JP2004233336A - 特性インピーダンス測定方法および測定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 伝送信号の周波数が高く、伝送線路幅が極端に細い場合、また、線路長が長い場合であっても、線路の抵抗成分・漏れ成分を抽出し、それを測定結果から除去する事で時間的に一定の特性インピーダンスを算出することができる。
【選択図】 図1
Description
まず、測定の時間設定の始点を決定する為に、測定端子(3)先端に電気的にオープンとショートの状態を作り、オープンの測定結果から25〜50[Ω]の抵抗値を減じ、もしくはショートの測定結果に25〜50[Ω]の抵抗値を加え、オープン状態とショート状態の測定結果の波形を重ね合わせる。その交点の時間を始点0.0[s]とする。もしくは、TDR測定器(1)のキャリブレーション機能を用いて始点0.0[s]を作る。
(ア)接続端子(4)を線路(7)に接続させ、さらにオープン素子(5)を接続する。
(イ)接続端子(4)を線路(7)に接続しない。
「各時間における抵抗成分+漏れ成分=(抵抗成分+漏れ成分)/(終点時間−始点時間)」の関係から求める。実施例の場合、1.5×10-13[s]の周期で、サンプリングを行った。
6[Ω]/(4.5817×10-8−4.5321×10-8)[s]×0.1×10-9[s]
であるので、1.2[Ω]となる。この値を抵抗成分+漏れ成分を含む特性インピーダンスから引くと、
56[Ω]−1.2[Ω]=54.8[Ω]
となる。また、測定開始から0.2[ns]後の抵抗成分と漏れ成分は、
6[Ω]/(4.5817×10-8−4.5321×10-8)[s]×0.2×10-9[s]
であるので、2.4[Ω]となる。この値を抵抗成分+漏れ成分を含む特性インピーダンスから引くと、
57[Ω]−2.4[Ω]=54.6[Ω]
となる。このようにして求めた、抵抗成分・漏れ成分を含まない特性インピーダンスを図7に示す。
次に、時間設定の終点と抵抗成分・漏れ成分を含んだ特性インピーダンスを決定する為に、測定対象物(6)の一端に測定端子(3)を接触させ、終端を電気的にオープン状態にし、線路(7)の特性インピーダンスを測定する。この時、測定対象物(6)の抵抗成分と漏れ成分の影響で、図3のように右上がりの結果となる。ただし、ここでは前記(ア)の場合のようにオープン素子は用いずに、単純に何も接触させずにオープン状態にして測定をする。こうして得られたオープン波形から鏡像波形を得て、その二つの測定結果の重ね合わせにより、交点を測定の時間設定の終点とする(図9の矢印の点)。
「各時間における抵抗成分+漏れ成分=(抵抗成分+漏れ成分)/(終点時間−始点時間)」の関係から求める。ここでは、1.5×10-13[s]の周期でサンプリングを行った。
6[Ω]/(4.96×10-10−3.58×10-11)[s]×0.1×10-9[s]
であるので、1.3[Ω]となる。この値を抵抗成分+漏れ成分を含む特性インピーダンスから引くと、
56[Ω]−1.3[Ω]=54.7[Ω]
となる。また、測定開始から0.2[ns]後の抵抗成分と漏れ成分は、
6[Ω]/(4.96×10-10−3.58×10-11)[s]×0.2×10-9[s]
であるので、2.6[Ω]となる。この値を抵抗成分+漏れ成分を含む特性インピーダンスから引くと、
57[Ω]−2.6[Ω]=54.4[Ω]
となる。このようにして求めた、抵抗成分・漏れ成分を含まない特性インピーダンスを図11に示す。
「抵抗成分+漏れ成分=測定結果−終端抵抗」
の関係となるので、実施例の場合、測定結果が55[Ω]、終端抵抗を50[Ω]であるので、抵抗成分+漏れ成分は5[Ω]となる。
「各時間における抵抗成分+漏れ成分=(抵抗成分+漏れ成分)/(終点時間−始点時間)」の関係から求める。ここでは1.0×10-12[s]の周期でサンプリングを行った。
