JP4658458B2 - 膜厚測定方法、比誘電率測定方法、膜厚測定装置、および比誘電率測定装置 - Google Patents

膜厚測定方法、比誘電率測定方法、膜厚測定装置、および比誘電率測定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板の表面に形成された絶縁膜を測定対象とする膜厚測定方法、比誘電率測定方法、膜厚測定装置、および比誘電率測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスは、半導体基板の上に絶縁膜を含む種々の膜が形成されて製造される。絶縁膜の特性は、半導体デバイスの特性に大きな影響を与えるので、半導体デバイスの製造工程において、絶縁膜の特性を評価することは不可欠である。
半導体デバイスの集積技術の進歩によって、絶縁膜の種類や膜厚が変わってきており、それにともなって、絶縁膜の評価方法も変わってきている。たとえば、絶縁膜の膜厚の測定方法として、従来は、光学的な方法(たとえば、エリプソメトリ)が用いられることがあった。しかし、このような光学的な方法では、絶縁膜表面に付着した有機物の影響を受けるため、必ずしも正確な測定ができなかった。そこで、デバイスの動作に直結した電気的な膜厚測定方法が注目されている。
【0003】
また、層間絶縁膜を挟んで配線を形成する多層化技術の進歩に伴い、絶縁膜の比誘電率が重要なパラメータとなってきており、絶縁膜の比誘電率をより正確に測定することが求められている。
絶縁膜において、膜厚は、表面の電荷量、表面電位、および比誘電率がわかれば求めることができ、比誘電率は、表面の電荷量、表面電位、および膜厚がわかれば求めることができる。したがって、表面の電荷量および表面電位に加えて、膜厚および比誘電率の一方を知ることができれば、他方を求めることができる。
【0004】
絶縁膜の膜厚または比誘電率の測定において、絶縁膜の表面に電極を形成して測定を行う方法がある。この方法は、破壊試験であり、工程が多くなるので望ましくない。水銀を電極として測定する方法もあるが、水銀は人体に有害であるため取り扱いが煩雑になる。また、電極を絶縁膜の表面に形成した場合は、測定の際に絶縁膜をリークする電流が発生して測定が不正確になるおそれがある。
このため、絶縁膜の膜厚や比誘電率を非接触で測定する方法が求められている。このような測定方法として、絶縁膜の表面をコロナ放電により帯電させたときの絶縁膜表面の電荷量と表面電位とを測定し、これらの測定値から絶縁膜の膜厚または比誘電率を求めるものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来は、絶縁膜表面の電荷量を直接測定することができず、コロナ放電時に絶縁膜に与えられる電荷をクーロンメータで測定したり、半導体基板へ流れる電流を測定したりして、これらの測定値から間接的に絶縁膜表面の電荷量を求めていた。
半導体技術の進歩により、パターンの微細化が進むにしたがって、ゲート酸化膜の薄型化および層間絶縁膜の低誘電率化が進んでいる。このため、これらの絶縁膜中をリークする電流も存在するので、上述の間接的な測定方法では絶縁膜表面の電荷量を正確に求めることができなかった。したがって、絶縁膜の膜厚または比誘電率を正確に測定することができなかった。
【0006】
そこで、この発明の目的は、半導体基板の表面に形成された絶縁膜の膜厚を正確に測定できる膜厚測定方法を提供することである。
この発明の他の目的は、半導体基板の表面に形成された絶縁膜の比誘電率を正確に測定できる比誘電率測定方法を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、半導体基板の表面に形成された絶縁膜の膜厚を正確に測定できる膜厚測定装置を提供することである。
【0007】
この発明のさらに他の目的は、半導体基板の表面に形成された絶縁膜の比誘電率を正確に測定できる比誘電率測定装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、半導体基板(W)の一方表面に形成された絶縁膜の膜厚を、この絶縁膜に関して非接触で測定する方法であって、絶縁膜の表面を非接触で帯電させる帯電処理工程(S2)と、この帯電処理工程の前に、測定電極(21)を用いて、絶縁膜に関して非接触で半導体基板のC−V測定を行うことによって、第1のフラットバンド電圧を求める工程(S1)と、上記帯電処理工程の後に、上記測定電極を用いて、絶縁膜に関して非接触で半導体基板のC−V測定を行うことによって、第2のフラットバンド電圧を求める工程(S3)と、上記第1および第2のフラットバンド電圧の差(ΔVfb)から、上記帯電処理工程により絶縁膜表面に電荷が付与された結果としての単位面積あたりの電荷変化量(Δq u )を、ΔVfb=−Δq u air /ε 0 (d air は、C−V測定測定時の半導体基板と上記測定電極との間の間隔、ε 0 は、真空の誘電率)の関係に基づいて算出する工程(S4)とを含む電荷量測定工程と、上記帯電処理工程の後、絶縁膜の表面電位(Vsurf)を絶縁膜に関して非接触で測定する表面電位測定工程(S5)と、上記電荷量測定工程で算出された単位面積あたりの電荷変化量(Δq u )および上記表面電位測定工程で測定された表面電位(Vsurf)から、絶縁膜の膜厚(tins)を、dΔu/dVsurf=εinsε0/tins (ε insは、絶縁膜の比誘電率)の関係に基づいて算出する工程(S8)とを含み、上記絶縁膜の膜厚(t ins )を算出する工程が、絶縁膜の単位面積あたりの電荷変化量(Δq u )と、表面電位(V surf )とからなる複数組のデータに基づく回帰直線の傾きを算出して、この回帰直線の傾きを上記dΔq u /dV surf とする工程を含むことを特徴とする膜厚測定方法である。
【0009】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
絶縁膜の膜厚は、絶縁膜に関して、表面電位に対する単位面積あたりの電荷変化の変化率、および比誘電率がわかれば求まる。そこで、この発明によれば、電荷量測定工程によって帯電処理工程で絶縁膜表面に電荷が付与された結果としての単位面積あたりの電荷変化量が得られる。帯電処理工程の前に絶縁膜表面が帯電していなければ、この単位面積あたりの電荷変化量は、絶縁膜表面の単位面積あたりの電荷量に等しい。表面電位測定工程により、絶縁膜の表面電位が得られる。絶縁膜の単位面積あたりの電荷変化量と、表面電位とからなる複数組のデータに基づく回帰直線の傾きを算出して、この回帰直線の傾きを、表面電位に対する単位面積あたりの電荷変化量の変化率とすることができる。したがって、絶縁膜の比誘電率がわかれば、絶縁膜の膜厚を算出することができる。
【0010】
絶縁膜の比誘電率は、たとえば、絶縁膜が酸化シリコンからなるゲート酸化膜である場合、測定対象の半導体基板によらず一定の値とみなすことができ、かつ、既知である。したがって、この比誘電率の値(文献値等)を用いて、絶縁膜の膜厚を求めることができる。
