図1はスロットマシンの外観を示す斜視図である。スロットマシン2は、前面に開口を有する収納箱4と、この収納箱4の前面に設けられ、開口を塞ぐ前面扉5とからなる筐体3の内部に、後述する第1リール10、第2リール11、第3リール12、ホッパー装置や電源装置(図示省略)等が配設された構成となっている。
前面扉5は、上部扉6と下部扉7との2枚の扉から構成される。上部扉6には、その中央に装飾パネル8が設けられ、この装飾パネル8の略中央に表示窓9が設けられている。この表示窓9の奥には第1リール10、第2リール11,第3リール12が配設されている。周知のように、第1リール10、第2リール11、第3リール12の外周面には、例えば複数種類の図柄が複数個配列される。第1リール10、第2リール11、第3リール12が停止すると、第1リール10、第2リール11、第3リール12に配列された図柄が、1リール当たり3個、表示窓9を介して表示される。これにより、表示窓9を通して表示される図柄は計9個となり、第1リール10、第2リール11、第3リール12の図柄を1個ずつ組み合わせた直線状の入賞ラインが横3本斜め2本の計5本が設定されている。
この表示窓9の下方には、BBモードにおける遊技回数や、クレジットされたメダルの枚数、或いは入賞時におけるメダルの払い出し枚数を表示する遊技表示部15が設けられている。この遊技表示部15としては、例えば7セグメント表示器や、液晶表示装置などが用いられる。この遊技表示部15の図1中左側方には、後述するストップボタン36の操作が有効であるか否かを報知する状態表示部16が設けられている。この状態表示部16は、ストップボタン36の押圧操作が有効となる場合に、内部に配置されたLED145(図5参照)が点灯されることにより発光表示される。なお、ストップボタン36の押圧操作が無効となる場合や、遊技が実行されていない場合には、LED145は消灯されており、状態表示部16は発光表示されない。
下部扉7には、遊技を行う際にメダルを投入するためのメダル投入口20が設けられている。メダル投入口20の奥にはセレクタ(図示せず)が組み込まれ、不適正なメダルはメダル払出口21を介してメダル受け皿22に排出される。また、セレクタは、例えば遊技の途中や各種の操作ボタンが押されたままの状態で投入された等の不適切なタイミングでメダルの投入が行われたときに、投入されたメダルをメダル受け皿22に排出する。なお、遊技の開始に先立って投入できるメダルの枚数は1〜3枚に限られているため、クレジット機能を用いていないときには、投入された1〜3枚目までのメダルは、自動的に投入され、4枚目以降に投入されたメダルはメダル受け皿22に排出される。
一方、クレジット機能がオン状態のときには4枚目以降に投入されたメダルは、セレクタに設けられたメダルセンサ114(図5参照)で検知された後、例えば50枚を限度にスロットマシン2の内部に貯留される。なお、メダルがクレジットされているときに、メダル投入口20からメダルを投入した場合には、投入された1〜3枚目までのメダルが自動的に投入され、4枚目以降に投入されたメダルがクレジットされる。
また、下部扉7の上部には、遊技の開始時に操作されているMAXベットボタン30、ペイアウトボタン31などの各種の操作ボタンが設けられている。MAXベットボタン30は、クレジットされたメダルのうち、使用枚数である3枚のメダルを投入する際に押圧操作される。なお、投入されたメダルとは、メダル投入口20から直接メダルを投入するほかに、クレジットされたメダルを用いて、上述したMAXベットボタン30を操作することを含む。ペイアウトボタン31は、クレジットされたメダルを払い出す際に押圧操作されるボタンである。
これらボタンの近傍には、スタートレバー35や、ストップボタン(操作ボタン)36が設けられている。スタートレバー35は、遊技を実行する際に操作される。ストップボタン36は、スロットマシン2に組み込まれたリールと同一数設けられている。以下では、第1リール10の回転を停止させる際に操作されるストップボタンを第1ストップボタン36a、第2リール11の回転を停止させる際に操作されるストップボタンを第2ストップボタン36b、第3リール12の回転を停止させる際に操作されるストップボタンを第3ストップボタン36cと称して説明する。
図2〜図4に示すように、ストップボタン36は、被押圧部材50、保持筒51、コイルバネ52,支持板53,フォトインタラプタ54,移動量調整部材55,コイルバネ56,位置調整機構57、カバー58とから構成される。
