JP4651505B2 - 高速液体クロマトグラフ用カラム - Google Patents

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Description

本発明は、液体クロマトグラフ用カラムに関し、特に、高速液体クロマトグラフなどに使用するのに好適な液体クロマトグラム用カラムに関する。
分析機器として用いられている液体クロマトグラフ用カラムとしては、内部に充填剤を収納したステンレス等からなるカラム本体に、ゴミ、ほこり等の夾雑物を除去するためのエンドフィッティングフリット(フィルタ)を組み合わせたものが一般的である。
この分析カラムに測定サンプル中の夾雑物や溶離液中のゴミ等の不純物が混入すると、分析精度が低下したり、分析不能となる。
このため、例えば、特許文献1に記載された例では、細孔の径が互いに異なる2つのフィルタ層を組み合わせている。つまり、細孔の径が大のフィルタ層を液体流の上流側に配置し、細孔の径が小のフィルタ層を液体流の下流側に連続させて配置している。
そして、特許文献1には、上記2つのフィルタ層の側面部をシールするための円筒状のシール部材が記載されている。
特開平2−262054号公報
ところで、高速液体クロマトグラフ用カラムは、分析時間を短縮するために、カラム長の短縮や使用するカラム充填剤の粒子の小径化が進んでいる。小粒子径のシリカゲルを用いることでカラムの理論段数は向上し、短いカラム長でも分離を達成することでき、よって分析時間の短縮を行うことが可能である。
そして、分析時間は移動相の流速に反比例するため、流速を高めることによって。さらに分析時間を短縮することが可能である。
しかしながら、移動相の流速を高めると流速に比例してカラム圧力が上昇する。また、試料注入時には、一時的にさらに高い圧力がカラムにかかる。そのために、高速液体クロマトグラフ用カラムに内設されているフリットのシール性が低下してしまうという問題が生じる。
特に、特許文献1に記載されているように、細孔の径が互いに異なる2つのフィルタ層を連続して配置した場合、2つのフィルタ層間のシール性が問題となる。
そこで、2つのフィルタ層間にシール部材を配置することが考えられるが、このシール部材を配置することにより、液体の流れ方向にデッドボリュームが発生し、流路が長くなるため、分析時間が長くなるという問題が発生する。
本発明の目的は、細孔径が異なる複数のフリットが配置され、これら複数のフリット間の高圧力化におけるシール性を、流路長を増大させることなく向上可能な高速液体クロマトグラフ用カラムを実現することである。
本発明の高速液体クロマトグラフ用カラムは、充填剤を内部に充填した円筒状カラム本体と、この円筒状カラム本体に取り付けたエンドフィッティング部材とを有する。
そして、上記高速液体クロマトグラフ用カラムにおいて、液体に含まれる夾雑物を濾過するフィルタを有する複数のフリットが上記エンドフィッティング部材内に配置され、上記複数のフリットの互いの間及び上記フリットと円筒状カラム本体との間にシール部材が形成される。
好ましくは、上記シール部材は、フッ素樹脂又はポリエーテルエーテルケトンによりなり、シール部材の弾性率は、円筒状カラム本体の弾性率より高い。
また、シール部材は、薄膜状にコーティングして形成される。
また、複数のフリットは、円筒状部材と、この円筒状部材の内部に配置される円柱状のフィルタとを有し、シール部材は円筒状部材の上面部及び下面部に形成される。
本発明によれば、細孔径が異なる複数のフリットが配置され、これら複数のフリット間の高圧力化におけるシール性を、流路長を増大させることなく向上可能な高速液体クロマトグラフ用カラムを実現することができる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明が適用される液体クロマトグラフ用カラム(カラムと略称する)の要部を断面で示す全体概略構成図であり、図2は、本発明のカラムが用いられる高速液体クロマトグラフ装置の概略構成図である。また、図3は、本発明の第1の実施形態であるカラムの部分拡大断面図であり、図4は、図3に示したカラムのフリットの拡大斜視図である。
まず、図2を用いて液体クロマトグラフ装置の全体構成について説明する。
