JP2009188170A - 絶縁膜物理量の算出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体基板の主面上に形成された絶縁膜の膜内電荷密度、膜厚および比誘電率の値が既知である場合に、値が未知である表面電荷密度の値を容易に求める方法の提供。
【解決手段】基板上の絶縁膜に係る未知物理量である表面電荷密度の値が仮決定され、表面電荷密度の仮決定値と3つの既知物理量である膜内電荷密度、膜厚および比誘電率の値とに基づいて絶縁膜の膜電位演算値が求められ、さらに、膜電位演算値を用いて絶縁膜の表面電位演算値が求められる。そして、表面電位演算値と表面電位計により測定された絶縁膜の表面電位測定値との差が閾値以下になるまで表面電荷密度の仮決定値が変更され、上記差が閾値以下となった際の仮決定値が表面電荷密度の値として決定される。これにより、表面電荷密度の値を、絶縁膜の表面の状態を変化させることなく、また、絶縁膜の表面に電極等を設けることなく容易に求めることができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、半導体基板の主面上に形成された絶縁膜の表面電荷密度、膜内電荷密度、膜厚および比誘電率の4つの絶縁膜物理量のうち値が未知である1つの物理量の値を求める絶縁膜物理量の算出方法に関する。
従来より、半導体プロセスでは、半導体基板(以下、単に「基板」という。)に対する膜形成プロセスや洗浄プロセス等の処理プロセスの条件を適切に決定したり、デバイス作成ラインの管理状態等の向上のために、基板上に形成された絶縁膜の電荷密度の測定が行われている。
例えば、絶縁膜内の電荷密度を測定する方法の1つとして、絶縁膜の表面および基板の裏面に金属電極を形成して容量−電圧特性(すなわち、C−V特性)の測定を行う方法が知られている。しかしながら、当該方法では絶縁膜表面に対する測定用電極の形成が必要であるため、測定までの作業時間が長くなってしまう上に絶縁膜表面の電荷密度を測定することができない。
一方、特許文献1では、基板の上方にギャップを隔てて配置された測定用電極と基板との間の電気特性を測定する非接触式の測定方法が開示されており、当該測定方法によれば、絶縁膜表面の電荷密度の測定も可能である。また、特許文献2では、コロナ放電により生じた電荷を絶縁膜表面に付着させ、表面光電圧変化を測定することにより、絶縁膜内の電荷密度を測定する非接触式の測定方法が開示されている。
特開平4−132236号公報 米国特許第6335630号明細書
ところで、特許文献1の測定方法では、微小な空気層を挟んで対向する測定用電極と基板との間に電圧を印加してC−V特性を測定するため、測定可能範囲を広げるために測定用電極に高電圧を印加すると、測定用電極と基板との間に放電が生じてしまうおそれがあり、測定範囲の拡大に限界がある。
特許文献2の測定方法では、絶縁膜表面に電荷を付着させるため、絶縁膜上において一旦測定した部位の再測定を行うことはできず、また、絶縁膜表面の電荷密度を測定することはできない。
また、基板上の絶縁膜に関する物理量の測定としては、絶縁膜の表面電荷密度および膜内電荷密度の測定のみならず、膜厚や比誘電率の測定を精度良く行うことも求められている。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、半導体基板の主面上に形成された絶縁膜の表面電荷密度、膜内電荷密度、膜厚および比誘電率の4つの絶縁膜物理量のうち値が未知である1つの物理量の値を容易に求めることを目的としている。
請求項1に記載の発明は、半導体基板の主面上において露出する絶縁膜の表面電荷密度、膜内電荷密度、膜厚および比誘電率の4つの絶縁膜物理量のうち値が未知である1つの物理量の値を求める絶縁膜物理量の算出方法であって、a)前記絶縁膜の露出している表面の電位を非接触にて測定する工程と、b)前記絶縁膜の表面電荷密度、膜内電荷密度、膜厚および比誘電率の4つの絶縁膜物理量のうち、3つが値が既知の既知物理量であり、1つが値が未知の未知物理量であり、前記未知物理量の値を仮決定し、前記未知物理量の仮決定値と前記既知物理量の値とに基づいて前記絶縁膜の電位を演算により求める工程と、c)前記b)工程にて求められた前記絶縁膜の電位である膜電位演算値を用いて前記絶縁膜の前記表面の電位を演算により求める工程と、d)前記a)工程にて測定された電位である表面電位測定値と前記c)工程にて求められた電位である表面電位演算値との差が所定の閾値以下となるまで前記仮決定値を変更して前記b)工程および前記c)工程を繰り返し、前記表面電位測定値と前記表面電位演算値との前記差が前記閾値以下となった際の前記仮決定値を前記未知物理量の値とする工程とを備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の絶縁膜物理量の算出方法であって、前記b)工程において、前記未知物理量が前記絶縁膜の表面電荷密度または膜内電荷密度である。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の絶縁膜物理量の算出方法であって、前記c)工程において、前記表面電位演算値が前記膜電位演算値とされる。
