JP4894351B2 - 半導体基板の評価方法 - Google Patents

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本発明は、酸化膜が形成されたシリコン基板等の半導体基板の評価を行う方法に関し、特には酸化膜中の可動イオンの濃度を測定する方法に関する。
最近では、電子デバイスのさらなる微細化、高性能化のため、より高品質なシリコン基板等の半導体基板が求められている。そのため、このような半導体基板の品質を評価することが積極的に行われており、より簡便に半導体基板を評価することができる評価方法が求められている。
ところで、このような半導体基板上に酸化膜を形成したときに、その酸化膜中に不純物が混入してしまう場合がある。この不純物、すなわちナトリウムイオンやカリウムイオン等の可動イオンは半導体基板に電界をかけた場合に容易に移動してしまい、半導体デバイスの特性を落とす要因となってしまう。
このため、半導体基板上に形成された酸化膜中に混入した不純物の量を評価する方法が求められている。
従来より行われている上記のような可動イオンの量を測定する一手法として、例えばBT(Bias Temperature)処理を用いた方法が挙げられる(非特許文献1参照)。
この方法は、まず半導体基板表面の酸化膜上に、例えばポリシリコンをCVD法等により堆積し、フォトリソグラフィ工程を経て電極を形成してMOS構造を作製する。そして電圧を印加してC−V測定を行い、C−V曲線からフラットバンド電圧Vfbを算出する。この後、電極にバイアスを印加しながら例えば300℃程度まで加熱を行う(BT処理)。このとき、可動イオンが移動し、C−V測定から得られるフラットバンド電圧が変化する。そこで、再度C−V測定を行って、BT処理後のフラットバンド電圧Vfaを算出する。
このようにして得られた上記BT処理前後のフラットバンド電圧VfbとVfaとを下記式に代入して可動イオン濃度を見積もることができる。
Nm = Cox / q (Vfb − Vfa)
Nm:酸化膜中の可動イオン濃度
Cox:MOS構造中の酸化膜容量
q :電子の電荷量
Vfb:BT処理前のフラットバンド電圧
Vfa:BT処理後のフラットバンド電圧
しかしながら、このような従来の評価方法では、評価に長時間を要してしまい迅速性に欠けてしまったり、必要以上にコストがかかってしまうという問題があった。
E.H.Snow, A.S.Grove, B.E.Deal and D.T.Sah, J. Appl. Phys., 36, 1664 (1965).
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたもので、フォトリソグラフィ工程等における大掛かりな装置や多数の工程を必要とせず、より簡便に短時間で酸化膜中の不純物、特に可動イオンを評価することができる方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、酸化膜を形成した半導体基板の評価方法であって、少なくとも、半導体基板上に酸化膜を形成して、該酸化膜に水銀プローブを接触させてC−V測定を行い、フラットバンド電圧Vfbを算出し、次に、前記酸化膜を形成した半導体基板にコロナ放電処理を施して、前記酸化膜の表面に電荷を載上させることにより、少なくとも前記酸化膜中の可動イオンを酸化膜表層に移動させた後、該コロナ放電処理を施した半導体基板の酸化膜に再び水銀プローブを接触させてC−V測定を行い、フラットバンド電圧Vfaを算出し、前記コロナ放電処理前のフラットバンド電圧Vfbと前記コロナ放電処理後のフラットバンド電圧Vfaとから前記可動イオンの濃度を算出して評価することを特徴とする半導体基板の評価方法を提供する(請求項1)。
このように、本発明では、水銀プローブを半導体基板上の酸化膜に接触させることによってC−V測定を行う。このため、従来法のようにMOS構造を作製する必要がない。
MOS構造を作製するにあたっては、半導体基板上に形成した酸化膜の表面に、例えばCVD法によってポリシリコン層を堆積させた後、このポリシリコン層にフォトリソグラフィ及びポリシリコンのエッチングを行って電極を形成する。
