JP5886314B2 - 解析計算方法、解析計算プログラムおよび記録媒体 - Google Patents
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Description
また、非特許文献2に記載のAnsys(登録商標)社のQ3Dは、3次元の変位電流計算がされておらず、容量効果を含む周波数特性や分布素子定数の正確な評価は困難である。
さらに、特許文献1に記載されているPM(Permanent Magnet)モータの磁石渦電流損失解析方法は、1つの物理量の計算を同じ次元のメッシュで実施しており、3次元と低次元のメッシュで、電流などの1つの物理量を計算するものではない。
その他の解決手段は、実施形態において適宜記載する。
Maxwellの方程式において、電束密度D、磁場B、電流密度Jは以下のように置き換えられる。
導体を流れる電流を解析する場合、導電率σは107A/Vm程度の値であるのに対して、ε∂/∂tは周波数1GHzで見積もってもεω=0.0556A/Vm×比誘電率の程度の値であるために無視できる。従って、εμを含む項が省略可能である。これは、電磁波においては、伝播時の位相遅れを無視する近似に相当する。そこで、εμを含む項が省略され、電磁場の不定自由度を除くためにゲージ条件としてクーロンゲージ条件が以下のように課される。
式(25)の最終項に部分積分が適用され、端子部と導体絶縁体境界とが分けて表されると、以下の式が導出される。
式(26)が導体電流部分と変位電流部分に分けられ、積分がメッシュ毎に分けて記載されると以下のような式が導出される。
これらの交流解析で得た端子での電流電圧から、以下のようにして交流インピーダンスが得られる。
計算メッシュに関しては、前記したように、導体が容量効果の影響を受けないとき、低周波域では導体形状に応じた計算メッシュが用いられ、高周波域では表面2次元メッシュが用いられる。導体が容量効果の影響を受けるときは、電流は3次元的であり、3次元立体メッシュでの計算が必要になる。前記した導出理論に基づくと、導体領域の計算メッシュでは、変位電流が流れる導体絶縁体境界において、絶縁体領域の3次元メッシュと導体領域の3次元メッシュとが接続される。また、変位電流が流れないとみなされる導体絶縁体境界において、絶縁体が省略されて、電流の流出入のない導体表面とすることができる。このため、絶縁体領域の3次元メッシュと接続していない導体領域の3次元メッシュが存在してよい。このことは、導体表面に絶縁体領域の3次元メッシュを設置せずに済むため、3次元体系の電流の流れの計算を効率的に実施する際に有利である。
この計算を実施する際には、3次元メッシュ端面と2次元メッシュ端線、あるいは、1次元メッシュ端点が電気的に接続されている必要がある。この接続は、これらのメッシュの端が同じ端子に接続されていることと同じ意味であり、電流ベクトルポテンシャルの境界条件になる。この式は、端子を構成する電流ベクトルポテンシャル成分をTa,Tb,Tc,・・・とすれば、これらの電流ベクトルポテンシャルは、式(40)と同様に、以下のように書くことができる。
(システム構成例)
図1は、本実施形態に係る解析計算システムの構成例を示す図である。
解析計算システムZは、解析計算装置1、表示装置2、入力装置3、記憶装置4を有している。解析計算装置1は、CPU(Central Processing Unit)などの中央処理装置を備えるとともに、メモリ・キャッシュなどの内部記憶装置を有している。表示装置2は、画像処理装置および液晶画面などの表示画面である。入力装置3は、キーボード・マウスなどの直接入力装置と媒体入力装置である。記憶装置4は、半導体記憶媒体やハードディスクなどのディスク媒体を総称する記憶媒体である。
処理部100は、行列要素処理部101、トリー・コトリ処理部102、従属条件処理部103、解代入消去処理部104、周波数特性処理部105、電流分布処理部106、磁場・電界分布処理部107および表示処理部108を有する。
行列要素処理部101は、計算対象物上に3次元、2次元、1次元のメッシュを生成し、それらを必要に応じて結合する。
トリー・コトリ処理部102は、後記するトリー・コトリ処理を行う。
従属条件処理部103は、後記する従属条件生成処理を行う。
解代入消去処理部104は、後記する解代入消去処理を行う。
周波数特性処理部105は、インピーダンスと周波数との依存関係である周波数特性を計算する。
電流分布処理部106は、計算対象物における電流分布を計算する。
磁場・電界分布処理部107は、計算対象物における磁場分布や、電界分布を計算する。
表示処理部108は、周波数特性処理部105や、電流分布処理部106や、磁場・電界分布処理部107などの処理結果を表示装置2に表示する。
このように、ステップS101において、行列要素処理部101は計算対象物上にメッシュを生成する。
ステップS109の結果、各種分布処理を行う場合(S109→Yes)、電流分布処理部106がステップS107の段階で算出された電流ベクトルポテンシャル解について、従属性条件変換行列とトリー・コトリ変換行列を用いて、式(31)による電流の分布を計算し、表示処理部108が計算の結果である渦電流および変位電流の分布を表示装置2に表示する電流分布処理を行う(S110)。また、電流分布処理部106は、式(45)から変位電流スカラポテンシャルを計算し、式(32)による変位電流の分布も表示装置2に表示する。
