JPH10307161A - 電磁界解析方法及び電磁界解析プログラムを記録した記録 媒体 - Google Patents

電磁界解析方法及び電磁界解析プログラムを記録した記録 媒体

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JPH10307161A
JPH10307161A JP15749397A JP15749397A JPH10307161A JP H10307161 A JPH10307161 A JP H10307161A JP 15749397 A JP15749397 A JP 15749397A JP 15749397 A JP15749397 A JP 15749397A JP H10307161 A JPH10307161 A JP H10307161A
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JP
Japan
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electromagnetic field
linear conductor
analysis
grid
conductor
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JP15749397A
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Teruo Onishi
輝夫 大西
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Toyo Communication Equipment Co Ltd
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Toyo Communication Equipment Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、有限差分時間領域法を用いた電磁
界解析方法において問題であった線状導体の断面半径r
と格子の長さdとがd/2<r<dの場合に、格子の長
さを必要以上に小さくすることなく、解析対象物を含む
解析空間をモデル化して電磁界の解を得ることができる
電磁界解析方法及び電磁界解析プログラムを記録した記
録媒体を提供することを目的とする。 【解決手段】 前記線状導体の中心を直交する2本のラ
インが通るように配置し、該2本のラインの両側の4つ
の格子を前記線状導体に接するように配置して、前記線
状導体を直方導体で近似すると共に、前記4つの格子と
その外側に隣接する格子との間に少なくとも1本の格子
を構成するラインを挿入して前記線状導体を含む解析空
間をモデル化したことを特徴とする電磁界解析方法及び
電磁界解析プログラムを記録した記録媒体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有限差分時間領域法
を用いた電磁界解析方法及び電磁界解析プログラムを記
録した記録媒体に関し、特に解析対象物を含む解析空間
を格子によりモデル化する手段に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の電子計算機の高性能化と低価格化
に伴って、高周波回路、特に3次元高周波回路であるア
ンテナ、導波管などの電磁界特性を、実験を行うことな
く計算機上でシミュレーションする方法が普及しつつあ
る。計算機シミュレーションは、実験のように実際にハ
ードウェアを製作して実測する必要がなく、また、計算
機上で該ハードウェアのパラメータを容易に可変して様
々な特性を手軽に評価できるので、開発期間の短縮或い
は開発費用の低減が可能となる等の利点を有している。
このような高周波回路の電磁界特性を計算機シミュレー
ションするために用いられる電磁界解析方法の一つとし
て、電磁界の動作を表現する空間と時間の関数であるマ
クスウェルの方程式の微分形を差分で近似することによ
り、該方程式を直接計算機により数値計算して解を得る
有限差分時間領域法(Finite Difference- Time Domai
n、以下、FD−TD法と記す)を用いた電磁界解析方法
が知られている。マクスウェル方程式の微分形は、周知
のように
【0003】
【数1】
【0004】
【数2】 と表されるが、FD−TD法を適用してこれを差分形で
表現すると電界と磁界の各成分は下記のように表され
る。
【0005】
【数3】
【0006】
【数4】
【0007】
