JP2000346891A - 電磁界解析方法 - Google Patents

電磁界解析方法

Info

Publication number
JP2000346891A
JP2000346891A JP11160158A JP16015899A JP2000346891A JP 2000346891 A JP2000346891 A JP 2000346891A JP 11160158 A JP11160158 A JP 11160158A JP 16015899 A JP16015899 A JP 16015899A JP 2000346891 A JP2000346891 A JP 2000346891A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electromagnetic field
calculated
parameter
wave
analysis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11160158A
Other languages
English (en)
Inventor
Teruhiro Tsujimura
村 彰 宏 辻
Shuichi Sekine
根 秀 一 関
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP11160158A priority Critical patent/JP2000346891A/ja
Publication of JP2000346891A publication Critical patent/JP2000346891A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 短い計算時間で精度よく電磁界解析を行う。 【解決手段】 本実施形態の電磁界解析装置は、解析対
象の一部に入力ポートと出力ポートを設定し、各ポート
におけるSパラメータ等を設定する(ステップS1)。
次に、電界を計算した後(ステップS2)、入力波を演
算する(ステップS3)。次に、入力波と反射係数S11
との間で畳み込み積分を行って反射波と透過波を計算し
た後(ステップS4)、その計算結果を利用して磁界を
計算する(ステップS5)。電界および磁界の計算回数
nが最大値nmax未満であれば、ステップS1〜S5の
処理を繰り返す。高周波回路等の高精度の解析が必要な
領域はSパラメータを用いて詳細に解析を行い、アンテ
ナや筐体などの放射を伴う領域は格子サイズを大きくし
てFD-TD法等を用いて解析を行うため、電磁界解析に要
する演算時間を短縮できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波回路を有す
る電子機器等の電磁界解析を行う方法に関し、特に、時
間軸上でSパラメータを用いて近似的に電磁界解析を行
う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高周波回路のシミュレーションを行う場
合、実際の回路を等価回路に置き換えるのが一般的であ
る。ところが、この方法では、アンテナや不要放射源等
から電力が空間を伝搬する干渉、放射が扱えない。ま
た、等価回路に置き換えるため、大幅な近似を用いなけ
れば計算を行なえないことから、モデルが複雑になれば
なるほど誤差要因が増大し、正確な解析ができないとい
う問題がある。
【0003】一方、近年、パーソナルコンピュータやワ
ークステーション等の計算機の計算能力が著しく向上し
てきたため、これまで計算機の計算能力や記憶容量が足
りないためにあまり注目されていなかった時間領域にお
ける電磁界シミュレーションの解析例が数多く発表され
ている。
【0004】時間領域における解析方法は、電磁界の基
本方程式であるマクスウェル(Maxwell)の方程式を時
間軸上で差分方程式にして、この式を満たすように空間
領域で3次元の格子網上に離散化した電界および磁界
を、上記の差分方程式で逐次計算するものである。この
解析方法は、解析物の形状や構成している媒質定数を任
意に選べるという長所を有している。
【0005】時間領域における電磁界解析方法には、FD
-TD(Finite Difference Time-Domain)法、TLM(Tr
ansmission-Line Modeling)法、空間回路網法等があ
る。このうち、FD-TD法は、マクスウェルの方程式を時
間および空間において中心差分し、電磁界を交互に計算
するleap-frogアルゴリズムにより解析系の各電磁界変
数を各タイムステップ毎に計算する方法である。(論文
名:Numerical Solution of Initial Boundary Value Pr
oblems Involving Maxwell's Equations in Isotropic
Media,著者 :K. S. Yee, 雑誌名:IEEE Trans. AP-14 N
