JP4652624B2 - 壁面構築兼外装用の型枠パネル、及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンクリート、エアモルタル(セメント、砂、水、気泡剤の混合スラリー)などを打設して建物や土留擁壁などの壁体を構築する際に型枠代わりに上下左右に連結して立て並べ、構築した壁体の外面に残置して外装する壁面構築兼外装用の型枠パネルと、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図10は従来の壁面構築兼外装用の型枠パネルと、その使用状況を示す説明図で(本特許出願人の特開平11−315600号公報参照)、型枠パネル1は、例えば横幅が90cm、高さが30cm、厚さが5cm程度の、作業員が一人で容易に取り扱える重量を有し、型枠パネル本体2の裏面の、横幅の1/4宛内側へ寄った位置の上下にV字形、U字形などの上下方向に開放したフック3が同じ長さ後ろ向きに突出している。この型枠パネルは、コンクリートなどを打設した基礎B上に立て並べた下段の列の上に横幅の1/2宛ずらせて上段の列を立て並べ、連結固定具11の連結部材、例えば図示の金属製の各連結板12の下半部12dを下段の列の型枠パネルの左(又は右)の上のフック3に上から差し込み、上半部12uを上段の列の型枠パネルの下の右(又は左)のフック3に下から差し込んで上段の列の型枠パネルと下段の列の型枠パネルを破れ目地で結合することを繰返して所要の高さになるまで立て並べ、一端を各連結板12に取付けたセパレータ13の他端をPコーン、ナット、フォームタイなどの固定部材14を介して図示のように大形の型枠板21に連結するか、或いは図1(C)のように、地山の山際の基礎Bに植立したアングル材などの柱Pに連結し、立て並べた型枠パネルと型枠板21や山との間に前述のコンクリートやエアモルタルCなどを打設して例えば、擁壁を構築し、型枠パネルは残置して構築した擁壁の外面を装飾させる。
【0003】
この壁面構築兼外装用の型枠パネルを、型枠皿のなかにコンクリート、プラスチックコンクリートなどの流動材料(以下、コンクリートと記す。)を流し込んで製造する方法は、本特許出願人が提案した特公平2−52603号公報、特公平8−22543号公報によって公知である。概説すると、図11に示すように、横(左右方向)鉄筋と、縦(上下方向)鉄筋とを格子状に溶接し、その四隅に前述したフック3になる折返し部を上記横鉄筋を曲げて一体に成形するか、又は別体に成形した折返し部を溶接して外形が型枠皿よりも一回り小さい相似形のフック付き鉄筋格子4を作り、上下方向に揃った左の上下一対の折返し部と、右の上下一対の折返し部とに夫々型枠皿5の上下方向の長さよりも長い定規杆6を通して鉄筋格子を型枠皿の中に入れ、その際、左右の定規杆の上下の各端部を型枠5の縁部に受止めて鉄筋格子を型枠の中に吊り下げ、そしてコンクリートを型枠皿の上面と同一水平面になるまで流し込み、養生室に運び入れてコンクリートを硬化する。
【0004】
型枠皿中のコンクリートが固まったら型枠パネルを脱型し、それから左の上下一対の折返し部と、右の上下一対の折返し部に夫々通した定規杆を折返し部から抜き取ることにより、四つの折返し部は型枠パネルの裏面1bの、横幅の1/4宛内側へ寄った上下所定の位置から同じ長さ宛、突出して上下方向に開放したフックになる。従って、型枠パネルの裏面1bと、その裏面に固定されて突出するフックの頂部の内面との距離は一定なので、この距離に対応した幅を有する金属製の連結板12の一側縁を基準面としての型枠パネルの裏面1bに摺接し、連結板の下半部を下の段の列の型枠パネルの左や右の上のフックに上から差し込み、又、上半部を上の段の列の型枠パネルの右や左の下のフックに下から差し込むことによって、下段の型枠パネルの列の上に破れ目地で上段の列の型枠パネルを結合する。
【0005】