電処理工程、電荷量測定工程、および表面電位測定工程を複数回繰り返すことにより、絶縁膜に関して表面の単位面積あたりの電荷変化量および表面電位について複数組のデータが得られる。これにより、絶縁膜の表面電位に対する単位面積あたりの電荷変化量の変化率が求まる。この場合、絶縁膜表面の電荷量の絶対値(全電荷量)を正確に知ることができなくても、正確に絶縁膜の膜厚を求めることができる。
【0011】
この発明では、帯電処理工程、電荷量測定工程、および表面電位測定工程は、すべて、非接触で行われる。したがって、この発明によれば、非接触で絶縁膜の膜厚を測定できる。すなわち、半導体基板を非破壊で測定できる。また、絶縁膜の表面に電極を形成する工程が不要であり、このような電極を形成して測定した場合に絶縁膜に生ずるリーク電流もないので、正確な測定を行うことができる。
絶縁膜の表面電位の測定は、たとえば、公知のケルビンプローブを用いることにより、非接触で行うことができる。
【0012】
単位面積あたりの電荷変化量の測定に適用されるC−V測定は、絶縁膜の表面と間隔をあけて配された測定電極を用いて行うことができる。第1および第2のフラットバンド電圧、ならびに絶縁膜と測定電極とのギャップ(間隔)がわかれば、帯電処理により絶縁膜表面に電荷が付与された結果としての単位面積あたりの電荷変化量を算出することができる。このように、非接触で絶縁膜に電荷が付与された結果としての単位面積あたりの電荷変化量を求めることができる。また、この方法は、単位面積あたりの電荷変化量を、一定の仮定の下に間接的に求めるものではなく、直接求めるものである。したがって、得られた単位面積あたりの電荷変化量は正確である。
【0013】
請求項2記載の発明は、上記帯電処理工程がコロナ放電によって絶縁膜表面を帯電させる工程(S2)を含むことを特徴とする請求項1記載の膜厚測定方法である。
この発明によれば、コロナ放電により、非接触で絶縁膜表面を一様に帯電させることができる。これにより、絶縁膜表面の単位面積あたりの電荷変化量や絶縁膜の表面電位を精度よく求めることができる。
【0014】
絶縁膜の膜厚を測定するためには、半導体基板がP型半導体である場合は絶縁膜表面を負に帯電させ、半導体基板がN型半導体である場合は絶縁膜表面を正に帯電させる必要があるが、この発明によれば、放電時の極性を選択することにより、絶縁膜表面を正に帯電させることも負に帯電させることもできる。
請求項3記載の発明は、上記帯電処理工程が220nm以上300nm以下の波長を有する紫外線を半導体基板に照射する工程を含むことを特徴とする請求項1または2記載の膜厚測定方法である。
【0015】
この発明によれば、紫外線を半導体基板に照射することにより、絶縁膜を帯電させることができる。紫外線の波長が220nm以上300nm以下である場合、半導体基板にダメージを与えることなく、半導体基板中の電子を励起できる。それらの電子の一部が絶縁膜へと移動し絶縁膜表面が負に帯電する。すなわち、この方法により、絶縁膜表面を負に帯電させることができる。
帯電処理工程は、コロナ放電と紫外線照射とを併用して行ってもよい。
上記絶縁膜の膜厚(tins)を算出する工程は、請求項記載のように、dΔu/dVsurfの値を、半導体基板が蓄積状態にあるときの単位面積あたりの電荷変化量(Δq u )および表面電位(Vsurf)のデータに基づいて算出する工程を含むことが好ましい。
【0016】
請求項記載の発明は、半導体基板(W)の一方表面に形成された絶縁膜の比誘電率を、この絶縁膜に関して非接触で測定する方法であって、絶縁膜の表面を非接触で帯電させる帯電処理工程(S2)と、この帯電処理工程の前に、測定電極(21)を用いて、絶縁膜に関して非接触で半導体基板のC−V測定を行うことによって、第1のフラットバンド電圧を求める工程(S1)と、上記帯電処理工程の後に、上記測定電極を用いて、絶縁膜に関して非接触で半導体基板のC−V測定を行うことによって、第2のフラットバンド電圧を求める工程(S3)と、上記第1および第2のフラットバンド電圧の差(ΔVfb)から、上記帯電処理工程により絶縁膜表面に電荷が付与された結果としての単位面積あたりの電荷変化量(Δq u )を、ΔVfb=−Δq u air /ε 0 (d air は、C−V測定測定時の半導体基板と上記測定電極との間の間隔、ε 0 は、真空の誘電率)の関係に基づいて算出する工程(S4)とを含む電荷量測定工程と、上記帯電処理工程後に、絶縁膜の表面電位(Vsurf)を絶縁膜に関して非接触で測定する表面電位測定工程(S5)と、上記電荷量測定工程で算出された単位面積あたりの電荷変化量(Δq u )および上記表面電位測定工程で測定された表面電位(Vsurf)から、絶縁膜の比誘電率(εins)を、dΔu/dVsurf=εinsε0/tins (t insは、絶縁膜の膜厚)の関係に基づいて算出する工程(S8)とを含み、上記絶縁膜の比誘電率(ε ins )を算出する工程が、絶縁膜の単位面積あたりの電荷変化量(Δq u )と、表面電位(V surf )とからなる複数組のデータに基づく回帰直線の傾きを算出して、この回帰直線の傾きを上記dΔq u /dV surf とする工程を含むことを特徴とする比誘電率測定方法である。
【0017】
絶縁膜の比誘電率は、絶縁膜に関して、表面電位に対する単位面積あたりの電荷変化の変化率、および膜厚がわかれば求まる。そこで、この発明によれば、電荷量測定工程によって帯電処理工程で絶縁膜表面に電荷が付与された結果としての単位面積あたりの電荷変化量が得られる。帯電処理工程の前に絶縁膜表面が帯電していなければ、この単位面積あたりの電荷変化量は、絶縁膜表面の単位面積あたりの電荷量に等しい。表面電位測定工程により、絶縁膜の表面電位が得られる。絶縁膜の単位面積あたりの電荷変化量と、表面電位とからなる複数組のデータに基づく回帰直線の傾きを算出して、この回帰直線の傾きを、表面電位に対する単位面積あたりの電荷変化量の変化率とすることができる。したがって、絶縁膜の膜厚がわかれば、絶縁膜の比誘電率を算出することができる。
【0018】
絶縁膜の膜厚は、予め他の方法により測定しておくことができる。たとえば、絶縁膜が一般的な層間絶縁膜である場合、絶縁膜の膜厚は厚く比誘電率は低くされている。絶縁膜の膜厚が厚い場合、光学的な方法により膜厚を測定しても正確な測定値が得られる。したがって、測定対象の絶縁膜について、別途光学的な原理による膜厚測定装置で膜厚を予め測定しておけば、その値を用いて絶縁膜の比誘電率を算出することができる。
【0019】
この発明では、帯電処理工程、電荷量測定工程、および表面電位測定工程は、すべて、非接触で行われる。したがって、この発明によれば、非接触で絶縁膜の比誘電率を測定できる。すなわち、半導体基板を非破壊で測定できる。また、絶縁膜の表面に電極を形成する工程が不要であり、このような電極を形成して測定した場合に絶縁膜に生ずるリーク電流もないので、正確な測定を行うことができる。
【0020】
請求項記載の発明は、上記帯電処理工程がコロナ放電によって絶縁膜表面を帯電させる工程(S2)を含むことを特徴とする請求項記載の比誘電率測定方法である。
この比誘電率測定方法は、請求項2記載の膜厚測定方法と同様の効果を奏することができる。
請求項記載の発明は、上記帯電処理工程が220nm以上300nm以下の波長を有する紫外線を半導体基板に照射する工程を含むことを特徴とする請求項または記載の比誘電率測定方法である。
【0021】
