JP2000137047A - マイクロストリップ状多数導体の対接地インピーダンス決定方法及びその情報記録媒体 - Google Patents

マイクロストリップ状多数導体の対接地インピーダンス決定方法及びその情報記録媒体

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JP2000137047A
JP2000137047A JP10309721A JP30972198A JP2000137047A JP 2000137047 A JP2000137047 A JP 2000137047A JP 10309721 A JP10309721 A JP 10309721A JP 30972198 A JP30972198 A JP 30972198A JP 2000137047 A JP2000137047 A JP 2000137047A
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impedance
ground
conductors
microstrip
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Hitoshi Nishiyama
均 西山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】任意の電圧分布を有するマイクロストリップ状
多数導体の対接地インピーダンスを簡単かつ高精度で決
定して、より小型化及び高集積化並びに高周波数化が要
求されるマイクロ波装置の構造設計や実装設計を容易か
つ確実に行う。 【解決手段】マイクロストリップ状多数導体のモデル処
理を開始する。マイクロストリップ状多数導体を電気影
像法によって等価変換し、多数導体を有するストリップ
コンデンサモデル化を実行する。次に、導体系の重ねの
理に基づいて導体電位を導出する。更に、電位係数の静
電容量表示によって、導体相互間静電容量の重ね合わせ
による導体電位を得る。次に、電位係数行列を処理し、
更に、線形及び静電容量・誘導係数行列を演算する。次
に、任意の電圧分布における等価静電容量を演算する。
この後、任意の電圧分布における対接地インピーダンス
を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、マイクロ波集積
回路、中央演算装置、プリント基板における高周波伝送
路、方向性結合器又はフィルタ(適宜、マイクロ波装置
と記載する)などのマイクロストリップ状多数導体の対
接地インピーダンス決定方法及びその情報記録媒体に関
し、特に、接地遮蔽板などに隣接して配置され、伝送線
路での固有モードで定義される特性インピーダンスを、
包括的なマイクロストリップ及びストリップ線路状多数
導体の対接地インピーダンス中の電圧分布の演算値とし
て含んで多数のマイクロストリップ状導体の対接地イン
ピーダンスを決定するためのマイクロストリップ状多数
導体の対接地インピーダンス決定方法及びその情報記録
媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のマイクロ波装置は、PD
C/PHS携帯端末(Personal Digital Cellular Tele
communication System /Personal Handyphone Syste
m) などに設けられている。このマイクロ波装置は、製
造工程が簡単であり、かつ、遮断周波数が高く得られる
とともに、高集積化が容易なストリップ状導体(伝送
路)を用いている。このマイクロ波装置では、多数のス
トリップ状導体が相互に接近し、また、接地遮蔽板に接
近して、特に、対接地インピーダンスが変化する。すな
わち、高周波伝送特性が大きく変化する。したがって、
多数のストリップ状導体間の影響を考慮した対接地イン
ピーダンスを、簡単かつ高精度で得られるようにして、
その構造設計や実装設計を行う必要がある。
【0003】また、コンピュータなどでは、中央演算装
置(CPU)の演算速度やプリント基板の伝送(動作)
性能を向上させるために、そのクロック信号の高周波数
化が重要である。この場合も多数のストリップ状導体間
の影響を考慮した対接地インピーダンスを簡単かつ高精
度で得られるようにして、その構造設計や実装設計を行
う必要がある。
【0004】マイクロ波装置は、多種の半導体素子や誘
電体などが多数実装されており、その動作が極めて複雑
であるが、高周波伝送路に類似する部分は周知の準TE
M波モード動作である。この準TEM波モード動作に近
似するストリップ線路、マイクロストリップ、対称形結
合ストリップ線路の特性インピーダンスは、等角写像法
を応用した解析による決定が可能である。
【0005】この解析は三つ以上のマイクロストリップ
状多数導体の対接地インピーダンスの決定(演算)には
適用が困難であり、いわゆる、数値解析手法が有効であ
る。この数値解析手法として、積分方程式法、サブエリ
ア法、スペクトル領域法、モーメント法及び有限要素法
などが周知である。これらの数値解析手法は、その解法
が複雑であり、導体数が増加するごとに、コンピュータ
