JP4650166B2 - 定着用部材、定着装置、画像形成装置 - Google Patents

定着用部材、定着装置、画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真方式を利用した複写機やプリンター等に適用される電磁誘導加熱用の定着用部材、それを用いた電磁誘導加熱方式の定着装置、および、この定着装置を備えた画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真方式の複写機やプリンター等の画像形成装置において、用紙等の記録媒体上に形成されたトナー像を記録媒体上に定着し、永久画像にするための工程を定着工程と呼んでいる。前記定着工程では、従来、圧力定着、オーブン定着、溶剤定着、熱圧力定着法等の方式が利用されている。しかし、これらの方式の中でも、熱を有効に伝えて未定着トナー像をより強固に定着させることができる点、および、比較的安全である点を考慮して、熱圧力定着法がもっとも一般的である。
熱圧力定着法は、未定着トナー像が形成された記録媒体を、加熱された2本のロールあるいはベルトにより構成されたニップ内を通過させ、ニップ通過時にロールあるいはベルトによって加熱され溶融状態となった未定着トナー像を、ニップに加わる圧力により記録媒体に押圧することにより記録媒体表面に定着させる方法である。この時、未定着トナー像に熱を伝えるために、ハロゲンヒーター等の加熱手段により、定着部材(ロールまたはベルト)が加熱される。
定着部材を加熱する方法として、例えば、定着部材がロール(定着ロール)である場合には、一般的には、ロールの内部に設けたハロゲンヒーターの輻射熱によりロール内から加熱する方法が用いられてきた。この方法ではロール内からの加熱であるため、本来加熱したいロール表面が定着可能な状態まで加熱されるのに時間がかかってしまう。そのため、ユーザーがコピーあるいはプリントを行う際に、待ち時間が発生してしまっていた。また、待ち時間を少しでも短くするため、待機中に定着ロール表面を定着温度以下の高温状態に加熱しつづけることが一般的に行われていたが、不使用時にも加熱しているため消費電力が大きくなり、近年の地球温暖化防止等の省エネに対する要求を満足していなかった。
そこで、省エネに対応した定着方法として、薄膜フィルムと固定ヒーターを用いた定着装置が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。このような技術開発をきっかけに、定着部材として膜厚の薄いベルトを使い、その内面に面状の抵抗発熱体を配置して、加熱する方法が広く用いられるようになった。この方法では、ロールを中央から加熱する方法に比べて、断熱層である空気層を介さなくてよい上に、ロールの芯軸を加熱する必要がないため、ロール中央から加熱する方法にくらべて定着が可能となる時間を短縮することができる。
しかし、上述のベルトと面状の抵抗発熱体とを用いた定着法では、ヒーターである面状抵抗発熱体自身が熱容量を持っており、十分に定着可能となる時間がユーザーにとって待ち時間が感じられないほどの短縮させることが難しい。加えて、面状の抵抗発熱体の軸方向の温度均一化も困難であることから、十分な省エネ化・高画質化がなされたとはいえないのが現状である。
一方、近年、電磁誘導加熱方式により定着部材を加熱する方法が検討されている(例えば、特許文献3,4参照)。この電磁誘導加熱方式による定着方法について以下にその発熱原理を説明する。
電磁誘導加熱方式を利用した定着装置(誘導加熱定着装置)では、定着部材や、加圧部材のほかに、コイルが用いられる。このコイルは定着部材の内部あるいは外部の定着部材に近接した位置に設置され、高周波電源と電気的に接続される。また、定着部材としては、金属発熱層を有する構成であれば、ロール形状であろうがベルト形状であろうが形状に関わり無く、どちらでも誘導加熱は可能である。
このような定着装置による定着は以下のように行われる。まず、高周波電源により高周波の交流電流をコイルに流す。このとき、コイルには電流の向きに応じたコイルが巻回された面に直行する向きに磁束が発生する。この磁束は、コイルに近接して設置された定着部材の金属発熱層を横切ることとなり、定着部材の金属発熱層には、この磁束を打ち消す方向に磁界を発生するような渦電流が発生する。金属発熱層は、この層を構成する金属材料と層の厚さとで決まる抵抗値を持っているため、発生した渦電流による電気エネルギーは熱エネルギーに変換される。
この時の金属発熱層の発熱により定着部材表面が加熱されるため、定着部材と加圧部材との成すニップを、未定着トナー像が形成された記録媒体が通過すると、未定着トナー像が記録媒体に加熱圧着され、定着される。
この方法では、本来加熱したい定着部材の表面を効果的、かつ、高熱効率で加熱することができるため、定着可能となるまでの時間(以下、「ウォームアップタイム」と称す場合がある)を極限まで短縮できる可能性がある。前述したように、誘導加熱定着装置では、定着部材としてロールを用いたロールタイプと、ベルトを用いたベルトタイプとがあり、いずれの場合でも定着部材に近接した位置に配置したコイルに高周波電流を流すことで、定着部材の金属発熱層に誘導起電力を生じさせ、渦電流が流れることで加熱される。
定着部材がロールタイプの場合、金属発熱層としてはロールを構成する芯金を利用することができる。そして、コイルによって渦電流が発生し加熱されるような材質・厚さの芯金を選択することで定着可能温度までの加熱が可能である。しかし、ロールタイプでは加熱されるのが芯金であることから、従来の加熱方式と比べて、定着部材表面と芯金との間に空気層が無いため定着可能な温度に達するのは速いのに対し、芯金自体に剛性が必要とされるため、数mm程度の厚さが必要とされる。その結果、金属発熱層の機能を兼ねる芯金の熱容量は大きくならざるを得なく、加熱するのには時間がかかるため、ウォームアップタイムを十分に短縮できない。
一方、定着部材がベルトタイプである場合には、金属発熱層を基材とした定着ベルトを用いる定着方法と、耐熱性樹脂からなる基材上に金属発熱層を設けた構成の定着ベルトを用いる方法とがある。金属発熱層が基材を兼ねる定着ベルトの場合、基材としてある程度の強度が必要であるため、基材の機能も兼ねる金属発熱層の厚さは数十μm〜200μm程度は必要である。このためロールタイプの定着部材ほどではないが、基材の熱容量が大きくなってしまうため、定着ベルト表面が加熱されるのにある程度の時間が必要となってしまう。
また、加圧部材とこの定着ベルトでニップを形成するために、定着ベルト内部の加圧部材と対向する位置に、ニップに押圧力を加える押圧部材を配置しなければならない。この押圧部材は通常加圧部材と均一な圧力でニップを形成し、かつニップ幅を確保するためにゴムパッドを用いるケースが多い。しかしながら、このゴムパッドと金属からなる基材との摺動性が悪いため、パッドを激しく劣化させてしまう場合があった。
一方、耐熱性樹脂からなる基材上に金属発熱層を設けたタイプの定着ベルトの場合、基材に使われる耐熱性樹脂としては、ポリイミドやポリアミドイミドなどのようなエンジニアリングプラスチックで、200℃以上の耐熱性があり、強度がある程度以上のものが使われている。基材が耐熱性樹脂からなる定着ベルトの場合は耐熱性樹脂からなる基材により強度が確保されているため、金属発熱層は発熱性能が十分に確保できるのであれば、その膜厚を薄くすることができる。そのため、金属発熱層が基材の機能も兼ねる定着ベルトと比較して、ウォームアップタイムの短縮が可能となる。また、基材が耐熱性樹脂からなるため、ニップを形成するために定着ベルトの内面に設けられるゴムパッドとの摺動性も良好である。
耐熱性樹脂からなる基材上に設けられる金属発熱層は、基材上に均一な膜厚で形成される必要がある。この金属発熱層の膜厚は、この層を構成する金属の種類にもより一概には言えないが、低抵抗な金属であるほど薄くすることができ、加えて定着可能な温度に達する時間が短くすることが可能となる。一般的には、金・銀・銅・アルミニウムなどの金属が金属発熱層を構成する材料として用いられる場合が多い。
これら金属の薄膜を耐熱性樹脂からなる基材上に形成する方法としては、めっき法・蒸着法・スパッタリング等の金属薄膜形成方法が挙げられる。金属薄膜は金属種によって適切な膜厚が存在することは前に述べた通りだが、その膜厚が薄いほど定着ベルトそのものの剛直性が緩和され、よりフレキシブルになるため適切なニップを形成しやすく、そのため良好な定着画質が得られる。また、薄いほど金属発熱層の持つ熱容量を低くできるため、ウォームアップタイムを短縮できるという利点もある。したがって、金属発熱層の形成に際しては、膜厚が薄くても十分に発熱するような低抵抗金属を選択し、この金属をなるべく薄く、かつ、均一に成膜することが必要となる。
しかしながら、上述の金属発熱層を耐熱性樹脂からなる基材上に形成した定着ベルトでは、金属発熱層の耐久性が充分でないのが現状である。特に、金属発熱層の熱容量を小さくしウォームアップタイムを短縮でき、さらに定着ベルト自体のフレキシブル性を向上させることで良好な画質を得るためには、金属発熱層の膜厚が薄ければ薄いほど好ましいが、その反面、金属発熱層の膜としての強度は低下してしまう。
