JP2016090336A - クロマトグラフィー用カラム、クロマトグラフィー装置及びクロマトグラフィー用カラムの製造方法 - Google Patents

クロマトグラフィー用カラム、クロマトグラフィー装置及びクロマトグラフィー用カラムの製造方法 Download PDF

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明 瀬崎
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Abstract

【課題】クロマトグラフィー用の充填剤の充填密度を十分に確保して、トップオフ現象を長期に亘って抑制できるクロマトグラフィー用カラムを提供する。【解決手段】クロマトグラフィー用カラム34は、筒状とされ、内部に充填剤42が充填されたカラム本体40と、充填剤42が充填されたカラム本体40内に全体が圧入され、カラム本体40内に流入するクロマトグラフィー用の液が通過可能とされた圧入部材46と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、クロマトグラフィー用カラム、クロマトグラフィー装置及びクロマトグラフィー用カラムの製造方法に関する。
特許文献1には、充填剤が充填されたカラム本体の一方の開口(入口)にフリッツを入れた後、カラム本体の一方の端部を蓋部材(エンドフィッテング)に捩じ込むことでフリッツを介して充填剤を押し込み、充填密度を向上させる技術について開示されている。
特開2006−275652号公報
ところで、クロマトグラフィーの測定においてカラムを使用し続けると、カラム本体内に充填された充填剤がカラム本体内に流入するクロマトグラフィー用の液に押されて、カラム本体の液の入口側に隙間が生じる現象(トップオフ現象)が起きることが知られている。トップオフ現象が起きた場合、分離性能が低下するため、カラムを交換するか、カラム本体内に充填剤を最充填する対応が必要となる。
これに対して、特許文献1に開示の技術では、カラム本体内にフリッツを圧入して充填剤の充填密度を向上させていることから、トップオフ現象が起き難くなっている。しかし、カラム本体の一方の端部を蓋部材に捩じ込む量でフリッツのカラム本体内への圧入量が変化するため、フリッツの圧入量によっては充填密度を十分に確保できず、トップオフ現象を長期に亘って抑制する効果が十分に得られない虞がある。
本発明は上記事実を考慮し、クロマトグラフィー用の充填剤の充填密度を十分に確保して、トップオフ現象を長期に亘って抑制できるクロマトグラフィー用カラム、このクロマトグラフィー用カラムを適用したクロマトグラフィー装置及びクロマトグラフィー用カラムの製造方法を提供することを課題とする。
本発明の請求項1に記載のクロマトグラフィー用カラムは、筒状とされ、内部にクロマトグラフィー用の充填剤が充填されたカラム本体と、前記充填剤が充填された前記カラム本体内に全体が圧入され、前記カラム本体内に流入するクロマトグラフィー用の液が通過可能とされた圧入部材と、を備えている。
請求項1に記載のクロマトグラフィー用カラムでは、充填剤が充填されたカラム本体内に圧入部材の全体を圧入しているため、例えば、圧入部材の一部のみが圧入されているものと比べて、充填剤の充填密度を十分に確保でき、トップオフ現象を長期に亘って抑制できる。これにより、クロマトグラフィー用カラムの分離性能の低下が長期に亘って抑制される。
本発明の請求項2に記載のクロマトグラフィー用カラムは、請求項1に記載のクロマトグラフィー用カラムにおいて、前記カラム本体の前記液の入口側の開口又は出口側の開口には、第1フィルタ部材が設けられ、前記圧入部材は、前記カラム本体の前記第1フィルタ部材が設けられた側と反対側の開口から前記カラム本体内に圧入される。前記フィルタ部材は、例えば、前記液の通過を許容し、前記充填剤の通過を阻止するものであってよい。また、前記圧入部材は、前記充填剤の通過を阻止するものであってよい。
請求項2に記載のクロマトグラフィー用カラムでは、カラム本体の入口側の開口又は出口側の開口にフィルタ部材を設け、フィルタ部材が設けられた側と反対側の開口から圧入部材を圧入する。ここで、例えば、フィルタ部材及び圧入部材がそれぞれ充填剤の通過を阻止する場合、カラム本体内に圧入部材の全体を圧入することで、充填剤の充填密度を確実に確保できる。
本発明の請求項3に記載のクロマトグラフィー用カラムは、請求項1に記載のクロマトグラフィー用カラムにおいて、前記カラム本体の前記液の入口側の開口及び出口側の開口には、第1フィルタ部材がそれぞれ設けられ、前記圧入部材は、前記カラム本体の入口側の開口及び出口側の開口の少なくとも一方から前記カラム本体内に圧入されている。前記フィルタ部材は、例えば、前記液の通過を許容し、前記充填剤の通過を阻止するものであってよい。
請求項3に記載のクロマトグラフィー用カラムでは、カラム本体の入口側の開口及び出口側の開口の少なくとも一方から圧入部材の全体をカラム本体内に圧入し、さらに、カラム本体の入口側の開口及び出口側の開口にフィルタ部材を設けている。ここで、例えば、フィルタ部材が充填剤の通過を阻止する場合、カラム本体内に圧入部材の全体が圧入されるため、充填剤の充填密度が確実に確保される。
本発明の請求項4に記載のクロマトグラフィー用カラムは、請求項3に記載のクロマトグラフィー用カラムにおいて、前記圧入部材は、前記充填剤の通過を阻止する。
請求項4に記載のクロマトグラフィー用カラムでは、カラム本体内に充填剤の通過を阻止する圧入部材を圧入するため、充填剤の充填密度を向上できる。
