JP3051665B2 - リム組付けタイヤの重量アンバランス修正方法 - Google Patents

リム組付けタイヤの重量アンバランス修正方法

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JP3051665B2
JP3051665B2 JP7283481A JP28348195A JP3051665B2 JP 3051665 B2 JP3051665 B2 JP 3051665B2 JP 7283481 A JP7283481 A JP 7283481A JP 28348195 A JP28348195 A JP 28348195A JP 3051665 B2 JP3051665 B2 JP 3051665B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホイールバランサ
ーを用いてリム組付けタイヤの重量アンバランスを修正
する方法に係るものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】重量的
にアンバランスの状態でのリム組付けタイヤを回転させ
た場合、振動が生じることは周知である。そしてこのア
ンバランスにはリム組付けタイヤを回転させなくても存
在するどこが重いかという静的アンバランス(静アンバ
ランス)と、タイヤを回転させて初めて発生する動的ア
ンバランス(動アンバランス)とがある。
【0003】このようなアンバランスを修正する方法と
しては、現在では主としてリム組付けタイヤをホイール
バランサーにより回転させ、修正に必要なアンバランス
量を計測し、これに基づいてリムの軸方向両端面、通常
表裏リムフランジの一個所に各々一個づつ錘を固定する
という方法をもって静アンバランスと動アンバランスと
を同時に修正することが行われている。
【0004】即ち、この修正方法は2面バランス法と呼
ばれ、アンバランスがリムの両側端面に夫々一つずつあ
ると仮定し、夫々の面に存在するアンバランスの180
度反対の位置にアンバランス量と同量の修正錘を固定す
ることにより修正を行なうものである。
【0005】静アンバランスと動アンバランスは、その
どちらが存在しても車両の振動源となり得るし、夫々の
アンバランスが車両に別々の影響を与えることもよく知
られている。即ち、静アンバランスは車の上下振動を引
き起こし、動アンバランスはハンドルの異常振動、シミ
ー等を引き起こす。
【0006】ところで、車の上下振動やハンドルの異常
振動等は、重量のアンバランスによるものの他に、タイ
ヤのユニフォーミテイ(ラジアルフォースバリエーショ
ン及びラテラルフォースバリエーション)が原因となっ
ている場合もあるが、バランスを完全に修正した後、実
際にそれらの振動を調べてみると、ユニフォーミテイ以
外の重量アンバランスによるものと思われる成分が含ま
れている。修正が必要なアンバランスの量、特に動アン
バランスの成分が大きいときにこの傾向が強い。
【0007】本発明は、タイヤが現実に使用されている
状況下で、タイヤの振動源である縦揺れ及び横揺れをで
きるだけ小さくしたリム組付けタイヤの重量アンバラン
ス修正方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、静アンバランス修正量と動アンバランス修
正量とを同時に計測する静動同時アンバランス計測機
で、リム組付けタイヤのリムの軸方向両端面におけるア
ンバランス修正量の大きさ及びアンバランス修正量のリ
ム端面周上の位置を計測し、前記アンバランス修正量の
大きさ及びアンバランス修正量のリム端面周上の位置に
基づいて、静アンバランス修正量の大きさ、残留動アン
バランス修正量の大きさを最小とする静アンバランス修
正量のリム周上の位置を演算し、前記静アンバランス修
正量のリム周上の位置に前記静アンバランス修正量の大
きさに相当する大きさの錘を固定し、リム組付けタイヤ
のリムの軸方向両端面における残留動アンバランス修正
量の大きさ及び残留動アンバランス修正量のリム端面周
上の位置を計測し、前記残留動アンバランス修正量のリ
ム端面周上の位置に前記残留動アンバランス修正量の大
きさに相当する大きさの錘を固定する。
