JP4659029B2 - オメガ−ハロアルキルジアルキルシランの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はω−ハロアルキルジアルキルシランの製造方法に関する。
本発明は、特に、アリルクロライドと白金族金属触媒を使用したジメチルハイドロクロロシランのヒドロシリル化による3−クロロプロピルジメチルクロロシランの製造および前記金属の回収方法に関する。
このタイプの反応では、多くの場合、充分な収量を得るためには使用される白金族金属の量が多い。一般に、金属触媒の量は反応混合物の総重量に対する計算値が30ppmを超える。経済的に実現可能な工程とするためには、触媒として再利用するために白金族金属を回収できることが望ましい。
式(I)のω−ハロアルキルジアルキルハロシランの製造の方法は、特許文献1で提示されている:
Hal------(R2R3)Si---(CH2)S---Hal (I)
それは、触媒有効量のヒドロシリル化白金族金属触媒の存在下において、式(II)のシランおよび式(III)のアルケンハロゲン化物を含む反応混合物のヒドロシリル化反応を用いる:
Hal------(R2R3)Si−H (II)
CH=CH-(CH2)S-2Hal (III)
上記式において:
−記号Halは、塩素、臭素およびヨウ素の原子から選択されるハロゲン原子を表し、塩素原子が好ましく、
−記号R2およびR3は、同一であっても異なっていてもよく、各々1〜6まで炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル基、及びフェニル基から選択された一価の炭化水素基を示し、そして、
−sは2〜10の整数を示す。
前記工程において、ヒドロシリル化反応の最後には、反応混合物を蒸留して式(I)の生成物を分離する。この蒸留によって、蒸留で分離されなかった少量の式(I)の生成物、副生成物および使用された触媒金属を含む液体残留物が生じる。
先行技術の教示によると、触媒金属は、以下の段階を踏むことにより液体蒸留残留物から回収することができる:
−触媒金属を吸着する有効量の固体に液体残留物を直接接触させる:またもうひとつの方法としては、加水分解するために液体残留物を水と接触させて水相と有機相を得、そして触媒金属を吸着する有効量の固体を用いて有機相または水相/有機相を一体として処理する;そして
−前記の金属を回収するために、金属と吸着材を分離する。
蒸留残留物を水と接触させることで、化学反応により、全てまたは少なくとも大部分のSi−Hal基がSi−OH基およびシロキサン鎖Si−O−Siに変わり、当該残留物は不活性となる:
Si-Hal+H2O→Si-OH+H-Hal
Si-OH+Si-Hal→Si-O-Si+H-HalおよびSi-OH+Si-OH→Si-O-Si+H2O
記載されたこの方法そのものは、最も経済的な方法のひとつではなく、なおその上、加水分解の後に40〜50重量%の範囲で強い酸性(H−Hal)を有する水相を含む残留物を処理する必要性のために、環境毒性があるという欠点を有する。
国際公開番号WO2004/016628パンフレット
これに関連して、本発明の本質的な目的のひとつは、加水分解の水相に存在するH−Hal形成の量を最小にすることができるように加水分解の反応速度が完全に制御されている、先に記載されたタイプのω−ハロアルキルジアルキルシランの製造方法を提案することである。
本発明の別の本質的な目的は、吸着性の固体への触媒金属吸着の段階を利用しないことで触媒金属の回収に用いられる手順が簡易となったω−ハロアルキルジアルキルシランの製造方法を提案することである。
本発明の別の本質的な目的は、残留物について処理し易く、かつ加水分解性ハロゲンSi−Halを、Halの重量として2%以下の低い含有量とすることができるω−ハロアルキルジアルキルシランの製造方法を提案することである。
さらに本発明の別の目的は、触媒製造業者に公知の従来の手法を利用することにより、しかし、どんな吸着性の固体も使用することなく、また産業上実行可能とする全ての必要条件、特に、極度に酸性が抑制されるよう有害性を無くすことや、高価な耐酸材料を使用する必要のない操作の可能性を満たすことなく、触媒金属が蒸留残留物から回収されるω−ハロアルキルジアルキルシランの製造方法を提供することである。