型枠パネルの製造能率を向上すると共に、小スペースで多数の型枠パネルを製造可能にするため、図11に示すように、コンクリートを流し込んだ最下段(第1段目)の型枠皿の、左右の定規杆が通ってフックとなるべき4つの折返し部の頂上の上に2段目の型枠皿を載せ、フック付き鉄筋格子の左と右の上下一対宛の折返し部に左右の定規杆を通し、その左右の定規杆を型枠皿の上面に支持して鉄筋格子を型枠皿の内部に吊り下げ、コンクリートを型枠皿の水平な上面と一致するまで流し込み、こうして型枠皿を多段に積み重ね、養生室に運び入れて各型枠皿に流し込んだコンクリートを硬化させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この場合、養生室に移動させる際のショックなどで多段に積み重ねた型枠皿が傾いた状態になり、図11に示すように、上下方向の一端側が高く、他端側が低くなると、各型枠皿内の未硬化のコンクリートは型枠皿の低くなった他端側の縁から外に溢れ出し、型枠パネルの裏面となるべきコンクリートの上面は傾いた型枠皿の内部で水平になる。従って、コンクリートが硬化し、成形された型枠パネルを型枠皿から脱型すると、その型枠パネルの型枠皿の底に接していた表面1fに対し、4つのフックが突出している裏面1bは平行にならずに傾斜し、型枠パネルの厚さは上下方向の一端側が薄く、他端側に向かって厚さが増す。
【0007】
このように製造された型枠パネルを左右方向及び上方向に、前述のように連結固定具11を使用して立て並べると、連結固定具11の連結部材(以下、連結板と記す。)12は型枠パネルの表面に対して傾斜した裏面1bを基準面として型枠パネルを上下方向に立て並べるため、図12に示したように立て並べた型枠パネルの全部の裏面1bは同一な垂直状の面に揃うが、裏面に対して上下方向に傾斜した表面1fによって上の段の型枠パネルの表面と、下の段の型枠パネルの表面との間には三種類の段差が生じて不揃いになり、構築した壁面の体裁を損じる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、型枠パネルの表面と裏面が平行にならないで傾斜しても、立て並べた場合に型枠パネルの表面同志が同一の垂直面状に揃い、体裁を損じることがないようにした壁面構築兼外装用の型枠パネルと、その製造法に関するもので、請求項1はパネル本体の裏面の左右の上下所定の位置から上下方向に開放した一対宛のフックが突出し、この各フックに連結固定具の連結板を突入して左右方向及び上方向に複数枚のパネル本体を立て並べる壁面構築兼外装用の型枠パネルにおいて、上記パネル本体の裏面に、左右の上下一対宛のフックの下を潜り、且つ上記連結板が底に摺接する上下方向の基準溝を設け、この基準溝の底とパネル本体の表面とを平行にしたことを特徴とする。この場合、左右の各基準溝は上下方向に一連で、上端はパネル本体の上縁に、下端はパネル本体の下縁に、夫々開放していてもよいし、左右の各基準溝はパネル本体の裏面の上縁から上のフックの下を下向きに潜ったのち行き止まるものと、下縁から下のフックの下を上向きに潜ったのち行き止まるものとからなるものであってもよい。そして、左右の各基準溝は上下のフックの真下の位置に、上下方向の鼓形基準溝を備えていてもよい。又、請求項5は上面が開放し、内部に流し込んだコンクリートによってパネル本体を成形する型枠皿と、且つ左右の上下所定の位置に、成形したパネル本体の裏面から一定量突出して上下方向に開放したフックになる4つの折返し部を設けた上記型枠皿よりも外形が小さいフック付き鉄筋格子と、上記フック付き鉄筋格子の左右の上下一対宛の折返し部を貫通し、上記型枠皿の開放した上面上に支持される2本の定規杆とを備え、上記フック付き鉄筋格子の左右の上下一対宛の折返し部を貫通した2本の定規杆を型枠の上面上に支持してフック付き鉄筋格子を型枠皿の内部に吊り下げ、型枠皿の内部にコンクリートを流し込んで固めてパネル本体を成形し、成形した型枠パネルを型枠皿から脱型すると共に、2本の定規杆を上下一対の折返し部のフックから抜く壁面構築兼外装用の型枠パネルの製造方法において、上記定規杆には、定規杆を型枠皿の上面上に支持したときに型枠皿の内部に突入し、成形したパネル本体の裏面に、パネル本体の表面と底が平行な上下方向の基準溝を形成する治具を設け、この治具によって成形したパネル本体の裏面の左右に、パネル本体の表面からの厚さが一定な底を有する基準溝を形成することを特徴とする。