JP4658247B2 - 陳列棚 - Google Patents

Description

この発明は、上下に配置された複数の棚段に商品をセットして陳列する厚紙製の陳列棚に関するものである。

化粧品等の商品を店頭で陳列する吊下式の陳列棚として、下記特許文献１には、図４に示すようなものが記載されている。この陳列棚は、複数の棚段５１を上下に配置し、各棚段５１の前板５２に一対の側板５３を連設し、各側板５３の後縁から延出した背板５４を貼り合わせて形成される。

各棚段５１では、側板５３の下縁から延出した底片５５を内側へ折り曲げ、前板５２の下縁から延出した底板５６を後方へ折り曲げ、その先端部の背当片５７を上方へ折り曲げて、背板５４の前面に沿わせるようにしている。

各棚段５１には棚台５８がセットされ、この棚台５８は、多数の商品保持穴５９を有する棚板６０の周縁に脚片６１を連設し、これらの脚片６１を下方へ折り曲げたものとされている。そして、商品の陳列に際しては、商品保持穴５９に化粧品等の商品を挿入し、背板５４の上部の紐穴６３に紐を挿通して、この紐により陳列棚を吊り下げる。

実開平６−２６６２１号公報

しかしながら、上記のような陳列棚では、陳列時に商品の荷重が作用すると、各棚段が底抜けする恐れがある。

また、製造時に貼り加工や棚台の製作が必要となるので、コストがかかり、店頭での組み立てに手間がかかるという問題もある。

そこで、この発明は、組み立てが簡単で、強度に優れ、低コストで提供できる厚紙製の陳列具を提供することを課題とする。

上記課題を解決するため、この発明では、複数の棚段を上下に配置し、各棚段の前板に一対の側板を連設し、側板に背板を連設した陳列棚において、棚段をなす前板の上縁から棚板を延出し、棚板の両側縁と側板とを折込片を介して繋ぎ、折込片と側板の境界を後上がり４５°の斜折線とし、一方の側板から延出した背板の先端に差込片を設け、他方の側板から継代を延出して、継代の基部にスリットを形成し、折込片と棚板の境界を谷折りしつつ、折込片を側板の内側に折り込み、継代に背板を重ね、スリットに差込片を差し込むようにしたのである。

この発明に係る陳列棚は、前板から両側板を折り曲げると、折込片が斜折線に沿って折り込まれ、棚板が水平となって棚段が形成されるので、扁平な状態から簡単に組み立てることができ、貼り加工や棚台も不要であり、低コストで提供できる。また、この組立状態において、棚板が折込片を介し側板から吊り下げられた状態となるので、棚段は底抜けの恐れがなく、形状が安定し、強度に優れたものとなる。

以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。

この陳列棚は、図１に示すような段ボール製のブランクから形成される。このブランクでは、棚段１をなす部分が上下２段に配置されており、各棚段１とその上方に位置する前板２の両側縁には側板３が連設され、一方の側板３の外縁には背板４が、他方の側板３の外縁には継代５がそれぞれ連設されている。

棚段１をなす前板２の上縁には、複数個の商品保持穴６を有する棚板７が連設され、棚板７の両側縁と側板３とは折込片８を介して繋がれて、折込片８と側板３の境界は、外側へかけて上方へ４５°傾いた斜折線９とされている。また、棚板７の上縁には背当片１０が連設されている。

さらに、背板４の外縁には、上下に２個の差込片１１が設けられ、継代５の基部には、差込片１１に対応して、上下２ヶ所にスリット１２が形成されている。そのほか、側板３の上部には紐穴１３が設けられている。

このブランクを組み立てるには、図２に示すように、前板２、一対の側板３及び背板４を角筒状に折り曲げ、折込片８と棚板７の境界を谷折りしつつ、折込片８を側板３の内側に折り込み、図３に示すように、背当片１０を下方へ折り曲げて背板４の前面に沿わせ、継代５に背板４を重ね、スリット１２に差込片１１を差し込む。

このとき、前板２から両側板３を折り曲げると、折込片８が斜折線９に沿って折り込まれ、棚板７が水平となって棚段１が形成されるので、この陳列具は、扁平な状態から簡単に組み立てることができる。

そして、このように組み立てた陳列棚を用いて店頭で商品を陳列する際には、各棚段１の商品保持穴６にチューブ入り化粧品等の商品を挿入し、紐穴１３に紐を挿通して、この紐により陳列用什器のバー等に陳列棚を吊り下げる。

この陳列状態においては、棚板７が折込片８を介し側板３から吊り下げられた状態となるので、棚段１は底抜けする恐れがなく、陳列棚全体の形状が安定し、荷重に対する強度にも優れたものとなる。

また、この陳列棚は、継代５の基部に形成したスリット１２に、背板４の先端に設けた差込片１１を差し込んで保形するので、背板４の貼り付けが不要となり、低コストで化粧品メーカー等の使用者に提供できる。

この発明の実施形態に係る陳列棚のブランクを示す図 同上の組立過程を示す斜視図 同上の組立状態を示す斜視図 従来の陳列棚を示す斜視図

符号の説明

１ 棚段
２ 前板
３ 側板
４ 背板
５ 継代
６ 商品保持穴
７ 棚板
８ 折込片
９ 斜折線
１０ 背当片
１１ 差込片
１２ スリット
１３ 紐穴

Claims (1)

1. 複数の棚段(1)を上下に配置し、各棚段(1)の前板(2)に一対の側板(3)を連設して、側板(3)を後方へ折り曲げ、側板(3)の後端に各棚段(1)に亘る背板(4)を連設した陳列棚において、棚段(1)をなす前板(2)の上縁から棚板(7)を延出し、棚板(7)の両側縁と側板(3)とを折込片(8)を介して繋ぎ、折込片(8)と側板(3)の境界を後上がり４５°の斜折線(9)とし、棚板(7)の先端に背当片(10)を連設し、一方の側板(3)から延出した背板(4)の先端に差込片(11)を設け、他方の側板(3)から継代(5)を延出して、継代(5)の基部にスリット(12)を形成し、折込片(8)と棚板(7)の境界を谷折りしつつ、折込片(8)を側板(3)の内側に折り込み、背当片(10)を下方へ折り曲げて背板(4)の前面に沿わせ、継代(5)に背板(4)を重ね、スリット(12)に差込片(11)を差し込んだことを特徴とする陳列棚。

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