【0009】本発明では、静アンバランス修正量と動ア
ンバランス修正量とを同時に計測する静動同時アンバラ
ンス計測機で計測されたアンバランス修正量の大きさ及
びリム端面周上の位置に基づいて静アンバランスを修正
する。このとき、静アンバランス修正量のリム周上の位
置は、残留動アンバランス修正量の大きさが最小となる
ように演算される。そして、演算されたリム周上の位置
に演算された静アンバランス修正量の大きさに相当する
大きさの錘を固定した後に、リム組付けタイヤの残留動
アンバランス修正量の大きさ及び残留動アンバランス修
正量のリム端面周上の位置を計測し、計測されたリム端
面周上の位置に計測された残留動アンバランス修正量の
大きさに相当する大きさの錘を固定することによって、
アンバランスを修正する。このように、静アンバランス
修正量のリム周上位置を求めることによって、静アンバ
ランス修正量の大きさを大きくすることなく、残留動ア
ンバランス修正量の大きさを最小にしているため、ユニ
フォーミテイ以外の重量アンバランスを原因とする車の
上下振動やハンドルの異常振動等を防止した性能のよい
リム組付けタイヤとすることができる。
【0010】また、演算されたリム周上の位置に演算さ
れた静アンバランス修正量の大きさに相当する大きさの
錘を固定した後に、リム組付けタイヤの残留動アンバラ
ンス修正量の大きさ及び位置を計測し、計測されたリム
端面周上の位置に計測された残留動アンバランス修正量
の大きさに相当する大きさの錘を固定しているので、計
測されたアンバランス修正量の大きさ及びリム端面周上
の位置の少なくとも一方に誤差が含まれていた場合、或
いは静アンバランス修正量の大きさに相当する大きさの
錘の固定位置に誤差が含まれていた場合にも、これらの
誤差により変化する残留動アンバランスを最小とする残
留動アンバランス修正量の大きさ及び位置を計測により
得ることができ、計測結果に従って動アンバランス修正
量に相当する錘を固定することにより、前記誤差に拘わ
らずユニフォーミテイ以外の重量アンバランスを原因と
する車の上下振動やハンドルの異常振動等を確実に防止
することができる。
【0011】なお、静アンバランス修正量に相当する錘
は、通常リム内周面に固定されるが、リムの形状、ブレ
ーキデイスクとのクリアランス等の関係より、理想的な
位置での静アンバランス修正が不可能な場合には、その
代用として、動アンバランスに比較的影響がないよう、
リム幅の中心付近又は左右のリムフランジ位置で各々半
分ずつ静アンバランス修正を行ってもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】まず、本発明の原理を図1〜図3
を参照して説明する。なお、以下の図では、リム組付け
タイヤのタイヤ部分の図示を省略してリムのみ示した。
【0013】図1に示すように、リム組み付けタイヤの
リムの両端面を各々第1面(外側面)P1 、第2面(内
側面)P2 とし、第1面P1 と第2面P2 とに平行でか
つリムの中心Oを通る面をリム中心面P0 とする。ま
た、リム幅(第1面P1 と第2面P2 との距離)をLo
とし第1面P1 に第1面P1 の中心を原点とする直交座
標を設定する。更に、静アンバランスと動アンバランス
とを同時に修正するために通常広く使用されている静動
同時修正用のアンバランス測定機を用いて測定した結
果、第1面P1 の円周上(リム端面周上)にベクトル量
であるアンバランス修正量10を必要とし、第2面P2
の円周上にベクトル量であるアンバランス修正量12を
必要としたものと仮定する。そして、このアンバランス
修正量10、12をベクトルU1 、ベクトルU2 で表
す。
【0014】アンバランス修正量10、12には、静ア
ンバランス修正量と動アンバランス修正量とが含まれて
いるため、静アンバランス修正量と動アンバランス修正
量とを分離して、まず静アンバランス修正量のみ求め
る。静アンバランスは、リム組み付けタイヤの重心がタ
イヤの回転軸上に存在しない場合に発生するものであ
り、この静アンバランスを修正するためには、アンバラ
ンスが生じている部位と反対側(180度反対側)の部
位にアンバランスと同量の修正量、すなわち錘を固定す
ればよい。図1の場合において1つの静アンバランス修
