JP4659866B2 - コンクリート製品の搬送装置及び搬送方法 - Google Patents

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Description

本発明は、比較的大型のプレキャストコンクリート製品を台車の支持部に載せて所定の位置まで搬送し、所定の向きに合わせた後に据え付けをする際に使用する微調整機構を備えたコンクリート製品の搬送装置に関する。
従来、大型のボックスカルバートや擁壁類または水路など重量の大きなプレキャストコンクリート製品を設置する際に、クレーン車や現場に設置した門型クレーンなどが使用されてきた。しかし、近年都市部狭隘地での施工など、クレーンの設置場所が十分確保できないなどの理由から横引き工法が採用されることが多くなってきている。
ここで横引き工法とは、所定の地盤面まで掘削された開削溝の搬入口から、プレキャストコンクリート製の単位ブロックをガイドレールに沿ってウインチ・ワイヤ駆動等により据え付け位置まで搬送するものであり、据え付け位置に搬送した単位ブロックを順次固定することで連続した管渠や壁体を形成するものである。
この横引き工法における搬送装置としては、チルローラ(商品名)やチルタンク(商品名)等が知られており、こうした装置(台車)を使用することで、特殊な駆動装置を設置せずにリフト等で簡単に移送できるようになっている(特許第4036178号公報)。
その他、種々の横引き工法が提案されており、例えば、基礎コンクリート上に敷設されたレールの凹溝内にベアリング等の転動部材を多数配設して、台車を用いないで移送する方法(特許第2997268号公報)や、ブロックの底壁裏面に埋設された凹型鋼とレールとの間に台車を介在させて移送する方法(特許第2726982号公報)、更にはブランケット工法または凸型基礎工法により、左右一対の縦長台車によってスライド移送する方法(特公平2−35095号公報)等がある。
一方、横引き工法における搬送装置の開発も行われており、例えば、上下動する油圧シリンダーが枢支され、ブロックとの連結具が装着された中央基材からなる荷台部と、前方走行部および昇降補助部から構成された前部作動部と、後輪駆動部と後輪を上下動させる油圧シリンダーと操作部からなる後部駆動部とからなる搬送・据付装置などが開示されている(特許第3552109号公報)。
特許4036178号公報 特許2997268号公報 特許2726982号公報 特公平2−35095号公報 特許第3552109号公報
しかし、上記のような従来の提案では次のような諸問題があった。すなわち、台車を用いずにベアリング材の転動によってコンクリート製品を移送しようとする場合には、設置場所にコンクリート製品を固定する際、製品の底面下にあるベアリング材が埋め捨てられてしまう。また、台車を用いる搬送では、曲線状の搬送経路にあっては台車が曲線経路に追従しにくく、ほぼ直線状の経路でなければ移送できなかったり、台車が許容するコンクリート製品の重量や大きさ又は形状が制限されるため、各種製品規格に合わせて台車・装置を複数台用意する必要があるなどの問題点があった。
上記の問題点を解決するため、発明者等は、搬送経路に沿って設置した凹型レールの凹部内をコンクリート製品を台車の支持部に載せて走行するコンクリート製品の搬送装置であって、車輪軸にころがり軸受を介して軸装した前記凹部内の底壁部上を転動して走行する左右一対の車輪と、前記凹部内の側壁部と接触した際に生じた反力を前記搬送装置に伝達する案内機構をそれぞれ備えた構成からなり、伝達された接触反力によって搬送装置が方向を変える時の左右一対の車輪の回転差を、前記車輪軸と車輪とのころがり軸受けを介した軸装により吸収する構成としたコンクリート製品の搬送装置およびその搬送方法を先に提案した(特願2008ー130018号)。
上記のような構成からなる台車を採用することで、埋め捨てられる転動材を使用することなく、曲線経路でも追従し易く、搬送する荷の重量や大きさ又は形状に左右されることもないといった諸効果を期待することができる。そして、この台車にプレキャストコンクリート製品を載せて所定の位置まで搬送し、この所定位置で台車に載せたプレキャストコンクリート製品を所定の向きに合わせた後に据え付けを行うことになる。