本発明の請求項5に記載のクロマトグラフィー用カラムは、請求項2〜4のいずれか1項に記載のクロマトグラフィー用カラムにおいて、前記圧入部材は、前記カラム本体の出口側にのみ配置され、前記カラム本体の入口側の開口よりも前記液の流れ方向上流側には、第2フィルタ部材が配置され、前記第2フィルタ部材は、前記カラム本体に一体的に取り付けられている。第2フィルタ部材は、例えば、前記液に混ざった異物を除去するための異物除去フィルタ部材であるが、これには限定されない。
請求項5に記載のクロマトグラフィー用カラムでは、第2フィルタ部材をカラム本体に一体的に取り付けていることから、例えば、第2フィルタ部材とカラム本体とを別体の配管を介して接続した場合と比べて、第2フィルタ部材からカラム本体までの液の流通経路を短くすることができる。
本発明の請求項6に記載のクロマトグラフィー装置は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のクロマトグラフィー用カラムと、前記クロマトグラフィー用カラムに流入したクロマトグラフィー用の前記液により前記充填剤から溶離された検出成分を検出する検出部と、を備えている。
請求項6に記載のクロマトグラフィー装置では、検体中の検出成分が請求項1〜5のいずれか1項に記載のクロマトグラフィー用カラムの充填剤に吸着される。そして、クロマトグラフィー用カラムに流入したクロマトグラフィー用の液により充填剤から溶離された検出成分が検出部で検出される。ここで、請求項1〜5のいずれか1項に記載のクロマトグラフィー用カラムでは、クロマトグラフィー用カラムの分離性能の低下が長期に亘って抑制されることから、検出成分の検出精度が高い状態で維持される。
本発明の請求項7に記載のクロマトグラフィー用カラムの製造方法は、筒状とされたカラム本体の一端開口にクロマトグラフィー用の液が通過可能とされた圧入部材の一部を圧入し、前記カラム本体の内部にクロマトグラフィー用の充填剤を充填する充填工程と、前記充填剤が充填された前記カラム本体内に前記圧入部材の全体を圧入する圧入工程と、を備えている。
請求項7に記載のクロマトグラフィー用カラムの製造方法では、充填工程でカラム本体の一端開口に圧入部材の一部を圧入し、その後、カラム本体の内部にクロマトグラフィー用の充填剤を充填する。そして、圧入工程で充填剤が充填されたカラム本体内に圧入部材の全体を圧入する。ここで、圧入部材の全体をカラム本体内に圧入するため、例えば、圧入部材の一部のみを圧入するものと比べて、充填剤の充填密度を十分に確保でき、トップオフ現象を長期に亘って抑制できる。また、充填工程でカラム本体の一端開口に圧入部材の一部を圧入しているため、圧入部材を一端開口に入れるときに充填剤が漏れ出るのを抑制できる。
本発明の請求項8に記載のクロマトグラフィー用カラムの製造方法は、筒状とされたカラム本体の内部にクロマトグラフィー用の充填剤を充填する充填工程と、前記充填剤が充填された前記カラム本体内にクロマトグラフィー用の液が通過可能とされた圧入部材の全体を圧入する圧入工程と、を備えている。
請求項8に記載のクロマトグラフィー用カラムの製造方法では、充填工程でカラム本体の内部にクロマトグラフィー用の充填剤を充填し、圧入工程で充填剤が充填されたカラム本体内に圧入部材の全体を圧入する。ここで、圧入部材の全体をカラム本体内に圧入するため、例えば、圧入部材の一部のみを圧入するものと比べて、充填剤の充填密度を十分に確保でき、トップオフ現象を長期に亘って抑制できる。
本発明の請求項9に記載のクロマトグラフィー用カラムの製造方法は、請求項7又は請求項8に記載のクロマトグラフィー用カラムの製造方法において、前記カラム本体内に前記充填剤を充填してから予め設定した時間が経過した後、前記充填剤の前記カラム本体から外に出た部分を擦り切る調整工程を前記圧入工程の前に備えている。
請求項9に記載のクロマトグラフィー用カラムの製造方法では、調整工程において、カラム本体内に充填剤が充填されてから予め設定した時間が経過した後、充填剤のカラム本体から外に出た部分が擦り切られる。これにより、カラム本体内に充填された充填剤の量を一定に近づけられる。
本発明の請求項10に記載のクロマトグラフィー用カラムの製造方法は、請求項7又は請求項8に記載のクロマトグラフィー用カラムの製造方法において、前記カラム本体内に前記充填剤を充填してから前記カラム本体内の圧力が大気圧に戻った後、前記充填剤の前記カラム本体から外に出た部分を擦り切る調整工程を前記圧入工程の前に備えている。
請求項10に記載のクロマトグラフィー用カラムの製造方法では、調整工程において、充填剤を充填してからカラム本体内の圧力が大気圧に戻った後、充填剤のカラム本体から外に出た部分が擦り切られる。これにより、カラム本体内に充填された充填剤の量を一定に近づけられる。
本発明の請求項11に記載のクロマトグラフィー用カラムの製造方法は、請求項7〜10のいずれか1項に記載のクロマトグラフィー用カラムの製造方法において、前記圧入部材は、圧入側の面の少なくとも一部が凹状に凹み、且つ前記充填剤の通過を阻止可能とされている。
請求項11に記載のクロマトグラフィー用カラムの製造方法では、圧入部材の圧入側の面の少なくとも一部を凹状に凹ませていることから、圧入部材をカラム本体に圧入していくと、充填剤が圧入部材の凹状に凹んだ部分に徐々に流れ込んで(退避して)いくため、圧入時に充填剤がカラム本体と圧入部材との隙間から漏れ出るのを効果的に抑制できる。
本発明によれば、クロマトグラフィー用の充填剤の充填密度を十分に確保して、トップオフ現象を長期に亘って抑制できるクロマトグラフィー用カラム、クロマトグラフィー装置及びクロマトグラフィー用カラムの製造方法を提供できる。
