図1はLEDヘッドを光源に使用した電子写真プリンタの機構を説明する図であって、プリンタを横から見た断面図である。図1において、101aはブラック用のLEDヘッド、101bは紙面に垂直な軸を中心に回転自在に配設されたブラック用の像担持体である。像担持体101bは、図示しないモータによって駆動されて回転する。回転中に像担持体101bの表面は、像担持体101bの表面に接触して配置された図示しない担持体帯電器により均一に帯電される。帯電された像担持体101bの表面には、LEDヘッド101aの発光により潜像が形成される。このとき、LEDヘッド101aは、上位装置からの印刷データの内のブラック成分に従って発光する。図示しないトナー帯電器により供給される帯電したブラックトナーが上記潜像に付着して、像担持体101bの表面にトナー像が形成される。一方、図1に示す用紙が図1に示す搬送方向に搬送され、まず像担持体101bの下を通過するときに、像担持体101bの表面に形成されたブラックのトナー像が、転写ローラの電位により誘導され、モーターにより搬送される用紙上に転写される。
上記と同様に、101c,101dはイエロー用のLEDヘッドと像担持体、101e,101fはマゼンタ用のLEDヘッドと像担持体、101g,101hはシアン用のLEDヘッドと像担持体である。これらはブラック用のLEDヘッド101a,像担持体101bと同様に制御され、各像担持体の表面には各色のトナー像が形成される。
次に、用紙が像担持体101dの下を通過するときには、像担持体101dの表面に形成されたイエローのトナー像は、転写ローラの電位により誘導され、用紙上のブラックの像に重ねて転写される。以下同様に、像担持体101fの下を通過するときはマゼンタ、像担持体101hの下を通過するときはシアンの各トナー像が、上記用紙上に形成されているトナー像に重ねて形成される。そして、上記用紙上に形成された重ね合わされたトナー像は、用紙搬送方向の先に配設されたヒートローラ101jにより融解され、上記用紙上に定着して、印刷が終了する。
図2は図1の電子写真プリンタの機構において搬送途中の用紙を上から見た図である。図2において、用紙上の4本の線分は、LEDヘッド101a,101c,101e,101gの発光する位置を図示したものである。各LEDヘッドは互いに平行に設置されるように設計されるが、図2に示すように製造のばらつきにより不平行が発生してしまう。また、LEDヘッド自体も製造上の問題から直線ではなくある歪みを持っている。このようなLEDヘッド間の相対的な傾きとLEDヘッド自体の歪みは、像担持体上に形成される潜像の傾きや歪みになり、現像されたトナー像の傾きや歪みになり、そして用紙上に転写されたトナー像の傾きや歪みになる。この結果、各色の画像を重ね合わせた際に、色ずれが生じてしまい、画質を劣化させてしまう。
図3は上位装置から電子写真プリンタに送られた印刷データを印字すべき位置に配置した図であり、各欄にはその位置に印字すべきデータのラベルをdyx(xは主走査方向のドット位置(X座標)、yは副走査方向のドット位置(Y座標))の書式で表記している。
実施の形態1
本発明の実施の形態1は、LEDヘッドに複数のストローブ信号を入力し、LEDごとの駆動信号を上記複数のストローブ信号の中から選択できるように構成したものである。
図4は本発明の実施の形態1のLEDヘッドの構成図である。図4に示すように、実施の形態1のLEDヘッドは、第1,第2,…,第N(Nは2以上の整数)のLEDa1,a2,…,aNと、これらのLEDをそれぞれ駆動する第1,第2,…,第NのLED駆動回路b1,b2,…,bNと、第1,第2,…,第Nの選択回路c1,c2,…,cNとを備えている。この実施の形態1のLEDヘッドは、N個のLEDをアレイ状に配列したLEDヘッドにおいて、LED駆動回路をLEDごとに設け、LED駆動回路にLED駆動信号を出力する選択回路をLED駆動回路ごとに設けたものである。
図5は第n(nは1からNまでの任意の整数)のLED駆動回路bnの内部構成図である。図5に示すように、第nのLED駆動回路bnは、ANDゲートによって構成されたLEDドライバ1aと、ラッチ回路1bと、1ビットのレジスタ1cとを備えている。第1のLED駆動回路b1のデータ入力DI(レジスタ1cの入力)には印刷データが入力され、それ以降、第nのLED駆動回路bnのデータ出力DO(レジスタ1cの出力)が第(n+1)のLED駆動回路b(n+1)のデータ入力DIに接続されており、第1から第NまでのLED駆動回路のレジスタ1cによって、クロック入力CLKに入力されるクロック信号で動作するNビットのシフトレジスタを構成している。ラッチ回路1bは、レジスタ1cに書き込まされた印刷データを、ラッチ入力LATCHに入力されるラッチ信号に従ってラッチし、LEDドライバ1aに出力する。ANDゲートのLEDドライバ1aは、ラッチ回路1bの出力と、ストローブ入力STROBEに入力されるLED駆動信号(第1から第4のストローブ信号の内から選択された1本のストローブ信号)とを入力として、駆動出力DRVに接続されたLEDを駆動する。
実施の形態1の第nの選択回路cnは、4つの入力D1,D2,D3,D4に4本のストローブ信号が入力され、その中から選択した1本のストローブ信号を、第nのLED駆動信号として出力YDから第nのLED駆動回路bnのストローブ入力STROBEに出力する。また、選択回路cnの選択入力SEL[4:1]には、4ビットデータからなるストローブ選択データn[4:1]が入力される。つまり、選択入力SEL[4]にはストローブ選択データn[4:1]のビットn[4]が入力され、選択入力SEL[3]にはストローブ選択データn[4:1]のビットn[3]が入力され、選択入力SEL[2]にはストローブ選択データn[4:1]のビットn[2]が入力され、選択入力SEL[1]にはストローブ選択データn[4:1]のビットn[1]が入力される。
図6は選択回路cnの回路構成図である。図6に示すように、第nの選択回路cnは、4つのスリーステートバッファ2a,2b,2c,2dを備えている。この選択回路cnは、ストローブ信号1本当たり1つのスリーステートバッファで構成されており、選択回路cnに入力された4本のストローブ信号は、スリーステートバッファ2a,2b,2c,2dの信号入力に1本ずつ入力される。また、選択回路cnに入力されたストローブ選択データn[4:1]のそれぞれのビットは、4本のストローブ選択信号2g,2h,2k,2mとして、スリーステートバッファ2a,2b,2c,2dのイネーブル入力に1本ずつ入力される。
これら4本のストローブ選択信号2g,2h,2k,2mは、その内の1本のみを“1”とし、その他3本を“0”にするように制御される。“1”のストローブ選択信号がイネーブル入力に入力されたスリーステートバッファのみが、入力されたストローブ信号を出力し、その他3つのスリーステートバッファは出力がハイインピーダンス状態となるので、ストローブ選択信号が“1”のスリーステートバッファに入力されたストローブ信号が選択され、第nのLED駆動信号として第nのLED駆動回路bnに出力される。
ここで、4ビットのストローブ選択データn[4:1]の値は、ビットn[1]から順に4桁で表記する。例えば、n[1]=“1”,n[2]=n[3]=n[4]=“0”の場合、n[4:1]の値を“1000”と表記する。
図7は実施の形態1のLEDヘッドを制御して副走査方向の位置ずれを補正するLEDヘッド制御回路の構成図である。図7に示すように、実施の形態1の制御回路は、印刷シーケンス制御回路3aと、印刷データメモリ3bと、ストローブ選択ポート群3cと、ストローブ信号発生回路3j,3k,3m,3nと、CPU3pと、メモリ3qとを備えている。
印刷シーケンス制御回路3aは、ページ同期信号3eとライン同期信号3dとを入力として、印刷データメモリ3bにアドレスデータ3fを出力し、LEDヘッドにクロック信号3hを出力し、LEDヘッドおよびストローブ信号発生回路3j,3k,3m,3nにラッチ信号3iを出力する。上記の制御をするために、印刷シーケンス制御回路3aは、Y方向ずれ量メモリdと、Y座標カウンタeyと、X座標カウンタexとを内蔵している。
4つのストローブ信号発生回路3j,3k,3m,3nは、同様の構成であり、いずれもラッチ信号3iを入力として、それぞれ第1,第2,第3,第4のストローブ信号をLEDヘッドに出力する。これらのストローブ信号発生回路3j,3k,3m,3nは、それぞれ図示しないストローブ時間レジスタを内蔵している。
