JP4652812B2 - カルボン酸の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はカルボン酸の製造方法に関する。
本発明は、特に炭化水素を酸素又は酸素含有ガスで酸化するカルボン酸の製造方法に関し、更に特にシクロヘキサンのアジピン酸への酸化に関する。
アジピン酸は多くの分野で使用される重要な化学化合物である。従って、アジピン酸は、食品分野及びコンクリート(beton)分野の両方で、多くの製品中の添加剤として使用できる。しかし、最も重要な用途の一つはポリウレタン及びポリアミド等のポリマーの製造でのモノマーとしての利用である。
アジピン酸の製造方法が幾つか提案されている。工業的に大規模に使用される最も重要なものの一つは、シクロヘキサンを酸素含有ガス又は酸素によりシクロヘキサノール/シクロヘキサノンの混合物とする1又は2のステップでの酸化からなる。シクロヘキサノール/シクロヘキサノン混合物の抽出及び精製後、これら化合物は好ましくは硝酸で酸化されアジピン酸となる。
しかし、このプロセスは、硝酸性蒸気の発生を伴う大きな欠点を有する。
炭化水素を酸素又は酸素含有ガスで酸化するプロセスを発展させるために多くの研究が行われ、カルボン酸、主にアジピン酸を直接製造することが可能となった。
これらプロセスは特にフランス国特許第2761984、第2791667、第2765930号及び米国第5294739号に記載されている。
一般的に、反応は溶媒媒体中で行われ、その溶媒は酢酸等のモノカルボン酸である。しかし、これらプロセスは、これまで重要な工業的開発の目的ではなかった、その理由は、アジピン酸の分離及び酢酸の分離は、第一に、特に繊維用途のポリアミドの製造に求められる要求に応える高度に純粋なアジピン酸、並びに第二に、経済的にプロセスを不利にしない範囲で完全に行った酢酸の回収及びリサイクルを達成するために相当なプロセスステップを必要とするからである。
これら欠点を克服するために、新規な溶媒が求められ、シクロヘキサンの酸素による酸化の実施が提案された。例えば、本質的に脂肪親和性であるモノカルボン酸溶媒が提案されており、フランス国特許第2806079号に記載されている。酸は、アジピン酸との低親和性及び水等のアジピン酸用溶媒に溶解しない利点を有している。その結果、酸化ステップの終了時に水相中に存在するアジピン酸の回収は、モノカルボン酸性溶媒の制限された共留でより容易に行うことができる。
フランス国特許第2761984号明細書 フランス国特許第2791667号明細書 フランス国特許第2765930号明細書 米国特許第5294739号明細書 フランス国特許第2806079号明細書
しかし、これらの溶媒は、高い融点、特に室温以上の融点を有し、複雑な抽出プロセスが必要であるか、抽出又は分離プロセスは高温で行われる必要がある。
本発明の1の目的は、本質的に脂肪親和性である溶媒の存在下での酸素又は酸素含有ガスを使用した炭化水素の酸化による効率よく容易なカルボン酸の製造方法であり、形成された酸の効果的抽出及び酸化溶媒の完全なリサイクルを含むステップを使用する製造方法を提供する。
この効果のために、本発明は、酸化触媒及び本質的に脂肪親和性である酸化溶媒の存在下で、酸素又は酸素含有ガスを使用するシクロ脂肪族炭化水素の酸化によるジカルボン酸製造方法であり、酸化ステップ中に形成されたジカルボン酸の抽出ステップであり、液相中で、少なくとも酸化溶媒及びシクロ脂肪族炭化水素は不溶性である1の抽出溶媒を使用したジカルボン酸の抽出を行うステップを含む製造方法を提供する。
本質的に脂肪親和性な溶媒として、モノカルボン酸性化合物が好ましい。
本発明では、上記溶媒中、90℃大気圧下で測定されたそれらの溶解性がその溶媒に対し10重量%以下である場合、その生成物は抽出液体中に不溶であると見なされる。