また、定着部材は、記録媒体上の未定着トナー像を溶融すると同時に、圧力をかけて記録媒体により強固に固着させる。そのため、この定着ベルトに対向する位置に設けられた加圧部材(加圧ロール・加圧パッド・加圧ベルト等)との間にニップ荷重が印加して使われる。このとき、金属発熱層が薄い場合、定着に必要なニップ荷重によって、クラックや亀裂といったディフェクトを生じるケースがあった。
さらに、ニップ荷重が低い場合においても、定着ベルトがニップ内を何度も通過し、繰り返し屈曲ストレスを受けることにより金属発熱層にクラック・亀裂等のディフェクトを生じることがある。
このような定着部材において、金属発熱層にクラック・亀裂等のディフェクトが生じると、金属発熱層の抵抗が上昇したり、あるいは、金属発熱層内で電気的に絶縁状態になるため、発熱特性が低下することになる。また、発生したクラックが亀裂までにはいたらず、溝状のディフェクトになっていたとすると、局所的に膜厚が薄い部分ができた状態になり、その結果、溝部では異常発熱を起こしてしまう。この異常発熱により、定着ベルトの表面を被覆する離型層が焼けたり溶けたりして、定着部材としての耐久性を著しく低下させる原因ともなっていた。
そこで、基材を構成する耐熱性樹脂としてポリイミド樹脂を用い、基材の形成に際しこのポリイミド樹脂のイミド化率を制御することにより、基材に柔軟性を付与し、この基材上に設けられる金属発熱層への機械的なストレスを低減する技術が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
しかし、ニップにおけるストレスによっては金属発熱層が受ける機械的ストレスは、基材に柔軟性を付与しただけでは十分に緩和できないため、金属発熱層の耐久性劣化を十分に解決できるには至っていない。さらに、金属発熱層の耐久性劣化を解決するために、金属発熱層の外周側に保護層を設ける技術が提案されている(特許文献6参照)。しかしながら金属発熱層と保護層との接着性、保護層の熱容量、コストに課題がある。そこで、この解決のために保護層を金属にすることが考えられる。しかし、保護層を金属にした場合に、保護層自体の耐屈曲ストレス性が充分でなく、このままでは使えないといった問題がある。
特開昭63−313182号公報 特開平4−44074号公報 特開平11−352804号公報 特開2000−188177号公報 特開2001−341231号公報 特開2004−70191号公報
本発明は、上記問題点を解決することを課題とする。すなわち、本発明は、ウォームアップタイムが短く、耐久性の低下が抑制された定着定着用部材、これを用いた定着装置、および、この定着装置を用いた画像形成装置を提供することを課題とする。
上記課題は以下の本発明により達成される。すなわち、第1の本発明は、無端ベルト状の耐熱性樹脂層を有し、該耐熱性樹脂層の外周側に2層以上の金属層、離型層をこの順に有する定着用部材であって、少なくとも2層の前記金属層のうち、外周側金属層の固有抵抗が内周側金属層の固有抵抗よりも大きく、外周側金属層の内部応力の絶対値が5kg/mm2以下であることを特徴とする定着用部材である。
第1の本発明の定着用部材は、下記第1〜第10の態様のうち少なくとも1つの態様を具備することが好ましい。
(1)第1の態様は、前記外周側金属層に含まれる不純物金属濃度が0.1質量%以下である態様である。
(2)第2の態様は、前記内周側金属層が銅を主成分とし、前記外周側金属層がニッケルを主成分とする態様である。
(3)第3の態様は、前記内周側金属層および前記外周側金属層が、電界メッキにより形成されている態様である。
(4)第4の態様は、前記外周側金属層がニッケルを主成分とし、硫黄含有の有機化合物を添加したワット浴による電界メッキで形成されている態様である。
(5)第5の態様は、外周側金属層がニッケルを主成分とし、スルファミン酸ニッケル浴、あるいはスルファミン酸ニッケルハイスピード浴による電界メッキで形成されている態様である。
(6)第6の態様は、前記耐熱性樹脂がポリイミドを主成分とする態様である。
(7)第7の態様は、前記離型層がフッ素樹脂からなる態様である。
(8)第8の態様は、前記金属層と前記離型層との間に弾性層を有する態様である。
(9)第9の態様は、当該定着部材が無端ベルトである態様である。
(10)第10の態様は、電磁誘導装置により加熱される態様である。
第2の本発明は、無端ベルト状の耐熱性樹脂層を有し、該耐熱性樹脂層の外周側に2層以上の金属層、離型層をこの順に有する定着用部材であって、少なくとも2層の前記金属層のうち、外周側金属層の固有抵抗が内周側金属層の固有抵抗よりも大きく、内周側金属層の内部応力の絶対値が5kg/mm2以下であることを特徴とする定着用部材である。
第2の本発明の定着用部材は、下記第1〜第4の態様のうち少なくとも1つの態様を具備することが好ましい。なお、第1の本発明の好ましい態様も適宜具備することが好ましい。
(1)第1の態様は、外周側金属層の内部応力の絶対値が5kg/mm2以下である態様である。
(2)第2の態様は、耐熱性樹脂層上に2層以上の金属層を積層した全体の内部応力の絶対値が5kg/mm2以下である態様である。
(3)第3の態様は、前記内周側金属層に含まれる不純物金属濃度が0.1質量%以下である態様である。
(4)第4の態様は、前記内周側金属層が金、銀および銅のうち少なくともいずれかを主成分とする態様である。
また、本発明は、既述の本発明の定着用部材と、該定着用部材に磁界を印加する電磁誘導加熱装置と、前記定着用部材の離型層表面と当接する加圧部材と、を含む定着装置である。
さらに、本発明は、像担持体と、該像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電させた前記像担持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像を現像剤により現像しトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、前記トナー像を記録媒体に加熱定着する定着手段とを少なくとも備えた画像形成装置であって、前記定着手段が、既述の本発明の定着部材を具備する本発明の定着装置であることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、ウォームアップタイムが短く、耐久性の低下が抑制された定着用部材、これを用いた定着装置、および、この定着装置を用いた画像形成装置を提供することができる。
<第1の定着用部材>
第1の本発明である第1の定着用部材は、無端ベルト状の耐熱性樹脂層を有し、該耐熱性樹脂層の外周側に2層以上の金属層、離型層をこの順に有する。そして、少なくとも2層の金属層のうち、1の金属層である外周側金属層の固有抵抗が、他の1の金属層で外周側金属層よりも内層の内周側金属層の固有抵抗よりも大きくなっている。また、外周側金属層の内部応力の絶対値が5kg/mm2以下となっている。
本発明の定着用部材では、外周側金属層の固有抵抗が内周側金属層の固有抵抗よりも大きく、かつ、外周側金属層の内部応力の絶対値が5kg/mm2以下となっているため、繰り返し屈曲ストレスに対して良好な耐性を示す。その結果、内周側金属層の保護層して有効に働き、内周側金属層の疲労による劣化を防ぐことが可能となり、信頼性を向上させることができる。なお、以下、適宜、内周側金属層を発熱層、外周側金属層を保護層と区別し説明する。
既述のように、外周側金属層の固有抵抗が内周側金属層の固有抵抗よりも大きくなっているが、保護層の固有抵抗ρAは、発熱層の固有抵抗ρBの1倍を超えることが必要であり、2倍以上であることが好ましく、2.5倍以上であることがより好ましい。保護層の固有抵抗ρAは、発熱層の固有抵抗ρBの1倍未満である場合にはウォームアップタイムが長くなり本発明の効果を奏さなくなることがある。また、1倍を超え2倍未満の場合では、ウォームアップタイムを確実に短縮することができるが、2倍を超える場合と比べるとやや不充分な場合がある。
また、保護層の固有抵抗ρAは、発熱層の固有抵抗ρBよりも大きければ大きい程好ましいが、材料選択肢が狭まる等の実用上の観点からは、保護層の固有抵抗ρAは、発熱層の固有抵抗ρBの20倍以下であることが好ましい。ここで、固有抵抗の値は、JIS C 2525 「金属抵抗材料の導体抵抗および体積抵抗率試験方法」に準拠し、ダイアインスツルメンツ社製抵抗率計ロレスタGP MPC−T600型を用いて、4端子4探針法により測定することができる。保護層の固有抵抗ρAは、発熱層の固有抵抗ρBよりも大きいことを条件に、2Ω・m〜30Ω・mとすることが好ましく、3Ω・m〜30Ω・mとすることがより好ましい。
本発明の定着用部材(例えば、定着ベルト)は、発熱層の記録媒体が位置する側とは反対側の面に耐熱性樹脂からなる耐熱性樹脂層(以下、「基材」あるいは「耐熱樹脂層」と称す場合がある)を設けている。このため、発熱層が基材の機能を兼ねるような場合と比べると、基材の断熱効果により発熱層で発生した熱の定着用部材内面(記録媒体と接触しない側の面)側への流失が少なくなるため、ウォームアップタイムをより短縮することができる。さらに、定着用部材の内面に設けられるゴムパッドのような押圧部材との摺動抵抗を抑制することができるため、押圧部材の損傷を抑えてその寿命を延ばすことができる。
