JP4659436B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、強誘電体キャパシタを備えた半導体装置の製造方法に関し、特にリーク電流の低減を図った半導体装置の製造方法に関する。
現在、強誘電体メモリの微細化に伴い、キャパシタ面積の縮小及び強誘電体回路の2T2C方式から1T1C方式への移行が進められている。2T2C方式では、1個のメモリセルに2個のトランジスタ及び2個のキャパシタが設けられており、1T1C方式では、1個のメモリセルに1個のトランジスタ及び1個のキャパシタが設けられている。
強誘電体膜に大きな分極反転量を持たせる必要があるため、キャパシタ面積の縮小及び回路の1T1Cへの移行に際しては、通常、強誘電体膜としてPZT膜が用いられている。また、キャパシタ面積の縮小及び回路の1T1Cへの移行に伴い、PZT膜を備えた強誘電体キャパシタの分極反転電圧を低くする必要もある。このための方法として、PZT膜の薄膜化が進められている。
しかし、PZT膜を薄膜化しても、それ以前と同じ電圧を印加すると、PZT膜にかかる電界は大きくなり、この結果、リーク電流が増大してしまう。強誘電体キャパシタにおけるリーク電流の発生の原因は、主に、結晶粒界に存在する空隙である。
通常、PZT膜を備えた強誘電体キャパシタの形成方法では、下部電極膜の形成、強誘電体膜の形成、強誘電体膜の結晶化、上部電極膜の形成、熱処理がこの順で行われる。この方法では、強誘電体膜の結晶化の際に、強誘電体膜の結晶が生成され、これに伴って結晶粒界に空隙が発生する。そして、上部電極膜の形成の際に、この空隙に上部電極膜が埋め込まれることにより、実効膜厚が薄くなり、リーク電流の増大が生じている。
従って、この空隙を減らすことでリーク電流を大幅に低減することができ、薄膜でも十分に実用的な低いリーク電流を得ることができる。
そこで、特許文献1(特開平10−321809号公報)には、次のような強誘電体キャパシタの形成方法が記載されている。この方法では、先ず、スピンコート法による強誘電体膜としてのSrBi2Ta29(SBT)膜の塗布、乾燥及び結晶化を3回繰り返す。次に、4回目の塗布及び乾燥を行う。引き続き、600℃で5分間の熱処理を行うことにより、SBT膜をアモルファス又は微結晶状態とする。次いで、上部電極膜を形成し、その後、減圧雰囲気で30分間の熱処理を行う。このような方法によれば、表面が滑らかなSBT膜(強誘電体膜)が得られる。
また、特許文献2(特開平8−78636号公報)には、次のような強誘電体キャパシタの形成方法が開示されている。この方法では、先ず、スピンコート法による高誘電体膜として(Ba,Sr)TiO3(BST)膜の形成、及び結晶化温度よりも低い温度での熱処理を複数回繰り返す。次に、上部電極膜を形成する。その後、結晶化温度以上の温度で熱処理を行う。
更に、特許文献3(特開平8−31951号公報)には、PZT膜を結晶化させた後に、その上に非晶質のSrTiO3(STO)膜又はBST膜を形成し、その後、Pt上部電極を形成する方法や、STO膜又はBST膜を形成した直後に酸素中でこれらの膜を結晶化させる方法が開示されている。
また、特許文献4(特開2001−237384号公報)には、リーク電流を低減することを目的として、次のような方法が開示されている。先ず、下部電極上に、結晶化したペロブスカイト型構造の強誘電体膜を形成する。次に、強誘電体膜上に、強誘電体膜の前駆体溶液を塗布した後、これを乾燥する。次いで、ペロブスカイト結晶化温度以下で低温アニールを行う。そして、上部電極を形成した後、ペロブスカイト結晶化温度以上の高温アニールを施す。
更に、特許文献5(特開2000−40799号公報)には、上部電極としてPt膜を用いる場合に、Ptの触媒作用に起因する強誘電体膜の水素劣化を抑制することを目的として、強誘電体膜と上部電極との間に、Pb、Pt及びOを含有する層を形成する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法に関し、PZT膜を使用した場合には、その結晶化温度がSBT膜よりも低い。このため、600℃で5分間の熱処理を行うと、結晶が巨大化してしまい、アモルファス又は微結晶状態とすることはできず、かえって、空隙が発生してしまう。従って、特許文献1に記載の方法をPZT膜に適用しても、リーク電流を低減することはできない。
また、熱処理温度をPZT膜の結晶化温度を考慮して低下させると、空隙を低減させてリーク電流を低下させることは可能であるが、分極反転量が低下するという問題が生じてしまう。
また、特許文献2に記載の方法に関しても、上部電極膜を形成する直前では、例えその熱処理温度を結晶化温度以下としても、熱処理を行うとPZT膜の分極反転量が低下してしまう。
更に、特許文献3に記載の方法によっても、十分な分極反転量を得ることはできない。
また、特許文献4に記載の方法によれば、リーク電流を低下させることはできるものの、分極反転量の低下及びインプリント特性の悪化という現象が発生してしまう。
更に、特許文献5に記載の方法によれば、水素劣化自体を抑制することができる可能性はあるが、上部電極の剥がれが生じやすい。また、十分な反転分極量を得ることもできない。
特開平10−321809号公報 特開平8−78636号公報 特開平8−31951号公報 特開2001−237384号公報 特開2000−40799号公報
本発明の目的は、強誘電体キャパシタの分極反転量を高く維持しながらリーク電流を低減することができる半導体装置の製造方法を提供することにある。
本願発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す発明の諸態様に想到した。