本発明の一例として、形成されたジカルボン酸の抽出は対向流の液/液抽出カラム中で行われてもよい。抽出溶媒は、好ましくは極性溶媒、水及びメタノール等のアルコールの群から選ばれる。好ましい溶媒は水又は主に水を含有する溶液である。
本発明に適切な液/液抽出カラムとして、通常工業的プロセスで使用される種々の原則及び装置が使用できる。従って、ディスク又はローターを使用した機械的振動を有するカラム、パルス技術を使用するカラム、有孔トレイを有する静的(static)カラム又は静電気(static)充填カラムが好ましい。好ましくは、機械的振動を有するカラムが好ましい。もちろん、この抽出は、本発明の範囲内で、単一抽出カラムで行われても、直列に及び/又は平行して設置された幾つかの抽出カラムで行われてもよい。洗浄−沈降装置と組み合わせた1以上の抽出カラムも又使用できる。
本発明の好ましい新規な特徴では、酸化ステップから得られる反応媒体は、シクロ脂肪族炭化水素を液体状態に維持するために所定の温度及び圧力条件下で抽出ステップ中へ供給される。
好ましくは、ジカルボン酸の抽出は、シクロ脂肪族炭化水素を液体状態に維持するための所定の温度及び圧力条件下で行われる。
抽出相中で炭化水素を液体状態に維持すると、酸化溶媒を可溶化状態に保ち、炭化水素及び酸化溶媒間を均一溶液に保つことが可能となる。従って、より温和な温度条件、特に酸化溶媒の固体化温度又は結晶化温度以下の温度範囲内、又は酸化溶媒の沈殿を防止する温度以下でジカルボン酸の抽出を行うことが可能である。
本発明では好ましくは、第二抽出溶媒は第一の抽出溶媒とは対向流方向で抽出カラム中に供給される。この第二の溶媒は、本質的に脂肪親和性であり第一の抽出溶媒と混和しないモノカルボン酸等の酸化溶媒用の溶媒である。この二重抽出は、完全な、酸化溶媒の回収及びそれらのリサイクルを事実上可能とする。
この第二の溶媒は、第一の抽出溶媒に対し5重量%以下の第一の抽出溶媒への溶解性を有する極性溶媒から選ばれ、この溶解性は温度20℃で大気圧下で測定される。好ましくは、この第二の溶媒は、非環式又は環式、飽和炭化水素、及び芳香族炭化水素から選ばれる。好ましくは、この第二の溶媒は、酸化される炭化水素、特にシクロヘキサンである。好ましくは、この第二の溶媒の供給は、連続的プロセスの場合の本発明の酸化プロセスでの酸化される炭化水素の供給を少なくとも部分的に表す。
本発明では好ましくは、反応媒体はカラムの中間の位置で供給され、第一の抽出溶媒及び第二抽出溶媒は、カラムそれぞれの末端からそれぞれ供給される。
反応媒体は、アリール脂肪族炭化水素、好ましくはシクロヘキサン又はシクロドデカン等のシクロ脂肪族アリール脂肪族炭化水素の、酸素又は酸素含有ガスによる一般的な酸化段階から得られる。酸化反応は、一般的に溶媒の存在下で行われる。溶媒は、反応条件下で実質的に酸化されない範囲内で選択できる。
本発明で好ましくは、溶媒は本質的に脂肪親和性であるカルボン酸から選ばれてもよい。
「本発明に適した脂肪親和性酸化合物」とは、芳香族、脂肪族、アリール脂肪族又は少なくとも6炭素原子を含有するアルキル芳香族化合物であり、幾つかの酸基を含有してもよく、低水溶性、即ち室温(10℃〜30℃)で10重量%未満の溶解性であるものを表す。
脂肪親和性有機化合物として、例えばヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、ステアリン酸(オクタデカン酸)及びそれらの過メチル化誘導体(メチレン基の水素のメチル基での完全な置換)、2−オクタデシルコハク酸、3,5−ditert−ブチル安息香酸、4−tert−ブチル安息香酸、4−オクチル安息香酸、フタル酸tert−ブチルモノエステル、アルキル基、好ましくはtert−ブチル型で置換されたナフテン酸又はアントラセン酸、フタル酸の置換された誘導体、並びに脂肪族ジカルボン酸二量体脂肪酸等が挙げられる。上記ファミリーに属し、種々の電子供与型置換基(O又はN型のヘテロ原子を有する基)又は電子吸引型置換基(ハロゲン、スルホンイミド、ニトロ基、スルホナート基、等)を備えた酸も挙げられる。