さらに、本発明の定着用部材には、発熱層の外周側に保護層が設けられている。このため、定着用部材(例えば、定着ベルト)が繰り返し回転を行うことによってニップ内で変形を繰り返すことによる機械的ストレスが、保護層により緩和されるため、長期に渡って使用しても発熱層でのクラック等の機械的ディフェクトの発生が抑制され、発熱特性を安定して維持することができる。
このような保護層を設けない場合には、発熱層は、その両面に引っ張り力あるいは圧縮力を強く受けるために、クラック等の機械的ディフェクトが発生し易く、長期に渡って使用した場合には、発熱層の電気特性や発熱特性が劣化してしまう。
また、このような保護層は、本来ならば発熱層自体に求められる機械的耐久性を肩代わりする。そのため、本発明の定着用部材(例えば、定着ベルト)では、従来よりも発熱層の厚みをより薄くすることができる。その結果、発熱層自体の熱容量を抑制でき、ウォームアップタイムをより短縮することができる。
また、定着用部材の外面(少なくとも、記録媒体と当接する側の面)には、フッ素樹脂等の表面エネルギーの低い樹脂材料から構成される離型層を設けている。このような離型層は、金属材料と比較すると熱伝導率が低い上に、強度にも劣る。しかしながら、本発明の定着用部材においては離型層を設けるような場合において、この離型層の厚みを、より熱伝導率が高く強度にも優れた保護層の厚みで置き換えることで、定着用部材全体の強度を向上させることができる上に、ウォームアップタイムもより短縮することができる。
なお、保護層は、内部応力が小さいことが必要である。内部応力が大きい場合は、応力が働いている反対側に屈曲しようとする場合にその材料がもつ伸びの限界を超え、保護層自体にクラック・亀裂が生じてしまう。クラック・亀裂を生じないようにするには内部応力の絶対値が5kg/mm2以下であることが必要である。
さらに、保護層に含まれる不純物金属の濃度は0.1質量%以下であることが好ましい。不純物金属が0.1質量%を超えると、内部応力が小さくても、脆い膜になってしまい、繰返し屈曲ストレスに対する耐性が充分ではなくなる場合がある。
ここで、不純物金属とは、例えば、保護層がニッケルを主成分とする場合は、ニッケルおよびニッケルと合金を形成している金属以外の金属成分をさす。不純物金属の濃度を0.1質量%以下とするには、例えば、メッキ処理にて保護層を形成する場合、メッキ浴内のメッキ液中の上記不純物金属の濃度を0.1質量%以下としておけばよい。メッキ液中の不純物濃度は、原子吸光やICP等により測定することができる。保護層中の不純物金属の濃度は、適切な溶媒に溶解して原子吸光やICP等により測定することができる。また、蛍光X線で測定してもよい。
なお、発熱層は銅、保護層はニッケルを主成分とすることが好ましい。発熱層は機能から、金、銀、銅、アルミニウムを選択するのが好ましいが、コスト、作りやすさの点で銅がより好ましい。銅の上に蒸着が可能で、機能、コストを考慮すると保護層はニッケルを主成分とした金属層が好ましい。
さらに、発熱層が銅、保護層がニッケルを主成分とした金属であれば、両層ともに、電界メッキにより形成することが可能であり、製造コストを低減することが可能である。
−定着ベルトの構成−
本発明の定着用部材としては、例えば、定着ベルト(無端ベルト)が挙げられる。当該定着ベルトの構成について、以下説明する。
定着ベルトは、その内周側から外周側へと、耐熱性樹脂層(基材)、発熱層、保護層、離型層がこの順に設けられた構成であれば特に限定されない。また、カラー画像の高画質化や、白黒画像の形成速度向上のために、保護層と離型層との間に弾性層を設けてもよい。以下に、当該定着ベルトを構成する各層についてより詳細に説明する。
[耐熱性樹脂層]
定着ベルトにおける耐熱性樹脂層は、後述する電磁誘導加熱方式の定着装置にこの定着ベルトを用いて繰り返し周動搬送した場合に、定着時に耐熱樹脂層に隣接して設けられた発熱層が発熱した状態でも物性低下がなく、高強度を維持できる必要がある。このため、耐熱樹脂層は耐熱性樹脂から主に構成される。
耐熱性樹脂の代わりに金属フィルムを用いた場合は、定着ベルトの内面と接触する押圧部材と金属フィルムとの摺動性を確保することが困難であるため、押圧部材を損傷してしまい、長期に渡って安定して画像を形成できない。
従って、押圧部材と接する側の層として、より摺動性の高い耐熱性樹脂から構成される耐熱樹脂層を設けることで、押圧部材との摺動抵抗がなく、押圧部材の寿命を延長させることができる。また、耐熱性樹脂には断熱効果があるため、発熱層で発生した熱を押圧部材へ逃がすことなく効率よく使うことができる。
用いることができる耐熱性樹脂としては、ポリイミド、芳香族ポリアミド、サーモトロピック液晶ポリマー等の液晶材料など、高耐熱・高強度樹脂等が挙げられるが、この中でもポリイミド、またはポリイミドを主成分(50質量%以上)としたものが好ましい。また、耐熱性樹脂中に断熱効果のあるフィラーを加えたり、耐熱性樹脂を発泡させることにより断熱効果をさらに向上させてもよい。
耐熱性樹脂層の好ましい厚さは、定着ベルトの長期に渡る繰り返しの周動搬送を可能とする剛性と柔軟性とを両立させる観点から、10〜100μmの範囲内が好ましく、30μm〜80μmの範囲内がより好ましい。また、耐熱性樹脂層の厚みが10μm未満では剛性が弱く、周動搬送中に皺になったり、両端のエッジ部分に亀裂が生じてしまう場合がある。逆に100μmを超えると、柔軟性を確保できない場合があることや熱容量が増加するためウォームアップ時間が長くなる場合がある。さらに、金属層との接着性を向上させることを狙いに耐熱樹脂層表面の粗度をRaが0.1〜5の範囲で粗くしても良い。
[発熱層]
本発明の定着ベルトにおいて、発熱層は、電磁誘導加熱定着装置において、コイルから発生する磁界により渦電流を発生させることで発熱するための層である。かかる金属としては、例えば、ニッケル、鉄、銅、金、銀、アルミニウム、クロム、錫、亜鉛などの単一もしくは2種類以上の合金のどちらでも選択可能である。この中でも銅、金、銀は固有抵抗が低いため、銅、金、銀およびこれらの合金が好ましく、コスト及び加工性から特に銅あるいは銅を主成分(当該「主成分」とは質量比で50%以上を意味し、保護層の場合も同様である)とする合金が好ましい。
特に、第2の本発明である第2の定着用部材においては、後述の発熱層は、発熱層自身が充分な耐機械的ストレス性を有していることが好ましく、そのために内部応力の絶対値が5kg/mm2以下であることを必須とし、好ましくは2kg/mm2以下、より好ましくは1kg/mm2以下である。内部応力が小さくなればそれ自身の耐機械的ストレス性が増すため0にすることが好ましいが、管理が困難となる。従って、実用的に充分な耐性を持っていれば良く、内部応力が5kg/mm2以下であれば機械的ストレスに対する実用上の耐性は十分である。内部応力が大きい場合には、後に述べる保護層を設けたとしても、信頼性の低いものとなってしまう。
また、第2の本発明である第2の定着用部材においては、発熱層に含まれる不純物金属の濃度は0.1質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.05質量%以下、さらに好ましくは0.02質量%以下である。不純物金属が0.1質量%以上であると、脆い膜になりやすく、信頼性が低下してしまうことがある。
さらに、第2の本発明である第2の定着用部材においては、発熱層は、電界メッキで形成することが好ましい。電界メッキで形成し、内部応力を所望の範囲するには、例えば、メッキ液中の不純物濃度を0.1質量%以下としたり、電流密度を0.1〜10A/dm2の範囲で好ましい値に調整したり、レベリング材や応力緩衝材を添加することが好ましく、上記条件を適宜組み合わせることがより好ましい。
発熱層の厚さは、熱容量の点から薄い方が好ましいが、厚さが3μm未満になると、抵抗値が高くなることにより、十分な渦電流が発生し難くなり発熱が不足し、ウォームアップ時間が長くなるか、或いは、定着可能な温度まで加熱することができなくなる場合がある。また、発熱層の厚さが20μmを超えると、十分な発熱は得られるものの、発熱層自体の熱容量が大きくなってしまうことからウォームアップ時間が長くなってしまう場合がある。従って、発熱層の厚さは3〜20μmの範囲であることが好ましく、5〜15μmの範囲であることがより好ましい。
また、基材と発熱層との間に無電界メッキにより形成された金属層が形成されていてもよい。従来、ポリイミド等のフレキシブル基板と銅との積層板などで、密着性が高い膜を形成するためには、真空設備を用いた蒸着やスパッタリング等のPVD法で第一の金属層を形成する場合が多い。しかし、真空設備を使った成膜方法では、特に定着ベルトのような円筒形状の基体に対してはバッチ処理が必要となるためコストアップとなる場合がある。そこで、PVD法で密着性を得る代わりに本発明における粗面化処理を行った耐熱性樹脂等で構成されている基体を使うことで、触媒反応で形成された密着力の弱い無電界メッキにより形成された金属層でも、十分な密着が得られるため、低コスト化が可能となる。
また、無電界メッキにより形成された金属層が、ニッケル、銅、クロムのうちの少なくとも一種類の金属により形成されていれば、発熱層を電界メッキで作製するための電極として使うことが可能である。