この場合、治具は、パネル本体の裏面の左右に、上下方向に一連の基準溝を成形するようになっていてもよいし、パネル本体の裏面の左右の上縁から上のフックの下を下向きに潜ったのち行き止まる基準溝と、下縁から下のフックの下を上向きに潜り抜けたのち行き止まる基準溝とを形成するものとからなるものであってもよい。更に、治具は、パネル本体の裏面の左右の、上下のフックの下に位置して鼓形の基準溝を上下方向に形成するようになっていてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の型枠パネルの一実施例と、この型枠パネルを山際の基礎B上に連結固定具11を使用して多段に立て並べ、コンクリートを打設するための型枠を構成している状態の説明図で、Pは基礎P上に植立固定したアングル材などの支柱を示す。又、図2はこの発明による他の三種の型枠パネルを示す裏面1bから見た斜視図である。いずれの型枠パネルも、裏面1bに左右の側縁から横幅の1/4宛内側に寄った位置に上下方向に直線状の基準溝7を有する。この基準溝7の幅は連結固定具11の連結板11の厚さより少し大であり、基準溝7の底7′は図1(B)に示すように型枠パネルの表面1fと平行、つまり型枠パネル表面1fが裏面1bと平行であるか、非平行で傾斜しているかに関係なく、型枠パネルの表面1fと平行である。
【0010】
従って、連結板11の下半部の一側縁を下の段の型枠パネルの基準溝7の底に摺接して上の左右のフックに上から差し込み、上半部も一側縁を上の段の型枠パネルの基準溝7の底に摺接して下の左右のフックに下から差し込むことによって、下の段の型枠パネルの列の上に上の段の型枠パネルの列を立て、各連結板に一端を連結したセパレータ13の他端を支柱Pなどに溶接し、山際に多数枚の型枠パネルを、山との間にコンクリートを打設するための型枠として立て並べることができる(図1C参照)。勿論、図10(B)に示す様に大形の型枠板21の前に上述のように型枠パネルを立て並べ、下の段の型枠パネルの上に上の段の型枠を立てる各連結固定金具11の連結板12に一端を連結したセパレータ13の他端を大形の型枠板21と連結し、大形の型枠板との間にコンクリートを打設することもできる。
【0011】
図1(A)の型枠パネルのパネル本体の裏面の左右の基準溝7,7は、直線状で左右の上下一対宛のフック3,3の頂部の下を潜って上下方向に一連に設けられ、その上端はパネル本体の上縁に、下端はパネル本体の下縁に、夫々開放している(請求項2)。図2(A)の型枠パネルのパネル本体の裏面の左右の基準溝は、パネル本体の裏面の上縁から上のフックの頂部の下を下向きに潜ったのち途中で行き止まる直線状のもの7U,7Uと、下縁から下のフックの頂部の下を上向きに潜ったのち途中で行き止まる直線状のもの7D,7Dとからなる(請求項3)。
【0012】
このように図1(A)、(B)のパネル本体の裏面1bの左右の上下方向に一連の直線状の基準溝7,7の底7′は、パネル本体の表面1fと平行であるため、連結固定具11の連結板12の下半部12dの一側縁を下の段の型枠パネルの左(又は右)の基準溝の底7′に摺接してそのパネル本体の上のフック3に下向きに差し込み、上半部12dの一側縁を同様に上の段の型枠パネルの裏面の右(又は左)の基準溝の底7′に摺接してそのパネル本体の下のフック3に上向きに差し込み、下の段の型枠パネルの上に上の段の型枠パネルを立て並べると、図3に示すように、上の段の各型枠パネルの表面1fと下の段の各型枠パネルの表面1fとは同一の垂直状の面に揃う。
【0013】
又、図2(A)のパネル本体の裏面1bの左右の上下の直線状の基準溝7u,7dの底7′も、パネル本体の表面1fと平行であるため、連結固定具11の連結板12の下半部12dの一側縁を下の段の型枠パネルの上の左(又は右)の基準溝の底7′に摺接してそのパネル本体の上のフック3に下向きに差し込み、上半部12μの一側縁を同様に上の段の型枠パネルの裏面の下の右(又は左)の基準溝の底7′に摺接してそのパネル本体の下のフック3に上向きに差し込み、下の段の型枠パネルの上に上の段の型枠パネルを立て並べると、図4に示すように、上の段の各型枠パネルの表面1fと下の段の各型枠パネルの表面1fとは同一の垂直状の面に揃う。