正量で静アンバランスを修正する場合について考える
と、アンバランス修正量10、12のベクトルを合成
し、リム中心面P0 上で合成ベクトルUsで表される円
周上の部位に合成ベクトルUsの大きさと同じ大きさの
静アンバランス修正量14を固定すればよい。ベクトル
U1 の大きさをA、x軸と成す角をα、ベクトルU2 の
大きさをB、x軸と成す角をβ、合成ベクトルUsの大
きさをC、x軸と成す角、すなわちリム中心面周上の位
置をγとすると、C及びγは次の(1)、(2)式で表
わされる。 C=√{(Acosα+Bcosβ)2 +(Asinα+Bsinβ)2 } ・・・(1) γ=tan-1{(Asinα+Bsinβ)/(Acosα+Bcosβ)} ・・・(2)
【0015】次に、動アンバランスは、静バランスがと
れている状態でタイヤを回転させた時に生じるモーメン
トによるアンバランスであり、第1面P1 と第2面P2
とに各々180度ずれた位置に同量(静アンバランスが
ないため)のアンバランスが存在する場合である。この
アンバランスを修正するためには、第1面P1 および第
2面P2 のアンバランスが生じている部位と反対側(1
80度反対側)の部位にアンバランスと同量の修正量を
各々固定すればよい。
【0016】動アンバランスはモーメントに起因し、図
1の第2面P2 のアンバランス修正量12を第1面P1
の180度反対側の部位に移動させてアンバランス修正
量12’としても右回りのモーメントに変化はないので
図1と図2の動アンバランスは等価である。図2におい
て2つの動アンバランス修正量で動アンバランスを修正
する場合について考えると、アンバランス修正量10、
12’のベクトルを合成し、第1面P1 の合成ベクトル
で表される円周上の部位に合成ベクトルの大きさの1/
2の大きさの動アンバランス修正量20を固定し、第2
面P2 の動アンバランス修正量20固定部位と180度
反対側の部位に動アンバランス修正量20と同じ大きさ
の動アンバランス修正量22を固定すればよい。合成ベ
クトルの1/2のベクトルをUc1 としてベクトルUc
1 の大きさをD、x軸と成す角、すなわちリム端面周上
の位置をδとすると、合成ベクトル=ベクトルU1 −ベ
クトルU2 であるから、D及びδは次の(3)、(4)
式で表わされる。 D=√{(Acosα−Bcosβ)2 +(Asinα−Bsinβ)2 }/2 ・・・(3) δ=tan-1{(Asinα−Bsinβ)/(Acosα−Bcosβ)} ・・・(4)
【0017】上記の(2)式で表されるリム中心面の位
置に(1)式で表される大きさの錘を固定し、上記
(4)式で表されるリム両端面の位置に(1)式で表さ
れる大きさの錘を各々固定すれば、一応、アンバランス
は修正されたことになる。本発明では更に以下のように
動アンバランス修正量を最小にする。
【0018】次に、動アンバランス修正量を最小とする
ために、図3に示すように、静アンバランス修正量14
をリム中心面P0 より第2面P2 方向へ回転軸に沿って
距離L1 離れた位置に移動する。ただし、距離L1 は、
第2面P2 から第1面P1 へ向かう方向を正とする。こ
のように、静アンバランス修正量14を距離L1 離れた
位置に移動することによって、新たに動アンバランスが
発生する。この動アンバランスを修正するために必要な
動アンバランス修正量をベクトルUcs1 とし、タイヤの
中心O回りのモーメントの釣り合いを考えるとベクトル
cs1 の大きさEは次のように表され、距離L1 に比例
して変化する。
【0019】 E・Lo=C・L1 E=C・L1 /Lo ・・・(5) 一方、上記ベクトルUcs1 の位置(位相)は、静アンバ
ランス修正量14を負の方向に移動させると、第1面P
1 については静アンバランス修正位置と同相、第2面P
2 については静アンバランス修正位置の180度反対側
になり、静アンバランス修正量14を正の方向に移動さ
せると、第1面P1 については静アンバランス修正位置
の180度反対側、第2面P2 については静アンバラン
ス修正位置と同相になる。静アンバランス修正量を正方
向に移動させたとすると、第1面のベクトルUcs1 の位
相εは、 ε=γ+180 ・・・(6) となる。