ストローブ選択ポート群3cは、第1,第2,…,第Nのストローブ選択ポートf1,f2,…,fNを備えている。第nのストローブ選択ポートfnには、ストローブ選択データn[4:1]が設定される。この第nのストローブ選択ポートfnは、設定されたストローブ選択データn[4:1]をLEDヘッドに出力する。
CPU3pは、メモリ3qに格納されたプログラムに従って制御動作をする。LEDヘッドを除く図7の各構成要素は、図示しないバスにより接続されており、CPU3pにより自由に読み書き可能なように構成されている。
LEDヘッドの前段の制御回路の印刷シーケンス制御回路3aから第1,第2,…,第NのLED駆動回路b1,b2,…,bNのクロック入力CLKにクロック信号3hが入力され、第1のLED駆動回路b1の前段の制御回路の印刷データメモリ3bから印刷データが送られると、第1のLED駆動回路b1のレジスタ1cから第NのLED駆動回路bNのシフトレジスタ1cまで順次印刷データが転送されて、全てのLED駆動回路のレジスタ1cに印刷データが書き込まれる。全てのLED群駆動回路のレジスタ1cに印刷データの書き込みが終了した時点で、印刷シーケンス制御回路3aからラッチ信号3iが入力されると、レジスタ1cに書き込まれた印刷データが全てのLED駆動回路のラッチ回路1bにコピー(ラッチ)される。そして、ストローブ信号をONにすると、LEDドライバ1aにより、ラッチ回路1bのレジスタに“1”が書き込まれた位置のLEDが発光する。
この実施の形態1では、LEDヘッドの駆動時間を調整するために、制御回路のCPU3pにより、ストローブ選択ポート群3cに例えば次のような値が設定される。
第1のストローブ選択ポートf1=“0001”
第2のストローブ選択ポートf2=“1000”
第3のストローブ選択ポートf3=“0100”
第4のストローブ選択ポートf4=“0010”
これにより、第1のLEDa1は第1のLED駆動信号として選択される第4のストローブ信号で駆動され、第2のLEDa2は第2のLED駆動信号として選択される第1のストローブ信号で駆動され、第3のLEDa3は第3のLED駆動信号として選択される第2のストローブ信号で駆動され、第4のLEDa4は第4のLED駆動信号として選択される第3のストローブ信号で駆動される。
ラッチ信号3iを入力するストローブ信号発生回路3j,3k,3m,3n内のストローブ時間レジスタには、それぞれ時間t1,t2,t3,t4に相当する値がCPU3pにより印字前に設定される。
コンピュータなどの上位装置から送られてデータ受信回路によって受信された図3に示す形式の印刷データ3rは、メモリ書き込み制御回路によって印刷データメモリ3bに書き込まれる。その後、印刷シーケンス制御回路3aによって、1ページの印刷シーケンスが制御され、1ページの印刷がなされる。
図8は実施の形態1のLEDヘッドおよびその制御回路の動作を説明するタイムチャートである。印刷シーケンス制御回路3aは、ラインタイミング制御回路から用紙の搬送に同期してライン同期信号3d,ページ同期信号3eが入力されると、アドレスデータ3f,クロック信号3hを出力して、1ライン分の印刷データを印刷データメモリ3bからLEDヘッドに転送させる。アドレスデータ3fを入力された印刷データメモリ3bは、印刷データ3gをLEDヘッドに出力する。1ライン分の印刷データの転送動作が終了すると、印刷シーケンス制御回路3aは、ラッチ信号3iをLEDヘッドおよびストローブ信号発生回路3h,3k,3m,3nに出力する。ラッチ信号3iを入力したストローブ信号発生回路3h,3k,3m,3nからそれぞれ第1,第2,第3,第4のストローブ信号がLEDヘッドに出力される。
図9は印刷シーケンス制御回路3aの印刷シーケンス制御を説明するフローチャートである。印刷シーケンス制御回路3aは、ステップ109aでページ同期信号=1になるまで待機し、ページ同期信号=1になったら、ステップ109bでY座標カウンタeyによってカウントされるY方向ドット位置Yのカウント値を0にする。次に、ステップ109cでライン同期信号=1になるまで待機し、ライン同期信号=1になったら、ステップ109dでX座標カウンタexによってカウントされるX方向ドット位置Xのカウント値を0にする。
次に、ステップ109eで、ドット位置(X,Y)に印刷する印刷データが書き込まれている印刷データメモリ3rのメモリアドレスADR[X,Y]を次式によって計算する。
ADR[X,Y]=(ライン幅)*(Y+d[X])+X…(1)
ここで、d[X]はY方向位置ずれ量メモリdに書き込まれているドット位置XでのY方向位置ずれ量である。そして、このメモリアドレスADR[X,Y]をアドレスデータ3fとして印刷データメモリ3rのアドレス入力ADRに出力し、メモリアドレスADR[X,Y]に書き込まれている印刷データを印刷データメモリ3rからLEDヘッドの第1のLED駆動回路b1に出力させて、ステップ109fで、クロック信号3hを1クロック出力して、上記の印刷データを第1のLED駆動回路b1内のレジスタに書き込む。さらに、ステップ109gで、ドット位置Xのカウント値を更新し、ステップ109hで、1ライン分の印刷データの転送を終了するまで上記ステップ109e,109f,109gの処理を繰り返す。
次に、1ライン分の印刷データの転送を終了したら、ステップ109kで、ラッチ信号3iを出力して、上記1ライン分の印刷データを第1から第Nまでの全てのLED駆動回路内のラッチ回路にそれぞれラッチさせる。さらに、ステップ109mで、ドット位置Yのカウント値を更新し、ステップ109nで、1ページ分の印刷データの転送を終了するまで、上記ステップ109dから199mまでの処理を繰り返す。
図10はストローブ信号発生回路3j,3k,3m,3nの動作を説明するフローチャートである。それぞれのストローブ信号発生回路は、ステップ5aでラッチ信号が1になるまで待機し、ステップ5bでラッチ信号が0になるまで待機する。ステップ5cでストローブ信号に1を出力し、ステップ5dでストローブ時間レジスタに設定された値に相当する時間待機した後、ステップ5eでストローブ信号を0にする。
この実施の形態1では、CPU3pがストローブ信号発生回路3j,3k,3m,3n内のストローブ時間レジスタにそれぞれ時間t1,t2,t3,t4に相当する値をあらかじめ設定しているので、ストローブ信号発生回路3jは時間t1の幅の第1のストローブ信号を出力し、ストローブ信号発生回路3kは時間t2の幅の第2のストローブ信号を出力し、ストローブ信号発生回路3mは時間t3の幅の第3のストローブ信号を出力し、ストローブ信号発生回路3nは時間t4の幅の第4のストローブ信号を出力する。
これら4本のストローブ信号が入力されるLEDヘッドにおいて、第1の選択回路c1の選択入力SEL[4:1]には第1のストローブ選択ポートf1に設定されたストローブ選択データ“0001”が入力されるので、第1の選択回路c1は第4のストローブ信号を第1のLED駆動信号として第1のLED駆動回路b1に出力する。また、第2の選択回路c2の選択入力SEL[4:1]には第2のストローブ選択ポートf2に設定されたストローブ選択データ“1000”が入力されるので、第2の選択回路c2は第1のストローブ信号を第2のLED駆動信号として第2のLED駆動回路b2に出力する。また、第3の選択回路c3の選択入力SEL[4:1]には第3のストローブ選択ポートf3に設定されたストローブ選択データ“0100”が入力されるので、第3の選択回路c3は第2のストローブ信号を第3のLED駆動信号として第3のLED駆動回路b3に出力する。また、第4の選択回路c4の選択入力SEL[4:1]には第4のストローブ選択ポートf4に設定されたストローブ選択データ“0010”が入力されるので、第4の選択回路c4は第3のストローブ信号を第4のLED駆動信号として第4のLED駆動回路b4に出力する。
従って、第1のLEDa1は第1のLED駆動回路b1によって時間t4だけ駆動され、第2のLEDa2は第2のLED駆動回路b2によって時間t1だけ駆動され、第3のLEDa3は第3のLED駆動回路b3によって時間t2だけ駆動され、第4のLEDa4は第4のLED駆動回路b4によって時間t3だけ駆動される。そして、このような動作がライン同期信号3dの周期で繰り返される。
このように、実施の形態1では、ストローブ選択ポート群に設定する値により、LEDヘッドを構成するドット(LED)ごとに、駆動信号を複数のストローブ信号から互いに独立に選択できるようになり、駆動時間を互いに独立に変更できるようになる。
以上のように実施の形態1によれば、ストローブ選択ポート群3cに設定する値によりLEDヘッドを構成するドット(LED)ごとに駆動信号を複数のストローブ信号から選択できるようになるので、例えばLEDヘッドの製造過程で発生するLEDごとの光量のばらつきをストローブ選択データを使って補正することが可能である。
