JP4652585B2 - タイヤとホイールの組み付け方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤとホイールの組み付け方法に関するものである。より詳細には、リム組み付けタイヤにおける実用域の速度でのRFV(ラジアルフォースバリエイション)のフーリエ解析による1次周期成分(高速RFV1次成分)を小さくすることができ、もってボディ振動を低減することができる、タイヤとホイールの組み付け方法に関するものである。また、かかる組み付け方法に好適なタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、空気入りタイヤにおいては、1回転する間にタイヤ軸にユニフォミティと言われる力変動が発生する。かかるタイヤは、高速走行時においては約10〜30回/秒で回転するため、高速走行時におけるユニフォミティの1次成分の周波数は10〜30Hzである。一方、車両のサスペンションのばね下共振周波数は通常10〜18Hzである。そのため、高速走行時にユニフォミティの1次成分の周波数と車両のバネ下共振周波数とが合致してボディ振動を発生させることがある。上記ユニフォミティのうち、このボディ振動の主要因となるのがタイヤ半径方向の力の変動であるRFV1次成分である。
【0003】
一方、タイヤが組み付けられるホイールのリムについては、1回転する間にビードシート部においてRRO(ラジアルランアウト)と言われる径変動が存在する。そのため、タイヤをリムに組み付けると、かかるホイールのRROに起因する力変動が上記したタイヤのRFVに加えられる。
【0004】
このような点に鑑み、従来は、組み付け時におけるRFVを小さくすることを目的として、タイヤ単体におけるRFV1次成分のピーク位置とホイールのRRO1次成分のボトム位置とを合わせて組み付けている。ここで、タイヤのRFV1次成分のピーク位置としては、JASO C607で定められた低速(タイヤ回転数=1回/秒)での計測値が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、タイヤのRFV1次成分は、速度とともにその大きさだけでなくピーク位置も変化してしまうため、上記従来の組み付け方法では、必ずしも実走行速度におけるRFV1次成分を小さくすることはできない。
【0006】
また、実際にボディ振動が発生するのは、車両のサスペンションなどの共振周波数とタイヤの回転周波数が近づく高速走行時である。そのため、実走行速度におけるリム組み付けタイヤのRFV1次成分を小さくすることが振動低減には効果的である。
【0007】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、実際に振動が発生しやすい速度におけるリム組み付けタイヤのRFV1次成分を小さくして、ボディ振動を低減することができるタイヤとホイールの組み付け方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明のタイヤとホイールの組み付け方法は、タイヤの高速RFV1次成分のピーク位置(最大値となる位置)とホイールのRRO1次成分のボトム位置(最小値となる位置)とを位相合わせして、該タイヤを該ホイールのリムに組み付けるというものである。
【0009】
ここで、タイヤの高速RFV1次成分についてピーク位置とボトム位置とは逆位相、即ち位相差180degの関係にあり、また、ホイールのRRO1次成分についてもボトム位置とピーク位置とは逆位相の関係にある。そのため、本発明では、タイヤの高速RFV1次成分のボトム位置とホイールのRRO1次成分のピーク位置とを位相合わせしても、タイヤの高速RFV1次成分とホイールのRRO1次成分とを逆位相にて位相合わせする限り、タイヤの高速RFV1次成分のピーク位置とホイールのRRO1次成分のボトム位置とを位相合わせすることになるため、上記した本発明の定義に含まれる。
【0010】