しかし、コンクリート製品を台車に載せる際には向きの精度が得られ難い。また、製品を台車で搬送している間に、台車と製品との間に滑りが生じるために製品の方向(向き)が変化する。そのため、所定の位置まで製品を搬送した後製品同士を突き合わせて設置する際には、搬送してきた製品の向きを先に設置した製品の向きに合わせることが必要となる。これまでは、バール等を用いて人力で微調整を行っているが、比較的大型製品となると製品重量が重く、向きの調整が困難であるといった問題点がある。
本発明は、上記の問題点を解消するためになされたもので、台車とその支持部に載せる製品との間に所望方向へ所望距離だけ移動可能とした微調整機構を設置することで、製品の向きの微調整をスムーズに行うことができるコンクリート製品の搬送装置および搬送方法を提供することを目的としたものである。
上記の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明は、コンクリート製品を台車の支持部に載せて所定位置まで搬送し、製品を所望の向きに合わせる微調整を行った後に据え付けをする際に使用するコンクリート製品の搬送装置であって、コンクリート製品を載せて所定位置まで搬送する台車と、該台車の上方部にあって製品を支承する支持部とから構成され、該支持部が、上面に凹部空間を備えたベース板と、該ベース板の前記凹部空間に敷き並べた複数の鋼球と、該鋼球と前記コンクリート製品との間に介在される前記ベース板の上方開口部を覆う調整板と、該調整板を水平面で所望方向へ所望距離だけ移動可能とした微調整機構をそれぞれ備え、該微調整機構が、前記ベース板の凹部空間内にあって離間して対峙する左右一対の側壁部で区画し形成した凹条溝部と、前記調整板の下面に垂設した前記凹条溝部に嵌合する凸条部とから構成され、前記凹条溝部と凸条部が嵌合した際の凹条溝部と凸条部との間に、長さ方向及び幅方向にそれぞれ所望の間隙を形成する構造としたことを特徴とする
また、上記の目的を達成するため、本願の請求項2に係る発明は、コンクリート製品を支承する前記支持部が、上下方向に昇降可能な構成としたことを特徴とし、さらに、本願の請求項3に係る発明は、前記調整板の一端に、その上面に載置するコンクリート製品の製品ガイド部を立設したことを特徴とする。
また、上記の目的を達成するため、本願の請求項4に係る発明は、前記台車が、車輪軸にころがり軸受を介して軸装した凹型レールの凹部内の底壁部上を転動して走行する左右一対の車輪と、前記凹部内の側壁部と接触した際に生じた反力を前記台車に伝達する案内機構をそれぞれ備えた構成からなり、伝達された接触反力によって台車が方向を変える時の左右一対の車輪の回転差を、前記車輪軸と車輪とのころがり軸受を介した軸装により吸収する構成としたことを特徴とする。
そしてまた、上記の目的を達成するため、本願の請求項5に係る発明は、前記案内機構が、台車の進行方向前方にあって、前記左右一対の車輪の車輪軸との取付位置より外側にそれぞれ位置する左右一対の突出部と、前記凹部内の側壁部と接触した際に転動又は滑動する前記突出部に設置したダンパーからなる構成としたことを特徴とし、本願の請求項6に係る発明は、前記台車に駆動装置を取り付けたことを特徴とする。
そしてさらに、上記の目的を達成するため、本願の請求項7に係る発明は、前記請求項1〜6のうちいずれか一つに記載の台車を複数台、凹型レールの凹部内にそれぞれ設置するとゝもに、同一の凹型レール内に設置した前記台車を相互に連結し、該台車の支持部に載置したコンクリート製品を前記凹型レールに沿って搬送することを特徴とするコンクリート製品の搬送方法である。
本願の請求項1に記載の発明によれば、コンクリート製品を台車の支持部に載せて所定位置まで搬送し、設置する当該位置で製品を所望の向きに合わせるための微調整を行う際に、コンクリート製品と接触する調整板の水平面での移動を鋼球が転動する滑り構成とした微調整機構を採用することで前記調整板が相対的に動きやすくなり、製品の向きの微調整をスムーズに行うことができる。