本発明の一実施形態のクロマトグラフィー装置の概略構成図である。 第1実施形態のカラムの軸方向に沿った断面図である。 第1実施形態のカラムの製造方法において、カラム本体の出口側の開口から圧入部材の一部を圧入した状態を示す、カラム本体の軸方向に沿った断面図である。 第1実施形態のカラムの製造方法において、カラム本体内に充填剤を充填した状態を示す、カラム本体の軸方向に沿った断面図である。 第1実施形態のカラムの製造方法において、カラム本体の入口側の端部を蓋部材に捩じ込む状態を示す、カラム本体の軸方向に沿った断面図である。 第1実施形態のカラムの製造方法において、カラム本体の出口側の端部を蓋部材にさらに捩じ込む状態を示す、カラム本体の軸方向に沿った断面図である。 第2実施形態のカラムの軸方向に沿った断面図である。 第2実施形態のカラムの製造方法において、カラム本体の出口側の端部を蓋部材に捩じ込んだ状態を示す、カラム本体の軸方向に沿った断面図である。 第2実施形態のカラムの製造方法において、カラム本体内に充填剤を充填した状態を示す、カラム本体の軸方向に沿った断面図である。 第2実施形態のカラムの製造方法において、カラム本体の入口側の開口から圧入部材の一部を圧入した状態を示す、カラム本体の軸方向に沿った断面図である。 第3実施形態のカラムの軸方向に沿った断面図である。 第3実施形態のカラムの製造方法において、カラム本体の入口側の開口から圧入部材の一部を圧入した状態を示す、カラム本体の軸方向に沿った断面図である。 第4実施形態のカラムの軸方向に沿った断面図である。 その他の実施形態のカラムの軸方向に沿った断面図である。 実施例2のカラムと従来のカラムのクロマトグラム波形である。 実施例1のカラムと従来のカラムのクロマトグラム波形である。 実施例1のカラムと従来のカラムの分離能を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
(第1実施形態)
<全体構成>
図1には、本発明の第1実施形態のクロマトグラフィー装置20が示されている。このクロマトグラフィー装置20は、溶離液を用いて全血中のグリコヘモグロビン濃度を測定する液体クロマトグラフィ(LC)を行う装置である。なお、図1の矢印Xは、溶離液の流れ方向を示している。
本実施形態のクロマトグラフィー装置20は、溶離液タンク22、切り替えバルブ24、送液ポンプ26、圧力計28、インジェクションバルブ30、オートサンプラ32、カラム34、検出器36及び廃液容器38を備えている。なお、本実施形態のカラム34は、本発明のクロマトグラフィー用カラムの一例であり、本実施形態の検出器36は、本発明の検出部の一例である。
溶離液タンク22は、溶離液を貯留するためのタンクである。溶離液タンク22は、複数設けられており、異なる種類の溶離液がそれぞれ貯留されている。溶離液タンク22に貯留されている溶離液は、流路を介して切り替えバルブ24及び送液ポンプ26に供給される。
切り替えバルブ24は、送液ポンプ26から送液される溶離液を変更できるように構成されている。例えば、設定された送液シーケンスに基づいて切り替えバルブ24が切り替えられることで、シーケンスに基づく溶離液の送液が行なわれる。
送液ポンプ26は、一定流量の溶離液をインジェクションバルブ30まで送液することができる。また、送液ポンプ26とインジェクションバルブ30との間には、圧力計28が設けられている。この圧力計28は、流路内の圧力を測定するものである。
また送液ポンプ26による送液の際に、切り替えバルブ24を連続的に切り替えることで流路内での各溶離液の混合が可能となる。
オートサンプラ32は、検体としての血液試料をインジェクションバルブ30から流路内へ注入する。注入された血液試料はカラム34に送られる。また、溶離液もインジェクションバルブ30を通過してカラム34に送液される。そして、送液された溶離液によってカラム34の内部でヘモグロビン類の分離が行なわれ、送液された溶離液の種類に応じたヘモグロビン類が溶出し、カラム34から流出する。
検出器36は、カラム34から流出したヘモグロビン類を検出する。この検出器36としては、例えば、紫外・可視吸光光度計がある。検出器36の検出結果に基づき、クロマトグラムが描画され、表示装置(図示せず)に表示される。
廃液容器38は、検出器36を通過した後の廃液を収容する。
なお、クロマトグラフィー装置20は、送液ポンプを1つ有していることが好ましい。1つの送液ポンプで各溶離液または各溶離液を混合した混合液を順番に分離カラムに送液する構成とすれば、クロマトグラフィー装置20のサイズダウンおよびコストダウンが可能である。また、クロマトグラフィー装置20は、送液ポンプを2つ以上有し、1つの送液ポンプに1種の溶離液タンクを接続し、2種以上の溶離液の混合比を変化させて分離カラムへ溶離液を送液するグラジェント方式としてもよい。
また、クロマトグラフィー装置20の構成は、従来からある高速流体クロマトグラフィー装置の構成と同じ構成としてもよい。
<カラムの構成>
次に、本発明の第1実施形態のカラム34の構成について説明する。
図2に示されるように、カラム34は、カラム本体40、充填剤42、フィルタ部材44、圧入部材46、蓋部材48及び蓋部材49と、を備えている。なお、本実施形態のフィルタ部材44は、本発明の第1フィルタ部材の一例である。
カラム本体40は、円筒状とされ、内部にゲル状の充填剤42が充填されている。また、カラム本体40の軸方向の両端部外周には、雄ねじ40Aがそれぞれ形成されている。カラム本体40の材質としては、例えば、ガラス、ステンレス、樹脂が挙げられる。なお、本実施形態では、カラム本体40をステンレス製としている。
充填剤42は、血液試料中の特定の成分(ヘモグロビン類(検出成分))を吸着するものである。この充填剤42としては、例えばメタクリル酸メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル共重合体などのポリマーゲル、または、シリカゲルなどの無機系ゲルが挙げられる。