【0020】このベクトルUcs1 によってベクトルUc
1 のベクトルUcs1 方向の成分が打ち消されるように距
離L1 の大きさを定めれば静アンバランス修正量を移動
させた後の動アンバランス修正量、すなわち残留動アン
バランス修正量は最小になる。
【0021】ベクトルUc1 のベクトルUcs1 方向の成
分の大きさはD・cos(δ−γ)になるから、残留動
アンバランス修正量を最小とするベクトルUcs1 の大き
さEは次のように表せる。
【0022】 E=D・cos(δ−γ) ・・・(7) 従って、上記(5)式、(7)式より、距離L1 は、次
のようになる。
【0023】 L1 =D・Lo・cos(δ−γ)/C ・・・(8) すなわち、(8)式で表される位置に静アンバランス修
正量が存在する状態で、第1面P1 及び第2面P2 に残
留する動アンバランス修正量の大きさは最小になる。
【0024】しかしながら、リム幅はLoであるから距
離L1 の取り得る範囲は無限ではなく、−Lo/2≦L
1 ≦Lo/2に制限されることは勿論である。
【0025】次に、−Lo/2<L1 <Lo/2のとき
の残留動アンバランス修正量の大きさと位置とを求め
る。第1面P1 の残留動アンバランス修正量をベクトル
cmin、その大きさをMmin 、位相(位置)をθmin
するとベクトルUcminはベクトルUc1 とベクトルU
cs1 との合成ベクトルで表せるから、大きさMmin は次
のようになる。 Mmin =√{(Dcosδ+Ecosε)2 +(Dsinδ+Esinε)2 } ・・・(9)
【0026】上記(6)式のεとγとの関係、(7)式
を用いて(9)式を整理すると次の(10)式のように
なる。 Mmin =√{(Dcosδ−D・cos(δ−γ)cosγ)2 +(Dsinδ −D・cos(δ−γ)sinγ)2 } =√{D2 −D2 cos2 (δ−γ)} =|Dsin(δ−γ)| ・・・(10) また、位相θmin は、次の(11)式のようになる。 θmin =tan-1{(Dsinδ+Esinε)/(Dcosδ +Ecosε)} =tan-1{(sinδ−cos(δ−γ)sinγ)/cosδ −cos(δ−γ)cosγ)}・・・(11)
【0027】L1 =±Lo/2のときは、静アンバラン
ス修正量14の1/2ずつが第1面と第2面に存在する
ことになり、第1面についてはL1 =Lo/2の位置に
大きさが静アンバランス修正量14の1/2の修正量が
存在することになるから、ベクトルUcmin=ベクトルU
1 −1/2ベクトルUsの関係がある。従って、ベク
トルUcminの大きさMmin 、位相θmin は、次のように
なる。 Mmin =√{(Dcosδ−Ccosγ/2)2 +(Dsinδ −Csinγ/2)2 } ・・・(12) θmin =tan-1{(Dsinδ−Ccosγ/2)/(Dcosδ −Csinγ/2)} ・・・(13)
【0028】同様に、第2面については、動アンバラン
ス修正量の大きさは第1面の動アンバランス修正量と同
じ大きさMmin になり、動アンバランス修正量のリム端
面周上の位置は−θmin になる。
【0029】しかし、アンバランス測定機によるアンバ
ランス修正量の位置計測の分解能には限度があり、アン
バランス測定機によって測定されたアンバランス修正量
10、12の位置は誤差を含んでいることが一般的であ
るので、現実には(8)式により求まる静アンバランス
修正量の位置についても、理論的な最適位置に対し誤差
が加わっている。また、静アンバランス修正量に相当す
る錘を固定する際の固定位置の精度についても限度があ
るので、錘の固定位置が(8)式により求めた位置から
ずれ、更に誤差が加わる可能性がある。そして、静アン
バランス修正量に相当する錘の固定位置が理論的な最適
位置からずれていた場合には、残留動アンバランス修正
量の大きさMmin 及び位置θmin ,−θmin も、(1
0)、(11)式又は(12)、(13)式で求まる値
から変化する。
【0030】このため、本発明ではリム中心面周上の位
置γとリム軸方向の位置L1 とで表されるリム周上の位
置に静アンバランス修正量に相当する大きさCの錘を固
定した後に、アンバランス測定機により再度アンバラン
