JP4654861B2 - 複数無線機間同時通話システム及び無線機 - Google Patents

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Description

本発明は、複数無線機間同時通話システム及び無線機に関し、特に、特定小電力無線機において好適に適用可能な複数間同時通話システム及び無線機に関する。
無線電波を使って音声通信を行う無線機の分野では、建築現場・トンネル/電力線工事現場・浚渫作業船などの業務連絡用の携帯無線機として、あるいは、催し物会場やレジャー施設内などにおける業務用・個人用の無線機として各種の形態が登場してきている。例えば、アマチュア無線機や、通常のテレメータ用無線機や、トランシーバに代表されるような特定小電力無線機などもその一つである。なお、この特定小電力無線送受信機の場合は、電波法により、最大出力可能電力や電波連続発射時間に制限がある代わりに、短波帯を用いても免許取得の必要がない手軽さがあり、広く用いられるようになってきている。
また、このような無線機における通信方式としては、単一周波数を用いる片側通話のシンプレックス方式(単信方式)や、双方向同時通話が可能なデュプレックス方式(複信方式)などが用いられている。即ち、シンプレックス方式(単信方式)では、通常は受信状態にあり、送信したい場合に送信スイッチ(PTT)を使って送受信を切り替えて相互に通話(片通話)を行う形態であり、電話のような同時通話はできない。また、デュプレックス方式(複信方式)では、2つの周波数を使うことにより同時通話を可能としている。
更には、無線機間を直接電波で送受信する方式以外に、通話エリアの拡大を図るべく、中継器(レピータ)を介して中継無線通信を行う方式も取り入れられている。
また、前述のような建築現場や工事現場などでの業務連絡用に用いる場合は、特定の2者間の通話内容を、特定の2つの無線機の間だけでなく、同じ目的で用いられているすべての無線機でも受信可能な状態として、工事などに従事している全作業員に対して通話内容を同時に周知させることが重要な局面も生じる。このため、各自が携帯しているそれぞれの携帯無線機や各自の近傍に配設されているそれぞれの無線機のすべてで、或る2者間の通話内容を同時に受信可能とする無線通話システムが提案されている。
特許文献1に示す特開平08−116305号公報「一斉同時通話無線システム」には、すべての携帯無線機に、それぞれに固有の自機の送信周波数で電波を発射する送信機と、他の携帯無線機からの各周波数の電波にそれぞれ同調して受信する複数の受信機とを備えて、自機の携帯無線機からのマイク入力信号と受信した受信信号とを混合させて出力する同時通話用のデュプレックス方式を実現する構成例が示されており、どの携帯無線機でも或る携帯無線機から送信されている通話音声を一斉に受信可能としている。
この特許文献1の技術をより広範な通話エリアに適用可能とする場合、複数の携帯無線機のうち、いずれかの携帯無線機を、中継用同時通話を行うための親機とし、残りの携帯無線機を子機として構成する。各子機は、マイク入力信号(通話信号)を親機に対してそれぞれ固有の周波数の電波で発射し、親機からの電波を受信してスピーカから出力する。一方、各子機に対する中継機能を実行する親機には、子機となる携帯無線機の台数分の受信機を内蔵して、子機のいずれかから受信してスピーカから出力すると共に、受信した受信信号と親機自体のマイク入力信号(通話信号)とを混合して、子機すべてに対して、親機固有の送信周波数の電波を発射する。この結果、親機の中継機能により、親機及び各子機は、広域に分散した状態でも、2者間同時通話が可能となる。
また、一斉に全員に周知させつつ同時通話を行う場合の異なる構成として、親機は、親機固有の周波数の電波を発射する送信機と、子機固有の周波数の電波を受信する受信機とを備え、一方、各子機は、送話時にすべての子機に共通する電波のみを使用して、いずれの子機からも電波が発射されていないことを検出した場合にのみ電波を発射する送信機と、親機からの電波を受信する受信機とを備える構成も提案されている。この提案の場合、親機と或る特定の子機との間の2台での同時通話を行う場合、親機は、該子機からの受信信号及び自機のマイク入力信号を混合して電波をすべての子機に対して発射する。これにより、第三者が所持する子機それぞれは、親機からの電波を受信することにより、すべての第三者が、親機の所持者と特定の子機の所持者との間の2者間通話を同時に聴取することができる。
特開平8−116305号公報(第3−4頁、図2)
しかしながら、より広範な通話エリアをカバーするために中継用同時通話を行う場合、前述の従来の技術では次のような問題が残っている。例えば、前記特許文献1のような前者の技術では、親機は、子機の台数分の受信機を備えることが必要となり、高価な構成となってしまう。
一方、後者の技術では、特定の2者間の通話をすべての第三者が同時に聴取することが可能ではあるが、第三者が発言しようとしても当該第三者の子機から電波を発射することができない。また、通話用に用いる子機が今までの特定の子機とは異なる第三者の子機に切り替わった場合であっても、通話相手が親機に固定されているため、子機間同士の通話ができないという欠点がある。