また、上記位相合わせは、タイヤのピーク位置とホイールのボトム位置とを完全に一致させることが好ましいが、本発明では両者の位相差を90deg以内として組み付けることも含まれる。90deg以内に組み付けることにより、組み付け時のRFVがタイヤ単体のRFVよりも増加することを少なくとも防止することができる。好ましくは、両者の位相差を20deg以内として組み付けることである。
【0011】
本発明において、高速RFVとは、車両の実走行速度に相当する回転数で測定したときのRFVであり、その回転数は通常8回/秒以上、より詳細には10〜30回/秒の範囲内で適宜に決定される。好ましくは、実際に振動が発生する速度、すなわち、車両のバネ下共振周波数とタイヤの回転1次の周波数とが一致する速度におけるRFVを用いることである。バネ下共振周波数は車種によって異なるため、タイヤを装着する車種毎に高速RFVの回転数を設定することが好適である。
【0012】
かかる高速RFVは公知の高速ユニフォミティマシンを用いて計測することができるが、現状の高速ユニフォミティマシンでは工場で全数計測を行うことが容易ではない。そのため、本発明者が先に提案した特願平11−327417号に記載の高速ユニフォミティ推定方法を用いて、組み付けるタイヤ全数の高速RFV1次成分のピーク位置を求めることが好適である。
【0013】
すなわち、本発明の請求項1に係る組み付け方法は、タイヤの高速RFV1次成分と低速RFV1次成分と静アンバランスとの関係を求めておき、高速RFV1次成分が未知のタイヤについて、低速RFV1次成分と静アンバランスとを測定し、その測定結果と上記関係とから、そのタイヤの高速RFV1次成分を求め、この求めた高速RFV1次成分のピーク位置と前記ホイールのRRO1次成分のボトム位置とを位相合わせすることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項2に係る組み付け方法は、タイヤの高速RFV1次成分と低速RFV1次成分とRRO1次成分の速度変化との関係を求めておき、高速RFV1次成分が未知のタイヤについて、低速RFV1次成分とRRO1次成分の速度変化とを測定し、その測定結果と上記関係とから、そのタイヤの高速RFV1次成分を求め、この求めた高速RFV1次成分のピーク位置と前記ホイールのRRO1次成分のボトム位置とを位相合わせすることを特徴とする。
【0015】
ここで、低速RFVとは、静アンバランスに基づく遠心力によってタイヤに新たな径変動を発生させない程度の回転数で測定したときのRFVをいい、通常は、タイヤ回転数=1回/秒で測定される。
【0016】
また、RRO1次成分の速度変化とは、速度変化に基づくRRO1次成分の増分、即ち、低速(低速RFVを測定する際の回転数)から高速(高速RFVを測定する際の回転数)に速度を上げることにより新たに発生するRRO1次成分であり、高速RRO1次成分に対する低速RRO1次成分のベクトル差として求められる。
【0017】
本発明の組み付け方法においては、また、タイヤの高速RFV1次成分のピーク位置に、当該ピーク位置であることを表示する高速RFVマークを付すとともに、ホイールのRRO1次成分のボトム位置に、当該ボトム位置であることを表示するRROマークを付しておき、該高速RFVマークと該RROマークとを位置合わせして組み付けてもよく、これにより組み付け作業性を向上することができる。従って、本発明は、また、高速RFV1次成分のピーク位置に当該ピーク位置であることを表示するマークが付された組み付け作業性に優れるタイヤも提供するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
1.高速RFVと低速RFVとの関係
一般に、タイヤのRFVは下記式(I)で表される。
RFV=Kv・Dc+Kc・Dv ……(I)
ここで、Kvは、タイヤの径方向ばね定数の周方向変動であり、Dcは、タイヤのたわみ量であり、Kcは、該当回転数でのタイヤの径方向ばね定数であり、Dvは、タイヤの径変動、即ちRROである。
【0019】
