JP5076814B2 - 定着部材、それを用いた定着装置及びこの定着装置を備えた画像形成装置 - Google Patents

定着部材、それを用いた定着装置及びこの定着装置を備えた画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、定着部材、それを用いた電磁誘導加熱方式の定着装置、及び、この定着装置を備えた画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真方式の複写機やプリンター等の画像形成装置において、用紙等の記録媒体上に形成されたトナー像を記録媒体上に定着し、永久画像にするための工程を定着工程と呼んでいる。前記定着工程では、従来、圧力定着、オーブン定着、溶剤定着、熱圧力定着法等の方式が利用されている。しかし、これらの方式の中でも、熱を有効に伝えて未定着トナー像をより強固に定着させることができる点、及び、比較的安全である点を考慮して、熱圧力定着法がもっとも一般的である。
熱圧力定着法は、未定着トナー像が形成された記録媒体を、加熱された2本のロールあるいはベルトにより構成された接触領域内を通過させ、接触領域通過時にロールあるいはベルトによって加熱され溶融状態となった未定着トナー像を、接触領域に加わる圧力により記録媒体に押圧することにより記録媒体表面に定着させる方法である。この時、未定着トナー像に熱を伝えるために、ハロゲンヒーター等の加熱手段により、定着部材(ロール又はベルト)が加熱される。
定着部材を加熱する方法として、例えば、定着部材がロール(定着ロール)である場合には、一般的には、ロールの内部に設けたハロゲンヒーターの輻射熱によりロール内から加熱する方法が用いられてきた。この方法ではロール内からの加熱であるため、本来加熱したいロール表面が定着可能な状態まで加熱されるのに時間がかかってしまう。そのため、ユーザーがコピーあるいはプリントを行う際に、待ち時間が発生していた。また、待ち時間を少しでも短くするため、待機中に定着ロール表面を定着温度以下の高温状態に加熱しつづけることが一般的に行われていたが、不使用時にも加熱しているため消費電力が大きくなり、近年の地球温暖化防止等の省エネに対する要求を満足していなかった。
そこで、省エネに対応した定着方法として、薄膜フィルムと固定ヒーターを用いた定着装置が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。このような技術開発をきっかけに、定着部材として膜厚の薄いベルトを使い、その内面に面状の抵抗発熱体を配置して、加熱する方法が広く用いられるようになった。この方法では、ロールを中央から加熱する方法に比べて、断熱層である空気層を介さなくてよい上に、ロールの芯軸を加熱する必要がないため、ロール中央から加熱する方法にくらべて定着可能な温度に達する時間を短縮することができる。
しかし、上述のベルトと面状の抵抗発熱体とを用いた定着法では、ヒーターである面状抵抗発熱体自身が熱容量を持っており、十分に定着可能となる時間がユーザーにとって待ち時間が感じられないほどの短縮させることが難しい。加えて、面状の抵抗発熱体の軸方向の温度均一化も困難であることから、十分な省エネ化・高画質化がなされたとはいえないのが現状である。
一方、近年、電磁誘導加熱方式により定着部材を加熱する方法が検討されている(例えば、特許文献3、4参照)。この電磁誘導加熱方式による定着方法について以下にその発熱原理を説明する。
電磁誘導加熱方式を利用した定着装置(誘導加熱定着装置)では、定着部材や、加圧部材に加えて、コイルを備える。このコイルは定着部材の内部あるいは外部の定着部材に近接した位置に設置され、高周波電源と電気的に接続される。また、定着部材としては、金属発熱層を有する構成であれば、ロール形状であってもベルト形状であっても形状に関わり無く、どちらでも誘導加熱は可能であるが、ウォームアップ時間短縮には、ベルト形状の方が熱容量を小さくできるためにより有利である。
このような定着装置による定着は以下のように行われる。まず、高周波電源により高周波の交流電流をコイルに流す。このとき、コイルには電流の向きに応じたコイルが巻回された面に直行する向きに磁束が発生する。この磁束は、コイルに近接して設置された定着部材の金属発熱層を横切ることとなり、定着部材の金属発熱層には、この磁束を打ち消す方向に磁界を発生するような渦電流が発生する。金属発熱層は、この層を構成する金属材料と層の厚さとで決まる抵抗値を持っているため、発生した渦電流による電気エネルギーは熱エネルギーに変換される。
