JP2007205783A - 反射スペクトラム測定システム - Google Patents

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Makoto Komiyama
誠 小宮山
Katsumi Hirata
克己 平田
Haruyoshi Uchiyama
晴義 内山
Yoshiyuki Sakairi
良幸 坂入
Kodai Murayama
広大 村山
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Abstract

【課題】FBGセンサの作成時の波長誤差、使用時の波長変動幅などの影響を受けることなく、多数のFBGセンサを設置して測定することが可能な反射スペクトラム測定システムを実現する。
【解決手段】反射波長が異なる複数のファイバブラッググレーティングセンサの集合を一つの群として、各群が光ファイバを介して所定の距離を離した状態で複数配置されたFBG群151,152,153と、前記複数のFBG群に対して前記光ファイバを介してパルス状の広帯域光を与える光源部110,120と、前記複数のFBG群からの反射光について、各群毎に分光して光電変換し波長測定の演算を行う演算部160と、を有することを特徴とする反射スペクトラム測定システムである。
【選択図】図1

Description

本発明は、本発明はファイバブラッググレーティング(FBG)センサからの反射光を測定する反射スペクトラム測定システムに関し、特に、多数のFBGセンサを配置することが可能な反射スペクトラム測定システムに関する。
光ファイバは、光通信分やのみならずセンシング分野でも広く利用されている。これは、光ファイバが持つ無誘導性、防爆性、耐腐食性などの実用上の利点による。近年、悪環境下での温度,歪み,圧力センサとして光ファイバブラッググレーティング(FBG)が注目され、さまざまな分野へ適用され、フィールドテストや実用化へと展開されてきている。
FBGセンサは、歪みや温度の変化をスペクトラムの変化、すなわちブラッグ波長の変化としてとらえるものである。1μストレインの歪みあるいは0.1°Cの温度変化によるブラッグ波長の変化は約1pmであり、これを検出するためには分解能1pmの検出器が要求される。また、波長検出手段として、これまでは光スペクトラムアナライザ、あるいは、ファブリ・ペロー型の可変波長フィルタが用いられてきた。
なお、ポリクロメータ型分光器を適用し、FBGセンサからのブラッグ波長を高速高分解能で測定することも提案されている。
図5はポリクロメータ型分光器を適用した反射スペクトラム測定システムの構成を示すブロック図である。
この図5において、広帯域光あるいはASE光を発生する広帯域光源110の出力はサーキュレータ130の入力ポートに接続されている。そして、サーキュレータ130の入出力ポートには、幹線となる光ファイバ140の一端が接続されている。この光ファイバ140の他端には、第1番目のFBGセンサ150_1〜第n番目のFBGセンサ150_nまでが直列に接続されている。
また、サーキュレータ130の出力ポートには、FBGセンサモニタ160が接続されている。このFBGセンサモニタ160には、FBGセンサからの反射光を分光するポリクロメータ型の分光器161と、分光された光を光電変換するフォトダイオードアレイ(PDA)162と、PDA162の出力を演算して反射スペクトラム測定を行う演算部163が設けられている。
また、ここで、FBGセンサ150の構造は図6のようになっている。すなわち、FBGセンサ150では、光ファイバのコア部150aに波長オーダー(ピッチΛ)の周期的な屈折率変動を与えたファイバ型光デバイスであり、特定の波長(ブラッグ波長λB)のみを選択的に反射させるものである。ここで、FBGセンサ150を構成する光ファイバの屈折率をnとすれば、ブラッグ波長λBは次の式で表せる。
λB=2nΛ …(1),
また、FBGセンサ150が歪みε、温度変化ΔTを受けたときのブラッグ波長λBの変化分ΔλBは次の式(2)で表せる。
Figure 2007205783
また、FBGセンサ150では、1本の光ファイバにピッチの異なる複数のグレーティングを形成することにより、多チャンネルの複合的なセンサシステムを構築できることを特徴としている。