そこで、本発明の目的は、親機と複数の子機とからなり、2者間の同時通話を行う複数無線機間同時通話システムにおいて、2者間の通話内容をすべての無線機において受信可能とし、更に、通話中の有無によらず任意の時点で任意の子機が通話用の電波を発射可能とする安価なシステムを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、親機と複数の子機とからなり、2者間の同時通話を行う複数無線機間同時通話システムにおいて、更に、親機と子機の間のみならず、任意の子機間での通話を可能とする安価なシステムを提供することにある。
更に、本発明の他の目的は、前述のような本発明の目的を実現するための複数無線機間同時通話システムを構成する親機及び子機の無線機を提供することにある。
前述の課題を解決するため、本発明による複数無線機間同時通話システム及び無線機は、次のような特徴的な構成を採用している。
(1)複数の無線機のうち、任意の2台の無線機間で同時通話されている通話内容を残りの無線機において受信することが可能な複数無線機間同時通話システムにおいて、複数の無線機のうちいずれかを親機とし、残りの無線機を子機として構成し、前記子機が、前記親機に対して同時通話内容を示す無線電波を送受信する無線機として動作する一方、前記親機が、当該親機を含む任意の2台の無線機間の同時通話内容を混合して通話相手の子機に対して無線電波を中継する中継器として動作し、該親機が、2台の無線機間の同時通話内容を混合した混合信号を通話相手の子機に対して中継する際に、通話相手の子機を含めたすべての無線機に対して、当該親機に固有に割り当てられている送信チャンネル周波数を用いて、前記混合信号を通話信号として一斉に送信する複数無線機間同時通話システム。
(2)前記親機は、受信用の受信チャンネル周波数と送信用の送信チャンネル周波数とをそれぞれに固有に割り当てられた少なくとも2台以上の無線機を、中継ケーブルにより互いに相互接続されて構成され、或る親機の無線機のマイクからマイク入力信号が入力された際に、該マイク入力信号を前記中継ケーブルを介して相手側の親機の無線機に対して送信する上記(1)の複数無線機間同時通話システム。
(3)前記親機は、受信用の受信チャンネル周波数と送信用の送信チャンネル周波数とをそれぞれに固有に割り当てられた少なくとも2台以上の無線機を、中継ケーブルにより互いに相互接続されて構成され、或る親機の無線機の受信チャンネル周波数で前記子機の無線機からの受信信号を受信した際に、該受信信号を前記中継ケーブルを介して相手側の親機の無線機に対して送信する上記(1)の複数無線機間同時通話システム。
(4)前記親機は、受信用の受信チャンネル周波数と送信用の送信チャンネル周波数とをそれぞれに固有に割り当てられた少なくとも2台以上の無線機を、中継ケーブルにより互いに相互接続されて構成され、或る親機の無線機の受信チャンネル周波数で前記子機の無線機からの受信信号を受信した際に、該受信信号と当該無線機のマイクから入力されたマイク入力信号とを混合した混合信号を前記中継ケーブルを介して相手側の親機の無線機に対して送信する上記(1)の複数無線機間同時通話システム。
(5)前記親機は、受信用の受信チャンネル周波数と送信用の送信チャンネル周波数とをそれぞれに固有に割り当てられた少なくとも2台以上の無線機を、中継ケーブルにより互いに相互接続されて構成され、或る親機の無線機のマイクから入力されたマイク入力信号、当該無線機の受信チャンネル周波数で前記子機の無線機から受信した受信信号、当該無線機の受信チャンネル周波数で前記子機の無線機から受信した受信信号と当該無線機のマイクから入力されたマイク入力信号とを混合した混合信号、のいずれかを任意に選択して、前記中継ケーブルを介して相手側の親機の無線機に対して送信する上記(1)の複数無線機間同時通話システム。
(6)前記親機は、受信用の受信チャンネル周波数と送信用の送信チャンネル周波数とをそれぞれに固有に割り当てられた少なくとも2台以上の無線機を、中継ケーブルにより互いに相互接続されて構成され、或る親機の無線機が、当該無線機に固有に割り当てられた送信チャンネル周波数を用いて、通話相手の子機を含めたすべての無線機に対して通話信号として一斉に送信する場合、当該親機の無線機のマイクから入力したマイク入力信号と前記中継ケーブルから入力されてきた入力信号とを混合して通話信号として一斉に送信する上記(1)の複数無線機間同時通話システム。
(7)前記親機は、受信用の受信チャンネル周波数と送信用の送信チャンネル周波数とをそれぞれに固有に割り当てられた少なくとも2台以上の無線機を、中継ケーブルにより互いに相互接続されて構成され、或る親機の無線機が、当該無線機に固有に割り当てられた送信チャンネル周波数を用いて、通話相手の子機を含めたすべての無線機に対して通話信号として一斉に送信する場合、前記子機の無線機から受信した受信信号と前記中継ケーブルから入力されてきた入力信号とを混合して通話信号として一斉に送信する上記(1)の複数無線機間同時通話システム。
(8)前記親機は、受信用の受信チャンネル周波数と送信用の送信チャンネル周波数とをそれぞれに固有に割り当てられた少なくとも2台以上の無線機を、中継ケーブルにより互いに相互接続されて構成され、或る親機の無線機が、当該無線機に固有に割り当てられた送信チャンネル周波数を用いて、通話相手の子機を含めたすべての無線機に対して通話信号として一斉に送信する場合、当該親機の無線機のマイクから入力したマイク入力信号又は当該親機の無線機で前記子機の無線機から受信した受信信号又は前記中継ケーブルから入力されてきた入力信号を、他の信号と混合することなく、そのまま通話信号として送信する上記(1)の複数無線機間同時通話システム。