スを計測している。このとき、静アンバランス修正量に
相当する錘の固定位置が理論的な最適位置からずれてお
り、許容値未満の僅かな静アンバランスが残留していた
としても、このずれにより変化する残留動アンバランス
修正量の大きさMmin 及び位置θmin ,−θmi n が計測
により得られる。そして、一方のリム端面周上の計測さ
れた位置θminに、残留動アンバランス修正量に相当す
る計測された大きさMmin の錘を固定すると共に、他方
のリム端面周上の計測された位置−θmin に、残留動ア
ンバランス修正量に相当する計測された大きさMmin
錘を各々固定することにより、静アンバランス修正量に
相当する錘の固定位置の理論的な最適位置からのずれに
拘わらず、リム組付けタイヤのアンバランスが修正され
る。
【0031】
【実施例】
(実施例1)以下、実際にタイヤをホイールに装着した
組付け体をもって実施した例で更に詳細に説明する。
【0032】使用したタイヤサイズは195/60R1
4であり、ホイールは6J−14、ホイールリム幅L0
は15cmである。
【0033】アンバランス測定機によって第1面(P1
面)及び第2面(P2 面)でのアンバランス修正量を測
定した。尚、位相(角度)はバルブの位置から時計回り
に測定した。
【0034】 P1 面・・・A=40g、α=355度(位置R5 ) P2 面・・・B=50g、β= 20度(位置R6 ) 図4及び図5は、アンバランス測定機によって測定した
修正量の錘W1 、W2をそのまま固着したリムRを示し
たもので、図4はそのリムRの側面図であり、図5は図
4におけるリムRの正面図である。
【0035】さて、静アンバランス修正量Cを、(1)
式に基づいて算出するとCは87.9gであった。又、
この時の位相γを(2)式に基づいて算出すると、γは
8.9度であった。
【0036】尚、動アンバランス成分の修正ベクトルの
量D及び位相δは夫々(3)式、(4)式から、Dは1
0.9g、δは70.7度と求められる。
【0037】ここで静アンバランス修正量87.9g
を、位相8.9度を保ってリム幅方向に移動し、動アン
バランス量の最小値を求める。
【0038】その距離L1 は、(8)式より、0.88
cmと算出される(位置R7 )。なお、L1 の値はホイ
ールのリム幅(15cm)内に納まっている。ここで、
上記の大きさの錘を上記の位置に固定し、アンバランス
測定機によってアンバランス(動アンバランス)を計測
すると、第1面P1 における動アンバランス修正量M
min は9.6g、その位置(位相)θmin は−81.2
度(278.8度)となり(位置R8 )、第2面P2
における動アンバランス修正量Mmin は9.6g、位置
(位相)は98.8度の位置となった(位置R9 )。
【0039】なお、動アンバランス修正量の大きさ及び
位置を演算により求める場合は、先のL1 の値がホイー
ルのリム幅(15cm)内に納まっているため、動アン
バランス修正量の最小値Mmin は(10)式を用い、位
置(位相)θmin は(11)式を用いて求めることがで
きる。
【0040】このように、L1 がホイールのリム幅内に
納まる場合には、静アンバランス修正量の位置γと動ア
ンバランス修正量の位相θmin との関係は、夫々直角の
位置関係となる。
【0041】図6及び図7は、本発明の修正方法によっ
て決定された実施例1における修正量の錘W1 、W2
3 を固着したリムRを示すものであって、図6はその
リムRの側面図であり、図7は図6におけるリムRの正
面図である。
【0042】本発明にあって、ホイールに固着する錘の
合計は従来の測定機によって測定される錘合計よりもや
や重くなるが、動アンバランス修正量は最小値となって
おり、後述するようにタイヤの振動は著しく低減された
ものとなった。
【0043】(実施例2)使用したタイヤサイズ及びホ
イールは実施例1と同種のものであり、タイヤサイズは
195/60R14、ホイールは6J−14を用いた。
【0044】ホイールリム幅L0 は15cmである。実
施例1と同様にして、アンバランス測定機によってP1
面及びP2 面でのアンバランス修正量を測定した。
【0045】 P1 面・・・A=45g、α= 25度(位置R10) P2 面・・・B=40g、β=200度(位置R11) 図8及び図9は、アンバランス測定機によって測定した