この比誘電率測定方法は、請求項3記載の膜厚測定方法と同様の効果を奏することができる。
上記絶縁膜の比誘電率(εins)を算出する工程は、請求項記載のように、dΔu/dVsurfの値を、半導体基板が蓄積状態にあるときの単位面積あたりの電荷変化量(Δq u )および表面電位(Vsurf)のデータに基づいて算出する工程を含むことが好ましい。
請求項記載の発明は、半導体基板(W)の一方表面に形成された絶縁膜の膜厚を、この絶縁膜に関して非接触で測定する膜厚測定装置であって、絶縁膜の表面を非接触で帯電させる帯電処理部(1,41)と、この帯電処理部によって絶縁膜表面に電荷が付与された結果としての単位面積あたりの電荷変化量(Δq u )を、絶縁膜に関して非接触で測定するための電荷量測定部(2)であって、半導体基板の他方表面に接触する接触電極(5)と、上記他方表面に上記接触電極が接触している半導体基板の上記一方表面に離間して対向配置可能な測定電極(21)と、半導体基板と上記測定電極との間隔を測定するギャップ測定手段(27,28,29)と、半導体基板と上記測定電極との間隔を変更するギャップ変更機構(22,23)と、上記接触電極と上記測定電極との間にバイアス電圧を印加可能で、印加するバイアス電圧の大きさを変化させることが可能なバイアス電圧印加手段(26)と、上記接触電極と上記測定電極との間の電気容量を測定する容量測定手段(26)とを有する電荷量測定部と、絶縁膜の表面電位(Vsurf)を、絶縁膜に関して非接触で測定する表面電位測定部(3)と、上記帯電処理部による帯電処理の前に、上記バイアス電圧印加手段、および上記容量測定手段を用いてC−V測定を行うことにより求められた第1のフラットバンド電圧と、上記帯電処理部による帯電処理の後に、上記バイアス電圧印加手段、および上記容量測定手段を用いてC−V測定を行うことにより求められた第2のフラットバンド電圧との差(ΔVfb)から、上記帯電処理部により絶縁膜に電荷が付与された結果としての単位面積あたりの電荷変化量(Δq u )を、ΔVfb=−Δq u air /ε 0 (d air は、C−V測定時の半導体基板と上記測定電極との間のギャップ、ε 0 は、真空の誘電率)の関係に基づいて算出する手段(40)と、上記算出された単位面積あたりの電荷変化量(Δq u )、および上記表面電位測定部で測定された表面電位(Vsurf)から、絶縁膜の膜厚(tins)を算出する手段(40)であって、当該絶縁膜の膜厚(tins)を、dΔu/dVsurf=εinsε0/tins (ε insは、絶縁膜の比誘電率)の関係に基づいて算出する手段とを備え、上記絶縁膜の膜厚(t ins )を算出する手段が、絶縁膜の単位面積あたりの電荷化量(Δq u )と、表面電位(V surf )とからなる複数組のデータに基づく回帰直線の傾きを算出して、この回帰直線の傾きを上記dΔq u /dV surf の値とすることを特徴とする膜厚測定装置(20,50)である。
【0022】
この発明によれば、帯電処理部により請求項1記載の膜厚測定方法の帯電処理工程を実施できる。また、表面電位測定部により請求項1記載の膜厚測定方法の表面電位測定工程を実施できる。
接触電極を半導体基板の他方表面に接触させ、測定電極を半導体基板の一方表面に形成された絶縁膜に離間して対向させ、この状態でバイアス電圧印加手段により接触電極と測定電極との間にバイアス電圧を印加しながら、容量測定手段により容量を測定することにより、請求項1記載の膜厚測定方法のC−V測定を行うことができる。
【0023】
ギャップ測定手段で半導体基板と測定電極との間隔(ギャップ)を測定しながら、ギャップ変更機構で半導体基板と測定電極との間の間隔を変更することにより、半導体基板と測定電極との間を所定の間隔にすることができる。これにより、帯電処理工程の前後で、半導体基板と測定電極との間隔をほぼ同じにしてC−V測定を行うことができる。この場合、簡単な計算により、帯電処理工程で絶縁膜表面に電荷が付与された結果としての単位面積あたりの電荷変化量を算出できる。
【0024】
以上のことから、この膜厚測定装置により、請求項1記載の膜厚測定方法を実施することができ、請求項1記載の膜厚測定方法と同様の効果を奏することができる。
この膜厚測定装置は、測定対象の絶縁膜が形成された半導体基板を、帯電処理部、電荷量測定部、および表面電位測定部に対して相対的に移動させるローダを備えたものとすることができる。ローダは、半導体基板を保持する保持台を備えたものであってもよく、保持台は接触電極を備えたものであってもよい。
【0025】
請求項10記載の発明は、上記帯電処理部が、絶縁膜の表面でコロナ放電を生じさせるコロナ放電部(5,11)を含むことを特徴とする請求項記載の膜厚測定装置(20)である。
この膜厚測定装置により、請求項2記載の膜厚測定方法を実施することができ、請求項2記載の膜厚測定方法と同様の効果を奏することができる。
請求項1記載の発明は、上記帯電処理部が、絶縁膜の表面に紫外線を照射する紫外線照射部(41)を含むことを特徴とする請求項または1記載の膜厚測定装置(50)である。
【0026】
この膜厚測定装置により、請求項3記載の膜厚測定方法を実施することができ、請求項3記載の膜厚測定方法と同様の効果を奏することができる。
上記絶縁膜の膜厚(tins)を算出する手段は、請求項1記載のように、dΔu/dVsurfの値を、半導体基板が蓄積状態にあるときの単位面積あたりの電荷変化量(Δq u )および表面電位(Vsurf)のデータに基づいて算出するものであることが好ましい。
請求項1記載の発明は、半導体基板(W)の一方表面に形成された絶縁膜の比誘電率を、この絶縁膜に関して非接触で測定する比誘電率測定装置であって、絶縁膜の表面を非接触で帯電させる帯電処理部(1)と、この帯電処理部によって絶縁膜表面に電荷が付与された結果としての単位面積あたりの電荷変化量(Δq u )を、絶縁膜に関して非接触で測定するための電荷量測定部(2)であって、半導体基板の他方表面に接触する接触電極(5)と、上記他方表面に上記接触電極が接触している半導体基板の上記一方表面に離間して対向配置可能な測定電極(21)と、半導体基板と上記測定電極との間隔を測定するギャップ測定手段(27,28,29)と、半導体基板と上記測定電極との間隔を変更するギャップ変更機構(22,23)と、上記接触電極と上記測定電極との間にバイアス電圧を印加可能で、印加するバイアス電圧の大きさを変化させることが可能なバイアス電圧印加手段(26)と、上記接触電極と上記測定電極との間の電気容量を測定する容量測定手段(26)とを有する電荷量測定部と、絶縁膜の表面電位(Vsurf)を、絶縁膜に関して非接触で測定する表面電位測定部(3)と、上記帯電処理部による帯電処理の前に、上記バイアス電圧印加手段、および上記容量測定手段を用いてC−V測定を行うことにより求められた第1のフラットバンド電圧と、上記帯電処理部による帯電処理の後に、上記バイアス電圧印加手段、および上記容量測定手段を用いてC−V測定を行うことにより求められた第2のフラットバンド電圧との差(ΔVfb)から、上記帯電処理部により絶縁膜に電荷が付与された結果としての単位面積あたりの電荷変化量(Δq u )を、ΔVfb=−Δq u air /ε 0 (d air は、C−V測定時の半導体基板と上記測定電極との間のギャップ、ε 0 は、真空の誘電率)の関係に基づいて算出する手段(40)と、上記算出された単位面積あたりの電荷変化量(Δq u )、および上記表面電位測定部で測定された表面電位(Vsurf)から、絶縁膜の比誘電率(εins)を算出する手段であって、当該絶縁膜の比誘電率(εins)を、dΔu/dVsurf=εinsε0/tins (t insは、絶縁膜の膜厚)の関係に基づいて算出する手段(40)とを備え、上記絶縁膜の比誘電率(ε ins )を算出する手段が、絶縁膜の単位面積あたりの電荷量の変化量(Δq u )と、表面電位(V surf )とからなる複数組のデータに基づく回帰直線の傾きを算出して、この回帰直線の傾きを上記dΔq u /dV surf の値とすることを特徴とする比誘電率測定装置(20,50)である。