以下、ステップS101で生成されるメッシュ構成の具体的な例を説明する。
図4は、第1実施形態に係る計算系形状モデルの一例を示す図である。
計算系形状モデル300(前記した解析対象物に相当)は、導体部分を3次元メッシュ構造とした3次元立体形状導体部(3次元導体部301:3次元メッシュ構造部)、3次元導体部301に接した状態で挟まれている絶縁体部分を3次元メッシュ構造とした3次元立体形状絶縁体部(3次元絶縁体部302:3次元メッシュ構造部)、導体部分を2次元メッシュ構造とした2次元面形状近似導体部(2次元導体部303:低次元メッシュ構造部)を有している。3次元導体部301の3次元要素端面と3次元絶縁体部302の3次元要素端面との間には接続面311が存在している。また、3次元導体部301の3次元要素端面と、2次元導体部303の2次元要素端線との間には接続線313が存在している。
つまり、元の解析対象物において、実際には同じ部材(一体の導電材で構成されているなど)の部分が、3次元導体部301と、2次元導体303に分けられ、3次元導体部301と、2次元導体303とが接続線313で接続されている。なお、これに限らず、3次元導体部301と、2次元導体303とは、解析対象物において、元々異なる部材であってもよい。
さらに、図4(a)では、3次元電流の影響を考慮して、3次元導体部301は3次元絶縁体部302とずれた位置まで3次元要素を有しているが、図4(c)に示すように、3次元絶縁体部302と3次元導体部301とが完全に重なり合うようにしてもよい。それ以外の構成要素は、図4(a)と同様であるため、説明を省略する。
つまり、少なくとも3次元絶縁体部302に接している部分が3次元メッシュ化されていればよい。
接続線313(図4)における要素間の連結構造は、3次元導体部301(図4(a))における3次元要素401、2次元導体部303(図4(a))における2次元要素402とが、接続線411において接続されている。
また、図6は、図4(a)の接続線313における要素間の接続状態の別の例を示す図である。
図6において、符合401,402は図5と同様の要素であるので説明を省略する。
図6では、図5と異なり3次元要素401、2次元要素402との接続線412は、図5に示すような3次元要素401の上部ではなく、3次元要素401の要素面421の中ほどに位置している。
なお、図5および図6の例に限らず、接続線412は、要素面421の下部に位置するなど、要素面421のどの位置に存在してもよい。
図7に示すように、3次元導体部301(図4(a))を構成する3次元要素401の端面と3次元絶縁体部302(図4(a))を構成する3次元要素403の端面とが接続面601で接続している。
図8(a)は、解析対象物である基板をメッシュ化したメッシュ構造体の斜視図であり、図8(b)はメッシュ構造体の正面図である。この基板は第1配線801、第2配線802、第3配線803、ベース金属811、および2つの素子パッド812を有している。ここで、第3配線803は端子822を有しており、ベース金属811は出力端子である接地端子821を有している。また、第1配線801、第2配線802、第3配線803は、配線接続部831〜833を有している。図8(b)に示すように、配線接続部831〜833と、ベース金属811との間には3次元絶縁体部が存在している(ただし、図8では配線接続部831〜833と、ベース金属811との間の3次元絶縁体部の図示を省略している。後記する図20、図29も同様である)。さらに、導体である素子パッド812とベース金属811との間には絶縁体813が存在している。
計算系形状モデル900は、図4と同様の計算対象物を要素モデル化したものであるが、静電場を計算する際に使用される例である。計算系形状モデル900は、中空メッシュの導体部(中空導体部901)と、3次元絶縁体部902とを有している。
図9において、3次元絶縁体部902は図4の3次元導体部301や、3次元絶縁体部302のように、3次元メッシュ構造となっているが、中空導体部901は図4(b)における中空導体部321と同様に表面のみ2次元要素で構成され、中が中空となっている。
中空導体部901は、2次元メッシュ構造の1つであるため、図9に示すように、比較例では同じ部材は3次元メッシュ構造もしくは2次元メッシュ構造で構成されており、同じ部材に対して別の次元によるメッシュ構造が適用されることはなかった。
図10では、絶縁体部902の3次元要素1001が示され、図11では中空導体部901の2次元要素1101同士が接続線1111で接続されている。
以下、本発明の第2実施形態を説明する。
図12に示す計算系形状モデル1200は、図4(a)と同様の3次元導体部1201(3次元メッシュ構造部)、3次元導体部1201に接した状態で挟まれている3次元絶縁体部1202(3次元メッシュ構造部)、接続面1211に加えて、1次元線形状近似導体(1次元導体部1204:低次元メッシュ構造部)、3次元導体部1201の3次元要素端面と、1次元導体部1204の1次元要素端点の接続部(接続点1214)を有している。