被押圧部材50は、筒形状から構成され、その軸方向の前側端部が遮蔽された形状から構成される。この被押圧部材50の前面がストップボタン36の押圧操作時に押圧される被押圧面50aとなる。この被押圧面50aとは反対側の面50bの中心から筒部65が突設されている。この筒部65には、この筒部65の中心軸と同軸となるように、また、被押圧面50aと筒部65とを貫通する貫通孔66が形成されている。この筒部65の被押圧面50a側の端部であって、その外周面には、90°の間隔を空けてバネ止め片67〜70が設けられている。これらバネ止め片67〜70は、コイルバネ52の一端が組み付けられる。また、筒部65の先端部には、インデックス71が設けられている。このインデックス71は、被押圧面50aが押圧され、被押圧部材50が保持筒51の内部に押し込まれたときに、フォトインタラプタ54によって検知される。なお、このインデックス71が、フォトインタラプタ54によって検知されたときの被押圧部材50の位置を押圧位置として説明する。なお、被押圧部材50が押圧位置となる場合、被押圧部材50の端面50cは、保持筒51の前面側収納部74に対面する壁面74aに当接する(図7参照)、或いは移動量調整部材55のピン55c〜55fの先端に当接する(図9参照)。
この被押圧部材50の外周面であって、その両側部には係止片72,73が設けられている。これら係止片72,73は、保持筒51の内周面74bに設けられたガイド溝74c,74dにそれぞれ入り込む。なお、被押圧部材50が保持筒51に組み付けられると、被押圧部材50はコイルバネ52によって図4中A方向に付勢される。この付勢により、係止片72の当接面72aが、保持筒51のガイド溝74cの端面74eに、係止片73の当接面73aが保持筒51のガイド溝74dの端面74fにそれぞれ当接され、被押圧部材50が保持筒51から脱状態となることを防止する。この状態では、被押圧部材50は、被押圧面50aが押圧されていない状態(非押圧状態)となる位置に保持されている。以下では、この状態の被押圧部材50の位置を初期位置として説明する。
保持筒51は筒形状からなり、被押圧部材51が挿入される前面側収納部74と、支持板53と移動量調整部材55を収納する後面側収納部75とを備えている。これら収納部74,75の間には仕切り部76が設けられている。この仕切り部76には、前面側収納部74に向けて突出するバネ保持部77が設けられている。このバネ保持部77は円柱状から構成され、コイルバネ52の他端に挿通される。このバネ保持部77から仕切り部76に掛けて、挿通孔78が設けられている。この挿通孔78は、後述する移動量調整部材55のセンターピン55bが挿通される。
また、仕切り部76であって、前面側収納部74に対面する壁面74aから、後面側収納部75に対面する壁面75aにかけて、挿通孔80〜83が設けられている。これら挿通孔80〜83は、例えば保持筒51の中心軸を中心にして、例えば90°間隔で設けられている。これら挿通孔80〜83には、移動量調整部材55のピン85〜88が、後面側収納部75に対面する壁面75a側から挿入される。
この保持筒51の前面側収納部74の内周面74bには、ガイド溝74c、74dが設けられている。これらガイド溝74c,74dは、それぞれ他方のガイド溝に対面するように設けられている。これらガイド溝74c,74dは、被押圧部材50を保持筒51に組み付ける際に、被押圧部材50に設けられた係止片72,73がそれぞれ挿入される。なお、被押圧部材50はコイルバネ52によって図4中A方向に付勢されているので、ガイド溝74cの端面74eに係止片72の当接面72aが、ガイド溝74dの端面74fに係止片73の当接面73aがそれぞれ当接されることで、被押圧部材50が保持筒51に保持される。
また、保持筒51の後面側収納部75の端部には、係合片90,91が上下に設けられている。これら係合片90,91には、係合孔90a,91aがそれぞれ設けられている。これら係合片90,91は、カバー58を保持筒51に組み付ける際に、カバー58の外周面に設けられた溝102,103にそれぞれ挿入される。そして、溝102の底面102aに設けられた係止突起104と係合孔90aとが、溝103の底面103aに設けられた係止突起105と係合孔91aとがそれぞれ係合することで、カバー58が保持筒51に組み付けられる。
コイルバネ52は、上述したように、その一端に被押圧部材50のバネ止め片67〜70が挿入され、その他端に、保持筒51のバネ保持部77が挿入される。このコイルバネ52は、保持筒51に組み付けられた被押圧部材50を図4中A方向に付勢する。
