JP4651343B2 - 基板ケース及び基板ケースの封印方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基板ケース及び基板ケースの封印方法に関する。
パチンコやスロットマシン等の遊技機では、その内部に備えられる各装置の作動やゲーム内容を制御する基板が設けられている。この基板は、メダルや玉の払い出しの制御、大当たりや各ボーナスの抽選などを行う極めて重要な役割を有するものである。したがって、遊技機に備えられた正規の基板が不正な基板に交換されたり、改造されたりすることを確実に防止する必要がある。そのためには、基板を収納する基板ケースを設けて、この中に基板を収納した後、この基板ケースをシール等により封印し、さらに、この基板ケースが開放されたときにその開放の痕跡を残すというような技術が考えられる。このような技術としては下記の特許文献1及び特許文献2に開示する技術が提供されている。
すなわち、特許文献1では、ケース本体部材と、ケース本体部材に装着されるケース蓋部材と、ケース本体部材に連結して設けた本体側係合部と、ケース蓋部材に連結して設けた蓋側係合部と、両係合部が対向して重なったときに両係合部の間に形成される係合用空間内に配設される接続部材とを有している。そして、前記接続部材が係合用空間内において本体側係合部と係合されるとともに蓋側係合部とも係合され、ケース本体部材にケース蓋部材を装着した状態を保持するように構成されている。そして、本体側係合部および蓋側係合部におけるケース本体部材もしくはケース蓋部材との連結部が切断可能に構成されており、この連結部を切断してケース本体部材からケース蓋部材を外すことができるように構成されている。これにより、係合空間内において接続部材を介して本体側係合部と蓋側係合部とが係合保持されるため、この係合を外部から解除することが不可能であり、ケース蓋部材をケース本体部材から開放もしくは取り外すことができなくなり、不正開放を防止することができる。
また、特許文献2では、基板と、この基板を収納するケース本体と、このケース本体に被せられるケース蓋と、このケース蓋とケース本体とをこれらの当接部位の一部または全部において接着する接着剤または硬化樹脂と、この接着剤または硬化樹脂による接着箇所にまたがった状態でケース本体およびケース蓋に貼られる封印シールとから封印構造が構成されている。これにより、封印シールが剥がされたとしても、ケースが開かないので電子部品の脱着は困難となり、不正開放を防止することができる。
特開2003−340094号公報 特開平10−249024号公報
しかし、上述の特許文献1に開示されている基板ケースでは、本体側係合部と蓋側係合部とは、接続部材を介して係合保持されるため、外部からこの係合を解除することはきわめて難しくなっているが、ケース本体部材とケース蓋部材との間には微小な隙間が形成されており、この隙間から鋭利な刃物等を進入させることが可能であり、基板ケースを不正開放されるおそれがあるという問題が生じていた。また、前記のような基板ケースは、その構造が比較的複雑なものとなり、生産性の向上が図れないという問題も生じていた。
また、上述の特許文献2に開示されている基板ケースにおいては、ケース蓋とケース本体との当接部位に接着剤や硬化樹脂等を塗付して両者を接着させることで基板ケースの不正開放を難しくさせているが、封印シールを特殊な薬品等により剥がし、接着部分を無理矢理開放して、制御基板の交換や電子部品の脱着を行った後、元通りに封印シールを貼っておくと不正開放がされたか否かの確認が難しくなるという問題が生じていた。さらに、不正開放をより難しいものとするためには、ケース蓋とケース本体との当接部位の比較的広範囲に渡って、接着剤や硬化樹脂等を塗付しなければならず、経済的でないという問題も生じていた。
したがって、上記のような事情により、簡単な構造で、基板ケースを構成するベース部材とカバー部材とを強固に接合するとともに、基板ケースが不正に開放されることなく、経済的で確実に封印することが可能な基板ケースの提供が望まれている。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、構造が簡易であって、かつ、確実に封印でき、不正な開放を防止することができるような基板ケースを提供することを第1の課題とする。
さらに、本発明は、上記第1の課題に加え、不正な開放が行われた場合に、その開放跡を視認することができ、不正な開放を容易に発見できるような基板ケースを提供することを第2の課題とする。
さらに、本発明は、上記第1又は第2の課題に加え、簡易かつ強固な固定を、より効果的に行うことができる基板ケースを提供することを第3の課題とする。
また、本発明は、基板ケースを確実に封印でき、不正な開放を防止することができるような基板ケースの封印方法を提供することを第4の課題とする。
本発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(第1の発明)
本発明のうち第1の発明は、ベース部材2と、該ベース部材2と組み合わされるカバー部材3とを備え、ベース部材2とカバー部材3とを組み合わせると、ベース部材2とカバー部材3との間に基板7を収納可能な空間が形成される基板ケース1であって、前記ベース部材2は、その外周縁から外方に向けて突出する第1フランジ部5を備え、前記カバー部材3は、その外周縁から外方に向けて突出する第2フランジ部6を備え、前記ベース部材2と前記カバー部材3とを組み合わせた際に、前記第2フランジ部6は前記第1フランジ部5と重なり合い、前記第1フランジ部5の所定位置には、第1固定穴22が設けられ、前記第2フランジ部6の、ベース部材2とカバー部材3とを組み合わせた際に第1固定穴22に対応する位置には、第2固定穴33が設けられ、第1フランジ部5と第2フランジ部6とは、第1固定穴22と第2固定穴33とを通した固定部材31によって、互いに圧接した状態で固定されるように形成され、第1フランジ部5及び第2フランジ部6の少なくとも一方の所定位置には、貫通孔32が設けられ、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを固定部材31で固定した際に、第1フランジ部5と第2フランジ部6との間に、前記第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍よりも前記貫通孔32の近傍の方が間隔が大きく、かつ、貫通孔32から注入された液状の接着剤が毛細管力によって第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍へ向けて流れ込んで広がっていく程度の大きさの間隙8が形成され、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを固定部材31で固定した後に、貫通孔32から注入した、前記間隙8に流れ込んで広がっていく程度の液状の接着剤9によって、第1フランジ部5と第2フランジ部6とが接着されることを特徴とする。
基板ケース1とは、ゲーム内容や各装置の制御を行う基板7を収納するケースをいう。
ここで、基板ケース1はベース部材2と、該ベース部材2と組み合わされるカバー部材3とを備えている。すなわち、ベース部材2及びカバー部材3は基板ケース1を構成する部材であり、両者が組み合わされることで基板ケース1が形成される。
また、ベース部材2とカバー部材3とを組み合わせると、ベース部材2とカバー部材3との間に基板7を収納可能な空間が形成される。このように、ベース部材2及びカバー部材3の両者を組み合わせて、それらの間に基板7を収納する空間を形成可能とするために、ベース部材2及びカバー部材3の少なくとも一方を、開口部を有する箱型形状とする必要がある
。たとえば、ベース部材2は開口部を有する箱型形状とし、カバー部材3は、この開口部を覆う平面板とすることができる。これにより、ベース部材2の開口部を覆うようにカバー部材3を組み合わせると、ベース部材2とカバー部材3との間に基板7を収納可能な空間が形成される。また、ベース部材2を平面板とし、カバー部材3を、開口部を有する箱型形状とすることもできる。また、ベース部材2及びカバー部材3の両方を、開口部を有する箱型形状とすることもできる。
ベース部材2は、その外周縁から外方に向けて突出する第1フランジ部5を備え、カバー部材3は、その外周縁から外方に向けて突出する第2フランジ部6を備え、前記ベース部材2と前記カバー部材3とを組み合わせた際に、前記第2フランジ部6は前記第1フランジ部5と重なり合う。
第1フランジ部5及び第2フランジ部6は、両者が完全に重なりあうようにするため、表面の形状、大きさは等しくする必要がある。第1フランジ部5及び第2フランジ部6が重なりあっていない場合には、たとえば鋭利な刃等を第1フランジ部5と第2フランジ部6との境目から挿入しやすく、基板ケース1の不正開放が容易となるおそれが生じるからである
。また、第1フランジ部5及び第2フランジ部6は、基板ケース1の不正開放を難しいものとするため、複数個備えることができる。さらに、第1フランジ部5及び第2フランジ部6は、基板ケース1の不正開放を難しいものとするため、たとえば、ベース部材2及びカバー部材3の長辺の両端近傍にそれぞれ備えることができる。また、ベース部材2及びカバー部材3の四辺の中央付近にそれぞれ備えることもできる。
第1フランジ部5の所定位置には、第1固定穴22が設けられ、第2フランジ部6の、ベース部材2とカバー部材3とを組み合わせた際に第1固定穴22に対応する位置には、第2固定穴33が設けられる。さらに、第1フランジ部5と第2フランジ部6とは、第1固定穴22と第2固定穴33とを通した固定部材31によって、互いに圧接した状態で固定されるように形成される。