1次元導体部1204は、例えばワイヤなどを1次元に近似してもよいが、幅や厚さを有する3次元導体において、電流の挙動が単純な場合に1次元に近似するようにしてもよい。なお、3次元導体部1201と、1次元導体部1204とは、元々異なる部材であってもよいし、実際には同じ部材であるのだが、3次元導体部1201と、1次元導体部1204とに分けられ、接続点1214で接続されていてもよい。なお、図12では図4(a)と同様に3次元導体部1201が3次元絶縁体部1202とずれた位置まで3次元メッシュ化されているが、少なくとも3次元絶縁体部302に接している部分が3次元メッシュ化されていればよく、図4(c)のように3次元導体部1201が3次元絶縁体部1202のように完全に重なり合った状態でもよい。
図13に示すように、3次元導体部1201(図12)における3次元要素1301と、1次元導体部1204(図12)における1次元要素1302とは接続点1311を介して接続している。
なお、図13において接続点1311は、3次元要素1301の要素面1321の中央に位置しているが、中央以外の場所に位置してもよい。
図14は、第3実施形態に係る計算系形状モデルの一例を示す図である。
計算系形状モデル1400は、図4(a)と同様の3次元導体部1401a,1401b、3次元絶縁体1402、接続面1411に加え、3次元導体部1401bは、出力端子である接地端子1422を有しており、3次元導体部1401aは、入力端子である2つの端子1421a,1421bを有している。つまり、第3実施形態に係る計算系形状モデル1400は、3つの端子を有している。なお、図14の例では、3つの端子1421a,1421b,1422を有しているが、3つ以上の端子を有する構造としてもよい。さらに、図14の3次元導体1401a,1401bに端面には何も接続されていないが、第1実施形態のような2次元導体部や、第2実施形態のような1次元導体部が接続されてもよい。
メッシュ構造体1500は、3次元絶縁体部1502が3次元導体部1501,1503に接した状態で挟まれた構造を有している。ここで、3次元導体部1501と3次元導体部1503が、図14の3次元導体1401a,1401bに相当し、3次元絶縁体部1502が3次元絶縁体1402に相当する。このようなメッシュ構造体1500に、図14のような接地端子や、端子を設定すると、ストリップ線路のインピーダンス特性の計算に使用できる計算メッシュの構成が可能となる。なお、符合1511および符合1512は端子であり、メッシュ構造体1500の底面は接地端子となっている。
図16において、横軸は端子1511(図15)および端子1512(図15)に印加された電圧の周波数(単位Hz)であり、縦軸は端子と接地端子間のインピーダンス(単位Ω)である。
図16の周波数特性は、図15の3次元導体部1503の底面全体を接地端子とし、図15の符合1511,1512に示す要素を端子としたときの周波数特性である。
グラフの実線は、本実施形態に係る計算解析方法を用いたときの計算結果であり、グラフの破線は実測定結果である。
図16において、計算結果と実測定結果は、1G(1.E+09)Hz付近までの共振周波数、反共振周波数が4%以内で一致している。この計算例で共振・反共振のピーク値(計算結果の尖形部)が実測定結果と一致していない理由は、主に、誘電体による減衰効果を考慮していないことによるものであり、本実施形態の有効性を否定するものではない。この効果を導入するには、エラスタンス行列に減衰効果を表す虚数成分を考慮すればよい。
図16に示すように、本実施形態に係る解析計算方法によれば、精度の高い周波数特性、特に、共振・反共振周波数の解析計算が可能である。
メッシュ構造体1700において、3次元導体部1701,1703のそれぞれが図15の3次元導体部1501,1503に相当し、3次元絶縁体部1702が図15の3次元絶縁体部1502に相当する。
図17は、3.3MHzの電圧を端子に与えた際の電流密度絶対値分布を示している。このように、本実施形態に係る計算解析方法で渦電流分布を計算・表示できる。
なお、第3実施形態のように複数端子を設定することは、その他の実施形態に対しても使用できる。
図18は、第4実施形態に係る計算系形状モデルの例を示す図である。
計算系形状モデル1800は、図4(a)と同様の3次元導体部1801a,1801b(第1のメッシュ構造部)、3次元導体部1801a,1801bに接した状態で挟まれている3次元絶縁体部1802(第1のメッシュ構造部)、接続面1811に加え、3次元導体部1801c(第2のメッシュ構造部)および接地端子1821b、端子1821aを有している。3次元導体部1801cと、3次元導体部1801aとの間には、短絡部1831が存在している。短絡部1831は、3次元導体部1801cと、3次元導体部1801aとの間において、実際には導体が存在しているのであるが、近似的に省略可能な領域について、メッシュの要素を省略した(メッシュ構造を設定していない)短絡部1831として要素を省略したものである。実際に計算する際には、3次元導体部1801aと、3次元導体部1801cとが直接接しているものとして計算される。これを、短絡により省略接続されると称する。