図2において、高速液体クロマトグラフ装置50は、溶離液貯蔵容器1と、脱気装置(デガッサ)3と、送液ポンプ4と、インジェクタ6と、カラム100と、検出器7と、廃液用容器8とを備えている。
なお、図2に示した例では、単一の溶離液2を用いる構成としているが、グラジェエント溶出法を用いる場合は複数の溶離液貯蔵容器を配設することも可能である。
送液ポンプ4は、配管9及び配管10を介して溶離液貯蔵容器1内の溶離液2を吸引する。この時、送液ポンプ4は、溶離液2の液中のガスを除去する脱気装置3(デガッサ)を介して吸引する。また、送液ポンプ4は、吸引した溶離液2を配管11に所定の圧力で吐出する機能を有している。
この送液ポンプ4としては、例えばプランジャ式ポンプやシリンジ式ポンプ等を用いることができる。これらのポンプは高い吐出圧力を実現できるため、カラム100に対し試料を含む溶離液を高流速で注入させることができ、分析時間の短縮を図ることができる。
送液ポンプ4から溶離液2が吐出される配管11は、インジェクタ6に接続されている。配管11の途中には圧力計5が配設されており、送液ポンプ4から吐出される溶離液2の圧力を測定できるように構成されている。
圧力計5で測定された配管11内の溶離液2の圧力は、送液ポンプ4にフィードバックされ、配管11内の溶離液2の圧力が一定となるように制御される構成となっている。圧力計5の配設位置は配管以外に、直接送液ポンプ4に取り付ける場合もある。
インジェクタ6は、注入ポート15から成分分析がされるサンプルである試料が注入される。注入ポート15から注入された試料は、インジェクタ6において溶離液2と混合され、配管12を介してカラム100に送られる。
この試料注入の際、試料の注入を容易かつ確実に行うため、インジェクタ6は送液ポンプ4から供給される溶離液の流れを一時的に遮断する構成とされている。
この一時遮断時においても送液ポンプ4から溶離液は送り出されているため、遮断時における配管11内の圧力も一時的に上昇する。そして、試料注入後に上記遮断が解除されると、圧力が蓄成された配管11内の溶離液は急激にカラム100に流れるため、カラム100に供給される試料を含んだ溶離液の流速は一時的に速くなる。
カラム100は、その内部に試料の成分分離を行うためカラム充填剤(例えば、シリカゲルの粉体)が充填されている。このカラム100で成分分離された試料は、配管13を介して検出器7に流入される。カラム100の詳細については後述する。
検出器7は、図示しない光源、フローセル及び光センサ等により構成されている。カラム100で分離処理された試料は、配管13を介して検出器7のフローセルに流入されるように構成されており、光源はフローセルに流入された試料に紫外線を照射する構成とされている。
この際、試料に含まれる成分により紫外線の吸収率が異なるため、試料を通過した紫外線は試料に含まれる成分の情報が重畳されたものとなる。この紫外線を光センサにより検出し、光センサから出力される信号を解析することによって、試料に含まれる成分を分析することができる。なお、検出器7で検出処理が終了した試料は、配管14を通じて廃液用容器8に廃棄回収される。
次に、カラム100について説明する。
図1に示すように、カラム100は、大別すると、カラム本体101と、上流側エンドフィッティング102と、下流側エンドフィッティング103と、フリット104と、フリット105とを備えている。なお、図中矢印で示すのは試料を含んだ溶離液の流れ方向を示すものである。
カラム本体101は、ステンレス鋼から成るパイプ状(円筒状)の部材である。このカラム本体101の内径及び長さは、試料を含んだ溶離液の流速により選択される。カラム本体101の内部には、上記したように、カラム充填剤106(例えば、シリカゲルの粉体等)が充填されている。また、カラム本体101の両端面は、フリットに接するために平坦面に形成されている。
上流側エンドフィッティング102には、栓装着部108と、流入通路107と、フリット収納部109と、カラム本体挿入部110と、雄ねじ部111とが形成されている。雄ねじ部111は、カラム本体挿入部110の外周部に形成されている。