上記式(I)において、Dcはタイヤの回転数によらず一定であり、また、Kvも単なるフックの弾性体のようなばねが周上にあるとみなせばタイヤ回転数によって変化しないと考えられる。よって、上記式(I)における第1項のKv・Dcは、タイヤ回転数によって変化しないと考えられる。
【0020】
一方、第2項のKc・Dvにおいて、Dvは高速になると質量アンバランスの影響によって変化する。これは、タイヤのある部分に質量アンバランスがあると、高速回転時に、その部分が遠心力により膨らみ、このように膨らむことでタイヤに新たな径変動が生じるためである。そのため、この第2項Kc・Dvは速度により変化し、これにより高速RFV1次成分と低速RFV1次成分とに差が発生する。つまり、低速回転時には影響を及ぼさない質量アンバランス(静アンバランス)が、高速回転時には遠心力によってタイヤに新たな径変動を生じさせ、この新たな径変動により、高速回転時には、低速回転時とは別の新たなRFV1次成分が発生する。
【0021】
従って、タイヤのRFV1次成分は、速度が上がると、その大きさが変化する。また、タイヤのRFV1次成分のピーク位置と静アンバランスのピーク位置とは無関係にあるため、通常RFV1次成分のピーク位置も速度の上昇とともに移動する。
【0022】
図2は、速度の上昇によるタイヤRFV1次成分の変化を示すグラフである。このグラフは、タイヤサイズ=205/65R15 94H、リムサイズ=15×61/2−JJのタイヤについて、空気圧=200kPa、荷重=4900Nとして、速度を変えながらRFV1次成分を測定し、各速度におけるピーク位置(タイヤ周方向における所定の基準位置(位相=0deg)に対する角度)と大きさを示したグラフである。
【0023】
図2に示すように、回転数=1回/秒(8km/h)で測定した低速RFV1次成分では、大きさ=41N、ピーク位置=64degであった。タイヤの回転数を上げると、RFV1次成分は大きさだけでなくピーク位置も変化し、回転数=20.0回/秒(140km/h)で測定した高速RFV1次成分では、大きさ=73N、ピーク位置=18degであった。
【0024】
このように、高速RFV1次成分のピーク位置と低速RFV1次成分のピーク位置とは一致しない。また、上記したように、実際にボディ振動が発生するのは、車両のサスペンションなどの共振周波数とタイヤの回転周波数が近づく高速走行時である。そこで、実際に振動が発生する速度であるタイヤの高速RFV1次成分のピーク位置と、ホイールのRRO1次成分のボトム位置とを合わせて組み付けることにより、実走行速度におけるリム組み付けタイヤのRFV1次成分を小さくすることができ、ボディ振動を効果的に低減することができる。
【0025】
2.タイヤの高速RFV1次成分のピーク位置
タイヤの高速RFV1次成分のピーク位置は、公知の高速ユニフォミティマシンを用いて計測することができる。
【0026】
また、該ピーク位置は、以下の2つの推定方法により求めることもできる。
【0027】
(推定方法1)
推定方法1は、(1) タイヤの高速RFV1次成分と低速RFV1次成分と静アンバランスとの関係(推定式)を求めておき、(2) 高速RFV1次成分が未知のタイヤについて、低速RFV1次成分と静アンバランスとを測定し、(3) その測定結果と上記関係とから、そのタイヤの高速RFV1次成分のピーク位置を求めるものである。
【0028】
まず、(1)において、タイヤの品種毎に推定式を求めておく。詳細には、ある品種のタイヤについて、公知の高速ユニフォミティマシン、低速ユニフォミティマシン及びバランサーを用いて、高速RFV1次成分と低速RFV1次成分と静アンバランスを所定本数(例えば20〜30本)測定する。そして、その測定結果を以下の推定式に当てはめて係数を求める。なお、低速RFVを測定する際のタイヤ回転数は、(2)で低速RFVを測定する際と同一速度とし、高速RFVを測定する際の回転数は、(3)で推定しようとする高速RFVの回転数と同一速度とする。
【0029】