これらの目的は、特に本発明によって達成される。したがって、本発明は式(I)のω−ハロアルキルジアルキルシランの製造方法に関する:
Hal------(R2R3)Si---(CH2)S---Hal (I)
それは、触媒有効量のヒドロシリル化白金族金属触媒の存在下において、式(II)のシランおよび式(III)のアルケンハロゲン化物を含む反応混合物のヒドロシリル化反応を用いる:
Hal------(R2R3)Si−H (II)
CH=CH-(CH2)S-2Hal (III)
上記式において:
−記号Halは、塩素、臭素およびヨウ素の原子から選択されるハロゲン原子を表し、塩素原子が好ましく、
−記号R2およびR3は、同一であっても異なっていてもよく、各々1〜6まで炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル基、及びフェニル基から選択された一価の炭化水素基を示し、そして、
−sは2〜10の整数を示す。
前記工程において、ヒドロシリル化反応の最後には、反応混合物を蒸留して式(I)の生成物を分離する。この蒸留によって、蒸留で分離されなかった少量の式(I)の生成物、副生成物および使用された触媒金属を含む液体残留物が生じ、その後、前記残留物から触媒金属を回収する操作がされる。
前記方法は、触媒金属回収のために以下が実行されることを特徴とする:
・反応混合物の蒸留から生じた、触媒白金族金属を含む残留物の制御された加水分解。前記金属は、触媒の原形にあるか、または変化した形にある。当該制御された加水分解は、以下を可能とする特定の手順によって行われる:
a)残留物中の式(I)の生成物のSi−Hal基と水との反応
b)基本的に気相状態で形成されたハロゲン含有酸H−Halの分離、および
c)加水分解性ハロゲンSi−Halを、Halの重量として2%以下の低い含有量で有する触媒金属を含む水媒体の作製。
・次に、どんな吸着性の固体も必要とせず、耐酸性を必要としない普通の装置で行われる触媒製造業者に公知の1以上の従来技術の適用による、前記水媒体からの触媒白金族金属の回収。
該白金族金属はプラチナ、イリジウム、パラジウム、ロジウム、ルテニウムおよびオスミウムから選択され、好ましい金属はイリジウムである。好ましい実施例の範囲の中では、適切なIr−ベースの触媒は、特に以下の通りである:
[IrCl(CO)(PPh3)2]
[Ir(CO)H(PPh3)3]
[Ir(C8H12)(C5H5N)P(C6H11)3]PF6
[IrCl3]・nH2O
H2[IrCl6]・nH2O
(NH4)2IrCl6
Na2IrCl6
K2IrCl6
KIr(NO)Cl5
[Ir(C8H12)2]+BF4 -
[IrCl(CO)3]n
H2IrCl6
Ir4(CO)12
Ir(CO)2(CH3COCHCOCH3)
Ir(CH3COCHCOCH3)
IrBr3
IrCl3
IrCl4
IrO2
(C6H7)(C8H12)Ir
先に言及したさらに多くの好ましい実施例の範囲の中では、
他のさらに適切なIr−ベースの触媒は、以下の(IV)式のイリジウム複合物の群から選択される:
[Ir(R4)Hal]2 (IV)
式中:
−記号R4は、少なくとも1の炭素=炭素の二重結合および/または少なくとも1の炭素≡炭素の三重結合不飽和炭化水素を含む不飽和炭化水素配位子を示す。これらの不飽和結合は共役でも非共役でもよく、前記配位子は、直鎖または環状(単環または多環)であり、4〜30の炭素原子を有し、1〜8のエチレンおよび/またはアセチレン不飽和を有し、任意に酸素原子および/またはケイ素原子等の1以上のヘテロ原子を含む。
−記号Halは上で定義されている。
式(IV)のイリジウム複合物のさらに適切な例として、以下の式を挙げることができる:
・記号R4は、1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−シクロヘキサジエン、1,3−シクロオクタジエン、1,5−シクロオクタジエン、1,5,9−シクロドデカトリエンおよびノルボルナジエン、ならびに以下の化合物から選択される:
Figure 0004659029
・記号Halは塩素原子を示す。
さらに適切なイリジウム複合物の具体例として、以下の触媒を挙げることができる:
ジ−μ−クロロビス(ジビニルテトラメチルジシロキサン)ジイリジウム、
ジ−μ−クロロビス(η−1,5−ヘキサジエン)ジイリジウム、
ジ−μ−ブロモビス(η−1,5−ヘキサジエン)ジイリジウム、
ジ−μ−ヨードビス(η−1,5−ヘキサジエン)ジイリジウム、
ジ−μ−クロロビス(η−1,5−シクロオクタジエン)ジイリジウム、
ジ−μ−ブロモビス(η−1,5−シクロオクタジエン)ジイリジウム、
ジ−μ−ヨードビス(η−1,5−シクロオクタジエン)ジイリジウム、
ジ−μ−クロロビス(η−2,5−ノルボルナジエン)ジイリジウム、
ジ−μ−ブロモビス(η−2,5−ノルボルナジエン)ジイリジウム、または
ジ−μ−ヨードビス(η−2,5−ノルボルナジエン)ジイリジウム。
本発明の範囲の中にあり続けながら、白金族金属ベースの触媒の他に、少なくともひとつのヒドロシリル化反応促進剤を使用することができる。
任意の促進剤として以下のものを列挙できる:例えばリガンドまたはイオン化合物の形にある化合物であって、有機過酸化物、カルボン酸、カルボン酸塩、3級ホスフィン、任意に混合されたアルキルおよび/またはアリールホスファイト等のホスファイト、アミン、アミド、直鎖または環状のケトン、トリアルキルヒドロシラン、ベンゾトリアゾール、フェノチアジン;化合物タイプとして、金属がAs、SbまたはPである三価金属−(C653錯体、1以上の≡Si−H基を含むオルガノシリコン化合物とアミンまたはシクロヘキサノンとの混合物、CH2=CH−CH2−OH化合物またはCH2=CH−CH2−OCOCH3、ラクトン、シクロヘキサノンとトリフェニルホスフィンの混合物、ハロゲン化ホスホニウム、ハロゲン化第4級アンモニウムまたはハロゲン化スズ(II)を含む群から特に選択される。
任意の促進剤が1(以上)使用されるとき、通常は、標準の状態または以下をベースとしたプレミックスとして反応の始めに添加される:促進剤+触媒、促進剤+式(II)のジオルガノハロシランの全部または一部、促進剤+式(III)のハロゲンアルケンの全部または一部。
別の好ましい実施形態では、JP−B−2938731およびEP−A−1156052に記載されるように触媒は均一な液体媒体の中で使用できる。これに関しては、連続的に、または半連続的に、または不連続的に反応を行うことができる。操作の終わりに、式(I)が形成された生成物および触媒白金族金属が上述のように回収される。
式(III)のハロゲン化アルキルの使用量は、好ましくは、式(II)のシラン1molにつき1〜2molである。触媒(i)の量については、白金族金属の重量で表され、式(II)のシランの重量を基準に、1〜10000ppm、好ましくは10〜2000ppm、さらに好ましくは20〜1000ppmの範囲である。
本発明によると、その結果、液体蒸留残留物は、全てまたは少なくとも大部分のSi−Hal基がシラノール基Si−OHおよびシロキサン鎖Si−O−Siに変換するのに十分な量の水と接触することになる。
本発明の教示を度外視しても、液体残留物を水と接触させることは、確実に加水分解性Si−Hal基の加水分解を招くが、このようにして形成されたハロゲン含有酸H−Halは媒質に溶解する。このハロゲン含有酸を分解する簡単な方法、例えば、塩基(NaOH等)との化学反応は当業者によく知られている。しかしながら、我々の行った実験では、水、酸および塩基の存在下において、反応混合物の蒸留により生じる残留物が取り扱いの難しいスラッジの形成を招くことを示している。
一般に、蒸留残留物は、式(I)のハロシランを一定の割合で含む。それは、蒸留では分離されず、また、およそ40〜50wt%の総ハロゲンの含有と、およそ15〜25wt%のハロゲンイオンにつながるジシランに相当する。総ハロゲンとは、残留物に存在する全てのハロゲン原子を意味し、ハロゲンイオンとは、いわゆる加水分解性ハロゲンの全て、すなわち実質的には、水と反応し、対応するハロゲン含有酸を形成することができるSi−Hal基を意味する。