【数5】
【0008】
【数6】
【0009】
【数7】
【0010】
【数8】 ここで、εとμとは各々媒質の誘電率と透磁率、Δtは
時間間隔、ΔxとΔyとΔzとは解析空間をモデル化す
るための格子の長さ、(i、j、k)は格子上に配置さ
れた電界と磁界の位置、を表している。
【0011】図6は上述したFD−TD法の解析におい
て使用する解析対象物を含む解析空間をモデル化するた
めの格子を示したものである。この格子は、上記(3)
〜(8)式の6つの電磁界成分を電界と磁界のローテー
ションの関係を満足するように配置したものであり、該
格子を用いて解析対象物を含む解析空間を分割すること
により、電界と磁界が解析空間に配置されるので空間的
なモデル化ができる。更に、時間を表す関数が、電界は
(3)〜(5)式左辺の添え字に示されるように”n+
1”であるが、磁界は(6)〜(8)式左辺の添え字に
示されるように”n+1/2”であるから、電界と磁界
とは時間の分割がずれており、従って、電界と磁界を交
互に計算することにより時間が進むことになるので、時
間的なモデル化ができる。
【0012】図7は、FD−TD法を用いた電磁界解析
プログラムを計算機に実行させる手順例を示すブロック
図である。この例に示す電磁界解析プログラムは、解析
対象物の形状等を入力するための入力手順2と、入力手
順2により入力された解析対象物を含む解析空間を格子
によりモデル化するためのモデリング手順3と、上述し
たFD−TD法のアルゴリズム(
【数3】〜
【数8】式)を用いて電磁界の計算を行う演算手順(時
間領域)4と、該演算手順(時間領域)4により求めた
時間領域の電磁界を周波数領域に変換するための周波数
領域変換手順5と、時間領域の電磁界分布から電流分布
或いは周波数領域の電磁界分布から放射パターン、散乱
断面積、Sパラメータ等の電気的特性を求める特性演算
手順6と、該電気的特性等を表示するための表示手順7
とから構成される。使用者が入力手順2において解析対
象物の形状及び解析に必要な格子の大きさ(△x、△
y、△z)、計算時間の間隔(△t)等の計算パラメー
タを入力すると、モデリング手順3により電磁界解析プ
ログラムが解析空間の最適なモデル化を行い、演算手順
(時間領域)4においてFD−TD法の電磁界計算をす
ると共に、周波数変換手順5および特性演算手順6にお
いて前記電気的特性を得るための所定の演算を行い、演
算結果を表示手順7において表示する。
【0013】このとき、FD−TD法において精度の良
い計算結果を得るためには、格子の大きさを所望の周波
数の波長λより充分小さくして解析対象物を正確にモデ
ル化すると共に、時間間隔を求めたい周波数の周期Tよ
り充分小さくして時間に係わる差分計算の近似精度を上
げる必要がある。しかしながら、格子の大きさを小さく
すると解析空間をモデル化するための格子の数が増える
ので前記演算手順4において必要なメモリ容量が増大
し、また、時間間隔を小さくすると演算量が増えるので
計算時間が増大するなど前記演算手順4への負担が大き
くなるので、実際の計算においては格子の大きさと時間
間隔の設定には充分な注意を払う必要がある。
【0014】次に、解析に係わる対象物が線状導体のと
きに、上述した格子を用いるモデル化について説明する
が、線状導体の断面半径と格子の長さとの関係によりモ
デル化の方法が異なる。なお、線状導体の断面形状は円
形として、説明を簡単にするために該断面におけるモデ
ル化の例について説明する。まず、線状導体の断面半径
rと格子の長さdとが、r≦(d/2)の場合について
説明する。図8はr≦(d/2)の場合の上述した格子
によるモデル化を示している。i、jは格子のライン位
置を表す記号であり、格子に配置される電界と磁界は省
略している。断面半径rの線状導体31を長さdの格子
によりモデル化しているが、この導体断面の半径と格子
の長さとの関係は、例えば、モノポールアンテナやダイ
ポールアンテナを解析する場合に発生する。このとき格
子の長さを通常良く用いられる(1/20)λ〜(1/
40)λに選ぶと、アンテナ導体の太さ2rは通常3〜
5mm程度であり、且つ、例えば評価周波数を1GHz
(λ=300mm)とすると格子の長さは15mm〜
7.5mmとなるので、導体断面の半径rが格子の長さ
dの半分以下となる。
【0015】このようにr≦(d/2)の場合は格子の
寸法が大きすぎて解析対象物のモデル化が正確にできな
いことになるが、計算精度を上げるために線状導体の断
面半径に合わせて格子の長さdを小さくすると必要以上
に演算手順4におけるメモリ容量が増えて演算手順4へ
