JPS63173960A - 液体クロマトカラムの液分散板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は液体クロマトカラムの液分散板に関するもので
あり、詳しくは該液分散板の内部における液の滞留時間
を短くし、かつ液をカラムの全面に均等に分配させて液
体クロマトカラムの性能を格段に向上させ得るように改
良された液体クロマトカラムの液分散板に関するもので
ある。

［従来の技術］ 液体クロマトカラムとりわけ工業用など大径の液体クロ
マトカラムにおいては、液をカラム全面に均等に供給す
るために液の流入部に分散板が設けられている。また、
液体クロマトカラムの液排出側においても、液を集液し
て排出するための同様構造の集波板が設けられている。

第６図は従来の液体クロマトカラムの液分散板２を示す
平面図であり、分散板２の中央に板厚み方向に貫通する
開口４が設けられ、この間口４を始端として放射方向に
延在する溝６と、開口４を中心として同心状に配列され
た円環溝８とを備えている。この分散板２において、開
口４から供給された液は溝６及び８に沿って流れカラム
全体に供給される。

［発明が解決しようとする問題点］ 上記従来の分散板においては、溝の容積がかなり大きく
、従って分散板内部における液の滞留量が多い。また、
そのため液供給量が少量である場合には、分散板内部に
おける液滞留時間が長くなる影響が大きくなり、先に供
給されていた液と後から供給されてきた液とが該分散板
の溝内部で混合する問題も生じる。

一般に、液体クロマトグラフィにおける物質の分離は、
分離精製されるべき原液を一定量カラムに負荷し、これ
に分離用の溶媒を流して流出してきた目的成分を回収す
ることにより行われる。このとき、目的物質が高濃度で
回収率よく分離できるカラムが性能のよいカラムといえ
る。即ち、原液は分散板によりカラム全面に均一に分配
され、その中の目的成分ができるだけ濃い状態で分離溶
媒にて溶出することが好ましい。

しかしながら、上記従来の分散板では、分散板内部にお
ける原液の希釈や、低流速時における不均一な分配など
により十分な性能が得られないのである。

［問題点を解決するための手段］ 本発明の液体クロマトカラムの液分散板は、一方の板面
の略中夫に設けられた液流入用又は流出用の第１の開口
と、他方の板面に散開して多数設けられた液排出用又は
流入用の第２の開口と、これら第１の開口と第２の開口
とを連通ずる板内部の通路とを備えている。

この通路は、以下に述べる第１の通路と第２の通路とを
備えている。第１の通路は、一端が前記第１の開口に接
続しており、この第１の開口を始端として放射方向に延
在する。

第２の通路は、該第１の通路の他端を始端として放射方
向に延在し、その終端が前記第２の開口に接続する。

［作用］ かかる本発明の液分散板においては、第１の開口から液
が供給されると、この液は第１の通路を通って放射方向
に流れ、次いで第２の通路に入って該第１の開口の終端
を始端として放射方向に流れ、その後第２の開口に至っ
て板面の他方に達し、カラム内部に供給される。

逆に、この分散板を集液板として用いた場合には、第２
の開口から液が分散板内部に入り、第２の通路及び第１
の通路を上記と逆に方向に流れて第１の開口に至り、カ
ラム外部に排出される。

［実施例］ 以下図面に示す実施例を参照しながら本発明について更
に詳細に説明する。

第１図は本発明の実施例に係る液分散板を備えた液体ク
ロマトカラムの液入口部分の断面図であり、カラムの軸
線方向に沿って取った断面を示している。

符号１０はカラム本体であり、その内部に充填剤１２が
充填されている。この充填剤１２は、分散板１４を有す
るキャップ部材１５にて上方から押圧されてカラム本体
１０内に密に充填されている。キャップ部材１５は前記
分散板１４、該分散板１４の下方に配置された多孔板１
６、分散板１４の側周に配設された０リング１８、Ｏリ
ング１８を保持するための当板２０から主として構成さ
れている。

分散板１４は、本実施例では第１のプレート２２、第２
のプレート２４及び第３のプレート２６を備えており、
第１のプレート２２の中央部には液流入用の第１の開口
２８が設けられ、液流入用のバイブ３０が接続されてい
る。分散板１４の下面（図では第３のプレート２６）に
は液排出用の第２の関口３２が多数散開して設けられて
いる。そして、分散板１４内にはこれら第１の開口２８
と第２の開口３２とを連通ずるための第１の通路３４と
第２の通路３６とが設けられている。

第１の通路３４は、第１の関口２８を始端として放射方
向に延在するものである。また第２の通路３６は該第１
の通路３４の放射方向先端を始端としてそれから放射方
向に延在している。なお符号３８は第２のプレート２４
に厚み方向に貫設された貫通孔であって第１の通路３４
と第２の通路３６とを連通している。また符号４０は第
３のプレート２６に厚み方向に貫設された貫通孔であり
、第２の通路３６と間口３２とを連通している。

なお第３のプレート２６はその下面側が凹陥し、多孔板
１６が該凹陥部内に収容され、ボルト４２にて止め付け
られている。なおボルト４２は前記各プレート２２．２
４及び２６をも一体に重ね合わせて保持している。

カラム本体１０の上端にはフランジ４４が設けられ、該
フランジ４４にボルト４６にて止め付けられた端板４８
がカラム本体１０の上部を封じている。端板４８にはボ
ルト５０が螺着されており、該ボルト５０を締め込むこ
とによりキャップ部材１６を下方に付勢して充填剤１２
を均一に押圧することができる。また端板４８の中央に
は開口５２が設けられており、前記バイブ３０は該開口
５２を挿通してカラム１０の外部に突出している。