実施の形態2
図11は本発明の実施の形態2のLEDヘッド制御回路の構成図であり、図7と同様のものには同じ符号を付してある。図11に示すように、実施の形態2の制御回路は、印刷シーケンス制御回路3aと、印刷データメモリ3bと、ストローブ選択ポート群3cと、ストローブ信号発生回路3j,3k,3m,3nと、CPU3pと、メモリ3qと、ストローブ遅延発生回路6aを備えている。この実施の形態2の制御回路は、上記実施の形態1の制御回路(図7参照)において、ストローブ遅延発生回路6aを追加したものである。なお、実施の形態2のLEDヘッドは、上記実施の形態1のLEDヘッド(図4参照)と同様の構成である。
ストローブ遅延発生回路6aは、印刷シーケンス制御回路3aからのラッチ信号3iを入力として、トリガ信号6b,6c,6d,6eをそれぞれストローブ信号発生回路3j,3k,3m,3nに出力する。このストローブ遅延発生回路6aは、図示しない第1、第2,第3の遅延時間レジスタを内蔵している。また、ストローブ遅延発生回路6aは、図示しないバスによりCPU3pに接続されており、内蔵する遅延時間レジスタはCPU3pにより自由に読み書き可能なように構成されている。
この実施の形態2では、LEDヘッドの駆動タイミングを調整するために、制御回路のCPU3pによりストローブ選択ポート群3cに例えば次のような値が設定される。
第1のストローブ選択ポートf1=“1000”
第2のストローブ選択ポートf2=“1000”
第3のストローブ選択ポートf3=“0100”
第4のストローブ選択ポートf4=“0100”
第5のストローブ選択ポートf5=“0010”
第6のストローブ選択ポートf6=“0010”
第7のストローブ選択ポートf7=“0001”
第8のストローブ選択ポートf8=“0001”
これにより、第1,第2のLEDa1,a2は第1,第2のLED駆動信号として選択される第1のストローブ信号で駆動され、第3,第4のLEDa3,a4は第3,第4のLED駆動信号として選択される第2のストローブ信号で駆動され、第5,第6のLEDa5,a6は第5,第6のLED駆動信号として選択される第3のストローブ信号で駆動され、第7,第8のLEDa7,a8は第7,第8のLED駆動信号として選択される第4のストローブ信号で駆動される。
ストローブ信号発生回路3j,3k,3m,3n内のストローブ時間レジスタには、それぞれ時間t1,t2,t3,t4に相当する値がCPU3pにより印字前に設定される。また、ストローブ遅延発生回路6a内の第1,第2,第3の遅延時間レジスタには、それぞれ時間t12,t23,t34に相当する値がCPU3pにより設定される。
コンピュータなどの上位装置から送られてデータ受信回路によって受信された図3に示す形式の印刷データ3rは、メモリ書き込み制御回路によって印刷データメモリ3bに書き込まれる。その後、印刷シーケンス制御回路3aによって、1ページの印刷シーケンスが制御され、1ページの印刷がなされる。
図12は実施の形態2のLEDヘッドおよびその制御回路の動作を説明するタイムチャートであり、図8と同様のものには同じ符号を付してある。ストローブ信号間の遅延時間は、ライン周期tLの1/4であって、t12=t23=t34=tL/4と設定されている。ページ同期信号3d,ライン同期信号3e,クロック信号3h,印刷データ3g,ラッチ信号3iのタイミングは、上記実施の形態1で説明した動作と同じである。印刷シーケンス制御回路3aは、ページ同期信号3e,ライン同期信号3dが入力されると、アドレスデータ3f,クロック信号3hを出力して、1ライン分の印刷データを印刷データメモリ3bからLEDヘッドに転送させる。アドレスデータ3fを入力された印刷データメモリ3bは、印刷データ3gをLEDヘッドに出力する。1ライン分の印刷データの転送動作が終了すると、印刷シーケンス制御回路3aは、ラッチ信号3iをLEDヘッドおよびストローブ遅延発生回路6aに出力する。ラッチ信号3iを入力したストローブ遅延発生回路6aからトリガ信号6b,6c,6d,6eが出力され、ストローブ信号発生回路3h,3k,3m,3nからそれぞれ第1,第2,第3,第4のストローブ信号がLEDヘッドに出力される。
図13はラッチ信号3iを入力したストローブ遅延発生回路6aの動作を説明するフローチャートである。ストローブ遅延発生回路6aは、ステップ8aでラッチ信号=1になるまで待機し、ステップ8bでラッチ信号=0になるまで待機する。ステップ8cでトリガ信号6bを出力し、ステップ8dで第1の遅延時間レジスタに設定された値に相当する時間t12待ち、ステップ8eでトリガ信号6cを出力する。以下ステップ8f,8g,8h,8kで同様に、第2の遅延時間レジスタに設定された値に相当する時間t23遅れてトリガ信号6d、さらに第3の遅延時間レジスタに設定された値に相当する時間t34遅れてトリガ信号6eを出力する。
この実施の形態2では、CPU3pが、ストローブ遅延発生回路6a内の第1,第2,第3の遅延時間レジスタにそれぞれ時間t12,t23,t34に相当する値をあらかじめ設定し、ストローブ信号発生回路3j,3k,3m,3n内のストローブ時間レジスタにそれぞれ時間t1,t2,t3,t4に相当する値をあらかじめ設定しているので、ストローブ信号発生回路3jはラッチ信号3iの出力終了から時間t1の幅の第1のストローブ信号の出力を開始し、ストローブ信号発生回路3kはラッチ信号3iの出力終了から時間t12遅れて時間t2の幅の第2のストローブ信号の出力を開始し、ストローブ信号発生回路3mはラッチ信号3iの出力終了から時間(t12+t23)遅れて時間t3の幅の第3のストローブ信号の出力を開始し、ストローブ信号発生回路3nはラッチ信号3iの出力終了から時間(t12+t23+t34)遅れて時間t4の幅の第4のストローブ信号の出力を開始する。
これら4本のストローブ信号が入力されるLEDヘッドにおいて、第1,第2の選択回路c1,c2の選択入力SEL[4:1]には第1のストローブ選択ポートf1,f2に設定されたストローブ選択データ“1000”が入力されるので、第1,第2の選択回路c1,c2は第1のストローブ信号を第1のLED駆動信号としてそれぞれ第1,第2のLED駆動回路b1,b2に出力する。また、第3,第4の選択回路c3,c4の選択入力SEL[4:1]には第3,第4のストローブ選択ポートf3,f4に設定されたストローブ選択データ“0100”が入力されるので、第3,第4の選択回路c3,c4は第2のストローブ信号を第3,第4のLED駆動信号としてそれぞれ第3,第4のLED駆動回路b3,b4に出力する。また、第5,第6の選択回路c5,c6の選択入力SEL[4:1]には第5,第6のストローブ選択ポートf5,f6に設定されたストローブ選択データ“0010”が入力されるので、第5,第6の選択回路c5,c6は第3のストローブ信号を第5,第6のLED駆動信号としてそれぞれ第5,第6のLED駆動回路b5,b6に出力する。また、第7,第8の選択回路c7,c8の選択入力SEL[4:1]には第7,第8のストローブ選択ポートf7,f8に設定されたストローブ選択データ“0001”が入力されるので、第7,第8の選択回路c7,c8は第4のストローブ信号を第7,第8のLED駆動信号としてそれぞれ第7,第8のLED駆動回路b7,b8に出力する。
従って、ラッチ信号3iの入力から第1,第2のLEDa1,a2の駆動が開始され、第1のLEDa1の駆動開始から時間t12遅れて第3,第4のLEDa3,a4の駆動が開始され、第2のLEDa2の駆動開始から時間t23遅れて第5,第6のLEDa5,a6の駆動が開始され、第5のLEDa5の駆動開始から時間t34遅れて第7,第8のLEDa7,a8の駆動が開始される。そして、このような動作がライン同期信号3dの周期で繰り返される。
このように、実施の形態2では、ストローブ選択ポート群に設定する値により、LEDヘッドを構成するドットごとに、駆動開始タイミングを互いに独立に変更できるようになる。
図1の電子写真プリンタにおいて、回転する像担持体101b,101d,101f,101hに対面して配置されたLEDヘッド101a,101c,101e,101gに設けられているLEDが発光すると、このLEDに対面する位置にある像担持体上のLEDと対向する位置にある点に静電潜像が形成される。