(9)前記親機は、受信用の受信チャンネル周波数と送信用の送信チャンネル周波数とをそれぞれに固有に割り当てられた少なくとも2台以上の無線機が、中継ケーブルにより互いに相互接続されて構成され、或る親機の無線機が、当該無線機のマイクから入力されたマイク入力信号、当該無線機で受信した前記子機の無線機からの受信信号、前記中継ケーブルから入力されてきた入力信号、前記マイク入力信号と前記中継ケーブルからの前記入力信号とを混合した混合信号、当該無線機で受信した前記子機の無線機からの受信信号と前記中継ケーブルからの前記入力信号とを混合した混合信号、当該無線機のマイクから入力されたマイク入力信号と当該無線機で受信した前記子機の無線機からの受信信号とを混合した混合信号、のいずれかを任意に選択して、通話信号として送信する上記(1)の複数無線機間同時通話システム。
(10)前記親機は、通話相手の子機を含めたすべての無線機に対して、通話信号として一斉に送信する信号を選択する場合、親機として構成される少なくとも2台以上の無線機のうち、最初に中継動作を開始した無線機が、2者間同時通話を開始した無線機間の通話内容を混合した混合信号として、前記マイク入力信号と前記中継ケーブルからの前記入力信号とを混合した混合信号、当該無線機で受信した前記子機の無線機からの受信信号と前記中継ケーブルからの前記入力信号とを混合した混合信号、当該無線機のマイクから入力されたマイク入力信号と当該無線機で受信した前記子機の無線機からの受信信号とを混合した混合信号、の中から選択し、一方、最初に中継動作を開始していなかった無線機は、当該無線機に入力された信号を他の信号とは混合せずにそのまま送信する信号として、当該無線機のマイクから入力されたマイク入力信号、当該無線機で受信した前記子機の無線機からの受信信号、前記中継ケーブルから入力されてきた入力信号、の中から選択する上記(9)の複数無線機間同時通話システム。
(11)2者間の同時通話内容を無線電波で送受信する無線機において、当該無線機を含む任意の2台の無線機間の同時通話内容を混合して通話相手の子機の無線機に対して無線電波を中継する中継機能を有する親機として動作し、2台の無線機間の同時通話内容を混合した混合信号を通話相手の子機に対して中継する際に、通話相手の子機を含めたすべての無線機に対して、当該親機に固有に割り当てられている送信チャンネル周波数を用いて、前記混合信号を通話信号として一斉に送信する無線機。
本発明による複数無線機間同時通話システム及び無線機によれば、次のような効果が得られる。
即ち、複数の無線機のうち、いずれかを中継機能を有する中継器としても機能する親機とし、残りの無線機を中継器との間で電波を送受信する子機とした無線通話ネットワーク構成とし、親機及び子機のいずれか2台の無線機間の同時通話を行う際に、前記2台の無線機間の通話を中継する親機(中継器)が、中継機能の一環として残りの複数の無線機すべてに対しても前記2台の無線機間の通話内容を示す電波を一斉に発射することにより、残りの無線機すべてにて、前記2台の無線機間の通話内容をモニタ受信することができる安価な同時通話システムを実現することができる。また、斯かる複数無線機間同時通話システムを構成する親機及び子機を提供する無線機を実現することができる。
また、複数の無線機のうち、少なくとも2台以上の無線機を互いに中継ケーブルを介して接続して中継機能を有する親機として用いて、通話用としてそれぞれを合わせて少なくとも2つ以上の複数のチャンネルを利用可能とすることにより、或る2台の無線機間の通話中の状態であっても、緊急時や情報通知の必要時などにおいて空きのチャンネルを使って他の子機からも任意の時点で通話用の電波を発射することが可能であり、また、親子の無線機間のみならず、任意の子機間の通話を行うことも可能である。また、斯かる複数無線機間同時通話システムを構成する親機及び子機を提供する無線機を実現することができる。
また、中継器となる無線機(親機)を少なくとも2台以上備え、それらを互いに接続した中継ケーブルを介して情報を送受信し合うことを可能とすると共に、残りの複数の無線機(子機)に対して2台の無線機間の同時通話内容を示す両者の混合信号の電波を一斉に発射する一斉送信機能としていずれの中継器からでもそれぞれに固有の周波数で発射することを可能としているので、一方の中継器が受信中の状態にあった無線機からの送信が停止された時点で、他の中継器が通話中の状態の無線機からの情報を受信している限り、すべての無線機に一斉発射する一斉送信機能を、まだ受信中の状態にある該中継器に自動的に切替えて、通話内容を混合した信号の電波として発射することも可能であり、まだ通話中の状態にある無線機間の通話内容を途絶えることなくすべての無線機が聴取することができる。また、斯かる複数無線機間同時通話システムを構成する親機及び子機を提供する無線機を実現することができる。
以下、本発明による複数無線機間同時通話システム及び無線機の好適実施形態例について添付図を参照して説明する。なお、以下の実施例においては、複数の無線機それぞれが、トランシーバのような携帯型の特定小電力無線機を用いる場合について説明することにするが、本発明は、斯かる場合のみに限るものではない。例えば、通常のテレメータ用無線機であっても良いし、アマチュア無線用の同時通話無線機及び中継器であっても良いし、2者間通話のための電波を送受信する音声通信用機器であれば如何なる無線機であってもかまわない。