ここで、短絡部1831の距離は、インダクタンス・抵抗・エラスタンスへの影響を近似的に無視できる距離であることが望ましい。具体的には、インダクタンス・抵抗・エラスタンスへの影響を近似的に無視できる距離は、電流経路に沿って見た時の、配線長/流路面積の変化が10%以内であることが望ましい。これは、計算前に部材サイズからユーザが近似的に見積もることが可能である。また、省略接続による計算後に、電流分布から見積もることも可能である。
ここで、接続面1811は、前記した符号311(図4),601(図7),1211(図12),1411(図14)などと同様に、接続されており、電流連続条件により電気的な接続が得られれば、計算自体は可能である。ただし、接続面1811が短絡による省略接続に変更されたとしても、特にエラスタンスへの影響を近似的に無視できることが望ましい。
図19に示すように、3次元導体部1801a(図18)における3次元要素1901a、3次元導体1801c(図18)における3次元要素1901cとの間に、短絡部1911が存在している。前記したように、実際に計算する際には3次元要素1901aと、3次元要素1901cとが接しているものとして計算される。
図20(a)は、解析対象物である基板をメッシュ化したメッシュ構造体の斜視図であり、図20(b)はメッシュ構造体の正面図である。図20に示すメッシュ構成は、第1配線801a、第2配線802a、第3配線803aが3次元メッシュ構造となっていること以外は、図8と同様であるため説明を省略する。
図20では、素子パッド812aと、配線接続部833との間に短絡部2001が形成されている。つまり、素子パッド812aと、配線接続部833との間は実際には接続されているのであるが、図20では、短絡部2001として省略し、実際の解析計算を行なう際には素子パッド81aと、配線接続部833との間が接しているものとして計算が行われる。
端子822と接地端子821との間に交流電圧を印加するとき、第1配線801aと第2配線802aは浮遊導体になる。このとき、第3配線803aとベース金属811を経由した、端子822から接地端子821との間を流れる交流電流のインピーダンス特性の計算を行う際に、図20に示すメッシュ構成が使用される。
図21において、横軸は端子822(図20)に印加された電圧の周波数(単位Hz)を示し、縦軸は端子822(図20)と接地端子821(図20)間のインピーダンス(単位Ω)を示す。
グラフの薄線は、解析計算方法を用いた解析計算結果を示しており、グラフの濃線は、実測定結果を示している。実測定によるインピーダンスの共振周波数は61.6MHzであり、解析計算によるインピーダンスの共振周波数は59.0MHzである。図21において、100KHz(1.E+05)から第1共振周波数2101まで、解析計算結果は、実測定に対し4.3%の差で一致している。なお、測定は2端子法で行っている。較正時に反共振が100MHz(1.E+08)付近に現れている。100MHz付近の誤差増加は、このような反共振による較正誤差が原因であり、本実施形態の有効性を否定するものではない。
図21に示すように、第4実施形態によるメッシュ構成を用いることによって、少なくとも低周波数においては精度の高い解析計算が可能となる。
図22は、第5実施形態に係る計算系形状モデルの一例を示す図である。
計算系形状モデル2200は、図4(a)と同様に3次元導体部2201a,2201bに3次元絶縁体部2202が接続面2221を介して、接した状態で挟まれている。3次元導体部2201aには入力端子である端子2231aが備わっており、3次元導体部201bには出力端子である接地端子2231bが備わっている。また、3次元導体部2201a,2201bは3次元導体部2201cを介して接続されている。3次元導体部2201cと、3次元導体部2201a,2201bとの間には接続面2212が存在し、3次元導体部2201cと、3次元絶縁体部2202との間には接続面2211が存在している。
図23に示すように、3次元導体部2201a,2201b(図22)における3次元要素2301aと、3次元導体部2201c(図22)における3次元要素2301cとは接続面2211を介して接続している
メッシュ構造体2400は、3次元導体部2401と、3次元絶縁体部2402とがらせん状に重なり合った構造を有している。そして、メッシュ構造体2400の上部には交流電圧を印加する端子2411が備わっており、メッシュ構造体2400の下部には接地端子2412が備わっている。
図24のメッシュ構造体2400は、端子2411と、接地端子2412とが導体で接続されており、その間に絶縁体が存在している構成であり、図22と同様の構成を有している。
図25は、図24に示すメッシュ構造体2400の端子2401に交流電圧を印加したときの周波数特性を示している。
図25において、横軸は端子2411に印加された電圧の周波数(単位Hz)であり、縦軸は端子2411(図24)と接地端子2412(図24)間のインピーダンス(単位Ω)である。
図25をみると、周波数の上昇およびインピーダンスの増加に伴い、反共振が最初に現れるピーク2501が存在している。このピーク2501は、フィルタ特有の結果であり、図25から第5実施形態に係る解析計算を用いて、フィルタ特有の結果が得られることが確認できる。これは、第5実施形態に係る計算解析方法が、3次元メッシュ構造に適用できることの検証例である。