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の絶縁膜物理量の算出方法であって、e)前記c)工程よりも前に、前記半導体基板の仕事関数である基板仕事関数の正負を反転させたもの、前記半導体基板の前記主面に誘起される表面ポテンシャル、前記絶縁膜の前記表面上の付着物による局所的仕事関数、および、前記a)工程にて参照対象物が用いられる場合の前記参照対象物の仕事関数である参照仕事関数のうち、少なくとも1つの値を取得する工程をさらに備え、前記c)工程において、前記表面電位演算値が、前記膜電位演算値と前記e)工程において取得された前記少なくとも1つの値との合計とされる。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の絶縁膜物理量の算出方法であって、前記a)工程が、a1)非接触にて前記絶縁膜の前記表面に対向する電極に接続された振動部の圧電素子に交流の駆動電圧の付与を開始することにより、前記電極から前記半導体基板に向かう方向における前記電極の振動を開始する工程と、a2)前記半導体基板を保持する基板保持部からの変位電流と前記電極の電極電位とを取得する工程と、a3)前記変位電流および前記電極電位に基づいて前記絶縁膜の前記表面の電位を求める工程とを備える。
本発明では、半導体基板の主面上に形成された絶縁膜の表面電荷密度、膜内電荷密度、膜厚および比誘電率の4つの絶縁膜物理量のうち値が未知である1つの物理量の値を容易に求めることができる。
図1は、本発明の一の実施の形態に係る絶縁膜物理量取得装置10の構成を示す図である。絶縁膜物理量取得装置10は、半導体ウェハ等の半導体基板9(以下、単に「基板9」という。)の主面901上に形成された絶縁膜91の露出している表面911における電荷密度(以下、「表面電荷密度」という。)、絶縁膜91内部における電荷密度(以下、「膜内電荷密度」という。)、絶縁膜91の膜厚および比誘電率の4つの絶縁膜物理量のうち値が未知である1つの物理量の値を求める装置である。
図1に示すように、絶縁膜物理量取得装置10は、基板9の主面901上において露出する絶縁膜91の表面911の電位(以下、単に「表面電位」ともいう。)を交流法の1つである振動容量法により非接触にて測定する表面電位計1、および、表面電位計1にて測定された絶縁膜91の表面電位に基づいて絶縁膜物理量の値を求める物理量演算部4を備える。図1では、図示の都合上、基板9および絶縁膜91の厚さを実際よりも大きく描いている。
表面電位計1は、基板9を吸着保持する基板保持部11、基板保持部11の上方に位置する振動電極12、振動電極12に接続された振動部13、振動電極12を昇降する昇降機構14、様々な電気的信号を処理する回路やデバイスの集合である処理部2、および、演算部であるコンピュータ3を備える。
基板保持部11は、基板9の裏面が接触するようにして基板9が載置される導電面111を有し、振動電極12は、非接触にて絶縁膜91の表面911および導電面111に対向する。導電面111の面積は振動電極12の先端の面積よりも十分に大きい。基板保持部11はXYステージとなっており、基板9を水平方向に移動し、基板9上の絶縁膜91の所望の部位を振動電極12に対向させる。振動電極12は絶縁部131を介してピエゾアクチュエータ(圧電素子)を有する振動部13に接続され、振動部13のピエゾアクチュエータに交流の駆動電圧が付与されることにより、振動電極12から基板9に向かう方向に振動電極12が振動する。振動部13は昇降機構14に接続され、昇降機構14が駆動されることにより、振動電極12と基板9(上の絶縁膜91)との間の距離が変更される。振動電極12の周囲および基板保持部11の周囲はカバー151で覆われており、カバー151および基板保持部11は、防振部材152により支持される。
処理部2は、基板保持部11の導電面111からの微少な電流を電圧に変換するとともに増幅するプリアンプ21、プリアンプ21からの信号をさらに増幅するアンプ22、振動部13に振動用の信号を与える発振器23、発振器23およびアンプ22からの信号が入力される同期検波回路24、および、オペアンプ251を含む制御回路25を備える。導電面111からの電流は、振動電極12の振動により、振動電極12と基板9との間の静電容量が変化することに起因して発生する交流電流であるため、以下の説明では、「変位電流」と呼ぶ。
プリアンプ21では電流値を変換した電圧が約10の10乗倍に増幅され、アンプ22にてさらに約10の2乗倍に増幅される。これにより、例えば、10fA(フェムトアンペア)の電流が約1mVの電圧としてオペアンプ251に導かれる。制御回路25からの電位は振動電極12に付与される。同期検波回路24にはアンプ22からの変位電流を示す電圧および発振器23からの信号が入力され、変位電流の振幅が変位電流の大きさとして同期検波回路24から出力され、制御回路25のオペアンプ251の反転入力端子(−)に入力される。