解析における数値解析上の要素化、演算実行時の演算時
間及びメモリ容量等が増加して、その実施が困難であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように従来例で
は、マイクロ波装置におけるマイクロストリップ状多数
導体の対接地インピーダンスを、簡単かつ高精度で決定
できない。このため、より小型化及び高集積化並びに高
周波数化が要求されるマイクロ波装置の構造設計や実装
設計に困難を伴うという欠点がある。
【0007】このため、本出願人は、マイクロストリッ
プ、結合マイクロストリップ、ストリップ線路、結合ス
トリップ線路の特性インピーダンスを容易に決定するた
めのストリップ状導体相互間容量の近似算定式と電気影
像法と導体系の重ねの理の考え方を用いた特性インピー
ダンス決定方法を、既に提案した(特開平10−190
319号及び特願平10−50188号)。
【0008】本発明は、既に提案したものと同様に、上
記のような従来の技術における課題を解決するものであ
り、単独導体のマイクロストリップとともに、任意の電
圧分布を有するマイクロストリップ状多数導体の対接地
インピーダンスを、簡単かつ高精度で決定できるように
なり、より小型化及び高集積化並びに高周波数化が要求
されるマイクロ波装置の構造設計や実装設計が容易かつ
確実に可能になるマイクロストリップ状多数導体の対接
地インピーダンス決定方法及びその情報記録媒体の提供
を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、接地導体板に隣接して配置され、伝送線
路での固有モードで定義される特性インピーダンスを、
包括的なマイクロストリップ及びストリップ線路状多数
導体の対接地インピーダンス中の電圧分布の演算値とし
て含むマイクロストリップ状多数導体の対接地インピー
ダンス決定方法において、マイクロストリップ状多数導
体を電気影像法で等価変換して多数導体をストリップコ
ンデンサモデル化し、次に、導体系の重ねの理に基づい
て導体電位を導出している。更に、電位係数の静電容量
表示によって、導体相互間静電容量の重ね合わせによる
導体電位を導出し、次に、電位係数行列を演算処理し、
更に、線形及び静電容量・誘導係数行列を演算する。更
に、この後、任意の電圧分布における等価静電容量を演
算して対接地インピーダンスを決定している。
【0010】前記マイクロストリップ状多数導体におけ
る対接地インピーダンスの演算を、マイクロ波装置での
対接地インピーダンスの決定に適用している。このマイ
クロ波装置が、マイクロ波集積回路、中央演算装置、プ
リント基板における高周波伝送路、方向性結合器又はフ
ィルタであるとともに、このマイクロストリップ状多数
導体の対接地インピーダンス決定の演算が、汎用小型コ
ンピュータで実行される。本発明の情報記録媒体は、マ
イクロストリップ状多数導体を電気影像法によって等価
変換し、更に、多数導体をストリップコンデンサモデル
化するととともに、導体系の重ねの理に基づいて導体電
位を導出し、かつ、電位係数の静電容量表示によって、
導体相互間静電容量の重ね合わせによる導体電位を導出
し、電位係数行列を演算処理するとともに、線形及び静
電容量・誘導係数行列を演算し、この後、任意の電圧分
布における等価静電容量を演算して、対接地インピーダ
ンスを決定するための演算プログラムを記録している。
【0011】このように、本発明のマイクロストリップ
状多数導体の対接地インピーダンス決定方法及びその情
報記録媒体では、単独導体のマイクロストリップととも
に、任意の電圧分布を有するマイクロストリップ状多数
導体の対接地インピーダンスを、汎用小型コンピュータ
が情報記録媒体の演算プログラムを実行して、例えば、
従来の数値解析手法よりも極めて簡単かつ高精度で決定
している。
【0012】この結果、より小型化及び高集積化並びに
高周波数化が要求されるマイクロ波装置、例えば、マイ
クロ波集積回路、中央演算装置、プリント基板における
高周波伝送路、方向性結合器又はフィルタなどの構造設
計や実装設計が容易かつ確実に行われる。
【0013】従来の単独のマイクロストリップや結合マ
イクロストリップでは、固有モード時の特性インピーダ
ンスを決定して、その実装設計が行われている。一方、
高集積化されたマイクロ波装置では、常に固有モードを
考慮した設計は困難であり、任意の電圧分布における対
接地インピーダンスを決定できるようにする必要があ
る。本発明では、伝送線路で定義される固有モードにお
ける特性インピーダンスを、対接地インピーダンス中の
ある特別な電圧分布として決定している。対接地インピ
ーダンスは相互間容量の重ね合わせの演算で決定される
(適宜、容量重畳法(SCM:Superposing Capacitanc
es Method) と記載する)。この容量重畳法はモデルの
要素化を必要としないため、コンピュータでの演算プロ
グラム(演算量)が簡単になり、その演算速度が高速化
される。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明のマイクロストリッ
プ状多数導体の対接地インピーダンス決定方法及びその