支持板53は、その中央に、上述した被押圧部材50の筒部65が挿通される開口53aが形成されている。また、この開口53aに連なるように、筒部65の外周面から突出するインデックス71が挿通される溝53bが形成されている。また、この開口53aの周りには、挿通孔53c〜53fが、90°間隔を空けて設けられている。なお、この支持板53は、後面側収納部75に対面する壁面75aに当接された状態で、後面側収納部75に収納される。
フォトインタラプタ(以下、PI)54は、被押圧部材50の筒部65に設けられたインデックス71を検知するために設けられている。このPI54は、後面側収納部75から前面側収納部74に向けて形成され、また挿通孔78よりも大きい直径からなる収納部84の中に収納される。このPI54がインデックス71を検知すると、その検知信号が遊技制御装置110に出力される。これを受けて、遊技制御装置110は回転するリールを停止させる。なお、被押圧部材50は、その押圧位置までの移動量が後述する移動量調整部材55の位置によって変化するが、このPI54は、被押圧部材50の押圧位置までの移動量が変化しても、被押圧部材50に設けられたインデックス71を検知できる位置に組み付けられている。
移動量調整部材55は、被押圧部材50の被押圧面50aが押圧されたときに移動する被押圧部材50の移動量を調整する部材である。この移動量調整部材55は、基板55aと、該基板55aと直交するように設けられた複数のピン55b〜55fが立設されている。これらピン55b〜55fのうち、基板55aの中央に設けられるピン(以下、センターピン)55bは、他のピン55c〜55fよりも軸方向の長さが長く形成されている。このセンターピン(突起物)55bは、被押圧部材50の筒部65に設けられた挿通孔66に入り込む。なお、センターピン55bの素材については詳細な説明を行わないが、例えばセンターピン55b、或いはセンターピン55bの先端を硬い樹脂などの素材から構成した場合には、センターピン55bの先端を半球面状に形成し、被押圧面50aからの突出量を例えば1〜2mm等僅かなものにする。また、センターピン55b、或いはセンターピン55bの先端をスポンジやゴムなどの柔らかい素材から構成した場合には、被押圧面50aから例えば5mmなど多めに突出させる。このようにすることで、例えば指先に大きな負荷を与えることで指先を怪我することを防止することができるとともに、心地よい刺激を指先に与えることができる。
また、他のピン55c〜55fは、センターピン55bよりも軸方向の長さが短く形成されている。これらピン55c〜55fはセンターピン55bを中心として、90°間隔を空けて設けられている。例えばピン55cは支持板53の挿通孔53、及び保持筒51の挿通孔80に挿通される。同様にして、ピン55dは支持板53の挿通孔53d、及び保持筒51の挿通孔81に、ピン55eは支持板53の挿通孔53e、及び保持筒51の挿通孔82にそれぞれ挿通される。また、ピン55fは支持板53の挿通孔53f、及び保持筒51の挿通孔83に挿通される。
例えば、移動量調整部材55が図4に示す位置にある時には、ピン55c〜55fの先端部が、それぞれ挿通孔80〜83の内部に収納されており、前面側収納部74に対面する壁面74aから突出していない。この場合の移動量調整部材55の位置を退避位置とする。移動量調整部材55が退避位置にある場合に被押圧部材50の被押圧面50aが押圧されたときには、被押圧部材50は、図4に示す初期位置から、被押圧部材50の端面が前面側収納部74に対面する壁面74aに当接される押圧位置(図7参照)まで移動する。
一方、移動量調整部材55が後述するカム93,94によって移動した場合には、移動量調整部材55のピン55c〜55fは、前面側収納部74に対面する壁面74aから突出した状態となる(図8参照)。この場合の移動量調整部材55の位置を突出位置として説明する。移動量調整部材55が突出位置にある場合に被押圧部材50の被押圧面50aが押圧されたときには、被押圧部材50は、図8に示す初期位置から、被押圧部材50の端面が壁面74aから突出したピン55c〜55fの先端と当接される押圧位置(図9参照)まで移動する。なお、移動量調整部材55が退避位置にある場合と突出位置にある場合とでは、被押圧部材50の押圧位置までの移動量が変化する、つまり、移動量調整部材55が突出位置にある場合に押圧位置まで移動する被押圧部材50の移動量は、退避位置にある場合に押圧位置まで移動する被押圧部材50の移動量に比べて短くなる。