オペアンプ251の非反転入力端子(+)には、コンピュータ3から変位電流の大きさを指定する電流指定電圧が入力され、これにより、同期検波回路24からの入力電圧が電流指定電圧に等しくなるようにオペアンプ251が振動電極12に電位を与える。すなわち、処理部2によりオペアンプ251を利用したフィードバック制御が行われ、導電面111からの変位電流の値を指定電流値とする電極電位が取得される。制御回路25により決定された電位はコンピュータ3により直接的に取得される。
図2は、表面電位計1による基板9上の絶縁膜91の表面電位の測定の流れを示す図である。絶縁膜91の表面電位が測定される際には、まず、基板保持部11の導電面111と基板9の裏面とが接触するようにして基板9が導電面111上に保持され(ステップS11)、振動電極12が非接触にて基板9上の絶縁膜91の表面および導電面111に対向する。このとき、振動電極12と絶縁膜91の表面(または、導電面111)との間の距離は所定の値に設定される。
続いて、振動部13のピエゾアクチュエータに駆動電圧の付与が開始されることにより、振動電極12から基板9へと向かう方向における振動電極12の振動が開始され、予め設定されている電流指定電圧(本実施の形態では、0)がコンピュータ3から制御回路25に入力される(ステップS12)。次に、基板保持部11の導電面111からの変位電流の値(すなわち、電流の絶対値の最大値)、および、振動電極12の電位(以下、「電極電位」という。)が取得され、変位電流の値が電流指定電圧が示す0と等しくなるまで振動電極12の電極電位が変更される(すなわち、フィードバック制御される)(ステップS13〜S15)。そして、電極電位がコンピュータ3に取り込まれ、表面電位が電極電位に等しい値として求められる(ステップS16)。
また、表面電位計1では、振動電極12を振動させた状態で電流指示電圧を変更しつつ変位電流と電極電位とを取得して変位電流と電極電位との関係を取得し、変位電流と電極電位との関係を変化させる測定条件(例えば、振動電極12と絶縁膜91の表面911との間の上下方向の距離)を変更して変位電流と電極電位との関係を上記と同様に取得し、さらに、複数の測定条件に対応する変位電流と電極電位との複数の関係から、複数の測定条件に依存しない振動電極12の基準電位(すなわち、測定条件が変更されても変位電流の値が変化しない電位)が求められ、当該基準電位に基づいて絶縁膜91の表面電位が求められてもよい。
絶縁膜物理量取得装置10では、表面電位計1により測定された基板9上の絶縁膜91の表面電位が物理量演算部4へと送られる。図3は、物理量演算部4の構成を示す図である。物理量演算部4は、通常のコンピュータと同様に、各種演算処理を行うCPU401、実行されるプログラムを記憶したり演算処理の作業領域となるRAM402、基本プログラムを記憶するROM403、各種情報を記憶する固定ディスク404、作業者に各種情報を表示するディスプレイ405、および、キーボードやマウス等の入力部406等を接続した構成となっている。固定ディスク404内には、物理量演算部4により実行されるプログラム4041が記憶される。
図4は、物理量演算部4のCPU401等がプログラム4041に従って演算処理を行うことにより実現される機能を示すブロック図であり、図4中の記憶部40、データ受付部41、表面電位演算部42および未知物理量演算部43が、CPU401等により実現される機能に相当する。なお、これらの機能は複数台のコンピュータにより実現されてもよい。
次に、物理量演算部4による絶縁膜物理量の算出について説明する。図5は、絶縁膜物理量の算出の流れを示す図であり、以下では、絶縁膜91の表面電荷密度、膜内電荷密度、膜厚および比誘電率の4つの絶縁膜物理量のうち、膜内電荷密度、膜厚および比誘電率の3つの絶縁膜物理量が、値が既知の既知物理量であり、残りの1つの絶縁膜物理量である表面電荷密度が、値が未知の未知物理量であるものとし、未知物理量である表面電荷密度の値を求める場合について説明する。また、基板9はP型の半導体基板であるものとして説明する。
物理量演算部4では、まず、表面電位計1により測定された絶縁膜91の表面電位(以下、「表面電位測定値Vsurf_mes」という。)が、図4に示すデータ受付部41により受け付けられて記憶部40に記憶される(ステップS21)。続いて、表面電位演算部42により、未知物理量である単位面積あたりの表面電荷密度Qsurf(/cm)の値が仮決定され(ステップS22)、表面電荷密度Qsurfの仮決定値と既知物理量である単位面積あたりの膜内電荷密度Qins(/cm)、膜厚dおよび比誘電率εの値とに基づいて、絶縁膜91の電位(以下、「膜電位演算値」という。」)Vins_calが数1により求められる(ステップS23)。
Figure 2009188170
数1中のεは真空の誘電率を示し、また、数1では、絶縁膜91内部における電荷(すなわち、膜内電荷密度Qinsに対応する電荷)の分布が、絶縁膜91の厚さ方向において一様であるものとして膜電位演算値Vins_calを求めている。膜厚dおよび比誘電率εとしては、例えば、エリプソメータ等の光学測定器により測定された値が利用される。また、膜内電荷密度Qinsとしては、例えば、絶縁膜91の表面911が帯電する前の状態の基板9および絶縁膜91を、上述の特開平4−132236号公報に示される非接触式の測定方法(すなわち、微小な空気層を挟んで対向する測定用電極と基板との間に電圧を印加してC−V特性を測定する方法)等にて測定することにより求められた値が利用される。