情報記録媒体の実施の形態を添付図面を参照して詳細に
説明する。図1は本発明のマイクロストリップ状多数導
体の対接地インピーダンス決定方法及びその情報記録媒
体の実施形態にかかる方向性結合器の構成を示す斜視図
である。
【0015】この図1に示す例は、マイクロストリップ
状多数導体を有する方向性結合装置であり、テフロン部
材A内などに埋設して配置された複数の平行な導体C1
〜C N からなる方向性結合器Eが設けられている。更
に、方向性結合器Eの導体C2〜CN の一端に高周波信
号などを供給する高周波信号源OSC2 〜OSCN が接
続されるとともに、導体C2 〜CN の他端に高周波信号
の供給対象となる負荷R 2 〜RN が接続されている。
【0016】また、方向性結合器Eの導体C2 〜CN
平行に配置された1/4λ長などのピックアップ導体と
して動作する導体C1 の両端には、進行波及び反射波の
それぞれを検波した電圧を導出するダイオードD1 ,D
2 が接続されている。このダイオードD1 ,D2 の検出
電圧によって、例えば、定在波比(VSW.R)を検出
する。更に、テフロン部材Aの図における下面に接地遮
蔽板Bが配置されている。
【0017】なお、テフロン部材A内の導体C1 〜CN
は、接地遮蔽板Bに平行に、かつテフロン部材Aの厚さ
方向に対する中央位置又は中央位置から変位して配置さ
れている。
【0018】図2はマイクロストリップ状多数導体の対
接地インピーダンスを決定する汎用小型コンピュータの
構成を示すブロック図である。図2において、この汎用
小型コンピュータは、使用者の操作に対応した入力情報
を送出し、キーボードなどで構成される操作部21と、
装置全体を制御し、特に、以降で詳細に説明するマイク
ロストリップ状多数導体の静電容量を演算して対接地イ
ンピーダンスを決定するための演算を実行するCPU2
2と、演算プログラムなどを格納したROM23と、ワ
ーキング用のRAM24と、演算した対接地インピーダ
ンスの値データなどをフロッピーディスク(FD)に記
憶し、かつ、読み出すためのフロッピーディスク装置
(FDD)25とを備えている。
【0019】更に、この汎用小型コンピュータは、処理
データの画面表示を行う液晶ディスプレイ(LCD)な
どを用いた表示装置26と、処理データを印字して出力
する印刷装置27と、処理データなどをハードディスク
(HD)に記憶して保存するハードディスク装置(HD
D)28と、ROM23に代えて本発明を実行するため
の演算プログラム及びオペレーションプログラム等を記
憶し、着脱可能なEEPROMなどを用いたメモリ29
とを備えている。なお、本発明を実行するための演算プ
ログラムは、フロッピーディスクに格納して、ハードデ
ィスク装置28にダウンロードするようにしても良い。
【0020】次に、この実施形態におけるマイクロスト
リップ状多数導体の対接地インピーダンスの決定(演
算)について説明する。図3はマイクロストリップ状多
数導体の対接地インピーダンス決定方法にかかる処理手
順を示すフローチャートである。
【0021】このマイクロストリップ状多数導体の対接
地インピーダンスを決定する演算が図2に示す汎用小型
コンピュータで実行される。この汎用小型コンピュータ
では、操作部21の操作に基づいてCPU22がROM
23に格納している演算プログラムを読み出し、マイク
ロストリップ状多数導体の対接地インピーダンスの演算
の実行を開始し、又はフロッピーディスク装置(FD
D)25に装着されたフロッピーディスクやメモリ29
に格納している演算プログラムを読み出してマイクロス
トリップ状多数導体の対接地インピーダンスを演算を開
始する。
【0022】この演算では操作部21の操作に基づいて
マイクロストリップ状多数導体の対接地インピーダンス
の決定にかかる演算処理データを、ワーキング用のRA
M24で一次的に記憶しながら実行する。この演算処理
内容が表示装置26で画面表示され、かつ、印字装置2
7で印字して出力される。更に、処理データをハードデ
ィスク装置(HDD)28に記憶して保存する。
【0023】この演算プログラムの実行によるマイクロ
ストリップ状多数導体の対接地インピーダンスの演算で
は、図1中のテフロン部材A内に平行に配置され、か
つ、中央位置から変位して配置される導体C1 〜CN
らなる方向性結合器Eのマイクロストリップ状多数導体
の対接地インピーダンスを演算する。
【0024】図3において、マイクロストリップ状多数
導体のモデル処理を開始し、マイクロストリップ状多数
導体を電気影像法によって等価変換して多数導体を有す
るストリップコンデンサモデル化を実行する(ステップ
S1,S2)。次に、導体系の重ねの理に基づいて導体
電位を導出する(ステップS3)。更に、以降で説明す
る数8に基づいた電位係数の静電容量表示を実行する。
次に、以降で説明する数5に基づいた導体相互間静電容
量の重ね合わせによる導体電位を、以降で説明する数9
に基づいて得る(ステップS4)。更に、以降で説明す
る数10に基づいて電位係数行列を処理し(ステップS
5)、続いて、線形演算及び以降で説明する数16に基
づいて静電容量・誘導係数行列を演算する(ステップS