図26は、第6実施形態に係る計算系形状モデルの一例を示す図である。図26において、図18と同様の構成要素については、同一の符合を付して説明を省略する。
計算系形状モデル2600は、図18と同様の構成を有しているが、図18における3次元導体部1801cが2次元メッシュ構造を有した2次元導体部2603(第2のメッシュ構造部)となっている。なお、2次元導体部2603には、電圧を印加する端子2631が備わっている。
また、図26における計算系形状モデル2600は、短絡部2611を有している。短絡部2611は、2次元導体部2603と、3次元導体部1801aとの間において、実際には導体が存在しているのであるが、近似的に省略可能な領域について、メッシュの要素を省略した(メッシュ構造を設定していない)短絡部2611として要素を省略したものである。実際の計算時には3次元導体部1801aと、2次元導体部2603とが接しているものとして計算される。
なお、2次元導体部は、図4(b)の符合321のような中空構造を有していてもよい。
図27および図28のように、3次元導体1801a(図26)における3次元要素2701と、2次元導体部2603(図26)における2次元要素2702との間には短絡部2711が存在している。前記したように、実際の計算時には、3次元要素2701と、2次元要素2702とが接しているものとして計算が行われる。
2次元要素2702は、図27のように3次元要素2701の上部に近接した位置に存在しても、図28のように3次元要素2701の中部に近接した位置に存在してもよい。また、これに限らず、2次元要素2702は、3次元要素2701の下部や、斜めに位置するなど、3次元要素2701の要素面2721に近接した位置であれば、どこに位置していてもよい。
図29(a)は、解析対象物である基板をメッシュ化したメッシュ構造体の斜視図であり、図29(b)はメッシュ構造体の正面図である。図29は、配線接続部831a〜833aが2次元導体部となっていること以外は、図8と同様であるため、詳細な説明を省略する。
図29において、配線接続部833aと、素子パッド812aとの間の短絡部2901が、図26の短絡部2611に相当する。
端子822と接地端子821との間に交流電圧を印加するとき、第1配線801と第2配線802は浮遊導体になっている。第3配線803とベース金属811を経由した、端子822から接地端子821との間を流れる交流電流のインピーダンス特性の計算を行う際に、図29に示すメッシュ構成が使用される。
使用したメッシュ構成は、図8(第1実施形態)、図20(第4実施形態)、図29(第6実施形態)の構成である。
図30において、横軸は印加交流電圧の周波数(単位Hz)であり、縦軸は端子−接地端子間のインピーダンス(単位Ω)である。
グラフ中において、細破線は第6実施形態(図29:薄板電極)による解析計算結果であり、粗破線は第4実施形態(図20:厚板電極)による解析計算結果であり、実線は、第1実施形態(図8:混合電極)による解析計算結果である。
さらに、第4実施形態(図20)に係る解析方法を用いたときの計算時間に対し、第6実施形態(図29)に係る解析方法を用いたときの計算は、3.4倍の速さで計算を行うことができた。このことから、第6実施形態のように2次元要素と3次元要素を併用する有効性を確認することができた。
図31は、第7実施形態に係る計算系形状モデルの一例を示す図である。
計算系形状モデル3100は、図4(a)と同様の3次元導体部3101a,3101b(第1のメッシュ構造部)に3次元絶縁体部3102(第1のメッシュ構造部)が接続面3111を介して、接した状態で挟まれている。そして、1次元導体部3103a(第2のメッシュ構造部)と、3次元導体部3101aとの間には、短絡部3121aが存在しており、1次元導体部3103b(第2のメッシュ構造部)と、3次元導体部3101bとの間に短絡部3121bが存在している。短絡部3121aは、3次元導体部3101acと、1次元導体部3103aとの間において、実際には導体が存在しているのであるが、近似的に省略可能な領域について、メッシュの要素を省略した(メッシュ構造を設定していない)短絡部3121aとして要素を省略したものである。短絡部3121bについても同様である。実際の計算が行われる際には、短絡部3121a,3121bは短絡され、1次元導体部3103a,3103bは、それぞれ3次元導体部3101a,3101bに接しているものとして計算される。
ここで、3次元導体部3101aと、1次元導体部3103aとは、実際には同じ部材なのだが、3次元導体部3101aと、1次元導体部3103aとして分けられたものであってもよいし、元々別の部材であってもよい。3次元導体部3101bと、1次元導体部3103bも同様である。
図32のように、3次元導体3101a,3101b(図31)における3次元要素3201と、1次元導体部3103a,3103b(図31)における1次元要素3202との間には短絡部3211存在している。前記したように、実際の計算時には、3次元要素3201と、1次元要素3202とが接しているものとして計算が行われる。
1次元導体3202は、図32のように3次元要素3201の中央に近接した位置に配置されてもよいし、3次元要素3201の上部や、下部など3次元要素3201の要素面3221に近接するように配置されてもよい。