本発明に係る半導体装置の製造方法では、下部電極膜を形成した後に、前記下部電極膜上に非晶質の第1の強誘電体膜を形成する。次に、前記第1の強誘電体膜の全体非晶質の状態から結晶化した状態に変化させる。次いで、前記第1の強誘電体膜上に非晶質の第2の強誘電体膜を形成する。その後、前記第2の強誘電体膜上に、Ptを含有しない上部電極膜を形成する。そして、前記第2の強誘電体膜を結晶化させる。
このような製造方法によれば、例えば、下部電極と、前記下部電極上に形成された第1の強誘電体膜と、前記第1の強誘電体膜上に、前記第1の強誘電体膜の表面に存在する空隙を埋め込むようにして形成された第2の強誘電体膜と、前記第2の強誘電体膜上に形成された上部電極と、を有し、前記第2の強誘電体膜の表面には、前記第1の強誘電体膜の表面に存在するような空隙が実質的に存在しない半導体装置が得られる。
本発明によれば、分極反転量の低下を引き起こすことなくリーク電流を減少させることが可能となる。
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る方法によって製造する強誘電体メモリ(半導体装置)のメモリセルアレイの構成を示す回路図である。
このメモリセルアレイには、一の方向に延びる複数本のビット線3、並びにビット線3が延びる方向に対して垂直な方向に延びる複数本のワード線4及びプレート線5が設けられている。また、これらのビット線3、ワード線4及びプレート線5が構成する格子と整合するようにして、複数個の本実施形態に係る強誘電体メモリのメモリセルがアレイ状に配置されている。各メモリセルには、強誘電体キャパシタ1及びMOSトランジスタ2が設けられている。
MOSトランジスタ2のゲートはワード線4に接続されている。また、MOSトランジスタ2の一方のソース・ドレインはビット線3に接続され、他方のソース・ドレインは強誘電体キャパシタ1の一方の電極に接続されている。そして、強誘電体キャパシタ1の他方の電極がプレート線5に接続されている。なお、各ワード線4及びプレート線5は、それらが延びる方向と同一の方向に並ぶ複数個のMOSトランジスタ2により共有されている。同様に、各ビット線3は、それが延びる方向と同一の方向に並ぶ複数個のMOSトランジスタ2により共有されている。ワード線4及びプレート線5が延びる方向、ビット線3が延びる方向は、夫々行方向、列方向とよばれることがある。
このように構成された強誘電体メモリのメモリセルアレイでは、強誘電体キャパシタ1に設けられた強誘電体膜の分極状態に応じて、データが記憶される。
次に、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリ(半導体装置)の製造方法について説明する。但し、ここでは、便宜上、各メモリセルの断面構造については、その製造方法と共に説明する。図2A乃至図2Gは、本発明の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。
本実施形態では、先ず、図2Aに示すように、シリコン基板11の表面に素子分離絶縁膜12を形成する。次に、所定の活性領域(トランジスタ形成領域)に、夫々不純物を選択的に導入して、ウェル(図示せず)を形成する。シリコン基板11の導電型はp型又はn型のいずれでもよい。次いで、活性領域内に、LDD構造のCMOSトランジスタ13を形成する。その後、CMOSトランジスタ13を覆う酸化防止膜14をCVD法により形成する。酸化防止膜14としては、例えば厚さが200nmのSiON膜を形成する。続いて、酸化防止膜14の上に、例えば厚さが600nmのSiO2膜15をCVD法により形成する。酸化防止膜14及びSiO2膜15から第1の層間絶縁膜16が構成される。なお、SiO2膜15を形成する際には、反応ガスとして例えばTEOS(Tetraethyl orthosilicate)を用いる。
次に、図2Bに示すように、第1の層間絶縁膜16の素子分離用絶縁膜12との界面を基準とした厚さが、例えば785nmになるように、化学機械研磨(CMP)法によりSiO2膜15を上面から研磨して平坦化する。次いで、N2雰囲気中で、650℃、30分間のアニールを行うことにより、第1の層間絶縁膜16の脱ガスを十分に行う。
その後、図2Cに示すように、高周波スパッタ法により、下部電極の密着層となるAl23膜18をSiO2膜15上に形成する。Al23膜18の厚さは、例えば20nmとする。
続いて、図2Dに示すように、Al23膜18上に強誘電体キャパシタの下部電極となるPt膜25(下部電極膜)をスパッタ法により形成する。Pt膜25の厚さは、例えば155nmとする。
次に、図2Eに示すように、Pt膜25上に強誘電体キャパシタの容量絶縁膜となる強誘電体膜26を高周波スパッタ法により形成する。強誘電体膜26の厚さは、例えば150nmとする。この際、強誘電体膜26は、例えば2層構造の膜として形成する。この形成方法について説明する。図3A乃至図3Eは、強誘電体膜26の形成方法を工程順に示す断面図である。
先ず、下部電極膜25上に、例えば厚さが80nmで非晶質のPZT膜26aを高周波スパッタ法により形成する。次に、結晶化アニールを行うことにより、PZT膜26aを結晶化させる。この結果、図3Bに示すように、PZT膜26a中に結晶粒界51が生成される。次いで、図3Cに示すように、PZT膜26a上に、例えば厚さが40nmで非晶質のPZT膜26bを高周波スパッタ法により形成する。続いて、図3Dに示すように、PZT膜26bを結晶化させることなく、PZT膜26b上に上部電極膜27を形成する。その後、結晶化アニールを行うことにより、PZT膜26bを結晶化させる。この結果、図3Eに示すように、PZT膜26b中に結晶粒界52が生成される。