一般的に、脂肪親和性酸溶媒は酸化反応が行われる温度及び圧力条件下で好ましくは均一相となるように選択できる。このため、炭化水素又は反応媒体中の溶媒の溶解性は少なくとも2重量%を超え、少なくとも幾つかの酸化される炭化水素及び幾つかの溶媒を含む少なくとも1の均一液相が形成されることが好ましい。
好ましくは、溶媒は低水溶性、即ち室温(10〜30℃)で10重量%未満の水溶性を有するものから選ばれる。
しかし本発明の範囲内で、上記記載よりも大きな水溶性を有する溶媒を使用することもでき、その場合は、本質的に酸化される炭化水素、酸化中間体からなる反応媒体の有機相及び、酸化反応中に形成された水を含有する非有機相間でのこの化合物の分配係数により、上記水相中の溶媒の濃度を10重量%未満とできる。
酸化は一般的に触媒の存在下で行われる。この触媒は好ましくは、Cu、Ag、Au、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Hg、Al、Sc、In、Tl、Y、Ga、Ti、Zr、Hf、Ge、Sn、Pb、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Ce等のランタニド系、及びそれらの組み合わせの群から選ばれる金属元素を含有する。
これらの触媒元素は、酸化反応が行われる条件下で液体酸化媒体中で好ましくは少なくとも部分的に可溶であるか、シリカ又はアルミナ等の不活性サポート上に吸着されるか付着されて担持されたか、いずれかの化合物の形状で使用される。
触媒は好ましくは、特に酸化反応が行われる条件下で:酸化される炭化水素中に可溶;脂肪親和性酸化合物に可溶;又は反応が行われる条件下で均一液相を形成する炭化水素/脂肪親和性酸化合物混合物中に可溶;のいずれかである。
本発明では好ましくは、使用される触媒は、室温で、又は更なる酸化のこれら媒体のリサイクルの温度で、これらの媒体の1種に可溶である。
用語「可溶」は、触媒が目的の媒体中に少なくとも部分的に可溶であることを意味する。
不均一触媒の場合、触媒活性金属元素は、ミクロ多孔質又はメソ多孔質無機質マトリックス上若しくはその中に、ポリマー性マトリックス上若しくはその中に担持され、組み込まれ又は、有機若しくは無機質キャリア上にグラフトされた有機金属複合体の形状でもよい。用語「組み込まれた」は、金属はキャリアの元素であるか、プロセスは、酸化条件下で多孔質構造中に立体的にトラップされた複合体を使用して行われることを意味する。
本発明では好ましくは、均一又は不均一触媒は、第IVb(Tiグループ)、Vb(Vグループ)、VIb(Crグループ)、VIIb(Mnグループ)、VIII(Fe、Co又はNiグループ)及びIb族(Cuグループ)並びにセリウム、それらの単体又は混合物の群からなる金属の塩又は複合体から構成される。好ましい元素は、特に、Cr、Zr、Hf、Ce及びFeの群から選ばれる1以上の元素と組み合わせて使用できる、Mn及び/又はCoである。液体酸化媒体中の金属の濃度は、0.00001〜5%(wt%)、好ましくは0.001〜2%の範囲である。
更に、反応媒体中の溶媒の濃度は、好ましくは溶媒分子の数及び触媒元素金属の数のモル比が0.5〜100000、好ましくは1〜5000となるように決定される。
液体酸化媒体中の溶媒の濃度は、広い範囲で変化できる。従って、それは液体媒体の総重量に対し1〜99重量%でもよく、好ましくは液体媒体の2〜50重量%である。
又、本発明の範囲内で、アジピン酸への酸化反応の生産性及び/又は選択性、特に酸素の可溶化の改良効果を有する別の化合物と組み合わせた溶媒を好ましく使用することができる。