また、移動量調整部材(移動量変更部材)55が退避位置、或いは突出位置にある場合に関わらず、被押圧部材50が初期位置に保持されている場合には、センターピン55cの先端は、挿通孔66に収納された状態で保持される。例えば、移動量調整部材55が退避位置にあるときに被押圧面50aが押圧され、被押圧部材50が初期位置から押圧位置まで移動した場合、移動量調整部材55のセンターピン55bの先端は、挿通孔66に収納された状態が維持される(図7参照)。一方、移動量調整部材55が突出位置にあるときに被押圧面50aが押圧され、被押圧部材50が初期位置から押圧位置まで移動した場合には、移動量調整部材55のセンターピン55bの先端が被押圧部材50の被押圧面50aから突出する。
コイルバネ56は、支持板53と、移動量調整部材55の基板55aとの間に配置される。支持板53は、保持筒51の後面側収納部75に対面する壁面75aに当接された状態で保持されているので、コイルバネ56は移動量調整部材55を図4中B方向に付勢する。この付勢を受けることで、移動量調整部材55は、カバー58の内壁面58aに設けられた移動防止片96〜99に当接された状態で保持される。このとき、移動量調整部材55のピン55c〜55fは、保持筒51の挿通孔80〜83に挿入された状態で保持される。
位置調整機構57は、ロータリーソレノイド92、カム93,94とから構成されている。ロータリーソレノイド92は、詳細は記載しないが、カバー58に組み付けられる。このロータリーソレノイド92は給電を受けると、その駆動軸が所定の角度回転し、給電が停止されると、駆動軸が給電を受ける前の位置まで回転する構成となっている。この駆動軸にはカム93,94が組み付けられた回転軸95が組み付けられている。なお、このロータリーソレノイド92に給電を行うと、駆動軸が90°回転するように構成されているので、この駆動軸の回転により、カム93,94が回転軸95を中心にして図4中C方向に90°回転する。なお、ロータリーソレノイドの他に、ステッピングモータ等を用いることも可能である。
カム93,94は、所定の間隔を空けて回転軸95に組み付けられている。これらカム93,94は、略方形板状から構成されている。以下では、カム93,94の構成は同一であるから、カム93についてのみ説明する。このカム93は、その一端側に開口93aが設けられ、この開口93aに回転軸95が挿入されることで回転軸95に組み付けられている。このカム93の他端側には、円弧形状の押圧面93bと、この押圧面93bに連なる支持面93cを備えている。
円弧形状の押圧面93bは回転軸95の回転によってカム93が図4中C方向に回転したときに移動量調整部材55の基板55aを押圧し、移動量調整部材55を退避位置から突出位置まで移動させる。つまり、回転軸95が図4中C方向に回転することによって、押圧面93bは移動量調整部材55の基板55aに摺接されながら、移動量調整部材55を押圧する。これにより、移動量調整部材55がコイルバネ56の付勢に抗して図4中D方向に移動する。そして、カム93が回転軸95を中心にして90°回転したときに、カム93の支持面93cと移動量調整部材55との基板55aとが当接され、移動量調整部材55を突出位置に保持する。
カバー58は、保持筒51の後面側収納部75を被覆するように組み付けられる。このカバー58は中空から構成され、その前面が開口された形状からなる。このカバー58の内壁面58aには、90°間隔で、移動防止片96〜99が設けられている。この移動防止片96〜99は、コイルバネ56の付勢を受けた移動量調整部材55の基板55aが当接し、その移動を防止する。このカバー58の内壁面58aには、上述する回転軸95を受ける軸受け片100,101が設けられている。
このカバー58の外壁面であって、その上部及び下部には、溝102,103がそれぞれ設けられている。これら溝102,103には、保持筒51の係合片90,91が挿入される。これら溝102,103の底面102a,103aには、係止突起104,105がそれぞれ設けられており、カバー58を保持筒51に組み付けたときには、係合片90に設けられた係合孔90aに係止突起104が入り込み、係合孔90aと係止突起104とが係合される。同様にして、係合片91に設けられた係合孔91aに係止片105が入り込み、係合孔91aと係止突起105とが係合される。これにより、カバー58が保持筒51に固定される。