このようにして強誘電体膜26を形成した後には、図2Eに示すように、強誘電体膜26上に上部電極膜27を順次形成する。上部電極膜27の形成に当たっては、第1層目のIrOx膜を成膜した後に、急速加熱処理(アニール)を行い、その後第2層目のIrO2膜を成膜する。その後、引き続き炉内でのアニールを行う。これは、IrOx膜の成膜による強誘電体膜26の損傷を回復するための回復アニールである。また、これらのアニールにより、強誘電体膜26が緻密化される。
このようにして強誘電体膜26を緻密化させた後には、上部電極膜27上に強誘電体キャパシタの上部電極のパターン形状を有するレジストパターン(図示せず)を形成し、このレジストパターンをマスクとして上部電極膜27をエッチングする。この結果、図2Fに示すように、上部電極膜27から上部電極24が得られる。次に、レジストパターンを除去し、強誘電体キャパシタの容量絶縁膜のパターン形状を有するレジストパターン(図示せず)を新たに形成し、このレジストパターンをマスクとして強誘電体膜26をエッチングする。この結果、図2Fに示すように、強誘電体膜26から容量絶縁膜23が得られる。更に、レジストパターンを除去し、強誘電体キャパシタの下部電極のパターン形状を有するレジストパターン(図示せず)を新たに形成し、このレジストパターンをマスクとしてPt膜25及びAl23膜18をエッチングする。この結果、図2Fに示すように、Pt膜25から下部電極22が得られ、強誘電体キャパシタが形成される。
次いで、図2Gに示すように、水素によって還元されやすいPZTからなる容量絶縁膜23を水素から保護するために、Al23膜を保護膜19としてスパッタ法により全面に形成する。保護膜19の厚さは、例えば50nmとする。その後、第2の層間絶縁膜としてSiO2膜20をCVD法により全面に形成する。SiO2膜20の厚さは、例えば1500nmとする。続いて、CMPによりSiO2膜20を平坦化する。
次いで、CMOSトランジスタ13のソース/ドレイン拡散層上のシリサイド層まで到達するコンタクトホール21を、所定形状のレジストパターン(図示せず)をマスクとしてドライエッチングにより、SiO2膜20、保護膜19、SiO2膜15及び酸化防止膜14に形成する。
次に、レジストパターンを除去し、コンタクトホール21内に密着層としてTi膜及びTiN膜を形成した後、更にW膜を埋め込む。そして、これらの導電膜に対してCMPを行うことにより、密着層及びW膜からなる導電性プラグ28をコンタクトホール21内に残存させる。
次いで、上部電極24まで到達するコンタクトホール30及び下部電極22まで到達するコンタクトホール29を、他の所定形状のレジストパターン(図示せず)をマスクとしてドライエッチングにより、SiO2膜20及び保護膜19に形成する。
その後、レジストパターンを除去し、CMOSトランジスタ13を構成する拡散層と上部電極24とを接続する部分等を含むAl配線31をSiO2膜20上に形成する。
そして、図示しないが、更に、層間絶縁膜の形成、コンタクトプラグの形成及び下から第2層目以降の配線の形成等を行う。そして、例えばTEOS酸化膜及びSiN膜からなるカバー膜を形成して強誘電体キャパシタを有する強誘電体メモリを完成させる。
このような本実施形態では、PZT膜26a中に結晶粒界51が生成された時に、PZT膜26aの表面近傍に結晶粒界51に沿った空隙が形成される。しかし、その後にPZT膜26bを形成しているため、空隙はPZT膜26bにより埋め込まれる。一方、PZT膜26bについては、その結晶化を上部電極膜27の形成後に行うため、結晶粒界52が生成されても、空隙は実質的に形成されない。従って、リーク電流が低減される。
また、PZT膜26bの結晶化を上部電極膜27の形成後に行うことにより、分極反転量の低下を抑制することもできる。更に、強誘電体膜26を、互いに同じ材料からなるPZT膜26a及び26bから形成していることからも、高い分極反転量を得ることが可能である。但し、上部電極膜27としてPtを含有するものを用いると、前述のように、剥がれが生じやすくなったり、十分な分極反転量を得られなくなったりする。従って、上部電極膜27としては、Ptを含有しないものを用いる必要がある。
また、上述の方法によって、平面視での面積が、例えば2μm2程度の微細な強誘電体キャパシタを形成しようとする場合、その反転分極量がウェハの中心部において低くなることがある。この結果、ファンクション不良が生ずることがある。このような場合には、上部電極膜を構成する材料、例えば酸化イリジウムの抵抗率を上げるか、上部電極膜を形成した後に行う強誘電体膜の結晶化アニールの条件をより高温及び/又は長時間とすることが好ましい。
抵抗率については、例えばその平均値を350μΩcm〜410μΩcmとすることが好ましい。この場合、ウェハ面内のばらつきが±5%であると、抵抗率は約331μΩcm〜431μΩcmとなる。抵抗率の調整については、例えば上部電極膜を形成する際の酸素流量を増加させたり、スパッタパワーを低下させたりすることにより、上部電極膜の抵抗率を上げることができる。但し、スパッタパワーを変化させると、抵抗率だけでなく、上部電極膜の成膜速度にも影響が及ぶため、酸素流量の増加とスパッタパワーの低下とを比較すると、酸素流量の増加の方が好ましい。なお、上部電極膜の形成に当たり、使用装置及び使用ターゲット等を変更すると、他の条件を変更していなくても、得られる膜の抵抗率が相違することがある。このような場合にも、酸素流量及び/又はスパッタパワーを調整することが好ましい。
