JP4651179B2 - ピエゾアクチュエータの異常検出装置 - Google Patents

ピエゾアクチュエータの異常検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピエゾアクチュエータの異常を検出する異常検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧電体の伸縮により印加電圧に応じた変位を発生するピエゾアクチュエータは、高応答で制御性に優れることから、従来より車両用駆動装置に広く使用されている。一方、近年、新たな車両規制に対応するために車両搭載機器の故障診断技術を確立する必要が生じており、高電圧が発生するピエゾアクチュエータにおいても、異常時には速やかに駆動を停止する等の対策が要求されている。
【0003】
ピエゾアクチュエータの高電圧に対する安全対策として、例えば、特開平3−128679号公報には、ピエゾアクチュエータの収縮時に高電圧を所定時間印加した後、蓄積された電荷を放電させる第1の放電手段と、この放電が確実になされたかを検出し、放電がなされなかった時には、以降の高電圧の供給を禁止しかつアクチュエータの電荷を放電させる第2の放電手段を設けることが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記装置は、アクチュエータの駆動回路系に何らかの異常(例えば短絡等)が生じた時に駆動を停止することで、高電圧印加による種々の不具合を回避するものである。しかしながら、上記装置では、何らかの異常が生じたことは分かるが異常の箇所や種類を特定することはできず、これらを特定するために多大な労力を要する問題があった。
【0005】
ピエゾアクチュエータは、通常、複数の圧電体を電極を介して積層した多層構造となっており、ピエゾアクチュエータ内部での部分断線や、コネクタはずれといった異常が考えられる。従って、異常の発生を速やかに知り、適切な措置を施すために、例えば、充電または放電回路におけるワイヤ断線や短絡の他、ピエゾアクチュエータ内部での部分断線や、コネクタはずれといった様々な異常について、その異常の箇所や種類をより詳細に検出することが要求されている。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、その目的は、ワイヤ断線や短絡、ピエゾアクチュエータ内部での部分断線、コネクタはずれといった、より細かな状態を検出することの可能なピエゾアクチュエータの異常検出装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、印加電圧に応じて伸縮する圧電体を複数積層してなるピエゾアクチュエータの異常検出装置であって、このピエゾアクチュエータに印加する高電圧を発生する高電圧発生手段と、充電用スイッチング素子のON時に上記高電圧発生手段で発生する高電圧を上記ピエゾアクチュエータに印加し、放電用スイッチング素子のON時に上記ピエゾアクチュエータに蓄積された電荷を放電させるスイッチング手段を有する。制御手段は、上記スイッチング手段に充電または放電信号を出力して上記充電用または放電用スイッチング素子のON−OFFを制御するものであり、さらに、上記充電または放電信号が出力されてから一定期間後のピエゾアクチュエータ電圧を検出し、上記一定期間後の上記ピエゾアクチュエータ電圧の正常値と比較することにより、上記ピエゾアクチュエータの異常の状態を検出する異常検出手段を備えている。
【0008】
上記構成の異常検出装置は、充放電時の上記ピエゾアクチュエータの電圧波形が、ピエゾアクチュエータの静電容量に応じて変化する点に着目したものである。例えば、ピエゾアクチュエータの静電容量は、正常時が最大で、積層途中に部分断線があるとこれより減少し、断線でほぼゼロになる。静電容量が減少すると、電圧が早く立ち上がり、絶縁不良や短絡の場合には電圧の立ち上がりが遅くまたは上昇しない。そこで、各状態における電圧波形を予め知り、正常時と比較することで、詳細な異常判定が可能になる。具体的には、所定の一定期間後のピエゾアクチュエータ電圧を、上記一定期間後の正常値と比較すればよく、異常の有無だけでなく、オープンか部分断線かといったより詳細な状態を検出することができる。よって、故障診断が速やかになされ、異常箇所の特定に要する手間等を省くことができるので、実用上の価値が大きい。