6)。次に、以降で説明する数18に基づいて任意の電
圧分布における等価静電容量を演算する(ステップS
7)。この後、以降で説明する数19に基づいて任意の
電圧分布における対接地インピーダンスを決定する(ス
テップS8)。
【0025】図3に示すようにしてマイクロストリップ
状多数導体の対接地インピーダンスを演算する場合、前
記した従来の数値解析手法では、電荷密度又は電束密度
の分布に対して定式化が行われる。この定式化が得られ
た導体表面の電荷密度の積分値から等価容量、対接地イ
ンピーダンスを演算して決定している。この演算値を簡
単かつ高精度で得るには、導体又は媒体に対して、要素
分割を細分化して行う必要があり、その演算におけるマ
トリックス規模が極めて大きくなる。
【0026】これに対して図3に示す本発明の実施形態
における容量重畳法では、予め導体相互間容量を定式化
し、これに電気影像法、導体系の重ねの理の考え方を組
み合わせて演算を行っている。したがって、モデルの要
素化の必要性がなくなり、演算マトリックス規模が極め
て小さくなる。この容量重畳法では、静電容量を影響値
として、これを重ね合わせるマクロ的な演算を行ってい
る。
【0027】以下、このマイクロストリップ状多数導体
の対接地インピーダンスの決定(演算)について詳細に
説明する。まず、基本となる二つのマイクロストリップ
状導体について説明する。図4は二つのマイクロストリ
ップ状導体のストリップ状導体相互間静電容量を説明す
るための図である。
【0028】図4中のストリップ状導体30,31は、
一般的には断面形状が伝送方向に対して一定である。ま
た、導体幅wに比べて導体は十分に長いものであり、準
TEM波モードに近似する。したがって、2次元のガウ
スの定理で記述されるスカラポテンシャルuの空間にお
ける静電界を考慮する。
【0029】図4に示すような誘電率ε[F/m]を有
する一様媒体中に導体幅w[m]の2枚のストリップ状
導体30,31が存在する場合、このストリップ状導体
30,31の間の静電容量CPP[F/m]は、ストリッ
プ状導体30,31間の中心間距離D[m]の関数とし
て数1のように近似的に示される。
【0030】
【数1】
【0031】図4のモデルは、ストリップ状導体30,
31の断面構造を示しており、紙面に対する垂直方向が
信号伝送方向である。ストリップ状導体30,31は、
一般的に回路パターンが用いられるため、その厚さは導
体幅wに比べて十分小さいものであり、ここではt=0
[m]としている。一般的なマイクロ波装置内における
ストリップ状導体の静電容量は、導体厚さ、導体形状及
び誘電体の分布などの影響を受けるが、導体の相対位置
によって変化する静電容量が基本である。この実施形態
では導体の相対位置の変化のみに着目して、一様媒体中
の二つのストリップ状導体相互間静電容量を用いたマイ
クロストリップ状多数導体の対接地インピーダンスを決
定する。
【0032】したがって、前記した要因による影響は考
慮せずに、対象モデルは極力簡単なものを設定してい
る。また、前記したように静電界を考慮しており、形
状、寸法については相似則が成立するため、その単位系
は一般的なMSK単位系を用いている。図4のモデルに
示されるストリップ状導体30,31間の単位長さ当り
の静電容量CPP[F/m]は、単に導体と接地間に生じ
る電束のみを対象にするのではなく、無限遠点への電束
の発散によるものが相加わって決定される。
【0033】次に、マイクロストリップ状多数導体の対
接地インピーダンスの定式化について説明する。図5は
マイクロストリップ状多数導体の配置状態を示す断面図
である。図5では、接地面上部に半無限の広がりを有す
る誘電率ε[F/m]の一様媒体を設定する。また、こ
の媒体中には、導体幅w[m]のN個のストリップ状導
体Ωi (i=1,2,…,N)を接地面に平行に配置し
ている。(xi , yi )はストリップ状導体Ωi の中心
座標であり、Qi [F/m]は、単位長さ当たりの電荷
量である。また、Vi [V]は電位である。
【0034】電気影像法により、N個の導体を有するマ
イクロストリップ状多数導体のモデルは、2N個の導体
を有するストリップ形コンデンサのモデルに等価的に変
換できる。それぞれの影像導体は接地面を鏡像面として
線対称の位置に設定され、この変換により接地面が消去
される。ここに、ΩN+i は、それぞれ導体Ωi の影像導
体である。同様に、(xN+i ,yN+i )=(xi ,−y
i )は、影像導体ΩN+ i の中心座標であり、QN+i (=
−Qi )[C/m]は、単位長さ当たりの電荷量であ
る。また、VN+i (=−Vi )[V]は電位であり、全
ての影像導体ΩN+ i (i=1,2,…,N)の周囲の媒
体は、一様な誘電率ε[F/m]である。
【0035】図5中の2N個の導体を有するストリップ
形コンデンサのモデルにおいて、導体Ωi’(i' =
1,2,…,2N)とΩj’(j' =1,2,…,2
N)との間の中心座標間距離Di’,j’ [m]が次式数
2で示される。
【0036】
【数2】
【0037】この数2を数1に適用することにより、導
体Ωi’,Ωj’の間の導体相互間容量Ci’,j’ [F/