また、結晶化アニールの条件については、例えば、アニール温度を725℃とする場合は、処理時間を120秒間以上とし、アニール温度を750℃とする場合は、処理時間を20秒間以上とすることが好ましい。これらを一般化すると、その詳細は後述するが(第7の実験参照)、以下のようにして作製された基準ウェハに対して、Ar雰囲気中でその表面を下向きにして急速加熱処理を行った後の、当該基準ウェハの表面のシート抵抗が1218Ω/□以下となる熱量が得られる条件(例えば、温度及び時間の組み合わせ)下で結晶化アニールを行うことが好ましい。ここで用いられる基準ウェハは、導電型がN型であり、表面の面方位が(100)であり、抵抗率が4±1ΩcmであるSiウェハに、加速電圧を50keVとし、ドーズ量を1×1014atoms/cm2として、ツイスト角度が0°、チルト角度が7°の方向からB+をイオン注入した後に、当該Siウェハの裏面に厚さが20nmのTi膜及び厚さが180nmのPt膜を順次形成することにより、作製されたものである。
このような条件で強誘電体キャパシタを形成することにより、ウェハ面内での反転分極量のばらつきが抑制され、より一層高い歩留りで所望の特性を備えた半導体装置を得ることが可能となる。
なお、強誘電体膜の材料はPZTに限定されるものではなく、例えば、PZTに、Ca、Sr、La、Nb、Ta、Ir及び/又はWをドーピングしたものを用いることもできる。また、PZT系の膜以外に、SBT系の膜やBi層状系の膜を形成してもよい。また、第1の強誘電体膜と第2の強誘電体膜とで材料が異なっていてもよい。
また、強誘電体メモリのセルの構造は、1T1C型に限定されるものでなく、2T2C型であってもよい。
次に、本願発明者が実際に行った実験の結果について説明する。
(第1の実験)
第1の実験では、Si基板を熱酸化することにより、その表面に厚さが100nmのSiO2膜を形成した。次に、Al23ターゲットを用いたスパッタ法にて、SiO2膜上に厚さが20nmのAl23膜を形成した。このときの条件は、パワー:2kW、Ar流速:20sccm、温度:室温、成膜時間:34秒間とした。次いで、Ptターゲットを用いたスパッタ法にて、Al23膜上に厚さが155nmのPt膜を形成した。このときの条件は、パワー:1kW、Ar流速:116sccm、温度:350℃、成膜時間:93秒間とした。このPt膜を下部電極膜とした。
続いて、図4A乃至図4Cに示す3種の方法に基づいて強誘電体膜及び上部電極膜の形成を行った。図4Aは、本発明の実施例に係る方法を示すフローチャートであり、図4Bは、第1の比較例に係る方法を示すフローチャートであり、図4Cは、第2の比較例に係る方法を示すフローチャートである。なお、第1の比較例は、従来の方法に相当する。
本発明の実施例では、図4Aに示すように、上述のようにして下部電極膜を形成した後(ステップS1)、PZTターゲットを用いたスパッタ法にて、下部電極膜上に第1のPZT膜(PZT膜26aに相当する膜)を形成した(ステップS2)。このときの条件は、パワー:1kW、Ar流速:20sccm、温度:50℃、成膜時間:214秒間とした。この結果、第1のPZT膜の厚さは130nmであり、Pb量は1.13であった。なお、このPb量は、Pb、Zr、Tiの組成割合に関し、Zr及びTiの総量を1としたときのPbの量(割合)を示したものである。
次に、急速加熱処理装置を用いて第1のPZT膜の結晶化を行った(ステップS3)。このときの条件は、温度:585℃、Ar:1.975slm、O2流速:25sccm、加熱時間:90秒間とした。
次いで、PZTターゲットを用いたスパッタ法にて、第1のPZT膜上に第2のPZT膜(PZT膜26bに相当する膜)を形成した(ステップS4)。このときの条件は、パワー:1kW、Ar流速:20sccm、温度:50℃、成膜時間:33秒間とした。この結果、第2のPZT膜の厚さは20nmであり、Pb量は1.24であった。
続いて、Irターゲットを用いたスパッタ法にて、第2のPZT膜上に上部電極膜としてIrO2膜を形成した(ステップS5)。このときの条件は、パワー:2kW、Ar:100sccm、O2流速:56sccm、温度:20℃、成膜時間:9秒間とした。この結果、IrO2膜の厚さは47nmであった。
そして、急速加熱処理装置を用いて熱処理を行うことにより、第2のPZT膜を結晶化させた(ステップS6)。このときの条件は、温度:725℃、Ar流速:2slm、O2流速:20sccm、加熱時間:20秒間とした。
第1の比較例(従来例)では、図4Bに示すように、上述のようにして下部電極膜を形成した後(ステップS11)、PZTターゲットを用いたスパッタ法にて、下部電極膜上にPZT膜を形成した(ステップS12)。このときの条件は、パワー:1kW、Ar流速:20sccm、温度:50℃、成膜時間:247秒間とした。この結果、PZT膜の厚さは150nmであり、Pb量は1.13であった。
次に、急速加熱処理装置を用いてPZT膜の結晶化を行った(ステップS13)。このときの条件は、温度:585℃、Ar流速:1.975slm、O2流速:25sccm、加熱時間:90秒間とした。
続いて、Irターゲットを用いたスパッタ法にて、PZT膜上に上部電極膜としてIrO2膜を形成した(ステップS14)。このときの条件は、パワー:2kW、Ar流速:100sccm、O2流速:56sccm、温度:20℃、成膜時間:9秒間とした。この結果、IrO2膜の厚さは47nmであった。
そして、急速加熱処理装置を用いて熱処理を行うことにより、PZT膜を完全に結晶化させた(ステップS15)。このときの条件は、温度:725℃、Ar流速:2slm、O2流速:20sccm、加熱時間:20秒間とした。
第2の比較例では、図4Cに示すように、上述のようにして下部電極膜を形成した後(ステップS21)、PZTターゲットを用いたスパッタ法にて、下部電極膜上に第1のPZT膜を形成した(ステップS22)。このときの条件は、パワー:1kW、Ar流速:20sccm、温度:50℃、成膜時間:214秒間とした。この結果、第1のPZT膜の厚さは130nmであり、Pb量は1.13であった。