【0009】
請求項の発明では、上記異常検出手段に、充電時の比較基準電圧値として、上記充電信号が出力されてから一定期間後のピエゾアクチュエータ電圧の正常値より大きい第1の電圧値および第2の電圧値(第1の電圧値>第2の電圧値>上記正常値)と、上記正常値より小さい第3の電圧値および第4の電圧値(第3の電圧値<第4の電圧値<上記正常値)を設定し、上記一定期間後のピエゾアクチュエータ電圧とこれらの値とを順次比較して、
上記ピエゾアクチュエータ電圧が第1の電圧値より大きい時はオープン状態の異常と判定し、
上記ピエゾアクチュエータ電圧が第1の電圧値より小さく第2の電圧値より大きい時は部分断線状態の異常と判定し、
上記ピエゾアクチュエータ電圧が第3の電圧値より小さい時は短絡状態の異常と判定し、
上記ピエゾアクチュエータ電圧が第3の電圧値より大きく第4の電圧値より小さい時は絶縁不良状態の異常と判定する。
【0010】
上述したように、部分断線の場合には、正常時より電圧が早く立ち上がり、オープンの場合にはさらに早く立ち上がる。よって、上記一定期間後の正常値を基準としてこれより大きい第1および第2の電圧値(第1の電圧値>第2の電圧値)を適切に設定すれば、部分断線とオープン状態とを区別できる。また、絶縁不良の場合には電圧の立ち上がりが遅く、短絡の場合には電圧が上昇しないため、上記正常値より小さい第3および第4の電圧値(第3の電圧値<第4の電圧値)を適切に設定すれば、これらを区別できる。
【0011】
請求項の発明では、上記ピエゾアクチュエータを上記スイッチング手段とコネクタで接続し、該コネクタと上記ピエゾアクチュエータとの間に小容量のコンデンサを並列に接続するとともに、
上記異常検出手段が、上記一定期間後のピエゾアクチュエータ電圧が第3の電圧値より小さく、かつ、上記一定期間より以前に上記ピエゾアクチュエータ電圧が上記正常値より大きい状態が検出されている時にはコネクタはずれ状態の異常と判定する。
【0012】
コネクタはずれの場合は、オープン時と区別し難いが、コネクタとピエゾアクチュエータの間に小容量のコンデンサを電気的に並列に接続すると、オープン時にはコンデンサに電荷が蓄積され、コネクタはずれの場合は電圧が急上昇した後すぐ放電するために、異なる電圧波形となる。そこで、例えば、上記一定期間を、放電により電圧がほぼゼロとなる時間に設定し、上記一定期間後のピエゾアクチュエータ電圧が第3の電圧値より小さく、しかも、それ以前に電圧が高い状態が検出されている場合のみコネクタはずれと判定する。これにより、オープンや短絡状態との区別が可能で、より細かな検出が可能になる。
【0013】
請求項の発明では、上記異常検出手段に、放電時の比較基準電圧値として、上記放電信号が出力されてから一定期間後の上記ピエゾアクチュエータ電圧の正常値より小さい第5の電圧値を設定し、上記一定期間後のピエゾアクチュエータ電圧とこの値とを比較して、
上記ピエゾアクチュエータ電圧が第5の電圧値より小さい時は部分断線状態の異常と判定し、
上記ピエゾアクチュエータ電圧がほぼゼロである時は部分断線以外の異常と判定する。
【0014】
放電時には、部分断線があると、ピエゾアクチュエータ電圧の立ち下がりが早くなるので、一定期間後の上記ピエゾアクチュエータ電圧を正常値より小さい第5の電圧値と比較することで、部分断線の検出が可能である。それ以外の異常の場合には電圧値が上昇しないので、放電開始時における電圧値がほぼ0であれば、部分断線以外のいずれかの異常として検出することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は積層型ピエゾアクチュエータ1の異常検出装置の全体構成を示す図で、ピエゾアクチュエータ1に印加する高電圧を発生する高電圧発生手段たる高電圧発生回路2と、充電用スイッチング素子のON時に高電圧発生回路2で発生する高電圧をピエゾアクチュエータ1に印加し、放電用スイッチング素子のON時にピエゾアクチュエータ1に蓄積された電荷を放電させるスイッチング手段たるスイッチング回路3と、このスイッチング回路3に充電または放電信号を出力して上記充電用または放電用スイッチング素子のON−OFFを制御する制御手段たる制御回路4と、上記充電または放電信号が出力されてから一定期間後のピエゾアクチュエータ電圧を検出し、上記一定期間後の上記ピエゾアクチュエータ電圧の正常値と比較することにより、ピエゾアクチュエータ1の異常の状態を検出する異常検出手段たる異常検出回路5を備えている。