実施の形態2のLEDヘッドは上記実施の形態のLEDヘッド(図4参照)と同様であり、このLEDヘッドを実施の形態2の制御回路(図11参照)により制御すれば、発光タイミングが変更できるようになる。図14はこのような実施の形態2の特徴が静電潜像形成に与える効果を説明した図である。図14において、像担持体12dは、印刷が開始されると軸12eを中心として回転する。このときの回転速度は像担持体の表面において回転方向にvとする。あるタイミングでLED12aが発光したときの潜像が点12bに形成される場合、前記タイミングより時間t遅れてLED12aが発光した場合の潜像は点12cに形成される。このとき、点12bと点12cの間の距離Lは、L=v×tで表される。
図15は実施の形態2の制御回路のストローブ選択ポート群3c(図11参照)に設定するストローブ選択データによって静電潜像の位置が変更されることを示す図である。この図15において、像担持体の表面は矢印13pの方向に速度vで移動していると仮定する。ストローブ選択ポート群3cの内の第1のストローブ選択ポートf1から第8のストローブ選択ポートf8までに同じストローブ選択データ“1000”を設定した場合に、第1のLEDa1から第8のLEDa8までによって形成される静電潜像の位置をそれぞれ示したものが、13a,13b,13c,13d,13e,13f,13g,13hである。
次に、第1,第2のストローブ選択ポートf1,f2にはストローブ選択データ“1000”、第3,第4のストローブ選択ポートf3,f4にはストローブ選択データ“0100”、第5,第6のストローブ選択ポートf5,f6にはストローブ選択データ“0010”、第7,第8のストローブ選択ポートf7,f8にはストローブ選択データ“0001”を設定した場合に、第1のLEDa1から第8のLEDa8によって形成される静電潜像の位置をそれぞれ示したものが、13c’,13d’,13e’,13f’,13g’,13h’である。まず、第1,第2のLEDa1,a2の駆動タイミングは変更しない設定なので、潜像位置は移動しない。第3,第4のLEDa3,a4は時間t12遅れて駆動されるので、潜像はそれぞれ13c’,13d’に移動する。このときの移動量13kはt12×vで表される。次に、第5,第6のLEDa5,a6は時間(t12+t23)遅れて駆動されるので、潜像はそれぞれ13e’,13f’に移動し、そのときの移動距離13mは(t12+t23)×vで表される。次に、第7,第8のLEDa7,a8は時間(t12+t23+t34)遅れて駆動されるので、潜像はそれぞれ13g’,13h’に移動し、そのときの移動距離は(t12+t23+t34)×vで表される。このようにして、各LEDによって形成される潜像の位置は、LEDごとに異なる移動距離で副走査方向に移動できる。
このように、実施の形態2のLEDヘッドおよびその制御回路を電子写真プリンタに使用することにより、形成される潜像の副走査方向の位置をLEDごとに異なる距離で移動できるようになる。
この実施の形態2では、ストローブ信号間の遅延時間をt12=t23=t34=tL/4と設定しており、ストローブ信号の時間差がライン周期tLの1/4なので、ストローブ信号の選択による潜像の位置補正は、ライン間距離の1/4の単位で可能である。
LEDヘッドを電子写真プリンタ等の画像形成装置に実装すると、LEDヘッドの方向は製造ばらつきにより目的とする印字位置からずれてしまうことがあるが、図16はLEDヘッドの目的とする印字位置21aとLEDヘッドの実際の印字位置21bを説明する図である。図16に示すように、第1ドットは目標位置よりH(=h/600)[インチ]、第Nドットは目標位置よりM(=m/600)[インチ]ずれている。このとき、LEDヘッドの左端からXドットにおける目標印字位置とLEDの位置のずれをY(=y/600)[インチ]とすると、Yは次式で表される。
Y=ABS(M−H)/(N−1)*(X−1)+MIN(M,H)…(2)
ここで、ABS(A)はAの絶対値、MIN(A,B)はAとBの少ないほうの数字を意味する。
図17は実施の形態2のLEDヘッド制御回路においてのストローブ選択データの設定手順を説明するフローチャートであり、ドット密度を600[DPI(ドット/インチ)]とした場合の設定手順である。図17のフローチャートを実行するプログラムはメモリ3qに格納されており、このプログラムをCPU3pが実行することによりストローブ選択データの設定がなされる。
まず、ステップ22aでは、LEDヘッドが目標印字位置に対してどのくらいずれているかを計測する。計測の方法については従来より多くの方法が提案されているので、ここでは詳細を説明しない。計測の結果、図16に示すずれ量H,Mが求められる。ステップ22bで、ドット位置Xのドットカウンタを初期化した後、ステップ22cで、ドット位置Xにおけるずれ量Y[X]が計算される。このY[X]は、次式によって計算される。
Y[X]=ABS(M−H)/(N−1)*(X−1)+MIN(M,H)…(3)
ここで、MIN(M,H)は、MとHの内、最小の値を表す。
次に、ステップ22dで、このインチを単位とするずれ量Y[X]を、ライン間距離を単位とする値YH[X]と、ライン間距離の1/4を単位とする値YL[X]に分解する。これらYH[X],YL[X]は、次式によって計算される。
YH[X]=INT(600*Y[X])…(4)
YL[X]=INT(600*4*Y[X])−YH[X]*4…(5)
ここで、INT(A)はAの小数点以下を切り捨てた数字を意味する。
ライン間距離を単位とするずれ量YHの補正は従来方式と同様であり、ステップ22eで、YH[X]の値を印刷シーケンス制御回路3aのY方向位置ずれ量メモリdに、ドット位置XにおいてのY方向位置ずれ量d[X]として格納して、従来の位置ずれ補正処理をする。なお、このYH[X]の算出処理およびYH[X]を用いた補正処理は、上記実施の形態1においても同様に使用される。ステップ22fでは、ずれ量YL[X]が取り得る値0,1,2,3を、それぞれ“1000”,“0100”,“0010”,“0001”に変換して、ストローブ選択ポート群3cの第Xのストローブ選択ポートfXに設定する。ステップ22gで、ドット位置Xのドットカウンタを更新し、ステップ22hで、上記処理をヘッド長となるドットNまで繰り返すように制御する。上記処理が終了したら通常の印刷制御が行われる。
例として、ヘッド長L=1000のLEDヘッドを使用しており、図17のステップ22aでの計測の結果、ずれ量がh=H*600=0,m=M*600=125であった場合、上記の計算方法により第1のLEDa1から第8のLEDa8までのずれ量を計算すると、図18のようになる。
図19は図12のタイムチャートによって印刷された印刷結果を示す図である。図19において、斜線はそれぞれ時刻H0,H1,H2,H3,…におけるLEDヘッドの中心線の位置を示したものであり、点線は目標印刷位置を示したものである。第1,第2のLED駆動信号には第1のストローブ信号が出力されるので、第1,第2のLEDa1,a2は時刻H0,H4,H8,…で駆動される。また、第3,第4のLED駆動信号には第2のストローブ信号が出力されるので、第3,第4のLEDa3,a4は時刻H1,H5,H9,…で駆動される。同様に、第5,第6のLED駆動信号には第3のストローブ信号が出力されるので、第5,第6のLEDa5,a6は時刻H2,H6,H10,…で駆動され、第7,第8のLED駆動信号には第4のストローブ信号が出力されるので、第7,第8のLEDa7,a8は時刻H3,H7,H11,…で駆動される。この結果、図19に示す位置のドットが印刷される。図19に示すドット印刷位置の誤差を見れば、従来の補正の印刷結果である図46と比較して、ドットの補正精度が大幅に向上していることが判る。
以上のように実施の形態2によれば、ストローブ選択ポート群に設定する値によりLEDヘッドを構成するドット(LED)ごとに駆動開始時間を変更できるようになり、そのLEDヘッドおよび制御回路を電子写真プリンタに使用した場合に、像担持体に形成される潜像の副走査方向の位置をLEDごとに異なる距離で補正できるようになる。そして、LEDヘッドの傾きから計算したずれ量に基づいてLEDの発光タイミングを調整することで、LEDヘッドの傾きによる印刷の副走査方向の位置ずれを減少できるので、カラー画像の重ね合わせでの色ずれを減らし、高品位のカラー画像を印刷できる。
なお、上記実施の形態2は、上記実施の形態1の制御回路にストローブ遅延発生回路6aを設け、4つのストローブ信号の出力時間および出力タイミングを個別に調整できるようにしたものであるが、出力時間は固定値として、出力タイミングのみを個別に調整できるようにすることも可能である。
実施の形態3