図5は、スロットマシン2の電気的構成を示す機能ブロック図である。スロットマシン2は、遊技における基本的制御を行う遊技制御装置110を備えている。遊技制御装置110は、CPU111、ROM112及びRAM113を備えている。CPU111は、スロットマシン2に給電が行われると、ROM112に記憶された起動プログラムを読み出して、そのプログラムを実行する。RAM113は、遊技中の制御におけるデータが記憶される他に、設定変更時における設定値等が記憶される。このCPU111には、上述した3個のストップボタンがそれぞれ電気的に接続されている。なお、「電気的に接続される」とは、具体的には、遊技制御装置110のCPU111によってロータリーソレノイド92への給電、給電停止の制御が行われる他に、ストップボタン36の押圧操作時に、被押圧部材50に設けられたインデックス71をPI54が検知した場合に、その検知信号が遊技制御装置110に入力されると、遊技制御装置110のCPU111によって、対応するリールが停止されることを示す。
メダルセンサ114は、セレクタの内部に設けられ、セレクタによって真贋判定によって正規のメダルと判定されたメダルを検出する。CPU111には、図示しないメダルカウンタが設けられており、例えばクレジット機能が有効となる場合には、4枚目以降のメダルの検知信号をメダルカウンタによって計数していく。一方、1〜3枚目までに投入されたメダルの検知信号の場合には、そのそれぞれの検知信号に基づいて、CPU111は表示部の背面に設けられたLEDを点灯させて、有効となる入賞ラインの表示を行う。
ベットスイッチセンサ115は、MAXベットボタン30の内部に配設されている。MAXベットボタン30が押圧操作されると、ベットスイッチセンサ115がオンとなり、そのオン信号(以下、投入信号)がCPU111に向けて出力される。この投入信号を受けて、CPU111は、RAM113を参照した後に、ROM112に記憶された投入プログラムを読み出して投入処理を行う。この投入処理の際に、有効となる入賞ラインの表示が行われる。
スタートスイッチセンサ116は、スタートレバー31が押下されることによってオンとなり、そのオン信号(以下、スタート信号)がCPU111に出力される。CPU111は、入力されたスタート信号を受けて、ROM112に格納された遊技制御プログラム(図示せず)や、RAM113に一時記憶されたデータを読み出して、遊技処理を開始する。
第1リール10、第2リール11、第3リール12の各リールの基準位置には、インデックス10a,11a,12aがそれぞれ設けられ、その一回転ごとにフォトセンサ120,121,122によって、それぞれのインデックス10a,11a,12aの通過が光電検出される。フォトセンサ120,121,122による検知信号は、リールごとのリセット信号としてCPU111に出力される。なお、第1リール10、第2リール11、第3リール12には、ステッピングモータ125,126,127の駆動軸がそれぞれ圧入されており、ステッピングモータ125,126,127の作動によって、これら第1リール10、第2リール11、第3リール12が回転する。図3では、便宜上、第1リール10とステッピングモータ125、第2リール11とステッピングモータ126、第3リール12とステッピングモータ127とをそれぞれ実線で囲って示してある。なお、符号128,129,130は、ステッピングモータ125,126,127をそれぞれ駆動させるドライバである。
なお、CPU111には、ステッピングモータごとにパルスカウンタ(図示せず)が設けられ、各々のステッピングモータに供給された駆動パルスの個数を計数する。これにより、フォトセンサ120,121,122からのリセット信号が入力されるたびにクリアされ、再びアップカウントされる。CPU111は、リールごとにパルスカウンタのカウント値を監視することによって、例えば横中央の入賞ライン上にどの図柄が移動してきているのかを識別することができ、また、どの程度リールを回転させれば目的の図柄が有効となる入賞ライン上に移動してくるのかを予測することができる。また、対応するストップボタン36が押圧操作され、インデックス71をPI54が検知したことを示す検知信号を受けると、CPU111は押圧操作されたストップボタンに対応するドライバに対して駆動パルスの供給を停止する。これにより、ストップボタンの押圧操作を行うと、対応するリールの回転が停止される。
CPU111は、制御部135、第1乱数取得部136、第2乱数取得部137、当選役決定部(当選役決定手段)138、移動決定部139を備えている。制御部135は、ROM112に記憶された遊技制御プログラムに基づいて、例えば、第1リール10、第2リール11、第3リール12の回転・停止制御、入賞となる場合の払い出し制御等を実行する。