修正量の錘W6 、W7をそのまま固着したリムRを示し
たもので、図8はそのリムRの側面図であり、図9は図
8におけるリムRの正面図である。
【0046】実施例1と同様に、静アンバランス修正量
Cは(1)式より6.2gと求められ、位相γは(2)
式より58.9度となった。
【0047】又、動アンバランス修正量Dは(3)式よ
り42.5g、位相δは(4)式より22.6度とな
る。
【0048】さて、ここで静アンバランス修正量6.2
gを、位相58.9度を保ってリム幅方向に移動し、動
アンバランスの最小値を求める。
【0049】その距離L1 は、(8)式より82.9c
mとなる。しかるに、リム幅は前記したように15cm
であるので、動アンバランスの最小値を取るL1 の値は
82.9cmに最も近いリム幅端となる。従って、L1
が7.5cmの条件下で定められる修正量及び位相(位
置R12)が、動アンバランスの最小値Mmin 及びθmin
となる。
【0050】ここで、上記の大きさの錘を上記の位置
(リム幅端)に固定し、アンバランス測定機によってア
ンバランス(動アンバランス)を計測すると、第1面P
1 における動アンバランス修正量Mmin は40g、位置
(位相)θmin は19.9度となり(位置R13)、第2
面P2 面における動アンバランス修正量Mmin は40
g、位置(位相)θmin は199.9度となった(位置
14)。
【0051】なお、動アンバランス修正量の大きさ及び
位置を演算により求める場合は、先のL1 の値がホイー
ルのリム幅から外れているため、動アンバランス修正量
の最小値Mmin は(12)式を用い、位置(位相)θ
min は(13)式を用いて求めることができる。付言す
れば、かかるθmin は、考え方としてリム幅が82.9
cmよりも大きい場合は、静アンバランス修正量の位相
58.9度±90度の位置にくることになり、その量M
min も(9)式から得られることになるが、現実のリム
幅内で対処するためにこれらの値と異なってくるのであ
る。
【0052】図10及び図11は、本発明の修正方法に
よって決定された実施例2における静動アンバランス修
正量の錘W8 、W9 、W10を固着したリムRを示すもの
であって、図14はそのリムRの側面図であり、図15
は図14における矢視方向からのリムRの正面図であ
る。
【0053】(タイヤ振動試験)試験車輛は、乗用車、
タイヤサイズは195/60R14、ホイールは6J−
14、タイヤをホイールに組付け、本発明の修正方法に
よってアンバランスの修正を行った。
【0054】そして、シャーシダイナモ上に後輪2輪を
載せて、時速100km/hで走行した時の、右後輪の
バネ下左右方向の加速度を測定した。
【0055】図12は縦軸に加速度を、横軸にタイヤ組
付け体の回転を表示したものである。図14は同じタイ
ヤを用いて従来の2面アンバランス修正法によって修正
したタイヤ組付け体による加速度の波形を示し、その最
大幅を100としたとき本実施例における波形の最大振
幅は40であった。
【0056】参考に図13に静アンバランスの修正をホ
イールのセンター(L1 =0)にて行った場合の同様の
例を示す。この場合、従来の方法に比較して65と低減
していることがわかる。
【0057】これらの各図を比較すれば、従来のアンバ
ランス修正法による左右方向のバネ下加速度の変化(図
14)に比較して、本発明の修正方法によった加速度の
変化は小さいものとなり、特に図12によるものは、加
速度の変化は小さくかつ著しく均一化されていることが
分かる。
【0058】なお、上記では残留動アンバランスが最小
となる位置に静アンバランス修正量に相当する錘を固定
していたが、静動同時アンバランス計測機でリム組付け
タイヤの軸方向両端面におけるアンバランス修正量の大
きさ及び位置を計測し、この2つのアンバランス修正量
をタイヤ側面からみてベクトルの合成で表される静アン
バランスの修正量の大きさ及び位置を演算し、静アンバ
ランス修正量に相当する錘を同位置におけるリム幅の中
心に固定し、その後動アンバランス修正量の大きさ及び
位置を計測し、動アンバランス修正量に相当する錘をリ