高速RFV1次成分は、上記したように、低速RFV1次成分に、静アンバランスに起因する新たなRFV1次成分を合成したものと考えることができる。この関係を図示したのが図3であり、図3に示すように、高速RFV1次成分Hは、低速RFV1次成分Lと、静アンバランスSとを用いて、これらのベクトル和として求められ、下記式(II)で表される。
【0030】
H=L+a・S ……(II)
ここで、aはタイヤの種類に応じて定められる係数である。
【0031】
この式(II)におけるH、L及びSはいずれも大きさだけでなく位相成分も含む複素数である。従って、式(II)は、下記式(III)に書き換えられる。
【0032】
H=Hx+Hy・j
=Lx+a・Sx+(Ly+a・Sy)・j ……(III)
ここで、Hxは高速RFV1次成分Hの実数部、Hyは高速RFV1次成分Hの虚数部、Lxは低速RFV1次成分Lの実数部、Lyは低速RFV1次成分Lの虚数部、Sxは静アンバランスSの実数部、Syは静アンバランスSの虚数部である。また、j2=−1である。
【0033】
図4は、式(III)の関係を示した図である。図4に示すように、タイヤ赤道面上にx−yの直交座標を定義したとき、静アンバランスSは、大きさSmとタイヤ周方向における位置、即ち位相θSとを有するベクトルであるため、x成分とy成分に分解して(Sx,Sy)で表される。同様に、低速RFV1次成分Lも、大きさLmと位相θLとを有するベクトルであるため、x成分とy成分に分解して(Lx,Ly)で表され、高速RFV1次成分Hも、大きさHmと位相θHとを有するベクトルであるため、x成分とy成分に分解して(Hx,Hy)で表される。このx成分が実数部、y成分が虚数部である。
【0034】
上記式(III)について、誤差成分を考慮して書き換えると下記式(IV)のようになる。H、L及びSはいずれも複素数であるため、そのままでは通常の重回帰分析は行えないが、実数部と虚数部は互いに独立なので、式(IV-i)及び(IV-ii)により別々に重回帰分析し、これらを合成することで式(IV)を得る。
【0035】
(実数部) Hx=b1+b2・Lx+b3・Sx ……(IV-i)
(虚数部) Hy=b4+b5・Ly+b6・Sy ……(IV-ii)
ここで、b1、b2、b3、b4、b5及びb6は、タイヤの種類に応じて定められる係数であり、タイヤの種類毎に重回帰分析して当てはめることができる。
【0036】
このようにして推定式を求めておき、次いで、上記(2)において、高速RFV1次成分が未知である上記と同品種のタイヤについて、低速RFV1次成分と静アンバランスを測定する。低速RFV1次成分については公知の低速ユニフォミティマシンにより、静アンバランスについては公知のバランサーにより測定することができる。
【0037】
そして、(3)において、(2)の測定結果を(1)で求めた推定式に当てはめることにより、そのタイヤの高速RFV1次成分のピーク位置を算出することができる。
【0038】
(推定方法2)
推定方法2は、(1) タイヤの高速RFV1次成分と低速RFV1次成分とRRO1次成分の速度変化との関係(推定式)を求めておき、(2) 高速RFV1次成分が未知のタイヤについて、低速RFV1次成分とRRO1次成分の速度変化とを測定し、(3) その測定結果と上記関係とから、そのタイヤの高速RFV1次成分のピーク位置を求めるものである。
【0039】
まず、(1)において、上記推定方法1と同様に、タイヤの品種毎に以下の推定式を求めておく。
【0040】
高速RFV1次成分は、上記したように、低速RFV1次成分に、高速回転時に生じる新たな径変動に起因する新たなRFV1次成分を合成したものと考えることができる。この関係を図示したのが図5であり、図5に示すように、高速RFV1次成分Hは、低速RFV1次成分Lと、新たな径変動であるRRO1次成分の速度変化Dとを用いて、これらのベクトル和として求められ、下記式(V)で表される。
【0041】
H=L+c・D ……(V)
ここで、cはタイヤの種類に応じて定められる係数である。
【0042】
また、RRO1次成分の速度変化Dは、低速RRO1次成分Dlと高速RRO1次成分Dhとを用いて図6に示す関係にあるため、下記式(VI)により算出することができる。