本発明では、上記のようなフォトリソグラフィ等の工程を行わずに済むことから、フォトリソグラフィ工程等のMOS構造を作製する工程で使用する大掛かりな装置や工程そのものを省くことができる。したがって、その分、半導体基板の評価を短時間かつ簡便に行うことができるし、コスト面においても改善を図ることができる。
また、コロナ放電処理を施すことにより、容易に酸化膜表面に電荷を載上させて可動イオンの移動を行うことができる。このようなコロナ放電処理であれば、半導体基板の広い範囲に容易に電荷を載上させることが可能である。なお、MOS構造の場合は電極が存在することで、コロナが不均一になるという問題があり適応できない。また、特には、後述のように半導体基板を加熱しながら可動イオンを移動させる処理を行う場合、従来法では、半導体基板を加熱しつつバイアスを印加できる専用のプローブシステムが必要であるが、本発明ではそのようなプローブシステムを必要とせず、コロナ放電処理によって電荷を載上させることにより基板に電圧を印加して簡便に可動イオンの移動を行うことが可能である。また、加熱した半導体基板に水銀プローブを接触させずにバイアスを印加でき、安全に評価を行うことができる。
このとき、前記コロナ放電処理を施すときに前記酸化膜を形成した半導体基板を加熱するのが好ましい(請求項2)。
このように、コロナ放電処理を施すときに酸化膜を形成した半導体基板を加熱すれば、可動イオンを動きやすくさせることができるために、より酸化膜表層に集めやすく、測定精度を向上することができる。また、加熱することで、例えば分子の不純物を解離させイオン化させて可動イオンを検出しやすくすることができるので、より精度高く不純物量の測定を行うことが可能である。
そして、前記コロナ放電処理を施すときに加熱する温度を30℃を越える温度とすることができる(請求項3)。
このように、コロナ放電処理を施すときに加熱する温度を30℃を超える温度とすることにより、上記のように可動イオンを動きやすくさせたり、イオン化していない不純物を解離させることができる。なお、この加熱温度は、例えば上記不純物を解離させるために必要な活性化エネルギーを与えるに相当する温度程度とすることができ、例えば酸化膜に混入した不純物の種類に応じて適宜設定することができ、上限は特に限定されない。
また、前記コロナ放電処理を施した半導体基板を30℃以下にしてから前記水銀プローブを接触させてC−V測定を行うのが好ましい(請求項4)。
このように、例えば上記のようにコロナ放電処理のときに加熱を行った場合であっても、半導体基板を30℃以下、すなわち室温程度にしてから前記水銀プローブを接触させてC−V測定を行えば、水銀の揮発を十分に抑制することができ、特に問題なく水銀プローブを使用してC−V測定を行うことができる。
また、前記半導体基板をシリコン基板とすることができる(請求項5)。
半導体基板としてシリコン基板は代表的なものであり、このようなシリコン基板において不純物の濃度測定を行えば需要にかなったデータを提供することが可能である。
以上のように、本発明によって、半導体基板上の酸化膜中の可動イオン濃度を求めるにあたり、従来法とは異なってMOS構造を作製することなく、水銀プローブを用いて測定を行うので、容易かつ短時間でコストをかけずに半導体基板の評価を行うことができる。また、本発明ではコロナ放電処理を施すことにより可動イオンを酸化膜表層に移動させるので、従来のような高温状態に対応した専用のプローブシステムを用意する必要がなくて済む。
以下では、本発明の実施の形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
従来では、半導体基板上に形成された酸化膜中の不純物、すなわちナトリウムイオン等の可動イオンの濃度を測定するにあたり、MOS構造を作製し、BT処理前後のC−V測定から得られたフラットバンド電圧の差から可動イオンの濃度を算出する方法が行われていた。
しかしながら、このようにまずMOS構造を作製するため、フォトリソグラフィ等の工程が必須となり、その工程を行うための装置も用意しなければならないことから、工程数が増えて半導体基板の評価をするにあたって長時間を要したり、装置のための費用によりその分コストがかかってしまう。