ムフランジの表裏に固定するようにしてもよい。
【0059】また、静動同時アンバランス計測機でリム
組付けタイヤの軸方向両端面におけるアンバランス修正
量の大きさ及び位置を計測し、この2つのアンバランス
修正量をタイヤ側面からみてベクトルの合成で表される
静アンバランス修正量の大きさ及び位置を演算し、静ア
ンバランス修正量に相当する錘を同位置におけるリムフ
ランジの表裏に半分ずつ固定し、その後、動アンバラン
ス修正量の大きさ及び位置を計測し、動アンバランス修
正量に相当する錘をリムフランジの表裏に固定するよう
にしてもよい。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、動
アンバランス修正量を最小にしているため、車の上下振
動やハンドルの異常振動等を防止した性能のよいリム組
付けタイヤを提供する事ができる、という効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】バランサーで計測したアンバランス修正量と静
アンバランス修正量との関係を示すリムの斜視図であ
る。
【図2】バランサーで計測したアンバランス修正量と動
アンバランス修正量との関係を示すリムの斜視図であ
る。
【図3】静アンバランス修正量、動アンバランス修正量
及び残留動アンバランス修正量の関係を示すリムの斜視
図である。
【図4】実施例1と同一のリム組付けタイヤに従来の2
面バランス法によって求めた錘を固定した状態を示すリ
ムの側面図である。
【図5】図4の正面図である。
【図6】実施例1における錘を固定した状態を示すリム
の側面図である。
【図7】図6の正面図である。
【図8】実施例2と同一のリム組付けタイヤに従来の2
面バランス法によって求めた錘を固定した状態を示すリ
ムの側面図である。
【図9】図8の正面図である。
【図10】実施例2における錘を固定した状態を示すリ
ムの側面図である。
【図11】図10の正面図である。
【図12】本発明の修正方法によるタイヤ組付け体の実
車による後輪のばね下左右方向の加速度を示す線図であ
る。
【図13】本発明の簡易修正方法によるタイヤ組付け体
の実車による後輪のばね下左右方向の加速度を示す線図
である。
【図14】従来の2面バランス方式によるタイヤ組付け
体の実車による後輪のばね下左右方向の加速度を示す線
図である。
【符号の説明】
10、12 アンバランス修正量 14 静アンバランス修正量 20 動アンバランス修正量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特公 昭56−12803(JP,B2) 三輪修三、下村玄共著「回転機械のつ りあわせ」(昭和51年7月30日初版発 行)コロナ社 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 1/00 - 1/38

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静アンバランス修正量と動アンバランス
    修正量とを同時に計測する静動同時アンバランス計測機
    で、リム組付けタイヤのリムの軸方向両端面におけるア
    ンバランス修正量の大きさ及びアンバランス修正量のリ
    ム端面周上の位置を計測し、 前記アンバランス修正量の大きさ及びアンバランス修正
    量のリム端面周上の位置に基づいて、静アンバランス修
    正量の大きさ、残留動アンバランス修正量の大きさを最
    小とする静アンバランス修正量のリム周上の位置を演算
    し、 前記静アンバランス修正量のリム周上の位置に前記静ア
    ンバランス修正量の大きさに相当する大きさの錘を固定
    し、 リム組付けタイヤのリムの軸方向両端面における残留動
    アンバランス修正量の大きさ及び残留動アンバランス修
    正量のリム端面周上の位置を計測し、 前記残留動アンバランス修正量のリム端面周上の位置に
    前記残留動アンバランス修正量の大きさに相当する大き
    さの錘を固定する、 リム組付けタイヤの重量アンバランス修正方法。
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