【0016】
図2(a)に積層型ピエゾアクチュエータ1の構成を示す。ピエゾアクチュエータ1は、矩形薄板状の圧電体11を多数積層して一体化したもので、リード線12、13を介して充電ないし放電されるようになっている。圧電体11はPZT等の圧電材料よりなり、電荷を注入することにより伸長し、電荷を除去することにより収縮する性質を有している。リード線12、13は積層体の左右側面に形成される+電極または−電極に接続され、各圧電板11を挟んで交互に設けられる+電極または−電極に導通している。ピエゾアクチュエータ1の電気的な接続状態は、図2(b)のようになっており、積層された各圧電体11が並列に接続されている。図3(a)は、ピエゾアクチュエータ1を外部の駆動回路と電気的に接続するためのコネクタ6を設けた図で、ピエゾアクチュエータ1とコネクタ6の間には、小容量のコンデンサ14が並列に接続されており、これらを含めた電気的な接続状態は図3(b)のようになっている。D部の抵抗15はピエゾアクチュエータ1の絶縁抵抗を代表して示したものである。
【0017】
図1において、制御回路4はCPUから入力される印加電圧信号に基づきスイッチング回路3に充電信号を出力し、充電用スイッチング素子(以下、充電SWという)をONして、高電圧発生回路2で昇圧した高電圧をピエゾアクチュエータ1に充電する。図4(a)、(b)のように、スイッチングは段階的にスイッチングして充放電を行う複数スイッチング方式を用い、印加電圧信号(例えば0−5V矩形波信号)の立ち上がりエッジが検出されたら充電を開始する。充電SWのON後、ピエゾアクチュエータ1の充電電流が所定値(例えば20A)に到達したら、充電SWをOFFし、一定のOFF期間(例えば10μs)後、再び充電SWをONにする。これを繰り返して、所定の充電電圧(例えば100V)に到達したところで、充電を完了する。
【0018】
放電は、印加電圧信号の立ち下がりエッジが検出された時に、制御回路4からスイッチング回路3に放電信号を出力することによって開始される。放電用スイッチング素子(以下、放電SWという)をONして、ピエゾアクチュエータ1の放電電流が所定値(例えば20A)に到達後、放電SWをOFFし、一定のOFF期間(例えば10μs)後に再び放電SWをONにすることを繰り返す。以後、再び印加電圧信号が入力される(立ち上がりエッジが検出される)まで、放電を継続する。
【0019】
図1において、充電時のピエゾアクチュエータ1の電圧は、抵抗71、72によって形成される分圧回路を通り、異常検出回路5に入力される。異常検出回路5では、印加電圧信号入力からT秒後のピエゾアクチュエータ電圧を、所定の比較基準電圧値と比較し、判定結果を制御回路4に出力する。制御回路4は、異常であればスイッチング回路3の充電SWをOFFして高電圧の供給を停止し、CPUに診断情報を送る。放電時も充電時と同様の処理を行うことで異常検出が可能である。この詳細を次に述べる。
【0020】
本実施の形態で検出する異常状態は、▲1▼部分断線、▲2▼オープン、▲3▼コネクタはずれ、▲4▼絶縁不良、▲5▼短絡の5項目である。図4(a)は充電時の電圧波形を示したもので、正常時には数回の充電により所定の電圧に到達する。これに対し、▲1▼部分断線の場合、例えば、図3(b)のA部(すなわち並列接続されたピエゾアクチュエータ1の圧電体11の一部)で部分断線すると、静電容量が減少するため、図4(a)の部分断線の波形のように、電圧の立ち上がりが正常時より早くなる。▲2▼オープンの場合、例えば、図3(b)のB部で断線した場合には、駆動回路の負荷はコンデンサ14のみとなるため、充電時の電圧は、図4(a)のオープンの波形のようにさらに早く立ち上がる。一方、▲3▼図3(b)C部のコネクタ6がはずれた場合には、駆動回路の負荷はほとんどゼロになるため、電圧は、図5(a)のコネクタはずれの波形のように瞬時に上昇するが、電圧検出用の抵抗によりすぐに放電してしまい、急速に電圧が低下する。以降、この電圧上昇・下降が繰り返される。また、▲4▼絶縁不良で図3(b)D部の抵抗15が小さくなった場合には、図4(a)の絶縁不良の波形のように電圧の上昇が遅くなる。
さらに、▲5▼短絡が生じた場合には、電圧が上昇しなくなる。
【0021】