フィルタ部材44は、円板状とされ、カラム本体40の溶離液の入口側の開口40Bに設けられている。具体的には、フィルタ部材44の外周縁部がカラム本体40の開口40Bの口縁に接するように、フィルタ部材44は設けられている。このフィルタ部材44は、溶離液の通過を許容し、充填剤42の通過を阻止する構造とされている。すなわち、フィルタ部材44は、充填剤42の粒子が通過できないが、溶離液などの液体が通過できる大きさの隙間又は孔を有する部材である。
このフィルタ部材44によりカラム本体40から開口40Bを通って充填剤42があふれ出るのが阻止されている。
圧入部材46は、円板状とされ、充填剤42が充填されたカラム本体40内に全体が圧入されている。具体的には、圧入部材46は、カラム本体40の溶離液の出口側の開口40Cから圧入されている。なお、本実施形態では、圧入部材46の外径をカラム本体40の内径と同一径としているが、本発明は上記構成に限定されず、圧入部材46の外径は、圧入部材46を開口40Cから圧入できる程度にカラム本体40の内径よりも大きくてもよい。なお、以下において、単に「入口側」という場合には、カラム本体40の溶離液の入口側を指し、単に「出口側」という場合には、カラム本体40の溶離液の出口側を指す。
また、圧入部材46は、溶離液の通過を許容し、充填剤42の通過を阻止する構造とされている。すなわち、圧入部材46は、充填剤42の粒子が通過できないが、溶離液などの液体が通過できる大きさの隙間又は孔を有する部材である。なお、圧入部材46の厚みは、圧入部材46の全体をカラム本体40内に圧入することで得られる充填剤42の充填密度の向上効果が得られれば、フィルタ部材44よりも厚くても薄くてもよい。
蓋部材48は、一端が閉塞された円筒状とされ、カラム本体40の入口側の端部に取り付けられている。具体的には、蓋部材48の開口(他端)側の端部内周には、雌ねじ48Aが形成されており、この雌ねじ48Aにカラム本体40の入口側の雄ねじ40Aが捩じ込まれてカラム本体40に蓋部材48が取り付けられている。また、蓋部材48の閉塞部48Bの中央部には、溶離液などを通すための貫通孔50が形成されている。
また、フィルタ部材44は、蓋部材48の閉塞部48Bとカラム本体40の入口側の端部とで挟まれて固定されている。
蓋部材49は、一端が閉塞された円筒状とされ、カラム本体40の出口側の端部に取り付けられている。具体的には、蓋部材49の開口(他端)側の端部内周には、雌ねじ49Aが形成されており、この雌ねじ49Aにカラム本体40の入口側の雄ねじ40Aが捩じ込まれてカラム本体40に蓋部材49が取り付けられている。また、蓋部材49の閉塞部49Bの中央部には、溶離液などを通すための貫通孔51が形成されている。
また、圧入部材46は、全体がカラム本体40内に圧入された状態で蓋部材49の閉塞部49Bに接している。また、蓋部材49の閉塞部49Bは、カラム本体40の出口側の端部に接している。このため、カラム本体40内に注入される溶離液によって充填剤42が出口側に押圧されても、圧入部材46は蓋部材49によって支持されるため、カラム本体40内に全体が圧入された状態が維持される。
なお、本実施形態では、図2に示されるように、蓋部材48と蓋部材49を同一形状としているが、本発明はこの構成に限定されず、蓋部材48と蓋部材49は異なる形状であってもよい。
<カラムの製造>
次に、本発明の第1実施形態のカラム34の製造方法について説明する。
まず、カラム本体40内にスラリー状の充填剤42を充填するまでの充填工程について説明する。
図3に示されるように、カラム本体40の一端開口(出口側の開口40C)に圧入部材46の軸方向の一部を圧入し、その状態で蓋部材49をカラム本体40の出口側の端部にある程度捩じ込む。
その後、カラム本体40内にスラリー状の充填剤42をカラム本体40の他端開口(入口側の開口40B)から高圧充填する。このとき、カラム本体40内に隙間なく充填剤42を充填する。
次に、カラム本体40内に充填した充填剤42の量を調整する調整工程について説明する。
図4に示されるように、カラム本体40内に高圧充填したスラリー状の充填剤42は、大気圧に戻ることでカラム本体40の開口40Bから外に出る(盛り上る)。このため、カラム本体40内に充填剤42を充填した後は、予め設定した時間が経過するまで放置する。その後、充填剤42の開口40Bから外に出た部分(図4の二点鎖線で示す部分)を例えば、カッター、へらで擦り切る。これにより、カラム本体40内に充填する充填剤42の量を略一定量に安定させられる。
次に、充填剤42が充填されたカラム本体40内に圧入部材46の全体を圧入する圧入工程について説明する。
図5に示されるように、蓋部材48の内部にフィルタ部材44をセットし、カラム本体40の入口側の端部を蓋部材49に完全に捩じ込む。これにより、蓋部材48の閉塞部48Bとカラム本体40の入口側の端部でフィルタ部材44が挟まれて固定される。すなわち、カラム本体40の入口側の開口40Bにフィルタ部材44が設けられる。
