JP4650295B2 - 車両用マフラ構造 - Google Patents

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Description

本発明は自動車等の車両に取付けられる車両用マフラ構造に関する。
自動車の排気系に適用されるマフラとして、車体上下方向の寸法が車幅方向の寸法よりも小さい扁平マフラが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−328954号公報
しかしながら、上記の如き従来の技術に係る扁平マフラは、扁平断面の長手方向に沿う上下の扁平面の剛性が相対的に低いため、排気を導入するためのインレット管をマフラ内に挿通した場合に放射音が大きくなることが懸念される。
本発明は上記事実を考慮して、消音部で生じる放射音を抑制することができる車両用マフラ構造を得ることが目的である。
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る車両用マフラ構造は、扁平形状に形成された扁平外郭部を有する中空構造体として形成された消音部と、筒状に形成され、前記消音部の前記扁平外郭部における扁平面間の部分を貫通して一端が前記消音部内で開口されると共に、該貫通部位において前記扁平外郭部に接合された排気流通用筒体と、前記排気流通用筒体に一体的に形成されて前記消音部の内側に位置し、該消音部の外郭と前記排気流通用筒体とを連結することで前記扁平外郭部の扁平面間を連結する補強手段と、を備えている。
請求項1記載の車両用マフラ構造では、消音部の外郭を貫通して一端を消音部内で開口させている排気流通用筒体が排気導入部又は排出部を構成しており、消音部(外郭内)に導入された排気は、例えば消音部における膨張や共鳴等によって消音されて排出される。ここで、本車両用マフラ構造では、筒状に形成された(閉断面構造の)高剛性部材である排気流通筒体と消音器の外郭とを消音器内において補強手段が連結することで、該消音器の外郭が補強されているため、該補強手段による連結方向における消音器外郭の剛性が向上する。これにより、消音器の外郭の表面から放射者される放射音を抑制することができる。
このように、請求項1記載の車両用マフラ構造では、扁平形状の消音部で生じる放射音を抑制することができる。なお、補強手段は、排気流通用筒体に一体に形成されても良く、排気流通用筒体とは別体にて構成され該排気流通用筒体に一体的に固定されて構成されても良い。
また、本車両用マフラ構造では、消音器において低剛性部位となりやすい扁平面同士を排気流通用筒体にて補強された補強手段が連結することで、扁平外郭部の扁平方向の剛性が向上する。すなわち、各扁平面が扁平方向に振動することが抑制され、該扁平面から放射される放射音を効果的に抑制することができる。
請求項記載の発明に係る車両用マフラ構造は、請求項記載の車両用マフラ構造において、前記補強手段は、前記扁平外郭部の内部空間を、前記排気流通用筒体を囲む閉空間と他の空間とに区画する隔壁の少なくとも一部を構成している。
請求項記載の車両用マフラ構造では、扁平外郭部の内部が排気流通用筒体を囲む閉空間と他の空間とを含む少なくとも2つの空間(隔室)に区画されているので、閉空間の隔壁の少なくとも一部を成す補強手段による補強部位の剛性が一層高い。特に、排気流通用筒体を排気ガスの導入部に適用した構成では、排気ガスが大きなエネルギを有する導入側で消音器の外郭の剛性を向上することになるので、放射音抑制効果が大きくなる。
請求項記載の発明に係る車両用マフラ構造は、請求項又は請求項記載の車両用マフラ構造において、前記消音部は、前記扁平外郭部の扁平方向外側に位置し該扁平外郭部における一方の扁平面に連結された突状外郭部をさらに有する。
請求項記載の車両用マフラ構造では、扁平外郭部の一方側の扁平面側から突状外郭部が突出している。これにより、消音器は、扁平外郭部における突状外郭部の連結側の扁平面の剛性が他方の扁平面の剛性よりも高く、高剛性側の扁平面と他方の扁平面とが補強手段によって連結されるので、該他方の扁平面の放射音抑制効果が高い。
請求項記載の発明に係る車両用マフラ構造は、請求項1乃至請求項の何れか1項記載の車両用マフラ構造において、前記補強手段は、前記排気流通用筒体の開口端から全周に亘り前記消音部の外殻に向けて延設された板状体であり、前記排気流通用筒体の開口端との境界部分が該開口端の開口面積を広げるアール形状とされている。