【0027】
この比誘電率測定装置により、請求項記載の比誘電率測定方法を実施することができ、請求項記載の比誘電率測定方法と同様の効果を奏することができる。
この比誘電率装置は、測定対象の絶縁膜が形成された半導体基板を、帯電処理部、電荷量測定部、および表面電位測定部に対して相対的に移動させるローダを備えたものとすることができる。ローダは、半導体基板を保持する保持台を備えたものであってもよく、保持台は接触電極を備えたものであってもよい。
【0028】
請求項1記載の発明は、上記帯電処理部が、絶縁膜の表面でコロナ放電を生じさせるコロナ放電部(5,11)を含むことを特徴とする請求項1記載の比誘電率測定装置(20)である。
この比誘電率測定装置により、請求項記載の比誘電率測定方法を実施することができ、請求項記載の比誘電率測定方法と同様の効果を奏することができる。
【0029】
請求項1記載の発明は、上記帯電処理部が、半導体基板に紫外線を照射する紫外線照射部(41)を含むことを特徴とする請求項1または1記載の比誘電率測定装置(50)である。
この比誘電率測定装置により、請求項記載の比誘電率測定方法を実施することができ、請求項記載の比誘電率測定方法と同様の効果を奏することができる。
上記絶縁膜の比誘電率(εins)を算出する手段は、請求項1記載のように、dΔu/dVsurfの値を、半導体基板が蓄積状態にあるときの単位面積あたりの電荷変化量(Δq u )および表面電位(Vsurf)のデータに基づいて算出するものであることが好ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下では、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る膜厚/比誘電率測定装置の図解的な正面図である。
この膜厚/比誘電率測定装置20は、半導体基板の一例であるウエハWの表面に形成された絶縁膜の膜厚または比誘電率を測定するためのもので、チャンバ9、およびチャンバ9内で処理または測定を行うための帯電処理部1、電荷量測定部2、および表面電位測定部3を備えている。帯電処理部1、電荷量測定部2、および表面電位測定部3は、直線状に順に配されており、ウエハWは、帯電処理部1における帯電処理位置、電荷量測定部2におけるC−V測定位置、および表面電位測定部3における表面電位測定位置の間を、ローダ4により移動されるようになっている。
【0031】
チャンバ9内には、チャンバ9内の雰囲気温度を測定するための温度センサ10が取り付けられている。温度センサ10の出力は、制御部40に入力されるようになっている。
ローダ4は、ウエハWをほぼ水平に保持するための保持台5と、この保持台5を支持してほぼ水平方向に直線的に案内するレール6と、保持台5をレール6に沿って移動させる移動機構7とを備えている。保持台5は、たとえば、ウエハWの下面を真空吸着することにより、ウエハWを保持するものとすることができる。保持台5のウエハWに接する部分は、電気的導体で形成されており、接触電極として機能する。
【0032】
帯電処理部1は、コロナ放電によりウエハWを帯電させるためのもので、電圧を印加するためのニードル11を備えている。ニードル11および保持台5は、それぞれ直流電源8に接続されている。帯電処理位置では、ウエハWはニードル11に対向するようになっている。
ウエハWが帯電処理位置にあるとき、直流電源8によりニードル11と保持台5との間に直流電圧を印加することにより、ニードル11とウエハWとの間でコロナ放電を生じさせ、これによってウエハW表面に形成された絶縁膜を帯電させることができるようになっている。直流電源8は、印加する電圧の極性を反転可能であり、ウエハWを正に帯電させることも負に帯電させることも可能である。
【0033】
電荷量測定部2では、ウエハWのC−V測定(容量・電圧測定)を行うことができる。電荷量測定部2は、ベース24、ベース24の下部に取り付けられた三角柱状のプリズム25、およびプリズム25の底面25aに取り付けられた測定電極21を備えている。プリズム25は、側面を構成する一面が下方に向けられほぼ水平になるように配されている。以下、この面を、「底面25a」という。
測定電極21および保持台5は、それぞれインピーダンスメータ26に接続されており、測定電極21と保持台5との間にバイアス電圧をかけながらこれらの間の合成容量を測定できるようになっている。インピーダンスメータ26は、バイアス電圧の大きさを変化させることができるようになっている。これにより、C−V測定ができる。
【0034】
ベース24は、圧電アクチュエータ23を介してステッピングモータ22に結合されており、ステッピングモータ22および圧電アクチュエータ23により、上下動されるようになっている。C−V測定位置では、ウエハWは、測定電極21に対向するようになっている。ウエハWがC−V測定位置にあるとき、ウエハWと測定電極21との間隔を、ステッピングモータ22により粗調整し、圧電アクチュエータ23により微調整可能である。圧電アクチュエータ23は、たとえば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなる圧電素子を備えたものとすることができる。
【0035】
ベース24にはレーザ光を出射するレーザ発振器27および受光センサ28が取り付けられている。レーザ発振器27から出射されたレーザ光は、プリズム25の底面25aで全反射されて、受光センサ28で受光されるようになっている。受光センサ28は、光量測定器29に接続されており、受光センサ28で受光されるレーザ光の光量を測定できるようになっている。
光量測定器29で測定される光量は、プリズム25の底面25aで反射されるレーザ光のトンネル効果が反映されたものとなり、これにより、ウエハWと測定電極21との間のギャップdairを測定できるようになっている。このギャップ測定方法の原理については、特開平4−132236号公報に詳述されているが、一定の場合には、レーザ光の底面25aにおける透過率Rtの対数logRtとギャップdairとは、比例関係にあるとみなすことができる。透過率Rtは、反射率がわかれば求めることができるので、光量測定器29で測定されるレーザ光の光量から反射率が求まれば、ギャップdairを求めることができる。
【0036】