膜電位演算値Vins_calが求められると、絶縁膜91の電荷により基板9の絶縁膜91に接触する主面901(すなわち、基板9の絶縁膜91に近い方の面)に誘起される電荷の単位面積あたりの密度Q(/cm)(以下、「誘起電荷密度」という。)が数2により求められる。
(数2)
=Qsurf+Qins+Qit
数2中のQitは、絶縁膜91の基板9と接する界面912(すなわち、絶縁膜91の基板9と対向する面であり、表面911とは反対側の面)の単位面積あたりの電荷密度(/cm)(以下、「界面電荷密度」という。)を示す。界面電荷密度Qitは、表面電荷密度Qsurfおよび膜内電荷密度Qinsに比べて小さい値となるため、本実施の形態では、Qitを0として誘起電荷密度Qが求められる。なお、界面電荷密度Qitは、例えば、絶縁膜91の表面911が帯電する前の状態の基板9および絶縁膜91を、上述の特開平4−132236号公報に示される非接触式の測定方法にて測定することにより求められてもよい。
次に、絶縁膜91の電荷により基板9の主面901に誘起される表面ポテンシャルφが、数2により求められた誘起電荷密度Q(すなわち、絶縁膜91の表面電荷密度Qsurf、膜内電荷密度Qins、および、界面電荷密度Qitの合計)や基板9の比誘電率ε等を用いて数3および数4により求められる(ステップS24)。数3の右辺の符号はQの正負により決定され、Qが0より大きい場合は右辺の符号はプラスとなり、Qが0より小さい場合は右辺の符号もマイナスとなる。数3および数4から表面ポテンシャルφを求める際には、例えば、ニュートン法が利用される。
Figure 2009188170
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数3および数4中のkはボルツマン定数、Tは温度、qは電荷素量、Lはデバイ長、nは真性キャリア濃度、Nsubは基板キャリア濃度を表す。本実施の形態では、ε、nおよびNsubとしてそれぞれ、多数の文献に記載されている数値や基板9の仕様値等が入力部406を介して入力されて記憶部40に予め記憶されている。また、βはq/kTと等しく、Lは、k,t,q,Nsub,εを用いて数5により求められる。なお、基板9がN型の半導体基板の場合、表面ポテンシャルφの算出には、数4に代えて数6が用いられる。
Figure 2009188170
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表面ポテンシャルφが求められると、絶縁膜91の表面911に付着した付着物(例えば、極性分子)による仕事関数である局所的仕事関数Δφの値が、記憶部40に予め記憶されている付着物の量と局所的仕事関数との関係に基づいて取得される(ステップS25)。なお、絶縁膜91に対する付着物の量が少ない場合には、局所的仕事関数Δφの値は、表面電荷密度Qsurfの算出において無視し得る程度に小さくなるため、Δφの値は0とされてもよい。
続いて、基板9の仕事関数である基板仕事関数φsubの値が、基板9の電子親和力χ、バンドギャップE、および、フェルミ準位と真性フェルミ準位との差分φを用いて数7により取得され、基板仕事関数φsubの正負を反転させたもの(すなわち、−φsub)の値が取得される(ステップS26)。φは、ボルツマン定数k、温度T、および、基板キャリア濃度Nsubを用いて数8により求められる。なお、基板9がN型の半導体基板の場合、φsubは数9により求められる。また、上述のステップS23〜S26の順番は適宜入れ替えられてもよく、複数のステップが並行して行われてもよい。
Figure 2009188170
Figure 2009188170
Figure 2009188170
次に、絶縁膜91の表面電位が、ステップS23にて求められた膜電位演算値Vins_cal、ステップS24〜S26においてそれぞれの値が取得された表面ポテンシャルφ、局所的仕事関数Δφ、および、基板仕事関数φsubを用いて演算により求められる。以下の説明では、表面電位演算部42による演算により求められた絶縁膜91の表面電位の値を「表面電位演算値Vsurf_cal」という。表面電位演算値Vsurf_calは、具体的には、膜電位演算値Vins_calと、基板仕事関数φsubの正負を反転させたもの、表面ポテンシャルφ、および、局所的仕事関数Δφの合計として数10により求められる(ステップS27)。
(数10)
surf_cal=Vins_cal+φ+Δφ−φsub
表面電位演算値Vsurf_calが求められると、未知物理量演算部43により、ステップS15にて表面電位計1により測定されてステップS21において記憶部40に記憶された表面電位測定値Vsurf_mesと表面電位演算値Vsurf_calとの差ΔVsurfが求められ、ΔVsurfと記憶部40に予め記憶されている所定の閾値との比較が行われる(ステップS28)。