図1は、本発明による複数無線機間同時通話システムのシステム構成の一例を示すシステム構成図である。図1に示す実施例においては、本発明による複数無線機間同時通話システムは、親機の無線機として中継機能を有する2つの中継器1A、1Bと1乃至複数の子機の無線機即ち子機2A、2B、2C、・・・とから構成され、2つの中継器1A、1B間は、中継ケーブル3により相互接続されて、2つの中継器1A、1Bが一体化して親機として動作する。即ち、2つの中継器1A、1Bのいずれも、親機と子機のいずれかとの間の同時通話のための電波の送受信をしたり、あるいは、いずれか2台の子機間同士の同時通話を行う際の通話中継機能を果たすための電波の送受信をしたりすると共に、中継機能の一環として、残りの無線機に対して通話内容の一斉通知を行うための一斉送信用の電波としても発射する。
即ち、親機を構成する中継器1A、1Bは、それぞれ、中継ケーブル3にて相互接続することにより、一方の中継器例えば中継器1Aで受信した受信信号を他方の中継器1Bに入力して他方の中継器1Bから出力したり、あるいは、一方の中継器例えば中継器1Aでマイクから入力したマイク入力信号を他方の中継器1Bに入力して他方の中継器1Bから出力することができる機能を有する。これにより、同時通話用音声として、中継器1A、1Bは、それぞれ、マイクから入力されるマイク入力信号、子機からアンテナで受信した受信信号、中継ケーブル3を介して入力した相手中継器1B、1Aからの音声信号のいずれかを、親子間の2者間通話や子機間の2者間通話や通話中ではなかった他の子機からの通話開始などに応じてセレクタにて選択して、混合した結果をアンテナから送信することを可能にしている。
また、中継器1A、1Bがアンテナから電波を送信する際、通話相手の無線機(子機)に対する単なるレピータ機能(中継機能)のみならず、すべての子機に対する一斉送信用として、中継器1A、1Bそれぞれに固有の送信チャンネル周波数fSA、SBにて、子機2A、2B、2C、・・・すべてに対して電波を発射する。一方、子機2A、2B、2C、・・・は、中継器1A、1Bがそれぞれ発射する周波数fSA、SBの電波を受信する機能を有しており、2者間の同時通話内容の受信を行ったり、同時通話用の子機のマイクから入力された音声を、中継器1A、1Bそれぞれの受信チャンネル周波数fRA、RBのいずれかを用いて電波を送信することができる。
なお、親機を構成する中継器1A、1Bのそれぞれは、中継ケーブル接続用の中継端子や信号選択用のセレクタを備える以外は、基本的には、同時通話機能を有する子機2A、2B、2C、・・・である無線機と全く同一のブロック構成のものを用いることができる。
斯かる構成により、例えば、一方の中継器例えば中継器1Aで子機例えば子機2Aから受信した受信信号を、親機としてのマイク入力信号と混合して、子機2A−親機(中継器1A)間の同時通話内容を示す音声信号として、あるいは、一方の中継器例えば中継器1Aで子機例えば子機2Aから受信した受信信号を、中継ケーブル3を介して入力した、他方の中継器1Bで他の子機2Bから受信したもう一つの受信信号と混合して、子機2A−2B間の同時通話内容を示す音声信号として、すべての子機2A、2B、2C、・・・に対して電波を一斉に発射することができる機能を有することになる。
即ち、一方の中継器例えば中継器1Bにて子機2Bから受信チャンネル周波数fRBで受信した受信信号は、中継ケーブル3を介して、他方の中継器例えば中継器1Aに対して中継され、マイクから入力されてきたマイク入力信号や子機2Aから受信チャンネル周波数fRAで受信した受信信号と混合されて、中継器1Aから送信チャンネル周波数fSAにて発射することが可能である。あるいは、逆に、中継器1Aにて子機2Aから受信チャンネル周波数fRAで受信した受信信号は、中継ケーブル3を介して、他方の中継器1Bに対して中継され、マイクから入力されてきたマイク入力信号や子機2Bから受信チャンネル周波数fRBで受信した受信信号と混合されて、中継器1Bから送信チャンネル周波数fSBにて発射することも可能である。
一方、各子機2A、2B、2C、・・・は、キャリアセンス機能により、他の子機から中継器1A、1Bへの電波発射の有無を検知して、他の子機からの発射がない周波数(中継器1A又は1Bの受信チャンネル周波数fRA又はfRBのいずれか)の電波を利用して中継器1A、1Bのいずれかへの無線回線接続を行い、しかる後、回線接続した中継器に対して、マイクから入力されたマイク入力信号を、回線接続した中継器1A、1Bそれぞれに割り当てられている固有の受信チャンネル周波数fRA、RBを用いて電波を発射する一方、回線接続した中継器1A、1Bから、該中継器1A、1Bそれぞれに割り当てられている固有の送信チャンネル周波数fSA、SBにて発射されてくる電波を受信する。
なお、各子機2A、2B、2C、・・・は、無線回線接続による同時通話をしていない他の携帯無線機(子機)であっても、中継器1A、1Bに固有の送信チャンネル周波数fSA、SBを常時スキャンすることにより、無線回線接続した特定の携帯無線機(子機)に対して中継器1A、1Bから固有の送信チャンネル周波数fSA、SBにて送信されてくる電波を受信して、スピーカから出力することが可能である。