このように故障状況(異常の種類)によってピエゾアクチュエータ電圧の挙動が異なるため、充電開始からT秒後におけるピエゾアクチュエータ電圧を検出し、T秒後における正常値を基準として予め設定した複数の比較基準電圧値に対してどのようになっているかを比較すれば、異常の状態を判別することが可能となる。ここで、充電開始から判定を行うまでの期間:T(秒)の値は、適宜設定することができるが、図4(a)のように、コネクタはずれによる電圧上昇・下降の周期と一致させると、コネクタはずれの判定が容易になる。
【0022】
比較基準電圧値は、充電開始からT秒後の正常値に所定値A、B(A>B)を加えた値:正常値+A(第1の電圧値)、正常値+B(第2の電圧値)と、正常値から所定値C、D(C>D)を減じた値:正常値−C(第3の電圧値)、正常値−D(第4の電圧値)とする。
この時、
正常値+A(第1の電圧値)>正常値+B(第2の電圧値)>正常値
正常値−C(第3の電圧値)<正常値−D(第4の電圧値)<正常値
の関係にあり、所定値A、Bをオープン、部分断線にそれぞれ対応させて、所定値C、Dを短絡、絶縁不良にそれぞれ対応させて設定するとともに、以下のように判定を行う。すなわち、
ピエゾアクチュエータ電圧>正常値+A(第1の電圧値)である時はオープン状態の異常と判定し、
正常値+A>ピエゾアクチュエータ電圧>正常値+B(第2の電圧値)である時は部分断線状態の異常と判定し、
ピエゾアクチュエータ電圧<正常値−C(第3の電圧値)である時は短絡状態の異常と判定し、
正常値−C<ピエゾアクチュエータ電圧<正常値−D(第4の電圧値)である時は絶縁不良状態の異常と判定する。
【0023】
コネクタはずれの場合は、T秒後のピエゾアクチュエータ電圧はほぼゼロとなるため、短絡状態と区別するためには、T秒に達するより以前にピエゾアクチュエータ電圧が正常値より大きい状態があったかどうかを判定する。例えば、充電SWをOFFする度にピエゾアクチュエータ電圧の検出を行い、その時点における正常値より大きければ、コネクタはずれの可能性有りと判断される。つまり、
T秒より前のピエゾアクチュエータ電圧>その時点における正常値
で、かつ
T秒後のピエゾアクチュエータ電圧<正常値−C
であれば、コネクタはずれと判定することができる。短絡状態の場合には、電圧が上昇することがないので、コネクタはずれと区別することができる。
【0024】
図4(b)は放電時の各部波形を示したもので、正常時には数回の放電により所定の電圧(0V)に到達する。図3(b)のA部で部分断線した場合には、静電容量が小さくなるので、電圧の立ち下がりが正常時より早くなる。よって、充電時と同様に、放電開始からT’秒後におけるピエゾアクチュエータ電圧を検出し、T’秒後における正常値を基準とする比較基準電圧値と比較すれば、異常の状態を判別することが可能となる。比較基準電圧値としては、放電開始からT’秒後の正常値−E(第5の電圧値)を用い、
0<T秒後のピエゾアクチュエータ電圧<正常値−E(第5の電圧値)
である時に、▲1▼部分断線状態の異常と判定できるように所定値Eを設定する。放電開始前に▲2▼オープン、▲3▼コネクタはずれ、▲4▼絶縁不良、▲5▼短絡の状態となった場合は、駆動回路の電圧検出値はほとんどゼロとなっているので、
T秒後のピエゾアクチュエータ電圧≒0
であれば(実際のピエゾアクチュエータ電圧は▲2▼、▲3▼では充電されたまま、▲4▼、▲5▼では徐々に低下しゼロとなっている)、これらの異常と判定できる。
【0025】
図5に、アクチュエータ駆動と異常検出の制御フローチャートを示す。制御をスタートしたら、制御回路4は、まず、ステップ1で印加電圧信号(例えば0−5V)がハイレベル(H)かローレベル(L)かを判定する。アクチュエータ駆動のため印加電圧信号がL=0VからH=5Vになった場合、制御回路4は、ステップ2でその立ち上がりエッジを検出して、充電動作を開始する。この時、ステップ3で、異常検出用のタイマのカウントを開始する(T秒まで)。充電は、ステップ4で充電SWをONにして、ステップ5で充電電流が所定値(例えば20A)に到達したことを確認した後、ステップ6で充電SWをOFFにするという動作を繰り返す。この時、一回の充電SWのON時間は一定期間(TCON )の制限(例えば20μs)が設けてあり、ステップ5で充電電流が所定値(例えば20A)に到達しない場合には、ステップ7でこの一定期間(TCON )待機した後、充電SWをOFFする。
【0026】