【0043】
D=Dh−Dl ……(VI)
ここで、D、Dl、Dhはいずれも大きさだけでなく位相成分も含む複素数である。なお、Dlは低速ユニフォミティマシンにより、Dhはタイヤを装着して高速回転させることが可能な装置にレーザー式変位計を用いることで計測することができる。
【0044】
式(V)におけるH、L及びDはいずれも大きさだけでなく位相成分も含む複素数である。従って、式(V)は、下記式(VII)に書き換えられる。
【0045】
H=Lx+c・Dx+(Ly+c・Dy)・j ……(VII)
ここで、DxはRRO1次成分の速度変化Dの実数部、DyはRRO1次成分の速度変化Dの虚数部である。
【0046】
この式(VII)について、誤差成分を考慮して書き換えると下記式(VIII)のようになる。H、L及びDはいずれも複素数であるため、そのままでは通常の重回帰分析は行えないが、実数部と虚数部は互いに独立なので、式(VIII-i)及び(VIII-ii)により別々に重回帰分析し、これらを合成することで式(VIII)を得る。
【0047】
(実数部) Hx=d1+d2・Lx+d3・Dx ……(VIII-i)
(虚数部) Hy=d4+d5・Ly+d6・Dy ……(VIII-ii)
ここで、d1、d2、d3、d4、d5及びd6は、タイヤの種類に応じて定められる係数であり、タイヤの種類毎に重回帰分析して当てはめることができる。
【0048】
このようにして推定式を求めておき、次いで、(2)において、高速RFV1次成分が未知である上記と同品種のタイヤについて、低速RFV1次成分とRRO1次成分の速度変化を測定する。そして、(3)において、(2)の測定結果を(1)で求めた推定式に当てはめることにより、そのタイヤの高速RFV1次成分のピーク位置を算出することができる。
【0049】
以上のようにして、タイヤについて高速RFV1次成分のピーク位置を求めてから、求めたピーク位置にそのことを表示する高速RFVマークを付しておくことが好適である。かかる高速RFVマークは、例として、図1(a)に示すように、タイヤ(10)のビード部(12)表面に所定の色のマーキング(14)を付すことにより構成される。
【0050】
3.ホイールのRRO1次成分のボトム位置
ホイールのRRO1次成分のボトム位置は、公知の低速ユニフォミティマシンを用いて計測することにより求めることができる。そして、求めたRRO1次成分のボトム位置には、そのことを表示するRROマークを付しておくことが好適である。かかるRROマークは、例として、図1(b)に示すように、ホイール(20)のリム(22)に、上記高速RFVマーク(14)とは異なる所定の色のマーキング(24)を付すことにより構成される。
【0051】
4.タイヤとホイールの組み付け
上記3で求めたタイヤの高速RFV1次成分のピーク位置と、上記4で求めたホイールのRRO1次成分のボトム位置とを位相合わせして、即ち一致させて、タイヤをホイールのリムに組み付ける。その際、上記のように、タイヤに高速RFVマークを付しておき、また、ホイールにRROマークを付しておけば、図1(c)に示すように、高速RFVマーク(14)とRROマーク(24)とを位置合わせして組み付ければよく、組み付け作業がしやすい。
【0052】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0053】
(実施例1)
タイヤとして、上記した図2に示すグラフの測定に使用したタイヤを用いた。すなわち、タイヤは、低速RFV1次成分(回転数=1回/秒)が、大きさ=41N、ピーク位置=64degであり、高速RFV1次成分(回転数=20.0回/秒)が、大きさ=73N、ピーク位置=18degであった。
【0054】
ホイールとしては、JATMA YEAR BOOK 2000に記載されている該タイヤサイズの適用リムより選んで用いた。このホイールのRRO1次成分を測定したところ、大きさが0.25mmであり、ボトム位置(ホイール周方向における所定の基準位置(位相=0deg)に対する角度)が37degであった。