また、ポリクロメータ型の分光器は図7のような構成になっている。ここで、光ファイバから出射された光はレンズ161aで平行光にされ、回折格子161bで分光され、さらにレンズ161cとミラー161dとでフォトダイオードアレイ162に焦点を結ぶ。ここで、フォトダイオードアレイ162は、たとえば、20μmピッチ・640素子程度のアレイ型の光電変換素子を備えて構成されている。なお、このようにアレイ型受光素子のフォトダイオードアレイ162を用いることで、機械的可動部が無く、高速動作が可能になる反面、測定可能な波長範囲と各素子あたりの波長分解能はトレードオフの関係になる。
このような反射スペクトラム測定システムでは、広帯域光源110からサーキュレータ130を介してFBGセンサ150_1〜150_nへ広帯域光を入射させ、各FBGセンサ150_1〜150_nの反射波長をFBGセンサモニタ160により計測するようになっている。
なお、このように測定を行う反射スペクトラム測定システムについては、以下の特許文献1、特許文献2、非特許文献1などに関連技術が記載されている。
特開2003−207415号公報 特開2004−150798号公報 「FBGセンサ用モニタの開発」(小宮山誠,田中奈緒,三瓶義広)ANDO技報/Jan.2004
ところで、図5のように複数のFBGセンサ150を縦続接続して測定を行う反射スペクトラム測定システムにおいて、FBGセンサモニタ160の測定可能波長範囲が40nmであるとすると、1nm毎に反射波長が異なるFBGセンサ150を用意すれば、40個のFBGセンサ150を接続して測定が可能になる計算になる。
しかし、実際には、FBGセンサ150の作成時の波長誤差、使用時の波長変動幅などの影響により、反射波長は最短でも2〜3nm毎の間隔となるため、測定可能波長範囲が40nmであるとすると設置可能なFBGセンサ150数は十数個となる問題がある。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであって、ポリクロメータ型分光器を用いた場合においてFBGセンサの作成時の波長誤差、使用時の波長変動幅などの影響を受けることなく、多数のFBGセンサを設置して測定することが可能な反射スペクトラム測定システムを実現することを目的とする。
以上の課題を解決する本発明は、以下に記載するようなものである。
(1)請求項1記載の発明は、反射波長が異なる複数のファイバブラッググレーティングセンサの集合を一つの群として、各群が光ファイバを介して所定の距離を離した状態で複数配置されたFBG群と、前記複数のFBG群に対して前記光ファイバを介してパルス状の広帯域光を与える光源部と、前記複数のFBG群からの反射光について、各群毎に分光して光電変換し波長測定の演算を行う演算部と、を有することを特徴とする反射スペクトラム測定システムである。
(2)請求項2記載の発明は、前記分光をポリクロメータ型分光器で行う、ことを特徴とする請求項1記載の反射スペクトラム測定システムである。
(3)請求項3記載の発明は、前記演算部は、各FBG群毎に反射光が戻るタイミングとして重なる時間に、反射光を分光して光電変換し波長測定の演算を行う、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の反射スペクトラム測定システムである。
(4)請求項4記載の発明は、各FBG群毎に反射光を取得し演算を行うタイミングが重なることがないように、各FBG群の全長と、各FBG群同士の間隔とが定められている、ことを特徴とする請求項3記載の反射スペクトラム測定システムである。
(5)請求項5記載の発明は、各FBG群は所定の距離を離した状態で、直列あるいは並列に接続されている、ことを特徴とする請求項4記載の反射スペクトラム測定システムである。
(6)請求項6記載の発明は、前記光電変換のために、前記分光された反射光を複数の光電変換部で受光するフォトダイオードアレイを備え、前記光源部は、前記パルス状の広帯域光を複数回発生し、前記演算部は、前記複数回のパルス状の広帯域光に応じて、前記複数の光電変換部で光電変換された異なる波長の反射光について、所定の単位毎に繰り返し測定を行う、ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の反射スペクトラム測定システムである。
以上の発明では、以下のような効果が得られる。
(1)請求項1記載の発明では、反射波長が異なる複数のファイバブラッググレーティング(FBG)センサの集合であるFBG群を各群が光ファイバを介して所定の距離を離した状態で複数群を配置しておいて、複数のFBG群に対して光ファイバを介してパルス状の広帯域光を与え、複数のFBG群からの反射光について各群毎に分光して光電変換し波長測定の演算を行う。