m]が、次式数3、数4で示される。ここでi(=1,
2,…,N),j(=1,2,…,N)は、実導体のみ
の通し番号を表しており、i' (=1,2,…,2
N),j' (=1,2,…,2N)は、実導体と影像導
体との両方の通し番号を表している。
【0038】
【数3】
【0039】
【数4】
【0040】一方、図5中のi番目のストリップ状導体
Ωi の電位Vi [V]は、導体系の重ねの理の考え方に
より、電位係数と単位長さ電荷量を用いて次式数5で表
すことが出来る。
【0041】
【数5】
【0042】数5中のPi,j [m/F]は、実導体との
間の電位係数であり、Pi,N+j [m/F]は、実導体Ω
i と影像導体ΩN+j との間の電位係数である。導体相互
間容量Ci’,j’ [F/m]は、自己電位係数及び相
互電位係数により、次式数6に示すように定義できる。
【0043】
【数6】
【0044】全てのストリップ状導体の形状及び大きさ
は等しいため、電位係数には数7の関係がある。
【0045】
【数7】
【0046】この結果、次式数8が得られる。
【0047】
【数8】
【0048】この数8を数5に適用すれば、ストリップ
状導体Ωi の電位が、Vi [V]で表される。
【0049】
【数9】
【0050】全ての実導体Ωi (i=1,2,…,N)
を考慮すれば、これらの電位は次式数10、数11の行
列式で示される。
【0051】
【数10】
【0052】
【数11】
【0053】ここで{V}は電位ベクトル、{Q}は単
位長さ当たりの電荷量のベクトルである。また、[G]
は電位係数行列であり、これらの要素gi,j [m/F]
が次式数12で表される。
【0054】
【数12】
【0055】[G]の対角要素gi,i [m/F]は、そ
れぞれのストリップ状導体と自己の影像導体との間の電
位係数であり、ストリップ状導体と接地間の静電容量と
によるものである。一方、非対角要素gi,j [m/F]
は、着目する導体以外の影像導体と実導体との相互間容
量の逆数の差である。すなわち、それぞれの導体の相互
作用による影響項である。この行列によって図5中の影
像導体を考慮した2N導体系の電荷分布が得られる。な
お、電位係数行列[G]に媒体中の光速度v[m/s]
を考慮することにより、インピーダンス行列[Z]によ
る表現に置換できる。すなわち、数10の電位係数行列
[G]を、インピーダンス行列[Z]に対して単位長さ
当たりの電荷量ベクトル{Q}を電流ベクトル{I}に
置換した表現によって示すと次式数13、数14とな
る。
【0056】
【数13】
【0057】
【数14】
【0058】このインピーダンス行列[Z]の要素Z
i,j が次式数15で表される。
【0059】
【数15】
【0060】電位係数行列[G]の逆行列[H]は、容
量・誘導係数行列であり、次式数16、数17で表され
る。
【0061】
【数16】
【0062】
【数17】
【0063】着目するストリップ状導体Ωi は,電位V
i [V]を有しているので、その等価容量
【外1】 が、次式数18で示される。
【0064】
【数18】
【0065】この場合、[H]の対角要素は着目する導
体Ωi 自身の、hi,j [m/F]は、着目する導体Ωi
と、これ以外の導体Ωj の間の容量・誘導係数であり、
j[V]は導体Ωj の電位である。準TEM波モード
に近似が可能なマイクロストリップ状多数導体は、前記
したように静電界として扱うことが出来るため、ストリ
ップ状導体Ωi の対接地インピーダンス
【外2】 は、この等価容量
【外3】 から、次式数19のように近似決定される。
【0066】
【数19】
【0067】一方、準TEM波近似においては、マイク
ロストリップ状多数導体の静電界と静磁界の分布中の一
方が決定すれば他方が一義的に決まる。このため、スト
リップ状導体Ωi の対接地インピーダンスは、その等価
容量
【外4】 又は等価誘導係数
【外5】 の何れかが判明することによって、次式数20、数21
で求めることが出来る。
【数20】
【0068】
【数21】
【0069】以下、容量重畳法によるマイクロストリッ
プ状多数導体の対接地インピーダンスの演算例について
説明する。ここでは、前記の説明で定式化した対接地イ
ンピーダンスの容量重畳法を用いて、マイクロストリッ
プ状多数導体の対接地インピーダンスを演算(決定)す
る。また、比較的導体数が少なく有限要素法で演算が可
能なモデルについては、有限要素法の数値解析結果との
比較を行う。なお、有限要素法では無限遠点での境界を
設定できないため、ここでの有限要素法では、マイクロ
ストリップ状多数導体のモデルの側面及び上面に吸収形
境界条件を設定した。
【0070】対接地インピーダンス決定は、前記した数
13、数14、数15に示すようにインピーダンス行列
によっても同様な表現が可能である。各固有モードの特
性インピーダンスは、このインピーダンス行列の固有値
を求めることにより得られる。すなわち、各導体の対接
地インピーダンスが等しくなったときの状態であり、イ
ンピーダンス行列の固有ベクトルとして与えられ、特別
な電圧分布の組み合わせが存在する。しかし、より一般
的な任意の電圧分布においても対接地インピーダンスは