第1乱数取得部136は、スロットマシン2に給電が開始されると、乱数の更新処理を開始し、スタートスイッチセンサ116からのスタート信号が出力された時点の乱数(以下、第1乱数)を取得する。この第1乱数取得部136において取得された第1乱数はRAM113に記憶され、当選役決定部138で使用される。
第2乱数取得部137は、第1乱数取得部136と同様に、スロットマシン2に給電が開始されると、乱数の更新処理を開始し、スタートスイッチセンサ116からのスタート信号が出力された時点の乱数(以下、第2乱数)を取得する。この第2乱数取得部137において取得された第2乱数はRAM113に記憶され、移動決定部139で使用される。
当選役決定部138は、第1乱数取得部131において取得された第1乱数と、ROM132に記憶された第1乱数テーブル140とから、複数種の当選役のいずれか、或いはハズレかを決定する。なお、以下では、第1乱数取得部131における第1乱数の取得、及び当選役決定部138における複数種の当選役のいずれか、或いはハズレの決定を、当選役抽選として説明する。なお、この当選役抽選の結果は、RAM113に記憶される。なお、複数の当選役には、例えば、通常モードの遊技よりも出球率(利益付与価値)が高くなるBBモード(特別遊技モード)や、RBモード(特別遊技モード)へ移行するBB移行役(特別遊技移行役)やRB移行役(特別遊技移行役)、入賞したときにメダルの払い出しのみが行われるベル役や、プラム役の他に、入賞したときに、メダルの投入を行わなくても次回の遊技の権利を得られるリプレイ役等から構成されている。なお、次回の遊技の権利を得られるとは、入賞したときに、クレジットされたメダルや、メダル投入口55からのメダルを用いずに、自動的にメダルが投入されることを示す。また、RB移行役や、BB移行役は、その当選時に入賞させることができない場合には、以降の遊技に持ち越しができる当選役である。
移動決定部139は、例えば上述した当選役抽選で、BB移行役や、RB移行役が当選した場合、或いはこれらBB移行役、RB移行役が持ち越されている場合に、ストップボタン36の内部に設けられた移動量調整部材55を移動させるか否かを決定するために設けられている。この移動決定部139は、第2乱数取得部137において取得された第2乱数と、ROM112に記憶された第2乱数テーブル141とから、移動量調整部材55を移動させるか否かを決定する。なお、以下では、第2乱数取得部137における第2乱数の取得、及び移動決定部139において移動量調整部材55を移動させるか否かの決定を、移動抽選として説明する。例えばこの移動抽選で当選した場合には、制御部(作動制御手段)135は、全てのストップボタン36の内部に組み込まれたロータリーソレノイド92への給電を行って、移動量調整部材55の位置を変化させる。なお、移動決定部39で使用される乱数テーブルは、移行役の種類に関係なく1つのテーブルとしているが、これに限定される必要はなく、例えば、移行役の種類に応じて、異なる確率の乱数テーブルを使用するようにしてもよい。
LED145は、装飾パネル8に設けられた状態表示部16の背面に設けられ、ストップボタン36の押圧操作が有効となる場合に点灯する。このLED145が点灯することで、状態表示部16が発光表示され、遊技者にストップボタン36の押圧操作が有効になったことが報知される。なお、このLED145の点灯、消灯制御はドライバ146によって行われる。
ROM112には、上述した起動プログラムや、遊技制御プログラム、投入プログラム等のプログラムの他に、第1乱数テーブル140、第2乱数テーブル141、図柄テーブル142等が記憶されている。第1乱数テーブル140は、当選役抽選時に用いられる。この第1乱数テーブル140は、複数の当選役、及びハズレのそれぞれに、第1乱数の振り分けが行われている。第2乱数テーブル141は、当選、及びハズレのそれぞれに、第2乱数の振り分けが行われている。図柄テーブル142は、第1リール10、第2リール11、第3リール12の外周面にそれぞれ配置される図柄と、基準位置からのステップ数とが対応付けられたテーブルである。
ホッパー装置147は、全てのリールが停止した場合に、有効となる入賞ライン上に入賞となる図柄の組み合わせが停止した場合に、その入賞に対する配当枚数のメダルを払い出す。
次に、本実施形態の遊技の流れについて、図6に示すフローチャートに基づいて説明する。遊技者がメダルの投入を行ってスタートレバー35を押下すると、スタートスイッチセンサ116からスタート信号がCPU111に出力される。これを受けて、当選役抽選、及び移動抽選が行われる。これら抽選の結果はRAM113に一次記憶される。これら抽選が行われた後に、制御部135は、ドライバ128,129,130を介してステッピングモータ125,126,127を駆動させる。これにより、第1リール10、第2リール11、第3リール12の全てのリールが回転を開始する。
