JP4650289B2 - 着氷プロテクタの取付構造 - Google Patents
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Description
この着氷プロテクタのロアアームへの取付けを車両の組立ラインで行う場合、限られた極めて短い時間(例えば5〜10秒)内で行うことが必要であり、しかも限られた狭いスペースに着氷プロテクタを取り付けなければならないことから、その組付構造が問題となる。
尚、下記特許文献1にはロアアーム或いはタイロッドへの着氷を防止するために、ゴム等の低剛性部材を接着剤にて貼り付けるようになした点が開示されている。
但しこの特許文献1に開示の低剛性部材は本発明の着氷プロテクタとは異なった目的のものであるのに加えて、このように着氷防止のための低剛性部材を接着剤にて貼り付けるようになした場合、接着剤を塗付する作業,その後において低剛性部材を貼り付ける作業が必要であるのに加えて接着剤が固まるまでに時間を要し、車両の組立ラインでこれを行うことは現実には困難である。
また予めロアアーム等に低剛性部材を接着剤で固着しておくにしても、その取付けのために多くの工数を要し、所要コストも高くなる。
また本発明では接着剤を用いることなく着氷プロテクタをロアアームに取付けでき、接着のためにコストが高くなってしまうといった問題も生じない。
このようにしておけば、一方の締結部材の弾性係止突起を他方の締結部材の被係止部に係止することで、一対の締結部材の各基板により固定バンドの一方の端部と他方の端部とを互いに反対側から押圧して密着状態に強い力で締結することができる。
このようにすることで、各締結部材を簡単に非接着で固定バンドの各端部に装着することができ、また装着状態において引掛爪の作用により各締結部材が組付前に各端部から脱落するのを防止することができる。
このようにしておくことで締付ベルトの保持位置を予め定めた正しい位置に定めておくことができ、また締付ベルトを締め付けるに際しても、その環状の溝の案内作用で良好にこれを行うことができる。
更にまた、この環状の溝に締付ベルトを嵌め入れておくことで、着氷プロテクタのロアアームへの組付前において、締付ベルトが着氷プロテクタから脱落するのをより効果的に防止することができる。
このようにすることで、着氷プロテクタをロアアームに取り付けるに際し、予め定めた正しい位置に取り付けることができる。
図1において、10は車両フロントのサスペンションのロアアームである。
このロアアーム10は一端がタイヤ側に連結され、また他端側は二股に分岐していて、各分岐部10-1,10-2の先端部が防振ゴムブッシュ12,14を介して車体に揺動可能に連結される。
図3にこの着氷プロテクタ16の構成が、ロアアーム10への取付前の状態で示してある。
プロテクタ本体18は板状且つ平面形状が矩形状で、ロアアーム10を取り囲むように環状に構成されている。
このプロテクタ本体18には切割22が設けられており、プロテクタ本体18はこの切割22を通じてロアアーム10に嵌め合わされる。
この固定バンド20には、ロアアーム10に沿って延びる弾性アーム24が一体に形成されており、その先端部には嵌込凸部26が設けられている。
着氷プロテクタ16は、この嵌込凸部26を図6に示すようにロアアーム10の嵌込孔27に嵌め込むことで、ロアアーム10への取付位置が位置決めされる。
ここで端部32は、ヒンジ30で折り曲げられて端部28に重ね合わされる重合部を成している。但しこの端部32は、成形時には非折曲形状で成形されている。
ここで貫通穴34は、図4に示しているように断面が段付形状をなしている。
ここで弾性係止爪44の先端部は爪部48とされている。
図示のように締結部材38は、貫通穴34の開口(図中右端の開口)よりも形状が大きな基板42が、段違い形状をなす貫通穴34の大径の凹部に端部28の内側から嵌め入れられ、その状態で一対の引掛爪46が貫通穴34の縁部に引っ掛けられて、かかる締結部材38が貫通穴34において端部28に非接着で装着されている。
そしてこの装着状態で、基板42から起立する弾性係止爪44が貫通穴34の外側に突出している。
尚固定の端部28は、図4に示しているようにプロテクタ本体18に対し角度αで傾斜しており、また端部28に対向する固定バンド20の反対側の壁部もまた同角度αで傾斜している。
即ち貫通穴34の内周面は、端部28に対し所定角度で相対的に傾斜している。
貫通穴34の内周面を端部28に対して傾けておくことで、着氷プロテクタ16の成形時において脱型を良好に行うことができる。
但しこの締結部材40は、基板50が突出形状の当接部52を有していて、この当接部52が端部32に対して外側から当接している。
この締結部材40には、基板50の中央部に被係止部としての貫通の係止孔53が設けられており、その係止孔53に、端部28に装着された締結部材38の弾性係止爪44が弾性的に係止されるようになっている。
また車両に組み付いた状態のロアアーム10に対し、限られた狭いスペース内で固定バンド20をロアアーム10に巻き付けるに際し、着氷プロテクタ16全体がゴム弾性体で構成されているため、その弾性変形を利用して容易に固定バンド20をロアアーム10に巻付固定することができる。
また本実施形態では、重合部となる一方の端部32の付根に薄肉のヒンジ30を設けて、そのヒンジ30で重合部をなす一方の端部32を折り曲げるようになしていることから、重合部をなす一方の端部32を抵抗無く簡単に且つ全体的に折り曲げることができるとともに、一方の端部32を他方の端部28に対して良好に密着状態とすることができ、ひいては一方の端部32と他方の端部28とを締結部材40,38にて隙間無く且つ強固に締結することができる。