【0055】
このタイヤとホイールとを、タイヤの高速RFV1次成分のピーク位置とホイールのRRO1次成分のボトム位置とを位相合わせして組み付けた。また、比較例1として、タイヤの低速RFV1次成分のピーク位置とホイールのRRO1次成分のボトム位置とを位相合わせして組み付けた。そして、両者について、組み付け時における低速RFV1次成分と高速RFV1次成分とを測定した。
【0056】
その結果、下記表1に示すように、本実施例では、リム組み付けタイヤのRFV1次成分が、低速では比較例1よりも大きいものの、実際に振動が発生する高速では、比較例1の69Nに対して、61Nと低減されていた。
【0057】
【表1】
【0058】
(実施例2)
タイヤサイズ=215/60R16 95H、リムサイズ=16×71/2−JJのタイヤを18本用い、空気圧=196kPa、荷重=5100Nとして、低速RFV1次成分(回転数=1回/秒=8km/h)と、高速RFV1次成分(回転数=19.5回/秒=140km/h)と、静アンバランスを測定した。そして、各測定値を上記式(IV)に当てはめ、重回帰分析して下記式(IX)を得た。
【0059】
次いで、高速RFV1次成分が未知である同品種のタイヤについて、低速RFV1次成分と静アンバランスを測定したところ、低速RFV1次成分は、大きさが47N、ピーク位置が−113degであり、静アンバランスは、大きさが0.0056kg・m、重点の位相が−300degであった。この測定結果を上記式(IX)に当てはめたところ、高速RFV1次成分は、大きさが56N、ピーク位置が−76degと算出された。なお、このタイヤについて、高速ユニフォミティマシンを用いて、高速RFV1次成分を実際に測定したところ、大きさが61N、ピーク位置が−63degであり、上記推定値がかなり正確であることが確認された。
【0060】
一方、ホイールについては、JATMA YEAR BOOK 2000に記載されている該タイヤサイズの適用リムより選んで用いた。このホイールのRRO1次成分を測定したところ、大きさが0.286mmであり、ボトム位置が36degであった。
【0061】
このタイヤとホイールとを、タイヤの高速RFV1次成分のピーク位置とホイールのRRO1次成分のボトム位置とを位相合わせして組み付けた。また、比較例2として、タイヤの低速RFV1次成分のピーク位置とホイールのRRO1次成分のボトム位置とを位相合わせして組み付けた。そして、両者について、組み付け時における低速RFV1次成分と高速RFV1次成分とを測定した。
【0062】
その結果、下記表2に示すように、本実施例では、リム組み付けタイヤのRFV1次成分が、低速では比較例2よりも大きいものの、実際に振動が発生する高速では、比較例2の47Nに対して、21Nと低減されていた。
【0063】
【表2】
【0064】
(実施例3)
タイヤサイズ=215/70R16 99S、リムサイズ=16×61/2−JJのタイヤを29本用い、空気圧=196kPa、荷重=5790Nとして、低速RFV1次成分(回転数=1回/秒=8km/h)と、高速RFV1次成分(回転数=18.2回/秒=140km/h)と、RRO1次成分の速度変化を測定した。そして、各測定値を上記式(VIII)に当てはめ、重回帰分析して下記式(X)を得た。
【0065】
次いで、高速RFV1次成分が未知である同品種のタイヤについて、低速RFV1次成分とRRO1次成分の速度変化を測定したところ、低速RFV1次成分は、大きさが38N、ピーク位置が−55degであり、RRO1次成分の速度変化は、大きさが0.241mm、位相が8degであった。この測定結果を上記式(X)に当てはめたところ、高速RFV1次成分は、大きさが58N、ピーク位置が−24degと算出された。なお、このタイヤについて、高速ユニフォミティマシンを用いて、高速RFV1次成分を実際に測定したところ、大きさが57N、ピーク位置が−18degであり、上記推定値がかなり正確であることが確認された。
【0066】