これら化合物の例として、好ましくはニトリル、ヒドロキシミド化合物、ハロゲン化化合物、及び更に好ましくはフルオロ化化合物が挙げられる。特に適切な化合物として下記が挙げられる;アセトニトリル又はベンゾニトリル等のニトリル、欧州特許第EP0824962号に記載されているファミリーに属するイミド;更に好ましくはN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)又はN−ヒドロキシフタルイミド(NHPI)、ジクロロメタン等のハロゲン化誘導体、及びフルオロ化化合物、例えば:
−環式又は非環式、フルオロ化又はパーフルオロ化、脂肪族炭化水素、
−パーフルオロトルエン、パーフルオロメチルシクロヘキサン、パーフルオロヘプタン、パーフルオロオクタン、パーフルオロノナン、パーフルオロデカリン、パーフルオロメチルデカリン、α,α,α−トリフルオロトルエン又は1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン等の芳香族フルオロ化炭化水素、
−アルキルパーフルオロオクタノエート又はアルキルパーフルオロノナノエート等のパーフルオロ化又はフルオロ化エステル、
−パーフルオロアセトン等のフルオロ化又はパーフルオロ化ケトン、
−パーフルオロヘキサノール、パーフルオロオクタノール、パーフルオロノナノール、パーフルオロデカノール、パーフルオロ−tert−ブタノール、パーフルオロイソプロパノール又は1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール等のフルオロ化又はパーフルオロ化アルコール、
−パーフルオロアセトニトリル等のフルオロ化又はパーフルオロ化ニトリル、
−トリフルオロメチル安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、パーフルオロヘキサン酸、パーフルオロヘプタン酸、パーフルオロオクタン酸、パーフルオロノナン酸又はパーフルオロアジピン酸等のフルオロ化又はパーフルオロ化酸、
−パーフルオロヨードオクタン、又はパーフルオロブロモオクタン等のフルオロ化又はパーフルオロ化ハライド、
−パーフルオロトリプロピルアミン、パーフルオロトリブチルアミン又はパーフルオロトリペンチルアミン等のフルオロ化又はパーフルオロ化アミン。
本発明は、特にシクロヘキサン又はシクロドデカン等のシクロ脂肪族化合物の、対応するアジピン酸又はドデカン酸等の直鎖状ジカルボン酸への酸化へ適用できる。
本発明では好ましくは、それは、マンガン触媒、好ましくはマンガン−及びコバルト−ベース触媒の存在下で液体媒体中でシクロヘキサンの酸素含有ガスでのアジピン酸への直接酸化に関する。
酸化反応は通常50℃〜200℃、好ましくは70℃〜180℃の温度で行われる。それは大気圧下で行われてもよい。しかし、それは一般的に加圧下で行われ、反応媒体の成分が液体状態に保たれる。圧力は10kPa(0.1bar)〜20000kPa(200bar)でもよく、好ましくは100kPa(1bar)〜10000kPa(100bar)である。
使用される酸素は、純粋単体でも窒素又はヘリウム等の不活性ガス等の混合物でもよい。多かれ少なかれ酸素リッチとした空気も又使用できる。媒体へ供給される酸素量は、好ましくは酸化される化合物のモル当たり1〜1000molである。
酸化プロセスは、連続的でもバッチプロセスでも行われることができる。好ましくは、反応器から排出される液体反応媒体は、最初に、製造されたジカルボン酸の分離及び回収を行い、次にシクロヘキサン、シクロヘキサノール及び/又はシクロヘキサノン等の酸化されていないか部分的に酸化された有機化合物、触媒及び酸化合物をリサイクルする公知のプロセスで処理できる。