また一対の締結部材38,40のそれぞれには引掛爪46が備えてあって、その引掛爪46を貫通穴34,36の周縁に引っ掛けることで、各締結部材38,40を固定バンド20の各端部28,32に対し非接着で簡単に装着することができ、更に装着状態において引掛爪46の引掛り作用により各締結部材38,40が着氷プロテクタ16のロアアーム10への取付前に各端部28,32から脱落するのを良好に防止することができる。
そしてこの実施形態では、プロテクタ本体18及び嵌合部56全体に亘って切割22が入れられており、この切割22において着氷プロテクタ54がロアアーム10に嵌め合わされ取り付けられるようになっている。
図7に示しているように嵌合部56には、外周面に沿って周方向に一対の突条58が環状に設けられており、それら一対の突条58と58との間に環状の溝60が形成されている。
図8に示す締付ベルト57はこれらベルト通し62に通され、そして着氷プロテクタ54のロアアーム10への取付前の状態で少なくともその一部が溝60に嵌り込んだ状態に保持されている。
また他方の端部には、所定長さに亘って対応する鋸歯状の係合歯68が設けられている。
この締付ベルト57は、他方の端部を一方の端部のリング部64に通して引っ張ることで嵌合部56を外周面から締め付けることができる。またその状態で引張り力を除いても各係合歯66,68の係合によるロック作用で緩み防止される。即ち嵌合部56がロアアーム10に対して外周面から締付固定され且つその状態にロックされる。
更にまたこの環状の溝60に締付ベルト57を嵌め入れておくことで、着氷プロテクタ54のロアアーム10への組付前において締付ベルト57が着氷プロテクタ54から脱落するのをより効果的に防止することができる。
16,54 着氷プロテクタ
18 プロテクタ本体
20 固定バンド
22 切割
24 弾性アーム
26 嵌込凸部
27 嵌込孔
28,32 端部
30 ヒンジ
34,36 貫通穴
38,40 締結部材
42,50 基板
44 弾性係止爪(弾性係止突起)
46 引掛爪
53 係止孔(被係止部)
56 嵌合部
57 締付ベルト
60 溝
62 ベルト通し
Claims (7)
- 車両のサスペンションにおけるロアアームの車体への取付部の側で該ロアアームから起立して着氷防止の堰を形成するプロテクタ本体を備えた、ゴム弾性体にて構成された着氷プロテクタの該ロアアームへの取付構造であって、
前記着氷プロテクタの一部を、前記ロアアームに巻き付けて該着氷プロテクタを該ロアアームに固定する固定バンドとして構成し、該固定バンドは、周方向の一方の端部を他方の端部に対して重ね合わされる重合部となして該重合部の付根に薄肉のヒンジを設け、該ヒンジにて該重合部を折曲可能となすとともに、更に該重合部をなす一方の端部と他方の端部とに、それらに対して別体をなし且つ互いに対をなす樹脂製の締結部材をそれぞれ非接着で装着して、一方の締結部材に設けた弾性係止突起を、他方の締結部材に設けた被係止部に係止させることで、それら一対の締結部材を介して前記固定バンドの一方の端部と他方の端部とを締結し、前記着氷プロテクタを前記固定バンドにて前記ロアアームに取り付けるようになしたことを特徴とする着氷プロテクタの取付構造。 - 請求項1において、前記固定バンドの一方の端部と他方の端部とのそれぞれに、前記締結部材の装着用の貫通穴を設けるとともに、一方の締結部材には基板と該基板から突出する前記弾性係止突起を、また他方の締結部材には基板と前記被係止部とを具備させ、それら一対の締結部材を各基板が前記固定バンドの各端部を外側から挟むようにして前記貫通穴に装着してあることを特徴とする着氷プロテクタの取付構造。
- 請求項2において、前記一対の締結部材のそれぞれには引掛爪が設けてあり、該引掛爪を前記貫通穴の周縁に引っ掛けることで該締結部材を前記固定バンドの一方の端部と他方の端部とに装着してあることを特徴とする着氷プロテクタの取付構造。
- 請求項1〜3の何れかにおいて、前記被係止部が孔であり、前記弾性係止突起が該孔に係止する爪であることを特徴とする着氷プロテクタの取付構造。
- 車両のサスペンションにおけるロアアームの車体への取付部の側で該ロアアームから起立して着氷防止の堰を形成するプロテクタ本体を備えた、ゴム弾性体にて構成された着氷プロテクタの該ロアアームへの取付構造であって、
前記着氷プロテクタには、軸方向の切割を通じて前記ロアアームに外嵌状態に嵌合される筒状の嵌合部と、該嵌合部を外周面から締め付ける締付ベルトとを設けるとともに、該嵌合部の外周面には該締付ベルトを挿通させ且つ挿通状態に保持するベルト通しが設けてあることを特徴とする着氷プロテクタの取付構造。 - 請求項5において、前記嵌合部の外周面には周方向に沿って前記締付ベルトを嵌め入れる環状の溝が設けてあることを特徴とする着氷プロテクタの取付構造。
- 請求項1〜6の何れかにおいて、前記着氷プロテクタには前記ロアアームに沿って延びる弾性アームが一体に設けられていて、該弾性アームの先端部に嵌込凸部が設けてあり、該嵌込凸部を該ロアアームの嵌込孔に嵌め込むことで、前記着氷プロテクタの取付位置を位置決めするようになしてあることを特徴とする着氷プロテクタの取付構造。
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