第1リール10、第2リール11、第3リール12を回転させるとともに、制御部135は、RAM113に記憶された当選役抽選の結果を参照する。例えば当選役抽選において、ハズレとなる場合には、制御部135はRAM113にRB移行役やBB移行役が内部当選しているか否かを参照する。RAM113を参照した結果、これら移行役に内部当選していない場合には、制御部135は、RAM113に記憶された移動抽選の結果を参照しない。そして、ストップボタン36の押圧操作が有効になると、制御部135はドライバ146を介して、LED145を点灯させる。これにより、状態表示部16が発光表示される。これを受けて遊技者は、ストップボタン36を押圧操作する。
この場合、図4に示すように、移動量調整部材55は退避位置で保持されており、移動量調整部材55のピン55c〜55fの先端は、それぞれ挿通孔80〜83の内部に収納されている。この状態で、ストップボタン36が押圧操作される、つまり、被押圧部材50の被押圧面50aが押圧されると、被押圧部材50は初期位置からコイルバネ52の付勢に抗して図4中E方向に移動し、被押圧部材50の端面50cが前面側収納部74に対面する壁面74aに当接され、その移動が停止される(図7参照)。つまり、被押圧部材50が押圧位置まで移動する。このとき、センターピン55bの先端は、被押圧部材50の挿通孔66の内部に収納されているので、ストップボタン36の押圧操作時には変化が生じることはない。
図7に示すように、被押圧部材50が押圧位置まで移動すると、被押圧部材50の筒部65のインデックス71がPI54によって検知され、その検知信号が制御部135に出力される。これを受けて、対応するリールが停止する。つまり、第1ストップボタン36aが押圧操作された場合には、第1リール10の回転が停止される。また、第2ストップボタン36b、第3ストップボタン36cの押圧操作の際も、第1ストップボタン36aの押圧操作のときと同様であり、通常の押圧操作となる。そして、全てのリールが停止されると、制御部135は、LED145を消灯させ、状態表示部16の発光表示を停止する。その後、制御部135は入賞の有無を参照するが、この場合ハズレであるから、ホッパー装置147によるメダルの払い出しが行われずに遊技が終了する。なお、ストップボタン36の押圧操作を解除すると、コイルバネ56の図7中A方向への付勢によって被押圧部材50が押圧位置から初期位置へ(図7中F方向へ)と移動する。
同様にして、例えばベル役や、リプレイ役など、RB移行役やBB移行役以外の当選役が当選している場合は、RAM113に記憶されている移動抽選の結果を参照しないので、ストップボタン36の押圧操作時に、押圧時の変化は生じることがない。RB移行役やBB移行役以外の当選役が当選している場合には、制御部135は入賞の有無を参照し、入賞となる場合には、ホッパー装置147よるメダルの払い出しが行われる。
上述した当選役抽選でRB移行役、或いはBB移行役が当選した場合や、当選役抽選でハズレとなるが、RB移行役やBB移行役が持ち越されている(内部当選している)場合、制御部135は、RAM113に記憶された移動抽選の結果を参照する。例えば移動抽選で外れている場合には、ストップボタン36に内蔵されているロータリーソレノイド92への給電は行われないので、ハズレのときと同様の状態でストップボタン36の押圧操作が行われる。つまり、第1ストップボタン36a、第2ストップボタン36b、第3ストップボタン36cの押圧操作時の変化が生じることはない。
一方、移動抽選で当選すると、制御部135はストップボタン36のロータリーソレノイド92への給電を行う。図4に示すように、ロータリーソレノイド56への給電が行われると、回転軸95が図4中C方向に回転する。この回転とともにカム93,94が回転する。例えばカム93の回転時には、その押圧面93bが移動量調整部材55の基板55aに当接した後、基板55に摺接しながら、基板55aを押圧する。これにより、移動量調整部材55がコイルバネ56の付勢に抗して図4中D方向に移動し、退避位置から突出位置まで移動する。図8に示すように、移動量調整部材55が突出位置まで移動すると、回転するカム93の支持面93cと基板55aとが当接され、指示面93cにより基板55aが支持された状態となる。なお、カム94の動作もカム93と同一であるから、ここではその詳細は省略する。このとき、図8に示すように、移動量調整部材55のピン55c〜55fの先端は、前面側収納部74に対面する壁面74aから突出した状態で保持される。また、センターピン55bの先端は、被押圧部材50の筒部65に設けられた挿通孔66の内部に収納された状態で保持される。
