JP4650487B2 - 伝送路材料の誘電率測定方法およびこの誘電率測定方法を用いた電子部品の電気特性測定方法 - Google Patents

伝送路材料の誘電率測定方法およびこの誘電率測定方法を用いた電子部品の電気特性測定方法 Download PDF

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Description

本発明は伝送路基板などに用いられる誘電体材料の誘電率やtanδ(誘電正接)などの測定方法、および電子部品のインピーダンス値やQ値等の電気特性を測定する方法に関するものである。
従来、伝送路基板などに用いられる誘電体材料の誘電率やtanδなどの測定方法として、非特許文献1,2に示されるように、低周波ではLCRメータを用いた容量法が、高周波では、ネットワークアナライザを用いた導波管法、共振法、自由空間法などが知られている。
容量法では、30MHz以下の低周波の誘電率しか測定できず、1GHzを越えるような高周波の誘電率を測定できない問題がある。
導波管法は、導波管や同軸管内に誘電体を挿入して反射特性や透過特性を測定し、誘電率を測定する方法であるが、試料を導波管の寸法に合わせて加工する必要があり、間隙が大きな誤差要因となるため、高い加工精度が要求されるといった問題がある。
共振法では、共振周波数に対応する複素誘電率を測定するため、限定された周波数の測定しか可能ではなく、材料の誘電率の周波数特性を考慮できていない。
自由空間法は、不要な電波の影響を受けないよう、送受信アンテナ、電波吸収体などの大掛かりな設備が必要であり、簡便な測定法とはいえない。
また、前記従来法はいずれも、実際の誘電体の用途として、最も重要な平面状に加工された状態の材料特性を測定するものではなく、加工時の影響を考慮に入れられない。
さらに、平面状に加工された誘電体基板を購入したユーザーは、その基板材料の特性を容易に知ることが不可能である。
さらに、誘電体基板の材料メーカーが提供する誘電体材料の比誘電率のカタログ値は、一般には1MHz程度の値であることが多く、有効数字も2桁しかない。また、周波数特性(1GHz〜20GHz)も詳細には記載されない。
従来の誘電率測定法から得られた誘電率データの問題点をまとめると、以下のようになる。
(1)従来の誘電率測定方法では、各測定方法に合わせて、誘電体材料を加工しなければならず、実際に使用されるような伝送線路の形態で測定できていない。
(2)従来の誘電率測定方法では、材料の比誘電率を求めており、実際の使用状態における誘電率とは異なる。
(3)比誘電率の有効数字は2桁程度しかなく、寸法精度と比較すると精度は著しく低いため、特性インピーダンスを正確に求めることができない。
(4)共振法では、誘電率の周波数特性が測定できない。
(5)購入した材料ロット、または平面状等に加工済みの材料の誘電率を把握することができない。
前記のように、使用する誘電体材料のロットの周波数特性を含めた誘電率,tanδを正確に把握することができなかったため、以下の問題が生じていた。
(1)ネットワークアナライザによる電子部品の高周波インピーダンス測定において、測定系の誤差要因を除去するTRL校正法をはじめとする校正法では、電子部品のインピーダンスを求めるために、測定系の誤差要因を校正して得られた散乱係数(Sパラメータ)から算出したZパラメータに測定に使用した伝送路の特性インピーダンスを乗じる必要があるが、誘電率の精度が悪いため、特性インピーダンスの精度が悪く、電子部品のインピーダンス特性の精度も得られないといった問題があった。
(2)高周波回路設計では、実際の誘電率が精度よくわかっていないため、設計精度が悪いといった問題があった。高周波回路設計において、誘電率は信号の遅延時間に影響するパラメータであり、精度良い設計のためには、高周波化の進展とともに益々重要になっているパラメータである。また、tanδについても、近年携帯型バッテリ駆動機器が開発される中、重要なパラメータになっている。
アジレント・テクノロジー Application Note 1287-9「ベクトル・ネットワーク・アナライザを使用したフィクスチャー測定」 橋本修著「高周波領域における材料定数測定方法」森北出版(2003)
そこで、本発明の好ましい実施形態の目的は、高周波での誘電体材料の誘電率を実際に使用される伝送路の形態で測定でき、かつ周波数特性を含めた誘電率,tanδを高精度に求めることができる材料の誘電率測定方法を提供することにある。
また、この誘電率測定方法を用いた精度のよい電子部品の電気特性測定方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明の好ましい実施形態では、誘電体基板上に、信号導体と接地導体とからなり、単位長さ当たりの電気特性が未知の伝送路を持つ測定治具を準備するステップと、前記伝送路の長さ方向の少なくとも4箇所において、信号導体と接地導体とを短絡させて電気特性を測定するステップと、前記短絡状態での測定値から、前記伝送路の特性を算出するステップと、前記伝送路の特性から、前記伝送路材料の誘電率および誘電正接の少なくとも1つを算出するステップと、を有する伝送路材料の誘電率測定方法を提供する。
本発明の好ましい実施形態は、伝送路の反射特性から誘電率およびtanδの少なくとも1つを求めるものであるから、反射特性(散乱係数)が精度よく測定されなければならない。しかし、単にネットワークアナライザで反射特性を測定しただけでは、測定したい誘電体材料からなる伝送路の反射特性を良好に測定できない。なぜなら、測定結果にはコネクタ部と伝送路の接合部が不整合部となり、この部分で生じる多重反射が含まれてしまうからである。
この不整合部を除去する方法として、タイムドメイン法があるが、タイムドメイン法を用いる場合、分解能を高めるためには周波数範囲を広くとる必要があり、材料の周波数特性をみることはできなかった。