本実施例では、第１の通路３４及び第２の通路３６はそ
れぞれ第２のプレート２４及び第３のプレート２６に設
けられた溝によって形成されている。第２図は第２のプ
レート２４の部分平面図である。図示の如く、本実施例
では第２のプレート２４の中央に円形溝２４ａが設けら
れ、この円形溝２４ａを始端として放射方向に複数本の
溝２４ｂが穿設されている。そして、この第２のプレー
ト２４に上側から第１のプレート２２が被さることによ
り、この溝２４ｂの部分が第１の通路３４として機能す
る。多溝２４ｂの先端には、前記貫通孔３Ｂが穿設され
ている。

第３図は第３のプレート２６の構成を示す部分平面図で
ある。この第３のプレート２６は、前記開口３８と一致
した地点を始点として放射方向に溝２６ｂがそれぞれ複
数本穿設されており、多溝２６ｂの先端に前記貫通孔４
０が穿設されている。そして、この第３のプレート２６
に上側から第２のプレート２４が被さることにより第２
の通路３６が形成される。なお、図示の如く溝２４ｂ、
２６ｂは長さの異なるものが組み合わされている。

第４図は第２のプレート２４と第３のプレート２６を重
ね合わせて示す平面図であり、第１の通路３４は破線に
て示され、第２の通路３６は実線にて示されている。（
第２〜４図では、溝等が円形プレート２４．２６の四半
領域にのみ図示されているが、溝２４ｂ、２６ｂや貫通
孔３８．４０はプレート２４，２６の全域に設けられて
いる。） このように構成された分散板を有する液体クロマトカラ
ムにおいては、パイプ３０から流入した液は第１の開口
２８、第１の通路３４、貫通孔３８、第２の通路３６、
貫通孔４０を経て６第２の開口３２に至り、多孔板１６
に流し出される。

そして、多孔板１６によって均等に分散されて充填剤１
２と接触される。

しかして、かかる本発明構造の分散板においては、内容
積の小さな通路によって液を均等に分散させることがで
きるので、分散板内部における液の滞留量が少量となり
、滞留時間も短くなる。

例えば、内径６００ｍｍの分散板の場合、従来において
は通路内容積が約ＩＩｔあり、２Ｊ２／ｍｉｎの速度に
て液を供給した場合、分散板内部における液の滞留時間
が３０秒程度となっていた。

これに対し、上記本発明構造とした場合、分散板内部に
おける通路容積は約７０ｍ１で足り、２ｊ２／ｍｉｎ速
度にて液供給を行った場合、分散板内部における滞留時
間は約２程度度であり、従来に比べ著しく短縮された。

従って、分散板内部における液の混合、希釈は非常に少
なくなり、液体のクロマトカラムの性能は大きく向上す
る。

なお、上記実施例は第２の・プレート２４及び第３のプ
レート２６にそれぞれ溝を穿設することによって第１の
通路３４及び第２の通路３６を形成しているが、本発明
においては第５図に示す如く上記溝２４ｂ、２６ｂと同
様にスリット５６ａ１５８ａが放射形状に切り抜かれた
薄板５６．５８を各プレート２２と２４及び２４と２６
の間に介在させることによって第１の通路３４及び第２
の通路３６を形成することもできる。この薄板の材質と
してはフッ素樹脂が好適であるが他の材質としてもよい
。なお各プレート２２．２４．２６としては例えばステ
ンレスプレートが好適であるが、耐食性のよい他の材質
のものを用いてもよい。

上記実施例では、２枚の溝付きプレート２４．２６を用
いているが、このようにすれば大径の分散板の場合であ
っても多数本の放射溝を設けることができる。ただし、
小径の分散板の場合にあっては、１枚のプレートに前記
の２種類の溝２４ｂ、２６ｂを形成してもよい。

また、上記実施例は液を均等に分散させてカラム内に供
給する分散板として使用しているが、本発明の分散板は
逆にカラム内の液を集めて１箇所の排出口から排出する
集液用分散板としても使用できる。

［発明の効果］ 以上の通り、本発明の分散板によれば分散板内部におけ
る通路容積を大幅に減少することができる。そのため、
分散板内部における液の滞留量が少なくなると共に液の
滞留時間も短くなる。また、液の均一分散も行われるよ
うになり、液体クロマトカラムの分離性能が大幅に向上
される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例に係る分散板を備えた液体クロ
マトカラムの上部の断面図、第２図は第２のプレートの
平面図、第３図は第３のプレートの平面図、第４図は第
２のプレートと第３のプレートとを重ね合わせた平面図
、第５図は異なる実施例に係る分散板の構成を示す断面
図、第６図は従来の分散板を示す平面図である。 １０・・・カラム、　　　　　１２・・・充填剤、１４
・・・分散板、 ２２・・・第１のプレート、 ２４・・・第２のプレート、 ２６・・・第３のプレート、 ２８・・・第１の開口、　　　３２・・・第２の開口、
３４・・・第１の通路、　　３６・・・第２の通路。 代理人　　弁理士　　重　野　　剛 第１図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）一方の板面の略中央に設けられた液流入用又は排
   出用の第１の開口と、他方の板面に散開して多数設けら
   れた液排出用又は流入用の第２の開口と、該第１の開口
   と第２の開口とを連通する板内部の通路とを有する液体
   クロマトカラムの液分散板であって、 該通路は、該第１の開口を始端として放射方向に延在す
   る第１の通路及び、該第１の通路の終端から放射方向に
   延在し、その終端が前記第２の開口に接続する第２の通
   路を備えてなる液体クロマトカラムの液分散板。