o.3 May.1966)この解析法では、解析対象は3次元であ
るのが一般的で、解析対象を含む解析領域を通常図11
のような直方体の格子で区分けする。格子の内部には誘
電率、透磁率、導電率の情報を割り当てる方が一般的で
ある。ここで、格子の形状は必ずしも立方体である必要
はない。基本的には電界は格子の各辺に沿って、磁界は
面の中心に対して法線方向に割り当てられる。そして、
図12に示すように、誘電率および導電率は各電界に、
図13に示すように透磁率は各磁界に接する格子に与え
られた数値の平均によって最終的に与えられる。
【0006】図14はFD-TD法の処理手順を示すフロー
チャートである。まず、演算回数の最大値(nmax)、
演算間隔(離散時間)、格子サイズ、モデル入力等の初
期設定を行なう(ステップS41)。次に、磁界のデー
タから電界を計算する(ステップS42)。ここで、磁
界の初期値は0である。次に、電界の計算データを用い
てステップ43で磁界を計算する(ステップS43)。
次に、計算回数nが計算回数の最大値nmaxより小さい
か否かを判定し(ステップS44)、小さければステッ
プS42に戻り、計算回数nが最大値nmaxに等しくな
ると、解析結果を電界、磁界、放射パターン、Sパラメ
ータ等で出力して処理を終了する(ステップS45)。
【0007】ところで、図11のような格子網を使用し
た場合の計算結果の精度は、格子網の網目の細かさに依
存し、網目が細かいほど精度は上昇する。また比較的複
雑な構造を有する解析物では、その形状に適合するよう
に格子を設定しなければならないため、必要とされる格
子数が増えてしまう。
【0008】特に、アンテナ、筐体、高周波回路など、
無線機を構成する部品を複合して解析する場合、大きさ
が最小の部品に合わせて格子網を生成しなければならな
いことから膨大な計算時間が必要になる。
【0009】計算時間を短くする方法として、サブグリ
ッド法がある。この方法は、精度を要する部分だけ細か
い格子で分割する方法である。図15は、粗い格子に対
して3分の1だけ格子を細かくした例を示している。粗
い格子および細かい格子に共通な電界Ex1=ex1、Ey1
=ey1を用いて、共通でないex、eyを漸化式を用い
て近似する。
【0010】ところが、サブグリッド法は、粗い格子と
細かい格子の接続部に近似を用いているので、電界、磁
界の解が不安定である。実際は3分の1から5分の1程
度しか細かくできず、また細かくしたい部分が点在する
と、ほとんどの部分が細かい格子に支配されて、記憶容
量を効率的に削減できないという問題がある (論文名FD
-TD Local Grid with Material Traverse,著者 :M. W.
Chevalier他, 雑誌名:IEEE Trans. AP-45 No.3 March.1
997)。
【0011】一方、高周波回路は回路シミュレータで解
析し、アンテナおよび筐体はFD-TD法で解析する方法が
ある。回路シミュレータとして代表的なものはSPICE(S
imulation Program with Integrated Circuit Emphasi
s)であるが、SPICE内では、回路網方程式を差分とニュ
ートン法を用いて時間領域で電圧、電流を求めている。
したがって、電圧および電流をそれぞれ電界および磁界
に置き換えることで、FD-TD法と直接接合することがで
きる。
【0012】ところが、回路シミュレータの解析結果を
FD-TD法に代入し、FD-TD法の解析結果を回路シミュレー
タに代入する方法はデータをやりとりし、解析を行なう
ためにシミュレータが立ち上がる時間が大量にかかり、
FD-TD法による電磁界解析内に回路シミュレータで解析
する部分が大量にあると計算時間が膨大となり、実用的
でなくなるという問題がある。(論文名:FD-TD法とSPICE
との直接結合に関する2、3の考察,著者 :神田、宇野,
雑誌名:信学技報. AP97-60, July.1997)一般に高周波回
路の特性を表すためには、回路の各入出力端(ポート)
について定義したSパラメータが用いられている。図1
6はSパラメータの一部である反射係数S11と透過係数
S21を説明する図であり、反射係数S11は(1)式で表
され、透過係数S21は(2)式で表される。ここで、V
inは入力電圧、Vrは反射波電圧、Vtは透過波電圧であ
る。
【0013】S11=Vr/Vin …(1) S21=Vt/Vin …(2) ところが、Sパラメータは通常、周波数軸上で表現され
ており、時間軸上での解析が容易ではないこと、入力波
と反射波の区別が厳密にできないことから、FD-TD法で
直接利用することはできなかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のFD-TD法をはじめとする時間領域における電磁界解析
装置及び電磁界解析方法では、波長に比べて細かい形状
を部分的に有するモデルを解析しようとする場合に、そ