【0014】
図3,4の場合、パネルの裏面1bも表面1fと平行であれば上下の段の型枠パネルの裏面同志も表面と平行な同一な垂直状の面に揃うが、図示のように裏面1bが表面1fに対し傾斜していると上下の段の型枠パネルの裏面同志の間に段差が生じる。この段差は立て並べた型枠パネルの裏側にあり、しかも打設したコンクリート中に埋まって見ることはできないため、何等、支障は無い。
【0015】
又、図2(B)、(C)に示したように、型枠パネルの裏面1bの左右の各基準溝は上下のフック3,3の真下に位置する上下方向の鼓形溝8であってもよい(請求項4)。
【0016】
具体的には、図2(B)のパネル本体の裏面の、上下方向に一連の左右の基準溝7は上下のフック3,3の頂部の真下の位置だけで、上のフックから上の部分は上の鼓形基準溝8の上半部が幅を拡げながら上縁に開放し、下のフックから下の部分は下の鼓形基準溝の下半部が幅を拡げながら下縁に開放し、上の鼓形基準溝の下半部の下端と下の鼓形基準溝の上半部の上端とは直線状の基準溝7よりも広い直線状の溝で連なっている。図2(C)のパネル本体の左右の上のフックの下の基準溝7はそのフック3の頂部の真下の位置だけで上のフックから上の部分は上の鼓形基準溝の上半部が幅を拡げながら上縁に開放し、下のフックから下の部分は下の鼓形基準溝の下半部が幅を拡げながら下縁に開放し、上の鼓形基準溝は下半部の下端で行き止まり、下の鼓形基準溝は上半部の上端で行き止まっている。
【0017】
図2(B)、(C)のように上下のフック3の頂部の真下の部分だけが幅の狭い基準溝4で、この基準溝4と底が同じ鼓形基準溝8の上端がパネル本体の上縁に、下端がパネル本体の下縁に夫々開放していると、図5に示すように連結板12はフック3の頂部の下を中心にして左右に振れ動けるので、上段と下段の型枠パネルの列の隣接した型枠パネルの間の上下方向の目地を横幅の1/2宛正確にずらして立て並べることに限定されず、図6に示したように横幅の1/2よりも多少違った長さずらし、立て並べた外観に変化を与えることができる。尚、図2(B)による型枠パネルの上段と下段の結合状態は図3と、図2(C)による型枠パネルの上段と下段の結合状態は図4と同じである。
【0018】
図7〜9は、本発明の実施例である図1(A)、図2(A)、(B)、(C)の型枠パネルを製造する方法を示すもので、従来例の型枠パネルの製造方法を示す図11と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
【0019】
図7,8は図1(A)に示す型枠パネルを製造する手順の説明図で、フック付き鉄筋格子4を型枠皿5の中に吊り下げる左右の定規杆6の下面に、型枠皿の中に流し込んだコンクリートに上面から浸漬して硬化したパネル本体の裏面に上下方向に一連の基準溝7,8などを形成する治具9を設けておく。
【0020】
又、各定規杆6の下面の治具9は型枠皿内に突入するので、治具9を型枠皿の上面から上に離さなければ定規杆6をフック付き鉄筋格子4の左右の上下一対のフック3になる折返し部から軸方向に抜き取ることができない。このため、型枠パネルを製造する際は、定規杆6の上に、図7(B)に拡大して示したように、断面形状が楕円形又は小判形で、長軸の長さが治具9の厚さよりも長い補助杆6′を、長軸を上下方向に向けて定規杆の上に載せ、この補助杆6′の上面によって鉄筋格子4のフックになる折返し部を下から受止め、鉄筋格子を型枠皿の中に吊り下げると共に治具9を型枠皿内に入れ、型枠皿内に上面一杯までコンクリートを流し込む。こうして、次の型枠皿を、コンクリートを流し込んだ型枠皿のフックとなる折返し部の上に載せ、同様にして定規杆6と補助杆6′とで鉄筋格子を型枠皿の中に吊り下げ、コンクリートを型枠皿の上面一杯になるまで流し込むことを繰返してコンクリートを充填した型枠皿を上下方向に多段に積み重ね、養生室に移動して各型枠皿のコンクリートを硬化させる。その際に、図7(A)に示したように、型枠皿が垂直に対して角度αだけ傾いても、定規杆6の下に設けた治具9の下面が、型枠皿7の傾斜したコンクリートの上面から下に多少なりとも入って基準溝の底7′を形成すればよい。