本発明の好ましい実施形態では、同一の伝送路上の4箇所で信号導体と接地導体を短絡した状態(例えば短絡基準を接続した状態)とし、1ポートのSパラメータの測定を行うので、4つの測定値はいずれもコネクタ部と平面伝送路の不整合部は同一となることから、誤差補正においてコネクタ部と平面伝送路の不整合部の影響が正確に取り除かれる。
このため、測定したい誘電体材料の伝送路の反射特性を正確に測定できる。この反射特性を用いて、伝送路の特性を求め、誘電率やtanδを算出しているので、より正確な誘電率やtanδが測定できる。
伝送路としては、上面から導体を押しつけることで伝送路中の任意の位置で信号導体と接地導体を短絡できる平面伝送路を用いるのがよい。
平面伝送路は上方から導体(短絡基準)を押し付けることにより、容易に良好な短絡状態を得ることができるからである。信号導体と接地導体とを短絡させると、ほぼ全反射となるので、信号導体の終端側の影響を受けず、散乱係数を精度よく測定できる。
このような平面伝送路としては、コプレーナウェーブガイドやスロット線路などがある。
測定する周波数範囲それぞれについて、前記伝送路上の少なくとも4ヵ所で、信号導体と接地導体を短絡した状態の1ポートの散乱係数を測定し、各散乱係数を用いて伝送路特性ξ(ξ=α-2exp(j2β) 、α:伝達度、β:位相定数)を算出するのがよい。
伝送路の少なくとも4箇所で信号導体と接地導体とを短絡させ、その散乱係数から伝送路特性を求める。伝送路特性としては、伝達度αおよび位相定数βがあるが、ξ=α-2exp(j2β) とおくと、散乱係数からξが複素数として求められるので、その実数部から伝達度αが、虚数部から位相定数βがそれぞれ求まる。位相定数βが求まれば、その伝送路の実効誘電率εeff を計算で求めることができ、伝達度αと位相定数βとを用いてtanδを求めることができる。
前記伝送路特性ξと伝送路の物理寸法とから、前記伝送路材料の比誘電率εr を算出することができる。
実効誘電率εeff はその伝送路の物理寸法に応じた値を持つため、伝送路の形状が変化すれば、同じ誘電体材料を使用していても、誘電率εeff は使用できない。比誘電率εr は実効誘電率εeff と物理寸法とから計算で求めることができる。したがって、寸法や形状の影響を受けない誘電体材料そのものの比誘電率εr を求めることができる。
信号導体と接地導体とを短絡させる位置は任意であるが、測定点1からポート1側にL1 ,L2 ,L3 とした場合、距離の比がL1:L2:L3 =1:2:3または1:2:4であるとき、伝送路特性ξの計算式は簡単になるので望ましい。
これ以外の場合は、複雑な式になるので、反復計算を用いるとよい。
信号導体と接地導体とを短絡させる位置、つまり短絡基準接続位置のそれぞれの間の位相差を約70°〜145°となるように設定するのがよい。この場合には、校正精度が高く、かつ測定データをうまく使いまわせば、広帯域測定であっても短絡基準測定回数は多くならない。
上述の本発明の誘電率測定方法における短絡状態での測定値から、伝送路特性ξと共に伝送路の誤差係数Exxを算出し、伝送路に被測定電子部品を接続した状態で、その散乱係数(Sパラメータ)を測定し、測定された被測定電子部品の散乱係数から伝送路の誤差係数Exxを除去して被測定電子部品の散乱係数の真値SxxAを求め、その値から被測定電子部品のZパラメータZxxAを求めることができる。
つまり、短絡状態での校正測定を4箇所以上で実施すれば、伝送路特性ξの他に伝送路の誤差係数Exxを同時に算出することができる。伝送路に被検体(被測定電子部品)を接続した状態での測定値から伝送路の誤差係数Exxを取り除けば、被検体の電気特性(Sパラメータ)の真値を容易に求めることができる。
この方法は、伝送路特性ξと誤差係数Exxとが同じ条件下で求められるので、その結果得られる被測定電子部品の散乱係数の真値SxxA およびZパラメータZxxAの精度も非常に高い。
前記方法は、伝送路特性ξと誤差係数Exxを同時に求め、電子部品のインピーダンス特性を算出する方法であるが、場合によっては、基板の伝送路特性ξのみを本発明方法で求める一方、前記基板と同一ロットの伝送路の誤差係数Exxは既存の校正方法(例えばTRL法)を用いて別に求め、電子部品のインピーダンス特性を算出してもよい。
この方法では、伝送路特性を求める場合に使用できる伝送線路は、CPW、スロットラインに限られるが、校正時に使用できる伝送線路は、校正の種類に応じて、マイクロストリップライン、CPW、スロットラインなど、適宜選択することができる。
ただし、この場合、校正基板の伝送路特性は校正と同時に求めておらず、校正基板そのものの伝送路特性を求めているわけではないので、前記方法と比較すると、電子部品のインピーダンス特性の精度は若干劣る。
前記のように伝送路特性ξと伝送路の物理寸法とから、伝送路材料の比誘電率εr を算出することができる。そのため、たとえ伝送路の形状が変更されても、この比誘電率εr と伝送路の物理寸法とから実効誘電率εeff を求め、このεeff から伝送路の特性インピーダンスZ0を求めることができる。そのため、基板を構成する誘電体が同一であれば、誘電率を求めた測定治具と、測定・校正を行う測定治具とが別の治具であっても、測定・校正用の測定治具の特性インピーダンスZ0を簡単に求めることができる。
上述の誘電率測定方法で求めた前記伝送路材料の誘電率から、伝送路の特性インピーダンスZ0を算出し、この伝送路の特性インピーダンスZ0と上述の被測定電子部品のZパラメータZxxAとから、被測定電子部品のインピーダンスZDUT を算出することができる。