特に、コンクリート製品と接触する調整板は、その下面に設けた凸状部と、該凸状部が緩く嵌合するベース板の上面に設けた凹条溝部とのガイドにより、前記調整板の動く方向がある程度の規制を受ける。したがって、調整板が必要以上に相対的に動くことが防止され、製品の微調整が容易となる。
さらに、本願の請求項2に記載の発明は、上記のように、コンクリート製品を載せる前記支持部が上下方向に昇降可能となるように構成したので、搬送時において支持部を上昇させることでコンクリート製品を搬送路の上端面から浮かせて移送できる。したがって、抵抗が少なく搬送作業が容易であるとゝもに、搬送後のコンクリート製品の高さ方向の位置調整に際して、支持部を下降させることで行うことが出来るので調整具を改めて設置する必要がなく、設置作業を安全に行える。また、ジャッキ操作をブロック内で行うことも出来るから、ブロックと掘削孔壁面との間のスペースを十分確保できない場合でも作業に支障がない。
また、本願の請求項3に記載の発明は、上記のように、前記調整板の一端に、その上に載置するコンクリート製品の製品ガイド部を立設したので、製品が製品ガイド部に接触して位置決めがなされ、むやみに移動することなく作業の安全性が確保される。
そして、本願の請求項4に記載の発明は、上記のように、前記台車が、車輪軸にころがり軸受を介して軸装した凹型レールの凹部内の底壁部上を転動して走行する左右一対の車輪と、前記凹部内の側壁部と接触した際に生じた反力を前記搬送装置に伝達する案内機構をそれぞれ備えた構成からなり、伝達された接触反力によって台車が方向を変える時の左右一対の車輪の回転差を、前記車輪軸と車輪とのころがり軸受を介した軸装により吸収する構成としたので、コンクリート製品を載せて移動する台車は、その上方部の前記支持部が奏する上記の諸効果に加え、案内機構が凹型レールの凹部に追従して車輪の方向が定められ、その結果、曲線状の経路にも滑らかに対応することができる。
さらに、本願の請求項5記載の発明は、前記案内機構が、搬送装置の進行方向前方にあって、前記左右一対の車輪の取付位置より外側にそれぞれ位置する左右一対の突出部と、前記凹部内の側壁部と接触した際に転動又は滑動するダンパーを前記突出部に設置した構成であるから、前記請求項5に記載の発明が奏する効果に加えて、進行方向の曲線変化に伴い、凹型レールの凹部内の側壁部との接触により生じた反力モーメントが搬送装置に伝達し易くなり、曲線状の搬送経路により確実に滑らかに対応することができる。
そしてさらに、本願の請求項6に記載の発明は、上記のように、前記台車に駆動装置を取り付けた構成とすることで、ワイヤ・ウインチやリフトのような牽引装置を用いることなく自走できる。
また、本願の請求項7記載の発明は、上記のように、前記構成の台車を複数台、凹型レールの凹部内にそれぞれ設置するとゝもに、同一の凹型レール内に設置した前記台車を相互に連結し、該台車の指示部に載置したコンクリート製品を前記凹型レールに沿って搬送する構成とすることで、コンクリート製品の大きさや重量によって台車の数を増減できる一方、コンクリート製品底面の形状に左右されずに支持できる。また、コンクリート製品の複数箇所を支持した複数個の台車が互いに連結されているため、搬送経路の個々の箇所に追従し易い一方、これらを一体で移動できる。
以下、本発明を図面に示す実施形態により詳細に説明すると、図において、Aは本発明に係る搬送装置で、コンクリート製品を載せて所定位置まで搬送する台車A1 と、該台車A1 の上方部にあって製品を支承する支持装置A2 とから主に構成されている。1は前記台車A1 を構成する箱型のフレームで、底壁の無い底開放型とした構成のものであり、該フレーム1の左右の側壁2A,2Aの下端部には車輪軸3の両端部が固定されている。
4,4は前記車輪軸3に軸装した左右一対の車輪で、前記フレーム1の内部にあって左右の側壁2A,2Aに寄った位置にそれぞれ設置されており、前記車輪軸3に装着した各車輪4,4はころがり軸受5,5を介し回転自在に装着されている。なお、図面中4Aは鋼製の車輪4の表面を被覆している樹脂又はゴムである。