この場合、FBGセンサの作成時の波長誤差や使用時の波長変動幅などが存在している場合、1つのFBG群内ではFBGセンサの個数が制限されることになるが、所定の距離を離した状態の複数のFBG群の全体としては所望の個数のFBGセンサを設置して測定することが可能になる。
(2)請求項2記載の発明では、分光をポリクロメータ型分光器で行う場合にも、1つのFBG群内ではFBGセンサの個数が制限されることになるが、所定の距離を離した状態の複数のFBG群の全体としては所望の個数のFBGセンサを設置して測定することが可能になる。
(3)請求項3記載の発明では、各FBG群毎に反射光が戻るタイミングとして重なる時間に、反射光を分光して光電変換し波長測定の演算を行うようにしているため、FBGセンサの作成時の波長誤差や使用時の波長変動幅などが存在している場合でも、所定の距離を離した状態の複数のFBG群の全体としては所望の個数のFBGセンサを設置して測定することが可能になる。
(4)請求項4記載の発明では、各FBG群毎に反射光が戻るタイミングとして重なる時間に、反射光を分光して光電変換し波長測定の演算を行うようにしており、各FBG群毎に反射光を取得し演算を行うタイミングが重なることがないように、各FBG群の全長と、各FBG群同士の間隔とが定められているため、FBGセンサの作成時の波長誤差や使用時の波長変動幅などが存在している場合でも、所定の距離を離した状態の複数のFBG群の全体としては所望の個数のFBGセンサを設置して測定することが可能になる。
(5)請求項5記載の発明は、各FBG群は所定の距離を離した状態で、直列あるいは並列に接続されており、各FBG群毎に反射光が戻るタイミングとして重なる時間に、反射光を分光して光電変換し波長測定の演算を行うようにしており、各FBG群毎に反射光を取得し演算を行うタイミングが重なることがないように、各FBG群の全長と、各FBG群同士の間隔とが定められているため、FBGセンサの作成時の波長誤差や使用時の波長変動幅などが存在している場合でも、所定の距離を離した状態の複数のFBG群の全体としては所望の個数のFBGセンサを設置して測定することが可能になる。
(6)請求項6記載の発明では、上記(1)〜(5)において、光源部からの複数回のパルス状の広帯域光に応じて、フォトダイオードアレイの複数の光電変換部で光電変換された異なる波長の反射光について、演算部が所定の単位毎に繰り返し測定を行うことで、FBGセンサの作成時の波長誤差や使用時の波長変動幅などが存在している場合、1つのFBG群内ではFBGセンサの個数が制限されることになるが、所定の距離を離した状態の複数のFBG群の全体としては所望の個数のFBGセンサを設置して測定することが可能になる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態)を詳細に説明する。
〈第1実施形態〉
図1は本発明の第1実施形態として、ポリクロメータ型分光器を適用した反射スペクトラム測定システムの構成を示すブロック図である。
この図1において、各部を制御する制御部としてのコントローラ101の制御ポートは、広帯域光源110と光スイッチ120とFBGセンサモニタ160の制御入力端子に接続されている。
広帯域光を発生する広帯域光源110の出力は、光スイッチ120の入力に接続されている。コントローラ101の制御によってオン/オフが制御される光スイッチ120は、広帯域光源110からの広帯域光を入力に受けて、コントローラ101の制御に基づいたパルス状の広帯域光を生成し、このパルス状の広帯域光を出力する出力はサーキュレータ130の入力ポートに接続されている。
そして、サーキュレータ130の入出力ポートには、幹線となる光ファイバ141の一端が接続されている。所定の長さの光ファイバ141の他端には、第1番目のFBG群としてのFBG群151の一端が接続されている。
ここで、FBG群151は、反射波長が異なる複数のファイバブラッググレーティング(FBG)センサ群、すなわち、第1番目のFBGセンサ151_1〜第n番目のFBGセンサ151_nの直列接続の集合であるFBG群である。また、光スイッチ120からサーキュレータ130と光ファイバ141を経由してFBG群151の入力端までの距離をe1、FBG群151の全長をdとする。
また、FBG群151の他端には、幹線となる光ファイバ142の一端が接続されている。所定の長さの光ファイバ142の他端には、第2番目のFBG群としてのFBG群152の一端が接続されている。
ここで、FBG群152は、反射波長が異なる複数のファイバブラッググレーティング(FBG)センサ群、すなわち、第1番目のFBGセンサ152_1〜第n番目のFBGセンサ152_nの直列接続の集合であるFBG群である。また、光スイッチ120から光ファイバ141とFBG群151と光ファイバ142を経由してFBG群151の入力端までの距離をe2、FBG群152の全長をdとする。