の負担が重くなり、最悪の場合はメモリ不足で計算実行
が困難となる。そこで線状導体周辺の磁界成分に関し
て、以下の近似式を使用することで格子寸法をそのまま
にして計算することが行われる。
【0016】
【数9】
【0017】
【数10】 なお、上式は右辺においてaと表示される線状導体の断
面半径のパラメータが含まれているので、計算上は導体
太さが考慮された形となる。
【0018】次に、線状導体の断面半径rと格子の長さ
dとが、r=dの場合について説明する。図9はr=d
の場合の上述した格子によるモデル化を示している。格
子に配置される電磁界を省略していることは図8と同じ
であり、断面半径rの線状導体41を長さdの格子によ
りモデル化している。このときは線状導体を直方体導体
で近似して
【数3】〜
【数8】式を用いて計算しても実用上は問題はない。
【0019】次に、線状導体の断面半径rと格子の長さ
dとがr>dの場合について説明する。図10はr>d
の場合のモデル化を示している。格子に配置される電磁
界を省略していることは図8および図9と同じであり、
断面半径rの線状導体51を長さdの格子によりモデル
化している。この場合は線状導体と関係のある格子は、
i±2とj±2との間に存在する。ここで、i±1とj
±1との間にある格子に配置された電界および磁界は線
状導体内に位置するので零となり、それ以外の格子は線
状導体が一部分だけ存在するので、この部分は周回積分
FD−TD法を適用することになる。周回積分FD−T
D法については、例えば文献"A locallyconformed fini
te-difference time-domain algorithm of modeling ar
bitrary shape planermetal strip",IEEE trans.MTT-4
1,no.5,pp.830-838,may 1993 等に記載されているの
で、説明は省略する。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来のFD−TD法に基づいた電磁界解析方法
及び電磁界解析プログラムにおいては以下に示すような
問題点があった。つまり、解析対象物が線状導体であっ
て、線状導体の断面半径rと格子の長さdとが、d/2
<r<dのとき、どのようにモデル化を行うのか計算方
法が確立しておらず、例えば、格子の長さを無理に小さ
くしてモデル化を行うとすると、通常必要となる容量以
上のメモリを演算手順4に要求することになり、最悪の
場合はメモリ容量不足で演算不能となることもあった。
本発明は、上述した従来のFD−TD法に基づいた電磁
界解析方法及び電磁界解析プログラムに関する問題を解
決するためになされたもので、線状導体の断面半径rと
格子の長さdとがd/2<r<dの場合でも、格子の長
さを必要以上に小さくすることなく、解析対象物を含む
解析空間をモデル化して電磁界の解を得ることができる
電磁界解析方法及び電磁界解析プログラムを記録した記
録媒体を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係わる電磁界解析方法及び電磁界解析プロ
グラムを記録した記録媒体の請求項1記載の発明は、解
析対象物である線状導体と、該線状導体を含む解析空間
のモデル化のための格子の長さとが、d/2<r<d、
ここでdは格子の寸法、rは線状導体の断面半径、の関
係を有する有限差分時間領域法を用いた電磁界解析方法
において、前記線状導体を内接するように長さを短縮し
た4つの格子を均等に配置する一方で、該長さを短縮し
た格子に隣接する長さがdより拡大した格子を2分割し
て格子の長さをdより短くすると共に、前記線状導体を
直方体導体で近似することにより前記線状導体を含む解
析空間をモデル化する。本発明に係わる電磁界解析方法
及び電磁界解析プログラムを記録した記録媒体の請求項
2記載の発明は、請求項1記載の電磁界解析方法におい
て、前記時間領域において計算した電磁界を周波数領域
に変換すると共に、該周波数領域の電磁界より前記線状
導体に係わる特性をSパラメータ、または放射パター
ン、或いは散乱断面積として評価する。本発明に係わる
電磁界解析方法及び電磁界解析プログラムを記録した記
録媒体の請求項3記載の発明は、有限差分時間領域法を
用いた電磁界解析プログラムを記録した記録媒体であっ
て、解析対象物の形状を入力させる手順と、前記解析対
象物である断面半径rの線状導体と該線状導体を含む解
析空間のモデル化のための格子の長さdとがd/2<r
<dの関係を有するときに、前記線状導体の中心を直交
する2本のラインが通るように配置する手順と、該2本