の細かい形状の部分に合わせてモデル化の格子の細かさ
を決定しなければならないために、極めて多大な計算時
間と計算容量を要するという問題点があった。
【0015】これに対し、従来からいくつか対策法が提
案されているが、モデル形状が複雑になると対策の効果
が小さくなってしまい、本質的な解決策にはなるものは
なかった。
【0016】本発明は、このような点に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、計算時間と計算機の計算容量
を低減することが可能な電磁界解析装置および電磁界解
析方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の発明は、解析対象の電磁界解析を行
う電磁界解析方法において、解析対象中の少なくとも一
箇所に設定された入力ポートにおけるSパラメータを設
定する第1ステップと、前記入力ポートへの入力波を演
算する第2ステップと、前記第1ステップで設定された
Sパラメータと前記第2ステップで演算された入力波と
の間で畳み込み積分を行い、前記入力ポートにおける反
射波を演算する第3ステップと、演算された前記反射波
に基づいて解析対象の磁界を演算する第4ステップと、
演算された前記磁界に基づいて解析対象の電界を演算す
る第5ステップと、を備える。
【0018】請求項1の発明では、解析対象中の少なく
とも一箇所に入力ポートを設定し、入力ポートにおける
Sパラメータに基づいて解析対象の電磁界解析を行う。
これにより、解析対象全体を小さい格子サイズに区分け
して解析を行う必要がなくなり、計算時間を短縮でき
る。
【0019】請求項2の発明では、解析対象に入力ポー
トだけでなく出力ポートも設定して電磁界解析を行うた
め、さらに精度よく解析を行うことができる。
【0020】請求項3の発明では、電磁界解析を時間的
に継続して行うため、電界および磁界の時間的な変化も
解析できる。
【0021】請求項4の発明では、周波数軸のSパラメ
ータを時間軸のSパラメータに変換するため、時間軸で
の数値解析が容易になる。
【0022】請求項5の発明では、設定されたSパラメ
ータに対して補間処理を行うため、短い時間間隔でSパ
ラメータを演算することができ、計算精度を向上でき
る。
【0023】請求項6の発明では、入力ポートと接地端
子との間にインピーダンス素子と電圧源とを接続した状
態で反射係数S11を演算するため、反射係数S11を精度
よく演算できる。
【0024】請求項7の発明では、出力ポートと接地端
子との間にインピーダンス素子と電圧源とを接続した状
態で透過係数S21を演算するため、透過係数S21を精度
よく演算できる。
【0025】請求項8の発明では、入力ポートと接地端
子との間、あるいは出力ポートと接地端子との間に、直
列接続された前記インピーダンス素子および前記電圧源
からなる励振回路を複数並列に接続するため、小さい格
子サイズで解析することができ、計算精度を向上でき
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電磁界解析方
法について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0027】(第1の実施形態)図1は本発明に係る電
磁界解析方法の第1の実施形態の処理手順を示すフロー
チャート、図2は図1のフローチャートを実行する電磁
界解析装置の概略構成を示すブロック図である。
【0028】図2の電磁界解析装置は、キーボードまた
はマウス等の入力部1と、装置全体の制御を行う制御部
2と、電磁界解析に必要なデータ(例えば、Sパラメー
タ値など)を格納する記憶部3と、解析結果を表示する
表示部4とを備える。
【0029】以下では、図3に示す解析対象について電
磁界解析を行う例を説明する。図3の解析対象は、誘電
体基板11の上面にマイクロストリップライン12が形
成されたものである。図3の解析対象について電磁界解
析を行う場合、従来は図4に示すように解析対象の最も
形状の細かい部分に合わせて、電磁界解析の単位となる
格子サイズを決定していたが、本実施形態は、解析対象
中の必要最小限の領域のみSパラメータで取り扱い、そ
の他の領域は格子サイズを大きくして解析を行う点に特
徴がある。
【0030】具体的には、高周波回路などの高精度の解
析が必要な領域はSパラメータで取り扱い、Sパラメー
タで取り扱った領域B1を解析対象モデルから抜き取っ
た残りB2を、図5に示すように大きい格子サイズで区
分けする。Sパラメータで取り扱った領域B1は、Sパ
ラメータを用いて電磁界解析を行い、大きい格子サイズ
で区分けした領域は、FD-TD法等により電磁界解析を行
う。ここで、Sパラメータの演算方法としては、例えば
以下の〜が考えられ、いずれを採用してもよい。
【0031】FD-TD法を用いてSパラメータで取り扱
った領域のみをモデル化して計算する。
【0032】回路シミュレータを用いて計算する。
【0033】実験により実測値を求める。