6は前記支持装置A2 を構成する矩形状の支持部で、コンクリート製品を上に載せるこの支持部6は前記台車A1 のフレーム1の天壁部2B上方に設置されている。7は金属製のベース板で、上面に左右二つの凹部空間8A,8Aを備えており、該ベース板7の前記凹部空間8A,8Aにはそれぞれ複数個の鋼球9が敷き並べられている。10は前記ベース板7の上方開口部(凹部空間8A,8A)を覆っている金属製の調整板で、前記鋼球9と搬送するコンクリート製品との間に介在しており、前記鋼球9が転動することで、前記調整板10は水平面で容易に移動できる構成としている。
12は前記ベース板7の二つの凹部空間8A,8A間に形成した凹条溝部で、該凹条溝部12は所定の間隔をおいて立設した左右一対の側壁部12A,12Aにより前記二つの凹部空間8A,8Aと区画され形成されている。13は前記調整板10の下面中央に垂設した凸条部で、図3において調整板10の前後方向に延びており、前記ベース板7の上面を調整板10で覆った際に、この凸条部13は前記凹条溝部12と嵌合するように形成されているとゝもに、該凹条溝部12と前記凸条部13とが嵌合した際、両者間には長さ方向(図中前後方向)及び幅方向(図中左右方向)にそれぞれ所望の間隙a,bが形成される構造とした微調整機構を備えたものである。
すなわち、前記支持部6は、上記のように、上記構成のベース板7,鋼球9を介して前記ベース板7上に設置した調整板10,該調整板10および前記ベース板7にそれぞれ設置した嵌合時に所望の間隙a,bが形成される前記凹条溝部12と凸条部13とからなる微調整機構を備える構成とすることで、前記調整板10の動く方向が前記凹条溝部12によってある程度の規制を受けながらも所望の方向に動かすことができるだけでなく、必要以上に相対的に動くことが防止され、コンクリート製品の微調整が容易となる。
なお、図中11A,11Aは前記調整板10の左右両端部に設けた前記ベース板7のホルダー部、11Bは前記調整板10の前端側に設けた固定ピン14のピン挿入部、8Bは同じく前記ベース板7の前端側に設けた固定ピン14のピン挿入部であり、前記ベース板7の上に鋼球9を介して前記調整板10を設置した際に、両ピン挿入部8B,11Bが上下方向に合致し、この合致したピン挿入部8B,11Bの挿入孔内に前記固定ピン14を挿入することで、前記調整板10を前記ベース板7に固定する構造としたものである。
15は油圧装置のシリンダ部で、前記フレーム1の天壁部2Bに補強板2Cを介して装着されており、前記シリンダ部15内には油出入口15Aから出入する油により上下動するピストン16が設置されている。17は前記ピストン16の上端に形成した縦孔で、該縦孔17内には前記支持部6の支持軸、すなわち支持部6を構成する前記ベース板7の下面中央に垂設した支持軸8Cが挿脱可能となるように挿入されている。したがって、前記支持部6(前記ベース板7,調整板10)は、後述するコンクリート製品Wの内部空間に設置した油圧駆動装置15Bを操作することで前記ピストン16を上下動させ、このピストン16の上下動で前記支持部6を上昇及び下降させることができる。
18は前記搬送装置Aの進行方向を変更させるための案内機構で、搬送装置Aの進行方向前方にあって、前記両車輪4,4の車輪軸3との取付け位置より外側にそれぞれ位置する前方突出部19,19と、該前方突出部19の先端部に縦軸20Aを介して回転自在となるように取り付けたローラ20とから構成されており、後述する凹型レールBの凹部内の側壁部27Aと接触した際に、転動又は滑動しながらその接触反力を前記搬送装置Aに伝達するためものである。
21は前記搬送装置Aの進行方向と反対側に設置した保護機構で、前記搬送装置Aの進行方向が変わった場合に、フレーム1の左右の側壁2Aの後端部が前記凹型レールBの凹部内の側壁部27Aと衝当した際の衝撃を和らげるためのものであり、進行方向前方の前記前方突出部19より全長が短い左右一対の後方突出部22,22と、該後方突出部22の先端部に縦軸23Aを介して回転自在となるように取り付けたローラ23とから構成されており、前記凹型レールBの凹部内の側壁部27Aと衝当した際に転動又は滑動することで、クッションの機能を果たす。