すなわち、第1固定穴22及び第2固定穴33には固定部材31が通され、第1フランジ部5と第2フランジ部6とは、この第1固定穴22及び第2固定穴33を介して、前記固定部材31によって固定される。この際、第1フランジ部5と第2フランジ部6とは、前記固定部材31により、圧接されるように固定される。
また、第1フランジ部5の所定位置には、第1固定穴22が設けられる、とあるが、この第1固定穴22は、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを確実に固定するとともに、後述の、第1フランジ部5と第2フランジ部6との間に形成される間隙8に、確実に接着剤が流れ込むようにすべく、第1フランジ部5の中央付近に設けるのが望ましい。
また、固定部材31は第1固定穴22側から通すことができるようにしてもよく、又は、第2固定穴33側から通すことができるようにしてもよい。具体的には、固定部材31を第1固定穴22側から通す場合には、第1フランジ部5の第2フランジ部6側と反対の面側から固定部材31を第1固定穴22に挿入していく。そして、固定部材31は、第1固定穴22及び第2固定穴33を介して、第2フランジ部6まで至る。
この場合、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを固定部材31で固定できるのであれば、第2固定穴33は、第2フランジ部6を貫通していてもよく、又は、貫通していなくてもよい。また、固定部材31の種類も、特に限定されるものではなく、ネジ、タッピンネジ、ナイラッチ、ピンなどを使用することができる。
たとえば、第2固定穴33は第2フランジ部6を貫通し、かつ、固定部材31としてネジを使用することができる。すなわち、第1固定穴22に挿入されたネジの先端を第2固定穴33から突出させ、このネジをナットと螺合させることで、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを固定させるようにすることができる。また、ナットと同様の作用をする他の部材を第2固定穴33に取り付け、ネジによりこの部材にネジ止めすることで、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを固定させるようにすることもできる。
また、上述のように、固定部材31としてタッピンネジ34を使用することもできる。すなわち、第1固定穴22及び第2固定穴33にタッピンネジ34をねじ込んでいき、さらに、このタッピンネジ34を第2フランジ部6にねじ込むことで、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを固定させるようにすることができる。この場合は、第2固定穴33が第2フランジ部6を貫通していないものとするのが望ましい。
また、固定部材31を第2固定穴33側から挿入する場合は、上述の場合と同様である。
第1フランジ部5及び第2フランジ部6の少なくとも一方の所定位置には、貫通孔32が設けられる。
前記貫通孔32は、第1フランジ部5及び第2フランジ部6の少なくとも一方に設けられるため、第1フランジ部5のみに貫通孔32を設けることができる。また、第2フランジ部6のみに貫通孔32を設けることもできる。また、第1フランジ部5及び第2フランジ部6の両方に、それぞれ貫通孔32を設けることもできる。また、貫通孔32はこれらのフランジ部に1箇所のみ設けることもできるし、又は2箇所以上設けることもできる。
ここで、第1フランジ部5及び第2フランジ部6の両方にそれぞれ貫通孔32を設ける場合は、第1フランジ部5の貫通孔32と第2フランジ部6の貫通孔32とが重なり合わないようにするのが望ましい。後述するように、この貫通孔32から接着剤9を注入し、第1フランジ部5と第2フランジ部6との間に形成される間隙8に流れ込ませるが、第1フランジ部5の貫通孔32と第2フランジ部6の貫通孔32とが重なり合っていると、接着剤9はこの貫通孔32を通って第1フランジ部5及び第2フランジ部6の外に流れ出てしまうからである。
第1フランジ部5と第2フランジ部6とを固定部材31で固定した際に、第1フランジ部5と第2フランジ部6との間に、前記第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍よりも前記貫通孔32の近傍の方が間隔が大きく、かつ、貫通孔32から注入された液状の接着剤が流れ込む、間隙8が形成される。
すなわち、第1フランジ部5と第2フランジ部6とは、第1固定穴22及び第2固定穴33を介して、固定部材31により固定されているが、不正開放を難しいものとすべく、第1フランジ部5と第2フランジ部6との間に間隙8を形成し、前記貫通孔32から液状の接着剤9を注入して当該間隙8に流れ込ませることで、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを接着している。
ここで、間隙8は非常に狭小な隙間であり、第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍よりも貫通孔32の近傍の方が間隔が大きくなっている。すなわち、貫通孔32から注入された接着剤9が、第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍へ向けて、流れ込んで広がっていくことができる程度の大きさの隙間である。このように、間隙8は非常に小さな隙間であるため、貫通孔32より接着剤9を注入すると、毛細管力によって間隙8に接着剤9が流れ込み、僅かの時間で間隙8全体に広がることとなる。この結果、接着剤9により、第1フランジ部5と第2フランジ部6とは接着されることとなる。
また、液状の接着剤9とあるが、これは完全に液状となっている必要はなく、前記間隙8に流れ込んで広がっていくことができる程度の粘性を有したものであってもよい。また接着剤9としては、瞬間接着剤を使用するのが望ましく、たとえば、シアノアクリレート系接着剤を使用することができる。
(第2の発明)
本発明のうち第2の発明は、上記第1の発明の特徴に加え、第1フランジ部5及び第2
フランジ部6の少なくとも一方が透明であり、かつ、接着剤9は有色であることを特徴とする。
第1フランジ部5及び第2フランジ部6の少なくとも一方が透明であるため、第1フランジ部5のみを透明とすることができる。また、第2フランジ部6のみを透明とすることもできる。また、第1フランジ部5又は第2フランジ部6の一方のみを透明とするのではなく、第1フランジ部5及び第2フランジ部6の両方を透明とすることもできる。さらに、接着剤9は有色とする。これにより、第1フランジ部5と第2フランジ部6とが接着されているかどうかを目視で簡単に確認することができる。また、第1フランジ部5が第2フランジ部6から剥がされた場合には、接着構造が破壊されることにより剥離面に白濁した部分が生じることとなるため、剥がされたかどうかについても目視で簡単に確認することができる。なお、ここで「透明」とは無色透明及び有色透明の両方を含む意味である。また、「有色」とは有色透明及び有色不透明の両方を含む意味である。
また、第1フランジ部5又は第2フランジ部6のいずれか一方を透明とする場合は、遊技機の扉等を開けた時に、店員等が透明なフランジ部を見えるように、基板ケース1を設置するのがよい。目視での確認を容易にするためである。
(第3の発明)
本発明のうち第3の発明は、上記第1又は第2の発明の特徴に加え、第1フランジ部5
の、第2フランジ部6側の面における、第1固定穴22の近傍に、第2フランジ部6方向へ向けて突出する段部23が設けられるか、第2フランジ部6の、第1フランジ部5側の面における、第2固定穴33の近傍に、第1フランジ部5方向へ向けて突出する段部23が設けられるか、又は、第1フランジ部5の、第2フランジ部6側の面における、第1固定穴22の近傍に、第2フランジ部6方向へ向けて突出する段部23が設けられるとともに、第2フランジ部6の、第1フランジ部5側の面における、第2固定穴33の近傍に、第1フランジ部5方向へ向けて突出する段部23が設けられることにより、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを固定部材31で固定した際に、第1フランジ部5と第2フランジ部6との間に、前記第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍よりも前記貫通孔32の近傍の方が間隔が大きく、かつ、貫通孔32から注入された液状の接着剤9が毛細管力によって第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍へ向けて流れ込んで広がっていく程度の大きさの間隙8が形成されることを特徴とする。
具体的には、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを固定部材31で固定した際に、第1フランジ部5と第2フランジ部6との間に形成される間隙8は、その間隔が第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍よりも貫通孔32の近傍において大きくなるようにするため、第1フランジ部5の、第2フランジ部6側の面の、第1固定穴22の近傍に、第2フランジ部6方向へ向けて突出する凸部である段部23を設ける。これによって、間隙8の間隔は、第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍よりも貫通孔32の近傍の方が大きくなる。
また、この段部23は第2フランジ部6に設けてもよい。すなわち、第2フランジ部6の、第1フランジ部5側の面における、第2固定穴22の近傍に、第1フランジ部6方向へ向けて突出する段部23を設けることもできる。この場合も、間隙8の間隔は、第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍よりも貫通孔32の近傍の方が大きくなる。