この状態でストップボタン36が押圧操作される、つまり被押圧部材50の被押圧面55aが押圧されると、被押圧部材50が初期位置からコイルバネ52の付勢に抗して図8中E方向に移動し、押圧位置で停止される。この場合、移動量調整部材55のピン55c〜55fの先端は、前面側収納部74に対面する壁面74aから突出した状態で保持されているので、被押圧部材50が押圧位置まで移動すると、これらピン55c〜55fに、被押圧部材50の端面50cが当接される(図9参照)。また、被押圧部材50が押圧位置まで移動したときには、センターピン55bの先端が被押圧面50aから突出する。なお、この場合、ストップボタン36の押圧操作時の被押圧部材50の移動量が、ハズレや、RB移行役やBB移行役以外の当選役が当選した場合よりも少なくなり、また、センターピン55bが被押圧面50aから突出することで、押圧操作する指に刺激を与えるので、遊技者は、違和感を抱く、つまり「もしかしたらRB移行役や、BB移行役が内部当選しているのではないか」という期待感を抱くことになる。これにより、遊技者はストップボタン36を押圧操作したときに、初めてセンターピン55bの先端がどこに位置している(つまり、移動量調整部材55の位置)を認識することになる。
この場合、第1ストップボタン36a、第2ストップボタン36b、第3ストップボタン36cの操作時には、上述した違和感が生じることになる。この場合、その遊技で、RB移行役や、BB移行役を入賞させることができなくても、遊技者は以降の遊技では、これら移行役を入賞させるようにストップボタン36を押圧操作することになる。なお、ストップボタン36の押圧操作を解除すると、コイルバネ56の図9中A方向への付勢によって被押圧部材50が押圧位置から初期位置へ(図9中F方向へ)と移動する。
そして、ストップボタン36の押圧操作を行って全リールを停止させた後、入賞判定を行って、入賞となる場合に入賞に対するメダルの払い出しが行われる。その後、制御部135は、ロータリーソレノイド92への給電を停止させる。このロータリーソレノイド92への給電を停止させると、カム93,94が図8中G方向に回転する。移動量調整部材55はコイルバネ56により図4中B方向への付勢を受けているので、カムが図8中G方向に回転すると、移動量調整部材55が、突出位置から図8中H方向に移動する。そして、移動量調整部材55の基板55aがカバー58の移動防止片96〜99に当接されることで、移動量調整部材55が図4に示す退避位置に保持される。
本実施形態では、全てのストップボタンに組み込まれた移動量調整部材を移動させるか否かを一括して決定したがこれに限定する必要はなく、例えばストップボタン毎に決定しても良い。
本実施形態では、RB移行役やBB移行役が当選した場合、或いはこれら移行役が持ち越されている状態で遊技が実行された場合に、移動量調整部材の位置を移動させたが、これに限定する必要はなく、例えば通常モードから、例えばリプレイ役の当選確率が高くなるリプレイタイム(RT)モード等の他の遊技モードに移行した直後の遊技が行われるときに移動量調整部材の位置を移動させることも可能である。
本実施形態では、全てのリールが停止されたときに、ロータリーソレノイドへの給電を停止させたが、これに限定する必要はなく、例えばストップボタンの押圧操作が解除された場合に、或いはインデックスがPIによって検知された直後に、ロータリーソレノイドへの給電を停止させることも可能である。
本実施形態では、操作ボタンの例としてストップボタンの例を取り上げたが、これに限定する必要はなく、例えばクレジットされたメダルを投入操作する際に操作されるベットボタンに本発明に用いることも可能である。また、本実施形態では、本発明の操作ボタン装置を、ストップボタン全てに用いた実施形態としているが、これに限定される必要はなく、例えば第1ストップボタンのみに本発明の操作ボタン装置を用いるなど、一部のストップボタンに設けることも可能である。
本実施形態では、被押圧面から突出する突起物の例として、移動量調整部材に設けられたセンターピンとしたが、これに限定する必要はなく、突起物となるピンを、移動量調整部材と別部材から構成し、そのそれぞれを個別に移動させることも可能である。