ここで、子機2A、2B、2C、・・・のうち、或る子機例えば子機2Bが、2つの中継器1A、1Bのいずれか例えば中継器1Bに無線回線接続を行い、中継器1Bに割り当てられた受信チャンネル周波数fRBの電波を送信すると、中継器1Bにて受信された子機2Bからの音声信号は、前述のように、中継ケーブル3を介して他の中継器1Aに対しても中継されるので、いずれの中継器1A、1Bにおいても、子機2Bからの音声信号を子機2A、2B、2C、・・・に対して送信すべき音声信号として用いることが可能である。
従って、複数の子機2A、2B、2C、・・・に対して、2者間同時通話用の音声信号となる電波を発射する中継器例えば中継器1Aは、自機で子機2Aから受信した受信信号(音声信号)又はマイク入力されてきたマイク音声信号と、中継ケーブル3を介して中継器1Bから入力されてきた音声信号とを混合して、当該中継器1Aに割り当てられた固有の送信チャンネル周波数fSAにて、複数の子機2A、2B、2C、・・・のすべてに対して送信する。これにより、子機2A、2B、2C、・・・それぞれの所持者は、2者間同時通話の無線機の所持者以外であっても、同時通話している子機2A−2Bや子機2A−親機(中継器1A)の所持者同士の2者間通話内容を、リアルタイムにモニタリングして聴取することが可能である。
図2は、本発明による複数無線機間同時通話システムの子機を構成する無線機の内部構成の一例を示すブロック構成図である。図2の子機2は、図1に示す子機2A、2B、2C、・・・のいずれにも用いることができる。図3は、本発明による複数無線機間同時通話システムの親機を構成する中継器の内部構成の一例を示すブロック構成図である。図3の中継器1は、図1に示す中継器1A、1Bのいずれにも用いることができ、セレクタ及び中継ケーブルの中継端子を除いて、基本的に、図2に示す子機2の内部構成と全く同じである。
図2に示す子機2において、マイク21から入力された音声信号はマイクアンプ22で所望のレベルまで増幅されて送信機23に割り当てられている送信周波数(中継器1Aに対して送信する場合は周波数fRA、中継器1Bに対して送信する場合は周波数fRB)に同調する送信信号に変換されて、しかる後、結合器24を経由してアンテナ28からの電波として発射される。また、アンテナ28により受信された電波は、結合器24を介して受信機(チューナ)25において、受信すべき周波数として割り当てられている受信周波数(中継器1Aから受信する場合は周波数fSA、中継器1Bから受信する場合は周波数fSB)に同調する信号を受信信号として抽出して、混合器26を介してスピーカ27から出力される。なお、制御部29は子機2における各回路部を制御して、これらの送受信動作の全体を制御している。
一方、親機として構成される図3に示す中継器1においては、中継ケーブル3との中継端子31、32、セレクタ13a、16a、31a、混合器16、制御部19以外の回路部の動作は、図2に示す子機2と全く同様の動作を行う。即ち、マイク11から入力された音声信号はマイクアンプ12で所望のレベルまで増幅されて、セレクタ13aを介して送信機13に固有に割り当てられている送信周波数(中継器1Aから送信する場合は周波数fSA、中継器1Bから送信する場合は周波数fSB)に同調する送信信号に変換されて、しかる後、結合器14を経由してアンテナ18からの電波として発射される。また、アンテナ18により受信された電波は、結合器14を介して受信機(チューナ)15において、受信すべき周波数として割り当てられている受信周波数(中継器1Aの場合は周波数fRA、中継器1Bの場合は周波数fRB)に同調する信号を受信信号として抽出して、セレクタ16a、混合器16を介してスピーカ17から出力される。なお、制御部19は中継器1における各回路部を制御して、これらの送受信動作の全体を制御している。
ここで、制御部19からの制御に基づいて、マイクアンプ12からのマイク入力信号又は受信機15からの受信信号又は混合器16から出力される混合信号のいずれかが、セレクタ31aにて選択されて、中継器1A、1B間を相互接続する中継ケーブル3へ中継端子31から出力されて、相手側の中継器1B、1Aに入力される。これにより、相手側の中継器1B、1Aでも、全く同じ音声信号を処理することが可能であり、例えば、相手側の中継器1B、1Aで受信した子機からの音声信号を、自機で扱っている音声信号(マイク入力信号や受信信号)と混合したり、自機の送信周波数で送信したりすることができ、親子間のみならず、子機間同士の2者間同時通話を行うことができる。あるいは、相手側の中継器1B、1Aの混合器16にて混合された混合信号を、自機のスピーカ17から出力したり、自機の送信周波数で送信したりすることができる。
また、制御部19からの制御に基づいて、マイクアンプ12からのマイク入力信号又は受信機15からの受信信号又は混合器16から出力される混合信号のいずれかが、セレクタ13aにて選択されて、送信機13に入力されて、結合器14を介してアンテナ18から送信される。
これにより、親機である自機のマイク11からの音声信号を通話相手の子機に送信したり、受信した通話相手の子機からの受信信号や2者間通話内容を示す混合信号を、通話相手の子機のみならず、子機2A、2B、2C、・・・すべてに対して送信することが可能である。例えば、混合器16にて混合された2者間通話内容を示す混合信号を、通話相手の子機2Aのみならず、他の子機2B、2C、・・・へ一斉に通知するために、制御部19からの制御に基づいて、セレクタ13aを介して送信機13に入力して、結合器14を介してアンテナ18から送信する。この結果、2者間の同時通話内容(親子間通話や子機間通話の内容)を他の子機2B、2C、・・・でもリアルタイムでモニタリングすることが可能である。