この上流側エンドフィッティング102の雄ねじ部111に、配管シール部材112、113を介してナット114をネジ止めすることによりカラム本体101を上流側エンドフィッティング102に装着する。上流側エンドフィッティング102がカラム本体101に装着された状態において、フリット104及び105は、上流側エンドフィッティング102内に形成されているフリット収納部109内に収納、固定されている。
栓装着部108には、上流側栓115が装着される。この上流側栓115にはインジェクタ6と接続した配管12(図2参照)が接続されている。また、栓装着部108及びフリット収納部109は流入通路107によって連通されている。
したがって、上流側栓115を栓装着部108に装着することにより、インジェクタ6で生成された試料を含んだ溶離液は、流入通路107、フリット104及び105を順次通過してカラム本体101内のカラム充填剤106に流入する。
ここで、下流側エンドフィッティング103は、ナット150によりカラム本体101と接続される。そして、下流側エンドフィッティング103に下流側栓116が装着されることによりカラム本体11で分離された試料を配管13(検出器7に接続されている)に送るものであるが、下流側エンドフィッティング103の構成は、上記した上流側エンドフィッティング102と略同一の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
次に、本発明の要部であるフリット104及び105について説明する。
図3及び図4に示すように、上流側フリット104は、円筒形状部材と、シール部材117と、円柱状のフィルタ118とを備える(フィルタ118は一部断面となっている)。上流側フリット104と同様に、下流側フリット105も円筒形状をしており、シール部材119、120と、フィルタ121とを備えている(フィルタ121は一部断面となっている)。
シール部117、119及び120は、例えば、テフロン(登録商標)(フッ素樹脂)やPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の樹脂により形成されたリング状の部材である。
フィルタ118及びフィルタ121は、焼結フィルタであり、フィルタの円筒上下面の周縁部に上記した各シール部材117、119、120がコーティングされている。フィルタ118及び121は、注入される試料や溶離液等に含まれる不純物がカラム充填剤106内に進行するのを防止するとともに、カラム充填剤106がカラム本体101からフィルタ側に流出することを防止する機能を有している。なお、図3、図4において、矢印は試料を含んだ溶離液の流れ方向を示すものである。
図3に示すように、上流側フリット104と下流側フリット105とは、互いに重ねあわした状態で上流側エンドフィッティング102のフリット収納部109内に収納され、カラム本体101の円筒上端面によって押圧されながら固定される。下流側フリット105に形成されたフィルタ121の細孔径は、上流側フリット104に形成されたフィルタ118の細孔径よりも小さくなるように構成されている。
つまり、細孔径の異なったフィルタを有するフリットが重ね合わせて配置されている。上記フィルタの細孔径は、使用されるカラム充填剤の粒子径の大きさによって決定される。
次に、フリット104、105のシール構造について説明する。
上述したように、高速液体クロマトグラフ装置は、分析時間を短縮するため、カラム充填剤の粒子径の細径化にともない、カラムに作用する圧力が高圧化されてきている。したがって、カラム本体を含めたフリットの高耐圧化と高いシール性の確保が求められてきている。
従来技術では、フリットの金属上下面の端面とカラム本体及びエンドフィッティングの収納部端面によりカラム本体を流れ方向(軸方向)に押圧し、金属面同士を接触させることでシール性を得ていた。
しかし、このような従来の方法では、シール性を上げるために押圧力を上げすぎると金属接触面で塑性変形が生じて、最悪の場合はカラム充填剤がフリットのフィルタに入り込んでしまいフィルタの目詰まりが生じる等の問題が出てくる。
この対策として、カラム本体より弾性の高い材料で形成したリング状枠内にフリットを嵌着する手段が考えられるが、フリット端面とリング状枠の端面とで形成される形状によっては、次のような問題点(1)、(2)が生じる。
(1)フリット上面の端部とリング状枠の上面の端部とが同一面の場合(両端部面の段差がゼロの場合)