次に、急速加熱処理装置を用いて第1のPZT膜の結晶化を行った(ステップS23)。このときの条件は、温度:585℃、Ar:1.975slm、O2流速:25sccm、加熱時間:90秒間とした。
次いで、PZTターゲットを用いたスパッタ法にて、第1のPZT膜上に第2のPZT膜(PZT膜26bに相当する膜)を形成した(ステップS24)。このときの条件は、パワー:1kW、Ar流速:20sccm、温度:50℃、成膜時間:33秒間とした。この結果、第2のPZT膜の厚さは20nmであり、Pb量は1.24であった。
その後、第2のPZT膜の結晶化を行った(ステップS25)。このときの条件は、温度:585℃、Ar流速:1.975slm、O2流速:25sccm、加熱時間:90秒間とした。
続いて、Irターゲットを用いたスパッタ法にて、第2のPZT膜上に上部電極膜としてIrO2膜を形成した(ステップS26)。このときの条件は、パワー:2kW、Ar:100sccm、O2流速:56sccm、温度:20℃、成膜時間:9秒間とした。この結果、IrO2膜の厚さは47nmであった。
そして、急速加熱処理装置を用いて熱処理を行うことにより、第2のPZT膜を結晶化させた(ステップS27)。このときの条件は、温度:725℃、Ar流速:2slm、O2流速:20sccm、加熱時間:20秒間とした。
このようにして3種類の強誘電体キャパシタを形成した後、各強誘電体キャパシタの分極反転量及びリーク電流を測定した。分極反転量としては、上部電極膜及び下部電極膜間に3Vの電圧を印加したときの値を測定し、リーク電流としては、上部電極膜及び下部電極膜間に5Vの電圧を印加したときの値を測定した。この結果を表1に示す。
Figure 0004659436
表1に示すように、本発明の実施例では、従来例に相当する第1の比較例と比べると、分極反転量を高く維持したまま、リーク電流が2桁程度低くなった。一方、第2の比較例では、第1の比較例と比べると、リーク電流は低減されたが、分極反転量が3μC/cm2低下してしまった。
(第2の実験)
第2の実験では、図4Aに示す方法に従いつつ、第1のPZT膜の厚さ及び第2のPZT膜の厚さを変化させて種々の強誘電体キャパシタを作製した。このとき、第1及び第2のPZT膜の厚さは、成膜時間を変化させることにより調節し、総膜厚は120nmに固定した。そして、第1の実験と同様に、分極反転量及びリーク電流を測定した。この結果を図5A及び図5Bに示す。
図5A及び図5Bに示すように、第1のPZT膜の厚さを60nmとし第2のPZT膜の厚さを60nmとした試料Aでは、リーク電流は低かったが、分極反転量が著しく低かった。また、第1のPZT膜の厚さを120nmとし第2のPZT膜を形成しなかった試料Fでは、分極反転量は高かったが、リーク電流も高くなってしまった。これらに対し、第1のPZT膜の厚さを80nmとし第2のPZT膜の厚さを40nmとした試料B、第1のPZT膜の厚さを90nmとし第2のPZT膜の厚さを30nmとした試料C、第1のPZT膜の厚さを100nmとし第2のPZT膜の厚さを20nmとした試料D、及び第1のPZT膜の厚さを110nmとし第2のPZT膜の厚さを10nmとした試料Eでは、高い分極反転量が得られたと共に、リーク電流が低かった。
これらの結果より、第1のPZT膜(第1の強誘電体膜)の厚さが第2のPZT膜の厚さ以下となると、分極反転量が急激に低下し、逆に、第2のPZT膜の厚さが第1のPZT膜の厚さの50%以下であると、高い分極反転量が得られると考えられる。従って、第2の強誘電体膜の厚さは第1の強誘電体膜の厚さの50%以下とすることが好ましい。また、第2のPZT膜(第2の強誘電体膜)の厚さが厚いほど、リーク電流が低減されると考えられる。
(第3の実験)
第3の実験では、図4Aに示す方法に従い、強誘電体キャパシタを作製した。ステップS5では、上部電極膜として面内の平均抵抗率が337μΩcmのIrO2膜を形成した。また、ステップS6では、725℃で20秒間の熱処理を行った。強誘電体キャパシタの平面形状は、1.15μm×1.8μmの長方形とした。そして、分極反転量の面内分布の測定を行った。この結果を図6に示す。なお、図6では、下側にオリフラがある。これは、以下の面内分布を示す図でも同様である。
図6に示すように、ウェハの中心部に分極反転量が低い領域が集中した。分極反転量の最大値(544.9fC/セル)と最小値(239.3fC/セル)との差は約306fC/セルであった。また、分布3σの値は182fC/セルと高くなった。
(第4の実験)
第4の実験でも、図4Aに示す方法に従い、強誘電体キャパシタを作製した。ステップS5では、DCスパッタ装置を用いて、出力:2kW、Arガス流量:100sccm、O2ガス流量:60sccm、成膜温度:20℃、成膜時間:9秒間の条件下で、上部電極膜として面内の平均抵抗率が409μΩcmのIrO2膜をスパッタ法で形成した。また、ステップS6では、725℃で20秒間の熱処理を行った。強誘電体キャパシタの平面形状は、1.15μm×1.8μmの長方形とした。そして、分極反転量の面内分布の測定を行った。この結果を図7に示す。
図7に示すように、図6に示す結果と比較すると、ウェハの中心部における分極反転量が上昇し、周辺部における分極反転量が低下した。この結果、分極反転量の面内分布の均一性が向上した。即ち、分極反転量の最大値(522.9fC/セル)と最小値(439.5fC/セル)との差が約83fC/セルと低下し、また、分布3σの値も81fC/セルと低下した。
(第5の実験)