光量測定器29およびインピーダンスメータ26の出力信号は、制御部40に入力されるようになっている。制御部40は、C−V測定の結果からフラットバンド電圧を求めることができ、さらに、帯電処理前後のフラットバンド電圧およびギャップdairから、帯電処理によって絶縁膜表面に付与された単位面積あたりの電荷量Δqu 、すなわち、帯電処理によって絶縁膜表面に電荷が付与された結果としての単位面積あたりの電荷変化量Δq u を求めることができる。制御部40としては、パーソナルコンピュータを用いることができる。
【0037】
表面電位測定部3は、電極32を有するケルビンプローブ31を備えている。
表面電位測定位置では、ウエハWは、ケルビンプローブ31に対向するようになってる。
ケルビンプローブ31は、電極32を上下に振動させ、電極32に電圧をかけることができるようになっている。絶縁膜表面が帯電したウエハWが表面電位測定位置にあるときに、電極32を振動させることにより、電極32にはその振動数で変化する電荷が誘導される。電極32に適当な電圧をかけることにより、この電荷を打ち消すことができる。このときの電圧から、ウエハWの表面電位を求めることができる。ケルビンプローブ31の出力信号は、制御部40に入力されるようになっている。
【0038】
移動機構7、直流電源8、インピーダンスメータ26、レーザ発器27、およびケルビンプローブ31の動作は、制御部40により制御されるようになっている。
次に、この膜厚/比誘電率測定装置20により、ウエハWの表面に形成された絶縁膜の膜厚または比誘電率を測定する手順について説明する。
図2は、図1の膜厚/比誘電率測定装置20により、ウエハWの表面に形成された絶縁膜の膜厚または比誘電率を測定する手順を示すフローチャートである。この手順に基づいて測定を実行するためのプログラムは、制御部40に格納されている。
【0039】
先ず、保持台5の上に、絶縁膜が形成された面を上にしてウエハWが保持され、制御部40により移動機構7が制御されて、ウエハWがC−V測定位置に移動される。そして、制御部40により、光量測定器29の出力信号に基づくギャップdairがモニタされながら、ステッピングモータ22および圧電アクチュエータ23が制御されて、ギャップdairが所定の値になるように調整される。
その後、制御部40の制御によりインピーダンスメータ26が制御されて、C−V測定、すなわち、各バイアス電圧ごとの保持台5と測定電極21との間の合成容量が測定される(ステップS1)。その際、ウエハWと測定電極21とはギャップを有して配されているので、C−V測定はウエハWに対して非接触で行われる。このようにして、バイアス電圧と合成容量との関係、すなわち、C−V曲線CV1が得られる。
【0040】
図3に、C−V曲線の一例を示す。
横軸がバイアス電圧であり、縦軸が合成容量Cを合成容量の最大値CMAXで標準化したもの(以下、「標準化容量」という。)である。標準化容量C/CMAXは、バイアス電圧の負側で1に収束し、バイアス電圧の増加とともに、あるバイアス電圧で大きく減少する。制御部40の演算により、C−V曲線から第1のフラットバンド電圧Vfb1が求められる。
【0041】
この演算の詳細については、MOS(Meatal Oxide Semiconductor) Physics and Technology (1982年、WILEY-INTERSCIENCE社発行)p.487に詳述されているが、先ず、第1のフラットバンド電圧Vfb1に対応するフラットバンド容量Cfbが、以下の数式1より求められる。
【0042】
【数1】
Figure 0004658458
ここで、Cfbsはシリコン(ウエハW)のフラットバンド容量であり、以下の数式2で表される。
【0043】
【数2】
Figure 0004658458
ここで、εsはウエハWの誘電率であり、真空中の誘電率ε0とウエハWの比誘電率εSiとの積に等しい。ウエハWの比誘電率εSiは文献値等を用いることができる。λpはデバイ長であり、以下の数式3で表される。
【0044】
【数3】
Figure 0004658458
ここで、kはボルツマン定数であり、q0は電気素量である。Tは半導体ウエハWの温度であるが、温度センサ10で測定されたチャンバ9内の温度で代用することができる。NdはウエハWのキャリア濃度であり、別途測定することにより求めることができる。キャリア濃度Ndは、通常、ウエハW購入時に測定されるので、その値を用いることができる。また、キャリア濃度Ndは、C−V曲線の傾きから求めることもできる。
【0045】
このようにしてフラットバンド容量Cfbが求まると、第1のフラットバンド電圧Vfb1は、C−V曲線CV1において、標準化容量C/CMAXがCfb/CMAXであるときのバイアス電圧の値として求まる(図3参照)。
続いて、制御部40により移動機構7が制御されて、ウエハWが帯電処理位置に移動される。そして、制御部40により直流電源8が制御されて、ニードル11と保持台5との間に所定の電圧が印加さる。これにより、ニードル11とウエハWとの間にコロナ放電が生じ、ウエハW表面に形成された絶縁膜が均一に帯電される(ステップS2)。
【0046】
この際、予め制御部40に与えられたウエハWの導電型に関する情報に基づいて、制御部40により直流電源8の極性が制御される。これにより、ウエハWがP型半導体である場合は絶縁膜表面が負に帯電され、ウエハWがN型半導体である場合は絶縁膜表面が正に帯電される。
その後、制御部40により移動機構7が制御されて、ウエハWがC−V測定位置に移動され、C−V測定が実施される(ステップS3)。このとき、ギャップdairの大きさは、ステップS1におけるC−V測定時とほぼ同じにされる。これにより、帯電処理後のC−V曲線CV2(図3参照。)が得られる。帯電処理後のC−V曲線CV2は、帯電処理前のC−V曲線CV1をバイアス電圧が正の側にシフトさせたような形を有している。
【0047】
続いて、制御部40の演算により、C−V曲線CV2から帯電処理後のフラットバンド電圧(第2のフラットバンド電圧)Vfb2が求められる。
第2のフラットバンド電圧Vfb2は、C−V曲線CV2において、標準化容量C/CMAXがCfb/CMAXであるときのバイアス電圧の値として求まる(図3参照)。
そして、制御部40の演算により、次の数式4に基づいて、第2のフラットバンド電圧Vfb2と第1のフラットバンド電圧Vfb1との差ΔVfb、およびギャップdairから、帯電処理によってウエハW表面に与えられた単位面積あたりの電荷量(以下、「単位面積あたりの電荷変化量」という)Δq u が求められる(ステップS4)。
【0048】
【数4】
ΔVfb=−Δq u air/ε0
次に、制御部40により移動機構7が制御されて、ウエハWが表面電位測定位置に移動され、ウエハWの表面電位Vsurfが測定される(ステップS5)。これにより、単位面積あたりの電荷変化Δq u とそのときの表面電位Vsurfとからなる一組のデータが得られる。C−V測定(ステップS3)および表面電位Vsurfの測定(ステップS5)は、絶縁膜表面の電荷量Qが変化していないとみなせる時間内に行われる。
【0049】
その後、制御部40により、ウエハWが蓄積状態であるか否か、すなわち、C−V曲線においてゼロバイアス近傍の合成容量Cの変化がほとんどないか否かが判断される(ステップS6)。たとえば、図3において、C−V曲線CV1に係るウエハWは蓄積状態ではなく、C−V曲線CV2に係るウエハWは蓄積状態である。