また、FBG群152の他端には、幹線となる光ファイバ143の一端が接続されている。所定の長さの光ファイバ143の他端には、第3番目のFBG群としてのFBG群153の一端が接続されている。
ここで、FBG群153は、反射波長が異なる複数のファイバブラッググレーティング(FBG)センサ群、すなわち、第1番目のFBGセンサ153_1〜第n番目のFBGセンサ153_nの直列接続の集合であるFBG群である。また、光スイッチ120から光ファイバ141とFBG群151と光ファイバ142とFBG群152と光ファイバ143を経由してFBG群153の入力端までの距離をe3、FBG群153の全長をdとする。
また、サーキュレータ130の出力ポートには、FBGセンサモニタ160が接続されている。このFBGセンサモニタ160には、各FBGセンサ群からの反射光を分光するポリクロメータ型の分光器161と、分光された光を光電変換するフォトダイオードアレイ(PDA)162と、PDA162の出力を演算して反射スペクトラム測定を行う演算部163が設けられている。
また、ここで、FBGセンサ150の構造はすでに図6で示したようになっている。すなわち、FBGセンサ150では、光ファイバのコア部150aに波長オーダー(ピッチΛ)の周期的な屈折率変動を与えたファイバ型光デバイスであり、特定の波長(ブラッグ波長λB)のみを選択的に反射させるものである。
また、ポリクロメータ型の分光器はすでに図7で示したような構成になっている。ここで、光ファイバから出射された光はレンズ161aで平行光にされ、回折格子161bで分光され、さらにレンズ161cとミラー161dとでフォトダイオードアレイ162に焦点を結ぶ。
また、この実施形態では、フォトダイオードアレイ162として、256素子のものを用いた場合に、1525nm〜1565nmの40nmを、200素子にてほぼリニアに検出するものを具体例として用いる。この場合、フォトダイオードアレイ162の各素子の出力は、マルチプレクサによって順次切り替えられて読み出される。
以下、本実施形態の反射スペクトラム測定システムの動作を、図2のタイムチャートを参照して説明する。
このような反射スペクトラム測定システムでは、広帯域光源110からの広帯域光をコントローラ101からの制御によって光スイッチ120でパルス状の広帯域光として、サーキュレータ130を経由して各FBG群に送る。
ここで、時刻t0にて、光スイッチ120を一定時間Tp[sec]だけオンすることにより、パルス幅Tp[sec]のパルス状の広帯域光がサーキュレータ130経由で各FBG群に送られる。
一番手前に存在するFBG群151による反射光は、ファイバー内の光の速度をvとした場合、光スイッチ120からFBG群151までの距離e1による時間2e1/vと、光スイッチ120〜サーキュレータ130と、サーキュレータ130〜フォトダイオードアレイ162の光路長等による時間T0との合計であるT1後に、分光器161に到達する。ここで、T1は以下のように表すことができる。
T1=T0+2e1/v,
そして、その反射光のパルス幅P1の最大値P1maxは、送り出されたパルス幅Tpと、FBG群151内の全長dにより、次のように定まる。
P1max=Tp+2d/v,
また、P1の最小値P1minは、d=0の時であり、以下のように定まる。
P1min=Tp,
ここで、FBG群151内の反射波長毎に考えると、反射光のパルスは各波長毎にはP1minとなっており、かつ、そのタイミングが反射位置によりずれている。すなわち、図3(b)〜(f)に示すように、光源から遠い反射位置からの反射光のパルスが徐々に遅れて到達する。
したがって、図3に示すように、P1max内(図3(a))のいずれかの位置に、各波長毎の反射光のパルスP1minが存在しており(図3(b)〜(f))、条件を選ぶことにより、FBG群151による全ての反射波長による反射光のパルスが重なる時間P1aが存在する。このP1aは以下のように定まる。
P1a=2×Tp−(Tp+2d/v)=Tp−2d/v,
同様にして、FBG群152からの反射光のパルスが戻るまでの時間T2、FBG群153からの反射光のパルスが戻るまでの時間T3についても、以下のように表すことができる。
T2=T0+2e2/v,
T3=T0+2e3/v,