被測定電子部品の特性インピーダンスを精度よく求めるためには、伝送路の誘電率の正確な把握が必要である。本発明方法では、伝送路の正確な誘電率を得ることができるので、伝送路の特性インピーダンスZ0も正確に把握できる。そして、上述の散乱係数の真値から求めた被測定電子部品のZパラメータZxxA と、前記特性インピーダンスZ0とから、被測定電子部品のインピーダンスZDUT を正確に、かつ実際に使用される周波数に即して求めることができる。
以上のように、本発明の好ましい実施形態によれば、コネクタと伝送路の不整合部を完全に除去した反射特性を測定できるので、より正確な誘電率、tanδを算出できる。
また、誘電体材料を実際に使用されるような伝送路の形態で、誘電率、tanδが求まるため、実際の使用状態に即した誘電率が求まる。
さらに、測定周波数範囲ごとに基板の誘電率、tanδを精度よく求めることができる。
また、本発明方法により正確な誘電率やtanδが測定できるので、次の利点が得られる。すなわち、ネットワークアナライザによる電子部品の高周波インピーダンス測定において、測定系の誤差要因を除去するTRL校正法をはじめとする校正法では、電子部品のインピーダンスを求めるために、測定系の誤差要因を校正して得られたSパラメータに、治具伝送路の特性インピーダンスを乗じる必要があるが、基板の誘電率が直接精度よく求められるため、特性インピーダンスの精度が向上し、その結果、電子部品のインピーダンス特性をより正確に求めることができる。
本発明にかかる誘電率測定方法の第1実施例である測定装置の平面図である。 CPWの部分斜視図である。 伝達度αからtanδを求めるための計算アルゴリズムを示す図である。 実効誘電率εeff から比誘電率εrを求めるための計算アルゴリズムを示す図である。 図1に示す測定治具の誤差モデル図である。 図1に示す測定治具に被検体を接続した状態の平面図である。 本発明にかかる誘電率測定方法の第2実施例である測定装置の平面図である。 図7に示す測定治具の誤差モデル図である。 図7に示す測定治具にスルーチップを接続した状態の平面図である。 図7に示す測定治具に被検体を接続した状態の平面図である。 本発明にかかる誘電率測定方法の第3実施例である測定装置の平面図である。 図11に示す測定治具の誤差モデル図である。 図11に示す測定治具に被検体を接続した状態の平面図である。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、実施例を参照して説明する。
以下に、本発明にかかる伝送路特性の算出方法の第1実施例を示す。ここでは、反射法を利用した1ポート測定方法について説明する。
−治具伝送路の準備−
測定治具1として、ここではコプレーナウエーブガイド(以下、CPWと記す)を例にして説明する。測定治具1は、図1に示すように、誘電体よりなる治具基板2の上面に信号導体3と接地導体4とからなる伝送路を形成したものである。なお、治具基板2の裏面に接地導体を形成してもよい。信号導体3の一端は開放端であり、他端はコネクタ5に接続されている。接地導体4は信号導体3の幅方向両側および開放端を隙間をあけて取り囲むように形成されている。コネクタ5には同軸ケーブル6が接続され、測定器の一例であるネットワークアナライザ7の測定ポート7a,7bに接続されている。同軸ケーブル6の信号線6aは、接続ばらつきを解消するため信号導体3に半田付けや溶接等によって固定されている。測定ポート7a,7bは同軸ケーブル6を介して信号導体3と接地導体4とにそれぞれ接続されている。
−短絡基準の接続・測定−
本算出方法では、測定すべき校正基準は全て同じ短絡基準10であり、使用する測定治具1も同じ治具である。
短絡基準10とは、電気的に短絡状態の部品一般を指し、チップ部品、金属片、工具などでもよい。望ましくは、ナイフエッジのような伝送路の長さ方向の接触長さが短いものがよい。短絡基準が理想的であれば、反射係数が−1(全反射)の値になるが、実際には短絡基準といえどもある程度のインダクタンスを持つので、インダクタンス値が既知である必要があるということである。通常、マイクロ波帯では、オープン状態と比較して短絡状態は比較的容易に理想に近い状態を得られる。高い測定精度が要求される場合には、簡単なシミュレーション等によって短絡基準のインダクタンスを求めれば良い。
まず、被検体の測定時に被検体を接続する箇所(図1中の測定点1:P1)で信号導体3と接地導体4とを短絡基準10により短絡し、この点を校正面とする。この時の測定結果をS11M1とし、測定点1における反射係数の真値をΓA1とする。ΓA1は短絡基準の真値であるが、これは短絡基準10の伝送路の長さ方向の大きさが測定信号波長と比較して十分に小さければ−1とすればよく、そうでなければその真値の予想値をシミュレーション等で求めておくべきものである。
次に、測定点1よりポート1側にL1 だけ離れた伝送路上の位置(測定点2:P2)で短絡基準10を信号導体3と接地導体4間に接続して測定を行い、この時の測定結果をS11M2とする。この際、測定点2における短絡基準10の反射係数の真値はΓA1であるが、測定点1を基準面にとると、反射係数の真値は数式1のように変換される。ポート1側より入射した電磁波は、短絡基準10で全反射するため、測定点1に短絡基準10を接続した場合と比較して往復分2L1 だけ伝送路を伝達する距離が短いからである。ここで、αは単位長さ当たりの伝送路の伝達度[U/mm]、βは伝送路の位相定数[rad/mm]であり、α,βは未知である。ΓA2は測定点1を基準面とした場合の測定点2に接続された短絡基準10の真値である。
Figure 0004650487
続けて、測定点1よりポート1側にL2 だけ離れた伝送路上の位置(測定点3:P3)に短絡基準10を接続して測定を行い、この時の測定結果をS11M3とする。測定点2の場合と同様に測定点1を基準面に取ると、反射係数の真値は数式2のようになる。