また、この段部23は第1フランジ部5及び第2フランジ部6の両方に設けることもできる。すなわち、第1フランジ部5の、第2フランジ部6側の面における、第1固定穴22の近傍に、第2フランジ部6方向へ向けて突出する段部23を設けるとともに、第2フランジ部6の、第1フランジ部5側の面における、第2固定穴33の近傍に、第1フランジ部5方向へ向けて突出する段部23を設けることもできる。この場合も、間隙8の間隔は、第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍よりも貫通孔32の近傍の方が大きくなる。
(第4の発明)
本発明のうち第4の発明は、上記第1又は第2の発明の特徴に加え、第1フランジ部5の、第2フランジ部6側の面が、貫通孔32の近傍よりも第1固定穴22の近傍の方が第2フランジ部6に近くなるように傾斜するか、第2フランジ部6の、第1フランジ部5側の面が、貫通孔32の近傍よりも第2固定穴33の近傍の方が第1フランジ部5に近くなるように傾斜するか、又は、第1フランジ部5の、第2フランジ部6側の面が、貫通孔32の近傍よりも第1固定穴22の近傍の方が第2フランジ部6に近くなるように傾斜するとともに、第2フランジ部6の、第1フランジ部5側の面が、貫通孔32の近傍よりも第2固定穴33の近傍の方が第1フランジ部5に近くなるように傾斜することにより、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを固定部材31で固定した際に、第1フランジ部5と第2フランジ部6との間に、前記第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍よりも前記貫通孔32の近傍の方が間隔が大きく、かつ、貫通孔32から注入された液状の接着剤9が毛細管力によって第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍へ向けて流れ込んで広がっていく程度の大きさの間隙8が形成されることを特徴とする。
すなわち、第1フランジ部5の、第2フランジ部6側の面を、いわゆるテーパー面とする。このテーパー面は、第1固定穴22の近傍が第2フランジ部6に最も近く、第1固定穴22の近傍から貫通孔32の近傍に向けて、しだいに第2フランジ部6から遠ざかるように傾斜している。すなわち、第1フランジ部5の、第2フランジ部6側の面が、貫通孔32の近傍よりも第1固定穴22の近傍の方が第2フランジ部6に近くなるように傾斜させることにより、第1フランジ部5と第2フランジ部6との間に、第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍よりも貫通孔32の近傍の方が間隔が大きい間隙8が形成されるようにすることができる。
また、第2フランジ部6の、第1フランジ部5側の面を、いわゆるテーパー面とすることもできる。すなわち、第2フランジ部6の、第1フランジ部5側の面が、貫通孔32の近傍よりも第2固定穴33の近傍の方が第1フランジ部5に近くなるように傾斜することにより、第1フランジ部5と第2フランジ部6との間に、第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍よりも貫通孔32の近傍の方が間隔が大きい間隙8が形成されるようにすることもできる。
同様に、第1フランジ部5の第2フランジ部6側の面、及び、第2フランジ部6の第1フランジ部5側の面の両方を、いわゆるテーパー面とすることもできる。すなわち、第1フランジ部5の、第2フランジ部6側の面が、貫通孔32の近傍よりも第1固定穴22の近傍の方が第2フランジ部6に近くなるように傾斜するとともに、第2フランジ部6の、第1フランジ部5側の面が、貫通孔32の近傍よりも第2固定穴33の近傍の方が第1フランジ部5に近くなるように傾斜することにより、第1フランジ部5と第2フランジ部6との間に、第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍よりも貫通孔32の近傍の方が間隔が大きい間隙8が形成されるようにすることもできる。
(第5の発明)
本発明のうち第5の発明は、上記第1又は第2の発明の特徴に加え、第1フランジ部5
の、第2フランジ部6側の面が、貫通孔32の近傍よりも第1固定穴22の近傍の方が第2フランジ部6に近くなるように湾曲するか、第2フランジ部6の、第1フランジ部5側の面が、貫通孔32の近傍よりも第2固定穴33の近傍の方が第1フランジ部5に近くなるように湾曲するか、又は、第1フランジ部5の、第2フランジ部6側の面が、貫通孔32の近傍よりも第1固定穴22の近傍の方が第2フランジ部6に近くなるように湾曲するとともに、第2フランジ部6の、第1フランジ部5側の面が、貫通孔32の近傍よりも第2固定穴33の近傍の方が第1フランジ部5に近くなるように湾曲することにより、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを固定部材31で固定した際に、第1フランジ部5と第2フランジ部6との間に、前記第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍よりも前記貫通孔32の近傍の方が間隔が大きく、かつ、貫通孔32から注入された液状の接着剤9が毛細管力によって第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍へ向けて流れ込んで広がっていく程度の大きさの間隙8が形成されることを特徴とする。
すなわち、第1フランジ部5の、第2フランジ部6側の面を、第2フランジ部6側に凸となる曲面とする。この曲面は、第1固定穴22の近傍が第2フランジ部6に最も近く、第1固定穴22の近傍から貫通孔32の近傍に向けて、しだいに第2フランジ部6から遠ざかるように湾曲している。すなわち、第1フランジ部5の、第2フランジ部6側の面が、貫通孔32の近傍よりも第1固定穴22の近傍の方が第2フランジ部6に近くなるように湾曲することにより、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを固定部材31で固定した際には、第1フランジ部5と第2フランジ部6との間に、第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍よりも貫通孔32の近傍の方が間隔が大きい間隙8が形成されるようにすることができる。
また、第2フランジ部6の、第1フランジ部5側の面を、第1フランジ部5側に凸となる曲面とすることもできる。すなわち、第2フランジ部6の、第1フランジ部5側の面が、貫通孔32の近傍よりも第2固定穴33の近傍の方が第1フランジ部5に近くなるように湾曲することにより、第1フランジ部5と第2フランジ部6との間に、第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍よりも貫通孔32の近傍の方が間隔が大きい間隙8が形成されるようにすることもできる。
同様に、第1フランジ部5の第2フランジ部6側の面、及び、第2フランジ部6の第1フランジ部5側の面の両方を、それぞれ対向するフランジ部に凸となる曲面とすることもできる。すなわち、第1フランジ部5の、第2フランジ部6側の面が、貫通孔32の近傍よりも第1固定穴22の近傍の方が第2フランジ部6に近くなるように湾曲するとともに、第2フランジ部6の、第1フランジ部5側の面が、貫通孔32の近傍よりも第2固定穴33の近傍の方が第1フランジ部5に近くなるように湾曲することにより、第1フランジ部5と第2フランジ部6との間に、第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍よりも貫通孔32の近傍の方が間隔が大きい間隙8が形成されるようにすることもできる。
(第6の発明)
本発明のうち第6の発明は、上記第1又は第2の発明の特徴に加え、第1固定穴22と第2固定穴33とを通した固定部材31で、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを圧接させた際に、第1フランジ部5及び第2フランジ部6の少なくとも一方が、貫通孔32の近傍よりも第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍で、他方に近くなるようにたわむことにより、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを固定部材31で固定した際に、第1フランジ部5と第2フランジ部6との間に、前記第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍よりも前記貫通孔32の近傍の方が間隔が大きく、かつ、貫通孔32から注入された液状の接着剤9が毛細管力によって第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍へ向けて流れ込んで広がっていく程度の大きさの間隙8が形成されることを特徴とする。
具体的には、固定部材31で、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを圧接させることで、第1フランジ部5が、貫通孔32の近傍よりも第1固定穴22の近傍で、第2フランジ部6に近くなるようにたわむことにより、第1フランジ部5と第2フランジ部6との間に、第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍よりも貫通孔32の近傍の方が間隔が大きい間隙8を形成することができる。