ウエハWが蓄積状態ではない場合(ステップS6のNO)は、再びステップS2に戻り、帯電処理(ステップS2)、C−V測定(ステップS3)、単位面積あたりの電荷変化Δq u の計算(ステップS4)、および表面電位Vsurfの測定(ステップS5)が行われる。二度目以降の帯電処理により、ウエハWがP型半導体である場合は、絶縁膜表面が順次負側に大きく帯電されていき、ウエハWがN型半導体である場合は、絶縁膜表面が順次正側に大きく帯電されていく。
【0050】
単位面積あたりの電荷変化Δq u の計算(ステップS4)にあたって、第1のフラットバンド電圧Vfb1は最初の帯電処理前のC−V測定(ステップS1)によるものとされ、第2のフラットバンド電圧Vfb2は、直前のC−V測定(直前の帯電処理後)によるものとされる(以下、同じ)。
このようにして、ステップS2からステップS5が実行されるたびに、単位面積あたりの電荷変化Δq u とそのときの表面電位Vsurfとの組からなるデータが増えていく。
【0051】
ウエハWが蓄積状態の場合(ステップS6のYES)は、単位面積あたりの電荷変化Δq u が所定の値以上であるか否かが判断される(ステップS7)。単位面積あたりの電荷変化Δq u が極端に大きいと、インピーダンスメータ26が印加可能なバイアス電圧の範囲では、ウエハWは蓄積状態しか示さないよう(図3において、C−V曲線CV1,CV2をバイアス電圧が正の側に極端にシフトさせた状態)になり、フラットバンド電圧を求めることができなくなる。単位面積あたりの電荷変化Δq u の所定の値は、C−V測定によりウエハWのフラットバンド電圧を求めることが可能であるか否かを判断できるように設定されている。
【0052】
単位面積あたりの電荷変化Δq u が所定の値より小さい場合(ステップS7のNO)、さらにC−V測定をしてフラットバンド電圧が得られる可能性があるので、ステップS2へと戻り、帯電処理(ステップS2)、C−V測定(ステップS3)、単位面積あたりの電荷変化Δq u の計算(ステップS4)、表面電位Vsurfの測定(ステップS4)、およびウエハWが蓄積状態か否かの判断(ステップS6)が行われる。
単位面積あたりの電荷変化Δq u が所定の値以上である場合(ステップS7のYES)、制御部40により、絶縁膜の膜厚tinsまたは比誘電率εinsが計算される(ステップS8)。絶縁膜の膜厚tinsおよび比誘電率εinsは次の数式5で表される。
【0053】
【数5】
Figure 0004658458
ここで、ε0は真空の誘電率(定数)であり、εinsは絶縁膜の比誘電率である。dΔu/dVsurfは、表面電位Vsurfに対する単位面積あたりの電荷変化Δuの変化率であり、単位面積あたりの絶縁膜の容量cinsに等しい。
【0054】
ここまでの工程で、単位面積あたりの電荷変化量Δquとそのときの表面電位Vsurfとからなる複数組のデータが得られている。
図4は、表面電位Vsurfと単位面積あたりの電荷変化量Δquとの関係を示す図である。図4では、4組のデータが得られている場合について示している。たとえば、これらのデータを表す点の回帰直線の傾きがdΔu/dVsurfとなる。
【0055】
したがって、上記数式5により、絶縁膜の膜厚tinsおよび比誘電率εinsのうちの一方がわかれば、他方を求めることができる。たとえば、絶縁膜が、酸化シリコンからなるゲート酸化膜である場合、比誘電率εinsは測定対象のウエハWによらず一定の値とみなすことができ、かつ、既知であるので、その値(たとえば、文献値)を用いて数式5から絶縁膜の膜厚tinsを求めることができる。
また、たとえば、絶縁膜が一般的な層間絶縁膜である場合、絶縁膜の膜厚tinsは厚く比誘電率εinsは低い。絶縁膜の膜厚tinsが厚い場合、膜厚tinsは光学的な方法により測定しても正確な測定値が得られる。したがって、測定対象のウエハWについて、予め別の光学的な原理による膜厚測定装置で膜厚tinsを測定しておけば、その値を用いて数式5から比誘電率εinsを求めることができる。
【0056】
Δu/dVsurfは、ウエハWが蓄積状態にあるときのデータのみに基づいて求めることが好ましい。ウエハWが蓄積状態を維持するような表面電位の範囲では、ウエハW内部に空乏層が発生しないため、絶縁膜表面に存在する電荷Qと表面電位Vsurfとは比例関係にある。このときの比例係数は、絶縁膜の容量に対応しているので、絶縁膜の比誘電率εinsに比例し、膜厚tinsに反比例する。したがって、ウエハWが蓄積状態にあるときのデータのみに基づいて求められたdΔu/dVsurfを用いることにより、比誘電率εinsまたは膜厚tinsを正確に求めることができる。
【0057】
以上で、1枚のウエハWについて、絶縁膜の膜厚tinsまたは比誘電率εinsの測定が終了する。
このような絶縁膜の膜厚tinsまたは比誘電率εinsの測定において、C−V測定(ステップS1,S3)、帯電処理(ステップS2)、表面電位測定(ステップS5)などはすべて、測定対象の絶縁膜に対して非接触で行われる。すなわち、ウエハWを非破壊で測定できる。また、絶縁膜の表面に電極を形成する工程が不要であり、このような電極を形成した場合に生ずる絶縁膜のリーク電流もないので、正確な測定を行うことができる。
【0058】
さらに、絶縁膜表面の単位面積あたりの電荷変化Δq u そのものを直接求めることができるので、単位面積あたりの電荷変化Δq u を正確に求めることができ、このため、絶縁膜の膜厚tinsまたは比誘電率εinsを正確に求めることができ、半導体デバイスのプロセス管理を正確に行うことができる。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る膜厚/比誘電率測定装置の図解的な正面図である。この図5において、図1に示す構成要素等に対応する構成要素等は、同一符号を付して説明を省略する。
【0059】
この膜厚/比誘電率測定装置50は、帯電処理部として、図1の膜厚/比誘電率測定装置20のニードル11を備えた帯電処理部1の代わりに、紫外線(UV)照射ユニット41を備えている。紫外線照射ユニット41は、紫外線ランプ42および光学系43を備えている。紫外線ランプ42は、ランプ電源48から電力を供給されて、たとえば、220nm以上300nm以下の波長を有する紫外線を発生させることができる。ランプ電源48の動作は、制御部40により制御される。
【0060】
光学系43は、ミラー44およびレンズ体45を含んでおり、紫外線ランプ42で発生した紫外線の進行方向を、保持台5に保持されて光学系43の下方(帯電処理位置)にあるウエハWに向けることができるとともに、紫外線がウエハW表面上の所定の領域に照射されるようにすることができる。紫外線がウエハWに照射されることにより、ウエハWはダメージを受けずに、ウエハW中の電子が励起され、それらの電子の一部が絶縁膜へと移動し絶縁膜表面が負に帯電する。
【0061】
220nmないし300nmの波長域では、ウエハW中の正孔は励起されないので、絶縁膜表面は正には帯電しない。すなわち、このような紫外線照射ユニット41による帯電処理は、絶縁膜表面を負に帯電させる場合に適用できる。また、紫外線照射ユニット41による帯電処理は、絶縁膜の膜厚が十分薄い(たとえば、100nm以下)場合に好適に適用できる。