[保護層]
保護層は、発熱層に加わる機械的ストレスを緩和してクラック等のディフェクトを抑制し発熱層を保護するために、それ自身が充分な耐機械的ストレス性を有していることが好ましい。そのために内部応力の絶対値が5kg/mm2以下であることを必須とし、好ましくは2kg/mm2以下、より好ましくは1kg/mm2以下である。内部応力が小さくなればそれ自身の耐機械的ストレス性が増すため0にすることが好ましいが、管理が困難となる。従って、実用的に充分な耐性を持っていれば良く、内部応力が5kg/mm2以下であれば機械的ストレスに対する実用上の耐性は十分である。
さらに、保護層に含まれる不純物金属の濃度は0.1質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.05質量%以下、さらに好ましくは0.02質量%以下である。不純物金属が0.1質量%を超えると、脆い膜になりやすく、信頼性が低下してしまう。
また、クラック等のディフェクトを抑制し発熱層を保護するために、十分な強度が確保できる厚みを有していることが好ましい。このため、保護層の膜厚は少なくとも1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがより好ましい。
膜厚が1μm未満の場合には、発熱層を十分に保護することができず、発熱層にクラック等のディフェクトが発生し、発熱特性が低下する等の問題を招いてしまう場合がある。
従って、保護層は強度を確保する点からは厚い方が好ましいが膜厚が厚くなるに伴い熱容量も増加してしまい、結果的にウォームアップ時間が長くなってしまう場合がある。このため、保護層の膜厚は10μm以下であることが好ましく、7μm以下であることがより好ましい。
なお、保護層を構成する材料は、ニッケル、クロム、錫、亜鉛、あるいは、これらの金属を主成分とする合金を用いることが好ましい。また、発熱層が銅あるいは銅を主成分とする合金からなる場合には、保護層はニッケルあるいはニッケルを主成分とする合金からなることが好ましい。この場合の作製方法としては、電界メッキが好ましい。電界メッキを用いることで、安価で、接着性が良く、膜厚均一性な保護層を得ることが可能となる。電界めっきで作る場合は低電流でメッキすることにより不純物を簡単に取り除くことが出来るといった利点もある。
既述のように、保護層を始めとした金属層は、電界メッキで形成することが好ましい。電界メッキで形成し、内部応力を所望の範囲するには、例えば、メッキ液中の不純物濃度を0.1質量%以下としたり、電流密度を0.1〜10A/dm2の範囲で好ましい値に調整したり、レベリング材や応力緩和材を添加することが好ましく、上記条件を適宜組み合わせることがより好ましい。
また、ニッケルの電界めっき法としては、ワット浴が知られている。しかし、ワット浴で作ったニッケル膜の引張応力は大きいため、このままでは保護層としては使えない。そこで、硫黄含有有機化合物に代表される応力減少材を添加することが好ましい。応力減少材としてはサッカリン、パラトルエンスルファミド、ベンゼンジスルフォン酸、1,3,6−ナフタリントリスルフォン酸ナトリウム等がある。これらを適度に添加し、内部応力を減少させることで保護層としての使用が可能となる。添加量としては、3〜40mg/Lとすることが好ましい。
その他に、スルファミン酸ニッケル浴、スルファミン酸ニッケルハイスピード浴という方法も知られている。この方法で作った場合、温度、電流密度によって、内部応力の値が大きく変わる。従って、保護層としての使用目的に合うよう、内部応力が小さくなる条件でめっきすることが重要である。スルファミン酸ニッケル浴、スルファミン酸ニッケルハイスピード浴は液の管理が難しいという問題があるが、ニッケル膜に硫黄成分を含まないため、耐熱性に優れるといった利点がある。
[離型層]
本発明の定着ベルトは、記録媒体と当接する側の面が、定着時に溶融状態の未定着トナー像と固着するのを防ぐために、フッ素系化合物のような低表面エネルギー材料を主成分として構成される離型層を含む。
離型層に用いられるフッ素系化合物としては、例えば、フッ素ゴムや、ポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」という)、パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下、「PFA」という)、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体(以下、「FEP」という)等のフッ素樹脂などを用いることができるが、特に限定されるものではない。
また、この離型層の厚さは、10〜100μmの範囲内であることが好ましく、20〜50μmの範囲内であることがより好ましい。離型層の厚さが10μm未満であると、記録媒体のエッジでの繰り返し擦擦により離型層が摩滅する場合がある。一方、離型層の厚さが100μmを超えると表面の柔軟性がなくなり、その結果トナーを押しつぶす力が働き定着画像の粒状性が損なわれる場合がある。さらに、熱容量も大きくなるため、ウォームアップ時間が長くなったりする場合がある。
[弾性層]
本発明の定着ベルトでは、保護層と離型層との間に、更に弾性層を設けてもよい。特に、カラー画像を形成する場合に、弾性層を設けることが好ましい。
これは、カラー画像を形成する場合には、記録媒体上に黒・マゼンタ・イエロー・シアンの4色のカラートナー像が積層された状態で定着する必要があるためである。すなわち、積層されたこれら4色のカラートナー像に均一に一定以上の熱量を与えることで4色が十分に溶融しあって鮮明なカラー画像を得るため、弾性層がない定着ベルトを使うと、積層されたトナーを押しつぶしてしまう場合がある。このため、記録媒体に近い(つまり積層された下層にある)カラートナー像に対しては十分な熱が与えられないために、定着により得られるカラー画像の発色性が低下してしまう場合があるためである。
また、白黒画像を形成する場合でも、特に高速化に対応するためには弾性層を設けることが好ましい。これは弾性層を設けることで弾性層がニップ領域内で変形し、低荷重でも十分なニップ幅が得られるために、高速であってもトナー像への熱の受け渡しができて定着が可能となるからである。
なお、弾性層を構成する材料としては、公知の弾性材料を用いることができ、このような弾性材料としては、例えば、シリコーンゴムやフッ素ゴムのような耐熱性のゴムを用いることが好ましい。
このような耐熱性のゴムとしては、例えば、東レダウコーニングシリコーン社製の液状シリコンゴムSE6744や、DuPont Dow elastmers社製のバイトンB−202等が挙げられる。
−定着ベルトの製造方法−
本発明の定着用部材の一形態として、定着ベルトを挙げ、その製造方法を説明する。当該製造方法としては、公知の方法を利用することができる。なお、発熱層や保護層は膜厚が薄く、これらの層単体での取り扱いが難しいため、耐熱性樹脂層上に、発熱層と保護層と離型層とをこの順に形成することが好ましい。また、必要に応じて弾性層等を適宜形成することができる。
なお、保護層上に、「離型層」、あるいは、「弾性層と離型層と」を塗布法により形成する場合には、これらの層を塗布形成する前に、保護層表面や弾性層表面に必要に応じて適切なプライマー材料による前処理を行うことが好ましい。このような前処理を行うことにより各層間の接着性をより向上させることができる。
なお、保護層上に「離型層」、あるいは、「弾性層と離型層と」を塗布法により積層形成する場合には、塗布形成された塗膜を加熱処理するプロセスを経て離型層や弾性層が形成される。
このような塗膜の加熱処理に際して、保護層が酸化しやすい金属から構成される場合には、保護層表面が酸化して、保護層表面に形成される層との密着性が低下してしまう場合がある。このような場合には、塗膜の加熱処理を不活性ガス(窒素ガス・アルゴンガス等)雰囲気下で行うことが好ましい。
<第2の定着用部材>
第2の本発明である第2の定着用部材は、無端ベルト状の耐熱性樹脂層を有し、該耐熱性樹脂層の外周側に2層以上の金属層、離型層をこの順に有し、少なくとも2層の前記金属層のうち、外周側金属層の固有抵抗が内周側金属層の固有抵抗よりも大きく、内周側金属層の内部応力の絶対値が5kg/mm2以下となっている。
第2の定着用部材では、外周側金属層の固有抵抗が内周側金属層の固有抵抗よりも大きく、かつ、内周側金属層の内部応力の絶対値が5kg/mm2以下となっているため、繰り返し屈曲ストレスに対して良好な耐性を示す。
なお、内周側金属層の内部応力の絶対値が5kg/mm2以下となっていることを必須とし、下記のような態様を適宜具備すること以外は、既述の第1の本発明である第1の定着用部材と同様である。
まず、発熱層に含まれる不純物金属の濃度は0.1質量%以下であることが好ましい。不純物金属が0.1質量%を超えると、内部応力が小さくても、脆い膜になってしまい、繰返し屈曲ストレスに対する耐性が充分ではなくなる場合がある。