ΔVsurfが閾値よりも大きい場合には、表面電荷密度Qsurfの仮決定値が変更された後(ステップS281)、ステップS23に戻り、絶縁膜91の膜電位演算値Vins_calが求められ、基板9の主面901に誘起される表面ポテンシャルφの値、絶縁膜91の表面911の付着物による局所的仕事関数Δφの値、および、基板9の基板仕事関数φsub(の正負を反転させたもの)の値がそれぞれ取得される(ステップS23〜S26)。そして、絶縁膜91の表面電位演算値Vsurf_calが求められ、表面電位測定値Vsurf_mesと表面電位演算値Vsurf_calとの差ΔVsurfが求められて閾値と比較される(ステップS27,S28)。なお、2回目以降の表面電位演算値Vsurf_calの算出においては、ステップS25,S26の局所的仕事関数Δφおよび基板仕事関数φsubの値の取得は省略されてよい。
絶縁膜物理量取得装置10では、絶縁膜91の表面電位測定値Vsurf_mesと表面電位演算値Vsurf_calとの差ΔVsurfが上記閾値以下となるまで表面電荷密度Qsurfの仮決定値が変更され(ステップS281)、ステップS23〜S28が繰り返される。そして、表面電位測定値Vsurf_mesと表面電位演算値Vsurf_calとの差ΔVsurfが閾値以下となった際の表面電荷密度Qsurfの仮決定値が、未知物理量である表面電荷密度Qsurfの値として決定される(ステップS29)。
以上に説明したように、絶縁膜物理量取得装置10では、絶縁膜91に係る4つの絶縁膜物理量のうち1つの未知物理量である表面電荷密度Qsurfの値が仮決定され、表面電荷密度Qsurfの仮決定値と3つの既知物理量である膜内電荷密度Qins、膜厚dおよび比誘電率εの値とに基づいて絶縁膜91の膜電位演算値Vins_calが求められ、さらに、膜電位演算値Vins_calを用いて絶縁膜91の表面911の電位が演算により求められる。そして、演算により求められた絶縁膜91の表面電位(すなわち、表面電位演算値Vsurf_cal)と表面電位計1により測定された絶縁膜91の表面電位(すなわち、表面電位測定値Vsurf_mes)との差ΔVsurfが閾値以下になるまで表面電荷密度Qsurfの仮決定値が変更され、ΔVsurfが閾値以下となった際の仮決定値が表面電荷密度Qsurfの値とされる。これにより、基板9の主面901上に形成された絶縁膜91の表面電荷密度の値を、絶縁膜91の表面911の状態を変化させることなく、また、絶縁膜91の表面911に電極等を設けることなく容易に求めることができる。
ところで、上述の特開平4−132236号公報に記載された測定方法では、微小な空気層を挟んで対向する測定用電極と基板との間に電圧を印加することによりC−V特性が測定されて表面電荷密度が求められるため、測定可能範囲を広げるには測定用電極に対する高電圧の印加が必要となり、測定用電極と基板との間に放電が生じてしまうおそれがある。これに対し、上記実施の形態に係る絶縁膜物理量取得装置10では、振動電極12と基板9との間に高電圧を印加することなく広範囲にて表面電荷密度を求めることができる。したがって、絶縁膜物理量取得装置10は、値の変動幅が比較的大きい表面電荷密度を未知物理量として求める場合に特に適しているといえる。
上述のように、絶縁膜物理量取得装置10による表面電荷密度の算出では、ステップS27において、表面電位演算値Vsurf_calが、膜電位演算値Vins_calと、基板仕事関数φsubの正負を反転させたもの、表面ポテンシャルφ、および、局所的仕事関数Δφとの合計として求められる。これにより、表面電位演算値Vsurf_calの精度が向上され、未知物理量である表面電荷密度の値を精度良く求めることができる。
また、表面電位計1では、絶縁膜91の表面911に対向する振動電極12を振動させ、基板9を保持する基板保持部11の導電面111からの変位電流および振動電極12の電極電位に基づいて表面電位測定値Vsurf_mesが取得されることにより、振動電極12とその周囲のカバー151等の構造との間の浮遊容量の影響(すなわち、浮遊容量によるノイズ成分)を測定から取り除き、表面電位測定値Vsurf_mesを精度良く取得することができる。その結果、物理量演算部4において、未知物理量である表面電荷密度の値を精度良く求めることができる。
表面電位計1では、参照基板等の参照対象物が用いられ、参照対象物の表面電位を基準(すなわち、0)として絶縁膜91の表面電位が測定されてもよい。換言すれば、絶縁膜91の実際の表面電位と参照対象物の実際の表面電位との差が、絶縁膜91の表面電位測定値Vsurf_mesとして求められてもよい。絶縁膜91の表面電位の測定において参照対象物が用いられる場合、ステップS27よりも前に(好ましくはステップS22〜S27の間であり、例えば、図6に示すように、ステップS25とステップS26との間に)参照対象物の仕事関数である参照仕事関数φrefの値が多数の文献に記載されている値等に基づいて取得される(ステップS30)。