更には、制御部19からの制御に基づいて、マイクアンプ12からのマイク入力信号又は受信機15からの受信信号又は相手側の中継器から中継ケーブル3、中継端子32を介して入力されてくる音声信号(マイク入力信号や受信信号や混合信号)のいずれかが、セレクタ16aにて選択されて、混合器16に入力されて、混合された混合信号として出力される。
これにより、スピーカ17から混合信号を出力したり、セレクタ13aを介した送信機13から混合信号を送信したり、セレクタ31a、中継端子31を介して相手側の中継器1B、1Aに対して混合信号を出力したりすることが可能である。例えば、相手側の中継器1Bから中継ケーブル3を介して入力されてくる音声信号(中継器1Bのマイク入力信号あるいは中継器1Bで受信した子機2Bからの受信信号)が、制御部19からの制御に基づいて、中継端子32からセレクタ16aを介して混合器16へ入力されて、受信機15で受信した子機2Aからの受信信号と混合されて、スピーカ17から出力され、親機としての中継器1Bと子機2A間の通話内容あるいは子機2Bと子機2A間の通話内容を、親機の別の中継器1Aでも聴取することができる。
なお、制御部19は、キャリアセンス結果として、当該中継器例えば中継器1Aの受信機15が、相手側の中継器例えば中継器1Bの受信動作に先立って、子機2例えば子機2Aから受信信号を受信している状態にあることが判明した場合は、自機の混合器16の混合動作を動作させる制御信号を出力し、一方、当該中継器例えば中継器1Aの受信機15が、相手側の中継器例えば中継器1Bよりも遅れて、子機2例えば子機2Aから受信信号を受信した状態にある場合は、自機の混合器16の混合動作の停止を継続させる制御信号を出力する。
また、当該中継器1Aの受信機15が子機2Aからの受信信号を相手側の中継器1Bの受信動作に先立って受信して混合器16の混合動作を動作させている場合に、子機2Aからの受信中の状態が停止した状態へと移行した場合は、制御部19は、当該中継器1Aの混合器16の混合動作を停止させると共に、代わって、相手側の中継器1Bにおける混合器16の混合動作を起動する制御信号を出力する。この起動信号を受け取った相手側の中継器1Bは、自機の混合器16の混合動作を開始し、以降、相手側の中継器1Bが、中継器1Aに代わって、2者間通話内容を混合して、すべての子機2A、2B、2C、・・・に対して一斉に送信する動作を行うことになる。
また、一方の中継器例えば中継器1Aは、或る子機例えば子機2Aからの受信信号(受信周波数fRA)を受信機15で受信すると、該受信信号を増幅した後、制御部19の制御に基づいて、レピータ動作(中継動作)として、受信した受信内容を送信信号(送信周波数fSA)を用いて送信機13から送信するが、この送信信号(周波数fSA)の電波は、前述のように、すべての子機2A、2B、2C、・・・に対して発射されている。一方、中継器1Aに通話情報を送信した子機2A以外の他のすべての子機2B、2C、・・・は、前述のように、中継器1A、1Bからの電波のスキャン動作を常時行っていて、中継器1Aからの信号の電波(周波数fSA)が受信機25で受信されると、その信号を受信してスピーカ27から出力する動作を行っている。
この出力結果として、受信した他の子機2B、2C、・・・のうち或る一台例えば子機2Bが最初の送信動作を行っていた例えば子機2Aとの緊急用の通話のための送信動作を行おうとする場合、キャリアセンス結果としてチャンネルに空き状態が検知された、もう一つの中継器1Bへの電波(即ち、周波数fRB)が回線接続用として捕捉されて、該電波(周波数fRB)を用いて、子機2Bからの通話内容が発射される。これにより、その子機2Bは、中継器1Bとの間での通話動作を行うことになる。
ここで、最初にレピータ動作を行っていた中継器1Aが混合器16の混合動作を動作させているので、後で受信動作を開始したもう一つの中継器1Bでは、相手側の中継器1Aの子機2Aからの受信信号が中継ケーブル3から中継端子32、セレクタ16aを介して混合器16へ入力されてくるが、当該中継器1Bの混合器16では子機2Bから受信した受信信号との混合動作は行われず、中継端子32からの入力信号がそのまま出力される。このため、中継ケーブル3から入力された相手側の中継器1Aの子機2Aからの受信信号は、混合されることなく、中継ケーブル3より入力されたそのままの内容として、当該中継器1Bのセレクタ13aを経由して送信機13からの電波(周波数fSB)として送信されるように動作する。よって、後から通話内容を送信した子機2Bは、中継器1B、中継ケーブル3、中継器1Aを介した子機2Aとの通話回線接続状態が形成されることになり、子機2Bの所持者は、最初に送信を開始した子機2Aの通話内容を継続して聴取することができる。
一方、最初にレピータ動作を行っていた中継器1Aは、受信信号を混合する機能が動作しており、後からレピータ動作を開始した中継器1Bが受信した子機2Bからの受信信号を中継ケーブル3から入力して、自機で受信している子機2Aからの受信信号と混合された状態の混合信号の電波(周波数fSA)となって、すべての子機2A、2B、2C、・・・へ一斉に送信される。よって、他の子機2C、・・・の所持者すべては、親機である中継器1Aと子機2Aとの間の通話内容のみならず、最初に送信した子機2A及び後に送信した子機2Bからの通話(例えば、子機2A−2B間の通話)も聴取することができる。