請求項記載の車両用マフラ構造では、排気流通用筒体の開口端と板状(平板状)の補強手段との境界が全周に亘るアール形状とされているため、換言すれば、排気流通用筒体と補強手段との境界部分の応力集中が緩和されるため、補強手段による消音器外郭の補強効果が向上する。また、補強手段が排気流通用筒体の開口端から連続するため、これらを一体に形成することが容易である。
以上説明したように本発明に係る車両用マフラ構造は、消音部で生じる放射音を抑制することができるという優れた効果を有する。
本発明の第1の実施形態に係る車両用マフラ構造が適用されたマフラ10について、図1乃至図6に基づいて説明する。なお、説明の便宜上、各図に適宜記す矢印FR、矢印UP、及び矢印Wにて示す方向を、それぞれマフラ10が搭載される自動車の前方向(進行方向)、上方向、車幅方向とする。
図4には、本発明の実施形態に係る車両用マフラ構造が適用されたマフラ10が斜視図にて示されている。この図に示される如く、マフラ10は、本発明における消音部を構成する扁平外郭部としての上マフラ(上シェル)12と、上マフラ12の下側に接続され消音部を構成する突状外郭部としての下マフラ(下シェル)14と、上マフラ12に排気ガスを導入するための排気流通筒体(ガス導入部)としてのインレットパイプ16とを含んで構成されている。
上マフラ12は、平面視で車幅方向に長手の略矩形状に形成されると共に、側面視で前後寸法と比較して上下寸法が小さい扁平状に形成された中空構造体とされている。したがって、上マフラ12では、車体上下方向が扁平方向とされ、車体前後方向及び車幅方向が扁平断面の長手方向として把握される。この実施形態では、主に車体前後方向を本発明における扁平断面の長手方向として説明する。また、上マフラ12は、上壁12A、下壁12Bが略水平面に沿って延在する扁平面とされている。
図2に上壁12Aを一部切り欠いて示す如く、上マフラ12の内部は、車幅方向中央部に対し略対称に配置された三対の仕切板18、20、22によって、内部が車幅方向に7分割されている。上マフラ12内における仕切板18間に挟まれた空間は第1室24とされ、各仕切板18と仕切板20とに挟まれ第1室24の車幅方向外側に隣接する空間はそれぞれ第2室26とされ、各仕切板20と仕切板22とに挟まれ第2室26の車幅方向外側に隣接する空間はそれぞれ第3室28とされ、仕切板22すなわち第1室24の車幅方向外側に隣接する空間はそれぞれ第4室30とされている。
上マフラ12内の第1室24は、後述するセパレータ部74によって前後に区画されている。具体的には、セパレータ部74は第1室24を、インレットパイプ16から排気ガスが導入される排ガス導入室24Aと、該排ガス導入室24Aの前方に位置する閉空間としての連通室24Bとに区画している。各仕切板18には、第1室24の排ガス導入室24Aから第2室26への排気ガスの流通を許容する複数の透孔(図示省略)が形成されている。さらに、各仕切板18には、連通室24Bと各第2室26を連通する複数の透孔(図示省略)が形成されている。したがって、2つの第2室26は、連通室24Bを介して連通されている。
また、上マフラ12内には、各仕切板18を貫通すると共に互いに異なる仕切板20を貫通し、車幅方向一方側の第2室26と他方側の第3室28とを連通する2つの連通パイプ32が配設されている。さらに、図1乃至図3に示される如く、上マフラ12内には、それぞれ車幅方向中央に対し一方側の仕切板18及び仕切板20を貫通し、一端が第3室28に開口すると共に、他端が下壁12Bを貫通して下マフラ14内に開口する一対の連通パイプ34が配設されている。なお、図3に示される如く、各連通パイプ34は、排ガス導入室24A内において背面視で略直角を成すように湾曲している。
さらに、上マフラ12の下壁12Bには、車幅方向に並列した一対のアウトレットパイプ36がそれぞれ接続されている。図1及び図4に示される如く、一対のアウトレットパイプ36は、下マフラ14の後壁44を貫通して外部に開口している。したがって、一対のアウトレットパイプ36は、それぞれ上マフラ12の排ガス導入室24Aの後部と外部空間とを連通している。