この充電動作を繰り返し行うことで、ピエゾアクチュエータ1の印加電圧を所定の充電電圧値(例えば100V)に到達させるが、本発明では、この一回の充電動作毎に充電電圧を正常値と比較する。ステップ6で充電SWをOFFした後、異常検出回路5は、ステップ8で充電電圧を正常値(例えば50V)と比較し、正常値よりも大きければコネクタはずれの可能性があるとしてステップ9でフラグをONにする。次いで、ステップ10で異常検出タイマのカウントが所定のT秒(例えば50μs)に到達したかどうかを判断し、T秒より前であれば、ステップ3以降を繰り返す。ステップ10で所定のT秒に到達した時、充電電圧を再び検出し、予め設定した比較基準電圧値と比較する。この時、A>Bなる関係の所定値A、Bを用い(例えばA=20V、B=10V)、まず、ステップ11で、充電電圧>正常値+Aかどうかを判定し、充電電圧が正常値+A(例えば70V)よりも大きい時にはオープン状態の異常として検出する。ステップ11が否定判定された場合は、ステップ12に進み、充電電圧>正常値+Bかどうかを判定する。ステップ12が肯定判定された時、つまり、充電電圧が正常値+A以下で、かつ正常値+Bよりも大きい時(例えば60Vより大きく70V以下)は、部分断線状態の異常として検出する。
【0027】
充電電圧が正常値+Bよりも小さい場合は、ステップ13以降に進む。ここでは、C>Dなる関係の所定値A、Bを用い(例えばC=20V、D=10V)、ステップ13では、充電電圧<正常値−Cかどうかを判定する。充電電圧が正常値−Cよりも小さい場合(例えば30V未満)には、ステップ14でコネクタはずれフラグがONかどうかを判定する。そして、充電電圧が正常値−Cよりも小さく、かつコネクタはずれフラグがONの時には、コネクタはずれ状態の異常として検出する。ステップ14でコネクタはずれフラグがONでない時には、短絡状態の異常として検出する。ステップ13が否定判定された場合には、ステップ15へ進み、充電電圧<正常値−Dかどうかを判定する。ステップ15が肯定判定された場合、つまり、充電電圧が正常値−C以上で、正常値−Dよりも小さい場合(例えば30V以上40V未満)は、絶縁不良状態の異常として検出する。
【0028】
ステップ11〜ステップ15がいずれも否定判定された場合、すなわち、充電電圧が正常値+B以下かつ正常値−D以上の時には、正常状態として充電を継続する。そして、ステップ16で充電電圧が所定値(例えば100V)に到達したかどうかを判定し、到達していない場合には、ステップ16で一定期間(TCOff、例えば10μs)待機した後、ステップ3以降を繰り返す。ステップ16で所定の充電電圧値(例えば100V)に到達した時は、充電完了とする。
【0029】
充電が完了した後はステップ1へ戻る。ステップ1では印加電圧信号がハイレベル(H)にあるため、ステップ18で印加電圧信号が立ち下がりエッジを検出することによって放電動作が開始される。この時、ステップ19で異常検出用のタイマのカウントを開始する(T’秒まで)。充電時と同様、放電は、ステップ20で放電SWをONにし、ステップ21で放電電流が所定値(例えば20A)に到達した後、ステップ21で放電SWをOFFにするという動作を繰り返すことによってなされる。この時、放電SWのON時間は一定期間(TdoN )の制限(例えば20μs)が設けてあり、ステップ21で所定の放電電流に到達しなくても、ステップ22でこの一定期間(TCON )待機した後、ステップ23で放電SWをOFFする。
【0030】
この一回の放電動作毎に、異常判定を行い、ステップ24で充電電圧がほぼゼロかどうかを判定する。充電電圧がほぼゼロであれば、オープン、コネクタはずれ、短絡、絶縁不良のいずれかの異常として検出する。ステップ24が否定判定された場合には、ステップ25へ進んで異常検出用のタイマのカウントが所定のT’秒(例えば50μs)に到達したかどうかを判定する。所定のT’秒に到達していなければステップ1へ戻り、所定のT’秒に到達したら、ステップ26で再び充電電圧と比較する。この時、所定値E(例えば10V)を用いて、充電電圧<正常値−Eかどうかを判定し、正常値−Eより小さい場合(例えば40V未満)に、部分断線状態の異常として検出する。ステップ26で充電電圧が正常値−E以上であれば、ステップ1へ戻る。
【0031】