送信中の子機が送信を止めた場合として、最初に送信を行った子機例えば子機2Aが送信を終了する場合は、先にレピータ動作を行っていた中継器1Aは混合動作を停止すると共に、子機2A、2B.2C、・・・全体への一斉送信動作も停止する。この結果、その電波(周波数fSA)を受信していたすべての子機2A、2B.2C、・・・は、スキャン動作を再度行うことになり、後に電波(周波数fSB)を発射してレピータ動作を行っている中継器1Bからの信号を受信することになる。また、このような場合は、この中継器1Bでは、混合器16の混合動作が起動されて、中継ケーブル3からの入力信号(マイク入力信号など)を当該中継器1Bで受信している子機2Bからの受信信号と混合する機能が動作するようになる。
この混合動作の切り替えについて更に説明すると、以下の通りである。他のすべての子機への電波を一斉に送信する中継器即ち混合動作を実行する中継器を中継器αとして、或る特定の子機との間の通話内容を中継する中継器を中継器βとする。この場合に、前述した切り替え動作は、中継器αとして動作していた中継器が送信動作を停止する場合は、中継器βとして動作していた中継器が、代わって混合動作を実施し、すべての子機に対して一斉に電波の発射動作を行う中継器αへと変更されることを意味している。一方、特定の子機との中継動作を司っている中継器βが送信停止する場合は、中継器α/βの切り替え動作は行われない。ここで、中継ケーブル3からの入力信号と自機での受信信号とを混合する機能は、前述のように、中継器α側のみで動作し、中継器β側では動作しない場合を示している。
なお、相手側の中継器1Aから中継ケーブル3を介して入力されてくる信号は、前述のような子機2Aからの受信信号のみに限るものではなく、最初の通話である中継器(親機)1Aと子機2Aとの通話内容と、後からの通信である子機2Bの通話内容とを、現在動作中の相手側の中継器1Aの混合器16にて混合して生成した混合信号を、中継ケーブル3を介して入力するようにしても良い。更には、場合によっては、当該中継器1Bの混合器16の混合動作を起動して、自機で受信した受信内容を中継ケーブル3からの入力内容と混合して、すべての子機2A、2B、2C、・・・に対して発射するようにしても良い。これにより、後から通話内容を送信した子機2Bも、中継器1A、子機2A、当該子機2Bの同時通話内容を把握することができるし、また、他の子機2C、・・・が、一斉送信を司っている中継器1Aからの周波数fSAの電波を何らかの理由により受信できない場合、中継器1Bからの周波数fSBの受信に切替えることにより、同時通話内容を把握することができる。
また、後から通話中継動作を入ったもう一つの中継器1Bは、前述のように、自機で受信した受信内容を送信するための周波数fSBの電波を、レピータ動作(中継動作)としての通話相手の子機2Bのみならず、すべての子機2A、2B、2C、・・・に対して発射しているようにしているので、他の子機2C、・・・でもモニタリングすることが可能である。
(本実施例のポイント)
本発明による複数無線機間同時通話システムの一実施例として示した前述の中継器側(親機側)と子機側との動作の特徴をまとめると、次の通りである。まず、中継器側(親機側)においては、以下の動作を行う。
(1)中継ケーブル3によって相互接続されている2台の中継器1A、1Bにおいて、どちらか一方の中継器例えば中継器1Aが、もう一方の中継器1Bが受信した受信信号を中継ケーブル3より入力して、その入力信号と自機で受信した受信信号とを混合して子機2A、2B、2C、・・・に対して周波数fSAにて一斉に送信する機能を有する。
(2)混合機能が動作していないもう一方の中継器1Bは、混合機能が動作している中継器1Aからの中継ケーブル3を介した入力信号を、自機で受信信号を受信した子機に対して周波数fSBにてそのまま送信する機能を有する。
(3)混合して送信している中継器1A自体の受信信号がなくなり、送信動作を停止した場合、もう一方の中継器1Bが中継ケーブル3から入力される入力信号と自機で受信した受信信号とを混合して子機2A、2B、2C、・・・に対して周波数fSBにて一斉に送信する機能を起動する制御が行われる。また、この場合、送信停止した中継器1Aは、混合機能の動作を停止する制御が行われる。
一方、以上の中継器側(親機側)の動作に対応して、子機側においては、以下の動作を行う。
(1)2台の中継器1A、1Bからの送信チャンネル周波数fSA、SBを常にスキャンする機能を有していて、いずれかの中継器からの送信チャンネルにおいて受信信号が検知されたときは、そのチャンネルにて受信動作を行う。
(2)子機から送信を行う際には、キャリアセンス結果、中継器1A、1Bのうち、現在使われていないいずれかの中継器の受信チャンネルの周波数fRA、RBにて通話信号の送信を行う。双方のチャンネルいずれもが使われている場合は、チャンネルが空きの状態になるまで待ち合わせるために、送信動作を中止して受信状態に戻る。いずれかのチャンネルが空きの状態になれば、送信動作が可能になる。
(3)中継器からの受信信号がなくなり、自機からの送信動作を行わない場合は、中継器からの送信チャンネルを常時監視するスキャン状態に復帰する。
(本発明における他の実施例)