そこで、本発明者らが可動イオンの濃度の測定方法について鋭意研究を行ったところ、水銀プローブを用いれば、MOS構造を作製せずに、より簡単かつ短時間で測定を行うことができるとともにコスト面も改善できることを見出した。このような方法であれば、フォトリソグラフィ等の工程を行わずに済み、手間や時間等を大幅に削減することができる。
同時に、このようにすれば半導体基板上に酸化膜を形成した状態で評価を行うことができる。例えば従来法のように、測定のためにMOS構造を作製する場合、単に半導体基板上に酸化膜を形成したときの状態と異なってしまうことが考えられ、すなわち被評価半導体基板の電気特性が変化してしまい、正確に所望の評価を行うことができなくなってしまうことが考えられる。しかしながら、本発明のように、水銀プローブを用いて測定を行えば、MOS構造を作製する工程を必要としないことから、電気特性が変化してしまう可能性をなくすことができ、評価をより正確なものとすることができると考えられる。
また、コロナ放電処理によって、酸化膜表面に電荷を載上させることにより酸化膜中の可動イオンを移動させれば、例えば、特に可動イオンを移動させるための処理を行うときに半導体基板を加熱する場合であっても、従来法で加熱中にバイアスを印加するのに必要な専用のプローブシステムを用いず簡単に処理することが可能であるし、加熱した基板に水銀プローブを接触させずにバイアスの印加ができ、水銀を揮発させることなく安全に評価を行うことができると考えた。
本発明者らはこれらのことを見出し、本発明を完成させた
以下、本発明の半導体基板の評価方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図5は、本発明の評価方法における工程の一例をフローチャートで示したものである。
まず、評価対象となる酸化膜付きの半導体基板を用意し(工程A)、この基板に対して水銀プローブを用いてC−V測定を行ってコロナ放電処理前のフラットバンド電圧Vfbを求める(工程B)。次に、コロナ放電処理によって酸化膜の表面に電荷を載上させることにより電圧を印加して、酸化膜中の可動イオンを酸化膜表層へ移動させる(工程C)。そして、上記と同様にして、再度水銀プローブを用いてコロナ放電処理後のフラットバンド電圧Vfaを求めた後(工程D)、コロナ放電処理前後のフラットバンド電圧VfbおよびVfaとから可動イオンの濃度(不純物量)を得る(工程E)。
ここで、工程B、工程Dで使用する水銀プローブ装置、および工程Cで使用するコロナチャージ装置について述べる。
図1に、本発明の評価方法で使用する水銀プローブ装置の主な構成を示す。
この水銀プローブ装置11は、主に真空チャック12および水銀プローブ13で構成されており、真空チャック12によって被評価基板W(シリコン基板16、酸化膜17)を裏面側、すなわちシリコン基板16の上方側から吸着保持することができる。真空チャック12は、金属等の導電性材料でできており、被評価基板Wの裏面電極を兼ねている。この金属等の種類は特に限定されず、従来のものを用いることができる。
また、水銀プローブ13は、その平面図は例えば図2のようになっており、水銀電極部14、15を有している。測定時には、真空チャック12に吸着保持された被評価基板Wの表面側、すなわち下方の酸化膜17の側に近づけられ、水銀電極部14、15が酸化膜17に接触される。なお、水銀プローブの種類は特に限定されず、真空チャック12に保持された被評価基板Wの上方から水銀が接触する方式でも良い。
このように、上述したような従来と同様の水銀プローブ装置を用いることができる。
また、図3は被評価基板Wの酸化膜17の表面にコロナ放電処理を行う装置の一例を示す概略構成図である。コロナチャージ装置31はステージ32を有しており、このステージ32はX−Y駆動用モーター(不図示)に接続されていてX−Y軸方向(水平方向)に駆動できるようになっている。また、ヒーターを備えており温度を調整することが出来る。コロナチャージの際には、このステージ32上に被評価基板Wが載置される。ステージ32に載置された被評価基板Wの上部には、電荷を発生させる電荷発生部33が設けられている。この電荷発生部33は金属ワイヤーから成り、ステージ32に載置した被評価基板Wと電荷発生部33の先端との距離は、例えば1〜50cm程度、特には約20cmになるようにして固定されている。