のラインの両側の4つの格子を前記線状導体に接するよ
うに配置する手順と、前記線状導体を直方導体で近似す
ると共に前記4つの格子とその外側に隣接する格子との
間に少なくとも1本の格子を構成するラインを挿入して
前記線状導体を含む解析空間をモデル化する手順と、前
記モデルを時間領域において電磁界計算する手順と、計
算した結果を表示させる手順と、を計算機に実行させ
る。本発明に係わる電磁界解析方法及び電磁界解析プロ
グラムを記録した記録媒体の請求項4記載の発明は、請
求項3記載の計算機に実行させる電磁界解析プログラム
を記録した記録媒体において、前記時間領域において計
算した前記モデルに係わる電磁界分布を周波数領域に変
換する手順と、前記周波数領域に変換した電磁界分布か
ら電気的特性を計算する手順とを備え、前記周波数領域
の電磁界より前記線状導体に係わる特性をSパラメー
タ、または放射パターン、或いは散乱断面積として評価
する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図示した実施の形態例に基
づいて本発明を詳細に説明する。図1は図2に示す線状
導体をFD−TD法を用いて電磁界解析を実施する場合
に、線状導体を含む解析空間を図6に示した格子によっ
て本発明に係わる解析対象物をモデル化する形態例を示
す部分断面図である。また、図2は本発明に係わる解析
対象物である線状導体の断面半径rと格子の長さdとが
d/2<r<dの関係にある状態を示す部分断面図であ
る。更に、図3は図2から図1に至る手順を示す部分断
面図である。また、図4は本発明に係わる媒体に記録さ
れる電磁界解析プログラムにおける処理手順を説明する
ためのフローチャート図であり、図5は本発明に係わる
媒体に記録される電磁界解析プログラムにおける解析空
間を格子分割する手順を説明するためのフローチャート
図である。なお、図1〜図3において、断面半径rの線
状導体1を長さdの格子を用いてモデル化すること、
i,jは格子のライン位置を表す記号であり格子に配置
する電界と磁界を省略していること、及び説明を簡単に
するために線状導体の断面におけるモデル化の例につい
て説明することは、従来技術における説明と同様であ
る。
【0023】以下、本発明に係わる電磁界解析プログラ
ムの処理手順について、図4及び図5に示すフローチャ
ートを参照しつつ、また、解析空間のモデル化について
は図1〜図3を用いて説明する。まず、図4に示すよう
に、使用者であるユーザーが解析対象とする形状を入力
する(S1)と共に解析に必要な格子の大きさ、計算時
間の間隔等のパラメータを入力する(S2)。すると、
電磁界解析プログラムは、入力された解析形状に対して
自動で格子分割を行う(S3)が、以下、これについて
詳しく説明する。
【0024】解析空間を格子分割する手順は、図5に示
すように、まず、周波数によって決まる格子の大きさ
(基本格子)で解析空間を分割して(S11)、解析空
間に線状導体が無い場合(S12、NO)は、格子の分
割は終了する(S24)が、線状導体がある場合(S1
2、YES)は線状導体の分割が均一かどうかを判定す
る(S13)。すなわち、図2に示すように直交する2
本の格子に係わるラインi、jが線状導体1の中心を通
り、線状導体1の部分の分割が均等であるかチェックす
る。均等で無い場合(S13、NO)は、図2のように
線状導体1の分割が均等になるように格子分割をやり直
す(S14)。このとき、線状導体の半径rと格子の長
さdとの関係が図8に示すようなr≦(d/2)の場合
(S15、YES)、近似式(
【数9】
【数10】)を用いて電磁界解析を行う準備をして(S
16)格子分割は終了する(S24)。次に、図9に示
すようなr=dの場合(S17、YES)、直方導体で
線状導体を近似して(S18)格子分割は終了する(S
24)。更に、図10に示すようなr>dの場合(S1
9、YES)、上述した様に周回積分法を用いて電磁界
解析を行う設定をして(S20)格子分割は終了する
(S24)。
【0025】また、本発明に係わる図2に示す(d/
2)<r<dの場合(S19、N0)は、図2に示すよ
うに長さdにて配置された格子のうち線状導体1を囲む
4本のラインi±1、j±1を導体に接するまで各々i
とjの方向へΔdだけずらすように設定して(S2
1)、該線状導体1を直方体導体で近似する(S2
2)。このとき、図3に示すようにずらしたラインi±
1、j±1と該ラインの外側のラインi±2、j±2と
で構成する格子が長さ(d+Δd)と大きくなり、ライ
ンi±2、j±2から更に外側の格子の長さを元のdの