この場合、物理量演算部4では、ステップS27において表面電位演算値Vsurf_calが、膜電位演算値Vins_calと、基板仕事関数φsubの正負を反転させたもの、表面ポテンシャルφ、局所的仕事関数Δφ、および、参照仕事関数φrefとの合計として数11により求められ、これにより、表面電位演算値Vsurf_calの精度が向上されて未知物理量である表面電荷密度の値が精度良く求められる。なお、参照対象物として、基板9を保持していない状態の基板保持部11が利用されてもよい。
(数11)
surf_cal=Vins_cal+φ+Δφ+φref−φsub
物理量演算部4では、必ずしも、表面ポテンシャルφ、局所的仕事関数Δφ、参照仕事関数φref、および、基板仕事関数φsubの全ての値が取得される必要はなく、表面ポテンシャルφ、局所的仕事関数Δφ、参照仕事関数φref、および、基板仕事関数φsub(の正負を反転させたもの)のうち少なくとも1つの値が取得されていればよい。この場合、表面電位演算値Vsurf_calが、膜電位演算値Vins_cal、と上記少なくとも1つの値との合計として精度良く求められ、その結果、未知物理量である表面電荷密度の値を精度良く求めることができる。
一方、表面ポテンシャルφ、局所的仕事関数Δφ、参照仕事関数φref、および、基板仕事関数φsubのそれぞれの値が、膜電位演算値Vins_calに比べて無視し得る程度に小さい場合には、ステップS27において、表面電位演算値Vsurf_calが、膜電位演算値Vins_calとされることが好ましい。これにより、演算精度を高く維持しつつ演算をさらに簡素化して表面電位演算値Vsurf_calをより容易に求めることができる。
ところで、上記実施の形態では、上述のようにステップS23において絶縁膜91内部における電荷(すなわち、膜内電荷密度Qinsに対応する電荷)の分布が、絶縁膜91の厚さ方向において一様であるものとして数1に示すように膜電位演算値Vins_calが求められるが、絶縁膜91内部における電荷の分布が、絶縁膜91の厚さ方向に一様ではなく、かつ、当該電荷の分布状態が予め分かっている場合には、数1に代えて数12を用いて膜電位演算値Vins_calが求められてもよい。
Figure 2009188170
数12におけるxは、絶縁膜91の界面912から表面911へと向かう厚さ方向の距離を表し、ρ(x)は、絶縁膜91の内部における界面912からの厚さ方向の距離がxとなる位置の単位体積あたりの電荷密度(/cm)を表す。絶縁膜91の内部における電荷の非一様分布の例としては、絶縁膜91が可動イオン汚染されている場合に生じるU字型分布(すなわち、絶縁膜91の表面911近傍および界面912近傍に電荷が偏在しており、絶縁膜91の厚さ方向の中央近傍に電荷があまり存在していない分布状態)や、絶縁膜91の界面912近傍に電荷が偏在している分布状態がある。
上記実施の形態では、絶縁膜物理量取得装置10による絶縁膜91の表面電荷密度Qsurfの算出について説明したが、絶縁膜物理量取得装置10では、表面電荷密度Qsurf、膜厚dおよび比誘電率εの値が既知である場合に、これら3つの既知物理量の値に基づいて、未知物理量である膜内電荷密度Qinsが求められてもよい。
膜内電荷密度Qinsの算出の流れは、上述の表面電荷密度Qsurfの算出とほぼ同様であり、図3中のステップS22,S281,S29における表面電荷密度を膜内電荷密度に置き換えて行われる。膜内電荷密度Qinsの算出では、まず、表面電位計1により測定された絶縁膜91の表面電位測定値Vsurf_mesが記憶部40に記憶される(ステップS21)。続いて、膜内電荷密度Qinsの値の仮決定が行われ(ステップS22参照)、膜電位演算値Vins_calの算出(数1または数12参照)、表面ポテンシャルφの値の取得(数2〜数6参照)、局所的仕事関数Δφの値の取得、および、基板仕事関数φsub(の正負を反転させたもの)の値の取得(数7〜数9参照)が行われる(ステップS23〜S26)。
次に、絶縁膜91の表面電位演算値Vsurf_calが、膜電位演算値Vins_cal、基板仕事関数φsubの正負を反転させたもの、表面ポテンシャルφ、および、局所的仕事関数Δφの合計として求められる(数10参照)(ステップS27)。そして、表面電位測定値Vsurf_mesと表面電位演算値Vsurf_calとの差ΔVsurfが所定の閾値以下となるまで(ステップS28)、膜内電荷密度Qinsの仮決定値の変更(ステップS281参照)、並びに、ステップS23〜S28(ステップS25,S26は省略されてよい。)が繰り返され、ΔVsurfが閾値以下となった際の膜内電荷密度Qinsの仮決定値が、未知物理量である膜内電荷密度Qinsの値として決定される(ステップS29参照)。
この場合も、表面電荷密度Qsurfの算出と同様に、絶縁膜91の膜内電荷密度Qinsの値を、絶縁膜91の表面911の状態を変化させることなく、また、絶縁膜91の表面911に電極等を設けることなく容易に求めることができる。上述のように、絶縁膜物理量取得装置10では、振動電極12と基板9との間に高電圧を印加することなく広範囲にて未知物理量を求めることができるため、絶縁膜物理量取得装置10は、値の変動幅が比較的大きい膜内電荷密度を未知物理量として求める場合にも特に適しているといえる。