酸化反応を開始する化合物、例えば、ケトン、アルコール、アルデヒド又はヒドロペルオキシドを使用することも又好ましい。シクロヘキサンの酸化の場合の反応中間体である、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール及びシクロヘキシルヒドロペルオキシド全てが好ましく示される。一般的に開始剤は、使用された反応混合物の重量の0.01%〜20重量%であるが、これらの配合は臨界的な値ではない。開始剤は、特に酸化の開始中で有用である。それは反応の最初から導入できる。
酸化は又、プロセスの開始段階から導入された水の存在下で行われてもよい。
これらの種々の本発明の例では、液/液抽出ステップ後に回収されたカルボン酸は多くの資料に記載された通常の技術、例えば水、酢酸又は他の有機溶媒等の種々の溶媒からの結晶化及び再結晶化により精製できる。精製プロセスは特にフランス国特許第2749299及び2749300号に記載されている。
同様に、触媒が有機相では完全にリサイクルされず、水相で部分的に又は完全に抽出される場合、それは好ましくは例えば液/液抽出、電気透析、又はイオン交換樹脂上の処理等の種々の技術により水相から抽出される。更に、反応媒体から回収された有機相は、酸化されなかった炭化水素、アルコール、ケトン等の種々の酸化化合物、及び酸化溶媒等をリサイクルするために蒸留操作にかけられてもよい。更に、有機相はエステルを除去するために特に溶媒のリサイクル前に処理されてもよい。
本発明の他の効果と詳細は下記実施例により明らかにされるが、下記実施例は本発明の単なる例示であり、本発明を限定するものではない。
実施例1(酸化ステップ)
522gのシクロヘキサン、55gのtert−ブチル安息香酸及び6gのシクロヘキサノン(開始剤)を1.5リットル反応器中に配置した。マンガン及びコバルトをそれぞれ50及び20質量ppm量で添加した。
混合物を130℃、20bar、150分間、窒素及び酸素含有ガスの連続流下で攪拌した。35リットルの酸素が消費された後、シクロヘキサン、tert−ブチル安息香酸、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、並びにマンガン及びコバルトの混合物を連続的に添加した。反応器排出システムへ結合したレベルセンサーにより反応器レベルを一定とした。
(抽出ステップ)
安定状態の3時間が経過した後、200gの酸化反応混合物を単離した。200gの水を、70℃に維持した混合機中のこのフラクションへ添加した。振動及びそれに続く沈降による分離後、二相を回収した:下相は必然的に製造されたジカルボン酸及び触媒金属を含有する水相であり、上相は本質的にシクロヘキサン、tert−ブチル安息香酸、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール及び他の反応副生成物を含有する有機相であった。
二相の分析により、形成され、反応混合物部中に存在するアジピン酸の85重量%が回収され、水相中に抽出され、t−BBAの99.3重量%が有機相中に回収されたことが明らかになった。
実施例2
酸化ステップは実施例1の記載と同一である。しかし、反応器から連続的に回収された酸化反応媒体を理論段数10である振動段抽出カラム中へ供給した。抽出カラムを温度100℃で圧力5bar下で操作した。
カラムへ、酸化反応媒体を、温度100℃で圧力5bar下、1.11kg/hのt−BBA及び1.09kg/hのアジピン酸供給に対応する流速で中間段階(第5段)のレベルで供給した。
カラムへは又、カラム頭部へ流速1.62kg/hで水を供給し、カラム下部へ流速1.04kg/hでシクロヘキサン流を供給した。
カラム頭部で回収された有機相は、1.11kg/hのt−BBA、1.04kg/hのシクロヘキサン及び0.007kg/hのアジピン酸を含有していた。