上記実施の形態1では、LEDヘッド内の個々のLEDのストローブ信号を複数のストローブ信号から選択できるようにしたが、実際のLEDヘッドでは複数のLEDをまとめて1個のチップ上に配置してあり、同一チップ内でのLEDの光量は大きくばらつかないので、個々のLEDのストローブが選択できる上記実施の形態1の構成では選択回路が冗長である。また、上記実施の形態2で説明したような斜め補正を目的として本発明のLEDヘッドを使用する場合においても、実際の装置においてはLEDヘッドの傾きは300[mm]当り1[mm]以下程度と微小であるため、補正精度を例えば1/4800[インチ]に設定した場合では、傾きにより1/4800[インチ]のずれが生じるまでに平均40ドット横に移動する必要がある。つまり、ストローブ選択データは平均で連続40ドット同じ値となってしまうので、全LEDごとに1個づつ設けた選択回路が冗長である。本発明の実施の形態3では、LEDヘッド内の互いに隣接するk個のLEDをLED群と呼ぶ制御単位とし、上記選択回路を、LEDごとに1個設けるのではなく、LED群ごとに1個だけ設けるようにしたLEDヘッドおよびその制御回路について説明する。
図20は本発明の実施の形態3のLEDヘッドの構成図である。図20に示すように、実施の形態3のLEDヘッドは、第1,第2,…,第G(Gは2以上の整数)のLED群p1,p2,…,pGと、これらのLED群をそれぞれ駆動する第1,第2,…,第GのLED群駆動回路q1,q2,…,qGと、第1,第2,…,第Gの選択回路r1,r2,…,rGとを備えている。第1,第2,…,第GのLED群p1,p2,…,pGは、それぞれk1個,k2個…,kG個のアレイ状に配列されたLEDで構成されている。ここでは、k1=k2=…=kG=kとする。このLEDヘッドでは、合計G×k=N個のLEDがアレイ状に配列されている。また、第g(gは1からGまでの任意の整数)の選択回路rgの構成は、上記実施の形態1の選択回路cn(図4および図6参照)と同様である。
この実施の形態3のLEDヘッドの構成は、隣接するk個のLEDを1つの制御単位であるLED群とし、それぞれk個のLEDから構成されたLED群を駆動するLED群駆動回路をG個設け、LED群駆動回路ごとに1個の選択回路を設けたものであって、図4ではLEDヘッド内のLEDの個数分であるN個設けていたLED駆動回路をG(=N/k)個のLED群駆動回路とし、図4ではN個設けていた選択回路をG(=N/k)個に削減した構成である。
図21は第gのLED群駆動回路qgの内部構成図である。図21に示すように、LED群駆動回路qgは、k個のANDゲートによって構成されたLEDドライバ群106aと、kビットのラッチ回路106bと、kビットのシフトレジスタ106cとを備えている。第1のLED群駆動回路q1のデータ入力DI(シフトレジスタ106cの入力)には印刷データが入力され、それ以降、第gのLED群駆動回路qgのデータ出力DO(シフトレジスタ106cの出力)が第(g+1)のLED群駆動回路q(g+1)のデータ入力DIに接続されており、第1から第GまでのLED群駆動回路のシフトレジスタ106cによって、クロック入力CLKに入力されるクロック信号で動作するk×G=Nビットのシフトレジスタを構成している。ラッチ回路106bは、シフトレジスタ106cに書き込まされた印刷データを、ラッチ入力LATCHに入力されるラッチ信号に従ってラッチし、LEDドライバ群106aに出力する。第gのLED群駆動回路qgのLEDドライバ群106aのそれぞれのANDゲートは、ラッチ回路106bの出力と、ストローブ入力STROBEに入力されるLED駆動信号(第1から第4のストローブ信号の内から選択された1本のストローブ信号)とを入力として、駆動出力DRV1,DRV2,…,DRVkに接続された第gのLED群pgのk個のLEDをそれぞれ駆動する。
図22は本発明の実施の形態3のLEDヘッド制御回路の構成図であり、図7と同様のものには同じ符号を付してある。図22に示すように、実施の形態3の制御回路は、印刷シーケンス制御回路3aと、印刷データメモリ3bと、ストローブ選択ポート群52aと、ストローブ信号発生回路3j,3k,3m,3nと、CPU3pと、メモリ3qとを備えている。この実施の形態3の制御回路は、上記実施の形態1の制御回路(図7参照)において、LEDヘッド内のLEDの個数分であるN組のストローブ選択ポートを設けたストローブ選択ポート群3cをG組のストローブ選択ポートを設けたストローブ選択ポート群52aに置き換え、ストローブ選択ポート数をN組からG(=N/k)組に削減した構成である。
ストローブ選択ポート群52aは、第1,第2,…,第Gのストローブ選択ポートs1,s2,…,sGを備えている。第gのストローブ選択ポートsgには、4ビットのストローブ選択データg[4:1]が設定される。このストローブ選択ポートsgは、設定されたストローブ選択データg[4:1]をLEDヘッドに出力する。
LEDヘッドの前段の制御回路の印刷シーケンス制御回路3aから第1,第2,…,第GのLED群駆動回路q1,q2,…,qGのクロック入力CLKにクロック信号3hが入力され、第1のLED群駆動回路q1の前段の制御回路の印刷データメモリ3bから印刷データが送られると、第1のLED群駆動回路q1のシフトレジスタ106cから第GのLED群駆動回路qGのシフトレジスタ106cまで順次印刷データが転送されて、全てのLED群駆動回路のシフトレジスタ106cに印刷データが書き込まれる。全てのLED群駆動回路のシフトレジスタ106cに印刷データの書き込みが終了した時点で、印刷シーケンス制御回路3aからラッチ信号3iが入力されると、シフトレジスタ106cに書き込まれたデータが全てのLED群駆動回路のラッチ回路106bにコピー(ラッチ)される。そして、ストローブ信号をONにすると、LEDドライバ群106aにより、ラッチ回路106bのレジスタに“1”が書き込まれた位置のLEDが発光する。
この実施の形態3では、LEDヘッドの駆動時間を調整するために、制御回路のCPU3pにより、ストローブ選択ポート群52aに例えば次のような値が設定される。
第1のストローブ選択ポートs1=“0001”
第2のストローブ選択ポートs2=“1000”
第3のストローブ選択ポートs3=“0100”
第4のストローブ選択ポートs4=“0010”
これにより、第1のLED群p1を駆動する第1のLED群駆動回路q1に第1の選択回路r1から出力される第1のLED群駆動信号には第4のストローブ信号が、第2のLED群p2を駆動する第2のLED群駆動回路q2に第2の選択回路r2から出力される第2のLED群駆動信号には第1のストローブ信号が、第3のLED群p3を駆動する第3のLED群駆動回路q3に第3の選択回路r3から出力される第3のLED群駆動信号には第2のストローブ信号が、第4のLED群p4を駆動する第4のLED群駆動回路q4に第4の選択回路r4から出力される第4のLED群駆動信号には第3のストローブ信号が、それぞれ選択される。
図23は本発明の実施の形態3において制御回路によって制御されるLEDヘッドの動作を説明するタイムチャートであり、図8と同様のものには同じ符号を付してある。上記実施の形態1ではLEDごとに異なるストローブ時間を与えるように制御されていたが(図8参照)、この実施の形態3では、図23に示すように、1つのLED群を構成するk個のLEDごとに共通のストローブ時間が与えられる。つまり、LED群ごとに異なるストローブ時間を与えるように制御される。
以上のように実施の形態3によれば、近接したk個のLED当り1個の選択回路を設けることで、LEDヘッド内のストローブ信号の選択回路が1/kに削減できると同時に、制御回路のストローブ選択ポートも1/kに削減できるので、LEDヘッドおよび制御回路の大幅なコスト削減が期待できる。
実施の形態4
図24は本発明の実施の形態4のLEDヘッド制御回路の構成図であり、図11または図22と同様のものには同じ符号を付してある。図24に示すように、実施の形態4の制御回路は、印刷シーケンス制御回路3aと、印刷データメモリ3bと、ストローブ選択ポート群52aと、ストローブ信号発生回路3j,3k,3m,3nと、CPU3pと、メモリ3qと、ストローブ遅延発生回路6aを備えている。この実施の形態4の制御回路は、上記実施の形態2の制御回路(図11参照)において、LEDごとのストローブ選択ポートを設けたストローブ選択ポート群3cをLED群ごとのストローブ選択ポートを設けたストローブ選択ポート群52aに置き換え、ストローブ選択ポート数をN組からG(=N/k)組に削減した構成である。なお、実施の形態4のLEDヘッドの構成は、上記実施の形態3のLEDヘッド(図20参照)と同様である。
この実施の形態4では、LEDヘッドの駆動タイミングを調整するために、制御回路のCPU3pにより、ストローブ選択ポート群52aに例えば次のような値が設定される。
第1のストローブ選択ポートs1=“1000”