存在する。高集積化されたマイクロ波装置(マイクロ波
集積回路、中央演算装置、プリント基板における高周波
伝送路、方向性結合器又はフィルタ)では、常に固有モ
ードを考慮して設計することは困難であり、任意の電圧
分布における各導体の対接地インピーダンスを決定でき
ることは重要である。
【0071】ここでの対接地インピーダンスの演算(決
定)では、各導体に任意の電圧分布を与えた場合の各導
体の対接地インピーダンスを求めることが出来る。各固
有モードの特性インピーダンスはその内の特殊な状態で
の演算値である。ここでは電圧分布の違いにより対接地
インピーダンスの変化が顕著となる以下の(1)(2)
の状態の用語を定義して、マイクロストリップ状多数導
体の対接地インピーダンスの決定を行う。 (1)同相電圧分布(In-phase voltage):接地面を0
[V]に設定し、着目する導体及びそれ以外の全ての導
体の電圧を単位電圧である+1.0[V]に設定する。 (2)逆相電圧分布(Anti-phase voltage):接地面を0
[V]に設定し、着目する導体の電圧を+1.0[V]
に、それ以外の全ての導体の電圧を負の単位電圧である
−1.0[V]に設定する。
【0072】次に、ストリップ状導体の相対位置による
対接地インピーダンスについて説明する。このマイクロ
ストリップ状多数導体の対接地インピーダンスは、スト
リップ状導体相互間の位置関係により影響を受けて変化
する。この影響の特徴をオフセット形結合マイクロスト
リップの対接地インピーダンス演算を行って検討する。
【0073】図6は2導体のオフセット形結合マイクロ
ストリップの断面図であり、図7は、この2導体のオフ
セット形結合マイクロストリップの対接地インピーダン
スの演算結果を示す図である。図6では接地面上に半無
限の広がりを有する一様媒体を真空に設定する。この誘
電率はε=ε0 =8.854185×10-12 [F/
m]であり、媒体中の光速度はv=c=2.99792
5×108 [m/s]である。媒体中にはΩ1 ,Ω2
二つのストリップ状導体を配置し、それぞれの接地面か
らの高さをd1 ,d2 [m]とし、また、導体水平間隔
をe[m]とし、かつ、両者の導体幅をw[m]とす
る。
【0074】図7はストリップ状導体Ω1 をd1 /w=
2.5に固定し、ストリップ状導体Ω2 の接地面からの
高さをd2 /w=2.5〜4.75まで変化させた場合
のΩ 1 の対接地インピーダンスの演算結果を示してい
る。ここでは容量重畳法(SCM)と有限要素法(FE
M)により、Ω1 の同相電圧分布、逆相電圧分布の対接
地インピーダンスZIN ,ZAN[Ω]の演算値をプロッ
トした。この図の横軸d 2 /wは、Ω2 の接地面からの
高さd2 [m]を、導体幅w[m]で正規化したもので
あり、d2 /w→0はΩ2 が接地面に限りなく近づいた
状態である。この場合、特にd2 /w→5.0は、d1
において2倍の接地面からの高さになる。また、d2
w→2.5でΩ1 とΩ2 は並列配置している。すなわ
ち、対称形結合マイクロストリップである。
【0075】この状態では同相電圧分布の対接地インピ
ーダンスZINは、偶モード結合時の特性インピーダンス
EVEN[Ω]に一致する。また、逆相電圧分布の対接地
インピーダンスZAN[Ω]が、奇モード結合時の特性イ
ンピーダンスZODD [Ω]に一致する。この容量重畳法
による対称形結合マイクロストリップの偶モード、奇モ
ード結合時の特性インピーダンスを、Bryantが示した周
知の積分方程式による近似解と比較検討し、その妥当性
を確認した。Ω2 の位置変化によりΩ1 の対接地インピ
ーダンスが変化している。
【0076】図7では、正規化導体水平間距離e/w=
2.0,5.0の場合をプロットしている。ここでは導
体水平間距離e[m]が小さいほど、導体間相互の静電
結合の影響が大きくなり、同相電圧分布、逆相電圧分布
の対接地インピーダンスの差は小さくなる。一方、d2
/wの変化に対しては、e/w=2.0の場合、e/w
=2.5の近傍で同相電圧分布では最大になり、逆相電
圧分布では最小になる特性を示すが、e/w=5.0の
場合、d2 /wの値が大きくなった方が同相電圧分布と
逆相電圧分布との差はより大きくなる。
【0077】これはd2 /wが大きくなり導体Ω2 が接
地面から離れるに従って接地面との静電結合が小さくな
るためである。すなわち、相対的にストリップ状導体の
相互間での静電結合の影響が顕著になるためである。図
7に示すように、有限要素法による数値解析結果と容量
重畳法とによる演算結果は良く一致している。
【0078】次に、不規則に配置された6導体のマイク
ロストリップ状多数導体について説明する。ここでは、
接地面の上に不規則に配置された6導体を有するマイク
ロストリップ状多数導体の対接地インピーダンスの決定
(算出)を行う。
【0079】図8は接地面の上部に不規則配置されたマ
イクロストリップ状多数導体の断面図であり、表1はそ
れぞれの導体の同相電圧分布、逆相電圧分布における対
接地インピーダンスを、容量重畳法と有限要素法とで比
較したものである。 図8において、Ω1 〜Ω6 は6つ
のストリップ状導体であり、この導体幅はw=1.0