図2に破線にて示される如く、下マフラ14は、平面視で前後方向の寸法が上マフラ12と同等とされると共に車幅方向の寸法が上マフラ12よりも小さい略矩形に形成されており、この実施形態では車幅方向の寸法が仕切板18間の間隔に略一致している。また、図1乃至図4に示される如く、上記平面視で略矩形状の底部14Aの周縁から周壁14Bが立設された如き有底筒状とされている。
この下マフラ14は、周壁14Bの上側開口端が上マフラ12の下壁12Bにおける車幅方向中央に接続(連結)されている。この実施形態では、図1及び図3に示される如く、下壁12Bに固着されて平面視で環状を成すバンド状の連結ブラケット38に、周壁14Bの上端が溶接等によって連続的又は断続的に固定されている。したがって、下マフラ14は、上端が上マフラ12によって閉塞されて中空構造体を成している。
下マフラ14の周壁14Bは、上マフラ12の扁平方向に一致する上下方向に延在している。この周壁14Bにおける略車体前方向及び略車体上下方向に沿って延在する一対の側壁40は、それぞれ対応する仕切板18の下方に、該仕切板18と複数回に亘り交差するように接続されている(図2参照)。また、略車幅方向及び略車体上下方向に沿って延在し一対の側壁40の前後端間を連結する前壁42、後壁44は、それぞれ上マフラ12の前後端の下方に位置している。すなわち、下マフラ14の一対の側壁40は、上マフラ12の下壁12Bにおける前後両端(高剛性部)を連結するように、該下壁12Bに対し前後方向の中間部を含んで接続されている。
以上により、上マフラ12の下壁12Bにおける主に第1室24を構成する部分は、平面視、配面視、側面視の何れの方向から見ても下マフラ14とで閉断面を構成し、該下マフラ14によって補強(補剛)されている。
さらに、図1に示される如く、下マフラ14内には、該下マフラ14内の空間を前後に仕切る仕切板46が配設されており、仕切板46の前側の空間は上記した連通パイプ34が開口する第5室48とされている。一方、仕切板46の後側の空間は第6室50とされており、上記したアウトレットパイプ36は、第6室50内を通って下壁12B及び後壁44を貫通することで排ガス導入室24Aと外部とに開口している。
また、図1に示される如く、下マフラ14内には、前端が該下マフラ14内に開口すると共に仕切板46及び後壁44を貫通し、後端が外部に開口するアウトレットパイプ52が配設されている。したがって、連通パイプ34を経由して第5室48に導入された排気ガスは、アウトレットパイプ52を通じて外部に排出されるようになっている。
図1、図2、及び図4に示される如く、インレットパイプ16は、上マフラ12において上下の扁平面である上壁12A、下壁12B間に位置する前壁12Cを貫通して(挿通されて)、その一部が第1室24内に入り込んでいる。図2及び図6に示される如く、この実施形態では、インレットパイプ16は、上マフラ12の幅方向中央に対し若干オフセットして配置されているが、中央部に配置されても良い。インレットパイプ16は、上マフラ12における前壁12Cとの貫通部(貫通孔の縁部)12Dにおいて、該上マフラ12に溶接等によって固着されている。このインレットパイプ16は、上マフラ12外に位置する合流管部54と、上マフラ12内に位置する排出管部56とを主要構成要素としている。
図1及び図3に示される如く、合流管部54は、それぞれ内燃機関エンジンの排気マニホルドに連通した一対の排気管(図示省略)が独立して接続される接続部54A、54Bと、接続部54A、54Bからそれぞれ導入された排気ガスを合流させる合流部54Cとを有する。接続部54A、54Bは、前端側が後端側よりも低位となるように傾斜している。合流部54Cは、水平面に沿うように配置されて接続部54A、54Bの後端に連続しており、水平方向(マクロ的な流れ方向)に略直交する断面の車幅方向寸法よりも上下方向寸法が小さい扁平形状に形成されている。
排出管部56は、水平面に沿って合流部54Cの後方に連続的に配置され、該合流部54Cと同様に扁平した断面形状を有する。図1及び図4に示される如く、排出管部56の後端には、第1室24の排ガス導入室24A内に排気ガスを吹き出すための開口端であるガス排出口58が設けられている。