また、固定部材31で、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを圧接させることで、第2フランジ部6が、貫通孔32の近傍よりも第2固定穴33の近傍で、第1フランジ部5に近くなるようにたわむことにより、第1フランジ部5と第2フランジ部6との間に、第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍よりも貫通孔32の近傍の方が間隔が大きい間隙8を形成することもできる。
また、固定部材31で、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを圧接させることで、第1フランジ部5が、貫通孔32の近傍よりも第1固定穴22の近傍で、第2フランジ部6に近くなるようにたわむとともに、第2フランジ部6が、貫通孔32の近傍よりも第2固定穴33の近傍で、第1フランジ部5に近くなるようにたわむことにより、第1フランジ部5と第2フランジ部6との間に、第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍よりも貫通孔32の近傍の方が間隔が大きい間隙8を形成することもできる。
また、固定部材31で、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを圧接させることで、第1フランジ部5及び第2フランジ部6の少なくとも一方を、貫通孔の近傍よりも第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍で、他方に近くなるようにたわませるためには、固定部材31での固定前に、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを、間隙を介して平行となるように形成しておくことができる。たとえば、第1フランジ部5及び第2フランジ部6の少なくとも一方の両端に、他方へ向けて突出する突部を設けることで、上述のように、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを、間隙を介して平行となるように形成することができる。
また、固定部材31での固定前に、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを、第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍よりも貫通孔32の近傍で、他方に近くなるように形成しておくこともできる。
(第7の発明)
本発明のうち第7の発明は、上記第6の発明の特徴に加え、第2フランジ部6の、第1フランジ部5側の面における両端に、第1フランジ部5へ向けて突出する突部24が設けられるか、第1フランジ部5の、第2フランジ部6側の面における両端に、第2フランジ部6へ向けて突出する突部24が設けられるか、又は、第2フランジ部6の、第1フランジ部5側の面における両端に、第1フランジ部5へ向けて突出する突部24が設けられるとともに、第1フランジ部5の、第2フランジ部6側の面における両端に、第2フランジ部6へ向けて突出する突部24が設けられていることを特徴とする。
具体的には、第2フランジ部6の、第1フランジ部5側の面の両端にそれぞれ、第1フランジ部5方向に向けて突出する突部24を設ける。すると、第1フランジ部5と第2フランジ部6とは、間隙を介して平行に配設されることとなる。ここで、固定部材31で、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを圧接させることで、第1フランジ部5が、貫通孔32の近傍よりも第1固定穴22の近傍で、第2フランジ部6に近くなるようにたわむか、第2フランジ部6が、貫通孔32の近傍よりも第2固定穴33の近傍で、第1フランジ部5に近くなるようにたわむか、又は、第1フランジ部5が、貫通孔32の近傍よりも第1固定穴22の近傍で、第2フランジ部6に近くなるようにたわむとともに、第2フランジ部6が、貫通孔32の近傍よりも第2固定穴33の近傍で、第1フランジ部5に近くなるようにたわむことにより、第1フランジ部5と第2フランジ部6との間に、第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍よりも貫通孔32の近傍の方が間隔が大きい間隙8を形成することができる。
また、第1フランジ部5の、第2フランジ部6側の面の両端にそれぞれ、第2フランジ部6方向へ向けて突出する突部24を設けることもできる。この場合も、上述と同様にすることにより、第1フランジ部5と第2フランジ部6との間に、第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍よりも貫通孔32の近傍の方が間隔が大きい間隙8を形成することができる。
また、第2フランジ部6の、第1フランジ部5側の面の両端にそれぞれ、第1フランジ部5方向に向けて突出する突部24を設けるとともに、第1フランジ部5の、第2フランジ部6側の面の両端にそれぞれ、第2フランジ部6方向へ向けて突出する突部24を設けることもできる。この場合も、上述と同様にすることにより、第1フランジ部5と第2フランジ部6との間に、第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍よりも貫通孔32の近傍の方が間隔が大きい間隙8を形成することができる。
(第8の発明)
ベース部材2と、該ベース部材2と組み合わされるカバー部材3とを備え、ベース部材2とカバー部材3とを組み合わせると、ベース部材2とカバー部材3との間に基板7を収納可能な空間が形成される基板ケース1の封印方法であって、前記ベース部材2は、その外周縁から外方に向けて突出する第1フランジ部5を備え、前記カバー部材3は、その外周縁から外方に向けて突出する第2フランジ部6を備え、前記ベース部材2と前記カバー部材3とを組み合わせた際に、前記第2フランジ部6は前記第1フランジ部5と重なり合い、前記第1フランジ部5の所定位置には、第1固定穴22が設けられ、前記第2フランジ部6の、ベース部材2とカバー部材3とを組み合わせた際に第1固定穴22に対応する位置には、第2固定穴33が設けられ、第1フランジ部5と第2フランジ部6とは、第1固定穴22と第2固定穴33とを通した固定部材31によって、互いに圧接した状態で固定されるように形成され、第1フランジ部5及び第2フランジ部6の少なくとも一方の所定位置には、貫通孔32が設けられ、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを固定部材31で固定した際に、第1フランジ部5と第2フランジ部6との間に、前記第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍よりも前記貫通孔32の近傍の方が間隔が大きく、かつ、貫通孔32から注入された液状の接着剤9が毛細管力によって第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍へ向けて流れ込んで広がっていく程度の大きさの間隙8が形成され、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを固定部材31で固定した後に、前記間隙8に流れ込んで広がっていく程度の液状の接着剤9を貫通孔32から注入して第1フランジ部5と第2フランジ部6とを接着することを特徴とする。
ここで、基板ケース1とは第1の発明における基板ケース1と同一のものであり、構成等の説明は省略する。
第1固定穴22及び第2固定穴33を通した固定部材31で、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを圧接させて固定させた後、液状の接着材9を貫通孔32から注入し、この接着剤9を前記間隙8に流し込ませる。これにより前記第1フランジ部5と第2フランジ部6とを接着させて、基板ケース1を封印する。すなわち、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを固定部材31により固定し、この状態において、貫通孔32から接着剤9を注入すると、第1フランジ部5と第2フランジ部6との間に形成されている間隙8にこの接着剤9が流れ込む。ここで、間隙8は非常に小さな隙間であるため、貫通孔32より接着剤9を注入すると、間隙8に接着剤9が流れ込み、僅かの時間で間隙8の全体に広がることとなる。これにより、第1フランジ部5と第2フランジ部6とが接着され、基板ケース1は封印される。
本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
すなわち、本発明のうち第1の発明は、構造が簡易であって、かつ、確実に封印でき、不正な開放を防止することができるような基板ケースを提供することができる。
つまり、本発明に係る第1フランジ部及び第2フランジ部には、固定部材で止めるための第1固定穴及び第2固定穴、接着剤を注入する貫通孔を備えており、これらのみで基板ケースを接着封印するため、封印構造が容易となり、生産性の向上やコストの低下を図ることができる。また、固定部材による固定のみではなく、第1フランジ部及び第2フランジ部を接着剤で接着することにより、基板ケースを強力に固定するため、不正開放を極めて難しいものとすることができる。また、第1フランジ部と第2フランジ部との間に形成される間隙は非常に小さな隙間であり、貫通孔より注入された接着剤は、毛細管力によって僅かの時間で間隙の全域に広がるため、簡易に接着剤を塗布することができる。また、第1フランジ部と第2フランジ部とが固定部材により圧接されているので、人間が手で第1フランジ部及び第2フランジ部を押さえることなく、第1フランジ部及び第2フランジ部を固定することができるため、作業負担が軽減されることとなる。