また、第1〜第7実施形態において、3次元絶縁体部が2つの3次元導体部に挟まれた構造となっているが、これに限らず、3次元絶縁体部が少なくとも1つの3次元導体部に接した状態となっていればよい。
2 表示装置
3 入力装置
4 記憶装置
100 処理部
101 行列要素処理部
102 トリー・コトリ処理部
103 従属条件処理部
104 解代入消去処理部
105 周波数特性処理部
106 電流分布処理部
107 磁場・電界分布処理部
108 表示処理部
300,1200,1400,18002200 計算系形状モデル
301,1201,1401a,1401b,1501,1503,1701,1703,1801a〜1801c,2201a〜2201c,2401,1801a,1801b,3101a,3101b 3次元導体部(3次元メッシュ構造部、第1のメッシュ構造部)
302,1202,1402,1502,1702,1802,2202,2402,1802,3102 3次元絶縁体部(3次元メッシュ構造部、第1のメッシュ構造部)
303,2603 2次元導体部(低次元メッシュ構造部、第2のメッシュ構造部)
321 中空導体部
401,403,1301,1901a,1901c,2301a,2301c,2701,3201 3次元要素
402,2702 2次元要素
801,801a 第1配線
802,802a 第2配線
803,803a 第3配線
811 ベース金属
812,812b 素子パッド
813 絶縁体
821,1422,2231b,1821b,2412 接地端子
822,1421a,1421b,1511,1512,1821a,2231a,2411,2631 端子
831〜833,831a〜833a 配線接続部
1204,3103a,3103b 1次元導体部(低次元メッシュ構造部、第2のメッシュ構造部)
1302,3202 1次元要素
1500,1700,2400 メッシュ構造体
1831,1911,2001,2611,2711,3121a,3121b,3211 短絡部
Z 解析計算システム
Claims (15)
- 要素で構成されているメッシュ構造を生成することによって、解析対象物の変位電流の計算を行う解析計算方法であって、
前記解析対象物は、絶縁体が導体に接する構造を有しており、
解析計算装置が、
3次元要素で構成されている3次元メッシュ構造部として、前記絶縁体の部分に3次元絶縁体部を設定するとともに、前記導体の部分のうち、少なくとも前記絶縁体に接している部分に3次元導体部を設定した前記メッシュ構造を生成し、
前記導体の部分のうち、前記3次元メッシュ構造部を設定した部分以外に、2次元要素または1次元要素で構成されている低次元メッシュ構造部である低次元導体部を設定した前記メッシュ構造を生成し、
前記3次元メッシュ構造部と、前記低次元メッシュ構造部とが接続するよう前記メッシュ構造を生成し、
前記生成したメッシュ構造を用いて、前記解析対象物に交流電圧が印加されたときの電位の時間微分を未知数とし、前記3次元絶縁体部の離散化微分方程式を解くことにより、変位電流解を電流ベクトルポテンシャルで表し、この電流ベクトルポテンシャルを用いて、前記3次元導体部および低次元導体部における離散化積分方程式を解くことによって、前記解析対象物における電流と前記変位電流とを算出する
ことを特徴とする解析計算方法。 - 前記2次元要素で構成されている低次元メッシュ構造部は、前記2次元要素で外形を表現した中空の構成を有している
ことを特徴とする請求項1に記載の解析計算方法。 - 要素で構成されているメッシュ構造を生成することによって、解析対象物の変位電流の計算を行う解析計算方法であって、
前記解析対象物は、絶縁体が導体に接する構造を有しており、
解析計算装置が、
3次元要素で構成されている第1のメッシュ構造部として、前記絶縁体の部分に3次元絶縁体部を設定するとともに、前記導体の部分のうち、少なくとも前記絶縁体に接している部分に3次元導体部を設定した前記メッシュ構造を生成し、
前記導体の部分のうち、前記3次元導体部が設定されている部分以外に、3次元要素、2次元要素または1次元要素で構成されている第2のメッシュ構造部である第2の導体部を設定した前記メッシュ構造を生成し、
前記第1のメッシュ構造部と、前記第2のメッシュ構造部との間には、前記要素が設定されていない短絡部が存在している前記メッシュ構造を生成し、
前記第1のメッシュ構造部と、前記第2のメッシュ構造部とが接続しているものとして、前記生成したメッシュ構造を用いて、前記解析対象物に交流電圧が印加されたときの前記解析対象物の絶縁体部に前記変位電流が流れるときの電位の時間微分を未知数とし、前記3次元絶縁体部の離散化微分方程式を解くことにより、変位電流解を電流ベクトルポテンシャルで表し、この電流ベクトルポテンシャルを用いて、前記3次元導体部および第2の導体部における離散化積分方程式を解くことによって、前記解析対象物における電流と前記変位電流とを算出する
ことを特徴とする解析計算方法。 - 前記2次元要素で構成されている第2のメッシュ構造部は、前記2次元要素で外形を表現した中空の構成を有している
ことを特徴とする請求項3に記載の解析計算方法。 - 要素で構成されているメッシュ構造を生成することによって、解析対象物の変位電流の計算を行う解析計算方法であって、