第5の実験でも、図4Aに示す方法に従いつつ、ステップS6の熱処理の条件を変更しながら2種類の強誘電体キャパシタを作製した。一方では、熱処理の条件を、温度:725℃、時間:120秒間とし、他方では、熱処理の条件を、温度:750℃、時間:20秒間とした。また、ステップS5では、上部電極膜として面内の平均抵抗率が337μΩcmのIrO2膜を形成した。強誘電体キャパシタの平面形状は、1.15μm×1.8μmの長方形とした。そして、分極反転量の面内分布の測定を行った。これらの結果を、夫々図8及び図9に順に示す。
図8に示すように、熱処理の条件を、温度:725℃、時間:120秒間とした場合には、図6に示す結果と比較すると、ウェハの中心部における分極反転量が上昇し、周辺部における分極反転量が低下した。この結果、分極反転量の面内分布の均一性が向上した。即ち、分極反転量の最大値(520fC/セル)と最小値(435fC/セル)との差が85fC/セルと低下し、また、分布3σの値も75fC/セルと低下した。
同様に、熱処理の条件を、温度:750℃、時間:20秒間とした場合にも、図9に示すように、図6に示す結果と比較すると、ウェハの中心部における分極反転量が上昇し、周辺部における分極反転量が低下した。この結果、分極反転量の面内分布の均一性が向上した。即ち、分極反転量の最大値(515fC/セル)と最小値(407fC/セル)との差が108fC/セルと低下し、また、分布3σの値も81fC/セルと低下した。
(第6の実験)
第6の実験では、図4Aに示す方法に従いつつ、ステップS6の熱処理の条件を変更しながら6種類の強誘電体キャパシタを作製した。即ち、熱処理の温度を725℃又は750℃とし、熱処理の時間を20秒間、60秒間又は120秒間とした。また、ステップS5では、上部電極膜として面内の平均抵抗率が337μΩcmのIrO2膜を形成した。強誘電体キャパシタの平面形状は、1.15μm×1.8μmの長方形とした。そして、分極反転量の面内分布3σを求めた。この結果を図10に示す。
図10に示すように、熱処理温度を725℃とした場合には、熱処理時間によって分布3σが大きく変動し、分布3σを好ましい100fC/セル以下にするためには、120秒間以上の熱処理を行う必要があると考えられる。一方、熱処理温度を750℃とした場合には、熱処理時間に拘わらず、20秒間以上であれば、分布3σは100fC/セル以下となった。
従って、ステップS6の熱処理では、熱処理温度を725℃とする場合は、熱処理時間を120秒間以上とし、750℃とする場合は、熱処理時間を20秒間以上とすることにより、十分な熱量が強誘電体キャパシタに与えられ、分極反転量の面内分布の均一性がより好ましい状態になるといえる。
(第7の実験)
第7の実験では、第6の実験で得られた温度及び時間の範囲をより一般化するための実験及び検討を行った。
先ず、導電型がN型であり、表面の面方位が(100)であり、抵抗率が4±1ΩcmであるSiウェハを用意した。次に、このSiウェハに、加速電圧を50keVとし、ドーズ量を1×1014atoms/cm2として、ツイスト角度が0°、チルト角度が7°の方向からB+をイオン注入した。次いで、このSiウェハの裏面に、厚さが20nmのTi膜及び厚さが180nmのPt膜を順次形成することにより、基準ウェハを作製した。その後、この基準ウェハに対して、Ar雰囲気中でその表面を下向きにして、即ちPt膜が形成された面を上向きにして急速加熱処理を行った。この急速加熱処理では、第6の実験と同様に、熱処理の温度を725℃又は750℃とし、熱処理の時間を20秒間、60秒間又は120秒間とした。そして、各試料のシート抵抗を測定した。各試料における最大のシート抵抗を図11に示す。
図11に示すように、熱処理中の熱量が低いほど、シート抵抗が高くなった。つまり、処理温度が低いほど、処理時間が短いほど、ウェハに与えている熱量は少なく、これに伴ってシート抵抗が高くなった。
また、図12に、基準ウェハのシート抵抗と、分極反転量の面内分布3σとの関係を示す。なお、基準ウェハのシート抵抗は、Ar中での熱処理を行った後に行った測定により得られた値であり、分極反転量の面内分布3σは、Arガス及びO2ガスの混合ガス中で熱処理を行った後に行った測定により得られた値であり、互いの雰囲気ガスは相違している。但し、この相違は熱量に影響を及ぼすものではない。
図12に示すように、分極反転量の面内分布3σは、シート抵抗が1218Ω/□以下のときに最小となると共に、一定となった。つまり、基準ウェハに対して、その表面のシート抵抗が1218Ω/□以下となるような熱量を、上部電極膜を形成した後の熱処理で強誘電体キャパシタに与えることにより、100fC/セル以下の分極反転量の面内分布3σを得ることができるといえる。
(第8の実験)
第8の実験でも、図4Aに示す方法に従い、強誘電体キャパシタを作製した。ステップS5では、第4の実験と同様にして、上部電極膜として面内の平均抵抗率が409μΩcmのIrO2膜を形成した。また、ステップS6では、第5の実験と同様にして、725℃で120秒間の熱処理を行った。強誘電体キャパシタの平面形状は、1.15μm×1.8μmの長方形とした。そして、分極反転量の面内分布の測定を行った。この結果を図13に示す。
図13に示すように、ウェハ中心部での分極反転量の低い領域はほとんど消失し、分極反転量の面内分布の均一性が著しく向上した。即ち、分極反転量の最大値(580.5fC/セル)と最小値(535.8fC/セル)との差が約45fC/セルと低下し、また、分布3σの値も33fC/セルCellと低下した。このように、第8の実験では、図6に示す結果だけでなく、図7や図8に示す結果と比較しても、更に分布の均一性が改善された。また、分極反転量の絶対値自体も大きくなった。
(第9の実験)