さらに、本発明のうち第2の発明は、上記した第1の発明の効果に加え、不正な開放が行われた場合に、その開放跡を視認することができ、不正な開放を容易に発見できるような基板ケースを提供することができる。すなわち、第1フランジ部及び第2フランジ部の少なくとも一方が透明であり、かつ、接着剤は着色されているため、接着が確実に行われているか否かを目視により簡単に確認することができる。また、接着部分を剥離して基板ケースが不正開放されたか否かについても、接着部分を無理矢理剥離することで生じる白濁を目視できることにより簡単に確認することができる。
さらに、本発明のうち第3の発明は、上記した第1又は第2の発明の効果に加え、第1固定穴及び第2固定穴の少なくとも一方に段部を設けることで、第1固定穴及び第2固定穴の近傍よりも貫通孔の近傍の方が間隔が大きく、かつ、貫通孔から注入された液状の接着剤が流れ込む、間隙を形成することにより、簡易かつ強固な固定を、より効果的に行うことができるような基板ケースを提供することができる。
また、本発明のうち第4の発明は、上記した第1又は第2の発明の効果に加え、第1フランジ部及び第2フランジ部の少なくとも一方を、貫通孔の近傍よりも第1固定穴及び第2固定穴の近傍の方が、他方に近くなるように傾斜させることで、第1固定穴及び第2固定穴の近傍よりも貫通孔の近傍の方が間隔が大きく、かつ、貫通孔から注入された液状の接着剤が流れ込む、間隙を形成することにより、簡易かつ強固な固定を、より効果的に行うことができるような基板ケースを提供することができる。
また、本発明のうち第5の発明は、上記した第1又は第2の発明の効果に加え、第1フランジ部及び第2フランジ部の少なくとも一方を、貫通孔の近傍よりも第1固定穴及び第2固定穴の近傍の方が、他方に近くなるように湾曲させることで、第1固定穴及び第2固定穴の近傍よりも貫通孔の近傍の方が間隔が大きく、かつ、貫通孔から注入された液状の接着剤が流れ込む、間隙を形成することにより、簡易かつ強固な固定を、より効果的に行うことができるような基板ケースを提供することができる。
また、本発明のうち第6の発明は、上記した第1又は第2の発明の効果に加え、第1フランジ部及び第2フランジ部の少なくとも一方が、貫通孔の近傍よりも第1固定穴及び第2固定穴の近傍で、他方に近くなるようにたわむことで、第1固定穴及び第2固定穴の近傍よりも貫通孔の近傍の方が間隔が大きく、かつ、貫通孔から注入された液状の接着剤が流れ込む、間隙を形成することにより、簡易かつ強固な固定を、より効果的に行うことができるような基板ケースを提供することができる。
また、本発明のうち第7の発明は、上記した第6の発明の効果に加え、第1フランジ部及び第2フランジ部の少なくとも一方の両端に、他方へ向けて突出する突部が設けられており、第1フランジ部及び第2フランジ部は間隙を介して平行となっているところ、ネジ止めによる圧接で、第1フランジ部及び第2フランジ部の少なくとも一方が、貫通孔の近傍よりも第1固定穴及び第2固定穴の近傍で、他方に近くなるようにたわみ、第1固定穴及び第2固定穴の近傍よりも貫通孔の近傍の方が間隔が大きく、かつ、貫通孔から注入された液状の接着剤が流れ込む、間隙を形成することにより、簡易かつ強固な固定を、より効果的に行うことができるような基板ケースを提供することができる。
さらに、本発明のうち第8の発明は、基板ケースを確実に封印でき、不正な開放を防止することができるような基板ケースの封印方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
(1)第1の実施の形態
(図面の説明)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る基板ケース1の全体斜視図である。図2は、
本発明の第1の実施の形態に係る基板ケース1の正面図である。図3は、本発明の第1の
実施の形態に係る基板ケース1の上面図である。図4は、図2の基板ケース1をA−A断面で示した図である。図5は、本発明の第1の実施の形態に係る第1フランジ部5及び第2フランジ部6を接着した状態の断面図(a)、及び、この変形例(b)、(c)を示した
図である。図6は、本発明の第1の実施の形態に係る基板ケース1の貫通孔32に接着剤9を注入した際の、接着剤9の広がり方を示した図である。図7は、本発明の第1の実施の形態に係る基板ケース1をスロットマシン51に固定した状態を示した図である。
(基板ケース1)
本発明に係る基板ケース1は、図1に示すように、ベース部材2と、該ベース部材2と組み合わされるカバー部材3とを備えている。より具体的には、基板ケース1は、図1に示すように、底板10と側板とから構成される直方体箱型形状であって、底板10と対向する方向に開口部を有するベース部材2と、天板4と側板とから構成される直方体箱型形状であって、天板4と対向する方向に開口部を有するカバー部材3とを備えている。そして、ベース部材2とカバー部材3とは、両者の開口部を組み合わせて一体とすることが可能となっている。
また、ベース部材2とカバー部材3とを組み合わせるとベース部材2とカバー部材3との間に基板7を収納可能な空間が形成される。言い換えれば、ベース部材2の開口部と、カバー部材3の開口部とが組み合わされることで、基板7を収納可能な空間が形成される(図4参照)。
(ベース部材2)
ベース部材2は、図1に示すように、その外周縁から外方へ向けて突出する第1フランジ部5を備える。言い換えれば、第1フランジ部5は、ベース部材2の長辺側の外周縁から外方へ突出するように形成されている。この第1フランジ部5は長方形状の板となっており、この板の長辺でベース部材2と連接している。また、この第1フランジ部5は、ベース部材2の両長辺の両端付近にそれぞれ1つずつ計4箇所備えられている(図1参照)。また、第1フランジ部5は無色透明となっている。
また、ベース部材2の、底板10の開口部側の面の中央付近には、基板7をベース部材2に固定すべくネジを止めるための第1ネジ止め部12が2箇所設けられている。この第1ネジ止め部12は円筒形をしており、ベース部材2の、底板10の開口部側の面から開口部方向へ向けて、かつ、底板10に対して垂直に突出するように備えられている(図3参照)。
(カバー部材3)
カバー部材3は、図1に示すように、その外周縁から外方へ向けて突出する第2フランジ部6を備えており、この第2フランジ部6は、カバー部材3とベース部材2とを組み合わせた際に、前記第1フランジ部5と重なり合う。上述の如く、第1フランジ部5及び第2フランジ部6は、両者が完全に重なりあうようにするため、形状、大きさは等しくするのが好ましい。そこで、カバー部材3には、このカバー部材3とベース部材2とを組み合わせた際、ベース部材2に備えられた4つの第1フランジ部5のそれぞれと対応する位置に第2フランジ部6を備える。第2フランジ部6は、第1フランジ部5と同形同大の板状となっている。また、第2フランジ部6も、第1フランジ部5と同様に、無色透明となっている。
また、カバー部材3の天板4には、このカバー部材3とベース部材2とを組み合わせた際に当該ベース部材2の第1ネジ止め部12のそれぞれと対応する位置に、第2ネジ止め部14が設けられている。この第2ネジ止め部14は、カバー部材3の天板4を貫通し、当該カバー部材3の天板4の、開口部側の面から開口部方向へ向けて突出する円筒形部材である。また、第2ネジ止め部14の開口部方向の端面には貫通孔が設けられている。後述するように、基板用ネジ11は、この第2ネジ止め部14から挿入されて、基板7を介して、前記第1ネジ止め部12に止められる。これによって、基板7がカバー部材3とベース部材2を組み合わせることにより形成される内部空間に固定されることとなる(図3及び図4参照)。
(第1フランジ部5)
第1フランジ部5の所定位置には、第1固定穴22が設けられる。第1固定穴22は、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを固定する固定部材31としてのタッピンネジ34をねじ込んでいくものである。より具体的には、第1フランジ部5の中央に、この第1フランジ部5を貫通する第1固定穴22が備えられている(図3参照)。
また、第1フランジ部5の、第2フランジ部6と反対側の面にはタッピンネジ固定部21が備えられている。このタッピンネジ固定部21は円筒形部材であって、その中空孔は前記第1固定穴22とほぼ同径となっている。そして、タッピンネジ固定部21は、第1固定穴22と、このタッピンネジ固定部21に設けられた中空孔とが合致するように備えられている。また、このタッピンネジ固定部21には、タッピンネジ34をねじ込んで固定するための穴が設けられている(図3参照)。
また、第1フランジ部5の、第2フランジ部6側の面における、第1固定穴22の近傍に、第2フランジ部6方向へ向けて突出する段部23が設けられることにより、貫通孔32の近傍よりも第1固定孔22の近傍の方が第2フランジ部6に近くなり、第1フランジ部5と第2フランジ部6との間に、第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍よりも貫通孔32の近傍の方が間隔が大きい間隙8が形成される(図5(a)参照)。
(第2フランジ部6)
図5(a)に示すように、第2フランジ部6の、ベース部材2とカバー部材3とを組み合わせた際に第1固定穴22と対応する位置には、第2固定穴33が設けられている。第2固定穴33は、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを固定する固定部材31としてのタッピンネジ34をねじ込んでいくものである。この第2固定穴33は第2フランジ部6を貫通しており、第1固定穴22と同径となっている。
また、第2フランジ部6の長手方向の両端付近に、貫通孔32がそれぞれ1つずつ計2箇所設けられている(図5(a)参照)。
(第1フランジ部5及び第2フランジ部6の固定)
カバー部材3とベース部材2とを組み合わせると、第1フランジ部5と第2フランジ部6とが重なり合うこととなる。この際、第1固定穴22及び第2固定穴33も一致することとなる(図3参照)。