前記解析対象物は、絶縁体が導体に接する構造を有しており、
解析計算装置が、
前記絶縁体の部分に前記メッシュ構造を生成することで3次元絶縁体部を設定し、
前記導体の部分のうち、少なくとも前記絶縁体に接している部分に前記メッシュ構造である3次元導体部を設定したメッシュ構造を生成し、
前記3次元絶縁体部の部分および前記3次元導体部の部分のみに前記メッシュ構造が生成され、
前記生成したメッシュ構造を用いて、前記解析対象物に交流電圧が印加されたときの前記解析対象物の絶縁体部に変位電流が流れるときの電位の時間微分を未知数とし、前記3次元絶縁体部の離散化微分方程式を解くことにより、変位電流解を電流ベクトルポテンシャルで表し、この電流ベクトルポテンシャルを用いて、前記3次元導体部における離散化積分方程式を解くことによって、前記解析対象物における電流と前記変位電流とを算出する
ことを特徴とする解析計算方法。 - 前記解析計算装置が、
前記算出された変位電流を基に、前記交流電圧が印加される入力端子と、出力端子との間の周波数特性を算出し、表示装置に算出した周波数特性を表示する
ことを特徴とする請求項1、請求項3または請求項5のいずれか一項に記載の解析計算方法。 - 前記解析計算装置が、
前記算出された変位電流を基に、前記メッシュ構造が生成されているメッシュ構造体に交流電圧が印加されたときの、前記メッシュ構造体における電流分布を算出し、表示装置に表示する
ことを特徴とする請求項1、請求項3または請求項5のいずれか一項に記載の解析計算方法。 - 前記解析計算装置が、
前記算出された変位電流を基に、前記メッシュ構造が生成されているメッシュ構造体に交流電圧が印加されたときの、前記メッシュ構造体における磁場分布を算出する
ことを特徴とする請求項1、請求項3または請求項5のいずれか一項に記載の解析計算方法。 - 前記解析計算装置が、
前記算出された変位電流を基に、前記メッシュ構造が生成されているメッシュ構造体に交流電圧が印加されたときの、前記メッシュ構造体における電界分布を算出する
ことを特徴とする請求項1、請求項3または請求項5のいずれか一項に記載の解析計算方法。 - 要素で構成されているメッシュ構造を生成することによって、解析対象物の変位電流の計算を行う解析計算方法を解析計算装置に実行させる解析計算プログラムであって、
前記解析対象物は、絶縁体が導体に接する構造を有しており、
前記解析計算装置に、
3次元要素で構成されている3次元メッシュ構造部として、前記絶縁体の部分に3次元絶縁体部を設定させるとともに、前記導体の部分のうち、少なくとも前記絶縁体に接している部分に3次元導体部を設定した前記メッシュ構造を生成させ、
前記導体の部分のうち、前記3次元メッシュ構造部を設定した部分以外に、2次元要素または1次元要素で構成されている低次元メッシュ構造部である低次元導体部を設定した前記メッシュ構造を生成させ、
前記3次元メッシュ構造部と、前記低次元メッシュ構造部とが接続するよう前記メッシュ構造を生成させ、
前記生成したメッシュ構造を用いて、前記解析対象物に交流電圧が印加されたときの電位の時間微分を未知数とし、前記3次元絶縁体部の離散化微分方程式を解くことにより、変位電流解を電流ベクトルポテンシャルで表し、この電流ベクトルポテンシャルを用いて、前記3次元導体部および低次元導体部における離散化積分方程式を解くことによって、前記解析対象物における電流と前記変位電流とを算出させる
ことを特徴とする解析計算プログラム。 - 要素で構成されているメッシュ構造を生成することによって、解析対象物の変位電流の計算を行う解析計算方法を解析計算装置に実行させる解析計算プログラムであって、
前記解析対象物は、絶縁体が導体に接する構造を有しており、
前記解析計算装置に、
3次元要素で構成されている第1のメッシュ構造部として、前記絶縁体の部分に3次元絶縁体部を設定させるとともに、前記導体の部分のうち、少なくとも前記絶縁体に接している部分に3次元導体部を設定した前記メッシュ構造を生成させ、
前記導体の部分のうち、前記3次元導体部が設定されている部分以外に、3次元要素、2次元要素または1次元要素で構成されている第2のメッシュ構造部である第2の導体部を設定した前記メッシュ構造を生成させ、
前記第1のメッシュ構造部と、前記第2のメッシュ構造部との間には、前記要素が設定されていない短絡部が存在している前記メッシュ構造を生成させ、
前記第1のメッシュ構造部と、前記第2のメッシュ構造部とが接続しているものとして、前記生成したメッシュ構造を用いて、前記解析対象物に交流電圧が印加されたときの前記解析対象物の絶縁体部に前記変位電流が流れるときの電位の時間微分を未知数とし、前記3次元絶縁体部の離散化微分方程式を解くことにより、変位電流解を電流ベクトルポテンシャルで表し、この電流ベクトルポテンシャルを用いて、前記3次元導体部および第2の導体部における離散化積分方程式を解くことによって、前記解析対象物における電流と前記変位電流とを算出させる
ことを特徴とする解析計算プログラム。 - 要素で構成されているメッシュ構造を生成することによって、解析対象物の変位電流の計算を行う解析計算方法を解析計算装置に実行させる解析計算プログラムであって、