Figure 0004650487
さらに測定点1よりポート1側に距離L3 だけ離れた伝送路上の位置(測定点4:P4)に短絡基準10を接続して測定を行い、この時の測定結果をS11M4とする。測定点2の場合と同様に測定点1を基準面に取ると、測定点4における反射係数の真値ΓA4は数式3のようになる。
Figure 0004650487
ここで、次式の通りα,βを含む式をξとおく。ξは、物理的には単位長さ当たりの伝送路の伝達係数を表している。
Figure 0004650487
数式4を用いると、数式1〜数式3はそれぞれ数式5〜数式7のように書き直すことができる。
Figure 0004650487
Figure 0004650487
Figure 0004650487
今回、伝送路特性ξと誤差係数E11、E12、E22との4つが未知数となり、測定点1〜4の測定値S11M1、S11M2、S11M3、S11M4の4つにより、未知数4つを求めることができる。
なお、未知数ξは複素数として求まるため、その実数部から伝達度α(損失δ[dB/mm]=20logα)が、虚数部から位相定数βがそれぞれ求まる。
計算の都合により、短絡基準10を接続する測定点1からの測定点2〜4までの距離L1,L2,L3は、次のいずれかの関係を満たすことが望ましい。
1:L2:L3=1:2:3
1:L2:L3=1:2:4
前記関係を満たしていれば、以下に示す数式を用いて伝送路特性ξを陽に計算することができる。
短絡基準を測定する位置L1,L2,L3が、L1:L2:L3=1:2:3の関係を満足している場合は、数式8によってξを求めることができる。
Figure 0004650487
一方、L1:L2:L3=1:2:4の関係を満足している場合は、数式9によってξを求めることができる。
Figure 0004650487
1:L2:L3の比が前記の条件を満たさない場合については、ξを求める式を陽に導いていないので、必要に応じて同様の式を誘導しておくか、あるいは反復計算によってξを求めるかすれば良い。
前記のように、L1:L2:L3=1:2:3または1:2:4の場合に計算が容易になるが、その他の場合でも、短絡基準接続位置間の位相差を約70°〜145°とするのがよい。
すなわち、本算出方法では1ポートの校正の中で伝送路特性を求めており、治具伝送路に短絡基準を接続する位置の違いによって生じる反射係数の変化を利用しているが、信号波長と短絡基準の位置の関係によっては校正精度が低下する場合があるので、短絡基準の位置の決定は慎重に行う必要がある。
短絡基準間の位相差を大きく確保すると校正の精度は向上するが、一組の短絡基準で対応できる周波数範囲が狭くなり、広帯域の測定をする場合に多くの短絡基準を測定する必要が生じる。短絡基準間の位相差を用いて校正を行うTRL校正の場合、NIST等の資料によると、良好な測定精度を得るために短絡基準間の位相差は20°〜30°以上程度確保するべきであるとされている。
短絡基準接続位置間の位相差を約70°〜145°とした場合には、校正精度が高い反面、1組の短絡基準で対応できる周波数範囲が前記の場合と比較してかなり狭くなるが、測定データをうまく使いまわせば、広帯域測定であっても短絡基準測定回数は多くならないからである。
−誘電率εr、tanδの算出−
次に、前記のように求めた各周波数範囲の伝送路特性ξ、すなわち伝達度αおよび位相定数βの測定値から、基板の誘電率εrおよびtanδを求める。具体的には、伝達度αの測定値と計算値の残差が最小になるよう、ニュートン法などの既知の数値計算手法により収束計算を行ってtanδを求め、また位相定数βの測定値から求めた基板の誘電率εeffと計算値の残差が最小になるよう同様の収束計算を行い、基板の誘電率εrを求める。
以下に、CPW伝送路を用いて基板の誘電率εr 、tanδを算出する具体的方法を説明する。
CPW伝送路の特性インピーダンスを求めるためのシミュレーションの式は、以下のようなものが知られている。
ここで、図2に示すように、W:信号導体の幅、s:信号導体と接地導体の間隔、h:誘電体の厚さ、t:導体の厚さ、L:導体の長さ、f:周波数、εr :比誘電率、c:光速、Z0:特性インピーダンス、εeff :実効誘電率、μ0:真空の透磁率、ε0:真空の誘電率とする。
0を計算する式は次の通りである。
Figure 0004650487
ここで、Zcは次式で与えられる。Zcはεr =1の場合のCPWの特性インピーダンスであり、Kは第1種完全楕円積分である。
Figure 0004650487
k,k'は次式で与えられる。
Figure 0004650487
また、k1,k1'は次式で与えられる。
Figure 0004650487
次に、εeff の近似式は次の通りである。
Figure 0004650487
位相定数βは数式15のように実効誘電率εeffの関数として表されるので、実効誘電率εeffはこの式を用いて位相定数βの測定値から算出することができる。
Figure 0004650487
また、伝達度αは、導体損失αeと誘電体損失αdと輻射損αrの和で表されるが、このうち、誘電体損失αdは次式のようにεeff とtanδとの関数で表される。
Figure 0004650487
このため、伝送路の伝達度αは電磁界シミュレータを用いて算出する。
図3は、tanδを求めるための繰り返し計算(ニュートン法)によるアルゴリズムを示す。まずtanδの初期値を入力し(ステップS1)、このtanδから電磁界シミュレータを用いてαを計算する(ステップS2)。次に、αの測定値とステップS2で求めた計算値との差|Δα|を求め(ステップS3)、|Δα|が十分に小さいかどうかを判定する(ステップS4)。|Δα|が十分に小さくないと判定された場合には、tanδを修正し(ステップS5)、ステップS2以下の操作を繰り返す。ステップS4で|Δα|が十分に小さいと判定されれば、|Δα|≒0のときのtanδを基板特性とする(ステップS6)。