ここで、上述の如く、第1フランジ部5と第2フランジ部6とは、第1固定穴22と第2固定穴33とにねじ込まれた固定部材31としてのタッピンネジ34によって、互いに圧接した状態で固定されるように形成される。すなわち、第1フランジ部5と第2フランジ部6とは、この第1固定穴22及び第2固定穴33を介して、固定される。より具体的には、第2固定穴33に、第2固定穴33の、第1フランジ部5と反対側の面から、固定部材31としてのタッピンネジ34をねじ込み、第2固定穴33及び第1固定穴22を介して、タッピンネジ34がタッピンネジ固定部21にねじ込まれることにより、第1フランジ部5と第2フランジ部6とが圧接されて固定される。(図5(a)参照)。
(基板7の固定)
上述の如く、ベース部材2の、底板10の開口部側の面の中央付近には、基板7をベース部材2に固定すべくネジを止めるための第1ネジ止め部12が2箇所設けられている。また、カバー部材3の天板4には、このカバー部材3とベース部材2とを組み合わせた際に当該ベース部材2の第1ネジ止め部12のそれぞれと対応する位置に、第2ネジ止め部14が設けられている。この第2ネジ止め部14は、カバー部材3の天板4を貫通し、当該カバー部材3の天板4の開口部側の面から、開口部方向へ向けて突出する(図4参照)。また、基板7の、カバー部材3とベース部材2とを組み合わせた際に第1ネジ止め部12及び第2ネジ止め部14と対応する位置にそれぞれ基板貫通孔13が設けられている(図4参照)。
基板7は、ベース部材2の第1ネジ止め部12上に載置され、さらに、この上からカバー部材3により覆われる。そして、このカバー部材3の第2ネジ止め部14に、カバー部材3の天板4の、開口部と反対側の面から、基板用ネジ11を挿入していく。そして、第2ネジ止め部14及び基板貫通孔13を介して、基板用ネジ11が第1ネジ止め部12に止められることにより、基板7が、カバー部材3とベース部材2とを組み合わせて形成される内部空間に固定されることとなる(図4参照)。
なお、基板7の、基板ケース1への固定については、他の周知又は慣用の技術を用いることができる。
(第1フランジ部5及び第2フランジ部6の接着)
上述の如く、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを固定した際に、第1フランジ部5と第2フランジ部6との間に、前記第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍よりも前記貫通孔32の近傍の方が間隔が大きい間隙8が形成される(図5(a)参照)。
具体的には、第1フランジ部5の、第2フランジ部6側の面における、第1固定穴22の近傍に、第2フランジ部6方向へ向けて突出する段部23が設けられ、この段部23により、貫通孔32の近傍よりも第1固定孔22の近傍の方が第2フランジ部6に近くなり、第1フランジ部5と第2フランジ部6との間に、第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍よりも貫通孔32の近傍の方が間隔が大きい間隙8が形成される(図5(a)参照)。
そして、前記貫通孔32から接着剤9を注入すると、前記間隙8に流れ込んで、広がることとなる。間隙8は非常に小さな隙間であるため、貫通孔32より接着剤9を注入すると、毛細管力によって間隙8に接着剤9が流れ込み、僅かの時間で間隙8の全体に広がる(図6参照)。そして、この接着剤9により、第1フランジ部5と第2フランジ部6とは接着される。また、この接着剤9は有色不透明となっている。
(基板ケース1の固定)
封印された基板ケース1は、図7に示すように、スロットマシン51の内部に固定される。具体的には、ベース部材2の底板10を、スロットマシン51の内部における背板に接着することで、基板ケース1は固定される。
なお、基板ケース1の、スロットマシン51への固定については、たとえば、ネジ止め等の他の周知又は慣用の技術を用いることができる。
(総括)
本実施の形態に係る基板ケース1は、構造が簡易であって、かつ、確実に封印でき、不正な開放を防止することができる。すなわち、本発明に係る第1フランジ部5及び第2フランジ部6には、固定部材31により固定するための第1固定穴22及び第2固定穴33、接着剤9を注入する貫通孔32を備えており、これらのみで基板ケース1を接着封印するため、封印構造が容易となり、生産性の向上やコストの低下を図ることができる。また、固定部材31による固定のみではなく、第1フランジ部5及び第2フランジ部6を接着剤で接着することにより、基板ケース1を強力に固定するため、不正開放を極めて難しいものとすることができる。また、第1フランジ部5と第2フランジ部6との間に形成される間隙8は非常に小さな隙間であり、貫通孔32より注入された接着剤9は、毛細管力によって僅かの時間で間隙8の全域に広がるため、簡易に接着剤9を塗布することができる。また、第1フランジ部5と第2フランジ部6とが固定部材31により圧接されているので、人間が手で第1フランジ部5及び第2フランジ部6を押さえることなく、第1フランジ部5及び第2フランジ部6を固定することができるため、作業負担が軽減されることとなる。
さらに、基板ケース1の不正な開放が行われた場合に、その開放跡を視認することがで
き、不正な開放を容易に発見することができる。すなわち、第1フランジ部5及び第2フ
ランジ部6の両方が無色透明であり、かつ、接着剤9は着色されているため、接着が確実に行われているか否かを目視により簡単に確認することができる。また、接着部分を剥離して基板ケース1が不正開放されたか否かについても、接着部分を無理矢理剥離することで生じる白濁を目視できることにより簡単に確認することができる。
さらに、本実施の形態に係る基板ケース1は、第1固定穴22の近傍に段部23を設けることで、第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍よりも貫通孔32の近傍の方が間隔が大きく、かつ、貫通孔32から注入された液状の接着剤9が流れ込む、間隙8を形成することにより、簡易かつ強固な固定を、より効果的に行うことができる。
(変形例)
第1の実施の形態では、上述の如く、段部23は第1フランジ部5に設けられているが、図5(b)に示すように、第2フランジ部6の、第1フランジ部5側の面における、第2固定穴33の近傍に、第1フランジ部5方向へ向けて突出する段部23を設けてもよい。
また、図5(c)に示すように、第1フランジ部5の、第2フランジ部6側の面における、第1固定穴22の近傍に、第2フランジ部6方向へ向けて突出する段部23が設けられるとともに、第2フランジ部6の、第1フランジ部5側の面における、第2固定穴33の近傍に、第1フランジ部5方向へ向けて突出する段部23を設けてもよい。
これらの場合も、上述した第1の実施の形態と同一の作用効果を奏する。
(2)第2の実施の形態
本発明の第2の実施の形態は、基板ケース1を構成するベース部材2及びカバー部材3の固定構造が、第1の実施の形態と相違し、他については第1の実施の形態と同一である。この相違点について具体的に説明する。
(図面の説明)
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る基板ケース1の全体斜視図である。図9は、本発明の第2の実施の形態に係る基板ケース1の正面図である。図10は、図9の基板ケース1をA−A断面で示した図である。
(ベース部材2)
図8及び図9に示すように、ベース部材2の外周縁から外方へ向けて突出する第1フランジ部5は、ベース部材2の一方の長辺側の外周縁の両端付近にそれぞれ1つずつ計2箇所備えられている。
そして、図10に示すように、ベース部材2の他方の長辺側の外周縁には第1係止部15が設けられている。この第1係止部15は、外方へ向けて凸となっており、後述するカバー部材3の第2係止部16に引っ掛かり係止することができる。また、この第1係止部15は、ベース部材2の外周縁の両端付近にそれぞれ1つずつ計2箇所設けられている。
(カバー部材3)
図8及び図9に示すように、カバー部材3は、前記第1フランジ部5と重なり合う第2フランジ部6を備える。
また、図9に示すように、カバー部材3の内周縁の、ベース部材2とカバー部材3とを組み合わせた際に第1係止部15と対応する位置に、第2係止部16が設けられている。この第2係止部16は、第1係止部15を引っ掛けることができる凹部となっている。
したがって、ベース部材2とカバー部材3とが組み合わせられると、第1係止部15が第2係止部16に引っ掛かり、さらに、第2フランジ部6と第1フランジ部5とがネジ止めされると、ベース部材2とカバー部材3とは固定されることとなる(図10参照)。
(総括)
上述のように、本実施の形態では、ベース部材2及びカバー部材3の固定構造が第1の実施の形態と異なるが、他の構成等は同一であり、上述した第1の実施の形態と同一の作用効果を奏する。
(3)第3の実施の形態
本発明の第3の実施の形態は、第1フランジ部5の構造が、第1の実施の形態と相違し、他については第1の実施の形態と同一である。この相違点について具体的に説明する。
(図面の説明)
図11は、本発明の第3の実施の形態に係る第1フランジ部5及び第2フランジ部6を接着した状態の断面図(a)、及び、この変形例(b)、(c)を示した図である。
(第1フランジ部5)
図11(a)に示すように、第1フランジ部5の、第2フランジ部6側の面が、貫通孔32の近傍よりも第1固定穴22の近傍の方が第2フランジ部6に近くなるように傾斜している。
すなわち、第1フランジ部5の、第2フランジ部6側の面を、いわゆるテーパー面とする。このテーパー面は、第1固定穴22の近傍が第2フランジ部6に最も近く、第1固定穴22の近傍から貫通孔32の近傍に向けて、しだいに第2フランジ部6から遠ざかるように傾斜している。