以上説明した排出管部54は、第1半体としての上ハーフ64と、第2半体としての下ハーフ66との接合によって、上記した形状の管状に形成されている。上ハーフ64は、合流管部54(接続部54A、54B、54C)、排出管部56の各上半分が一体に形成され下向きに開口するハーフパイプ状(接続部54A、54Bを形成する前部は2連のハーフパイプ状)に形成されており、合流管部54を構成する部分からは接合フランジ68が車幅方向に沿って張り出している。下ハーフ66は、合流管部54、排出管部56の各下半分が一体に形成され上向きに開口するハーフパイプ状に形成されており、合流管部54を構成する部分からは接合フランジ70が車幅方向に沿って張り出している。
そして、上ハーフ64の下側開口端と下ハーフ66の上側開口端とを突き当てて上下の接合フランジ68、70を溶接等にて接合することで、排出管部56が管状に形成されている。接続部54A、54Bの前端には、排気管と接合するためのリング部材72が嵌合状態で固着されて、該前端が強められている。なお、上マフラ12内に位置し排気ガスの漏れが許容される排出管部56は、接合フランジ68、70が設定されていない。
図1に示される如く、以上説明したインレットパイプ16には、第1室24を排ガス導入室24Aと連通室24Bとに区画する補強(補剛)手段としてのセパレータ74が一体に形成されている。図5に示される如く、排出管部56の外周部から上下方向及び車幅方向に延設された略矩形平板状のセパレータ本体74Aと、セパレータ本体74Aの上縁から前方に延設され上壁12Aの内面に固着された上フランジ74Bと、セパレータ本体74Aの下縁から前方に延設され下壁12Bの内面に固着された下フランジ74Cと、セパレータ本体74Aの車幅方向両縁からそれぞれ前方に延設されそれぞれ仕切板18に固着された側フランジ74Dとを主要構成要素としている。
この実施形態では、略矩形平板状のセパレータ本体74Aは、排出管部56におけるガス排出口58の縁部(開口縁)から延設されており、また図6にも示される如く各フランジ74B、74C、74Dは連続して全体としてリング状を成している。なお、各フランジ74B、74C、74Dの上マフラ12、仕切板18とは、溶接接合等によって固着されている。
以上により、マフラ10では、排出管部56のガス排出口58は、第1室24に排ガス導入室24Aにのみ開口している。また、セパレータ74は、上マフラ12における上壁12A、下壁12B、前壁12Cと、左右の仕切板18(の前部)とで、排出管部56を囲む閉空間である連通室24Bを構成している。そして、上マフラ12の上壁12Aと下壁12Bは、セパレータ74を介して、筒状を成す(閉断面構造を有する)高剛性部材である排出管部56(インレットパイプ16)に連結されている。換言すれば、上壁12Aと下壁12Bとは、セパレータ74、排出管部56を介して互いに連結されている。
以上で主に機能を説明したセパレータ74の構造について補足する。図5に示される如く、セパレータ74は、上ハーフ64に一体に形成された上セパレータ76と、下ハーフ66に一体に形成された下セパレータ78とで構成されている。上セパレータ76には、セパレータ74の上部(セパレータ本体74A、側フランジ74Dの各上部及び上フランジ74B)が形成されており、下セパレータ78には、セパレータ74の下部(セパレータ本体74A、側フランジ74Dの各下部及び下フランジ74C)が形成されている。
図1に示される如く、インレットパイプ16の排出管部56は連通室24Bの上下方向中央に対し若干下寄りにオフセットして配置されており、上セパレータ76は下セパレータ78に対し上下寸法が大きく構成されている。この実施形態では、上セパレータ76と下セパレータ78とは固着されていないが、これらを溶接等によって固着しても良い。
なお、上セパレータ76が一体に形成された上ハーフ64、下セパレータ78が一体に形成された下ハーフ66は、例えば、ステンレス鋼やチタン合金等を材料としてプレス加工、鍛造、鋳造等によって形成される。
以上説明したマフラ10は、図3及び図4に示される如く、車幅方向に長手とされた上マフラ12と、上マフラ12の下壁12Bに対し車体上下方向の下側に接続された下マフラ14とで、背面視で略T状に形成されている。これにより、マフラ10を備えた自動車では、車幅方向中央(下マフラ14)に対する両側にそれぞれ上下に広い空間Rを確保しつつ、要求されるマフラ容量を確保する構成であり、例えば排気量が比較的大きい内燃機関エンジンの排気ガス音の低減用途に適用される。