実効誘電率εeff から比誘電率εr を求める場合も、繰り返し計算(ニュートン法)によるアルゴリズムを用いる。図4はそのアルゴリズムの一例を示す。
まずεr の初期値を入力し(ステップS7)、このεrから電磁界シミュレータを用いてεeffを計算する(ステップS8)。次に、前記で求めた実効誘電率εeffとステップS8で求めた計算値との差|Δεeff|を求め(ステップS9)、|Δεeff|が十分に小さいかどうかを判定する(ステップS10)。|Δεeff|が十分に小さくないと判定された場合には、εr を修正し(ステップS11)、ステップS8以下の操作を繰り返す。ステップS10で|Δεeff|が十分に小さいと判定されれば、|Δεeff|≒0のときのεrを基板の比誘電率とする(ステップS12)。
また、簡易的には、求まった実効誘電率εeff から、数式14を用いて比誘電率εr を計算することができる。すなわち、実効誘電率εeff と伝送路の物理寸法とから、誘電体基板の材料そのものの比誘電率εr を算出することができる。
−特性インピーダンスの算出−
前記で求めたεeff と、数式11および12により求めたZcとから、数式10により特性インピーダンスZ0を計算で求めることができる。
前記のようにして伝送路の特性インピーダンスZ0が求まったので、この特性インピーダンスを用いて被検体のインピーダンスZDUT を求める方法について以下に説明する。
−校正の誤差モデルの誤差係数の計算−
数式8または数式9によってξが求まれば、数式5,数式6によってΓA2,ΓA3の値が計算できるので、伝送路の誤差係数を順次求めることが可能になる。
校正の誤差モデルを図5に示す。反射法とは、一方のポート(コネクタ5)から被検体11に入射した電磁波のどれだけの割合が反射するかを観測して、これからインピーダンス等を求める手法で、1ポートであるから、図5に示すように誤差要因もE11、E21、E12、E22の4個しかない。散乱係数測定は比測定であるので、E21=1とおけば、誤差要因はE11、E12、E22の3つである。図中のS11M は反射係数の測定値であり、S11A は被検体の散乱係数の真値である。
さて、前述の短絡基準10の接続による測定結果から、各誤差係数E11、E12、E22は数式17で求められる。なお、D1 は中間変数である。
Figure 0004650487
−被検体の測定と校正の実施−
誤差係数が求まれば、図6に示すように、被検体11を測定点1における信号導体3と接地導体4間に接続し、その電気特性すなわち反射係数S11M を測定する。この校正の誤差モデルは1ポート補正の誤差モデルと同じものであるから、実際の被検体測定結果から誤差の影響を除去するには1ポート補正と同様の計算を行えば良く、誤差の影響を除去して被検体の反射係数S11A の真値を求める数式を以下に記載しておく。なお、誤差要因の影響を除去する計算式は以下の数式に限らず、どのような公知技術を用いてもよい。
Figure 0004650487
−Sパラメータからインピーダンスへの変換−
前記校正法は反射法であるので、前記の校正法により誤差要因の校正を行って得られた反射係数の真値S11A を用いて、数式19により被検体のZパラメータZ11A を計算する。
Figure 0004650487
このZパラメータZ11A と、前記のように求めた基板の特性インピーダンスZ0とを、数式20に示すようにそれぞれ同じ周波数での値同士で乗じることにより、被検体11のインピーダンスZDUT を求めることができる。
Figure 0004650487
なお、S11A 、Z11A およびZDUT はいずれも複素数である。
この実施例では、測定治具20として、図7に示すように、誘電体基板21の上面に2つの信号導体22a,22bが一直線上にかつ一端が間隔をあけて配置され、信号導体22a,22bの幅方向両側に間隔をあけて接地導体23が配置されたCPWを使用している。なお、治具基板21の裏面にも接地導体を設けてもよい。コネクタ24,25は同軸ケーブル26,27を介して測定器の一例であるネットワークアナライザ28の測定ポート28a〜28dに接続されている。同軸ケーブル26,27の信号線は信号導体22a,22bに半田付けや溶接等によって固定されている。
実施例1と同様に、伝送路特性ξが未知であるから、短絡基準10を伝送路の4箇所で短絡させることで、伝送路特性ξと誤差係数とを同時に求めることができる。伝送路特性ξの算出方法は実施例1と同様である。
この実施例では、測定点1および測定点1よりポート1側に測定点2〜4の4箇所で短絡基準10を用いた校正測定を実施し、しかる後、ポート2側についても同様に4箇所での校正測定を実施する。
次に、図8に示すようにスルー(ポート間直結)状態での測定を行う。ポート間を接続するために適当なデバイス(以下、スルーチップという)13を信号導体22a,22b間にシリーズ接続する。測定値は、反射係数がS11MT、S22MTで、伝達係数はS21MT、S12MTとする。なお、スルーチップ23の電気特性は未知で良く、例えば抵抗値が分からないチップ抵抗などでも良いが、伝達係数に方向性があってはならない。伝達係数は、相反定理により方向性を持たないので、通常この条件は自動的に満足される。
この実施例の校正の誤差モデルを図9に示す。これも従来から使用されているTRL補正の誤差モデルと同じものである。図中のS11M 、S21M は反射係数及び伝達係数の測定値であり、S11A 、S21A 等は被検体の散乱係数の真値である。また、誤差係数Exx、Fxxは8個あるが、散乱係数測定は比測定であるので、このうち7個の誤差要因を定められれば良い。具体的には、E21=1と置けば良い。