前記解析対象物は、絶縁体が導体に接する構造を有しており、
解析計算装置に、
前記絶縁体の部分に前記メッシュ構造を生成することで3次元絶縁体部を設定させ、
前記導体の部分のうち、少なくとも前記絶縁体に接している部分に前記メッシュ構造である3次元導体部を設定したメッシュ構造を生成させ、
前記3次元絶縁体部の部分および前記3次元導体部の部分のみに前記メッシュ構造を生成させ、
前記生成したメッシュ構造を用いて、前記解析対象物に交流電圧が印加されたときの前記解析対象物の絶縁体部に変位電流が流れるときの電位の時間微分を未知数とし、前記3次元絶縁体部の離散化微分方程式を解くことにより、変位電流解を電流ベクトルポテンシャルで表し、この電流ベクトルポテンシャルを用いて、前記3次元導体部における離散化積分方程式を解くことによって、前記解析対象物における電流と前記変位電流とを算出させる
ことを特徴とする解析計算プログラム。 - 要素で構成されているメッシュ構造を生成することによって、解析対象物の変位電流の計算を行う解析計算方法を解析計算装置に実行させる解析計算プログラムを記録しているコンピュータ読取可能な記録媒体であって、
前記解析対象物は、絶縁体が導体に接する構造を有しており、
前記解析計算装置に、
3次元要素で構成されている3次元メッシュ構造部として、前記絶縁体の部分に3次元絶縁体部を設定させるとともに、前記導体の部分のうち、少なくとも前記絶縁体に接している部分に3次元導体部を設定した前記メッシュ構造を生成させ、
前記導体の部分のうち、前記3次元メッシュ構造部を設定した部分以外に、2次元要素または1次元要素で構成されている低次元メッシュ構造部である低次元導体部を設定した前記メッシュ構造を生成させ、
前記3次元メッシュ構造部と、前記低次元メッシュ構造部とが接続するよう前記メッシュ構造を生成させ、
前記生成したメッシュ構造を用いて、前記解析対象物に交流電圧が印加されたときの電位の時間微分を未知数とし、前記3次元絶縁体部の離散化微分方程式を解くことにより、変位電流解を電流ベクトルポテンシャルで表し、この電流ベクトルポテンシャルを用いて、前記3次元導体部および低次元導体部における離散化積分方程式を解くことによって、前記解析対象物における電流と前記変位電流とを算出させる
ことを特徴とする解析計算プログラムを記録しているコンピュータ読取可能な記録媒体。 - 要素で構成されているメッシュ構造を生成することによって、解析対象物の変位電流の計算を行う解析計算方法を解析計算装置に実行させる解析計算プログラムを記録しているコンピュータ読取可能な記録媒体であって、
前記解析対象物は、絶縁体が導体に接する構造を有しており、
前記解析計算装置に、
3次元要素で構成されている第1のメッシュ構造部として、前記絶縁体の部分に3次元絶縁体部を設定させるとともに、前記導体の部分のうち、少なくとも前記絶縁体に接している部分に3次元導体部を設定した前記メッシュ構造を生成させ、
前記導体の部分のうち、前記3次元導体部が設定されている部分以外に、3次元要素、2次元要素または1次元要素で構成されている第2のメッシュ構造部である第2の導体部を設定した前記メッシュ構造を生成させ、
前記第1のメッシュ構造部と、前記第2のメッシュ構造部との間には、前記要素が設定されていない短絡部が存在している前記メッシュ構造を生成させ、
前記第1のメッシュ構造部と、前記第2のメッシュ構造部とが接続しているものとして、前記生成したメッシュ構造を用いて、前記解析対象物に交流電圧が印加されたときの前記解析対象物の絶縁体部に前記変位電流が流れるときの電位の時間微分を未知数とし、前記3次元絶縁体部の離散化微分方程式を解くことにより、変位電流解を電流ベクトルポテンシャルで表し、この電流ベクトルポテンシャルを用いて、前記3次元導体部および第2の導体部における離散化積分方程式を解くことによって、前記解析対象物における電流と前記変位電流とを算出させる
ことを特徴とする解析計算プログラムを記録しているコンピュータ読取可能な記録媒体。 - 要素で構成されているメッシュ構造を生成することによって、解析対象物の変位電流の計算を行う解析計算方法を解析計算装置に実行させる解析計算プログラムを記録しているコンピュータ読取可能な記録媒体であって、
前記解析対象物は、絶縁体が導体に接する構造を有しており、
解析計算装置に、
前記絶縁体の部分に前記メッシュ構造を生成することで3次元絶縁体部を設定させ、
前記導体の部分のうち、少なくとも前記絶縁体に接している部分に前記メッシュ構造である3次元導体部を設定したメッシュ構造を生成させ、
前記3次元絶縁体部の部分および前記3次元導体部の部分のみに前記メッシュ構造を生成させ、
前記生成したメッシュ構造を用いて、前記解析対象物に交流電圧が印加されたときの前記解析対象物の絶縁体部に変位電流が流れるときの電位の時間微分を未知数とし、前記3次元絶縁体部の離散化微分方程式を解くことにより、変位電流解を電流ベクトルポテンシャルで表し、この電流ベクトルポテンシャルを用いて、前記3次元導体部における離散化積分方程式を解くことによって、前記解析対象物における電流と前記変位電流とを算出させる
ことを特徴とする解析計算プログラムを記録しているコンピュータ読取可能な記録媒体。
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