【0021】
各型枠皿内のコンクリートが硬化したら、補助杆6′を90゜回し(図8(A)参照)、補助杆6′を定規杆上に短軸で載せて補助杆を一対宛のフックの折返し部から下に離し、補助杆を定規杆の上から軸方向に引いて抜き(図8(A)破線参照)、定規杆の上面とフックの折返し部との間に治具9の厚さより大きい空間を生じさせる。尚、補助杆6′には定規杆6の一端から外に突出した端部に、図示のようにクランク形のハンドル6′aを設けておくと、このハンドルの回転操作により定規杆上で補助杆を短軸方向から長軸方向にしたり、長軸方向から短軸方向にしたりすることが容易に行え、型枠皿中にコンクリートを流し込む際に、上下の対のフックの折返し部に定規杆と補助杆を通して型枠皿に渡し載せた後に補助杆を短軸方向から長軸方向にして治具を型枠皿中に押入れたり、コンクリートの硬化後、補助杆を長軸方向から短軸方向にして定規杆上から引き抜く操作が迅速に行える。
【0022】
次いで、図8(B)に示すように、定規杆6を、その上面がフックの折返し部の下に位置するまで持ち上げることによりコンクリート中に形成した基準溝7から治具9を上に抜いて型枠皿の上面上に位置させ、定規杆と治具を上下一対宛のフック3,3の折返し部から軸方向に抜き、成形された型枠パネルを型枠皿から脱型する。
【0023】
定規杆6の下に設ける治具を図9(A)、(B)、(C)のようにすることにより、上記と同じ操作で図2(A)、(B)、(C)の型枠パネルを製造することができる。
【0024】
図7,8では補助杆6′の断面形状を楕円形や小判形にしたが、治具よりも厚さが大きい角形断面のものとし、上下の対のフックの折返し部の中に通して型枠皿の上面上に載せた定規杆の上に楔状に押込んで重ねて治具を型枠皿中に入れたり、型枠皿中のコンクリートの硬化後、反対方向に力を加えて定規杆の上から抜くようにしてもよい。
【0025】
更に、治具を定規杆の下に上から取外し可能に固定し、型枠皿中にコンクリートを充填するときは定規杆の下に固定しておき、型枠パネルを脱型する際は、定規杆との固定を外し、治具を硬化したコンクリートの中に残して定規杆を上下の対のフックの折返し部から抜き、型枠パネルを型枠皿から脱型後に治具を型枠パネルから取り除くようにしてもよい。
【0026】
【発明の効果】
本発明の型枠パネルは、裏面に底が型枠パネルの表面と平行な直線状や、鼓形の基準溝7,8を上下方向に設けてあるので、この基準溝の底に連結固定具の連結板の一側縁を摺接して型枠パネルを上下方向に多段に立て並べた場合、型枠パネルの表面と裏面が平行でなくても、上の段の型枠パネルと、下の段の型枠パネルの表面同志の間に段差は生ぜず、外観を損なうことがない。又、本発明の型枠パネルの製造方法により裏面に底が型枠パネルの表面と平行な直線状や、鼓形の基準溝を上下方向に有する型枠パネルを容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明による型枠パネルの一実施例の裏面から見た斜視図、(B)は同上の縦断面図、(C)は同上の型枠パネルの使用状況を示す説明図。
【図2】(A)、(B)、(C)は本発明による型枠パネルの他の三つの実施例の裏面から見た斜視図。
【図3】本発明による上下方向に一連の基準溝を有する型枠パネルを上下方向に立て並べた状態の断面図。
【図4】本発明による上下方向に分離した基準溝を有する型枠パネルを上下方向に立て並べた状態の断面図。
【図5】本発明による図2(B)、(C)の型枠パネルを立て並べている状態を示す裏面図。
【図6】図5の正面(表面)図。
【図7】(A)は本発明による図1(A)、(B)の型枠パネルを製造している状態の一部を断面にした正面図、(B)は同上の側面図、(C)は治具、定規杆、補助杆の斜視図。
【図8】(A)は製造した型枠パネルを型枠皿から脱型する状態の第1段階の断面図、(B)は同上の第2段階の断面図。
【図9】(A)、(B)、(C)は図2(A)、(B)、(C)の型枠パネルを製造するための治具と定規杆の斜視図。
【図10】(A)は従来の型枠パネルの裏面から見た斜視図、(B)は同上の使用状態の斜視図。
【図11】(A)は図10(A)の型枠パネルの製造状態を示す一部を断面にした正面図、(B)は同上の側面図。