第2のストローブ選択ポートs2=“0100”
第3のストローブ選択ポートs3=“0010”
第4のストローブ選択ポートs4=“0001”
これにより、第1のLED群p1を駆動する第1のLED群駆動回路q1に第1の選択回路r1から出力される第1のLED群駆動信号には第1のストローブ信号が、第2のLED群p2を駆動する第2のLED群駆動回路q2に第2の選択回路r2から出力される第2のLED群駆動信号には第2のストローブ信号が、第3のLED群p3を駆動する第3のLED群駆動回路q3に第3の選択回路r3から出力される第3のLED群駆動信号には第3のストローブ信号が、第4のLED群p4を駆動する第4のLED群駆動回路q4に第4の選択回路r4から出力される第4のLED群駆動信号には第4のストローブ信号が、それぞれ選択される。
図25は本発明の実施の形態4のLEDヘッド制御回路およびLEDヘッドの動作を説明するタイムチャートであり、図12と同様のものには同じ符号を付してある。上記実施の形態2ではLED個々のストローブタイミングが制御されていたが(図12参照)、この実施の形態4では、図25に示すように、LED群ごとに1個のストローブタイミングが選択されるように制御される。
図26は図25のタイムチャートによって印刷された印刷結果を示す図である。図26において、図19と同様のものには同じ符号を付してあり、56aは目標印刷位置である。第1のLED群駆動信号には第1のストローブ信号が出力されるので、第1のLED群p1は時刻H0,H4,H8,…で駆動される。また、第2のLED群駆動信号には第2のストローブ信号が出力されるので、第2のLED群p2は時刻H1,H5,H9,…で駆動される。同様に、第3のLED群駆動信号には第3のストローブ信号が出力されるので、第3のLED群p3は時刻H2,H6,H10,…で駆動され、第4のLED群駆動信号には第4のストローブ信号が出力されるので、第4のLED群p4は時刻H3,H7,H11,…で駆動される。この結果、図26に示す位置のドットが印刷される。
以上のように実施の形態4によれば、近接したk個のLED当り1個の選択回路を設けることで、LEDヘッド内のストローブ信号の選択回路が1/kに削減できると同時に、制御回路のストローブ選択ポートも1/kに削減できるので、上記実施の形態3と同様にLEDヘッドおよび制御回路の大幅なコスト削減が期待できる。
実施の形態5
図27は本発明の実施の形態5のLEDヘッドの構成図であり、図4と同様のものには同じ符号を付してある。図27に示すように、実施の形態5のLEDヘッドは、第1,第2,…,第NのLEDa1,a2,…,aNと、第1,第2,…,第NのLED駆動回路b1,b2,…,bNと、第1,第2,…,第Nの選択回路u1,u2,…,uNとを備えている。この実施の形態5のLEDヘッドの構成は、上記実施の形態1のLEDヘッド(図4参照)において、4ビットのストローブ選択データが入力される第n(nは1からNまでの任意の整数)の選択回路cnを、符号化された2ビットのストローブ選択データn[2:1]を入力できる第nの選択回路unに置き換えたものである。
この実施の形態5の第nの選択回路unは、上記実施の形態1の第nの選択回路cnと同じように、4つの入力D1,D2,D3,D4に4本のストローブ信号が入力され、その中から選択した1本のストローブ信号を、第nのLED駆動信号として出力YDから第nのLED駆動回路bnのストローブ入力STROBEに出力する。また、選択回路unの選択入力SEL[2:1]には、符号化された2ビットデータからなるストローブ選択データn[2:1]が入力される。つまり、選択入力SEL[2]にはストローブ選択データn[2:1]のビットn[2]が入力され、選択入力SEL[1]にはストローブ選択データn[2:1]のビットn[1]が入力される。
図28は選択回路unの回路構成図であり、図6と同様のものには同じ符号を付してある。図28に示すように、第nの選択回路unは、4つのスリーステートバッファ2a,2b,2c,2dと、2つのインバータ62a,62bと、4つのANDゲート62c,62d,62e,62fとを備えている。この選択回路unは、ストローブ信号1本当たり1つのスリーステートバッファで構成されており、選択回路unに入力された4本のストローブ信号は、スリーステートバッファ2a,2b,2c,2dの信号入力に1本ずつ入力される。また、選択回路unに入力された符号化された2ビットのストローブ選択データn[2:1]は、インバータ62a,62bと、4つのANDゲート62c,62d,62e,62fによって4本のイネーブル信号62g,62h,62k,62mにデコードされ、これら4本のイネーブル信号62g,62h,62k,62mは、スリーステートバッファ2a,2b,2c,2dのイネーブル入力に1本ずつ入力される。
これら4本のストローブ選択信号62g,62h,62k,62mは、その内の1本のみを“1”とし、その他3本を“0”にするように制御される。“1”のストローブ選択信号がイネーブル入力に入力されたスリーステートバッファのみが、入力されたストローブ信号を出力し、その他3つのスリーステートバッファは出力がハイインピーダンス状態となるので、ストローブ選択信号が“1”のスリーステートバッファに入力されたストローブ信号が選択され、第nのLED駆動信号として第nのLED駆動回路bnに出力される。
ここで、符号化された2ビットのストローブ選択データn[2:1]の値は、ビットn[1]から順に2桁で表記する。例えば、n[1]=“1”,n[2]=“0”の場合、n[2:1]の値を“10”と表記する。
図29は本発明の実施の形態5のLEDヘッド制御回路の構成図であり、図7と同様のものには同じ符号を付してある。図29に示すように、実施の形態5の制御回路は、印刷シーケンス制御回路3aと、印刷データメモリ3bと、ストローブ選択ポート群63aと、ストローブ信号発生回路3j,3k,3m,3nと、CPU3pと、メモリ3qとを備えている。この実施の形態5の制御回路は、上記実施の形態1の制御回路(図7参照)において、それぞれ4ビットのストローブ選択データが設定されるN組のストローブ選択ポートを設けたストローブ選択ポート群3cを、それぞれ符号化された2ビットのストローブ選択データが設定されるN組のストローブ選択ポートを設けたストローブ選択ポート群63aに置き換えたものである。
ストローブ選択ポート群63aは、第1,第2,…,第Nのストローブ選択ポートv1,v2,…,vNを備えている。第nのストローブ選択ポートvnには、符号化された2ビットのストローブ選択データn[2:1]が設定される。このストローブ選択ポートvnは、設定されたストローブ選択データn[2:1]をLEDヘッドに出力する。
実施の形態5の制御回路のストローブ選択ポート群62aのぞれぞれのストローブ選択ポートには、CPU3pにより符号化された2ビットのストローブ選択データが書き込まれ、このストローブ選択データがLEDヘッドに入力される。LEDヘッドに入力された符号化されたストローブ選択データn[2:1]のビットn[2],n[1]は、第nの選択回路unの選択入力SEL[2],SEL[1]にそれぞれ入力され、インバータ62a,62bとANDゲート62c,62d,62e,62fによって構成される復号回路で4本のストローブ選択信号62g,62h,62k,62mに復元される。これを真理値表で表したものが図30である。
図30に示すように、復元された4本のストローブ選択信号62g,62h,62k,62mの内のいずれか1本のみが“1”となり、その他の3本は“0”となる。そして、このような4本のストローブ選択信号により目的のストローブ信号を選択する。ストローブ選択信号62gが“1”であれば、選択回路unのD1に入力される第1のストローブ信号を、ストローブ選択信号62hが“1”であれば、選択回路unのD2に入力される第2のストローブ信号を、ストローブ選択信号62kが“1”であれば、選択回路unのD3に入力される第3のストローブ信号を、ストローブ選択信号62mが“1”であれば、選択回路unのD4に入力される第4のストローブ信号を選択して、第nのLED駆動信号として第nのLED駆動回路bnに出力する。
以上のように実施の形態5によれば、符号化したストローブ選択データを制御回路のストローブ選択ポートに設定してLEDヘッドに入力し、LEDヘッド内で元のストローブ選択信号を復元できるようにしたことにより、ストローブ選択ポートのビット数Nが一般的にlog2Nに削減できるので、LEDヘッドへの配線が削減でき、LEDヘッド内の配線も削減でき、装置のコストダウンに効果がある。