また、マフラ10は、一対のアウトレットパイプ36を開閉する図示しないバルブ装置が接続され、排気系路を切り替えるようになっている。具体的には、インレットパイプ16、第1室24、一対のアウトレットパイプ36を経由して排気する短経路と、上マフラ12の排ガス導入室24A、第2室26、該第2室26に対し幅方向反対側の第3室28(連通パイプ32)、下マフラ14の第5室48、アウトレットパイプ52を経由して排気する長経路とを切り替え得る構成である。なお、左右の第2室26を連通する連通室24Bは、例えば共鳴室や拡張室として排気音をチューニングするチューニング要素として用いることができる。
次に、第1の実施形態の作用を説明する。
上記構成のマフラ10では、例えばエンジン回転数が所定の閾値よりも低い場合には、インレットパイプ16から導入された排気ガスは、主に上マフラ12の排ガス導入室24A、第2室26、該第2室26に対し幅方向反対側の第3室28(連通パイプ32)、下マフラ14の第5室48、アウトレットパイプ52を経由して消音され、外部に排気される。一方、エンジン回転数が閾値を超える場合には、インレットパイプ16から導入された排気ガスは、上マフラ12の排ガス導入室24A、一対のアウトレットパイプ36を経由して消音され、外部に排気される。この場合、短い経路で排気ガスを排出するため、排気抵抗が少なく、エンジンの出力向上に寄与する。
ここで、扁平形状に形成された上マフラ12を備えたマフラ10では、該上マフラ12の扁平面を構成する上壁12A及び下壁12Bがセパレータ74を介して排出管部56に連結されているため、上壁12A及び下壁12Bが上下方向に補強されている。したがって、上マフラ12の上壁12A及び下壁12Bは、上下方向の剛性が高く該上下方向の振動が抑制されるので、扁平形状とされた上マフラ12から放射者される放射音を抑制することができる。
この効果を図9に示す比較例との比較で説明する。比較例に係るマフラ100は、上下方向に扁平とされた巻きマフラであり、前壁102からインレットパイプ104が導入されている。インレットパイプ104は、その後端開口部104A、管壁に設けられた排気孔104Bから100内に排気ガスを導入する。このマフラ100は、上面100Aと下面100Bとで剛性差が少なく、かつ上面100A及び下面100Bの各部での剛性差も少ないため、上面100A及び下面100Bの何処に排気ガスが当たっても放射音が生じやすい。したがって、インレットパイプ104の排出方向の工夫のみで放射音を低減することは困難であり、放射音を低減するために、例えばマフラ100の外壁を多層構造としてグラスウール等の遮音材を挟み込む等の対策が必要であった。
これに対してマフラ10では、上記の通りインレットパイプ16に設けられたセパレータ74が上壁12A及び下壁12Bを補強するため、すなわち、閉断面形状を有する高剛性構造体である排出管部56によって強められたセパレータ74が上壁12A及び下壁12Bを補強するため、マフラ10全体として放射音の低減を図ることが実現された。しかも、マフラ10では、セパレータ74が排出管部56廻りの閉空間である連通室24Bを囲む外郭(排出管部56を含め2重閉断面構造となる外郭)の一部を構成するため、上マフラ12におけるセパレータ74による補強部位の剛性が一層向上する。このため、扁平形状とされた上マフラ12から放射者される放射音を抑制することができる。
このように、第1の実施形態に係る車両用マフラ構造が適用されたマフラ10では、扁平形状の上マフラ12で生じる放射音を抑制することができる。
さらに、マフラ10では、放射音発生の原因となり易い上マフラ12の下壁12Bに下マフラ14の一対の側壁40が接続されているため、換言すれば下壁12Bが下マフラ14にて補強されているため、下壁12Bの剛性は上壁12Aの剛性と比較して高い。そして、この高剛性とされた下壁12Bと上壁12Aとがセパレータ74によって連結されるため、比較的低剛性である上壁12Aの補強(補剛)効果が向上する。これにより、マフラ10全体として放射音の一層の低減を図ることができる。