24Aは前記搬送装置Aの進行方向側に設置した前側補助輪、24Bは進行方向と反対側に設置した後方補助輪で、左右一対の車輪4,4で走行可能とした前記搬送装置Aを、更に前後の補助輪24A,24Bを左右の車輪4,4の中央部に増設することでより一層安定して走行できる構造としたものである。なお、図中25A,25Bは前記前後の補助輪24A,24Bの上方に装着した連結板で、26A,26Bは前後に配設した搬送装置Aと搬送装置Aを鎖などで連結する際に使用するフックを引っかけるために設けた上下方向の貫通孔である。
Bはコンクリート製品Wの搬送経路に沿って設置した凹型レールで、左右一対の側壁部27A,27Aと底壁部27Bからなる横断面がU型のものであり、この凹型レールBの凹部内に前記搬送装置Aを設置し、左右の車輪4,4および前後の補助輪24A,24Bが凹型レールBの底壁部27B上を転動することで、搬送装置Aの支持部6上に載せたコンクリート製品Wを搬送経路に沿って設置場所まで搬送するためのものである。
そこで、上記構成からなる前記搬送装置Aを、コンクリート製品Wの搬送経路に沿って設置した2本の凹型レールBの凹部内にそれぞれ2個づづ離間して配設するとゝもに、各凹型レールB内にそれぞれ配設した前後の搬送装置Aと搬送装置Aを連結板25A,25Bの貫通孔26A,26Bにフックを引っかけることで鎖で連結する。この時、前記ベース板7と調整板10はそれぞれのピン挿入部8B,11Bの合致したピン挿入孔内に固定ピン14を挿入することで、前記調整板10は前記台車A1 に固定した前記ベース板7に連結し固定される。
つぎに、2本の凹型レールBの凹部内にそれぞれ2個づつ配設した計4個の搬送装置Aの支持部6上に、搬送するコンクリート製品Wをその一端が調整板10の製品ガイド部11Cと当接せしめ、製品Wがむやみに移動することないように位置決めをして載せる。このとき、各支持部6,6の上面およびコンクリート製品Wの下面は、コンクリート製品Wの内部空間に設置した油圧駆動装置11Bを操作し、図9の一点鎖線で示す位置から実線で示す位置、すなわち、凹型レールBの上端面から離れた上方の位置にある。
この状態で、搬送装置A,Aを進行方向にジャッキ等の牽引装置(図示しない)で牽引することで、各搬送装置Aの支持部6上に載せたコンクリート製品Wを図7の矢印で示す進行方向へ移動させるが、凹型レールBが右側へ曲がった曲線状の経路を通過する際、図9に示すように、搬送装置Aと凹型レールBとは相対的に、凹型レールBの左側の側壁27Aが実線で示す状態から鎖線で示す状態となり、搬送装置Aの左側の案内機構18における前方突出部19のローラ20が凹型レールBの左側の側壁27Aと接触する。
ローラ20が凹型レールBの左側の側壁27Aと衝当し接触することで回転すると同時に、左側の側壁27Aと衝当することで反力が発生し、この接触反力が搬送装置Aに伝達される。その結果、搬送装置Aは反対側(右側)の側壁27A方向へ押圧され、搬送装置Aがその進行方向を変えることになる。この時、左右一対の車輪4,4には移動量の違いによる回転差が生じるが、左右の車輪4,4は前記車輪軸3ところがり軸受5を介して軸装されているため、左右車輪4,4は互いに拘束されることなく回転移動し、曲線状の経路をスムーズに走行することができる。
コンクリート製品Wを所定の位置まで運んだ後、コンクリート製品Wの内部空間に設置した油圧駆動装置15Bを操作し、搬送装置Aの支持部6を図9の実線で示す位置において前記固定ピン14を前記ベース板7と調整板10のピン挿入孔から抜き取り、調整板10をベース板7との固定連結から解除する。つぎに、コンクリート製品Wの所望箇所に所望方向への押し又は引き或いは所望方向への回転力を付与することで、コンクリート製品Wは調整板10と共に所望方向へ移動,回転する。
すなわち、コンクリート製品Wを乗せた前記調整板10は、その下面に設けた凸状部13がフレーム1に固定されている前記ベース板7の凹条溝部12と緩く嵌合していることで、凸状部13と凹条溝部12とがガイドになり、前記調整板10の動く方向がある程度の規制を受けながらも所望の方向に動かすことができるだけでなく、必要以上に相対的に動くことが防止され、製品の微調整が容易となる。
その結果、コンクリート製品Wの向きは前記調整板10の移動と共に調整されることとなる。そこで、向きの微調整が終了したこの状態で、実戦に示す状態から鎖線で示す位置まで下降させ、コンクリート製品Wを所定の位置に設置する。つぎに、凹型レールBの凹部内から搬送装置Aのみを引出し、凹型レールB内からこれを回収することで搬送作業が終了する。