第9の実験でも、図4Aに示す方法に従いつつ、上部電極膜(IrO2膜)の面内の平均抵抗率を変化させながら強誘電体キャパシタを作製した。ステップS6では、第5の実験と同様にして、725℃で120秒間の熱処理を行った。強誘電体キャパシタの平面形状は、1.15μm×1.8μmの長方形とした。そして、上部電極膜の面内の平均抵抗率と分極反転量の面内分布3σとの関係を求めた。この結果を図14に示す。
図14に示すように、平均抵抗率が350〜410μΩcmの範囲で、分極反転量の分布3σは80fC/セル以下となり、良好な分布が得られた。なお、本実験ではウェハ面内での抵抗率のばらつきは±5%であった。このため、ウェハ面内でのばらつきを考慮すると、上部電極膜の抵抗率を、ウェハ面内の各点において331〜431μΩcmとすることが好ましい。
以下、本発明の諸態様を付記としてまとめて記載する。
(付記1)
下部電極膜を形成する工程と、
前記下部電極膜上に非晶質の第1の強誘電体膜を形成する工程と、
前記第1の強誘電体膜を結晶化させる工程と、
前記第1の強誘電体膜上に非晶質の第2の強誘電体膜を形成する工程と、
前記第2の強誘電体膜上に、Ptを含有しない上部電極膜を形成する工程と、
前記第2の強誘電体膜を結晶化させる工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記2)
前記第1の強誘電体膜と前記第2の強誘電体膜とを、互いに同じ材料を用いて形成することを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
(付記3)
前記第1及び第2の強誘電体膜として、Pb(Zrx,Ti1-x)O3(0≦x≦1)膜、又はこれにCa、Sr、La、Nb、Ta、Ir及びWからなる群から選択された少なくとも1種の元素をドーピングした膜を形成することを特徴とする付記1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
(付記4)
前記第2の強誘電体膜の厚さを前記第1の強誘電体膜の厚さの50%以下とすることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
(付記5)
前記第1及び第2の強誘電体膜を、スパッタ法により形成することを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
(付記6)
前記上部電極膜として、酸化イリジウム膜を形成することを特徴とする付記1乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
(付記7)
前記第1及び第2の強誘電体膜として、結晶化後の構造がペロブスカイト型構造となる膜を形成することを特徴とする付記1乃至6のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
(付記8)
前記上部電極膜として、平均抵抗率が350μΩcm乃至410μΩcmの膜を形成することを特徴とする付記1乃至7のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
(付記9)
前記上部電極膜として、各点の抵抗率が331μΩcm乃至431μΩcmの膜を形成することを特徴とする付記8に記載の半導体装置の製造方法。
(付記10)
前記第2の強誘電体膜を結晶化させる工程は、前記第2の強誘電体膜に対して、725℃で120秒間以上の熱処理を行う工程を有することを特徴とする付記1乃至9のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
(付記11)
前記第2の強誘電体膜を結晶化させる工程は、前記第2の強誘電体膜に対して、750℃で20秒間以上の熱処理を行う工程を有することを特徴とする付記1乃至9のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
(付記12)
前記第2の強誘電体膜を結晶化させる工程は、
導電型がN型であり、表面の面方位が(100)であり、抵抗率が4±1ΩcmであるSiウェハに、加速電圧を50keVとし、ドーズ量を1×1014atoms/cm2として、ツイスト角度が0°、チルト角度が7°の方向からB+をイオン注入した後に、当該Siウェハの裏面に厚さが20nmのTi膜及び厚さが180nmのPt膜を順次形成することにより作製された基準ウェハに対して、Ar雰囲気中でその表面を下向きにして急速加熱処理を行った後の、当該基準ウェハの表面のシート抵抗が1218Ω/□以下となる熱量が得られる条件下で、
前記第2の強誘電体膜に対して、熱処理を行う工程を有することを特徴とする付記1乃至9のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
(付記13)
下部電極と、
前記下部電極上に形成された第1の強誘電体膜と、
前記第1の強誘電体膜上に、前記第1の強誘電体膜の表面に存在する空隙を埋め込むようにして形成された第2の強誘電体膜と、
前記第2の強誘電体膜上に形成された上部電極と、
を有し、
前記第2の強誘電体膜の表面には、前記第1の強誘電体膜の表面に存在するような空隙が実質的に存在しないことを特徴とする半導体装置。
(付記14)
前記第1及び第2の強誘電体膜は、Pb(Zrx,Ti1-x)O3(0≦x≦1)膜、又はこれにCa、Sr、La、Nb、Ta、Ir及びWからなる群から選択された少なくとも1種の元素がドーピングされた膜であることを特徴とする付記13に記載の半導体装置。
(付記15)
前記第2の強誘電体膜の厚さは、前記第1の強誘電体膜の厚さの50%以下であることを特徴とする付記13又は14に記載の半導体装置。
(付記16)
前記上部電極は、Ptを含有しないことを特徴とする付記13乃至15のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記17)