[m]で一定である。また、一様媒体は半無限の広がり
を有し、その定数設定は、図6と同じである。各々の導
体水平間距離と接地面からの高さは不規則である。
【0080】
【表1】
【0081】表1において、同相電圧分布の対接地イン
ピーダンスZIN[Ω]は、着目する導体及びその他の全
ての導体の電圧を+1.0[V]に設定した場合であ
る。一方、逆相電圧分布の対接地インピーダンスZ
AN[Ω]は、着目する導体の電圧を+1.0[V]に、
他の全ての導体の電圧を−1.0[V]に設定した場合
である。
【0082】Ω3 などの接地面から高い位置にある導体
ほど、対接地間容量が減少するので、対接地インピーダ
ンスは高くなっている。また、Ω2 ,Ω5 及びΩ1 ,Ω
4 ,Ω6 のように同じ高さでも、周囲の導体が接近し
て、他の影響を受け易いものほど同相電圧分布及び逆相
電圧分布の対接地インピーダンスの差は大きくなる。
【0083】表1での容量重畳法(SCM)と有限要素
法(FEM)とによる演算結果において、逆相電圧分布
では、常に容量重畳法の結果の方が大きく、その偏差は
+4〜+7[%]程度で各導体とも概略同じである。
【0084】一方、同相電圧分布において、導体が接地
面に近いΩ1 ,Ω4 ,Ω6 の偏差は+2[%]程度以内
であり、これに対し、接地面から遠いΩ2 ,Ω3 ,Ω5
は−5〜−11[%]程度の偏差が生じている。このよ
うな偏差が生じる原因としては、それぞれの演算に含ま
れる誤差がある。有限要素法においては、要素分割によ
る誤差があり、かつ、吸収型境界条件による誤差などが
ある。一方、容量重畳法においてはストリップ状導体相
互間容量の近似式の誤差がある。
【0085】次に、水平方向に一定間隔で配置されたマ
イクロストリップ状多数導体の対接地インピーダンスの
演算について説明する。図9は水平方向に一定間隔で配
置されたマイクロストリップ状多数導体の断面図であ
り、図10は図9に示すマイクロストリップ状多数導体
の対接地インピーダンスの演算結果を示す図である。
【0086】図9ではストリップ状導体ΩC を中心に左
右対称に合計N個のストリップ状導体を配置している。
隣りあうストリップ状導体の水平中心間距離e[m]は
一定であり、また、接地面から導体までの高さd[m]
も一定である。なお、周囲の一様媒体の設定は図6と同
じである。
【0087】図10では有限要素法(FEM)の数値解
析結果値もプロットしている。ここでの有限要素法で
は、モデルの演算規模の制限から、左右4つずつ、合計
9つの導体数が演算実行上の上限であるが、容量重畳法
(SCM)によれば多数の導体数でも容易に演算でき
る。ここではN=1〜35に対して、その演算を行っ
た。図10では中央のストリップ状導体ΩC の同相電圧
分布、逆相電圧分布の対接地インピーダンスを演算した
結果であり、横軸には水平方向に配列したストリップ状
導体の個数を表示し、また、縦軸にはストリップ状導体
ΩC の対接地インピーダンスを表示している。
【0088】ここで同相電圧分布は全てのストリップ状
導体の電圧を+1.0[V]に設定した場合であり、逆
相電圧分布はΩC のみを+1.0[V]に設定し、他の
全ての導体を−1.0[V]に設定した場合である。導
体の個数が多くなるごとに、その同相電圧分布では、対
接地インピーダンスが増加傾向となり、逆に逆相電圧分
布では対接地インピーダンスは減少傾向になる。何れも
ある値に漸近している。
【0089】この図10ではe/w=2.0,3.0,
5.0の3例に対する演算を行っているが、導体中心間
隔が小さいほど対接地インピーダンスに与える影響が大
きくなる。Nが10以上では着目する導体ΩC からの距
離が大きくなるため対接地インピーダンスに与える影響
が小さくなる。
【0090】次に、多層マイクロストリップ状導体の対
接地インピーダンスの演算について説明する。図11は
多層マイクロストリップ状導体の断面図であり、図12
は図11における中央列で最も接地面に近いストリップ
状導体の対接地インピーダンスの演算結果を示す図であ
る。
【0091】図11において、接地面上には一様媒体と
して図6と同様に真空を設定し、真空中には上下左右に
対称に7行7列、合計49個のストリップ状導体を配置
している。隣りあうストリップ状導体の水平中心間距離
e[m]は一定であり、また、接地面から導体及び導体
から導体までの高さd[m]も一定である。多数導体系
の容量重畳法を用いて、本モデルのストリップ状導体の
対接地インピーダンスを演算する。
【0092】図12では、中央列で最も接地面に近いス
トリップ状導体ΩC の同相電圧分布、逆相電圧分布の対
接地インピーダンスの演算結果を示している。横軸はス
トリップ状導体の正規化鉛直間距離d/wを示し、縦軸
はストリップ状導体ΩC の対接地インピーダンスを示し
ている。そして、同相電圧分布は全てのストリップ状導
体の電圧を+1.0[V]に設定し、かつ、逆相電圧分
布はΩC のみを+1.0[V]に設定し、更に、他の全
ての導体を−1.0[V]に設定している。ここではd
/wが増加するごとに、対接地インピーダンスが増加し
ている。
【0093】図12ではe/w=2.0,3.0,5.