残留物に水を添加し、半連続方式で加水分解を行うことが推奨される。この加水分解は、媒質中で水が蓄積するのを避けるために、水を投入する速度を調節して「制御される」ので、各々の瞬間に形成されたH−Hal酸は水相に溶解しない。実際、ハロゲン含有酸H−Halは水に非常によく溶解する。そして反応の間、気体の形態で分離されることを促すため、実質的に水が欠損するように、酸溶解についての化学量論に相応して水の流入速度は調節される必要がある。
一方、使用する水量は密接にハロゲン含有酸の脱気能力に関連する。それは時間をかけて蓄積された水の機能であり、また他方、加水分解反応器の撹拌速度、温度および/またはハロゲン含有酸のキャリアガス(「ストリッピング」(“stripping”)システム)の役割を果たす不活性ガスの有無等と同じ操作パラメータである。有利には、形成されたハロゲン含有酸の脱気は、形成されたハロゲン化水素H−Hal及び残留物を構成する生成物に対して不活性なガスを用いたストリッピングによって促進される。この場合、窒素またはアルゴンを使用し、ハロシランと反応するアルコールの蒸気を避けることが推奨される。
制御された加水分解は、常圧または減圧下で、任意には、上記の不活性ガスの存在下で行うことができる。
実際には、加水分解性ハロゲン(Si−Hal基)1molに対し、使用水量は、1〜5mol、好ましくは1〜3molの範囲である。
実施においても、媒質への水の蓄積によって、形成されたH−Hal酸が各々の瞬間で溶解することを避けるため、水は制御された流入速度で蒸留残留物に加えられる。この流入速度の正確な値は、加水分解反応器の形状による特性とこの操作システムが使用されている時のストリッピングの条件(不活性ガスの種類、不活性ガスの流速、加水分解温度、反応器のストリッピングスピード)に依存する。当業者は、簡単な試験によって、各操作に用いられる流入速度の正確な値を容易に決定できる。
具体的な、ただし非限定的な例としては、1〜3リッターの反応器で行う場合、少なくとも400gの原料を中に入れ、200〜600回転/分の速度で操作される機械的攪拌機を備えて、1時間10〜50gの流速のストリッピングガスを使用し、40〜60℃の範囲の温度で加熱し、水は、1分間に、加水分解性ハロゲン1molに対し、0.001〜0.04mol、好ましくは0.002〜0.015molの流速で蒸留残留物に加えられる。
加水分解が蒸留残留物において制御なしに行われる場合、形成されたハロゲン含有酸は、媒質に部分的にまたは完全に溶解し、ハロゲンイオンの割合は15wt%を超えて維持される。この方法での実施においては、工程によって水相の形成と有機相の形成が起こり、これらの二相の間には、金属触媒が同じ質量で分布している。このルートで反応残留物を不活性にする目的を達成することは、実際に可能であるが、その際、取り扱いが困難なスラッジが形成され、信頼性のある再現可能な工程とはならない。さらに、このルートは金属触媒の質的および量的な分析の問題点を示す。
制御された加水分解は、0℃〜100℃の温度にて、常圧で行うことができる。反応は発熱反応なので、10℃〜80℃の範囲の適度な温度の水を加えることが好ましい。温度制御は必要であることは証明できる。残留物に水が加えられると、得られる混合物は、回収される触媒金属を含む有機相を含む単相である。
好ましくは、式(I)の生成物は3−クロロプロピルジメチルクロロシラン、式(II)の生成物はジメチルヒドロクロロシラン、そして、式(II)の生成物はアリルクロライドである。この場合、ハロゲン化水素で形成されたH−HalはHClである。
以下の実施例は、範囲を限定することなく本発明を説明する。
以下の実施例では、ジメチルヒドロクロロシランの重量に対し500ppmのジ−μ−クロロビス(η−1,5−シクロオクタジエン)ジイリジウムの存在下、アリルクロライドにおけるジメチルヒドロクロロシランのヒドロシリル化反応が、攪拌機、還流冷却器および温度計を備えた反応器中で、最初に行われる。ジメチルヒドロクロロシランは、38℃の温度で7時間かけて、反応混合物に液滴状にて添加される。このようにして得られた最終的な媒質は、以下の実施例のいくつかにおいて処理される反応混合物を構成する。3−クロロプロピルジメチルクロロシランは、蒸留によって反応混合物から分離され、触媒を含む液体蒸留残留物が得られる。これは、以下の実施例で扱われる蒸留残留物である。