5[Ω]/(8.54×10-10−8.8×10-11)[s]×0.4×10-9[s]
であるので、2.6[Ω]となる。この値を抵抗成分+漏れ成分を含む特性インピーダンスから引くと、
69.2[Ω]−2.6[Ω]=66.6[Ω]
となる。また、測定開始から、0.6[ns]後の抵抗成分と漏れ成分は、
5[Ω]/(8.54×10-10−8.8×10-11)[s]×0.6×10-9[s]
であるので、3.9[Ω]となる。この値を抵抗成分+漏れ成分を含む特性インピーダンスから引くと、
69.5[Ω]−3.9[Ω]=65.6[Ω]
となる。このようにして得られた抵抗成分・漏れ成分を含まない特性インピーダンスを図17に示す。
(2) ・・・ 測定器と測定端子を繋ぐプローブ
(3) ・・・ 測定端子
(4) ・・・ 接続端子
(4’)・・・ ショート素子としての働きを持つ接触端子
(5) ・・・ 素子
(6) ・・・ 測定対象物
(7) ・・・ 線路
Claims (8)
- 線路の特性インピーダンスを測定する方法において、少なくとも、測定の時間設定の始点を決定する工程と、測定の時間設定の終点を決定する工程と、線路の終端に終端抵抗を接続し、終端抵抗及び抵抗成分・漏れ成分を含んだ特性インピーダンスを測定する工程と、抵抗成分・漏れ成分を決定する工程と、各時間成分の抵抗成分・漏れ成分を決定する工程と、抵抗成分・漏れ成分を含んだ特性インピーダンスから、各時間成分の抵抗成分・漏れ成分を引き、抵抗成分・漏れ成分を含まない特性インピーダンスを演算する工程とからなることを特徴とする特性インピーダンス測定方法。
- 線路の終端を電気的にオープン状態にしてのTDR測定と、終端を電気的にショート状態にしてのTDR測定とを行い、これら二つの測定結果の波形を重ね合せることで測定の時間設定の終点を決定することを特徴とした請求項1に記載の特性インピーダンス測定方法。
- 線路の終端を電気的にオープン状態にしてのTDR測定を行い、そのTDR測定波形に演算を施し新たな波形の生成を行い、これらの二つの波形を重ね合わせることで測定の時間設定の終点を決定することを特徴とした請求項1に記載の特性インピーダンス測定方法。
- 一方は一端でグラウンド線とシグナル線が導通するよう作成され、もう一方はグラウンド線とシグナル線が導通しないよう作成された、同等の線路長を持つ2本の線路を用い、それぞれTDR測定を行い、その二つの測定波形を重ね合わせることで測定の時間設定の終点を決定することを特徴とした請求項1に記載の特性インピーダンス測定方法。
- 線路の特性インピーダンスを測定する装置において、測定の時間設定の始点を決定する手段と、測定の時間設定の終点を決定する手段と、線路の終端に終端抵抗を接続し、終端抵抗及び抵抗成分・漏れ成分を含んだ特性インピーダンスを測定する手段と、抵抗成分・漏れ成分を決定する手段と、各時間成分の抵抗成分・漏れ成分を決定する手段と、抵抗成分・漏れ成分を含んだ特性インピーダンスから、各時間成分の抵抗成分・漏れ成分を引き、抵抗成分・漏れ成分を含まない特性インピーダンスを演算する手段とを少なくとも具備することを特徴とする特性インピーダンス測定装置。
- 測定する線路の終端に接続され、さらにその後段に、終端を電気的にオープン状態にする素子と、終端を電気的にショート状態にする素子と、抵抗素子のいずれかを接続することができる接続端子を具備することを特徴とした請求項5に記載の特性インピーダンス測定装置。
- 測定する線路の終端に接続され、内部の電気配線が電気的にショートされている接続端子を具備することを特徴とした請求項5に記載の特性インピーダンス測定装置。
- 測定の時間設定の終点を決定する手段が、TDR測定により得られた波形に演算を施し新たな波形の生成を行う手段からなることを特徴とした請求項5に記載の特性インピーダンス測定装置。
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