さて、前述の短絡基準10の接続による測定結果から、図9中の各誤差係数を求めなければならないが、まずE11、E12、E22、F11、(F21・F12) 、F22は次式で求められる。なお、FxxはExxと同様のため、Exxとのみ記載する。この段階では(F21・F12)については、2つの誤差係数F21、F12の積は求められるが、これらを別個独立に求めることはできない。なお、D1 は中間変数である。
Figure 0004650487
次に、スルーチップの順方向および逆方向の伝達係数の測定結果S21MT、S12MTは、図9の誤差要因を用いて次式のように書ける。ただし、スルーチップの散乱係数の真値を仮にS11A,S21A,S12A,S22Aとしておく。
Figure 0004650487
ここで、S21MT、S12MTの比を考える。数式22をもとに、スルーチップの正逆方向の伝達係数が等しい(S21A =S12A )ことに注意しつつ整理すると、次式が得られる。ここで注目すべきは、スルーチップの散乱係数S11A,S21A,S12A,S22Aは除算ですべて消滅してしまう点である。つまり、スルーチップの散乱係数真値が不明であっても、スルーチップに方向性がない場合はS21MT、S12MT(これは測定可能量である)の比さえ分かれば、誤差係数の関係が決まるという事である。
Figure 0004650487
数式21と数式23をもとに、次式の通り全誤差係数を決定できる。
Figure 0004650487
以上で、全ての誤差係数を決定する事ができた。以上はポート1側からポート2側へ信号を印加した場合(順方向)の議論であるが、逆方向についてはE21=1とする代わりにF21=1とすれば導出できる。
−被検体の測定と校正の実施−
誤差係数が求まれば、図10のように被検体11を伝送路に接続し、その特性を測定する。すなわち、被検体11を伝送路の被検体測定位置へ接触させて、電気特性(S11M,21M,12M,22M )を測定する。この際、被検体11が2端子の場合には、図10の(a)のように信号導体22a,22b間にシリーズ接続すればよいが、3端子または4端子の場合には、図10の(b)のように信号導体22a,22bと接地導体23の間に接続すればよい。したがって、この実施例による測定方法は、2端子の電子部品の他、フィルタのような3端子以上の電子部品にも適用できる。
実施例2の校正の誤差モデルはTRL補正の誤差モデルと同じものであるから、実際の被検体測定結果から誤差の影響を除去するにはTRL補正と同様の計算を行えば良く、誤差の影響を除去する数式を以下に記載しておく。なお、本式は2ポート測定の場合の反射係数をもとに計算する式であるが、誤差要因の影響を除去するには、ネットワークアナライザの4つのレシーバ出力から計算してもよい。また、3ポート以上の場合にも、本式と同様の式を使用してもよいし、あるいは回路シミュレーション手法を用いて誤差要因の影響を除去しても良い。要するに、どのような公知技術を選択しても良い。なお、数式25において、D2 は中間変数である。
Figure 0004650487
前記のように伝送路特性ξから伝送路材料の誘電率を求め、さらに特性インピーダンスを求める一方、数式25を用いて求めた誤差要因を除去した被検体の反射係数の真値と、伝送路の特性インピーダンスとから、被検体のインピーダンスを算出することができる。
−Sパラメータからインピーダンスへの変換−
前記の校正法は2ポートのシリーズ法であるので、前記の校正法により誤差要因の校正を行って得られた反射係数の真値S11A、S21A を用いて、数式26により被検体のZパラメータZ11A 、Z21Aを計算する。
Figure 0004650487
このZパラメータZ11A 、Z21Aと、前記のように求めた基板の特性インピーダンスZ0とを、数式27に示すようにそれぞれ同じ周波数での値同士で乗じることにより、被検体11のインピーダンスZDUT を求めることができる。
Figure 0004650487
実際には、被検体の対称性によりZ11AとZ21Aは同じ値になるため、ZDUTを求めるためには、数式27のどちらを用いても構わない。なお、S11A、S21A、Z11A 、Z21AおよびZDUT はいずれも複素数である。
図11は、被検体をシャント法で測定するための測定治具30を示す。測定治具30としては、誘電体よりなる治具基板31の上面に1つの信号導体32が長さ方向に連続的に延びるように配置され、信号導体32の幅方向両側に間隔をあけて接地導体33が配置されたCPWを使用している。なお、治具基板31の裏面にも接地導体を設けてもよい。コネクタ34,35は同軸ケーブル36,37を介して測定器の一例であるネットワークアナライザ38の測定ポート38a〜38dに接続されている。同軸ケーブル36,37の信号線は信号導体32の両端に半田付けや溶接等によって固定されている。
この実施例の場合も、実施例1,2と同様に、被検体を測定する位置(図11の測定点11)において、短絡基準10を伝送路にシャント接続し、信号導体32と接地導体33とを短絡状態として測定を行い、反射係数をS11M1を測定する。続いて、測定点1からポート1方向またはポート2方向に離れた3箇所の測定点2〜4で短絡基準を接続した校正測定を実施する。
図11では、測定点2〜4を測定点1に対してポート1側のみに設けたが、測定点1を間にして両側(ポート1側とポート2側)に振り分けて設けてもよい。ポート2側に設けた場合には、ポート1側に対して距離Lの正負符号が逆になる。両側に測定点2〜4を設けた場合には、伝送路が短くても有効なデータを得ることができる。
−スルー状態での測定−
短絡基準10による測定とは別に、スルー状態(ポート間直結状態)での測定を行う。スルー状態とは、実際には測定治具である伝送路に何も接続せずに測定を行うだけである。測定値は、反射係数がS11MTで、伝達係数はS21MTとする。