そして、このT2においても、図3に示したのと同様に、条件を選ぶことにより、FBG群152による全ての反射波長による反射光のパルスが重なる時間P2aが存在する。また、このT3においても、図3に示したのと同様に、条件を選ぶことにより、FBG群153による全ての反射波長による反射光のパルスが重なる時間P3aが存在する。なお、各FBG群の長さdが同じであれば、T1=T2=T3となる。
そこで、分光器161で分光された反射光のパルスを受けたPDA162は、このP1aの期間に、1個あるいは複数個分の光電変換素子の出力を読み込んで、演算部163で演算処理を実行する。また、P2aの期間、P3aの期間でも同様に、1個あるいは複数個分の光電変換素子の出力を読み込んで、演算部163で演算処理を実行する。
そして、各FBG群に対してPDA162での全素子分を読み込むまで、以上のパルス状の広帯域光の送出とPDA162での読み込みと演算部163で演算処理とを複数回繰り返す。たとえば、以上の重なり期間において、256素子のPDA162で光電変換素子の2素子分ずつの読み込みを行うのであれば、128回繰り返せばよい。
ここで、各光電変換素子の読み込み時間が0.5μ秒(2Mサンプル/秒)であり、パルス幅Tp=2μ秒、各FBG群の長さd=100m、光スイッチ120からFBG群151までの距離=300m、T1=3μ秒、ファイバ中の光速v=2×10^8m/秒、とする。
時刻t=0にて光スイッチ120をオンして、Tp=2μ秒の広帯域光のパルスを送出すると、FBG群151からの反射光が分光器161に到達する時刻は、3μ秒〜6(=3+1+2)μ秒の間となる。この間の4〜5μ秒の期間が上述したP1aに相当し、FBG群151内の全てのFBGセンサからの反射光が存在している。このため、この4〜5μ秒の1μ秒の間にPDA162の光電変換素子2素子分の読み込みと演算部163で演算処理とを行う。このようなパルス送出〜光電変換素子での読み込み〜演算処理を128回繰り返すことで、256素子分のデータを取得することができる。
同様にして、時刻t=0にて光スイッチ120をオンして、Tp=2μ秒の広帯域光のパルスを送出すると、FBG群152からの反射光が分光器161に到達する時刻は、7μ秒〜10μ秒の間となる。この間の8〜9μ秒の期間が上述したP2aに相当し、FBG群152内の全てのFBGセンサからの反射光が存在している。このため、この8〜9μ秒の1μ秒の間にPDA162の光電変換素子2素子分の読み込みと演算部163で演算処理とを行う。このようなパルス送出〜光電変換素子での読み込み〜演算処理を128回繰り返すことで、256素子分のデータを取得することができる。
同様にして、時刻t=0にて光スイッチ120をオンして、Tp=2μ秒の広帯域光のパルスを送出すると、FBG群153からの反射光が分光器161に到達する時刻は、11μ秒〜14μ秒の間となる。この間の12〜13μ秒の期間が上述したP3aに相当し、FBG群153内の全てのFBGセンサからの反射光が存在している。このため、この12〜13μ秒の1μ秒の間にPDA162の光電変換素子2素子分の読み込みと演算部163で演算処理とを行う。このようなパルス送出〜光電変換素子での読み込み〜演算処理を128回繰り返すことで、256素子分のデータを取得することができる。
以上のように、本実施形態によれば、FBGセンサの作成時の波長誤差や使用時の波長変動幅などが存在している場合、1つのFBG群内ではFBGセンサの個数が制限されることになるが、所定の距離を離した状態の複数のFBG群の全体としては所望の個数のFBGセンサを設置して測定することが可能になる。
たとえば、FBGセンサモニタ160の測定可能波長範囲が40nmである場合に、1nm毎に反射波長が異なるFBGセンサ150を40個接続したいものの、実際には、FBGセンサ150の作成時の波長誤差、使用時の波長変動幅などの影響により、反射波長は最短でも2〜3nm毎の間隔となるため、測定可能波長範囲が40nmであるとすると設置可能なFBGセンサ150数は十数個となる不具合に関しては、15個のFBG群を合計3群設置することで、合計45個のFBGセンサを接続したことになり、十分な効果を得ることができる。すなわち、所望の個数のFBGセンサを接続できないという不具合は、本実施形態のように複数のFBG群を設置することにより解消される。
なお、以上の説明において、測定を行うためにはP1a>0とする必要があるため、
Tp>2d/v,
とする必要がある。
また、複数のFBG群からの反射光のパルスが重ならないようにするため、
各FBG群の間の距離をLとした場合、
L>Tp・v/2−d,
とする必要がある。
なお、以上の実施形態で広帯域光源110と光スイッチ120との組み合わせの具体例を示したが、パルス状の広帯域光を発生可能な光源を用いてもよい。
〈その他の実施形態(1)〉