【0034】その他の電磁界解析方法で計算する。
【0035】このように、高周波回路等の高精度の解析
が必要な領域はSパラメータで表現して詳細に解析を行
い、アンテナや筐体などの放射を伴う領域は格子サイズ
を大きくしてFD-TD法等を用いて解析を行うようにした
ため、電磁界解析に要する演算時間を短縮できるととも
に、計算機が必要とする計算容量を削減することができ
る。
【0036】次に、図1のフローチャートに基づいて本
実施形態の電磁界解析方法について詳細に説明する。ま
ず、電磁界解析の繰り返し最大回数nmax、演算間隔
(離散時間)、電磁界解析の単位となる格子サイズ、お
よび解析対象モデル等を初期設定する(ステップS
1)。
【0037】また、ステップS1では、図5に示すよう
に、解析対象モデル内に入力ポートP1および出力ポー
トP2の設定を行った後、各ポートP1,P2における
Sパラメータを設定する。なお、必ずしも、入力ポート
P1と出力ポートP2の両方を設定する必要はなく、入
力ポートP1のみを設定してもよい。また、入力ポート
P1と出力ポートP2の数には特に制限はなく、例え
ば、入力ポート一つに対して出力ポートを複数設定して
もよい。
【0038】上述したように、Sパラメータは、計算に
よって求めてもよいし、あるいは、実験により実測して
もよい。計算により求める場合のSパラメータの式は、
(3),(4)式で表される。
【0039】
【数1】 ただし、Fはフーリエ変換演算を表し、Vm(t)とVn(t)
はそれぞれポートm,nにおける電圧、Zom,Zonはそ
れぞれポートm,nにおける伝送線路の特性インピーダ
ンス、Vmrefは反射電圧、Vmincは入力電圧である。
【0040】本実施形態では、Sパラメータとして、反
射係数S11と透過係数S21を設定する。
【0041】図6(a)は解析対象モデル内に設定され
る入出力ポート周辺の等価回路図である。同図に示すよ
うに、入力ポートP1には、反射波を供給する電圧源2
1と、マイクロストリップライン12の特性インピーダ
ンスと同じインピーダンスを有する抵抗Rとが直列に接
続され、その一端は接地されている。同様に、出力ポー
トP2には、透過波を供給する電圧源21と、マイクロ
ストリップライン12の特性インピーダンスと同じイン
ピーダンスを有する抵抗Rとが直列に接続され、その一
端は接地されている。
【0042】なお、図6(a)は入出力ポートP2に電
圧源21と抵抗Rを一つずつ接続する例を示している
が、図6(b)に示すように、直列接続された電圧源2
1と抵抗Rからなる励振回路を複数並列に各ポートP
1,P2に接続してもよい。図6(b)の場合、並列に
接続された各電圧源21の電圧値と各抵抗Rの抵抗値は
すべて共通にするのが望ましい。
【0043】次に、以前に演算された磁界を用いて、マ
クスウェルの方程式等により電界を演算する(ステップ
S2)。なお、まだ一度も磁界が演算されていない場合
は、電界を所定の値に初期設定する。
【0044】次に、(5)式に基づいて入力波Vinを演
算する(ステップS3)。
【0045】
【数2】 (5)式において、Vviewは観測波電圧、Vrは反射波
である。ステップS2の処理を初めて行うときは、反射
波Vrがまだ演算されていないため、Vr (t-1)=0とし
て計算する。
【0046】次に、ステップS1で設定したSパラメー
タと(5)式により演算した入力波Vin(t)とを用いて
(6),(7)式に示す畳み込み積分を行い、反射波V
rと透過波Vtを演算する(ステップS4)。
【0047】
【数3】 次に、ステップS4で演算した反射波Vrと透過波Vtを
用いて、マクスウェルの方程式により磁界を演算する
(ステップS5)。
【0048】次に、電界および磁界の演算回数nがステ
ップS1で初期設定した最大回数nmaxと等しくなった
か否かを判定し、演算回数nが初期設定した最大回数n
maxと等しくなるまでは、ステップS2に戻って電界お
よび磁界の計算を繰り返す(ステップS6)。
【0049】演算回数nが最大回数nmaxと等しくなれ
ば、解析結果を表示部4に表示する(ステップS7)。
以上の処理により、解析対象の電界および磁界を求める
ことができる。
【0050】ところで、図6に示した抵抗Rの抵抗値
は、マイクロストリップライン12(伝送線路)の特性
インピーダンスであり、具体的には、(8)〜(11)
式に示すように、基板の比誘電率εr、伝送線路の線路
幅w、伝送線路の厚さt、および地板と伝送線路間の距
離hなどを考慮に入れて設定される。
【0051】
【数4】 また、図6の入力ポートP1における電界Ezは(1
2)式で表される。ここで、(12)式において、Δ
x,Δy,Δzは格子サイズ、εは誘電率、nは演算回
数、Hは磁界をそれぞれ示す。
【0052】
【数5】 また、図6の電圧源21と抵抗Rとを一体化した場合に
は、入力ポートP1における電界Ezは(13)式で表
される。ここで、Vは電圧源21の電圧、Iは抵抗Rを
