4の実施の形態における検出器アレイを用いて測定する場合の装置構成を示すブロック図。 本発明の第4の実施の形態における光検出処理に関する装置の構成を示すブロック図。 本発明の第4の実施の形態におけるデータ処理の流れを示す説明図。図 本発明の第6および7の実施の形態におけ振動センサの補正を示す説明図。
符号の説明
1…広帯域光源、2…波長可変フィルタ、3…光パルス化装置、4…FBGセンサ、5…光ファイバ、5A、5B…分岐光ファイバ、6…光分岐器、7…遅延装置、8…光検出処理部、9…信号演算処理部、10…信号処理制御部、11…光検出器、12…A/D変換器、13…演算回路、14…ゲート信号発生部、16a、16b…積分器、17…分光装置、18…波長変換装置、19…検出器アレイ。

Claims (1)

  1. 波長帯域に広がりのある光を発生する広帯域光源と、前記広帯域光源から所定の波長帯の帯域光を選択的に抽出する波長可変フィルタと、前記帯域光から光パルスを生成する光パルス化装置と、物理量計測対象に設けられた光ファイバを介して前記光パルス化装置に接続されたファイバブラッググレーティングセンサと、前記ファイバブラッググレーティングセンサで反射された反射光パルスを電気信号に変換し当該電気信号をA/D変換器によりデジタルデータに変換する光検出処理部と、前記デジタルデータを演算処理して物理量を算出する信号演算処理部を備え、時分割多重方式で多数点の物理量を計測するファイバブラッググレーティング物理量計測装置において、
    前記光検出処理部は前記反射光パルスを測定して得られた信号と、前記反射光パルスを測定して得られた信号を時間遅延させた信号とを減算処理し、さらに減算処理された前記信号を積分処理した信号のピーク値を求め、当該ピーク値をA/D変換器によりデジタルデータに変換し、
    前記信号演算処理部は前記ピーク値のデジタルデータから前記反射光パルスの中心波長を算出することを特徴とするファイバブラッググレーティング物理量計測装置。
JP2004131528A 2004-04-27 2004-04-27 ファイバブラッググレーティング物理量計測装置 Expired - Fee Related JP4660113B2 (ja)

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