この膜厚/比誘電率測定装置50を用いて、図1の膜厚/比誘電率測定装置20を用いた場合と同様の手順により、ウエハWの表面に形成された絶縁膜の膜厚または比誘電率を測定できる。ただし、帯電処理(図2のステップS2)は、紫外線照射ユニット41により、ウエハWの表面に紫外線が照射されることにより実施される。
【0062】
この際、ウエハWの表面において、紫外線が照射される所定の領域(たとえば、直径が20mm程度の円形領域)のみが均一に帯電する。このため、C−V測定(図2のステップS3)や表面電位測定(図2のステップS5)も当該帯電領域に対して行うようにする必要がある。
以上のように、この膜厚/比誘電率測定装置50を用いる場合、ウエハW表面のうち、測定対象の所定の領域のみを帯電させて、膜厚または比誘電率を測定できる。
【0063】
ウエハW表面における任意の領域に対して、膜厚または比誘電率の測定を行う必要がある場合は、保持台5に保持されたウエハWにおける任意の位置に紫外線照射領域を調整可能なように、紫外線照射ユニット41および保持台5の少なくとも一方を、当該ウエハWの面内方向に相対的に移動させる移動機構を設ければよい。この場合、ウエハW表面における紫外線照射領域を移動させながらウエハWに紫外線を照射して、ウエハWの全面を帯電させて膜厚または比誘電率を測定を行うこともできる。
【0064】
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、たとえば、第2の実施形態の膜厚/比誘電率測定装置50において、光学系43を変更することにより、ウエハW表面の全面に紫外線が同時に照射されるようにすることができる。これにより、ウエハW表面の全面を均一に負に帯電させることができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る膜厚/比誘電率測定装置の図解的な正面図である。
【図2】 図1の膜厚/比誘電率測定装置により、ウエハの表面に形成された絶縁膜の膜厚または比誘電率を測定する手順を示すフローチャートである。
【図3】 C−V曲線の一例を示す図である。
【図4】 表面電位Vsurf単位面積あたりの電荷変化Δq u との関係を示す図である。
【図5】 本発明の第2の実施形態に係る膜厚/比誘電率測定装置の図解的な正面図である。
【符号の説明】
1 帯電処理部
2 電荷量測定部
3 表面電位測定部
5 保持台
8 直流電源
11 ニードル
20,50 膜厚/比誘電率測定装置
21 測定電極
22 ステッピングモータ
23 圧電アクチュエータ
25 プリズム
26 インピーダンスメータ
27 レーザ発振器
28 受光センサ
29 光量測定器
40 制御部
41 紫外線照射ユニット

Claims (16)

  1. 半導体基板の一方表面に形成された絶縁膜の膜厚を、この絶縁膜に関して非接触で測定する方法であって、
    絶縁膜の表面を非接触で帯電させる帯電処理工程と、
    この帯電処理工程の前に、測定電極を用いて、絶縁膜に関して非接触で半導体基板のC−V測定を行うことによって、第1のフラットバンド電圧を求める工程と、上記帯電処理工程の後に、上記測定電極を用いて、絶縁膜に関して非接触で半導体基板のC−V測定を行うことによって、第2のフラットバンド電圧を求める工程と、上記第1および第2のフラットバンド電圧の差(ΔVfb)から、上記帯電処理工程により絶縁膜表面に電荷が付与された結果としての単位面積あたりの電荷変化量(Δq u )を
    ΔVfb=−Δq u air /ε 0
    (d air は、C−V測定測定時の半導体基板と上記測定電極との間の間隔、ε 0 は、真空の誘電率)
    の関係に基づいて算出する工程とを含む電荷量測定工程と、
    上記帯電処理工程の後、絶縁膜の表面電位(Vsurf)を絶縁膜に関して非接触で測定する表面電位測定工程と、
    上記電荷量測定工程で算出された単位面積あたりの電荷変化量(Δq u )および上記表面電位測定工程で測定された表面電位(Vsurf)から、絶縁膜の膜厚(tins)を、
    Δu/dVsurf=εinsε0/tins
    (ε insは、絶縁膜の比誘電率)
    の関係に基づいて算出する工程とを含み、
    上記絶縁膜の膜厚(t ins )を算出する工程が、絶縁膜の単位面積あたりの電荷変化量(Δq u )と、表面電位(V surf )とからなる複数組のデータに基づく回帰直線の傾きを算出して、この回帰直線の傾きを上記dΔq u /dV surf とする工程を含むことを特徴とする膜厚測定方法。
  2. 上記帯電処理工程がコロナ放電によって絶縁膜表面を帯電させる工程を含むことを特徴とする請求項1記載の膜厚測定方法。
  3. 上記帯電処理工程が220nm以上300nm以下の波長を有する紫外線を半導体基板に照射する工程を含むことを特徴とする請求項1または2記載の膜厚測定方法。
  4. 上記絶縁膜の膜厚(tins)を算出する工程が、dΔu/dVsurfの値を、半導体基板が蓄積状態にあるときの単位面積あたりの電荷変化量(Δq u )および表面電位(Vsurf)のデータに基づいて算出する工程を含むことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の膜厚測定方法。
  5. 半導体基板の一方表面に形成された絶縁膜の比誘電率を、この絶縁膜に関して非接触で測定する方法であって、
    絶縁膜の表面を非接触で帯電させる帯電処理工程と、
    この帯電処理工程の前に、測定電極を用いて、絶縁膜に関して非接触で半導体基板のC−V測定を行うことによって、第1のフラットバンド電圧を求める工程と、上記帯電処理工程の後に、上記測定電極を用いて、絶縁膜に関して非接触で半導体基板のC−V測定を行うことによって、第2のフラットバンド電圧を求める工程と、上記第1および第2のフラットバンド電圧の差(ΔVfb)から、上記帯電処理工程により絶縁膜表面に電荷が付与された結果としての単位面積あたりの電荷変化量(Δq u )を
    ΔVfb=−Δq u air /ε 0
    (d air は、C−V測定測定時の半導体基板と上記測定電極との間の間隔、ε 0 は、真空の誘電率)
    の関係に基づいて算出する工程とを含む電荷量測定工程と、
    上記帯電処理工程後に、絶縁膜の表面電位(Vsurf)を絶縁膜に関して非接触で測定する表面電位測定工程と、
    上記電荷量測定工程で算出された単位面積あたりの電荷変化量(Δq u )および上記表面電位測定工程で測定された表面電位(Vsurf)から、絶縁膜の比誘電率(εins)を、
    Δu/dVsurf=εinsε0/tins
    (t insは、絶縁膜の膜厚)
    の関係に基づいて算出する工程とを含み、
    上記絶縁膜の比誘電率(ε ins )を算出する工程が、絶縁膜の単位面積あたりの電荷変化量(Δq u )と、表面電位(V surf )とからなる複数組のデータに基づく回帰直線の傾きを算出して、この回帰直線の傾きを上記dΔq u /dV surf とする工程を含むことを特徴とする比誘電率測定方法。