流れる電流である。
【0053】
【数6】 図1のステップS2では、(12)式または(13)式
に基づいて入力ポートP1および出力ポートP2の電界
を演算し、残りの部分をマクスウェルの方程式により電
界を演算する。
【0054】図7は本実施形態により演算した電界(図
中の実線)と従来のFD-TD法で演算した電界(図中の点
線)とを比較した図であり、図7(a)は入力ポートP
1の電界Ez1、図7(b)は出力ポートP2の電界Ez2
である。これらの図からわかるように、本実施形態によ
れば、従来と同様の精度で電界を演算することができ
る。
【0055】また、図8(a)はステップS1で設定さ
れる反射係数S11(図中の実線)と従来のFD-TD法で演
算した反射係数S11(図中の点線)とを比較した図であ
る。同様に、図8(b)はステップS1で設定される透
過係数S21(図中の実線)と従来のFD-TD法で演算した
反射係数S21とを比較した図である。図7および図8の
いずれにおいても、本実施形態は、従来のFD-TD法と同
様の精度でSパラメータS11,S21を演算することがで
きる。
【0056】このように、第1の実施形態では、解析対
象モデルを高精度の解析が必要な部分とそれ以外の部分
とに分け、前者についてはSパラメータを用いて詳細に
電磁界解析を行い、後者については格子サイズを大きく
してFD-TD法等により電磁界解析を行うようにしたた
め、精度を落とすことなく、短い計算時間で効率よく電
磁界解析を行うことができ、計算機が必要とする計算容
量も低減できる。
【0057】(第2の実施形態)第2の実施形態は、周
波数軸のSパラメータを時間軸のSパラメータに変換し
た後に、入力波Vinとの間で畳み込み積分を行って反射
波Vrと透過波Vtとを演算するものである。
【0058】図9は本発明に係る電磁界解析方法の第2
の実施形態の処理手順を示すフローチャートである。以
下では、図1のフローチャートと異なる処理を中心に説
明する。
【0059】第2の実施形態は、第1の実施形態と同様
に、解析対象の一部をSパラメータで取り扱い、残りを
大きい格子サイズで区分けする。また、Sパラメータで
取り扱った領域内に入力ポートP1と出力ポートP2を
設定する。
【0060】まず、電磁界解析の繰り返し回数等を初期
設定した後(ステップS21)、周波数軸のSパラメー
タ(反射係数S11と透過係数S21)を設定する(ステッ
プS22)。このステップS22では、周波数軸のSパ
ラメータを出力する測定器の測定結果等を予め図2の記
憶部3に格納しておき、この格納されたSパラメータを
読み出す。
【0061】次に、図1のステップS2,S3と同様
に、電界を計算した後(ステップS23)、(5)式に
基づいて入力波Vin(t)を演算する(ステップS2
4)。次に、ステップS22で設定した周波数軸のSパ
ラメータ(反射係数S11と透過係数S21)を逆フーリエ
変換して時間軸のSパラメータに変換した後、(3)式
および(4)式に基づいて反射波Vrと透過波Vtを演算
する(ステップS25)。
【0062】その後、反射波Vrと透過波Vtに基づいて
マクスウェルの方程式により磁界を演算した後(ステッ
プS26)、電界および磁界の演算回数が所定回数を超
えたか否かを判定する(ステップS27)。
【0063】このように、第2の実施形態は、周波数軸
のSパラメータを逆フーリエ変換して時間軸のSパラメ
ータに変換した後に畳み込み積分を行って反射波Vrと
透過波Vtを演算するようにしたため、時間軸のSパラ
メータを直接演算する場合とほぼ同等の精度が得られ
る。
【0064】(第3の実施形態)第3の実施形態は、補
間処理を行うことにより、短い時間間隔でSパラメータ
を設定するものである。
【0065】図10は電磁界解析方法の第3の実施形態
を説明する図であり、横軸は時間、縦軸はSパラメータ
(反射係数S11または透過係数S21)を表している。
【0066】図中の白丸プロットが(3)式および
(4)式に基づいて演算されたSパラメータを示してい
る。図示のように、Sパラメータは、所定の時間間隔ご
とに離散的に設定される。電磁界解析の精度を上げるに
は、Sパラメータの設定間隔を短くするのが望ましい。
このため、第3の実施形態では、図10の白丸プロット
を用いて補間処理を行い、隣接する白丸プロットの間の
Sパラメータを推定する。図10では、推定したSパラ
メータを黒丸プロットで表示している。
【0067】このように、予め設定されたSパラメータ
に対して補間処理を施すことにより、短い時間間隔でS
パラメータを設定することができ、電磁界解析の精度を
高くすることができる。
【0068】本発明は上記実施形態に限定されるもので
はなく、次のように種々変形することができる。例え
ば、上記実施形態ではFD−TD法を用いたが、TLM
法、空間回路網法などを用いることもでき、その形状や
形式は特に限定されない。
【0069】また、上記実施形態では線路としてマイク
ロストリップ線路を用いたが、コプレナー線路等を用い