そして、セパレータ74が排気ガス導入部であるインレットパイプ16の排出管部56におけるガス排出口58の縁部からに一体的に延設されているため、排気ガスの有するエネルギが大きく放射音を生じやすい部分が効果的に補強される。したがって、マフラ10では、上下方向に延在する平板状のセパレータ74を他の部分に設けた構成と比較して、排気音の低減効果が大きい。また、セパレータ74を排出管部56の開口端すなわち後端から延設することで、連通室24Bを広く設定することができ、マフラ(拡張器や共鳴器)としての消音性能を向上させるチューニングの幅が広がる。
さらに、マフラ10では、上記の如くセパレータ74と上マフラ12の上壁12A、下壁12B、前壁12Cと、左右の仕切板18とで、連通室24Bを囲む外郭を構成するため、連通室24Bを囲む外郭部分の剛性が他の部分と比較して高い。このため、マフラ10では、連通室24Bを囲む外郭部分と他の部分とで共振周波数が大きく異なる(振動の連成が抑制される)と共に該外郭部分の共振周波数は実用上問題のない帯域に設定されるので、上マフラ12における連通室24Bを囲む外郭部分以外の部分の共振特性を考慮すれば良い。そして、上マフラ12における連通室24Bを囲む外郭部分以外の部分は、セパレータ74を設けない場合の上マフラ12と比較して、前後長が短い振動系を構成するので共振周波数が高くなる。これにより、放射音を一層効果的に抑制することができる。
さらにまた、マフラ10では、インレットパイプ16の排出管部56が扁平断面の長手方向である車体前後方向に沿って配設されているため、上マフラ12に導入されるガス流が車体前後方向となり(外方向の速度成分が大きく)、インレットパイプ16から排出された排気ガスが上壁12A側に向かいにくい。この構成は、排気ガスが上壁12Aに直接的に当たることを防止するので、放射音を抑制するのに寄与する。
また、マフラ10では、インレットパイプ16の排出管部56にセパレータ74が一体に形成されているため、より具体的には、インレットパイプ16を構成する上ハーフ64に上セパレータ76が一体に形成されると共に、下ハーフ66に下セパレータ78が一体に形成されているため、接合フランジ68、70を接合することでセパレータ74が構成される。このように、マフラ10では、セパレータ74を排出管部56を接合するための溶接等の作業を不要とすることができる。さらに、これらを構成する材料の歩留まりを向上することができ、また部品点数の低減が図られる。
次に、本発明の第2の実施形態について図7及び図8に基づいて説明する。なお、徐器第1の実施形態と基本的に同一の部品、部分については、上記第1の実施形態と同一の符号を付し、説明を省略する。また、図示を省略する場合もある。
図7には、本発明の第2の実施形態に係る車両用マフラ構造が適用されたマフラ80が図1に対応する側断面図にて示されており、図8にはマフラ80の要部が図5に対応する斜視図にて示されている。これらの図に示される如く、マフラ80では、排出管部56の開口端であるガス排出口58と、セパレータ74との境界部分が後向きにガス排出口58の開口幅及び開口高さをそれぞれ広げるアール(ラッパ)形状部82とされている点で、第1の実施形態とは異なる。
アール形状部82は、ガス排出口58の全周に亘って連続的に形成されている。これにより、排出管部56とセパレータ74と境界部分での応力集中が生じ難く、排出管部56に対するセパレータ74の姿勢変化(相対変位)が抑制される(剛性が向上する)構成とされている。したがって、本実施形態におけるセパレータ74は、第1の実施形態と比較してもさらに剛性が高められている。マフラ80の他の構成は、マフラ10の対応する構成と同じである。
したがって、第2の実施形態に係るマフラ80によっても、第1の実施形態に係る10と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。また、マフラ80では、形状部82を設けることでセパレータ74自体の剛性が向上するため、該セパレータ74による上壁12A、下壁12Bの補強効果が高い。これにより、マフラ80では、より一層効果的に放射音を抑制することが可能になる。
また、上マフラ12の剛性を向上する要素が多いため、マフラ設計上の制約が少なくなる。すなわち、例えば、第1の実施形態における剛性向上要素の一部に代えてアール形状部82を設ける構成としても良い。同様に、マフラ10において、上記した各剛性向上要素の一部を備えない構成とすることも可能である。