これにより、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを固定した際に、第1フランジ部5と第2フランジ部6との間に、第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍よりも貫通孔32の近傍の方が間隔が大きい間隙8が形成される。
(総括)
上述のように、本実施の形態では、第1フランジ部5の構造が第1の実施の形態と異なるが、他の構成等は同一であり、上述した第1の実施の形態と同一の作用効果を奏する。
(変形例)
第3の実施の形態では、上述の如く、第1フランジ部5の、第2フランジ部6側の面を、貫通孔32の近傍よりも第1固定穴22の近傍の方が、第2フランジ部6に近くなるように傾斜させているが、図11(b)に示すように、第2フランジ部6の、第1フランジ部5側の面が、貫通孔32の近傍よりも第2固定穴33の近傍の方が第1フランジ部5に近くなるように傾斜させてもよい。
また、図11(c)第1フランジ部5の、第2フランジ部6側の面が、貫通孔32の近傍よりも第1固定穴22の近傍の方が第2フランジ部6に近くなるように傾斜するとともに、第2フランジ部6の、第1フランジ部5側の面が、貫通孔32の近傍よりも第2固定穴33の近傍の方が第1フランジ部5に近くなるように傾斜させてもよい。
これらの場合も、上述した第3の実施の形態と同一の作用効果を奏する。
(4)第4の実施の形態
本発明の第4の実施の形態は、第2フランジ部6の構造が、第1の実施の形態と相違し、他については第1の実施の形態と同一である。この相違点について具体的に説明する。
(図面の説明)
図12は、本発明の第4の実施の形態に係る第1フランジ部5及び第2フランジ部6を接着した状態の断面図(a)、及び、この変形例(b)、(c)を示した図である。
(第2フランジ部6)
図12(a)に示すように、第2フランジ部6の、第1フランジ部5側の面が、貫通孔32の近傍よりも第2固定穴33の近傍の方が第1フランジ部5に近くなるように湾曲している。
すなわち、第1フランジ部5の、第2フランジ部6側の面が、第2フランジ部6側に凸となる曲面になっている。この曲面は、第1固定穴22の近傍が第2フランジ部6に最も近く、第1固定穴22の近傍から貫通孔32の近傍に向けて、しだいに第2フランジ部6から遠ざかるように湾曲している。これにより、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを固定した際に、第1フランジ部5と第2フランジ部6との間に、第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍よりも貫通孔32の近傍の方が間隔が大きい間隙8が形成される。
(総括)
上述のように、本実施の形態では、第2フランジ部6の構造が第1の実施の形態と異なるが、他の構成等は同一であり、上述した第1の実施の形態と同一の作用効果を奏する。
(変形例)
第4の実施の形態では、上述の如く、第2フランジ部6の、第1フランジ部5側の面が、貫通孔32の近傍よりも第2固定穴33の近傍の方が第1フランジ部5に近くなるような凸面に形成されているが、図12(b)に示すように、第1フランジ部5の、第2フランジ部6側の面が、貫通孔32の近傍よりも第1固定穴22の近傍の方が第2フランジ部6に近くなるように湾曲させてもよい。
また、図12(c)に示すように、第2フランジ部6の、第1フランジ部5側の面が、貫通孔32の近傍よりも第2固定穴33の近傍の方が第1フランジ部5に近くなるように湾曲させるとともに、第1フランジ部5の、第2フランジ部6側の面が、貫通孔32の近傍よりも第1固定穴22の近傍の方が第2フランジ部6に近くなるように湾曲させてもよい。
これらの場合も、上述した第4の実施の形態と同一の作用効果を奏する。
(5)第5の実施の形態
本発明の第5の実施の形態は、第2フランジ部6の構造が、第1の実施の形態と相違し、他については第1の実施の形態と同一である。この相違点について具体的に説明する。
(図面の説明)
図13は、本発明の第5の実施の形態に係る第1フランジ部5及び第2フランジ部6を接着した状態の断面図(a)、及び、この変形例(b)、(c)を示した図である。
(第2フランジ部6)
本実施の形態に係る第1フランジ部5及び第2フランジ部6は、この第1フランジ部5及び第2フランジ部6を固定部材31としてのタッピンネジ34で固定する前は、間隙を介して平行となるように形成されているものである。そして、図12(a)に示すように、第1固定穴22と第2固定穴33とを通した固定部材31としてのタッピンネジ34で、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを圧接させることにより、第2フランジ部6が、貫通孔32よりも第2固定穴33の近傍で、第1フランジ部5に近くなるようにたわむ。これにより、第1フランジ部5と第2フランジ部6との間に、第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍よりも貫通孔32の近傍の方が間隔が大きい間隙8が形成される。
すなわち、固定部材31としてのタッピンネジ34で第1フランジ部5と第2フランジ部6とを圧接させて、第2フランジ部6を、第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍で、第1フランジ部5方向に向けてたわませる。これにより、第1フランジ部5と第2フランジ部6との間に形成された間隙8の間隔は、第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍よりも貫通孔32の近傍の方が大きくなる。
(総括)
上述のように、本実施の形態では、第2フランジ部6の構造が第1の実施の形態と異なるが、他の構成等は同一であり、上述した第1の実施の形態と同一の作用効果を奏する。
(変形例)
第5の実施の形態では、上述の如く、タッピンネジ34で第1フランジ部5と第2フランジ部6とを圧接させて、第2フランジ部6を、第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍で、第1フランジ部5方向に向けてたわませているが、図12(b)に示すように、タッピンネジ34で、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを圧接させることで、第1フランジ部5が、貫通孔32の近傍よりも第1固定穴22近傍で、第2フランジ部6に近くなるようにたわませてもよい。
また、図12(c)に示すように、タッピンネジ34で、第1フランジ部5と第2フランジ部6とを圧接させることで、第2フランジ部6が、貫通孔32よりも第2固定穴33の近傍で、第1フランジ部5に近くなるようにたむとともに、第1フランジ部5が、貫通孔32の近傍よりも第1固定穴22近傍で、第2フランジ部6に近くなるようにたわませてもよい。
これらの場合も、上述した第5の実施の形態と同一の作用効果を奏する。
(6)第6の実施の形態
本発明の第6の実施の形態は、第2フランジ部6の構造が、第1の実施の形態と相違し、他については第1の実施の形態と同一である。この相違点について具体的に説明する。
(図面の説明)
図14は、本発明の第6の実施の形態に係る第1フランジ部5及び第2フランジ部6を接着した状態の断面図(a)、及び、この変形例(b)、(c)を示した図である。
(第2フランジ部6)
図14(a)に示すように、第2フランジ部6の、第1フランジ部5側の面における両端には、第1フランジ部5方向へ向けて突出する突部24が設けられている。したがって、ベース部材2とカバー部材とが組み合わされ、第1フランジ部5及び第2フランジ部6がタッピンネジ34で固定される前は、この第1フランジ部5及び第2フランジ部6は、間隙を介して平行となるように配設される。
そして、第1固定穴22と第2固定穴33とを通した固定部材31としてのタッピンネジネジ34で、第1フランジ部5と第2フランジ部6とが圧接されることにより、第2フランジ部6は、貫通孔32の近傍よりも第2固定穴33の近傍の方が第1フランジ部5に近くなるようにたわみ、第1フランジ部5と第2フランジ部6との間に、第1固定穴22及び第2固定穴33の近傍よりも貫通孔32の近傍の方が間隔が大きい間隙8が形成される。
(総括)
上述のように、本実施の形態では、第2フランジ部6の構造が第1の実施の形態と異なるが、他の構成等は同一であり、上述した第1の実施の形態と同一の作用効果を奏する。
(変形例)
第6の実施の形態では、上述の如く、第2フランジ部6の、第1フランジ部5側の面の両端にそれぞれ、第1フランジ部5方向に向けて突出する突部24を設けているが、図14(b)に示すように、第1フランジ部5の、第2フランジ部6側の面における両端に、第2フランジ部6へ向けて突出する突部24を設けてもよい。
また、図14(c)に示すように、第2フランジ部6の、第1フランジ部5側の面における両端に、第1フランジ部5へ向けて突出する突部24を設けるとともに、第1フランジ部5の第2フランジ部6側の面における両端に、第2フランジ部6へ向けて突出する突部24が設けてもよい。
これらの場合も、上述した第6の実施の形態と同一の作用効果を奏する。