この場合は、フリット上面端部とリング状枠の上面端部とが同一面であるため、上記したように押圧力を上げすぎると金属面同士の接触が生じ、塑性変形が生じる。そして、最悪の場合はカラム充填剤がフリットのフィルタに入り込んでしまいフィルタの目詰まりが生じる等の問題が生じる。
(2)フリット上面端部とリング状枠の上面端部に段差がある場合(両端面の段差が大きい場合)
この場合は、リング状枠内にフリットを装着すると、フリット上面端部とリング状枠の上面端部とに大きな段差が形成される。この場合には、カラム本体より弾性の高いリング状枠にカラム本体の金属が接するため、金属面同士の接触は回避される。しかし、リング状枠の弾性変形にも限界があり、上記段差にフィルタの上面の面積を乗じた体積の空間部が生じることになる。この空間部は、いわゆるデッドボリュームと呼ばれるもので、流路長が長くなると共に溶液がこのデッドボリュームに滞留することとなり、カラムの性能を著しく低下させる原因となる。
上記した問題点(1)及び(2)を同時に解決するには、フリット上下面端部とリング状枠の上下面端部とで形成される段差の大きさを最適化することである。つまり、押圧されてリング状枠の弾性体が変形した時に、フリット上下面とカラム本体面とが接触するかしないか程度になるような段差とすればよいことになる。本発明ではこの考え方を取り入れたものである。
上記段差の大きさを調整する場合、リング状枠内にフリットを装着する方法ではその調整が困難である。このため、本発明ではリング状のフリットの上下面側端面にフリットやカラム本体より弾性率の高い材料を薄い膜状にコーティングすることで達成している。
コーティングする方法としては、溶射や蒸着などがある。また、コーティングする膜厚さは、数十ミクロンから数百ミクロン(10ミクロン〜900ミクロンっであってもよい)が最適であるが、その厚さは、押圧力、換言すれば使用するカラム圧力により決定されることが望ましい。
図3及び図4に示したように、フリット104、105は、円筒状枠体の円筒内部に円柱状のフィルタを配置して構成している。このため、シール部材117、119、120は、上記円筒状枠体の上面、下面部周囲に形成されている。
上流側フリット104には、上流側端面にシール部材117が形成され、下流側フリット105には上流側及び下流側両端面にシール部材119及び120が形成されている。ここで、下流側フリット105の上流側端面に形成されたシール部材119は、上流側フリット104の下流側端面に形成しても良い。
上記した構成において、インジェクタ6で生成された試料を含んだ溶離液は、上流側エンドフィッティング102に形成された流入通路107に流入し、上流側フリット104に形成された細孔径の大きいフィルタ118で、まず濾過される。
そして、下流側フリット105に形成された細孔径の小さなフィルタ121によって、フィルタ118では除去できなかった不純物が取り除かれ、カラム充填剤106内に流入する。
以上のように、本発明の第1の実施形態によれば、細孔の径が互いに異なるフィルタを有する2つのフリット104、105との間、フリット105とカラム本体101との間に、フリット104、105やカラム本体101より弾性率の高い材料が薄い膜状にコーティングされたシール部材119、120を形成している。
このため、フリット104の下面端部と105の上面端部、並びにフリット105の下面端部とカラム本体101の上面端部とが、互いに押圧されて、エンドフィッティング部102とカラム本体101とが接合されると、弾性体であるシール部材119、120は変形し、フリット104の下面端部と105の上面端部との間、並びにフリット105の下面端部とカラム本体101の上面端部との間におけるデッドボリュームの発生を抑制しながら、シールを行なうことができる。
したがって、細孔径が異なる複数のフリットが配置され、これら複数のフリット間の高圧力化におけるシール性を、流路長を増大させることなく向上可能な高速液体クロマトグラフ用カラムを実現することができる。