なお、上記実施の形態5は、上記実施の形態1において、第nの選択回路cnを第nの選択回路unに置き換え、ストローブ選択ポート群3cをストローブ選択ポート群63aに置き換えたものであるが、このような構成を上記実施の形態2,3,4に適用することも可能である。
実施の形態6
図31は本発明の実施の形態6のLEDヘッドの構成図であり、図4と同様のものには同じ符号を付してある。図31に示すように、実施の形態6のLEDヘッドは、第1,第2,…,第NのLEDa1,a2,…,aNと、第1,第2,…,第NのLED駆動回路b1,b2,…,bNと、第1,第2,…,第Nの選択回路c1,c2,…,cNと、第1,第2,…,第Nのストローブ選択レジスタw1,w2,…,wNとを備えている。
この実施の形態6のLEDヘッドは、上記実施の形態1のLEDヘッド(図4参照)において、第1,第2,…,第Nの選択回路c1,c2,…,cNのそれぞれに対し、それぞれ4ビットのフリップフロップで構成された第1,第2,…,第Nのストローブ選択レジスタw1,w2,…,wNを追加し、第n(nは1からNまでの任意の整数)のストローブ選択レジスタwnの4ビットの出力であるストローブ選択データn[4:1]を第nの選択回路cnの選択入力SEL[4:1]に入力するものである。
第1のストローブ選択レジスタw1の入力Dには、第Nのストローブ選択データN[4:1]から第1のストローブ選択データ1[4:1]までを順次入力し、それ以降、第nのストローブ選択レジスタw1の出力Qが第(n+1)のストローブ選択レジスタw(n+1)の入力Dに接続されている。また、全てのストローブ選択レジスタのクロック入力CLKには、ストローブ選択レジスタ書き込み信号が入力される。
ここで、第Nのストローブ選択データN[4:1]から第1のストローブ選択データ1[4:1]までのストローブ選択データ列を、1−N[4:1]と表記する。
図32は本発明の実施の形態6のLEDヘッド制御回路の構成図であり、図7と同様のものには同じ符号を付してある。図32に示すように、実施の形態6の制御回路は、印刷シーケンス制御回路3aと、印刷データメモリ3bと、ストローブ選択ポート72aと、ストローブ選択レジスタ書き込み信号ポート72bと、ストローブ信号発生回路3j,3k,3m,3nと、CPU3pと、メモリ3qとを備えている。この実施の形態6の制御回路は、上記実施の形態1の制御回路(図7参照)において、ストローブ選択ポート群3cを、ストローブ選択ポート72aおよびストローブ選択レジスタ書き込み信号ポート72bに置き換え、メモリ3q内にストローブ選択データ群SD[N:1]を設けたものである。
メモリ3q内にストローブ選択データ群SD[N:1]は、それぞれ4ビットのストローブ選択データSD[N],SD[N−1],…,SD[1]によって構成されている。ストローブ選択データ群SD[N:1]のストローブ選択データSD[n]は、ストローブ選択データ列1−N[4:1]のストローブ選択データn[4:1]に相当する。
ストローブ選択ポート72aには、ストローブ選択データ群SD[N:1]のストローブ選択データSD[N],SD[N−1],…,SD[1]が順次設定される。このストローブ選択ポート72aは、ストローブ選択データ群SD[N:1]のストローブ選択データSD[n]をストローブ選択データ列1−N[4:1]のストローブ選択データn[4:1]として、LEDヘッドにストローブ選択データ列1−N[4:1]を出力する。また、ストローブ選択レジスタ書き込み信号ポート72bには、ストローブ選択レジスタ書き込み信号の値が設定される。このストローブ選択レジスタ書き込み信号ポート72bは、設定されたストローブ選択レジスタ書き込み信号をLEDヘッドに出力する。
図33は実施の形態6の制御回路によって第nの選択回路cNにストローブ選択データn[4:1]を書き込むシーケンスを説明するフローチャートである。図33のフローチャートを実行するプログラムはメモリ3qに格納されており、このプログラムをCPU3pが実行することにより、ストローブ選択データの書き込みシーケンスの制御がなされる。
まず、ステップ74aで、ドット位置XのドットカウンタにLEDヘッドのドット数Nを書き込み、ステップ74bで、書き込み信号ポート72bに“0”を書き込む。次に、ステップ74cで、メモリ3q内のストローブ選択データ群SD[N:1]のストローブ選択データSD[X]を読み込み、ストローブ選択ポート72aに書き込む。そして、ステップ74dで、ストローブ選択レジスタ書き込み信号ポート72bに“1”を書き込み、続けてステップ74eで、ストローブ選択レジスタ書き込み信号ポート72bに“0”を書き込む。さらに、ステップ74fで、ドット位置Xのドットカウンタのカウント値をドット位置X−1の値に更新し、更新したドット位置Xのドットカウンタの値が“0”になるまで、上記ステップ74aからステップ74fまでを繰り返す。
図34は上記のストローブ選択データの書き込みシーケンスにおいてLEDヘッドの第1のストローブ選択レジスタw1に書き込まれるストローブ選択データとストローブ選択データ書き込み信号のタイムチャートである。ストローブ選択レジスタ書き込み信号が最初に“1”になると、ストローブ選択データN[4:1]が第1のストローブ選択レジスタw1に書き込まれ、それ以降、ストローブ選択レジスタ書き込み信号が“1”になるごとに、第1のストローブ選択レジスタw1に書き込まれたストローブ選択データは後段のストローブ選択レジスタに順次シフトされるとともに、第1のストローブ選択レジスタw1のストローブ選択データは(N−1)[4:1],(N−2)[4:1],…に順次書き換えられる。そして、ストローブ選択レジスタ書き込み信号がN回“1”になって書き込みシーケンスが完了したときには、第nのストローブ選択レジスタwnにはストローブ選択データn[4:1]が書き込まれている。上記書き込みシーケンスを終了した後、上記実施の形態1で説明した印刷シーケンスにより、印刷動作がなされる。
以上のように実施の形態6によれば、LEDヘッドへのストローブ選択データの配線の本数を1/Nに削減できるので、コスト削減ができる。
なお、上記実施の形態6は、上記実施の形態1において、ストローブ選択レジスタw1,w2,…,wNを追加し、ストローブ選択ポート群3cを、ストローブ選択ポート72aおよびストローブ選択レジスタ書き込み信号ポート72bに置き換え、メモリ3q内にストローブ選択データ群SD[N:1]を設けたものであるが、このような構成を上記実施の形態2,3,4に適用することも可能である。
実施の形態7
本発明の実施の形態7では、LEDヘッドを用いた階調印刷における位置ずれ補正精度の向上を図る。
図35は本発明の実施の形態7のLEDヘッド制御回路の構成図であり、図22と同様のものには同じ符号を付してある。図35に示すように、実施の形態7の制御回路は、印刷シーケンス制御回路3aと、印刷データメモリ3bと、ストローブ選択ポート群52aと、ストローブ信号発生回路81j,81k,81m,81nと、CPU3pと、メモリ3qとを備えている。この実施の形態7の制御回路は、上記実施の形態3の制御回路(図22参照)において、ストローブ信号発生回路3j,3k,3m,3nをストローブ信号発生回路81j,81k,81m,81nに置き換えたものである。なお、実施の形態7のLEDヘッドの構成は、上記実施の形態3のLEDヘッド(図20参照)と同様である。
4つのストローブ信号発生回路81j,81k,81m,81nは、同様の構成であり、いずれもラッチ信号3iおよびページ同期信号3eを入力として、それぞれ第1,第2,第3,第4のストローブ信号をLEDヘッドに出力する。
図36は実施の形態7のストローブ信号発生回路の内部構成図である。図36に示すように、ストローブ信号発生回路81j,81k,81m,81nのそれぞれは、ストローブ制御回路82aと、ラインカウンタ82bと、ストローブ時間レジスタ群82cとを備えている。
ストローブ時間レジスタ群82cは、互いに異なるストローブ時間がそれぞれ設定される複数のストローブ時間レジスタによって構成されている。ここでは、ストローブ時間をt0,t1,t2,t3の4種類とし、ストローブ時間レジスタ群82cを第1,第2,第3,第4のストローブ時間レジスタで構成する。
ここで、ストローブ時間レジスタ群82cに設定された4つのストローブ時間で構成されたストローブ時間群をstbtime[3:0]と表記する。また、第1のストローブ時間レジスタに設定されたストローブ時間をstbtime[0]、第2のストローブ時間レジスタに設定されたストローブ時間をstbtime[1]、第3のストローブ時間レジスタに設定されたストローブ時間をstbtime[2]、第4のストローブ時間レジスタに設定されたストローブ時間をstbtime[3]と表記する。