【図12】図11により製造した型枠パネルを立て並べ、上下の型枠パネルの表面同志の間に段差が生じている状態を示す断面図。
【符号の説明】
1 型枠パネル
1b 型枠パネルの裏面
1f 型枠パネルの表面
2 パネル本体
3 フック
4 フック付き鉄筋格子
5 型枠皿
6 定規杆
6′ 補助杆
6′a 補助杆のクランク形ハンドル
7 直線状の基準溝
7′ 基準溝の底
8 鼓形の基準溝
9 治具
11 連結固定具
12 連結(連結部材)
12u 連結板の上半部
12d 連結板の下半部
13 セパレータ
14 固定具
Claims (8)
- パネル本体の裏面の左右の上下所定の位置から上下方向に開放した一対宛のフックが突出し、この各フックに連結固定具の連結部材を突入して左右方向及び上方向に複数枚のパネル本体を立て並べる壁面構築兼外装用の型枠パネルにおいて、上記パネル本体の裏面に、左右の上下一対宛のフックの下を潜り、且つ上記連結部材が底に摺接する上下方向の基準溝を設け、この基準溝の底とパネル本体の表面とを平行にしたことを特徴とする壁面構築兼外装用の型枠パネル。
- 請求項1に記載の壁面構築兼外装用の型枠パネルにおいて、左右の各基準溝は上下方向に一連で、上端はパネル本体の上縁に、下端はパネル本体の下縁に、夫々開放していることを特徴とする壁面構築兼外装用の型枠パネル。
- 請求項1に記載の壁面構築兼外装用の型枠パネルにおいて、左右の各基準溝はパネル本体の裏面の上縁から上のフックの下を下向きに潜ったのち行き止まるものと、下縁から下のフックの下を上向きに潜ったのち行き止まるものとからなることを特徴とする壁面構築兼外装用の型枠パネル。
- 請求項2、請求項3のどれか1項に記載の壁面構築兼外装用の型枠パネルにおいて、左右の各基準溝は上下のフックの真下の位置に、上下方向の鼓形の基準溝を備えていることを特徴とする壁面構築兼外装用の型枠パネル。
- 上面が開放し、内部に流し込んだ流動材料によってパネル本体を成形する型枠皿と、鉄筋を縦横に溶接し、且つ左右の上下所定の位置に、成形したパネル本体の裏面から一定量突出して上下方向に開放したフックになる4つの折返し部を設けた上記型枠皿よりも外形が小さいフック付き鉄筋格子と、上記フック付き鉄筋格子の左右の上下一対宛の折返し部を貫通し、上記型枠皿の開放した上面上に支持される2本の定規杆とを備え、上記フック付き鉄筋格子の左右の上下一対宛の折返し部を貫通した2本の定規杆を型枠の上面上に支持してフック付き鉄筋格子を型枠皿の内部に吊り下げ、型枠皿の内部に流動材料を流し込んで固めてパネル本体を成形し、成形したパネル本体を型枠皿から脱型すると共に、2本の定規杆を上下一対の折返し部のフックから抜く壁面構築兼外装用の型枠パネルの製造方法において、上記定規杆には、定規杆を型枠皿の上面上に支持したときに型枠皿の内部に突入し、成形したパネル本体の裏面に、パネル本体の表面と底が平行な上下方向の基準溝を形成する治具を設け、この治具によって成形したパネル本体の裏面の左右に、パネル本体の表面と平行な底を有する基準溝を形成することを特徴とする壁面構築兼外装用の型枠パネルの製造方法。
- 請求項5に記載の壁面構築兼外装用の型枠パネルの製造方法において、治具は、パネル本体の裏面の左右に、上下方向に一連の基準溝を成形するようになっていることを特徴とする壁面構築兼外装用の型枠パネルの製造方法。
- 請求項5に記載の壁面構築兼外装用の型枠パネルの製造方法において、治具は、パネル本体の裏面の左右の上縁から上のフックの下を下向きに潜ったのち行き止まる基準溝と、下縁から下のフックの下を上向きに潜り抜けたのち行き止まる基準溝とを形成するものとからなることを特徴とする壁面構築兼外装用の型枠パネルの製造方法。
- 請求項6と請求項7のどれか1項に記載の壁面構築兼外装用の型枠パネル製造方法において、治具は、パネル本体の裏面の左右の、上下のフックの下に位置して鼓形の基準溝を上下方向に形成するようになっていることを特徴とする壁面構築兼外装用の型枠パネルの製造方法。
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