上記のようなコロナ放電処理を行うためのコロナチャージ装置31は特に限定されず、従来のものを使用することができる。なお、一度水銀に接触させた被評価基板を加熱する際は、本装置を排気装置のある密閉型とした方がより好ましい。
以下、たとえば上記のような装置を用いて行われる本発明の各工程についてさらに述べる。
まず、酸化膜を形成した半導体基板を用意する(工程A)。
なお、本発明の半導体基板の評価方法により評価する半導体基板は、分離酸化膜やヘテロ構造のものでなければ特に限定されるものではなく、ここでは上述のようにシリコン基板16を用いて説明する。
このシリコン基板16の表面に酸化膜17を形成する。この酸化膜17の形成方法は特に限定されるものではなく、例えば従来の酸化炉を用いて形成することができる。評価条件に合わせて酸化条件を適宜設定することができ、形成する酸化膜17の厚さ等も自由に決定することができる。また、用意したシリコン基板16自体の評価を目的として酸化膜17を形成したものでもよいし、または炉体評価を目的として酸化膜17をつけたものでも良い。評価目的に合わせて自由に半導体基板16上に酸化膜17を形成することができる。
次に、上記のようにして形成した酸化膜付きのシリコン基板(被評価基板W)を、水銀プローブ装置11にセットして、酸化膜17に水銀プローブ13を接触させてC−V測定を行い、フラットバンド電圧Vfbを求める(工程B)。
上記のような水銀プローブ装置11を用い、まず、被評価基板Wはシリコン基板16上に形成された酸化膜17の側を下向きにし、該酸化膜17の側の面を台(不図示)に載置して装置内に収納した後、台に載置した酸化膜17の側の面とは反対側の面、すなわち、被評価基板Wの裏面側を真空チャック12で上側から吸着する。
そして、被評価基板Wの裏面を真空チャック12に吸着したら、台を被評価基板Wから離して移動させる。その後、被評価基板Wの酸化膜17の表面のごく近傍に水銀プローブ13を近づけ、水銀電極部14、15のみを酸化膜17に接触させてC−V測定を行う。
このように、被評価基板Wは、シリコン基板16に対しては酸化膜17を形成しただけの状態であり、実際に基板にMOS構造を作製したわけではないが、水銀プローブ13を用いることによって擬似的にMOS構造を形成することができ、従来と同様にしてC−V測定を行い、フラットバンド電圧を算出することができる。
このようにして、従来法とは異なり、基板にMOS構造を形成することなくフラットバンド電圧(コロナ放電処理前のフラットバンド電圧Vfb)を求めることができる。このため、MOS構造を形成するためのリソグラフィ等の工程および装置を用意する必要がなく、それらを省いて評価を行うことができるので、コストをかけずに済むし、評価に要する時間を大幅に短縮化することが可能である。
また、MOS構造を作製する工程、例えばポリシリコンのCVD堆積時やリソグラフィ工程での熱処理等が行われることがないために、単に酸化膜をシリコン基板表面に形成した状態における被評価基板Wの評価を行うことができる。すなわち、例えば電気特性を変化させてしまうおそれが生じないため、本方法によって正確に所望のデータを得ることができると考えられる。
以上のようにして、コロナ放電処理前のフラットバンド電圧Vfbを測定した後、被評価基板Wをコロナチャージ装置31に載置してコロナ放電処理を行うことによって、被評価基板Wの酸化膜17の表面に電荷を載上させる(工程C)。
まず、被評価基板Wを酸化膜が上向きになるようにしてステージ32上に載置した後、電荷発生部33に高電圧印加電源(不図示)から正または負の高電圧を印加することにより、電荷発生部33から被評価基板Wの酸化膜17の表面にプラスまたはマイナスのコロナイオンを降り注ぐ。
プラスのコロナイオンは、Hイオンの周囲を空気中の水分が取り囲んだ(HO)の状態になっていることが多い。また、マイナスのコロナイオンは、空気中で発生させることが難しいため、装置を取り囲む密閉チャンバー(不図示)を予め設置しておき、チャンバー内を炭酸ガスで満たして負の高電圧を印加することによって、マイナスのコロナイオンとして炭酸ガスイオンCO を発生させることができる。
このようにして、プラスもしくはマイナスのコロナイオンを電荷発生部33から被評価基板Wに向かって線状に降り注ぎ、被評価基板Wの酸化膜17の表面にプラスまたはマイナスイオンを載上させることができる。