ここで、不純物金属とは、例えば、発熱層が銅を主成分とする場合は、銅および銅と合金を形成している金属以外の金属成分をさす。不純物金属の濃度を0.1質量%以下とするには、例えば、メッキ処理にて発熱層を形成する場合、メッキ浴内のメッキ液中の上記不純物金属の濃度を0.1質量%以下としておけばよい。メッキ液中の不純物濃度は、原子吸光やICP等により測定することができる。保護層中の不純物金属の濃度は、適切な溶媒に溶解して原子吸光やICP等により測定することができる。また、蛍光X線で測定してもよい。
メッキ液中の不純物は、0.2〜0.5A/dm2程度の電流値で10時間から30時間程度のメッキ操作を行うことで取り除くことが可能である。
本発明の定着用部材(例えば、定着ベルト)は、発熱層の記録媒体が位置する側とは反対側の面に耐熱性樹脂からなる耐熱性樹脂層(「基材」あるいは「耐熱樹脂層」ともいう)を設けている。このため、発熱層が基材の機能を兼ねるような場合と比べると、基材の断熱効果により発熱層で発生した熱の定着用部材内面(記録媒体と接触しない側の面)側への流失が少なくなるため、ウォームアップタイムをより短縮することができる。さらに、定着用部材の内面に設けられるゴムパッドのような押圧部材との摺動抵抗を抑制することができるため、押圧部材の損傷を抑えてその寿命を延ばすことができる。
さらに、本発明の定着用部材には、発熱層の外周側に保護層が設けられている。保護層を設けることでベルトを折り曲げた時の中立軸を発熱層の中心近傍に調整することが可能となる。中立軸を発熱層の中心近傍にすることで、定着用部材(例えば、定着ベルト)が繰り返し回転を行うことによってニップ内で変形を繰り返すことにより発熱層が受ける機械的ストレスをより少なく出来る。つまり、長期に渡って使用しても発熱層でのクラック等の機械的ディフェクトの発生が抑制され、発熱特性を安定して維持することができる。
ベルト状部材の中立軸は、次式によって算出される。このベルト状部材の表面を基準とし、厚さ方向の距離をy、表面からi番目の層の断面積をAi、この層の幅をbi、弾性係数をEiとすると、ベルト状部材の表面から中立軸までの距離y0は次式(式1)で定義される。
Figure 0004650166
ここで、単位幅(b=1)当りを考えると、dAi=dyiとなり、ベルト状部材の表面から中立軸までの距離y0は次式(式2)で表される。
Figure 0004650166
中立軸の位置は発熱層の上端から1/3〜2/3の範囲にあることが好ましい。ベルトを折り曲げた時の中立軸が発熱層の中心近傍にない場合は、定着ベルトが繰り返し回転を行うことによってニップ内で変形を繰り返すことによる機械的ストレスにより、短時間で発熱層にクラックが生じてしまい、発熱特性が劣化してしまう。
このような保護層を設けない場合には、発熱層は、その両面に引っ張り力あるいは圧縮力を強く受けるために、クラック等の機械的ディフェクトが発生し易く、長期に渡って使用した場合には、発熱層の電気特性や発熱特性が劣化してしまう。
また、このような保護層は、本来ならば発熱層自体に求められる機械的耐久性を肩代わりする。そのため、本発明の定着用部材(例えば、定着ベルト)では、従来よりも発熱層の厚みをより薄くすることができる。その結果、発熱層自体の熱容量を抑制でき、ウォームアップタイムをより短縮することができる。
定着用部材の外面(少なくとも、記録媒体と当接する側の面)には、例えば、フッ素樹脂等の表面エネルギーの低い樹脂材料から構成される離型層を設けている。このような離型層は、金属材料と比較すると熱伝導率が低い上に、強度にも劣る。しかしながら、本発明の定着用部材においては離型層を設けるような場合において、この離型層の厚みを、より熱伝導率が高く強度にも優れた保護層の厚みで置き換えることで、定着用部材全体の強度を向上させることができる上に、ウォームアップタイムもより短縮することができる。
なお、保護層は、内部応力が小さいことが必要である。内部応力が大きい場合は、応力が働いている反対側に屈曲しようとする場合にその材料がもつ伸びの限界を超え、保護層自体にクラック・亀裂が生じてしまう。クラック・亀裂を生じないようにするには内部応力の絶対値が5kg/mm2以下であることが必要である。
さらに、保護層に含まれる不純物金属の濃度は0.1質量%以下であることが好ましい。不純物金属が0.1質量%を超えると、内部応力が小さくても、脆い膜になってしまい、繰返し屈曲ストレスに対する耐性が充分ではなくなる場合がある。
ここで、不純物金属とは、例えば、保護層がニッケルを主成分とする場合は、ニッケルおよびニッケルと合金を形成している金属以外の金属成分をさす。不純物金属の濃度を1質量%以下とするには、例えば、メッキ処理にて保護層を形成する場合、メッキ浴内のメッキ液中の上記不純物金属の濃度を0.1質量%以下としておけばよい。メッキ液中の不純物濃度は、原子吸光やICP等により測定することができる。保護層中の不純物金属の濃度は、適切な溶媒に溶解して原子吸光やICP等により測定することができる。また、蛍光X線で測定してもよい。
なお、発熱層は金、銀、銅の少なくともいずれかを主成分(50質量%以上)とし、保護層はニッケルを主成分とすることが好ましい。発熱層は機能から、金、銀、銅、アルミニウムを選択するのが好ましいが、金,銀,銅を選択することで膜厚を薄く出来、好ましい。さらに、コスト、作りやすさの点で銅がより好ましい。金,銀、銅の上に蒸着が可能で、機能、コストを考慮すると保護層はニッケルを主成分とした金属層が好ましい。
さらに、発熱層が金、銀、銅のいずれかを主成分とし、保護層がニッケルを主成分とした金属であれば、両層ともに、電界メッキにより形成することが可能であり、製造コストを低減することが可能である。
<定着装置および画像形成装置>
次に、本発明の定着用部材(定着ベルト)を用いた本発明の定着装置、および、この定着装置を用いた本発明の画像形成装置について説明する。
−定着装置−
本発明の定着用部材(定着ベルト)は、公知の電磁誘導加熱方式の定着装置(電磁誘導加熱定着装置)の定着ベルトに用いることができる。本発明の定着部材(定着ベルト)を用いた定着装置は、長期に渡って使用しても定着ベルトの発熱特性が低下しないため、安定して高画質を得ることができると共に、待機電力が少なくて済むために省エネルギーである。なお、本発明の定着装置は以下のような構成であることが好ましい。
すなわち、本発明の定着装置は、磁界が印加された際に発生する渦電流により発熱する発熱層を含む本発明の定着ベルトと、該定着ベルトに当接してニップを形成し回転する加圧部材と、前記定着ベルトの前記加圧部材が設けられた側と反対側の面を押圧する押圧部材と、交番電流を流すことにより前記発熱層に磁界を印加する励磁コイルとを少なくとも含む構成を有していることが好ましい。
このような定着装置における定着は、未定着トナー像が形成された記録媒体を、定着ベルトと加圧部材との間に形成されたニップに、未定着トナー像が加熱された定着ベルトと当接するように挿通させて行われる。この際、記録媒体がニップを通過する際に、未定着トナー像が溶融した状態で押圧され記録媒体表面に定着される。
次に、このような定着装置の具体例について、図面を用いてより詳細に説明する。
図1は本発明の定着ベルトを用いた電磁誘導加熱定着装置の一例を示す概略断面図である。図1において、10は、本発明の定着ベルトである。この定着ベルト10に接するように加圧部材11(この図では加圧ロール)が配され、定着ベルト10と加圧部材11との間にニップを形成している。加圧部材11は、基材11a上にシリコーンゴム等による弾性体層11bが形成され、さらにその上層にフッ素系化合物による離型層11cが形成された構成を有する。
定着ベルト10の内側には、加圧部材11と対向する位置に、定着ベルト10の内面を押圧し、局所的にニップ圧を高める押圧部材13が設けられている。この押圧部材13は、定着ベルト10の内面に接してニップを押圧するニップヘッド13bと、このニップヘッド13bを保持するシリコーンゴム等からなるニップパッド13cと、ニップパッド13cを支持する支持体13aとから構成されている。
さらに、定着ベルト10を中心として加圧部材11と対向する位置に、電磁誘導コイル(励磁コイル)12aを内蔵した電磁誘導加熱装置12が設けられている。電磁誘導加熱装置12は、電磁誘導コイルに交流電流を印加することにより、発生する磁場を励磁回路で変化させ、定着ベルト10の発熱層に渦電流を発生させるものである。この渦電流が発熱層の電気抵抗によって熱(ジュール熱)に変換され、結果的に定着ベルト10の表面が発熱する。尚、電磁誘導加熱装置12は、定着ベルト10内のニップ領域に対して回転方向Bの上流に設置されていてもよい。
次に、図1に示す電磁誘導加熱定着装置による定着について説明する。まず、不図示の駆動装置により加圧部材11が矢印C方向に回転し、それにつれて定着ベルト10も矢印B方向に従動回転する。ここで、未定着トナー像14が形成された記録媒体15は矢印A方向に、定着装置のニップ部に挿通される。この際、未定着トナー像14は溶融状態で記録媒体15表面に押圧され、記録媒体15表面に定着される。
尚、図1に示した例では、駆動方法はベルト駆動(ロールが従動)であるが、ロール駆動(ベルトが従動)であってもよい。
なお、図1に示す定着装置に用いる定着ベルト10としては、例えば、図2のような構成を有するものが利用できる。図2は本発明の定着ベルトの構成例を示す模式断面図である。