前記上部電極は、酸化イリジウムを含有することを特徴とする付記13乃至16のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記18)
前記上部電極の平均抵抗率は、350μΩcm乃至410μΩcmであることを特徴とする付記13乃至17のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記19)
前記上部電極の各点の抵抗率は、331μΩcm乃至431μΩcmであることを特徴とする付記13乃至17のいずれか1項に記載の半導体装置。
(付記20)
前記第1及び第2の強誘電体膜の結晶化後の構造は、ペロブスカイト型構造であることを特徴とする付記13乃至19のいずれか1項に記載の半導体装置。
本発明の実施形態に係る方法によって製造する強誘電体メモリ(半導体装置)のメモリセルアレイの構成を示す回路図である。 本発明の実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。 図2Aに引き続き、実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。 図2Bに引き続き、実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。 図2Cに引き続き、実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。 図2Dに引き続き、実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。 図2Eに引き続き、実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。 図2Fに引き続き、実施形態に係る強誘電体メモリの製造方法を工程順に示す断面図である。 強誘電体膜26の形成方法を工程順に示す断面図である。 図3Aに引き続き、強誘電体膜26の形成方法を工程順に示す断面図である。 図3Bに引き続き、強誘電体膜26の形成方法を工程順に示す断面図である。 図3Cに引き続き、強誘電体膜26の形成方法を工程順に示す断面図である。 図3Dに引き続き、強誘電体膜26の形成方法を工程順に示す断面図である。 強誘電体膜及び上部電極膜の形成方法の例を示すフローチャートである。 強誘電体膜及び上部電極膜の形成方法の他の例を示すフローチャートである。 強誘電体膜及び上部電極膜の形成方法の更に他の例を示すフローチャートである。 分極反転量及びリーク電流を示すグラフである。 リーク電流を示すグラフである。 第3の実験の結果を示す図である。 第4の実験の結果を示す図である。 第5の実験の結果を示す図である。 同じく、第5の実験の結果を示す図である。 処理時間と分極反転量の面内分布3σとの関係を示すグラフである。 処理時間とシート抵抗との関係を示すグラフである。 基準ウェハのシート抵抗と分極反転量の面内分布3σとの関係を示すグラフである。 第8の実験の結果を示す図である。 抵抗率と分極反転量の面内分布3σとの関係を示すグラフである。
符号の説明
1:強誘電体キャパシタ
2:MOSトランジスタ
3:ビット線
4:ワード線
5:プレート線
25:下部電極膜
26a、26b:PZT膜
27:上部電極膜
51、52:結晶粒界

Claims (8)

  1. 下部電極膜を形成する工程と、
    前記下部電極膜上に非晶質の第1の強誘電体膜を形成する工程と、
    次に、前記第1の強誘電体膜の全体を非晶質の状態から結晶化した状態に変化させる工程と、
    次に、前記第1の強誘電体膜上に非晶質の第2の強誘電体膜を形成する工程と、
    次に、前記第2の強誘電体膜上に、Ptを含有しない上部電極膜を形成する工程と、
    次に、前記第2の強誘電体膜を結晶化させる工程と、
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記第1の強誘電体膜と前記第2の強誘電体膜とを、互いに同じ材料を用いて形成することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記第1及び第2の強誘電体膜として、Pb(Zrx,Ti1-x)O3(0≦x≦1)膜、又はこれにCa、Sr、La、Nb、Ta、Ir及びWからなる群から選択された少なくとも1種の元素をドーピングした膜を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記第2の強誘電体膜の厚さを前記第1の強誘電体膜の厚さの50%以下とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記上部電極膜として、酸化イリジウム膜を形成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記上部電極膜として、平均抵抗率が350μΩcm乃至410μΩcmの膜を形成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記第2の強誘電体膜を結晶化させる工程は、前記第2の強誘電体膜に対して、725℃で120秒間以上の熱処理を行う工程を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記第2の強誘電体膜を結晶化させる工程は、前記第2の強誘電体膜に対して、750℃で20秒間以上の熱処理を行う工程を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
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