ることもでき、その形状や形式は特に限定されない。
【0070】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、解析対象に含まれる高周波回路等の高精度の解析
が必要な領域のみSパラメータを用いて詳細な解析を行
い、その他の領域はFD-TD法等の公知の手法を用いて電
磁界解析を行うようにしたため、短い計算時間で、精度
よく解析対象の電磁界解析を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電磁界解析方法の第1の実施形態
の処理手順を示すフローチャート。
【図2】図1のフローチャートを実行する電磁界解析装
置の概略構成を示すブロック図。
【図3】解析対象の一例を示す図。
【図4】解析を行う格子サイズを小さくした例を示す
図。
【図5】本実施形態の格子サイズを示す図。
【図6】(a)は解析対象モデル内に設定される入出力
ポート周辺の等価回路図、(b)は複数の励振回路を設
けた例を示す等価回路図。
【図7】(a),(b)は本実施形態により演算した電
界(図中の実線)と従来のFD-TD法で演算した電界(図
中の点線)とを比較した図。
【図8】(a)は反射係数S11を示す図、(b)は透過
係数S21を示す図。
【図9】本発明に係る電磁界解析方法の第2の実施形態
の処理手順を示すフローチャート。
【図10】電磁界解析方法の第3の実施形態を説明する
図。
【図11】解析対象を格子に分けた様子を示す図。
【図12】格子の電界を示す図。
【図13】格子の磁界を示す図。
【図14】FD-TD法の処理手順を示すフローチャート。
【図15】解析対象を解析するための格子を部分的に小
さくした例を示す図。
【図16】Sパラメータの一部である反射係数S11と透
過係数S21を説明する図。
【符号の説明】
1 入力部 2 制御部 3 記憶部 4 表示部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】解析対象の電磁界解析を行う電磁界解析方
    法において、 解析対象中の少なくとも一箇所に設定された入力ポート
    におけるSパラメータを設定する第1ステップと、 前記入力ポートへの入力波を演算する第2ステップと、 前記第1ステップで設定されたSパラメータと前記第2
    ステップで演算された入力波との間で畳み込み積分を行
    い、前記入力ポートにおける反射波を演算する第3ステ
    ップと、 演算された前記反射波に基づいて解析対象の磁界を演算
    する第4ステップと、 演算された前記磁界に基づいて解析対象の電界を演算す
    る第5ステップと、を備えることを特徴とする電磁界解
    析方法。
  2. 【請求項2】解析対象の電磁界解析を行う電磁界解析方
    法において、 解析対象中の少なくとも一箇所に設定された入力ポート
    および出力ポートにおけるSパラメータを設定する第1
    ステップと、 前記入力ポートへの入力波を演算する第2ステップと、 前記第1ステップで設定されたSパラメータと前記第2
    ステップで演算された入力波との間で畳み込み積分を行
    い、前記入力ポートにおける反射波と前記入力ポートか
    ら前記出力ポートに透過した透過波とを演算する第3ス
    テップと、 演算された前記反射波および透過波に基づいて解析対象
    の磁界を演算する第4ステップと、 演算された前記磁界に基づいて解析対象の電界を演算す
    る第5ステップと、を備えることを特徴とする電磁界解
    析方法。
  3. 【請求項3】前記第2ステップでは、前記第5ステップ
    で演算された電界に基づいて、前記入力ポートへの入力
    波を再演算し、 前記第4ステップによる磁界の演算回数と前記第5ステ
    ップによる電界の演算回数とがそれぞれ所定の回数を超
    えるまで、前記第1〜第5ステップの処理を繰り返すこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の電磁界解析方
    法。
  4. 【請求項4】前記第1ステップでは、周波数軸の前記S
    パラメータを逆フーリエ変換して時間軸の前記Sパラメ
    ータを演算し、 前記第3ステップでは、前記第1ステップで演算された
    時間軸の前記Sパラメータを用いて畳み込み積分を行
    い、前記反射波と前記透過波とを演算することを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載の電磁界解析方法。
  5. 【請求項5】前記第1ステップで演算された時間領域の
    前記Sパラメータを用いて補間処理を行い、前記第1ス
    テップにおける前記Sパラメータの設定間隔よりも短い
    間隔で前記Sパラメータを演算する補間ステップを設
    け、 前記第2ステップでは、前記補間ステップで補間された
    前記Sパラメータに基づいて、前記入力ポートへの入力