ままとしているので、このまま計算を実行すると、最も
電磁界が強い導体1近傍のモデル化の精度が低くなるた
め計算精度が落ちてしまう。そこで、図1に示すように
前記ラインi±1、j±1とラインi±2、j±2とで
構成する格子の長さ(d+Δd)の中間点にライン(一
点鎖線)i±α、j±αを新たに追加して(S23)d
より長さの短い格子をラインi±1、j±1とラインi
±α、j±α及びラインi±α、j±αとラインi±
2、j±2とにより作るようにし、格子分割は終了する
(S24)。つまり、長さが(d+Δd)/2の格子
を、前記線状導体1を内接する4つの格子と、i±2以
上とj±2以上のラインとで構成する長さdの格子との
間に配置することにより、長さdより寸法の小さい格子
の数を最小限として解析空間をモデル化することができ
る。なお、図5において、線状導体の半径rと格子の長
さdとの関係を、r≦(d/2)、r=d、r>d、
(d/2)<r<dの順番により判断するようにしてい
るが、この順番は任意でよい。
【0026】本発明においては、以上のように線状導体
を含む解析空間をモデル化するので、必要以上に格子の
長さを小さくした格子の数を増やすことがなく、そのた
め図4に示した電磁界計算(S4)手順におけるメモリ
容量を不必要に増加させずに、且つ、計算精度を落とす
ことなく電磁界の計算を行うことができる。
【0027】以上、本発明に係わる電磁界解析方法及び
電磁界解析プログラムを用いて解析対象物をモデル化し
て電磁界を時間領域において計算する手順について説明
したが、実際の設計に前記計算結果を活用するために
は、図4に示したS6ブロックのように前記計算結果を
通常用いる周波数を関数とする電気的パラメータに変換
する必要がある。以下、図4を参照しつつこれについて
説明する。まず、計算された時間領域の電磁界(S4)
を周波数領域に変換する必要があるが、このためには、
例えばフーリエ変換を行って電磁界を時間領域から周波
数領域に変換すれば良い(S5)。次に、Sパラメー
タ、例えば反射特性S11としてのインピーダンス特性を
求めるためには、前記周波数領域に変換した電磁界にお
いて、例えば解析対象物中に該対象物を励振するための
電流源を与えて、該電流源に対応する場所における前記
計算結果としての電界値から電圧を換算することで、電
圧/電流の比としてインピーダンス特性を周波数の関数
として求めることができる(S6)。
【0028】また、前記計算結果としての電磁界分布は
解析対象物の近辺における近傍界であるので、例えば等
価定理を用いて、前記計算結果として既知である解析対
象物を包み込む仮想閉曲面上の電磁界分布より遠方界を
求めることで放射パターンを計算することができる。或
いは、解析対象物外に励振源を設置し、該励振源から放
射される電磁波を解析対象物がどのように乱すかを計算
することにより、解析対象物に係わる散乱特性を散乱断
面積として評価することもできる。なお、図4には図示
していないが、電磁界計算(時間領域)(S4)の結果
から時間の関数としての電流分布等を直接画面表示(S
7)させるようにしても良い。
【0029】
【発明の効果】本発明は以上説明したように線状導体
と、該線状導体を含む解析空間をモデル化するための格
子の長さとが、(d/2)<r<dの関係にあるとき、
必要以上に格子の寸法を小さくした格子の数を増やす必
要がないので、電磁界解析プログラムに電磁界計算手順
におけるメモリ容量を増加させることなく電磁界計算を
行うことを可能にさせ、メモリ容量不足による演算不能
を回避させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる解析実行時の図2のモデル化を
示す部分断面図
【図2】本発明に係わる線状導体と格子の長さとの関係
を示す部分断面図
【図3】図2から図1に至る手順を示す部分断面図
【図4】本発明に係わる媒体に記録される電磁界解析プ
ログラムのフローチャート
【図5】本発明に係わる媒体に記録される電磁界解析プ
ログラムにおける格子分割の部分のフローチャート
【図6】解析対象物を含む解析空間をモデル化するため
の格子の斜視図
【図7】従来の電磁界解析プログラムを計算機に実行さ
せる手順例を示すブロック図
【図8】従来の線状導体を含む解析空間のモデル化を示
す部分断面図(r≦d/2)
【図9】従来の線状導体を含む解析空間のモデル化を示
す部分断面図(r=d)
【図10】従来の線状導体を含む解析空間のモデル化を
示す部分断面図(r>d)
【符号の説明】