膜内電荷密度Qinsの算出では、表面電荷密度Qsurfの算出と同様に、ステップS27において表面電位演算値Vsurf_calが、膜電位演算値Vins_cal、と、基板仕事関数φsubの正負を反転させたもの、表面ポテンシャルφ、局所的仕事関数Δφ、および、参照仕事関数φrefのうち少なくとも1つとの合計として求められてもよく、あるいは、表面電位演算値Vsurf_calとして膜電位演算値Vins_calが用いられてもよい。
なお、表面が帯電していない絶縁膜の膜内電荷密度Qinsの算出では、表面電荷密度Qsurfの値は0とされる。このようにして求めた膜内電荷密度Qinsの値を、表面が帯電している他の絶縁膜の表面電荷密度Qsurfの算出において、既知物理量の1つである膜内電荷密度の値として利用してもよい。
また、絶縁膜物理量取得装置10では、上述と同様の方法により、既知物理量である表面電荷密度Qsurf、膜内電荷密度Qinsおよび比誘電率εに基づいて未知物理量である膜厚dが求められてもよく、既知物理量である表面電荷密度Qsurf、膜内電荷密度Qinsおよび膜厚dに基づいて未知物理量である比誘電率εが求められてもよい。この場合、既知物理量である表面電荷密度Qsurfおよび膜内電荷密度Qinsは、例えば、上述の特開平4−132236号公報に示される測定方法により基板9および絶縁膜91を測定することにより求められる。
このように、絶縁膜物理量取得装置10では、基板9の主面901上に形成された絶縁膜91の表面電荷密度、膜内電荷密度、膜厚および比誘電率の4つの絶縁膜物理量のうち値が未知である1つの未知物理量の値を、絶縁膜91の表面911の状態を変化させることなく、また、絶縁膜91の表面911に電極等を設けることなく容易に求めることができる。
絶縁膜物理量取得装置10では、図7にその一部を断面にて示すように、基板9上に積層された2層の絶縁膜91,92(以下、表面911が露出している最上層の絶縁膜91を「第1絶縁膜91」といい、第1絶縁膜91と基板9との間において基板9の主面901に接する下層の絶縁膜92を「第2絶縁膜92」という。第2絶縁膜92は、例えば下地膜である。)のうち、第1絶縁膜91の絶縁膜物理量である表面電荷密度Qsurf、膜内電荷密度Qins、膜厚dおよび比誘電率εのうちいずれか1つの未知物理量が、他の3つの既知物理量に基づいて求められてもよい。
この場合、ステップS23における第1絶縁膜91の膜電位演算値Vins_calの算出は、第1絶縁膜91の内部における電荷の分布、および、第2絶縁膜92の内部における電荷の分布がそれぞれ厚さ方向において一様であるとすると、数13に示す演算により求められる。
Figure 2009188170
ここで、数13中のQit1−2は第1絶縁膜91と第2絶縁膜92との界面912(すなわち、第1絶縁膜91の基板9に近い方の面であり、表面911とは反対側の面)における単位面積あたりの界面電荷密度(/cm)、Qins2は第2絶縁膜92の単位面積あたりの膜内電荷密度(/cm)、dは第2絶縁膜92の膜厚、εは第2絶縁膜92の比誘電率を示す。
なお、第1絶縁膜91および第2絶縁膜92の内部における電荷の分布が、厚さ方向に一様ではなく、かつ、当該電荷の分布状態が予め分かっている場合には、数13に代えて数14を用いて膜電位演算値Vins_calが求められてもよい。
Figure 2009188170
数14におけるxは、第2絶縁膜92の界面922から第1絶縁膜91の表面911へと向かう厚さ方向の距離を表し、ρ(x)は、第2絶縁膜92の内部における界面922からの厚さ方向の距離がxとなる位置の単位体積あたりの電荷密度(/cm)を表す。
また、ステップS24において表面ポテンシャルφの算出に利用される基板9の第1絶縁膜91に近い方の主面901(すなわち、その上に第2絶縁膜92を挟んで第1絶縁膜91が形成された面)に誘起される誘起電荷密度Qは、数2に代えて数15により求められる。
(数15)
=Qsurf+Qins+Qit1−2+Qins2+Qit2
数15中のQit2は第2絶縁膜92の基板9と接する界面922の単位面積あたりの界面電荷密度(/cm)を示す。界面電荷密度Qit1−2,Qit2は、表面電荷密度Qsurfおよび膜内電荷密度Qinsに比べて小さい値となるため、Qit1−2,Qit2はそれぞれ0とされてもよい。また、界面電荷密度Qit2は、第1絶縁膜91が形成される前の状態の基板9および第2絶縁膜92を、例えば、上述の特開平4−132236号公報に示される測定方法により測定することにより求められてもよい。
膜内電荷密度Qins2は、界面電荷密度Qit2と同様に、特開平4−132236号公報に示される測定方法により測定されてもよく、あるいは、第1絶縁膜91が形成される前の状態の基板9および第2絶縁膜92を絶縁膜物理量取得装置10により測定することにより求められてもよい。また、第2絶縁膜92の膜厚dおよび比誘電率εとしては、例えば、光学測定器により測定された値が利用される。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