次に、細孔径の大きさが互いに異なるフリットの他の実施形態について説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態である高速液体クロマトグラフ用カラムのフリット構造を示す部分拡大図である。この第2の実施形態において、シール部材117、119、120は図3に示した実施形態と同一の構成であり、その他の同等の部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本発明の第2の実施形態の特徴は、フィルタの細孔径の大きさを変える方法として、流れ方向に対して粒子径の異なる充填剤を充填することで達成するものである。
図5に示すように、上流側フリット122と下流側フリット123とは、互いに重ね合わされた状態で上流側エンドフィッティング102のフリット収納部109内に設置されている。上流側フリット122には、ステンレス等の焼結材料等で製造された多孔性円盤で、その内部には上流側細孔124が多数形成されたフィルタが配置されている。そして、この上流側細孔124内には、上流側充填粒子125が多数充填されている。上流側細孔124は、上流側充填粒子125が流出しないような不規則な形状となっている。
一方、下流側フリット123には、ステンレス等の焼結材料等で製造された多孔性円盤で、その内部には前記上流側細孔124よりも孔の大きさが小さな下流側細孔126が多数形成されたフィルタが配置されている。この下流側細孔126内には、上流側充填粒子125の粒子径より小さな粒径を有する下流側充填粒子127が多数充填されている。そして、下流側細孔126は、下流側充填粒子127が流出しないような不規則な形状となっている。
上流側充填粒子125及び下流側充填粒子127の形状は、特に制限が無く、球形、楕円球、特定の形状の無い無定型の何れの形状でも良いが、球形が特に好ましい。材質は、カラムの分離に悪影響を与えることが無ければ、何れの材質のものでも使用できる。分離に影響を与えず入手が容易な点から、充填粒子125、127の材質はシリカが好ましい。
細孔124及び126内に充填粒子125及び127を充填する方法は特に制限は無いが、例えば、充填粒子を懸濁させた溶媒を圧送する等の方法により簡単に充填できる。
上記構成とすることによって、上流側細孔124及び下流側細孔126内は、上流側充填粒子125及び下流側充填粒子127により塞がれるが、カラム本体101に送液される試料を含んだ溶離液は、充填粒子125間、127間や充填粒子125、127と細孔壁との間隙を通過して、自由に細孔内を流れることができる。
したがって、溶離液に混在している不純物が、細孔壁と充填粒子との間や充填粒子間で捕捉されるので、不純物がフリット122、123を通り抜けてカラム本体101に流入しにくい。また、不純物の捕捉が上流側フリット122の上流側細孔124及び下流側フリット123の下流側細孔126内の各部で起こるので、長期間にわたりフリット全体が不純物により閉塞されにくい。
したがって、この第2の実施形態においては、第1の実施形態に比較してフィルタリング効果が向上するので、フリット122、123の溶媒流れ方向厚さを短縮することができ、流路長を短縮することができる。このため、第2の実施形態は、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる他、分析時間を短縮することができるという効果がある。
次に、フィルタの細孔径の大きさを変える第3の実施形態について説明する。図6は、本発明の第3の実施形態である高速液体クロマトグラフ用カラムのフリット構造を示す部分拡大図である。この第3の実施形態において、シール部材117、119、120は図3に示した実施形態と同一の構成であり、その他の同等の部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本発明の第3の実施形態の特徴は、フリットの細孔を液体の流れ方向に対して千鳥形状に配置していることである。
なお、図6はフリットの構造は、流体の流れを模式的に示すため示したものである。図6に示すように、上流側フリット128と下流側フリット129は、重ね合わした状態で上流側エンドフィッティング102のフリット収納部109内に配置されている。
上流側フリット128は、ステンレス等の焼結材あるいは繊維等で製造された上流側多孔円盤状部材130、131が複数列積層されている(図6に示した例では2列の場合である)。上流側多孔円盤状部材130、131には、細孔132及び133が、互いに千鳥型状に多数形成されている。上流側多孔円盤状部材130及び131に配孔された細孔132及び133の孔の大きさは、互いにほぼ同一である。