0の3例に対する演算を行っているが、導体水平間隔が
小さいほど、同相電圧分布、逆相電圧分布の差は大きく
なり、対接地インピーダンスへの影響が大きい。このよ
うに多層導体の配置でも容量重畳法による演算結果は連
続性が得られている。
【0094】このように、容量重畳法を用いた種々のマ
イクロストリップ状多数導体の対接地インピーダンスの
演算例では、有限要素法による数値解析結果と比較した
場合、演算結果は導体数が少く、有限要素法で演算が可
能な範囲において極めて良く一致している。しかも、有
限要素法では演算実行上扱うことが出来なかった導体数
を有するマイクロストリップ状多数導体のモデルでも、
その対接地インピーダンスの演算(決定)が可能であ
る。
【0095】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のマイクロストリップ状多数導体の対接地インピーダン
ス決定方法及び情報記録媒体によれば、単独導体のマイ
クロストリップとともに、任意の電圧分布を有するマイ
クロストリップ状多数導体の対接地インピーダンスを、
汎用小型コンピュータが情報記録媒体の演算プログラム
を実行して、例えば、従来の数値解析手法よりも極めて
簡単かつ高精度で決定できる。この結果、より小型化及
び高集積化並びに高周波数化が要求されるマイクロ波装
置の構造設計や実装設計が容易かつ確実にできるように
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマイクロストリップ状多数導体の対接
地インピーダンス決定方法及びその情報記録媒体の実施
形態にかかる方向性結合器の構成を示す斜視図である。
【図2】実施形態にあってマイクロストリップ状多数導
体の対接地インピーダンスを演算する汎用小型コンピュ
ータの構成を示すブロック図である。
【図3】実施形態にあって対接地インピーダンス決定の
処理手順を示すフローチャートである。
【図4】実施形態にあって二つのマイクロストリップ状
導体のストリップ状導体相互間静電容量を説明するため
の図である。
【図5】実施形態にあってマイクロストリップ状多数導
体の配置を示す断面図である。
【図6】実施形態にあってオフセット形結合マイクロス
トリップの断面図である。
【図7】図6のオフセット形結合マイクロストリップの
対接地インピーダンスの演算結果を示す図である。
【図8】実施形態にあって接地面の上部に不規則配置さ
れたマイクロストリップ状多数導体の断面図である。
【図9】実施形態にあって水平方向に一定間隔で配置さ
れたマイクロストリップ状多数導体の断面図である。
【図10】図10に示すマイクロストリップ状多数導体
の対接地インピーダンスの演算結果を示す図である。
【図11】実施形態にあって多層マイクロストリップ状
導体の断面図である。
【図12】図11における中央列で最も接地面に近いス
トリップ状導体の対接地インピーダンスの演算結果を示
す図である。
【符号の説明】
A テフロン部材 C1 〜CN 導体 E 方向性結合器 B 接地遮蔽板 22 CPU 23 ROM 23 メモリ 30,31 ストリップ状導体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】接地導体板に隣接して配置され、伝送線路
    での固有モードで定義される特性インピーダンスを、包
    括的なマイクロストリップ及びストリップ線路状多数導
    体の対接地インピーダンス中の電圧分布の演算値として
    含むマイクロストリップ状多数導体の対接地インピーダ
    ンス決定方法において、 マイクロストリップ状多数導体を電気影像法で等価変換
    して多数導体をストリップコンデンサモデル化し、 次に、導体系の重ねの理に基づいて導体電位を導出し、 更に、電位係数の静電容量表示によって、導体相互間静
    電容量の重ね合わせによる導体電位を導出し、 次に、電位係数行列を演算処理し、 更に、線形及び静電容量・誘導係数行列を演算し、 この後、任意の電圧分布における等価静電容量を演算し
    て対接地インピーダンスを決定することを特徴とするマ
    イクロストリップ状多数導体の対接地インピーダンス決
    定方法。
  2. 【請求項2】前記マイクロストリップ状多数導体におけ
    る対接地インピーダンスの演算を、 マイクロ波装置での対接地インピーダンスの決定に適用
    することを特徴とする請求項1記載のマイクロストリッ
    プ状多数導体の対接地インピーダンス決定方法。
  3. 【請求項3】前記マイクロ波装置が、 少なくともマイクロ波集積回路、中央演算装置、プリン
    ト基板における高周波伝送路、方向性結合器又はフィル
    タであることを特徴とする請求項2記載のマイクロスト
    リップ状多数導体の対接地インピーダンス決定方法。
  4. 【請求項4】前記請求項1記載のマイクロストリップ状
    多数導体の対接地インピーダンス決定の演算が、 汎用小型コンピュータで実行されることを特徴とするマ
    イクロストリップ状多数導体の対接地インピーダンス決
    定方法。
  5. 【請求項5】マイクロストリップ状多数導体を電気影像
    法によって等価変換し、更に、多数導体をストリップコ
    ンデンサモデル化するととともに、導体系の重ねの理に
    基づいて導体電位を導出し、かつ、電位係数の静電容量
    表示によって、導体相互間静電容量の重ね合わせによる
    導体電位を導出し、電位係数行列を演算処理するととも
    に、線形及び静電容量・誘導係数行列を演算し、この
    後、任意の電圧分布における等価静電容量を演算して、
    対接地インピーダンスを決定するための演算プログラム
    を記録したことを特徴とする情報記録媒体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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