図6に示されるように、カラム本体40の入口側の端部を蓋部材48に完全に捩じ込んだ後、カラム本体40の出口側の端部を蓋部材49にさらに捩じ込む。カラム本体40の出口側の端部が蓋部材49に完全に捩じ込まれると、カラム本体40の出口側の端部が蓋部材49の閉塞部49Bに当接する。このとき、圧入部材46は、蓋部材49によって押圧されてカラム本体40内に圧入されていき、カラム本体40の出口側の端部が閉塞部49Bに当接すると全体がカラム本体40内に圧入される。これにより、カラム本体40内の充填剤42の充填密度を十分に確保できる。そして、カラム本体40の両端部を蓋部材48及び蓋部材49に完全に捩じ込むことで、図2に示されるカラム34が製造される。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態のカラム34では、充填剤42が充填されたカラム本体40内に圧入部材46の全体を圧入しているため、例えば、圧入部材46の一部のみが圧入されているものと比べて、充填剤42の充填密度を十分に確保できる。これにより、充填剤42が溶離液に押されてカラム本体40の入口側に隙間が生じる現象(トップオフ現象)が長期に亘って抑制される。結果、カラム34の分離性能の低下が長期に亘って抑制されるため、カラムの交換又は充填剤の再充填を頻繁に実施する必要がなくなる。
また、カラム34では、カラム本体40の入口側の開口40Bにフィルタ部材44を設け、フィルタ部材44が設けられた側と反対側の開口40Cから圧入部材46が圧入されている。ここで、フィルタ部材44及び圧入部材46がそれぞれ充填剤42の通過を阻止するため、カラム本体40内に圧入部材46の全体を圧入することで、充填剤42の充填密度を確実に確保できる。
また、カラム34では、圧入部材46をカラム本体40の出口側に配置しているため、例えば、圧入部材46をカラム本体40の入口側に配置したものと比べて、検体に異物が混じっていた場合の圧力上昇を抑えられ、耐久性が向上する。具体的には、圧入部材46を入口側に配置した場合には、圧入部材46が異物を捕捉してカラム34内の圧力が上昇する傾向があるため、カラム34の圧力上昇を抑えたい場合は、圧入部材46をカラム本体40の出口側に配置することが好ましい。
カラム34の製造方法では、充填工程でカラム本体40の一端開口(出口側の開口40C)に圧入部材46の一部を圧入し、その後、カラム本体40の内部にクロマトグラフィー用の充填剤42を充填する。そして、圧入工程で充填剤が充填されたカラム本体40内に圧入部材46の全体を圧入する。ここで、カラム本体40の内部に充填剤42を充填した後で圧入部材46を開口40Cに入れる場合には、カラム本体40の内部に充填された充填剤42が漏れ出ないように、また、圧入部材46が傾いたり、歪んだりしないように圧入部材46の位置を調整する必要があるため、圧入部材46を開口40Cに入れるための位置決め作業が煩雑になりやすいが、本実施形態のカラム34の製造方法では、充填剤42を充填する前にカラム本体40の開口40Cに圧入部材46の一部を圧入するため、圧入部材46を開口40Cに入れる(差し込む)ための位置決め作業が煩雑でなく、さらに、圧入部材46を開口40Cに入れるときに充填剤42が漏れ出るのを抑制できる。
また、カラム34の製造方法では、調整工程において、カラム本体40内にスラリー状の充填剤42が充填されてから予め設定した時間が経過した後、充填剤42のカラム本体40から外に出た部分が擦り切られるため、カラム本体40内に充填された充填剤42の量(充填量)を一定に近づけられる。これにより、複数のカラム34を製造した場合に、各カラム34の充填剤42の充填量及び充填圧をほぼ一定に近づけられる、すなわち、充填剤42の充填密度もほぼ一定に近づけられる。
また、カラム34の分離性能の低下が長期に亘って抑制されることから、クロマトグラフィー装置20の検出成分の検出精度が高い状態で長期に亘って維持される。
なお、本実施形態のカラム34は、カラム本体40内に圧入部材46の全体を圧入することから、例えば、カラム本体40内に圧入部材を圧入せずに高圧充填で充填剤42を充填する場合と比べて、同じ充填密度を得るのに低圧で済み、さらに、温度調整を不要にできるまたは簡略化でき、充填剤42の調整の手間も簡略化できる。
第1実施形態のカラム34の製造方法では、調整工程において、カラム本体40内に充填剤42を高圧充填した後は、予め設定した時間が経過するまで放置し、その後、充填剤42のカラム本体40から外に出た部分を擦り切る構成としているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、調整工程において、カラム本体40内に充填剤42を高圧充填した後は、高圧充填された充填剤42が大気圧に戻るまで放置し、その後、充填剤42のカラム本体40から外に出た部分を擦り切る構成としてもよい。この場合には、カラム本体40内の充填剤42の量を一定量にさらに近づけることができる。なお、調整工程において、高圧充填された充填剤42が大気圧に戻るまで放置する上記構成については、後述する第2実施形態〜第4実施形態に適用してもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態のクロマトグラフィー装置60、カラム62及びカラム62の製造方法について説明する。なお、第一実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、説明を適宜省略する。
図1に示されるように、第2実施形態のクロマトグラフィー装置60は、カラム34の代わりにカラム62(図7参照)を用いる点以外は第1実施形態のクロマトグラフィー装置20と同一の構成である。なお、本実施形態のカラム62は、本発明のクロマトグラフィー用カラムの一例である。
図7に示されるように、カラム62では、カラム本体40の入口側の開口40Bから圧入部材46の全体が圧入されている。一方、カラム本体40の出口側の開口40Cにフィルタ部材44が設けられている。すなわち、カラム62は、第1実施形態のカラム34に対して、フィルタ部材44と圧入部材46の配置位置が逆になっている。
次に、カラム62の製造方法について説明する。
まず、カラム本体40内にスラリー状の充填剤42を充填するまでの充填工程について説明する。