図2に示す定着ベルト10は、耐熱性樹脂層10aの外周面上に、電磁誘導作用により自己発熱する導電部材からなる発熱層10bと、保護層10cと、弾性層10dと、フッ素系化合物を含む離型層10eとが順に形成された構成を有している。
次に、電磁誘導作用による発熱層10bの発熱原理を以下に説明する。まず、不図示の励磁回路により電磁誘導コイル12aに交流電流が印加されると、電磁誘導コイル12aの周囲に磁束が生成消滅を繰り返す。この磁束が定着ベルト10の発熱層10bを横切るとき、その磁束の変化を妨げる磁界を生じるように発熱層10b中に渦電流が発生する。この渦電流と発熱層10bの固有抵抗によってジュール熱が発生する。
前記渦電流は、表皮効果のためにほとんど発熱層10bの電磁誘導加熱装置12側の面に集中して流れ、発熱層10bの表皮抵抗Rsに比例した電力で発熱を生じる。ここで、角周波数をω、透磁率をμ、固有抵抗をρとすると、表皮深さδは下式(A)で示される。
・式(A) δ=(2ρ/ωμ)1/2
さらに、表皮抵抗Rsは下式(B)で示される。
・式(B) Rs=ρ/δ=(ωμρ/2)1/2
また、定着ベルト10の発熱層10bに発生する電力Pは、定着ベルト10中を流れる電流をIhとすると、次式(C)で表わされる。
・式(C) P∝Rs∫|Ih|2dS
したがって、表皮抵抗Rsを大きくするか、あるいは電流Ihを大きくすれば電力Pを増すことができ、発熱量を増すことが可能となる。ここで表皮深さδ(m)は、励磁回路の周波数f(Hz)と、比透磁率μrと、固有抵抗ρ(Ω・m)により下式(D)で表わされる。
・式(D) δ=503(ρ/(fμr))1/2
これは電磁誘導で使われる電磁波の吸収の深さを示しており、これより深いところでは電磁波の強度は1/e以下になっており、逆に言うとほとんどのエネルギーはこの深さまで吸収されている。
ここで、発熱層10bの厚みは、上記式で表わされる表皮深さより厚く(好ましくは3〜20μm)することが好ましい。発熱層16bの厚みが3μmよりも小さいと、ほとんどの電磁エネルギーが吸収しきれないため効率が悪くなる場合があるためである。
−画像形成装置−
次に、本発明の定着装置を用いた画像形成装置について説明する。本発明の画像形成装置は、電子写真方式を利用した公知の画像形成装置において、定着装置として本発明の定着装置を用いるものであれば特に限定されないが、以下のような構成を有していることが好ましい。
すなわち、本発明の画像形成装置は像担持体と、該像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電させた前記像担持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像を現像剤により現像しトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、前記トナー像を記録媒体に加熱定着する定着手段とを少なくとも備えた構成を有する。そして、前記定着手段が、本発明の定着装置となっている。また、必要に応じて公知の他の機構や部材を備えていてもよい。
このような本発明の画像形成装置は、長期に渡って使用しても定着ベルトの発熱特性が低下しないため、安定して高画質を得ることができると共に、待機電力が少なくて済むために省エネルギーである。以下に本発明の画像形成装置を、図面を参照して説明する。
図3中、1は感光ドラム(像担持体)、2は帯電装置、3はレーザースキャナ(静電潜像形成装置)、4はミラー、7はクリーニング装置、8は除電装置、9は加圧定着ロール、110は加圧パッド、130は給紙ユニット、140は給紙ローラ、150はレジストローラ、16は記録媒体ガイド、17は回転式現像装置(現像手段)、18は電磁誘導加熱装置、20’は無端ベルト(定着ベルト)、22は転写ロール、23は中間転写体、40は画像形成装置を表す。
図3において、感光ドラム1の周囲に沿って矢印R’方向に順に、感光体ドラム1に近接して設けられその表面を帯電させる(非接触型の)帯電装置2と、感光体ドラム1の表面に形成された潜像にトナーを付与することによりトナー像を形成する回転式の現像装置17と、外周面が感光ドラム1表面に当接し矢印S’方向および矢印T’方向の両方に回転可能な中間転写体23と、中間転写体23表面にトナー像を転写した後の感光ドラム1表面を清掃するクリーニング装置7と、感光ドラム1表面を除電する除電装置8とが設けられている。
なお、帯電装置2と現像装置17との間の感光ドラム1表面には、感光体1表面に潜像を形成するために、各色の画像情報(信号)に応じたレーザー光が、ミラー4を介してレーザースキャナ3より照射される。
現像装置17は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のトナーをそれぞれ収容した各色の現像器(不図示)を備えており、現像装置17が回転することにより、感光体1表面に形成された潜像に各色のトナーを付与し、トナー像を形成することが可能である。
中間転写体23の周囲には、感光ドラム1の他に、転写ロール22が設けられている。中間転写体23の外周面と転写ロール22表面とは圧接し、該圧接部を記録媒体が矢印U’方向に挿通可能であり、前記圧接部を記録媒体が通過した際に、中間転写体23表面に保持されたトナー像が、記録媒体の表面に転写される。また、圧接部に対して、矢印U’方向と反対側には給紙装置が設けられ、矢印U方向側には定着装置が設けられている
給紙装置は、給紙ユニット130、給紙ローラ140、レジストローラ150および記録媒体ガイド16から構成される。中間転写体23と感光ドラム1との圧接部への給紙は、給紙ユニット130に収納された記録媒体が、給紙ユニット130に内蔵された不図示の記録媒体押し上げ手段により給紙ローラ140に接触する位置まで押し上げられ、前記記録媒体が給紙ローラ140に接触した時点で、給紙ローラ140およびレジストローラ150が回転することにより記録媒体ガイド16に沿って矢印U’方向に搬送されることにより行われる。
また、前記定着装置は、加圧定着ロール9と、加圧パッド110と、電磁誘導加熱装置18と、無端ベルト(定着ベルト)20’とから構成される。無端ベルト20’の外周面には、該外周面と当接しニップを形成するように加圧定着ロール9が設けられている。但し、前記ニップは、矢印U’方向に対して、中間転写体23側に無端ベルト20’が配置され、転写ロール22側に加圧定着ロール9が配置されることにより形成される。
無端ベルト20’および加圧定着ロール9は、それぞれ、矢印V方向および矢印V’方向に連動して回転可能である。また、無端ベルト20’を挟んで、加圧定着ロール9と対向し、加圧定着ロール9表面を押圧するように、無端ベルト20’の内周面には加圧パッド110が設けられている。さらに、加圧パッド110に対して、加圧定着ロール9とほぼ反対側に、無端ベルト20の外周面に対向し且つ近接するように電磁誘導加熱装置18が設けられている。
次に、画像形成装置40における転写および加熱定着について以下に説明する。まず、感光ドラム1表面に形成された各色のトナー像は、感光ドラム1と中間転写体23との間に印加されたバイアス電圧により、感光体1と中間転写体23との当接部において、各色のトナー像毎に画像情報と一致するように中間転写体23外周面に重ねて転写される。このようにしてカラーのトナー像がその外周面に転写された中間転写体23は矢印T’方向に回転し、前記トナー像は、転写ロール22と中間転写体23との圧接部において、前記給紙装置によって、前記圧接部に搬送されてきた記録媒体表面に転写される。
トナー像がその表面に転写された記録媒体は、矢印U’方向に移動し、前記定着装置により加熱定着され、記録媒体表面に画像が形成される。この加熱定着のプロセスについては既述の通りで、無端ベルト20’外周面は、該外周面に対向して設けられた電磁誘導加熱装置18により加熱される。なお、この加熱プロセスは、図3で説明したようなプロセスと同様である。外周面が十分に加熱された無端ベルト20’は矢印V方向へ回転し、加圧定着ロール9との当接部において、該当接部を矢印U方向へと挿通される記録媒体表面のトナー像を加熱溶融することにより加熱定着する。このようにしてカラー画像がその表面に形成された記録媒体はさらに矢印U方向に搬送され、画像形成装置40の外部に排出される。
以下、本発明の実施例を説明する。但し、実施例で用いた本発明の定着ベルトの作製方法は以下の例のみに限定されるわけではない。
[実施例A]
(実施例1〜3、比較例1)
−定着ベルトの作製−
耐熱性樹脂層の材料として、ポリイミド樹脂(商品名:Uワニス−S、宇部興産製)を用いて膜厚60μm、外径30mmの無端状ベルトを作製した。次に、この無端状ベルトの外周面にアルカリエッチング処理を行い、洗浄し、外周面に無電解ニッケルめっき処理を行ってニッケル層を0.5μm形成した。次にこの無電解ニッケルめっき膜を電極として、この上に電界メッキ処理により膜厚10μmの銅層(内周側金属層)を形成した。なお、上記電界メッキ処理の条件として、使用したメッキ液は、硫酸銅(70g/L)、硫酸(200g/L)、塩酸(50mg/L)からなり、電流密度は0.2A/dm2とした。