なお、上記各実施形態では、マフラ10、80が上マフラ12及び下マフラ14を備えた例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、マフラ10等が下マフラ14を備えない構成としても良い。すなわち、本発明は、上記構成のマフラ10の基本構成には限られず、例えば扁平構造ではない円筒状マフラ等にも適用することができる等、種々変更して実施可能である。
また、上記各実施形態では、セパレータ74が排出管部56に一体に形成された例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、セパレータ74を排出管部56に溶接等によって一体的に接合しても良い。この場合、セパレータ74は、ガス排出口58の縁部に連続する構成としなくても良い。
さらに、上記各実施形態では、インレットパイプ16が上ハーフ64、下ハーフ66に分割された構造である例を示したが、本発明がこれに限定されず、例えば、インレットパイプ16が一体(継ぎ目無し)のパイプであっても良く、3つ以上の部分に分割されていても良い。また、インレットパイプ16の流路断面形状が上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。
本発明の第1の実施形態に係るマフラを示す図であって、図4の1−1線に沿う断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るマフラの一部切り欠いた平面図である。 図4の3−3線に沿う断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るマフラの斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るマフラを構成するインレットパイプ及びセパレータの斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るマフラを構成するセパレータの背面図である。 本発明の第2の実施形態に係るマフラを示す図であって、図4の1−1線に沿う断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るマフラを構成するインレットパイプ及びセパレータの斜視図である。 本発明の実施形態との比較例に係るマフラの斜視図である。
符号の説明
10 マフラ(車両用マフラ構造)
12 上マフラ(扁平外郭部、消音部)
12A 上壁(扁平面)
12C 前壁(扁平外郭部における扁平面間の部分)
14 下マフラ(突状外郭部)
16 インレットパイプ(排気流通用筒体)
24B 連通室(排気流通用筒体を囲む閉空間)
74 セパレータ(補強手段)
80 マフラ(車両用マフラ構造)
82 アール形状部(アール形状)

Claims (4)

  1. 扁平形状に形成された扁平外郭部を有する中空構造体として形成された消音部と、
    筒状に形成され、前記消音部の前記扁平外郭部における扁平面間の部分を貫通して一端が前記消音部内で開口されると共に、該貫通部位において前記扁平外郭部に接合された排気流通用筒体と、
    前記排気流通用筒体に一体的に形成されて前記消音部の内側に位置し、該消音部の外郭と前記排気流通用筒体とを連結することで前記扁平外郭部の扁平面間を連結する補強手段と、
    を備えた車両用マフラ構造。
  2. 前記補強手段は、前記扁平外郭部の内部空間を、前記排気流通用筒体を囲む閉空間と他の空間とに区画する隔壁の少なくとも一部を構成している請求項1記載の両用マフラ構造。
  3. 前記消音部は、前記扁平外郭部の扁平方向外側に位置し該扁平外郭部における一方の扁平面に連結された突状外郭部をさらに有する請求項1又は請求項2記載の車両用マフラ構造。
  4. 前記補強手段は、前記排気流通用筒体の開口端から全周に亘り前記消音部の外殻に向けて延設された板状体であり、前記排気流通用筒体の開口端との境界部分が該開口端の開口面積を広げるアール形状とされている請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の車両用マフラ構造。
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