図8に示されるように、蓋部材49にフィルタ部材44をセットし、カラム本体40の出口側の端部を蓋部材49に完全に捩じ込む。これにより、蓋部材49の閉塞部49Bとカラム本体40の出口側の端部でフィルタ部材44が挟まれて固定される。
その後、カラム本体40内にスラリー状の充填剤42をカラム本体40の入口側の開口40Bから高圧充填する。このとき、カラム本体40内に隙間なく充填剤42を充填する。
次に、第1実施形態の調整工程と同様の調整工程を実施して、図9に示されるように、充填剤42のカラム本体40から外に出た部分(図9では二点鎖線で示す)を擦り切る。
次に、充填剤42が充填されたカラム本体40内に圧入部材46の全体を圧入する圧入工程について説明する。
図10に示されるように、カラム本体40の入口側の開口40Bに圧入部材46の一部を圧入する。次に、蓋部材48の内部にフィルタ部材44をセットし、カラム本体40の入口側の端部を蓋部材48に完全に捩じ込む。カラム本体40の出口側の端部が蓋部材48に完全に捩じ込まれると、カラム本体40の入口側の端部が蓋部材48の閉塞部48Bに当接する。このとき、圧入部材46は、蓋部材48によって押圧されてカラム本体40内に圧入されていき、カラム本体40の入口側の端部が閉塞部48Bに当接すると全体がカラム本体40内に圧入される。これにより、カラム本体40内の充填剤42の充填密度を十分に確保できる。そして、カラム本体40の両端部を蓋部材48及び蓋部材49に完全に捩じ込むことで、図7に示されるカラム62が製造される。
次に、第2実施形態の作用効果について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成で得られる作用効果については説明を省略する。
カラム62では、充填工程で蓋部材49を完全に捩じ込み、圧入工程で蓋部材48を完全に捩じ込むため、捩じ込み作業が2回となり、第1実施形態と比べて、製造工程を短縮することができる。
また、カラム62では、圧入部材46をカラム本体40の入口側に配置しているため、例えば、出口側に配置したものと比べて、溶離液によって充填剤42から溶離された検出成分の混ざりを抑えられる。具体的には、圧入部材46を出口側に配置した場合には、圧入部材46の内部で充填剤42から溶離された検出成分が混ざって各検出成分のクロマトグラム波形がブロードになる傾向があるため、ブロードを抑えたい場合には、圧入部材46をカラム本体40の入口側に配置することが好ましい。
第2実施形態のカラム62の製造方法では、カラム本体40の出口側の端部をフィルタ部材44がセットされた蓋部材49に完全に捩じ込んだ後、カラム本体40内にスラリー状の充填剤42をカラム本体40の入口側の開口40Bから高圧充填しているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、カラム本体40の入口側の開口40Bに圧入部材46の一部を圧入し、カラム本体40の入口側の端部をフィルタ部材44がセットされた蓋部材48に完全に捩じ込んで圧入部材46の全体をカラム本体40内に圧入した後、カラム本体40内にスラリー状の充填剤42をカラム本体40の出口側の開口40Cから高圧充填してもよい。なお、充填剤42をカラム本体40の出口側の開口40Cから高圧充填した後は、カラム本体40の出口側の端部をフィルタ部材44がセットされた蓋部材48に完全に捩じ込むことでカラム62が製造される。
また、カラム本体40の入口側の開口40Bに圧入部材46の一部を圧入し、その状態でカラム本体40の入口側の端部をフィルタ部材44がセットされた蓋部材48にある程度捩じ込み、カラム本体40内にスラリー状の充填剤42をカラム本体40の出口側の開口40Cから高圧充填してもよい。なお、充填剤42をカラム本体40の出口側の開口40Cから高圧充填した後は、カラム本体40の入口側の端部をフィルタ部材44がセットされた蓋部材48に完全に捩じ込み、その後、蓋部材48を完全に捩じ込んで圧入部材46の全体をカラム本体40内に圧入することでカラム62が製造される。この場合には、圧入部材46を後から詰め込むよりも作業が容易になる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態のクロマトグラフィー装置70、カラム72及びカラム72の製造方法について説明する。なお、第2実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、説明を適宜省略する。
図1に示されるように、第3実施形態のクロマトグラフィー装置70は、カラム34の代わりにカラム72(図11参照)を用いる点以外は第1実施形態のクロマトグラフィー装置20と同一の構成である。なお、本実施形態のカラム72は、本発明のクロマトグラフィー用カラムの一例である。
図11に示されるように、カラム72は、圧入部材74の構成以外は、第2実施形態のカラム62と同一の構成である。圧入部材74は、カラム本体40の開口40Bから全体が圧入され、圧入側の面74Aの少なくとも一部が凹状に凹んでいる。なお、本実施形態では、圧入部材74の面74Aが外周端部(径方向外側の端部)から中央部に向かってすり鉢状に凹んでいる。
次に、カラム72の製造方法について説明する。
まず、第2実施形態の充填工程及び調整工程と同様の工程を実施する。
次に、第2実施形態の圧入工程と同様の手順でカラム本体40の開口40Bに圧入部材74を圧入する。そして、カラム本体40の両端部を蓋部材48及び蓋部材49に完全に捩じ込むことで、図11に示されるカラム72が製造される。
次に、第3実施形態の作用効果について説明する。なお、第2実施形態の構成で得られる作用効果については説明を省略する。