実施例3の校正方法の誤差モデルを図12に示す。これは特に新規なものではなく、従来から使用されているSOLT補正の誤差モデルと同じものである。図中のS11M 、S21M は反射係数及び伝達係数の測定値であり、S11A、S21A等は被検体の散乱係数の真値である。
未知数は1ポート測定の誤差係数が3つ(EDF、ESF、ERF)と、伝送路特性ξが1つの合計4つである。そのため、短絡基準10を伝送路の4箇所で短絡させ、そのときの反射係数の測定値(S11M1、S11M2、S11M3、S11M4)によって4つの方程式を作ることができるので、全ての未知数(EDF、ESF、ERFおよびξ)を求めることができる。
実施例1と同様にしてξが求まれば、以下の数式28によってEDF、ESF、ERFを求めることができる。なお、Denom は中間変数である。
Figure 0004650487
スルー状態での誤差係数(ELF、ETF)は、理想のスルー状態の反射係数と伝達係数の測定値(S11MT、S21MT)と、既に求めた誤差係数(EDF、ESF、ERF)とから次式で導出することができる。
Figure 0004650487
以上はポート1側からポート2側へ信号を印加した場合(順方向)の議論であるが、逆方向についても全く同様である。
−被検体の測定−
誤差係数が求まれば、図13に示すように、被検体11を被検体測定位置P1の信号導体32と接地導体33間に接続し、被検体の順方向・逆方向の反射係数および伝達係数(S11M,21M,12M,22M )を測定する。測定系の誤差係数(EDF、ESF、ERF、ELF、ETF)を用いて、被検体の測定値(S11M、S21M)から次式によって被検体の電気特性の真値(S11A、S21A)を求めることができる。
Figure 0004650487
なお、伝送路特性ξから特性インピーダンスを求めることができるので、その後、被検体のインピーダンスを以下のように算出する。
−Sパラメータからインピーダンスへの変換−
前記の校正法は2ポートのシャント法であるので、前記の校正法により誤差要因の校正を行って得られた反射係数の真値S11A、S21A を用いて、数式31により被検体のZパラメータZ11A 、Z21Aを計算する。
Figure 0004650487
このZパラメータZ11A 、Z21Aと、前記のように求めた基板の特性インピーダンスZ0とを、数式32に示すようにそれぞれ同じ周波数での値同士で乗じることにより、被検体11のインピーダンスZDUT を求めることができる。
Figure 0004650487
実施例2の場合と同様に、実際には被検体の対称性によりZ11AとZ21Aは同じ値になるため、ZDUTを求めるためには、数式32のどちらを用いても構わない。なお、S11A、S21A、Z11A 、Z21AおよびZDUT はいずれも複素数である。
実施例1〜3では、基板の誘電率測定に用いる測定治具と、被検体の測定と校正に用いる測定治具とが同一のCPWである場合について説明したが、これ以外にも基板の誘電率測定に用いる測定治具と、被検体の測定と校正に用いる測定治具とが同一でなくても、電子部品のインピーダンス特性を測定することができる。ここで、誘電率測定用測定治具と測定・校正用測定治具とが同一でないとは、使用されている誘電体材料が同じであれば、両者の伝送路形状が異なるものであってもよいという意味である。
具体的には、まず基板の誘電率測定に用いる測定治具としてCPWの伝送路を作製し、実施例1と同様の手法で誘電率を求め、伝送路の特性インピーダンスを算出する。
次に、誘電率測定に用いた測定治具と同一ロットの誘電体材料で被検体の測定と校正に用いる測定治具を作製し、本発明方法または公知の方法(例えばTRL校正)で校正を行い、電子部品のSパラメータを測定する。なお、校正で使用する伝送路は、CPW、マイクロストリップライン、スロットラインなどを用いることができ、特に限定されるものではない。
さらに、電子部品のSパラメータから算出したZパラメータと前記伝送路の特性インピーダンスとを、それぞれ同じ周波数での値同士で乗じることにより、従来より精度の高い電子部品のインピーダンス特性を求めることができる。
本発明の好ましい実施形態によれば、下記のような効果が得られる。
(1)各周波数範囲ごとに、同一の基板伝送路上の少なくとも4箇所で、信号導体と接地導体を短絡した状態(短絡基準を接続した状態)の1ポートのSパラメータの測定を行って、誤差補正により、コネクタと平面伝送路の不整合部を完全に除去した上で、伝送路の特性(伝達度α及び位相定数β)を求めるので、より正確な誘電率、tanδを測定できる。
(2)従来の誘電率測定方法では、各測定方法に合わせて、誘電体材料を加工しなければならず、実際に使用されるような伝送線路の形態で測定できていなかったが、本発明では伝送線路の形態のまま、誘電率、tanδを測定できるため、実際に使用される伝送線路の誘電率、tanδを知ることができる。
(3)従来の誘電率測定方法から求められた誘電率は材料の比誘電率であるが、本発明では実効誘電率εeff を直接求めることができるので、このεeff から特性インピーダンスをそのまま計算することができる。
(4)従来の誘電率測定方法で求められた材料の比誘電率は有効数字が2桁程度と寸法精度に比べて低いため、それを用いて算出した特性インピーダンスの精度は低くならざるを得なかったが、本発明によって得られる実効誘電率εeff の有効数字は寸法精度と同等になるため、従来より精度の高い特性インピーダンスを求めることが可能である。
(5)従来の誘電率測定法でよく使用される共振法では、誘電率、tanδの周波数特性を求めることができなかったが、本発明では、測定周波数範囲ごとの誘電率、tanδを求めることができる。