続いて、この銅層上に表1に示す液組成条件による電界メッキ処理により膜厚5μmのニッケル層(外周側金属層)を形成した。この際に、下記表2に示すように、レベリング材の添加量を変え、内部応力が異なる4種類のサンプルを作製した。さらに、このニッケル層上に、フッ素樹脂(PFA)ディスパージョン塗料(商品名:EN−710CL、三井デュポンフロロケミカル社製)を塗布し、その後380℃の炉内に1時間放置して、フッ素樹脂塗膜を焼成することにより膜厚30μmのPFA層(離形層)を形成し、定着用部材(定着ベルト)を作製した。なお、メッキ液中の不純物金属濃度は、サンプルとしてメッキ液をそのまま用い、CVS(Cyclic Voltammetric Stripping Analysis)測定器であるQUALILAB QL−P(ECI TECHNOLOGY社製)により測定した。その結果、メッキ液中の不純物金属濃度は、0.05質量%であった。
Figure 0004650166
Figure 0004650166
上記表2に示すように、レベリング材の添加量を調整することで、外周側金属層の内部応力を変えられることが確認できた。ここで、内部応力は、スパイラル応力計(山本鍍金試験器株式会社製)を用い、ステンレス鋼でできた厚さ0.2mm、幅20mmを用い、スパイラル状の試験片を作成し、スパイラル応力計にセットし、この試験片に上記メッキ液を用い、上記のメッキ条件と同じ条件でメッキを行い測定し求めた。
上記知見から、レベリング材の添加量を変えて、外周側金属層の内部応力が下記表3に示すような定着ベルトを作製した(実施例1〜3および比較例1)。ダイアインスツルメンツ社製抵抗率計ロレスタGP MPC−T600型により測定した外周側金属層および内周側金属層の固有抵抗は、それぞれ、6.8Ωmおよび1.7Ωmであった。
−定着装置−
実施例1〜3および比較例1のそれぞれの定着ベルトを用いて、以下のようにして定着装置を作製した。すなわち、当該定着ベルト、加圧ロール、励磁コイル(電磁誘導コイル)、および、定着ベルトと加圧ロールを圧接するための押圧部材を具備する電磁誘導加熱定着装置を作製した。この定着装置の詳細について説明する。
押圧部材は、定着ベルトの内径と略同一の外径部と、この外径部より大きな外形部と、定着ベルトの両端部にはめ込んで定着ベルトの軸方向への移動を規制するためのエッジガイドと、定着ベルトの内径より小さな径をもち加圧用ゴムパッド取り付け部を有するフォルダと、加圧用ゴムパッドとからなるものである。
なお、この定着装置の組み立てに際しては、押圧部材、定着ベルト、加圧ロールは以下のように配置した。
まず、フォルダのパッド取り付け部に加圧用ゴムパッドを固定した後に、押圧部材を定着ベルトの内周側に挿入したうえで、定着ベルトの両端部に押圧部材のエッジガイドを装着させた。続いて、押圧部材を内周側に設けた定着ベルトの外周面の周方向の一部分を加圧ロールと接触させて、加圧ロールの軸と押圧部材との間に荷重をかけることで、押圧部材のゴムパッドと加圧ロールとが、定着ベルトを介して圧接させニップを形成させた。なお、本実施例とは直接関係はないが、加圧ロールのかわりに2本もしくはそれ以上のシャフトやローラに張った加圧ベルトを用いて、定着ベルトに圧接させてニップを形成してもよい。
エッジガイド、フォルダを構成する材料としては、交流電流による誘導起電力の発生がなく、定着温度領域での耐熱性を有する樹脂(PPS)を用いた。
また、この定着装置に用いた励磁コイルは、互いに絶縁されたφ0.5mmの銅線を16本束ねたリッツ線を用いて、これを定着ベルトの幅より長く、定着ベルトの円周方向長さの1/6〜1/4を覆う程度の幅を持つように巻回すると共に、定着ベルトの曲率に倣うような曲率を持たせることで、励磁コイルと定着ベルトとのギャップが均一になるように形成した。なお、励磁コイルと定着ベルトとのギャップが2mmになるように定着ベルトの外周面上に固定した。
定着に際しては、この励磁コイルに、励磁回路により交流電流を流すことにより、励磁コイルの周囲に磁界を発生させる。従って、発生した磁界が定着ベルトの発熱層を横切る際に、電磁誘導により横切った磁界を打ち消す方向の磁界を発生させるような渦電流が発熱層内に発生する。これにより、このときの渦電流値と発熱層の持つ抵抗に応じた発熱が得られる。
加圧ロールは外径16mmの中実シャフト上に、弾性層として膜厚12mmの発泡シリコーンゴム層を設け、さらにこの層を、膜厚30μmのPFAチューブを被覆したものである。
この加圧ロールは、具体的には以下のようにして作製した。まず、PFAチューブの内周面に接着用プライマーを塗布した外径50mm、長さ340mm、厚さ30μmのフッ素樹脂チューブと、中実シャフトとを成形金型内にセットした。続いて、フッ素樹脂チューブと中実シャフトと間に液状発泡シリコーンゴムを層厚が2mmとなるように注入後、加熱処理(150℃×2hrs)によりシリコーンゴムを加硫、発泡させて弾性層を形成することにより加圧ロールを作製した。
この加圧ロールはギアを介してモーターと接続されており、加圧ロールを駆動することにより定着ベルトを従動させて、記録媒体を搬送するようにした。
−評価−
定着装置の評価は、上述の電磁誘導加熱定着装置をDocuCentre Color400(富士ゼロックス社製)の定着装置を本発明の電磁誘導加熱定着装置に置き換えた改造機に装着し、用紙として富士ゼロックス社製J紙を用いた20万枚の通紙テストを行い評価した。
評価項目は、定着ベルトの電気特性である力率の20万枚通紙前後での変化である。ここで、力率とは励磁コイルに高周波電流を流したときの定着ベルトに設けた発熱層に渦電流が発生した結果、励磁コイルに流している電流及び電圧の位相差θを測定したときの、cosθの値を意味する。位相差θが0に近いほど力率は高くなり、より発熱しやすい状態であるといえる。なお、力率の具体的な測定・評価方法は以下の通りである。
<力率>
図1の定着装置において、電磁誘導装置12を横河電機社製インピーダンスメーターWT1600FCに変え、20kHzの高周波電流を励磁コイルに流した時の、電流及び電圧の位相差θを測定し、力率(cosθ)を算出した。本願では、通紙テスト前の力率を1.0としたときの通紙後力率を相対評価した。なお、この場合の力率は、0.9以上であると実用上問題ないといえる。
−評価結果−
この電磁誘導加熱定着装置に、実施例1で得られた定着ベルトを用いて20万枚の通紙テストを行った。通紙試験前の力率を1としたときの通紙後の力率結果を下記表3に示す。
Figure 0004650166
ニッケル膜の内部応力が−5kg/mm2の実施例1に係るサンプルは、力率が通紙前に比べ1割低下していたが、定着部材表面および画質欠陥は見当たらなかった。内部応力が−0.5kg/mm2の実施例2に係るサンプル、および、2kg/mm2の実施例3に係るサンプルは力率の低下は観察されず、定着部材の外観および画質共にまったく問題がなかった。内部応力が10kg/mm2の比較例1に係るサンプルは、定着部材表面に欠陥が見られ、また画質上も欠陥が見られ、耐久性に問題があった。
(実施例4〜6、比較例2)
実験に先立ちニッケル電界めっきを行うメッキ液に0.5A/dm2の電流密度で10時間のめっき作業を行い不純物金属をさらに取り除き、実施例1と同様に実施して、下記表4に示すような定着ベルトを作製した。この時の保護層であるニッケル膜の不純物金属濃度は、サンプルとしてメッキ液をそのまま用い、CVS(Cyclic Voltammetric Stripping Analysis)測定器であるQUALILAB QL−P(ECI TECHNOLOGY社製)により測定した。その結果、メッキ液中の不純物金属濃度は、0.05質量%であった。
Figure 0004650166
実施例1〜3に比べ、ニッケル膜の内部応力が同じサンプルで比較した場合、通紙後の力率は同等以上になっており、不純物をより除去した効果が確認できた。しかし、ニッケル膜の内部応力が10kg/mm2の比較例2のサンプルは、定着部材表面に欠陥が見られ、また画質上も欠陥が見られ、耐久性に問題があった。
(実施例7〜9、比較例3)
保護層を形成するめっき液の組成および条件を下記表5および6のように設定し、0.5A/dm2の電流密度で10時間めっき作業を行い不純物金属を取り除き、実施例1と同様にして定着ベルトを作製した。
Figure 0004650166
Figure 0004650166
表6から、電流密度を変化させることでも内部応力を制御できることが確認された。そこで、電流密度を変化させることで、外周側金属層の内部応力が下記表7に示すような定着ベルトを作製した(実施例7〜9および比較例3)。
実施例1の場合と同様にして、電磁誘導加熱定着装置作製し、これをDocuCentre Color400(富士ゼロックス社製)の定着装置の代わりに装着し、富士ゼロックス社製J紙を用いた20万枚の通紙テストを行い評価した。
Figure 0004650166
ニッケル膜の内部応力が5kg/mm2以下の3サンプル(実施例7〜9)については、定着部材表面および画質上の欠陥は見られなかった。ニッケル膜の内部応力が10kg/mm2のサンプル(比較例3)は定着部材表面に欠陥が見られ、また画質上も欠陥が見られ、耐久性に問題があった。
[実施例B]
(実施例1〜3、比較例1)
−定着ベルトの作製−