本発明に係る搬送装置の全体斜視図である。 同装置の縦断面図である。 同装置の平面面図である。 同装置の左側面図である。 同装置から分離した支持機構を下方から見た図である。 支持機構を分解した状態の斜視図である。 同装置によるコンクリート製品の搬送状態を示す説明平面図である。 同装置によるコンクリート製品の搬送状態を示す正面図である。 図8の一部を拡大して示す正面図である。
A 搬送装置
A1 台車
A2 支持機構
B 凹型レール
1 フレーム
2A 側壁
2B 天壁部
2C 補強板
3 車輪軸
4 車輪
5 ころがり軸受
6 支持部
7 ベース板
8A 凹部空間
8B ピン挿入部
8C 支持軸
9 鋼球
10 調整板
11C 製品ガイド部
12 凹条溝部
12A 側壁部
13 凸条部
15 シリンダ部
15A 油出入口
15B 油圧駆動装置
16 ピストン
17 縦孔
18 案内機構
19 前方突出部
20 ローラ
20A 縦軸
21 保護機構
22 後方突出部
23 ローラ
23A 縦軸
24A 前側補助輪
24B 後側補助輪
25A,25B 連結板
26A,26B 貫通孔
27A 側壁部
27B 底壁部

Claims (7)

  1. コンクリート製品を台車の支持部に載せて所定位置まで搬送し、所望の向きに合わせる微調整を行った後に据え付けをする際に使用するコンクリート製品の搬送装置であって、コンクリート製品を載せて所定位置まで搬送する台車と、該台車の上方部にあって製品を支承する支持部とから構成され、該支持部が、上面に凹部空間を形成したベース板と、該ベース板の前記凹部空間に敷き並べた複数の鋼球と、該鋼球と前記コンクリート製品との間に介在される前記ベース板の凹部空間を覆う調整板と、該調整板を水平面で所望方向へ所望距離だけ移動可能とした微調整機構をそれぞれ備え、該微調整機構が、前記ベース板の凹部空間内にあって、離間して対峙する左右一対の側壁部で区画し形成した凹条溝部と、前記調整板の下面に垂設した前記凹条溝部に嵌合する凸条部とから構成され、前記凹条溝部と凸条部が嵌合した際の凹条溝部と凸条部との間に、長さ方向及び幅方向にそれぞれ所望の間隙を形成する構造としたことを特徴とするコンクリート製品の搬送装置
  2. コンクリート製品を支承する前記支持部が、上下方向に昇降可能な構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンクリート製品の搬送装置。
  3. 前記調整板の一端に、該調整板の上面に載置するコンクリート製品の製品ガイド部を立設したことを特徴とする請求項1又は2記載のコンクリート製品の搬送装置。
  4. 前記台車が、車輪軸にころがり軸受を介して軸装した凹型レールの凹部内の底壁部上を転動して走行する左右一対の車輪と、前記凹部内の側壁部と接触した際に生じた反力を前記台車に伝達する案内機構をそれぞれ備えた構成からなり、伝達された接触反力によって台車が方向を変える時の左右一対の車輪の回転差を、前記車輪軸と車輪とのころがり軸受を介した軸装により吸収する構成としたことを特徴とする請求項1,2又は3記載のコンクリート製品の搬送装置。
  5. 前記案内機構が、台車の進行方向前方にあって、前記左右一対の車輪の車輪軸との取付位置より外側にそれぞれ位置する左右一対の突出部と、前記凹部内の側壁部と接触した際に転動又は滑動する前記突出部に設置したダンパーからなる構成としたことを特徴とする請求項4記載のコンクリート製品の搬送装置。
  6. 前記台車に駆動装置を取り付けたこと特徴とする請求項1〜5のうちいずれか一つに記載のコンクリート製品の搬送装置。
  7. 請求項1〜6のうちいずれか一つに記載の台車を複数台、凹型レールの凹部内にそれぞれ設置するとゝもに、同一の凹型レール内に設置した前記台車を相互に連結し、該台車の支持部に載置したコンクリート製品を前記凹型レールに沿って搬送することを特徴とするコンクリート製品の搬送方法。
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