なお、このときX−Y駆動用モーターを駆動して、ステージ32をXまたはY方向に(すなわち水平方向に自在に)駆動することで、ステージ32上に載置された被評価基板Wの酸化膜17の全面に容易に載上させることが可能である。また、ステージ32に備えられたヒーターにより被評価基板Wを加熱することができる。
以上のようなコロナ放電処理によって、電荷を酸化膜17の表面に載上させ、酸化膜17中の可動イオンを酸化膜17の表層に移動させることができる。このとき、上記のように被評価基板Wを加熱しながらコロナ放電処理を行えば、可動イオンがより動きやすくなり、可動イオンを酸化膜17の表層へ集めやすくなる。したがって、加熱することにより測定精度をより向上することができる。また、分子の形態をとっている不純物の場合、上記コロナ放電中の加熱によりエネルギーが与えられて解離してイオン化することができる。そのためより一層精度高く不純物の濃度を測定することが可能になる。
そして、このときの加熱温度は特に限定されるものではなく、例えば30℃を越える温度とすることができる。加熱温度の上限は特に限定されず、混入した不純物や他の条件に応じてその都度決定することができる。なお、一般的な可動イオン(ナトリウムイオン等)であれば、例えば300℃程度に加熱すれば十分である。
また、本発明は、コロナ放電処理を用いてバイアスを印加する方法であるので、上記のように被評価基板Wを例えば高温に加熱して行う場合であっても、特殊な設備を必要とすることなく電荷を酸化膜17上に載上させてバイアスを印加し、可動イオンを酸化膜17の表層に移動させることが可能である。
これに対して従来法では、ゲート電極にバイアスを印加して可動イオンを移動させるが、このとき被評価基板を高温に加熱する場合、その高温状態に対応できるように専用のプローブシステムが必要となる。
一方で、本発明では従来法で使用するような専用のプローブシステムは必要なく、また、加熱した被評価基板Wに水銀プローブを接触させずとも、上述したように、コロナチャージ装置13によって電荷を載上させて電圧を印加することができるので、容易かつ安全に可動イオンの移動を行うことができる。
そして、上記コロナ放電処理を施した後、再度水銀プローブ装置11を用いてC−V測定を行い、フラットバンド電圧(コロナ放電処理後のフラットバンド電圧Vfa)を求め(工程D)、コロナ放電処理前のフラットバンド電圧Vfbとコロナ放電処理後のフラットバンド電圧Vfaとの差から、上述した式により酸化膜17中の可動イオンの濃度を算出することができる(工程E)。
なお、コロナ放電処理を被評価基板Wを加熱しながら行った場合、その後のC−V測定で水銀プローブ13の水銀が揮発してしまうのを防ぐため、コロナ放電処理後の被評価基板Wを例えば30℃以下の室温程度に冷却してから水銀プローブ13の水銀電極部を酸化膜17に接触させて測定を行う。このようにすれば、特に問題なく測定を行うことが可能である。
以下、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。
半導体基板として、導電型P型、直径200mm、結晶方位<100>であるシリコン基板を用意した。なお、この基板をP型にするためのドーパントとしてボロンを用いた。このシリコン基板を酸化炉に投入し、乾燥酸素雰囲気下で200nmの厚さの酸化膜を形成し、酸化膜付きのシリコン基板を用意した。
(実施例)
上記酸化膜付きシリコン基板に対して本発明の評価方法を実施して、不純物の濃度を測定した。
まず、基板を水銀プローブ装置(Four DIMENSIONS社製CVmap92)に載置して印加する電圧を−20Vより変化させてC−V特性の測定を行い、コロナ放電処理前のフラットバンド電圧Vfbを求めた。次に、コロナチャージによる電荷の載上を行ないつつ、基板を300℃まで加熱し、300℃で10分間保持した。そして、コロナチャージを印加しながら室温まで冷却した。この基板を水銀プローブ装置に載置して、再度同様にしてC−V特性の測定を行い、コロナ放電処理後のフラットバンド電圧Vfaを求めた。