この動作を、例えば、ピエゾアクチュエータ1の印加電圧が再び立ち上がるまで繰り返す。ピエゾアクチュエータ1の印加電圧をモニタして0Vもしくは所定の電圧値に低下するまで放電を繰り返すといった方法を採ってもよい。以上のように本発明によれば、異常の状態をより詳細に検出することができる。また、異常検出回路5には、通常のピエゾアクチュエータ1の制御回路において、充電電圧が所定値に達したかどうかを判定するための比較回路を利用できるので、回路構成が簡単になる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のピエゾアクチュエータの異常検出装置の全体構成を示す図である。
【図2】(a)は積層型ピエゾアクチュエータの構成を示す図、(b)はその回路図である。
【図3】(a)はピエゾアクチュエータにコネクタを接続した状態を示す図、(b)はその回路図である。
【図4】(a)は充電時のピエゾアクチュエータ電圧の変化を示す図、(b)は放電時のピエゾアクチュエータ電圧の変化を示す図である。
【図5】本発明のピエゾアクチュエータの異常検出装置の作動を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 ピエゾアクチュエータ
11 圧電体
12、13 リード線
14 コンデンサ
2 高電圧発生回路(高電圧発生手段)
3 スイッチング回路(スイッチング手段)
4 制御回路(制御手段)
5 異常検出回路(異常検出手段)
6 コネクタ
71、72 抵抗

Claims (3)

  1. 印加電圧に応じて伸縮する圧電体を複数積層してなるピエゾアクチュエータと、上記ピエゾアクチュエータに印加する高電圧を発生する高電圧発生手段と、充電用スイッチング素子のON時に上記高電圧発生手段で発生する高電圧を上記ピエゾアクチュエータに印加し、放電用スイッチング素子のON時に上記ピエゾアクチュエータに蓄積された電荷を放電させるスイッチング手段と、上記スイッチング手段に充電または放電信号を出力して上記充電用または放電用スイッチング素子のON−OFFを制御する制御手段と、上記充電または放電信号が出力されてから一定期間後のピエゾアクチュエータ電圧を検出し、上記一定期間後の上記ピエゾアクチュエータ電圧の正常値と比較することにより、上記ピエゾアクチュエータの異常の状態を検出する異常検出手段を備えており、
    上記異常検出手段に、充電時の比較基準電圧値として、上記充電信号が出力されてから一定期間後のピエゾアクチュエータ電圧の正常値より大きい第1の電圧値および第2の電圧値(第1の電圧値>第2の電圧値>上記正常値)と、上記正常値より小さい第3の電圧値および第4の電圧値(第3の電圧値<第4の電圧値<上記正常値)を設定し、上記一定期間後のピエゾアクチュエータ電圧とこれらの値とを順次比較して、
    上記ピエゾアクチュエータ電圧が第1の電圧値より大きい時はオープン状態の異常と判定し、
    上記ピエゾアクチュエータ電圧が第1の電圧値より小さく第2の電圧値より大きい時は部分断線状態の異常と判定し、
    上記ピエゾアクチュエータ電圧が第3の電圧値より小さい時は短絡状態の異常と判定し、
    上記ピエゾアクチュエータ電圧が第3の電圧値より大きく第4の電圧値より小さい時は絶縁不良状態の異常と判定することを特徴とするピエゾアクチュエータの異常検出装置。
  2. 上記ピエゾアクチュエータを上記スイッチング手段とコネクタで接続し、該コネクタと上記ピエゾアクチュエータとの間に小容量のコンデンサを並列接続するとともに、
    上記異常検出手段が、上記一定期間後のピエゾアクチュエータ電圧が第3の電圧値より小さく、かつ、上記一定期間より以前に上記ピエゾアクチュエータ電圧が上記正常値より大きい状態が検出されている時に、コネクタはずれ状態の異常と判定する請求項1記載のピエゾアクチュエータの異常検出装置。
  3. 上記異常検出手段に、放電時の比較基準電圧値として、上記放電信号が出力されてから一定期間後の上記ピエゾアクチュエータ電圧の正常値より小さい第5の電圧値を設定し、上記一定期間後のピエゾアクチュエータ電圧とこの値とを比較して、
    上記ピエゾアクチュエータ電圧が第5の電圧値より小さい時は部分断線状態の異常と判定し、
    上記ピエゾアクチュエータ電圧がほぼゼロである時は部分断線以外の異常と判定する請求項1または2記載のピエゾアクチュエータの異常検出装置。
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