一方、下流側フリット129にも、ステンレス等の焼結材あるいは繊維等で製造された下流側多孔円盤状部材134、135が複数列積層されている(図6に
示した例では2列の場合である)。下流側多孔円盤状部材134、135にも、細孔136及び137が、互いに千鳥型状に多数形成されている。下流側多孔円盤状部材134及び135に配孔された細孔136及び137の孔の大きさは、互いにほぼ同一である。
下流側フリット129の下流側多孔円盤状部材134及び135に形成された細孔136及び137の大きさは、上流側フリット128の上流側多孔円盤状部材130、131に形成された細孔132及び133の大きさより小さい。
上記構成とすることによって、溶離液に混在している不純物が、千鳥型に配置された各細孔を効率的に通過するので不純物がフリットを通り抜けてカラム本体101に流入しにくい。
この第3の実施形態においても、第2の実施形態と同様に、第1の実施形態に比較してフィルタリング効果が向上するので、フリット128、129の溶媒流れ方向厚さを短縮することができ、流路長を短縮することができる。このため、第3の実施形態は、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる他、分析時間を短縮することができるという効果がある。
次に、フリットのシール構造についての第4の実施形態について説明する。図7は、本発明のフリットシール構造についての、第4の実施形態を示す部分拡大図であり、図8は図7に示したフリットの拡大斜視図である。図7及び図8において、図3及び図4に示した第1の実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本発明の第4の実施形態の特徴は、上流側フリット104と下流側フリット105に形成されるシールについて、上流側フリット104の側面と上流側エンドフィッティング102の挿入部109との間のシール部材138と、下流側フリット105の側面と上流側エンドフィッティング102の挿入部109との間のシール部材139とを追加した点である。
つまり、上流側フリット104の上面と上流側エンドフィッティング部102との間のシール部材117、上流側フリット104の下面と下流側フリット105の上面との間のシール部材119、下流側フリット105の下面とカラム本体101との間のシール部材120の他に、上記シール部材138と139とを追加し、全体断面形状が冠状(2つの凹部状が形成される)のシール部材を形成したことである。
図7及び図8に示すように、上流側エンドフィッティング102のフリット収納部109内には、上流側フリット104及び下流側フリット105が重ね合わせた状態で収納され、カラム本体110の円筒端面によって押圧されながら固定されている。
上流側フリット104の上下面側及び側面部には、冠状(凹部状)シール部材のシール部材117、138、119がフィルタ118を覆うように形成されている。同様に、下流側フリット105の上下面側及び側面部にも、冠状(凹部状)シール部材のシール部材119、139、120がフィルタ121を覆うように形成されている。つまり、フィルタ118及び121の上下面部及び側面部を包み込むようにシール部材、117、138、119、139及び120が形成されている。
図7、図8に示す構成とすることによって、各フリット104、105の上下面だけでなくフリット104、105の側面部のシール性を確保することができるので、更なるフリット104、105のシール性を向上することが可能となる。
なお、上述した例では、フリット104、105の側面に積極的にシール部材をコーティングする例を示したが、本発明はこの限りではなく、例えば、上下面部のシール部材を押圧時にフリット側面に流動させて、シールする方法等も採用することができる。
また、図7に示した冠状のシール部材は、図5、図6に示した例に対しても、適用可能である。