図4に上記測定で得られたC−V曲線を示す。◆で示されるのがコロナ放電処理前であり、○がコロナ放電処理後のC−V曲線である。なお、Cは印加電圧−20Vにおける容量値である。このC−V曲線において、C/Cが高く、C−V曲線が比較的水平な部分の同じC/C点でのVfbとVfaの値を前述の式に代入するフラットバンド電圧として用いる(図4の矢印参照)。これは、C/Cが比較的較的低い領域ではC−V曲線がゆがむことがあるためである。
これらの結果より、不純物、すなわち可動イオンの濃度を計算すると、およそ5E11atom/cmであった。
(比較例)
上記酸化膜付きシリコン基板に対して、MOS構造を作製して測定を行う従来の評価方法を実施して不純物の濃度を測定したところ、可動イオン濃度はおよそ5.1E11atom/cmであった。
このように、本発明を実施した上記実施例によって、比較例とほぼ同様の測定結果を得ることができた。また、上記実施例の場合の方が、MOS構造作業に要する時間が不要であるため、1/5以下の時間で測定結果を得ることが可能である。
以上のように、本発明の評価方法を実施した実施例では、水銀プローブを用いて、半導体基板上の酸化膜中に混入した不純物の濃度を簡便に測定することができた。すなわち、水銀プローブを半導体基板上の酸化膜に直接接触させるので、特に、比較例のような従来法と異なりMOS構造を形成する必要がない。このため、MOS構造作製に要するフォトリソグラフィ等の工程や装置を必要とせず、評価に要するコストや時間を全体的に大幅に削減することができ、簡便かつ短時間で評価を行うことができ、評価効率を向上することができる。
しかも従来と少なくとも同程度に半導体基板を正確に評価することが可能である。
また、たとえ可動イオンを移動させるときに基板を加熱する場合であっても、本方法では、そもそもコロナ放電処理によって電荷を酸化膜表面に載上させることによりバイアスの印加を行うので、従来のように専用のプローブシステムを予め用意しておく必要がない。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
水銀プローブ装置の一例を示す概略構成図である。 水銀プローブの一例を示す平面図である。 コロナチャージ装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の評価方法で測定されたコロナ放電処理前後のC−V曲線である。 本発明の半導体基板の評価方法における工程を示すフローチャートである。
符号の説明
11…水銀プローブ装置、 12…真空チャック、 13…水銀プローブ、
14、15…水銀電極部、16…シリコン基板、 17…酸化膜、
31…コロナチャージ装置、 32…ステージ、 33…電荷発生部、
W…被評価基板。

Claims (5)

  1. 酸化膜を形成した半導体基板の評価方法であって、少なくとも、半導体基板上に酸化膜を形成して、該酸化膜に水銀プローブを接触させてC−V測定を行い、フラットバンド電圧Vfbを算出し、次に、前記酸化膜を形成した半導体基板にコロナ放電処理を施して、前記酸化膜の表面に電荷を載上させることにより、少なくとも前記酸化膜中の可動イオンを酸化膜表層に移動させた後、該コロナ放電処理を施した半導体基板の酸化膜に再び水銀プローブを接触させてC−V測定を行い、フラットバンド電圧Vfaを算出し、前記コロナ放電処理前のフラットバンド電圧Vfbと前記コロナ放電処理後のフラットバンド電圧Vfaとから前記可動イオンの濃度を算出して評価することを特徴とする半導体基板の評価方法。
  2. 前記コロナ放電処理を施すときに前記酸化膜を形成した半導体基板を加熱することを特徴とする請求項1に記載の半導体基板の評価方法。
  3. 前記コロナ放電処理を施すときに加熱する温度を30℃を越える温度とすることを特徴とする請求項2に記載の半導体基板の評価方法。
  4. 前記コロナ放電処理を施した半導体基板を30℃以下にしてから前記水銀プローブを接触させてC−V測定を行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体基板の評価方法。
  5. 前記半導体基板をシリコン基板とすることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の半導体基板の評価方法。
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