    波を演算することを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    に記載の電磁界解析方法。
  6. 【請求項6】前記第1ステップでは、前記入力ポートと
    接地端子との間に、伝送線路の特性インピーダンスと略
    同じインピーダンスを有するインピーダンス素子と前記
    反射波と同じ電圧を供給する電圧源とを直列接続した場
    合の反射係数S11を前記Sパラメータとして設定するこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電磁界
    解析方法。
  7. 【請求項7】前記第2ステップでは、前記出力ポートと
    接地端子との間に、伝送線路の特性インピーダンスと略
    同じインピーダンスを有するインピーダンス素子と前記
    透過波と同じ電圧を供給する電圧源とを直列接続した場
    合の透過係数S21を前記Sパラメータとして設定するこ
    とを特徴とする請求項2に記載の電磁界解析方法。
  8. 【請求項8】直列接続された前記インピーダンス素子お
    よび前記電圧源からなる励振回路が複数並列に接続さ
    れ、 前記複数の励振回路内の前記インピーダンス素子のイン
    ピーダンスを互いに等しくし、かつ、前記複数の励振回
    路内の前記電圧源の電圧値を互いに等しくすることを特
    徴とする請求項6または7に記載の電磁界解析方法。
JP11160158A 1999-06-07 1999-06-07 電磁界解析方法 Pending JP2000346891A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11160158A JP2000346891A (ja) 1999-06-07 1999-06-07 電磁界解析方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11160158A JP2000346891A (ja) 1999-06-07 1999-06-07 電磁界解析方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000346891A true JP2000346891A (ja) 2000-12-15

Family

ID=15709132

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11160158A Pending JP2000346891A (ja) 1999-06-07 1999-06-07 電磁界解析方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000346891A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7451048B2 (en) 2004-10-29 2008-11-11 Fujitsu Limited Method and apparatus for analyzing electromagnetic wave, and computer product
US8902492B2 (en) 2012-06-12 2014-12-02 Fujitsu Limited Optical amplifier and optical amplifier control method
US9389254B2 (en) 2012-06-11 2016-07-12 Fujitsu Limited Information processing method and apparatus for deciding control parameters
CN113075462A (zh) * 2021-02-22 2021-07-06 中国人民解放军国防科技大学 一种基于神经网络的电磁场分布定位方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7451048B2 (en) 2004-10-29 2008-11-11 Fujitsu Limited Method and apparatus for analyzing electromagnetic wave, and computer product
US9389254B2 (en) 2012-06-11 2016-07-12 Fujitsu Limited Information processing method and apparatus for deciding control parameters
US8902492B2 (en) 2012-06-12 2014-12-02 Fujitsu Limited Optical amplifier and optical amplifier control method