絶縁膜物理量取得装置10では、主面901上に3層以上の絶縁膜が形成された基板9に対して測定および演算が行われ、最上層の絶縁膜(すなわち、基板9から最も離れた絶縁膜)の絶縁膜物理量である表面電荷密度、膜内電荷密度、膜厚および比誘電率のうち、1つの未知物理量が、他の3つの既知物理量に基づいて求められてもよい。
表面電位計1では、振動電極12が処理部2のプリアンプ21およびアンプ22に接続されることにより、振動電極12を振動させた際の振動電極12からの変位電流と電極電位が処理部2により取得され、当該変位電流と電極電位とに基づいて基板9の表面電位が測定されてもよい。
また、表面電位計1では、振動電極12は基板保持部11に対して相対的に振動すればよく、例えば、圧電素子を有する振動部が基板保持部11の下側(すなわち、導電面111とは反対側)に接続され、振動電極12が固定された状態で基板保持部11が振動してもよい。
さらには、上記実施の形態では、電流指定電圧により変位電流(の大きさ)が指定され、フィードバック制御により指定された変位電流となるように電極電位が制御されるが、電極電位が指定されてそのときの変位電流が取得されてもよい。
絶縁膜物理量取得装置の構成を示す図である。 絶縁膜の表面電位の測定の流れを示す図である。 物理量演算部の構成を示す図である。 物理量演算部の機能を示すブロック図である。 絶縁膜物理量の算出の流れを示す図である。 絶縁膜物理量の算出の流れの一部を示す図である。 基板および2層の絶縁膜を示す断面図である。
符号の説明
9 半導体基板
11 基板保持部
12 振動電極
13 振動部
91 (第1)絶縁膜
901 主面
911 表面
912 界面
S11〜S16,S21〜S30,S281 ステップ

Claims (5)

  1. 半導体基板の主面上において露出する絶縁膜の表面電荷密度、膜内電荷密度、膜厚および比誘電率の4つの絶縁膜物理量のうち値が未知である1つの物理量の値を求める絶縁膜物理量の算出方法であって、
    a)前記絶縁膜の露出している表面の電位を非接触にて測定する工程と、
    b)前記絶縁膜の表面電荷密度、膜内電荷密度、膜厚および比誘電率の4つの絶縁膜物理量のうち、3つが値が既知の既知物理量であり、1つが値が未知の未知物理量であり、前記未知物理量の値を仮決定し、前記未知物理量の仮決定値と前記既知物理量の値とに基づいて前記絶縁膜の電位を演算により求める工程と、
    c)前記b)工程にて求められた前記絶縁膜の電位である膜電位演算値を用いて前記絶縁膜の前記表面の電位を演算により求める工程と、
    d)前記a)工程にて測定された電位である表面電位測定値と前記c)工程にて求められた電位である表面電位演算値との差が所定の閾値以下となるまで前記仮決定値を変更して前記b)工程および前記c)工程を繰り返し、前記表面電位測定値と前記表面電位演算値との前記差が前記閾値以下となった際の前記仮決定値を前記未知物理量の値とする工程と、
    を備えることを特徴とする絶縁膜物理量の算出方法。
  2. 請求項1に記載の絶縁膜物理量の算出方法であって、
    前記b)工程において、前記未知物理量が前記絶縁膜の表面電荷密度または膜内電荷密度であることを特徴とする絶縁膜物理量の算出方法。
  3. 請求項1または2に記載の絶縁膜物理量の算出方法であって、
    前記c)工程において、前記表面電位演算値が前記膜電位演算値とされることを特徴とする絶縁膜物理量の算出方法。
  4. 請求項1または2に記載の絶縁膜物理量の算出方法であって、
    e)前記c)工程よりも前に、前記半導体基板の仕事関数である基板仕事関数の正負を反転させたもの、前記半導体基板の前記主面に誘起される表面ポテンシャル、前記絶縁膜の前記表面上の付着物による局所的仕事関数、および、前記a)工程にて参照対象物が用いられる場合の前記参照対象物の仕事関数である参照仕事関数のうち、少なくとも1つの値を取得する工程をさらに備え、
    前記c)工程において、前記表面電位演算値が、前記膜電位演算値と前記e)工程において取得された前記少なくとも1つの値との合計とされることを特徴とする絶縁膜物理量の算出方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の絶縁膜物理量の算出方法であって、
    前記a)工程が、
    a1)非接触にて前記絶縁膜の前記表面に対向する電極に接続された振動部の圧電素子に交流の駆動電圧の付与を開始することにより、前記電極から前記半導体基板に向かう方向における前記電極の振動を開始する工程と、
    a2)前記半導体基板を保持する基板保持部からの変位電流と前記電極の電極電位とを取得する工程と、
    a3)前記変位電流および前記電極電位に基づいて前記絶縁膜の前記表面の電位を求める工程と、
    を備えることを特徴とする絶縁膜物理量の算出方法。
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