カラム下部で回収された水相は、0.001kg/hのt−BBA、1.62kg/hの水及び1.083kg/hのアジピン酸を含有していた。
これらの実施は、本発明の製造方法は、事実上全ての形成されたアジピン酸を酸化溶媒の共留なしに抽出することを可能とすることを明らかにした。実際、上記溶媒はほとんど全部が有機相中に存在し、精製後に好ましくリサイクルできる。
更に、いくつかのアジピン酸は、エステルの形体で有機相中で共留できる。これらは酸化溶媒のリサイクル前に処理されてもよい。

Claims (15)

  1. 酸化触媒及び脂肪親和性である酸化溶媒の存在下で、酸素又は酸素含有ガスを使用するシクロヘキサンの酸化によるジカルボン酸製造方法であり、酸化ステップ中に形成されたジカルボン酸の抽出ステップであり、液相中で、少なくとも酸化溶媒及びシクロヘキサンは不溶性である抽出溶媒を使用したジカルボン酸の抽出を行うステップであり、ジカルボン酸の抽出は対向流の液/液抽出カラム中で行われるステップを含み、
    上記脂肪親和性である酸化溶媒は、脂肪親和性酸であり、7〜20炭素原子を含有するモノカルボン酸の群から選ばれる、製造方法。
  2. 酸化ステップから得られる反応媒体は、シクロヘキサンを液体状態に維持するために所定の温度及び圧力条件下で抽出ステップ中へ供給される請求項1記載の製造方法。
  3. ジカルボン酸の抽出は、シクロヘキサンを液体状態に維持するために所定の温度及び圧力条件下で行われる請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 抽出溶媒は水及びアルコールの群中の極性溶媒から選ばれる請求項1〜3いずれか1項記載の製造方法。
  5. 抽出溶媒は水である請求項4記載の製造方法。
  6. 第二抽出溶媒が抽出ステップへ添加され、第二抽出溶媒は上記抽出溶媒と非混和性であり、形成されたジカルボン酸を溶解しない請求項1〜5いずれか1項記載の製造方法。
  7. 抽出溶媒及び第二抽出溶媒は対向流抽出カラム中に供給される請求項6記載の製造方法。
  8. 第二抽出溶媒は、非環式又は環式、飽和炭化水素、及び芳香族炭化水素の群から選ばれる請求項6又は7記載の製造方法。
  9. 第二抽出溶媒は酸化されるシクロヘキサンである請求項6〜8いずれか1項記載の製造方法。
  10. 酸化溶媒は抽出カラムへ、カラムの両末端の中間の位置で供給される請求項1〜9いずれか1項記載の製造方法。
  11. 脂肪親和性酸は、ヘプタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、ステアリン酸(オクタデカン酸)及びそれらの過メチル化(permethylated)誘導体(メチレン基の水素のメチル基での完全な置換)、1,5−ditert−ブチル安息香酸、4−tert−ブチル安息香酸、4−オクチル安息香酸、及びアルキル基で置換されたナフテン酸又はアントラセン(anthracenic)酸の群から選ばれる請求項1〜10いずれか1項記載の製造方法。
  12. ナフテン酸又はアントラセン酸はtert−ブチル基で置換されている請求項11記載の製造方法。
  13. 触媒は遷移金属の群から選ばれる請求項1〜12いずれか1項記載の製造方法。
  14. 触媒はマンガンベースであり、コバルト、クロム、ジルコニウム、ハフニウム及び鉄の単体又は組み合わせの群から選ばれる共触媒と組み合わせたものである請求項13記載の製造方法。
  15. 製造されたジカルボン酸はアジピン酸、コハク酸、グルタル酸、ドデカンジオイックアシッド(ジカルボン酸)及び/又はそれらの混合物の群から選ばれる請求項1〜14いずれか1項記載の製造方法。
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