CN113075462A (zh) * 2021-02-22 2021-07-06 中国人民解放军国防科技大学 一种基于神经网络的电磁场分布定位方法
CN113075462B (zh) * 2021-02-22 2022-05-17 中国人民解放军国防科技大学 一种基于神经网络的电磁场分布定位方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Rubio et al. SFELP-an efficient methodology for microwave circuit analysis
JP5121757B2 (ja) 積層チップインダクタの等価回路モデルの回路定数解析方法及び回路シミュレーション方法
Yan et al. An unsymmetric FDTD subgridding algorithm with unconditional stability
JP5886314B2 (ja) 解析計算方法、解析計算プログラムおよび記録媒体
TWI526695B (zh) 電磁輻射特性的預測方法、電腦可讀取記錄媒體和模擬器
WO2009049703A1 (en) Method and device for generating a model of a multiparameter system
KR101976489B1 (ko) 회로의 공통모드에 의한 전자파 방사 예측 장치 및 방법
CN111651911B (zh) 一种集总元件阻抗灵敏度快速计算方法及优化方法
JP2000346891A (ja) 電磁界解析方法
US8938372B1 (en) Simulating signal integrity structures
JPH11295365A (ja) 電磁界解析方法
Pietrenko-Dabrowska et al. Cost-efficient surrogate modeling of high-frequency structures using nested kriging with automated adjustment of model domain lateral dimensions
Basl et al. Modelling of electromagnetic responses using a robust multi-dimensional Cauchy interpolation technique
Jithesh et al. A review on computational EMI modelling techniques
Zairi et al. Analysis of planar circuits using a multigrid iterative method
JP4614094B2 (ja) 共振周波数算出装置および共振周波数算出方法
Demeester et al. Construction of the Dirichlet to Neumann boundary operator for triangles and applications in the analysis of polygonal conductors
Lee et al. A complete finite-element analysis of multilayer anisotropic transmission lines from DC to terahertz frequencies
Kasmi et al. Stochastic Kron's model inspired from the random coupling model
JP3703812B2 (ja) Fdtd法を用いた電磁界解析方法、電磁界解析における媒質表現方法、シミュレーション装置、及びプログラム
Kihal et al. Sequential adaptive sampling based on cubic spline interpolation to accelerate the near field scanning
Chumachenko Domain-product technique solution for the problem of electromagnetic scattering from multiangular composite cylinders
Bosman et al. Construction of the differential surface admittance operator with an extended Fokas method for electromagnetic scattering at polygonal objects with arbitrary material parameters
JP4459171B2 (ja) 電磁界回路連携解析プログラム、記録媒体、および解析装置
JPH10307161A (ja) 電磁界解析方法及び電磁界解析プログラムを記録した記録 媒体