耐熱性樹脂層の材料として、ポリイミド樹脂(商品名:Uワニス−S、宇部興産製)を用いて膜厚60μm、外径30mmの無端状ベルトを作製した。次に、この無端状ベルトの外周面にアルカリエッチング処理を行い、洗浄し、外周面に無電解ニッケルめっき処理を行ってニッケル層を0.5μm形成した。次にこの無電解ニッケルめっき膜を電極として、この上に電界メッキ処理により膜厚10μmの銅層(内周側金属層)を形成した。この時の電界銅めっき液組成は下記表8に示すものを使った。
ここで、電流密度およびレベリング剤種類・添加量を調整し、内部応力の異なる4種類のサンプルを作製した。このとき、CVS測定器であるQUALILAB QL−P(ECI TECHNOLOGY社製)により測定したメッキ液中の不純物金属濃度は、0.05wt%であった。また、内部応力は、スパイラル応力計(山本鍍金試験器株式会社製)で求めた。
Figure 0004650166
続いて、この銅層上に下記表9に示す条件による電界メッキ処理により膜厚5μmのニッケル層(外周側金属層)を形成した。さらに、このニッケル層上に、シリコンゴム弾性層を200μm塗布し、200℃で1時間乾燥した。さらにフッ素樹脂(PFA)ディスパージョン塗料(商品名:EN−710CL、三井デュポンフロロケミカル社製)を塗布し、その後380℃の炉内に1時間放置して、フッ素樹脂塗膜を焼成することにより膜厚30μmのPFA層(離形層)を形成し、定着用部材(定着ベルト)を作製した。なお、ダイアインスツルメンツ社製抵抗率計ロレスタGP MPC−T600型により測定した外周側金属層および内周側金属層の固有抵抗は、それぞれ、6.8Ωmおよび1.7Ωmであった。
Figure 0004650166
−定着装置−
実施例1〜3および比較例1のそれぞれの定着ベルトを用いて、以下のようにして定着装置を作製した。すなわち、当該定着ベルト、加圧ロール、励磁コイル(電磁誘導コイル)、および、定着ベルトと加圧ロールを圧接するための押圧部材を具備する電磁誘導加熱定着装置を作製した。この定着装置の詳細について説明する。
押圧部材は、定着ベルトの内径と略同一の外径部と、この外径部より大きな外形部と、定着ベルトの両端部にはめ込んで定着ベルトの軸方向への移動を規制するためのエッジガイドと、定着ベルトの内径より小さな径をもち加圧用ゴムパッド取り付け部を有するフォルダと、加圧用ゴムパッドとからなるものである。
なお、この定着装置の組み立てに際しては、押圧部材、定着ベルト、加圧ロールは以下のように配置した。
まず、フォルダのパッド取り付け部に加圧用ゴムパッドを固定した後に、押圧部材を定着ベルトの内周側に挿入したうえで、定着ベルトの両端部に押圧部材のエッジガイドを装着させた。続いて、押圧部材を内周側に設けた定着ベルトの外周面の周方向の一部分を加圧ロールと接触させて、加圧ロールの軸と押圧部材との間に荷重をかけることで、押圧部材のゴムパッドと加圧ロールとが、定着ベルトを介して圧接させニップを形成させた。なお、本実施例とは直接関係はないが、加圧ロールのかわりに2本もしくはそれ以上のシャフトやローラに張った加圧ベルトを用いて、定着ベルトに圧接させてニップを形成してもよい。
エッジガイド、フォルダを構成する材料としては、交流電流による誘導起電力の発生がなく、定着温度領域での耐熱性を有する樹脂(PPS)を用いた。
また、この定着装置に用いた励磁コイルは、互いに絶縁されたφ0.5mmの銅線を16本束ねたリッツ線を用いて、これを定着ベルトの幅より長く、定着ベルトの円周方向長さの1/6〜1/4を覆う程度の幅を持つように巻回すると共に、定着ベルトの曲率に倣うような曲率を持たせることで、励磁コイルと定着ベルトとのギャップが均一になるように形成した。なお、励磁コイルと定着ベルトとのギャップが2mmになるように定着ベルトの外周面上に固定した。
定着に際しては、この励磁コイルに、励磁回路により交流電流を流すことにより、励磁コイルの周囲に磁界を発生させる。従って、発生した磁界が定着ベルトの発熱層を横切る際に、電磁誘導により横切った磁界を打ち消す方向の磁界を発生させるような渦電流が発熱層内に発生する。これにより、このときの渦電流値と発熱層の持つ抵抗に応じた発熱が得られる。
加圧ロールは外径16mmの中実シャフト上に、弾性層として膜厚12mmの発泡シリコーンゴム層を設け、さらにこの層を、膜厚30μmのPFAチューブを被覆したものである。
この加圧ロールは、具体的には以下のようにして作製した。まず、PFAチューブの内周面に接着用プライマーを塗布した外径50mm、長さ340mm、厚さ30μmのフッ素樹脂チューブと、中実シャフトとを成形金型内にセットした。続いて、フッ素樹脂チューブと中実シャフトと間に液状発泡シリコーンゴムを層厚が2mmとなるように注入後、加熱処理(150℃×2hrs)によりシリコーンゴムを加硫、発泡させて弾性層を形成することにより加圧ロールを作製した。
この加圧ロールはギアを介してモーターと接続されており、加圧ロールを駆動することにより定着ベルトを従動させて、記録媒体を搬送するようにした。
−評価−
定着装置の評価は、上述の電磁誘導加熱定着装置を富士ゼロックス社製DocuCentre Color 400CPに改造して装着し、富士ゼロックス社製J紙を用いた20万枚の通紙テストを行い評価した。
評価項目は、定着ベルトの電気特性である力率の20万枚通紙前後での変化である。ここで、力率とは励磁コイルに高周波電流を流したときの定着ベルトに設けた発熱層に渦電流が発生した結果、励磁コイルに流している電流及び電圧の位相差θを測定したときの、cosθの値を意味する。位相差θが0に近いほど力率は高くなり、より発熱しやすい状態であるといえる。なお、力率の具体的な測定・評価方法は以下の通りである。
<力率>
図1の定着装置において、電磁誘導装置12を横河電機社製インピーダンスメーターWT1600FCに変え、20kHzの高周波電流を励磁コイルに流した時の、電流及び電圧の位相差θを測定し、力率(cosθ)を算出した。本願では、通紙テスト前の力率を1.0としたときの通紙後力率を相対評価した。なお、この場合の力率は、0.9以上であると実用上問題ないといえる。
−評価結果−
この電磁誘導加熱定着装置に、実施例1で得られた定着ベルトを用いて20万枚の通紙テストを行った。通紙試験前の力率を1としたときの通紙後の力率結果を下記表10に示す。
Figure 0004650166
発熱膜の内部応力が6kgf/mm2の比較例1のサンプルは、力率が通紙前に比べ1.3割低下しており、画質上の欠陥が認められた。実施例1〜3のサンプルは、力率低下は軽微であり、画質上の欠陥は認められなかった。
本発明の定着部材(定着ベルト)を用いた電磁誘導加熱定着装置の一例を示す概略断面図である。 本発明の定着部材(定着ベルト)の構成例を示す模式断面図である。 本発明の画像形成装置の例を示す模式図である。
符号の説明
1・・・感光ドラム(像担持体)
2・・・帯電装置
3・・・レーザースキャナ(静電潜像形成装置)
4・・・ミラー
7・・・クリーニング装置
8・・・除電装置
9・・・加圧定着ロール
10・・・定着ベルト
10a・・・耐熱性樹脂保護層
10b・・・発熱層
10c・・・保護層
10d・・・弾性層
10e・・・離型層
11・・・加圧部材
12・・・電磁誘導装置
12a・・・電磁誘導コイル
13・・・押圧部材
14・・・未定着トナー像
15・・・記録媒体
16・・・記録媒体ガイド
17・・・現像装置
18・・・電磁誘導加熱装置
22・・・転写ロール
40・・・画像形成装置
110・・・加圧パッド
130・・・給紙ユニット
140・・・給紙ローラ
150・・・レジストローラ

Claims (4)

  1. 無端ベルト状の耐熱性樹脂層を有し、該耐熱性樹脂層の外周側に2層以上の金属層、離型層をこの順に有する定着用部材であって、
    少なくとも2層の前記金属層のうち、外周側金属層の固有抵抗が内周側金属層の固有抵抗よりも大きく、外周側金属層の内部応力の絶対値が5kg/mm2以下であることを特徴とする定着用部材。
  2. 無端ベルト状の耐熱性樹脂層を有し、該耐熱性樹脂層の外周側に2層以上の金属層、離型層をこの順に有する定着用部材であって、
    少なくとも2層の前記金属層のうち、外周側金属層の固有抵抗が内周側金属層の固有抵抗よりも大きく、内周側金属層の内部応力の絶対値が5kg/mm2以下であることを特徴とする定着用部材。
  3. 請求項1または2に記載の定着用部材と、該定着用部材に磁界を印加する電磁誘導加熱装置と、前記定着用部材の離型層表面と当接する加圧部材と、を含むことを特徴とする定着装置。
  4. 像担持体と、該像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電させた前記像担持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像を現像剤により現像しトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を被転写体に転写する転写手段と、前記トナー像を記録媒体に加熱定着する定着手段とを少なくとも備えた画像形成装置であって、
    前記定着手段が、請求項3に記載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
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