実施例1:
塩素イオン含有量を2wt%未満に制限する、残留物のコントロールされた加水分解:
1.2wt%のイリジウムを含む蒸留残留物400gを攪拌機(400回転/分で作動する3枚羽根タイプの攪拌機)およびアルゴンの掃気(流量14g/h)を備えた1リットルの反応器に投入する。加水分解性塩素の含有量は20wt%であり、2.25molに相当する。反応混合物は、攪拌され、50℃で加熱される。
120gの水を0.400g/分の流速で、すなわち加水分解性塩素1molにつき、および1分間に0.009molの水を加える。
試験の間中、この温度条件を維持する。ガスの形で放出された塩酸は、循環する水の中に30wt%で希釈されたソーダ蒸気のカラム中に捕捉される。最終的な媒質を回収し、塩素イオンを分析する:最終的含有量は0.13wt%である。
この実施例では、水と加水分解性塩素のモル比は2.96である。
実施例2:
塩素イオン含有量を2wt%未満に制限する、残留物のコントロールされた加水分解:
1.2wt%のイリジウムを含む実施例1で使用したものと同一の蒸留残留物800gを攪拌機(400回転/分で作動する3枚羽根タイプの攪拌機)およびアルゴンの掃気(流量14g/h)を備えた1リットルの反応器に投入する。反応混合物は、攪拌され、50℃で加熱される。加水分解性塩素の含有量は、4.5molである。
次に、160gの水を0.5g/分の流速で、すなわち加水分解性塩素1molにつき、および1分間に0.006molの水を加え、1時間この温度条件を維持する。最終的な媒質を回収し、塩素イオンを分析する:最終的含有量は0.30wt%である。
この実施例では、水と加水分解性塩素のモル比は1.97である。
比較例:
塩素イオン含有量を2wt%未満に制限することが不可能である、残留物の加水分解:
1.2wt%のイリジウムを含む実施例1で使用したものと同一の蒸留残留物800gを攪拌機(400回転/分で作動する3枚羽根タイプの攪拌機)およびアルゴンの掃気(流量14g/h)を備えた1リットルの反応器に投入する。反応混合物は、攪拌され、50℃で加熱される。加水分解性塩素の含有量は、4.5molである。
次に、160gの水を5g/分の流速で、すなわち加水分解性塩素1molにつき、および1分間に0.06molの水を加え、1時間この温度条件を維持する。最終的な媒質を回収し、塩素イオンを分析する:最終的含有量は4.30wt%である。
この実施例では、水と加水分解性塩素のモル比は1.97である。

Claims (9)

  1. 下記式(I)のω−ハロアルキルジアルキルハロシランの製造方法であって、
    Hal------(R2R3)Si---(CH2)S---Hal (I)
    触媒有効量のヒドロシリル化白金族金属触媒存在下での下記式(II)のシランおよび下記式(III)のアルケンハロゲン化物を含む反応混合物のヒドロシリル化反応を用い、
    Hal------(R2R3)Si−H (II)
    CH=CH-(CH2)S-2Hal (III)
    上記式中、
    −記号Halは、塩素、臭素およびヨウ素の原子から選択されるハロゲン原子を表し、
    −記号R2およびR3は、同一であっても異なっていてもよく、各々1〜6までの炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル基、及びフェニル基から選択された一価の炭化水素基を示し、および、
    −sは2〜10の整数を示し、
    前記方法は、
    ヒドロシリル化反応の最後に、式(I)のシランを分離するための反応混合物の蒸留工程、
    前記蒸留により蒸留では分離されなかった少量の式(I)のシラン、副生成物および使用された触媒金属を含む液体残留物が生じ、その残留物からの触媒金属の回収工程を含み、
    前記方法は、触媒金属回収のために以下が実行されることを特徴とする:
    ・反応混合物の蒸留から生じた、触媒白金族金属を含む残留物の制御された加水分解であって、前記金属は、触媒の原形にあるか、または変化した形にあり、当該制御された加水分解は、以下の手順によって行われる:
    a)水の量を加水分解性ハロゲン1molあたり1〜5molの範囲で加えることによる、残留物中の式(I)のシランのSi−Hal基と水との反応
    b)気相状態で形成されたハロゲン含有酸、H−Halの分離、および
    c)加水分解性ハロゲン化合物Si−Halを、Halの重量として2%以下の低い含有量で有する触媒金属を含む水媒体の作製、
    ・次に、どんな吸着性の固体も必要とせず、耐酸性を必要としない普通の装置で行われる触媒製造業者に公知の1以上の従来技術の適用による、前記水媒体からの触媒白金族金属の回収。
  2. 前記白金族金属がプラチナ、イリジウム、パラジウム、ルテニウムおよびオスミウムから選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記式中sが3であり,前記白金族金属がイリジウムであることを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
  4. 前記触媒が、下記(IV)式に該当することを特徴とする請求項3記載の方法:
    [Ir(R4)Hal]2 (IV)
    式中:
    −記号R4は、少なくとも1の炭素=炭素の二重結合および/または少なくとも1のC≡C三重結合不飽和炭化水素を含む不飽和炭化水素配位子を示し、これらの不飽和結合は共役でも非共役でもよく、前記配位子は、直鎖または環状(単環または多環)であり、4〜30の炭素原子を有し、1〜8のエチレンおよび/またはアセチレン不飽和を有し、任意に1以上のヘテロ原子を含む。
  5. 前記触媒が以下から選択されることを特徴とする請求項4記載の方法:
    ジ−μ−クロロビス(ジビニルテトラメチルジシロキサン)ジイリジウム、
    ジ−μ−クロロビス(η−1,5−ヘキサジエン)ジイリジウム、
    ジ−μ−ブロモビス(η−1,5−ヘキサジエン)ジイリジウム、
    ジ−μ−ヨードビス(η−1,5−ヘキサジエン)ジイリジウム、
    ジ−μ−クロロビス(η−1,5−シクロオクタジエン)ジイリジウム、
    ジ−μ−ブロモビス(η−1,5−シクロオクタジエン)ジイリジウム、
    ジ−μ−ヨードビス(η−1,5−シクロオクタジエン)ジイリジウム、
    ジ−μ−クロロビス(η−2,5−ノルボルナジエン)ジイリジウム、
    ジ−μ−ブロモビス(η−2,5−ノルボルナジエン)ジイリジウム、または
    ジ−μ−ヨードビス(η−2,5−ノルボルナジエン)ジイリジウム。
  6. 式(I)のシラン、(II)のシランおよび(III)のアルケンハロゲン化物によって形成された反応混合物の総重量に対する前記触媒含有量の金属触媒の重量として計算された値が、30ppmを超えることを特徴とする請求項4または5記載の方法。
  7. 前記加水分解を、半連続方式で、前記残留物に水を添加し、かつ、媒質中に水が蓄積するのを避け、どの瞬間に形成されたH−Hal酸も水相に溶解しないように水添加速度を調節することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
  8. 形成された前記ハロゲン含有酸の脱気が、形成されたハロゲン化水素H−Hal及び残留物を構成する生成物に対して不活性なガスを用いたストリッピングによって促進されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
  9. 式(I)のシランが、3−クロロプロピルジメチルクロロシラン、式(II)のシランが、ジメチルヒドロクロロシラン、式(III)のアルケンハロゲン化物が、塩化アリルであることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項記載の方法。
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