この実施の形態7では、LEDヘッドの駆動時間および駆動タイミングを調整するために、LEDヘッド制御回路のCPU3pにより、ストローブ選択ポート群52aには例えば次のような値が設定される。
第1のストローブ選択ポートs1=“1000”
第2のストローブ選択ポートs2=“0100”
第3のストローブ選択ポートs3=“0010”
第4のストローブ選択ポートs4=“0001”
これにより、第1のLED群p1を駆動する第1のLED群駆動信号にはストローブ信号発生回路81jから出力される第1のストローブ信号が、第2のLED群p2を駆動する第2のLED群駆動信号にはストローブ信号発生回路81kから出力される第2のストローブ信号が、第3のLED群p3を駆動する第3のLED群駆動信号にはストローブ信号発生回路81mから出力される第3のストローブ信号が、第4のLED群p4を駆動する第4のLED群駆動信号にはストローブ信号発生回路81nから出力される第4のストローブ信号が、それぞれ選択される。
図37はストローブ信号発生回路81j,81k,81m,81n内のストローブ時間レジスタ群82cにおいてのストローブ時間の初期設定値を一覧にした図である。
第1のストローブ信号を発生するストローブ信号発生回路81jでは、
stbtime[0]=t0
stbtime[1]=t1
stbtime[2]=t2
stbtime[3]=t3
に初期設定され、
第2のストローブ信号を発生するストローブ信号発生回路81kでは、
stbtime[0]=t3
stbtime[1]=t0
stbtime[2]=t1
stbtime[3]=t2
に初期設定され、
第3のストローブ信号を発生するストローブ信号発生回路81mでは、
stbtime[0]=t2
stbtime[1]=t3
stbtime[2]=t0
stbtime[3]=t1
に初期設定され、
第4のストローブ信号を発生するストローブ信号発生回路81nでは、
stbtime[0]=t1
stbtime[1]=t2
stbtime[2]=t3
stbtime[3]=t0
に初期設定される。ここで、例えば、t3<t0<t2<t1とする。
図38は実施の形態7のストローブ信号発生回路の動作を説明するフローチャートである。まず、ステップ83aで、CPU3pが実行するプログラムにより、ストローブ信号発生回路81j,81k,81m,81nに内蔵されるストローブ時間レジスタ群82cがそれぞれ初期化され、ストローブ時間レジスタ群82cのストローブ時間群stbtime[3:0]の4つのストローブ時間stbtime[0],stbtime[1],stbtime[2],stbtime[3]として、それぞれ図37の初期値が初期設定される。
次に、ステップ83bで、ストローブ制御回路82aは、ページ同期信号3eの状態を調べ、ページ同期信号3eが“1”であれば、ステップ83cで、ラインカウンタ82bのカウント値Lを0にクリアする。次に、ステップ83dで、ストローブ制御回路82aは、ラッチ信号3iの状態を調べ、ラッチ信号3iが“0”ならば、ステップ83aに戻り、ラッチ信号3iが“1”ならば、ステップ83eで、ラインカウンタ82bのカウント値Lに1を加算する。次に、ステップ83fで、ストローブ制御回路82aは、ラインカウンタ82bのカウント値Lを調べ、L=4になっていれば、ステップ83gで、ラインカウンタ82bを0にクリアする。次に、ステップ83h,83k,83mで、ストローブ制御回路82aは、ストローブ時間stbtime[L]の長さだけストローブ信号を出力し、ステップ83bに戻って上記処理を繰り返す。
図39は本発明の実施の形態7のLEDヘッド制御回路およびLEDヘッドの動作を説明するタイムチャートであり、図38で説明したストローブ信号発生回路81j,81k,81m,81nを使用したものである。従来技術と同様に、ページ同期信号3e,ライン同期信号3dに同調して、印字データ,クロック信号,ラッチ信号が制御回路からLEDヘッドに出力される。なお、この実施の形態7においても、上記実施の形態2のYH[X]の算出処理(図17参照)およびYH[X]を用いた補正処理が使用される。
ストローブ信号発生回路81jでは、ラッチ信号3iに同期して加算されるラインカウンタ82bのカウント値Lに対応するストローブ時間レジスタの設定時間stbtime[L]だけ、つまりL=0,1,2,3,0,…のとき、時間t0,t1,t2,t3,t0,…だけ、第1のストローブ信号(第1のLED群p1を駆動するストローブ信号)が出力される。同様に、ストローブ信号発生回路81kでは、ラインカウンタ82bのカウント値L=0,1,2,3,0,…のとき、時間t3,t0,t1,t2,t3,…だけ、第2のストローブ信号(第2のLED群p2を駆動するストローブ信号)が出力され、ストローブ信号発生回路81mでは、ラインカウンタ82bのカウント値L=0,1,2,3,0,…のとき、時間t2,t3,t0,t1,t2,…だけ、第3のストローブ信号(第3のLED群p3を駆動するストローブ信号)が出力され、ストローブ信号発生回路81nでは、ラインカウンタ82bのカウント値L=0,1,2,3,0,…のとき、時間t1,t2,t3,t0,t1,…だけ、第4のストローブ信号(第4のLED群p4を駆動するストローブ信号)が出力される。そして、このような動作が4ラインを周期に繰り返される。
図40は図39のタイムチャートによって印刷された印刷結果を示す図である。印刷シーケンス制御回路3aのY方向ずれ量メモリdには、第1のLED群p1の印刷データについてずれ量0、第2のLED群p2の印刷データについてY方向ずれ量−1、第3のLED群p3の印刷データについてY方向ずれ量−2、第4のLED群p4の印刷データについてY方向ずれ量−3がそれぞれ設定されている。
時刻H0では、第1のストローブ信号によって駆動される第1のLED群p1は時間t0駆動される。時刻H1では、第1のLED群p1は時間t1駆動され、第2のストローブ信号によって駆動される第2のLED群p2は時間t0駆動される。時刻H2では、第1のLED群p1は時間t2駆動され、第2のLED群p2は時間t1駆動され、第3のストローブ信号によって駆動される第3のLED群p3は時間t0駆動される。時刻H3では、第1のLED群p1は時間t3駆動され、第2のLED群p2は時間t2駆動され、第3のLED群p3は時間t1駆動され、第4のストローブ信号によって駆動される第4のLED群p4は時間t0駆動される。
また、時刻H4では、第2のLED群p2は時間t3駆動され、第3のLED群p3は時間t2駆動され、第4のLED群p4は時間t1駆動される。時刻H5では、第3のLED群p3は時間t3駆動され、第4のLED群p4は時間t2駆動される。時刻H6では、第4のLED群p4は時間t3駆動される。この結果、図40に示す位置のドットが印刷される。図40に示すドット印刷位置の誤差を見れば、従来の補正の印刷結果である図49と比較して、ドットの補正精度が大幅に向上していることが判る。
以上のように実施の形態7によれば、LEDヘッドを構成するドット群(LED群)ごとに駆動信号を複数のストローブ信号から選択できるようになり、LED群ごとに駆動時間を変更できるようになる。このため、従来後術では階調画素の位置を1つ階調画素を構成する主走査方向のドット数と同じライン数単位でしか補正できなかったが、この実施の形態7では階調画素の位置を1ライン単位で位置ずれ補正できるようになり、階調印刷の位置ずれ補正精度を向上でき、カラー画像の重ね合わせでの色ずれを減らし、高品位のカラー画像を印刷できる。
例えば、従来方式ではラインピッチが2400[DPI]のとき、斜め補正精度が1/1200[インチ]であったが、この実施の形態7ではラインピッチが2400[DPI]のとき、印字位置が目標位置に対して1/2400[インチ]の1/2、つまり1/4800[インチ]ずれた場合に補正できるので、従来に対して4倍に精度を改善することができる。
なお、上記実施の形態7は、上記実施の形態3の制御回路において、ストローブ信号発生回路3j,3k,3m,3nをストローブ信号発生回路81j,81k,81m,81nに置き換えて、階調印刷に適用させたものであるが、上記実施の形態1,2,4にストローブ信号発生回路81j,81k,81m,81nを設けて、階調印刷に適用させることも可能である。上記実施の形態2または4を階調印刷に適用した場合には、階調画素の位置を例えば1/4ライン単位で位置ずれ補正できるようになる。
また、以上の本発明の実施の形態1から7まででは、LEDヘッドを例に説明してきたが、他の光書き込みヘッドを利用した場合でも、以上の実施の形態と同様に副走査方向の補正が可能である。