各種条件に基づいて、コントローラ101からの制御により光スイッチ120でのオン期間(パルス状の広帯域光のパルス幅)を可変とする。たとえば、各FBG群の間の距離が離れている場合には、広帯域光のパルスの幅を大きくする。これにより、一度のパルスで読み出せるPDA162の光電変換素子数を増やすことができる。
逆に、たとえば、各FBG群の間の距離が近い場合には、広帯域光のパルスの幅を小さくする。これにより、一度のパルスで読み出せるPDA162の光電変換素子数は減るものの、近距離のFBG群からの反射光のパルスが重ならない状態を保つことができる。
〈その他の実施形態(2)〉
図1に示した構成では、複数のFBGセンサからなるFBG群を複数群直列に配置していた。このため、後段のFBG群への透過光を多くするため、反射率の低いFBGセンサを用いなければならなかった。そこで、図4に示すように、カプラ171〜173を各FBG群の分岐部に配置することで、後段のFBG群への配慮をすることなく、所望の反射率のFBGセンサによるFBG群とすることが可能になる。
なお、このような並列接続の複数のFBG群の場合には、反射光のパルスが重ならないようにするため、
各FBG群の間の距離の差をLとした場合、
L>Tp・v/2−d,
とする必要がある。
〈その他の実施形態(3)〉
各FBG群内のFBGセンサの波長範囲と測定すべき波長範囲が予め判明している場合には、コントローラ101の制御により、PDA162に含まれる全ての光電変換素子での読み込みをせずに、該当する光電変換素子についてだけデータの読み込みと演算とを行うことで、処理時間を短縮することが可能になる。
本発明の第1実施形態の反射スペクトラム測定システムの構成を示す機能ブロック図である。 本発明の第1実施形態の反射スペクトラム測定システムの動作状態を示すタイムチャートである。 本発明の第1実施形態の反射スペクトラム測定システムの動作状態を示すタイムチャートである。 本発明のその他の実施形態の反射スペクトラム測定システムの構成を示す機能ブロック図である。 従来の反射スペクトラム測定システムの構成を示す機能ブロック図である。 反射スペクトラム測定システムの主要部の構成を示す構成図である。 反射スペクトラム測定システムの主要部の構成を示す構成図である。
符号の説明
101 コントローラ
110 広帯域光源
120 光スイッチ
130 サーキュレータ
140(141〜143) 光ファイバ
150(151〜153) FBG群
160 FBGセンサモニタ
161 分光器
162 PDA
163 演算部

Claims (6)

  1. 反射波長が異なる複数のファイバブラッググレーティングセンサの集合を一つの群として、各群が光ファイバを介して所定の距離を離した状態で複数配置されたFBG群と、
    前記複数のFBG群に対して前記光ファイバを介してパルス状の広帯域光を与える光源部と、
    前記複数のFBG群からの反射光について、各群毎に分光して光電変換し波長測定の演算を行う演算部と、
    を有することを特徴とする反射スペクトラム測定システム。
  2. 前記分光をポリクロメータ型分光器で行う、
    ことを特徴とする請求項1記載の反射スペクトラム測定システム。
  3. 前記演算部は、各FBG群毎に反射光が戻るタイミングとして重なる時間に、反射光を分光して光電変換し波長測定の演算を行う、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の反射スペクトラム測定システム。
  4. 各FBG群毎に反射光を取得し演算を行うタイミングが重なることがないように、各FBG群の全長と、各FBG群同士の間隔とが定められている、
    ことを特徴とする請求項3記載の反射スペクトラム測定システム。
  5. 各FBG群は所定の距離を離した状態で、直列あるいは並列に接続されている、
    ことを特徴とする請求項4記載の反射スペクトラム測定システム。
  6. 前記光電変換のために、前記分光された反射光を複数の光電変換部で受光するフォトダイオードアレイを備え、
    前記光源部は、前記パルス状の広帯域光を複数回発生し、
    前記演算部は、前記複数回のパルス状の広帯域光に応じて、前記複数の光電変換部で光電変換された異なる波長の反射光について、所定の単位毎に繰り返し測定を行う、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の反射スペクトラム測定システム。
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