圧入部材74の圧入側の面74Aの少なくとも一部を凹状に凹ませていることから、図12に示されるように、圧入部材74をカラム本体40に圧入していくと、充填剤42が圧入部材74の凹状に凹んだ部分に徐々に流れ込んで(退避して)いくため、圧入時に充填剤42がカラム本体40と圧入部材74との隙間から漏れ出るのを効果的に抑制できる。
第3実施形態では、圧入部材74の面74Aを外周端部(径方向外側の端部)から中央部に向かってすり鉢状に凹ませる構成としているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、圧入部材74の面74Aの複数個所を凹ませる構成としてもよい。なお、上記構成及び第3実施形態の構成は、第2実施形態及び第3実施形態に適用してもよい。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態のクロマトグラフィー装置80、カラム82及びカラム82の製造方法について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、説明を適宜省略する。
図1に示されるように、第4実施形態のクロマトグラフィー装置80は、カラム34の代わりにカラム82(図13参照)を用いる点以外は第1実施形態のクロマトグラフィー装置20と同一の構成である。なお、本実施形態のカラム82は、本発明のクロマトグラフィー用カラムの一例である。
図13に示されるように、カラム82は、連結部材84、異物除去フィルタ部材86、及び蓋部材88の構成以外は、第1実施形態のカラム34と同一の構成である。
カラム82では、カラム本体40の入口側の端部に連結部材84が取り付けられている。この連結部材84は、円筒状とされ、軸方向の中央部分が閉塞部84Bによって閉塞されている。この閉塞部84Bには、軸方向に貫通する貫通孔85が形成されている。
連結部材84の両端部内周には、雌ねじ84Aがそれぞれ形成されている。連結部材84の一端部には、カラム本体40の入口側の端部が捩じ込まれている。また、連結部材84の閉塞部84Bとカラム本体40の入口側の端部とでフィルタ部材44が挟まれて固定されている。
また、連結部材84の他端部には、蓋部材88が取り付けられている。この蓋部材88は、円柱状とされ、軸方向の中央部分に貫通孔89が形成されている。この貫通孔89と貫通孔85は連通している。また、蓋部材88の一端部外周には、雄ねじ88Aが形成されており、蓋部材88の一端部が連結部材84の他端部に捩じ込まれて連結部材84に蓋部材88が取り付けられている。また、蓋部材88の他端部には、径方向外側に張り出すフランジ部88Bが形成されている。
蓋部材88の一端部と連結部材84の閉塞部84Bとの間には異物除去フィルタ部材86が配置されている。具体的には、異物除去フィルタ部材86は、蓋部材88の一端部と連結部材84の閉塞部84Bとで挟まれて固定されている。この異物除去フィルタ部材86は、血液試料中の異物を除去するフィルタである。なお、本実施形態の異物除去フィルタ部材86は、本発明の第2フィルタ部材の一例である。
次に、カラム82の製造方法について説明する。
まず、第1実施形態の充填工程及び調整工程と同様の工程を実施する。
次に、充填剤42が充填されたカラム本体40内に圧入部材46の全体を圧入する圧入工程について説明する。
まず、連結部材84の他端部側の内部に異物除去フィルタ部材86をセットし、連結部材84の他端部に蓋部材88を取り付ける。そして、連結部材84の一端部側の内部にフィルタ部材44をセットし、カラム本体40の入口側の端部を連結部材84の一端部に完全に捩じ込む。
次に、カラム本体40の出口側の端部を蓋部材49に完全に捩じ込むことで、圧入部材46の全体がカラム本体40内に圧入されて、図13に示されるカラム82が製造される。
次に、第4実施形態の作用効果について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成で得られる作用効果については説明を省略する。
カラム82では、異物除去フィルタ部材86をカラム本体40に連結部材84及び蓋部材88を用いて一体的に取り付けていることから、例えば、異物除去フィルタ部材とカラム本体とを別体の配管を介して接続した場合と比べて、異物除去フィルタ部材86からカラム本体40までの溶離液の流通経路を短くすることができ、液の混ざりや検体帯のブロード化を回避できる。このメリットを活かすため、このような一体型の場合には、圧入部材46は、カラム本体40の出口側にのみ配置することが好ましい。
第1実施形態では、図2に示されるように、カラム本体40の入口側の開口40Bにフィルタ部材44を配置し、カラム本体40の出口側の開口40Cから圧入部材46の全体を圧入してカラム本体40内に充填剤42を保持する構成としているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、図14に示されるカラム90のように、カラム本体40の出口側の開口40Cから圧入部材46の全体を圧入した後でさらにフィルタ部材44を配置する構成としてもよい。この場合には、圧入部材46を充填剤42の通過を許容できる構造のものとしてもよい。なお、上述のカラム本体40内に圧入部材の全体を圧入した後で、カラム本体40の残りの端部にもフィルタ部材44を配置する構成については、第2〜第4実施形態に適用してもよい。
また、カラム本体40の両端部にそれぞれ圧入部材46を圧入する構成としてもよい。この場合には、フィルタ部材44を省略してもよいし、カラム本体40の両端部に配置してもよい。