  6. 上記帯電処理工程がコロナ放電によって絶縁膜表面を帯電させる工程を含むことを特徴とする請求項記載の比誘電率測定方法。
  7. 上記帯電処理工程が220nm以上300nm以下の波長を有する紫外線を半導体基板に照射する工程を含むことを特徴とする請求項または記載の比誘電率測定方法。
  8. 上記絶縁膜の比誘電率(εins)を算出する工程が、dΔu/dVsurfの値を、半導体基板が蓄積状態にあるときの単位面積あたりの電荷変化量(Δq u )および表面電位(Vsurf)のデータに基づいて算出する工程を含むことを特徴とする請求項ないしのいずれかに記載の比誘電率測定方法。
  9. 半導体基板の一方表面に形成された絶縁膜の膜厚を、この絶縁膜に関して非接触で測定する膜厚測定装置であって、
    絶縁膜の表面を非接触で帯電させる帯電処理部と、
    この帯電処理部によって絶縁膜表面に電荷が付与された結果としての単位面積あたりの電荷変化量(Δq u )を、絶縁膜に関して非接触で測定するための電荷量測定部であって、半導体基板の他方表面に接触する接触電極と、
    上記他方表面に上記接触電極が接触している半導体基板の上記一方表面に離間して対向配置可能な測定電極と、
    半導体基板と上記測定電極との間隔を測定するギャップ測定手段と、
    半導体基板と上記測定電極との間隔を変更するギャップ変更機構と、
    上記接触電極と上記測定電極との間にバイアス電圧を印加可能で、印加するバイアス電圧の大きさを変化させることが可能なバイアス電圧印加手段と、
    上記接触電極と上記測定電極との間の電気容量を測定する容量測定手段とを有する電荷量測定部と、
    絶縁膜の表面電位(Vsurf)を、絶縁膜に関して非接触で測定する表面電位測定部と、
    上記帯電処理部による帯電処理の前に、上記バイアス電圧印加手段、および上記容量測定手段を用いてC−V測定を行うことにより求められた第1のフラットバンド電圧と、上記帯電処理部による帯電処理の後に、上記バイアス電圧印加手段、および上記容量測定手段を用いてC−V測定を行うことにより求められた第2のフラットバンド電圧との差(ΔVfb)から、上記帯電処理部により絶縁膜に電荷が付与された結果としての単位面積あたりの電荷変化量(Δq u )を、
    ΔVfb=−Δq u air /ε 0
    (d air は、C−V測定時の半導体基板と上記測定電極との間のギャップ、ε 0 は、真空の誘電率)
    の関係に基づいて算出する手段と、
    上記算出された単位面積あたりの電荷変化量(Δq u )、および上記表面電位測定部で測定された表面電位(Vsurf)から、絶縁膜の膜厚(tins)を算出する手段であって、当該絶縁膜の膜厚(tins)を、
    Δu/dVsurf=εinsε0/tins
    (ε insは、絶縁膜の比誘電率)
    の関係に基づいて算出する手段とを備え
    上記絶縁膜の膜厚(t ins )を算出する手段が、絶縁膜の単位面積あたりの電荷化量(Δq u )と、表面電位(V surf )とからなる複数組のデータに基づく回帰直線の傾きを算出して、この回帰直線の傾きを上記dΔq u /dV surf の値とすることを特徴とする膜厚測定装置。
  10. 上記帯電処理部が、絶縁膜の表面でコロナ放電を生じさせるコロナ放電部を含むことを特徴とする請求項記載の膜厚測定装置。
  11. 上記帯電処理部が、絶縁膜の表面に紫外線を照射する紫外線照射部を含むことを特徴とする請求項または1記載の膜厚測定装置。
  12. 上記絶縁膜の膜厚(tins)を算出する手段が、dΔu/dVsurfの値を、半導体基板が蓄積状態にあるときの単位面積あたりの電荷変化量(Δq u )および表面電位(Vsurf)のデータに基づいて算出することを特徴とする請求項ないし1のいずれかに記載の膜厚測定装置。
  13. 半導体基板の一方表面に形成された絶縁膜の比誘電率を、この絶縁膜に関して非接触で測定する比誘電率測定装置であって、
    絶縁膜の表面を非接触で帯電させる帯電処理部と、
    この帯電処理部によって絶縁膜表面に電荷が付与された結果としての単位面積あたりの電荷変化量(Δq u )を、絶縁膜に関して非接触で測定するための電荷量測定部であって、半導体基板の他方表面に接触する接触電極と、
    上記他方表面に上記接触電極が接触している半導体基板の上記一方表面に離間して対向配置可能な測定電極と、
    半導体基板と上記測定電極との間隔を測定するギャップ測定手段と、
    半導体基板と上記測定電極との間隔を変更するギャップ変更機構と、
    上記接触電極と上記測定電極との間にバイアス電圧を印加可能で、印加するバイアス電圧の大きさを変化させることが可能なバイアス電圧印加手段と、
    上記接触電極と上記測定電極との間の電気容量を測定する容量測定手段とを有する電荷量測定部と、
    絶縁膜の表面電位(Vsurf)を、絶縁膜に関して非接触で測定する表面電位測定部と、
    上記帯電処理部による帯電処理の前に、上記バイアス電圧印加手段、および上記容量測定手段を用いてC−V測定を行うことにより求められた第1のフラットバンド電圧と、上記帯電処理部による帯電処理の後に、上記バイアス電圧印加手段、および上記容量測定手段を用いてC−V測定を行うことにより求められた第2のフラットバンド電圧との差(ΔVfb)から、上記帯電処理部により絶縁膜に電荷が付与された結果としての単位面積あたりの電荷変化量(Δq u )を、
    ΔVfb=−Δq u air /ε 0
    (d air は、C−V測定時の半導体基板と上記測定電極との間のギャップ、ε 0 は、真空の誘電率)
    の関係に基づいて算出する手段と、
    上記算出された単位面積あたりの電荷変化量(Δq u )、および上記表面電位測定部で測定された表面電位(Vsurf)から、絶縁膜の比誘電率(εins)を算出する手段であって、当該絶縁膜の比誘電率(εins)を、
    Δu/dVsurf=εinsε0/tins
    (t insは、絶縁膜の膜厚)
    の関係に基づいて算出する手段とを備え
    上記絶縁膜の比誘電率(ε ins )を算出する手段が、絶縁膜の単位面積あたりの電荷量の変化量(Δq u )と、表面電位(V surf )とからなる複数組のデータに基づく回帰直線の傾きを算出して、この回帰直線の傾きを上記dΔq u /dV surf の値とすることを特徴とする比誘電率測定装置。
  14. 上記帯電処理部が、絶縁膜の表面でコロナ放電を生じさせるコロナ放電部を含むことを特徴とする請求項1記載の比誘電率測定装置。
  15. 上記帯電処理部が、半導体基板に紫外線を照射する紫外線照射部を含むことを特徴とする請求項1または1記載の比誘電率測定装置。
  16. 上記絶縁膜の比誘電率(εins)を算出する手段が、dΔu/dVsurfの値を、半導体基板が蓄積状態にあるときの単位面積あたりの電荷変化量(Δq u )および表面電位(Vsurf)のデータに基づいて算出することを特徴とする請求項1ないし1のいずれかに記載の比誘電率測定装置。
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