前述したように、本発明による複数無線機間同時通話システムは、携帯型の特定小電力無線機を用いる場合のみに限らず、携帯型、固定設置型の如何を問わない無線機であっても良いし、通常のテレメータ用無線機であっても良いし、あるいは、他の同時通話用の無線機であってもかまわない。
更には、本発明による複数無線機間同時通話システムは、2つのチャンネルのみに限るものでもない。中継器の構成として2台の中継器ではなく、2以上の複数の中継器を中継ケーブルで相互接続するように構成し、それぞれに固有の周波数を用いたチャンネルにより送受信しても良いし、更には、中継器自体が、2以上の複数のチャンネルをスキャンして、通話の混信を回避するように構成することも可能である。
また、通話用の呼設定を行うための各種制御情報を親機や子機間で相互にやりとりするシグナリング機能を付加するようにしても良いし、個別呼出機能を備えて、指定した任意の通話相手の子機のみを呼び出すように構成することも可能である。
(本発明による効果)
以上に説明したように、本発明による複数無線機間同時通話システム及び無線機は、次のような効果を奏している。即ち、複数の無線機のうち、いずれかを中継機能を有する中継器としても機能する親機とし、残りの無線機を中継器との間で電波を送受信する子機とした無線通話ネットワーク構成とし、親機及び子機のいずれか2台の無線機間の同時通話を行う際に、前記2台の無線機間の通話を中継する親機(中継器)が、残りの複数の無線機すべてに対しても前記2台の無線機間の通話内容を示す電波を一斉に発射することにより、残りの無線機すべてにて、前記2台の無線機間の通話内容をモニタ受信することができる安価な同時通話システムを実現することができる。
また、少なくとも2台以上の中継器を互いにケーブル接続した親機として用いることにより、前記2台の無線機間の通話中の状態であっても、緊急時や情報通知の必要時などにおいて他の子機からも通話用に電波を発射することが可能である。また、互いにケーブル接続した少なくとも2台以上の中継器(親機)を用いることにより、前記2台の無線機のみならず、残りの複数の無線機(子機)へ前記2台の無線機間の通話内容を示す電波を発射する中継器を、異なる中継器に自動的に切替えることも可能である。
以上、本発明の好適実施例の構成を説明した。しかし、斯かる実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であること、当業者には容易に理解できよう。
本発明による複数無線機間同時通話システムのシステム構成の一例を示すシステム構成図である。 本発明による複数無線機間同時通話システムの子機を構成する無線機の内部構成の一例を示すブロック構成図である。 本発明による複数無線機間同時通話システムの親機を構成する中継器の内部構成の一例を示すブロック構成図である。
符号の説明
1 中継器(親機)
11 マイク
12 マイクアンプ
13 送信機
13a セレクタ
14 結合器
15 受信機(チューナ)
16 混合器
16a セレクタ
17 スピーカ
18 アンテナ
19 制御部
1A、1B 中継器(親機)
2 子機
21 マイク
22 マイクアンプ
23 送信機
24 結合器
25 受信機(チューナ)
26 混合器
27 スピーカ
28 アンテナ
29 制御部
2A、2B、2C 子機
3 中継ケーブル
31 中継端子
31a セレクタ
32 中継端子

Claims (4)

  1. 複数の無線機のうち、2つの無線機を相互に接続した無線中継器を介して前記複数の無線機間の通信を行う複数無線機間同時通話システムであって、
    前記無線中継器を構成する無線機は少なくとも、
    受信チャンネル周波数の信号を復調して受信信号を出力する受信機と、
    マイクからのマイク入力信号と、受信器からの受信信号と、対となる無線機からの中継ケーブルを介して入力された中継信号と、のうち少なくともいずれか一つの信号を出力する混合器と、
    前記混合器の出力を、対となる無線機への中継ケーブルに出力するか、無線機のスピーカから音声出力するか、変調器により変調を行い送信チャネル周波数で送信するか、の少なくともいずれか一つを選択するセレクタ部と、
    を備えることを特徴とする複数無線機間同時通話システム。
  2. 前記無線中継器の2つの無線機の受信チャネル周波数は互いに異なり、また送信チャネル周波数も異なることを特徴とする請求項1に記載の複数無線機間同時通話システム。
  3. 2つの無線機が相互に接続された無線中継器であって、
    各々の無線機は、
    受信チャンネル周波数の信号を復調して受信信号を出力する受信機と、
    マイクからのマイク入力信号と、受信器からの受信信号と、対となる無線機からの中継ケーブルを介して入力された中継信号と、のうち少なくともいずれか一つの信号を出力する混合器と、
    前記混合器の出力を、対となる無線機への中継ケーブルに出力するか、無線機のスピーカから音声出力するか、変調器により変調を行い送信チャネル周波数で送信するか、の少なくともいずれか一つを選択するセレクタ部と、
    を備えることを特徴とする無線中継器。
  4. 前記2つの無線機の受信チャネル周波数は互いに異なり、送信チャネル周波数も異なることを特徴とする請求項1に記載の無線中継器。
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