第1実施形態では、図2に示されるように、カラム本体40の出口側の端部を蓋部材49に完全に捩じ込んだ状態では、カラム本体40の出口側の端部と閉塞部49Bとが接する構成としているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、蓋部材49の閉塞部49Bの中央部に凸部を形成してもよい。この場合には、カラム本体40の出口側の端部を蓋部材49に完全に捩じ込むと、圧入部材46が凸部の高さ分だけさらにカラム本体40内に圧入される。これにより、充填剤42の充填密度をさらに向上できる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
次に、第1実施形態のカラム34の構造を有する実施例1のカラムと、第2実施形態のカラム62の構造を有する実施例2のカラムを用意し、同一条件化で得られたクロマトグラム波形から波形にブロード化が生じているかについて評価した。図16には、実施例1のカラムを用いたクロマトグラフ波形を実線で示し、図15には、実施例2のカラムを用いたクロマトグラフ波形を実線で示した。なお、図15及び図16の破線は、カラムに圧入部材を圧入していない従来のカラムのクラマトグラフ波形である。
図16に示される実施例1のカラムのように、圧入部材をカラム本体の出口側に配置した場合には、従来のカラムと比べて、波形がブロードになる傾向がある。一方、図15に示される実施例2のように、圧入部材をカラム本体の入口側に配置した場合には、従来のカラムと同程度に測定上有用な波形が得られる。ただし、圧入部材をカラム本体の出口側に配置した場合の上記波形のブロード化は、実際に測定上要求される分離レベルは満たしている。即ち、本発明に関しては、カラムに関して要求される分離能レベルに応じて、圧入部材の配置箇所を決定することが可能である。
また、実施例1のカラムと従来のカラムを同一条件で使用して分離能の低下について評価し、図17に示した。なお、実施例1のカラムの結果を実線で示し、従来のカラムの結果を破線で示している。図17に示されるように、実施例1のカラムの分離能は、従来のカラムと比べて、長期に亘って低下が抑制されていることが分かる。
20、60、70、80 クロマトグラフィー装置
36 検出器(検出部)
34、62、72、82、90 カラム
40 カラム本体
42 充填剤
44 フィルタ部材(第1フィルタ部材)
46 圧入部材
74 圧入部材
74A 圧入側の面
86 異物除去フィルタ部材(第2フィルタ部材)

Claims (11)

  1. 筒状とされ、内部にクロマトグラフィー用の充填剤が充填されたカラム本体と、
    前記充填剤が充填された前記カラム本体内に全体が圧入され、前記カラム本体内に流入するクロマトグラフィー用の液が通過可能とされた圧入部材と、
    を備えたクロマトグラフィー用カラム。
  2. 前記カラム本体の前記液の入口側の開口又は出口側の開口には、第1フィルタ部材が設けられ、
    前記圧入部材は、前記カラム本体の前記第1フィルタ部材が設けられた側と反対側の開口から前記カラム本体内に圧入される、請求項1に記載のクロマトグラフィー用カラム。
  3. 前記カラム本体の前記液の入口側の開口及び出口側の開口には、第1フィルタ部材がそれぞれ設けられ、
    前記圧入部材は、前記カラム本体の入口側の開口及び出口側の開口の少なくとも一方から前記カラム本体内に圧入されている、請求項1に記載のクロマトグラフィー用カラム。
  4. 前記圧入部材は、前記充填剤の通過を阻止する、請求項3に記載のクロマトグラフィー用カラム。
  5. 前記圧入部材は、前記カラム本体の出口側にのみ配置され、
    前記カラム本体の入口側の開口よりも前記液の流れ方向上流側には、第2フィルタ部材が配置され、
    前記第2フィルタ部材は、前記カラム本体に一体的に取り付けられている、請求項2〜4のいずれか1項に記載のクロマトグラフィー用カラム。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のクロマトグラフィー用カラムと、
    前記クロマトグラフィー用カラムに流入したクロマトグラフィー用の前記液により前記充填剤から溶離された検出成分を検出する検出部と、
    を備えたクロマトグラフィー装置。
  7. 筒状とされたカラム本体の一端開口にクロマトグラフィー用の液が通過可能とされた圧入部材の一部を圧入し、前記カラム本体の内部にクロマトグラフィー用の充填剤を充填する充填工程と、
    前記充填剤が充填された前記カラム本体内に前記圧入部材の全体を圧入する圧入工程と、
    を備えたクロマトグラフィー用カラムの製造方法。
  8. 筒状とされたカラム本体の内部にクロマトグラフィー用の充填剤を充填する充填工程と、
    前記充填剤が充填された前記カラム本体内にクロマトグラフィー用の液が通過可能とされた圧入部材の全体を圧入する圧入工程と、
    を備えたクロマトグラフィー用カラムの製造方法。
  9. 前記カラム本体内に前記充填剤を充填してから予め設定した時間が経過した後、前記充填剤の前記カラム本体から外に出た部分を擦り切る調整工程を前記圧入工程の前に備えた請求項7又は請求項8に記載のクロマトグラフィー用カラムの製造方法。
  10. 前記カラム本体内に前記充填剤を充填してから前記カラム本体内の圧力が大気圧に戻った後、前記充填剤の前記カラム本体から外に出た部分を擦り切る調整工程を前記圧入工程の前に備えた請求項7又は請求項8に記載のクロマトグラフィー用カラムの製造方法。
  11. 前記圧入部材は、圧入側の面の少なくとも一部が凹状に凹み、且つ前記充填剤の通過を阻止可能とされている、請求項7〜10のいずれか1項に記載のクロマトグラフィー用カラムの製造方法。
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