一方、ホイールについては、JATMA YEAR BOOK 2000に記載されている該タイヤサイズの適用リムより選んで用いた。このホイールのRRO1次成分を測定したところ、大きさが0.300mmであり、ボトム位置が64degであった。
【0067】
このタイヤとホイールとを、タイヤの高速RFV1次成分のピーク位置とホイールのRRO1次成分のボトム位置とを位相合わせして組み付けた。また、比較例3として、タイヤの低速RFV1次成分のピーク位置とホイールのRRO1次成分のボトム位置とを位相合わせして組み付けた。そして、両者について、組み付け時における低速RFV1次成分と高速RFV1次成分とを測定した。
【0068】
その結果、下記表3に示すように、本実施例では、リム組み付けタイヤのRFV1次成分が、低速では比較例3よりも大きいものの、実際に振動が発生する高速では、比較例3の34Nに対して、13Nと低減されていた。
【0069】
【表3】
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のタイヤとホイールの組み付け方法であると、実際に振動が発生しやすい速度におけるリム組み付けタイヤのRFV1次成分を小さくして、ボディ振動を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施形態におけるタイヤの斜視図、(b)はホイールの斜視図、(c)はタイヤとホイールの組み付け状態を示す斜視図である。
【図2】タイヤのRFV1次成分の速度による変化を示すグラフである。
【図3】高速RFV1次成分と低速RFV1次成分と静アンバランスの関係を示すタイヤの側面概略図である。
【図4】式(III)における高速RFV1次成分と低速RFV1次成分と静アンバランスとの関係を図示した説明図である。
【図5】高速RFV1次成分と低速RFV1次成分とRRO1次成分の速度変化の関係を示すタイヤの側面概略図である。
【図6】低速RRO1次成分と高速RRO1次成分とRRO1次成分の速度変化との関係を示すタイヤの側面概略図である。
【符号の説明】
10…タイヤ
14…高速RFVマーク
20…ホイール
24…RROマーク
Claims (4)
- タイヤの高速RFV1次成分と低速RFV1次成分と静アンバランスとの関係を求めておき、
高速RFV1次成分が未知のタイヤについて、低速RFV1次成分と静アンバランスとを測定し、その測定結果と上記関係とから、そのタイヤの高速RFV1次成分を求め、
この求めた高速RFV1次成分のピーク位置とホイールのRRO1次成分のボトム位置とを位相合わせして、該タイヤを該ホイールのリムに組み付ける
ことを特徴とするタイヤとホイールの組み付け方法。 - タイヤの高速RFV1次成分と低速RFV1次成分とRRO1次成分の速度変化との関係を求めておき、
高速RFV1次成分が未知のタイヤについて、低速RFV1次成分とRRO1次成分の速度変化とを測定し、その測定結果と上記関係とから、そのタイヤの高速RFV1次成分を求め、
この求めた高速RFV1次成分のピーク位置とホイールのRRO1次成分のボトム位置とを位相合わせして、該タイヤを該ホイールのリムに組み付ける
ことを特徴とするタイヤとホイールの組み付け方法。 - タイヤの高速RFV1次成分のピーク位置に、当該ピーク位置であることを表示する高速RFVマークを付すとともに、ホイールのRRO1次成分のボトム位置に、当該ボトム位置であることを表示するRROマークを付しておき、
該高速RFVマークと該RROマークとを位置合わせする
ことを特徴とする請求項1記載のタイヤとホイールの組み付け方法。 - タイヤの高速RFV1次成分のピーク位置に、当該ピーク位置であることを表示する高速RFVマークを付すとともに、ホイールのRRO1次成分のボトム位置に、当該ボトム位置であることを表示するRROマークを付しておき、
該高速RFVマークと該RROマークとを位置合わせする
ことを特徴とする請求項2記載のタイヤとホイールの組み付け方法。
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