本発明が適用される液体クロマトグラフ用カラムの全体概略構成図である。 本発明のカラムが用いられる高速液体クロマトグラフ装置の概略構成図である。 本発明の第1の実施形態であるカラムの部分拡大断面図である。 図3に示したカラムのフリットの拡大斜視図である。 本発明の第2の実施形態である高速液体クロマトグラフ用カラムのフリット構造を示す部分拡大図である。 本発明の第3の実施形態である高速液体クロマトグラフ用カラムのフリット構造を示す部分拡大図である。 本発明のフリットシール構造についての、第4の実施形態を示す部分拡大図である。 図7に示したフリットの拡大斜視図である。
符号の説明
1 溶離液貯蔵容器
2 溶離液
3 脱気装置(デガッサ)
4 送液ポンプ
5 圧力計
6 インジェクタ
7 検出器
8 廃液用容器
9〜14 配管
15 注入ポート
50 液体クロマトグラフ装置
100 カラム
101 カラム本体
102 上流側エンドフィッティング
103 下流側エンドフィッティング
104 上流側フリット
105 下流側フリット
106 カラム充填剤
107 流入通路
108 栓装着部
109 フリット収納部
110 カラム本体挿入部
111 雄ねじ部
112、113 配管シール部材
114、150 ナット
115 上流側栓
116 下流側栓
117、119 シール部材
118、121 フィルタ
120 シール部材
122 上流側フリット
123 下流側フリット
124 上流側細孔
125 上流側充填粒子
126 下流側細孔
127 下流側充填粒子
128 上流側フリット
129 下流側フリット
130、131 上流側多孔円盤状部材
132、133 細孔
134、135 下流側多孔円盤状部材
136、137 細孔
138、139 シール部材

Claims (7)

  1. 充填剤を内部に充填した円筒状カラム本体と、この円筒状カラム本体に取り付けたエンドフィッティング部材とを有する高速液体クロマトグラフ用カラムにおいて、
    上記エンドフィッティング部材内に配置され、液体に含まれる夾雑物を濾過するフィルタを有する複数のフリットと、
    上記複数のフリットの互いの間及び上記フリットと円筒状カラム本体との間に薄膜状にコーティングされて形成され、上記円筒状カラム本体及び上記フリットの弾性率より高い弾性率を有するシール部材と、
    を備えることを特徴とする高速液体クロマトグラフ用カラム。
  2. 請求項1記載の高速液体クロマトグラフ用カラムにおいて、上記シール部材は、フッ素樹脂又はポリエーテルエーテルケトンによりなることを特徴とする高速液体クロマトグラフ用カラム。
  3. 請求項1記載の高速液体クロマトグラフ用カラムにおいて、上記複数のフリットは、円筒状部材と、この円筒状部材の内部に配置される円柱状のフィルタとを有し、上記シール部材は、上記円筒状部材の上面部及び下面部に形成されることを特徴とする高速液体クロマトグラフ用カラム。
  4. 請求項1記載の高速液体クロマトグラフ用カラムにおいて、上記シール部材は、数十ミクロンから数百ミクロンの厚みに形成されることを特徴とする高速液体クロマトグラフ用カラム。
  5. 請求項1記載の高速液体クロマトグラフ用カラムにおいて、上記複数のフリットが有するフィルタには複数の細孔が形成され、互いに隣接するフリットのフィルタに形成された細孔は、上記液体が流れる方向に沿って千鳥形状に配置されることを特徴とする高速液体クロマトグラフ用カラム。
  6. 請求項1記載の高速液体クロマトグラフ用カラムにおいて、上記シール部材は、上記複数のフリットの側面部にも形成されることを特徴とする高速液体クロマトグラフ用カラム。
  7. 充填剤を内部に充填した円筒状カラム本体と、この円筒状カラム本体に取り付けたエンドフィッティング部材とを有する高速液体クロマトグラフ用カラムにおいて、
    上記エンドフィッティング部材内に配置され、液体に含まれる夾雑物を濾過するフィルタを有する複数のフリットと、
    上記複数のフリットの互いの間及び上記フリットと円筒状カラム本体との間に形成されるシール部材と、
    を備え、上記複数のフリットが有するフィルタには複数の細孔が形成され、これらの細孔内に多数の充填粒子が充填され、上記液体が通過する流れの上流側に配置されるフリットの細孔内に充填される粒子の径は、上記液体が通過する流れの下流側に配置されるフリットの細孔内に充填される粒子の径より大であることを特徴とする高速液体クロマトグラフ用カラム。
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