(6)従来では購入した材料ロットの誘電率のデータを正確に把握することができなかったが、本発明では購入した材料ロットの誘電率、tanδのデータを正確に把握することができる。
さらに、本発明によって誘電率測定方法が確立したため、下記のようなことが可能になった。
(1)ネットワークアナライザによる電子部品の高周波インピーダンス測定において、測定系の誤差要因を除去するTRL校正法をはじめとする校正法では、電子部品のインピーダンスを求めるために、測定系の誤差要因を校正して得られたSパラメータから算出したZパラメータに、測定に使用した伝送路の特性インピーダンスを乗じる必要があるが、各周波数範囲毎の誘電率が精度よく求めることができたため、特性インピーダンスの精度がよくなり、電子部品のインピーダンス特性を精度よく求めることができるようになった。
(2)予め実際に使用する基板の誘電率、tanδを本発明により求めておけば、高周波回路設計における設計精度を向上させることができる。
(3)誘電体の高周波誘電率、tanδの測定においては、従来、測定法および設備に応じて、誘電体材料を加工しなければならなかったが、比較的容易な加工で、誘電率、tanδの測定が可能になり、高周波材料の評価が容易になった。
(4)高周波伝送基板に使用される材料の誘電率、tanδの測定が容易になった。

Claims (10)

  1. 誘電体基板上に、信号導体と接地導体とからなり、単位長さ当たりの電気特性が未知の伝送路を持つ測定治具を準備するステップと、
    前記伝送路の長さ方向の少なくとも4箇所において、信号導体と接地導体とを短絡させて電気特性を測定するステップと、
    前記短絡状態での測定値から、前記伝送路の特性を算出するステップと、
    前記伝送路の特性から、前記伝送路材料の誘電率および誘電正接の少なくとも1つを算出するステップと、を有する伝送路材料の誘電率測定方法。
  2. 前記伝送路は、上面から導体を押しつけることで伝送路中の任意の位置で信号導体と接地導体とを短絡できる平面伝送路であることを特徴とする請求項1に記載の伝送路材料の誘電率測定方法。
  3. 測定する周波数範囲それぞれについて、前記伝送路上の少なくとも4ヵ所で、信号導体と接地導体を短絡した状態の1ポートの散乱係数を測定し、
    前記散乱係数を用いて伝送路特性ξ(ξ=α-2exp(j2β) 、α:伝達度[U/mm]、β:位相定数[rad/mm])を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の伝送路材料の誘電率測定方法。
  4. 前記伝送路特性ξと伝送路の物理寸法とから、前記伝送路材料の比誘電率εrを算出することを特徴とする請求項3に記載の伝送路材料の誘電率測定方法。
  5. 信号導体と接地導体とを短絡させた距離を測定点1からポート1側にL1 ,L2 ,L3 とし、測定点2〜4における各散乱係数をS11M1,S11M2,11M3とした場合、距離の比がL1:L2:L3 =1:2:3であるときの前記伝送路特性ξの計算式は下記の通りであることを特徴とする請求項3に記載の伝送路材料の誘電率測定方法。
    Figure 0004650487
  6. 信号導体と接地導体とを短絡させた距離を測定点1からポート1側にL1 ,L2 ,L3 とし、測定点2〜4における各散乱係数をS11M1,S11M2,11M3とした場合、距離の比がL1:L2:L3 =1:2:4であるときの前記伝送路特性ξの計算式は下記の通りであることを特徴とする請求項3に記載の伝送路材料の誘電率測定方法。
    Figure 0004650487
  7. 信号導体と接地導体とを短絡させた位置間の位相差を約70°〜145°としたことを特徴とする請求項3に記載の伝送路材料の誘電率測定方法。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の誘電率測定方法における前記短絡状態での測定値から、前記伝送路特性ξと共に伝送路の誤差係数Exxを算出するステップと、
    前記伝送路に被測定電子部品を接続した状態で、その散乱係数Sxxを測定するステップと、
    前記測定された被測定電子部品の散乱係数Sxxから前記伝送路の誤差係数Exxを除去し、被測定電子部品の散乱係数の真値SxxAを求めるステップと、
    前記被測定電子部品の散乱係数の真値SxxAから、ZパラメータZxxAを求めるステップと、を含むことを特徴とする電子部品の電気特性測定方法。
  9. 請求項1ないし7のいずれかに記載の誘電率測定方法における前記短絡状態での測定値から、前記伝送路特性ξを算出するステップと、
    前記測定治具の誘電体基板と同じ材料で形成された測定・校正用測定治具を準備し、その測定治具の伝送路の誤差係数Exxを求めるステップと、
    前記測定・校正用測定治具の伝送路に被測定電子部品を接続した状態で、その散乱係数Sxxを測定するステップと、
    前記測定された被測定電子部品の散乱係数Sxxから前記伝送路の誤差係数Exxを除去し、被測定電子部品の散乱係数の真値SxxAを求めるステップと、
    前記被測定電子部品の散乱係数の真値SxxAから、ZパラメータZxxAを求めるステップと、を含むことを特徴とする電子部品の電気特性測定方法。
  10. 請求項1ないし7のいずれかに記載の誘電率測定方法で求めた前記伝送路材料の誘電率から、前記伝送路の特性インピーダンスを算出するステップと、
    請求項8または9に記載の電子部品の電気特性測定方法で求めた被測定電子部品のZパラメータZxxAと、前記伝送路の特性インピーダンスとから、被測定電子部品のインピーダンスを求めるステップと、を含むことを特徴とする電子部品の電気特性測定方法。
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