1・・解析対象の線状導体 2・・入力手順 3・・モデリング手順 4・・演算手順(時間領域) 5・・周波数領域変換手順 6・・特性演算手順 7・・表示手順 31、41、51・・断面半径rの線状導体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 解析対象物である断面半径rの線状導体
    と、該線状導体を含む解析空間のモデル化のための格子
    の長さdとが、d/2<r<dの関係を有する有限差分
    時間領域法を用いた電磁界解析を行う際に、 前記線状導体の中心を直交する2本のラインが通るよう
    に配置し、該2本のラインの両側の4つの格子を前記線
    状導体に接するように配置して、前記線状導体を直方導
    体で近似すると共に、前記4つの格子とその外側に隣接
    する格子との間に少なくとも1本の格子を構成するライ
    ンを挿入して前記線状導体を含む解析空間をモデル化し
    たことを特徴とする電磁界解析方法。
  2. 【請求項2】 前記時間領域において計算した電磁界を
    周波数領域に変換すると共に、該周波数領域の電磁界よ
    り前記線状導体に係わる特性をSパラメータ、または放
    射パターン、或いは散乱断面積として評価することを特
    徴とする請求項1記載の電磁界解析方法。
  3. 【請求項3】 有限差分時間領域法を用いた電磁界解析
    プログラムを記録した記録媒体であって、解析対象物の
    形状を入力させる手順と、前記解析対象物である断面半
    径rの線状導体と該線状導体を含む解析空間のモデル化
    のための格子の長さdとがd/2<r<dの関係を有す
    るときに、前記線状導体の中心を直交する2本のライン
    が通るように配置する手順と、該2本のラインの両側の
    4つの格子を前記線状導体に接するように配置する手順
    と、前記線状導体を直方導体で近似すると共に前記4つ
    の格子とその外側に隣接する格子との間に少なくとも1
    本の格子を構成するラインを挿入して前記線状導体を含
    む解析空間をモデル化する手順と、前記モデルを時間領
    域において電磁界計算する手順と、計算した結果を表示
    させる手順と、を計算機に実行させる電磁界解析プログ
    ラムを記録した記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記時間領域において計算した前記モデ
    ルに係わる電磁界分布を周波数領域に変換する手順と、
    前記周波数領域に変換した電磁界分布から電気的特性を
    計算する手順とを備え、 前記周波数領域の電磁界より前記線状導体に係わる特性
    をSパラメータ、または放射パターン、或いは散乱断面
    積として評価することを特徴とする請求項3記載の計算
    機に実行させる電磁界解析プログラムを記録した記録媒
    体。
JP15749397A 1997-03-07 1997-05-30 電磁界解析方法及び電磁界解析プログラムを記録した記録 媒体 Pending JPH10307161A (ja)

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JP15749397A JPH10307161A (ja) 1997-03-07 1997-05-30 電磁界解析方法及び電磁界解析プログラムを記録した記録 媒体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7089130B2 (en) 2004-02-24 2006-08-08 Fujitsu Limited Electric/magnetic field analysis method using finite difference time domain, material descriptive method in electric/magnetic analysis, electric/magnetic analysis device, analysis data generation device and storage medium
JP2007033095A (ja) * 2005-07-25 2007-02-08 Japan Radio Co Ltd アンテナ遅延特定方法
JP2011203834A (ja) * 2010-03-24 2011-10-13 Toshiba Corp 電磁場シミュレーション方法、電磁場シミュレーション装置、半導体装置の製造方法

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