本発明の第1の実施の形態に係る基板ケースの全体斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る基板ケースの正面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る基板ケースの上面図である。 図2の基板ケースをA−A断面で示した図である。 本発明の第1の実施の形態に係る第1フランジ部及び第2フランジ部を接着した状態の断面図(a)、及び、この変形例(b)、(c)を示した図である。 本発明の第1の実施の形態に係る基板ケースの貫通孔に接着剤を注入した際の、接着剤の広がり方を示した図である。 本発明の第1の実施の形態に係る基板ケースをスロットマシンに固定した状態を示した図である。 本発明の第2の実施の形態に係る基板ケースの全体斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係る基板ケースの正面図である。 図9の基板ケースをA−A断面で示した図である。 本発明の第3の実施の形態に係る第1フランジ部及び第2フランジ部を接着した状態の断面図(a)、及び、この変形例(b)、(c)を示した図である。 本発明の第4の実施の形態に係る第1フランジ部及び第2フランジ部を接着した状態の断面図(a)、及び、この変形例(b)、(c)を示した図である。 本発明の第5の実施の形態に係る第1フランジ部及び第2フランジ部を接着した状態の断面図(a)、及び、この変形例(b)、(c)を示した図である。 本発明の第6の実施の形態に係る第1フランジ部及び第2フランジ部を接着した状態の断面図(a)、及び、この変形例(b)、(c)を示した図である。
1 基板ケース 2 ベース部材
3 カバー部材 4 天板
5 第1フランジ部 6 第2フランジ部
7 基板 8 間隙
9 接着剤 10 底板
11 基板用ネジ 12 第1ネジ止め部
13 基板貫通孔 14 第2ネジ止め部
15 第1係止部 16 第2係止部
21 タッピンネジ固定部 22 第1固定穴
23 段部 24 突部
31 固定部材 32 貫通孔
33 第2固定穴 34 タッピンネジ
51 スロットマシン

Claims (7)

  1. ベース部材と、該ベース部材と組み合わされるカバー部材とを備え、
    ベース部材とカバー部材とを組み合わせると、ベース部材とカバー部材との間に基板を収納可能な空間が形成される基板ケースであって、
    前記ベース部材は、その外周縁から外方に向けて突出する第1フランジ部を備え、
    前記カバー部材は、その外周縁から外方に向けて突出する第2フランジ部を備え、
    前記ベース部材と前記カバー部材とを組み合わせた際に、前記第2フランジ部は前記第1フランジ部と重なり合い、
    前記第1フランジ部の所定位置には、第1固定穴が設けられ、
    前記第2フランジ部の、ベース部材とカバー部材とを組み合わせた際に第1固定穴に対応する位置には、第2固定穴が設けられ、
    第1フランジ部と第2フランジ部とは、第1固定穴と第2固定穴とを通した固定部材によって、互いに圧接した状態で固定されるように形成され、
    第1フランジ部及び第2フランジ部の少なくとも一方の所定位置には、貫通孔が設けられ、
    第1フランジ部と第2フランジ部とを固定部材で固定した際に、第1フランジ部と第2フランジ部との間に、第1固定穴及び第2固定穴の近傍よりも貫通孔の近傍の方が間隔が大きく、かつ、貫通孔から注入された液状の接着剤が毛細管力によって第1固定穴及び第2固定穴の近傍へ向けて流れ込んで広がっていく程度の大きさの間隙が形成され
    第1フランジ部と第2フランジ部とを固定部材で固定した後に、貫通孔から注入した、前記間隙に流れ込んで広がっていく程度の液状の接着剤によって、第1フランジ部と第2フランジ部とが接着されることを特徴とする基板ケース。
  2. 第1フランジ部及び第2フランジ部の少なくとも一方が透明であり、かつ、接着剤は有色であることを特徴とする請求項1記載の基板ケース。
  3. 第1フランジ部の、第2フランジ部側の面における、第1固定穴の近傍に、第2フランジ部方向へ向けて突出する段部が設けられるか、
    第2フランジ部の、第1フランジ部側の面における、第2固定穴の近傍に、第1フランジ部方向へ向けて突出する段部が設けられるか、
    又は、第1フランジ部の、第2フランジ部側の面における、第1固定穴の近傍に、第2フランジ部方向へ向けて突出する段部が設けられるとともに、第2フランジ部の、第1フランジ部側の面における、第2固定穴の近傍に、第1フランジ部方向へ向けて突出する段部が設けられることにより、
    第1フランジ部と第2フランジ部とを固定部材で固定した際に、第1フランジ部と第2フランジ部との間に、第1固定穴及び第2固定穴の近傍よりも貫通孔の近傍の方が間隔が大きく、かつ、貫通孔から注入された液状の接着剤が毛細管力によって第1固定穴及び第2固定穴の近傍へ向けて流れ込んで広がっていく程度の大きさの間隙が形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の基板ケース。
  4. 第1フランジ部の、第2フランジ部側の面が、貫通孔の近傍よりも第1固定穴の近傍の方が第2フランジ部に近くなるように傾斜するか、
    第2フランジ部の、第1フランジ部側の面が、貫通孔の近傍よりも第2固定穴の近傍の方が第1フランジ部に近くなるように傾斜するか、
    又は、第1フランジ部の、第2フランジ部側の面が、貫通孔の近傍よりも第1固定穴の近傍の方が第2フランジ部に近くなるように傾斜するとともに、第2フランジ部の、第1フランジ部側の面が、貫通孔の近傍よりも第2固定穴の近傍の方が第1フランジ部に近くなるように傾斜することにより、
    第1フランジ部と第2フランジ部とを固定部材で固定した際に、第1フランジ部と第2フランジ部との間に、第1固定穴及び第2固定穴の近傍よりも貫通孔の近傍の方が間隔が大きく、かつ、貫通孔から注入された液状の接着剤が毛細管力によって第1固定穴及び第2固定穴の近傍へ向けて流れ込んで広がっていく程度の大きさの間隙が形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の基板ケース。
  5. 第1フランジ部の、第2フランジ部側の面が、貫通孔の近傍よりも第1固定穴の近傍の方が第2フランジ部に近くなるように湾曲するか、
    第2フランジ部の、第1フランジ部側の面が、貫通孔の近傍よりも第2固定穴の近傍の方が第1フランジ部に近くなるように湾曲するか、
    又は、第1フランジ部の、第2フランジ部側の面が、貫通孔の近傍よりも第1固定穴の近傍の方が第2フランジ部に近くなるように湾曲するとともに、第2フランジ部の、第1フランジ部側の面が、貫通孔の近傍よりも第2固定穴の近傍の方が第1フランジ部に近くなるように湾曲することにより、
    第1フランジ部と第2フランジ部とを固定部材で固定した際に、第1フランジ部と第2フランジ部との間に、第1固定穴及び第2固定穴の近傍よりも貫通孔の近傍の方が間隔が大きく、かつ、貫通孔から注入された液状の接着剤が毛細管力によって第1固定穴及び第2固定穴の近傍へ向けて流れ込んで広がっていく程度の大きさの間隙が形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の基板ケース。
  6. 第2フランジ部の、第1フランジ部側の面における両端に、第1フランジ部へ向けて突出する突部が設けられるか、
    第1フランジ部の、第2フランジ部側の面における両端に、第2フランジ部へ向けて突出する突部が設けられるか、
    又は、第2フランジ部の、第1フランジ部側の面における両端に、第1フランジ部へ向けて突出する突部が設けられるとともに、第1フランジ部の、第2フランジ部側の面における両端に、第2フランジ部へ向けて突出する突部が設けられているために、
    第1固定穴と第2固定穴とを通した固定部材で、第1フランジ部と第2フランジ部とを圧接させた際に、第1フランジ部及び第2フランジ部の少なくとも一方が、貫通孔の近傍よりも第1固定穴及び第2固定穴の近傍で、他方に近くなるようにたわむことにより、
    第1フランジ部と第2フランジ部とを固定部材で固定した際に、第1フランジ部と第2フランジ部との間に、第1固定穴及び第2固定穴の近傍よりも貫通孔の近傍の方が間隔が大きく、かつ、貫通孔から注入された液状の接着剤が毛細管力によって第1固定穴及び第2固定穴の近傍へ向けて流れ込んで広がっていく程度の大きさの間隙が形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の基板ケース。
  7. ベース部材と、該ベース部材と組み合わされるカバー部材とを備え、
    ベース部材とカバー部材とを組み合わせると、ベース部材とカバー部材との間に基板を収納可能な空間が形成される基板ケースの封印方法であって、
    前記ベース部材は、その外周縁から外方に向けて突出する第1フランジ部を備え、
    前記カバー部材は、その外周縁から外方に向けて突出する第2フランジ部を備え、
    前記ベース部材と前記カバー部材とを組み合わせた際に、前記第2フランジ部は前記第1フランジ部と重なり合い、
    前記第1フランジ部の所定位置には、第1固定穴が設けられ、
    前記第2フランジ部の、ベース部材とカバー部材とを組み合わせた際に第1固定穴に対応する位置には、第2固定穴が設けられ、
    第1フランジ部と第2フランジ部とは、第1固定穴と第2固定穴とを通した固定部材によって、互いに圧接した状態で固定されるように形成され、
    第1フランジ部及び第2フランジ部の少なくとも一方の所定位置には、貫通孔が設けられ、
    第1フランジ部と第2フランジ部とを固定部材で固定した際に、第1フランジ部と第2フランジ部との間に、第1固定穴及び第2固定穴の近傍よりも貫通孔の近傍の方が間隔が大きく、かつ、貫通孔から注入された液状の接着剤が毛細管力によって第1固定穴及び第2固定穴の近傍へ向けて流れ込んで広がっていく程度の大きさの間隙が形成され、
    第1フランジ部と第2フランジ部とを固定部材で固定した後に、前記間隙に流れ込んで広がっていく程度の液状の接着剤を貫通孔から注入して、第1フランジ部と第2フランジ部とを接着することを特徴とする基板ケースの封印方法。
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