この時の金属発熱層の発熱により定着部材表面が加熱されるため、定着部材と加圧部材とにより形成される接触領域を、未定着トナー像が形成された記録媒体が通過すると、未定着トナー像が記録媒体に加熱圧着され、定着される。
この方法では、本来加熱したい定着部材の表面を効果的、かつ、高熱効率で加熱することができるため、定着可能な温度に達するまでの時間(以下、「ウォームアップタイム」と称す場合がある)を短縮できる可能性がある。
しかしながら、定着部材が加圧部材と接触していると、加熱昇温時に加圧部材に熱が奪われてしまう懸念もあり、ウォームアップの短縮にはさらなる工夫が必要である。
特開昭63−313182号公報 特開平4−44074号公報 特開平11−352804号公報 特開2000−188177号公報
本発明の目的は、上記事実を考慮し、定着可能な温度に達するまでの時間が短い定着部材、これを用いた定着装置、及び、この定着装置を用いた画像形成装置を提供することにある。
本発明者は鋭意検討した結果、下記の本発明により問題を解決できることを見出し、上記目的を達成するに至った。
(1) 金属層を含む管状フィルムと、該管状フィルムの軸方向の少なくとも一端部に配設された該管状フィルムを回転させるための駆動伝達部材と、前記管状フィルムと前記駆動伝達部材とを接着するための接着部と、を有し、前記駆動伝達部材は駆動伝達部と嵌め込み部とで構成され、前記接着部は前記嵌め込み部の一部が嵌め込まれた状態で、前記嵌め込み部の露出した外周面と前記管状フィルムの端部側の外周面とを覆うようにして接着する金属の層であることを特徴とする定着部材。
(2) 金属層を含む管状フィルムと、該管状フィルムの軸方向の少なくとも一端部に配設された該管状フィルムを回転させるための駆動伝達部材と、前記管状フィルムと前記駆動伝達部材とを接着するための接着部と、を有し、前記接着部は、前記管状フィルムの基材層と前記駆動伝達部材とを接着する金属の層であることを特徴とする定着部材。
(3) 金属層を含む管状フィルムと、該管状フィルムの軸方向の少なくとも一端部に配設された該管状フィルムを回転させるための駆動伝達部材と、前記管状フィルムと前記駆動伝達部材とを接着するための接着部と、を有し、前記駆動伝達部材が前記管状フィルムにねじ作用で嵌め込まれ、前記接着部は、前記管状フィルムの螺子溝と前記駆動伝達部の螺子溝との間に形成され、該螺子溝は前記管状フィルムが回転すると前記駆動伝達部材が締めこまれるように形成されていることを特徴とする定着部材。
) 前記接着部の線膨張係数が前記管状フィルムおよび前記駆動伝達部材の線膨張係数よりも大きいことを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載の定着部材。
) (1)〜()のいずれか1項に記載の定着部材と、該定着部材に接触する加圧部材と、交流磁界を印加して定着部材を加熱する電磁誘導加熱装置と、を有することを特徴とする定着装置。
) 像保持体と、該像保持体表面を帯電させる帯電手段と、前記像保持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像を現像剤により現像しトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記トナー像を記録媒体に加熱定着する定着手段とを備え、該定着手段は、()に記載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、定着可能な温度に達するまでの時間が短い定着部材、これを用いた定着装置、及び、この定着装置を用いた画像形成装置を提供することができる。
本発明の定着部材、定着装置及び画像形成装置の実施形態を図1〜図7に従って説明するが、以下の記載に限るものではない。
<画像形成装置>
本発明の画像形成装置は、像保持体と、該像保持体表面を帯電させる帯電手段と、前記像保持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像を現像剤により現像しトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記トナー像を記録媒体に加熱定着する定着手段とを備え、該定着手段は、金属層を含む管状フィルムと該管状フィルムの軸方向の少なくとも一端部に配設された該管状フィルムを回転させるための駆動伝達部材(以下、適宜、「ギア部材」と称する)と、前記管状フィルムと前記駆動伝達部材とを接着するための接着部と、を有する定着部材(本発明の定着部材)と、該定着部材と接触する加圧部材と、交流磁界を印加して定着部材を加熱する(金属層を発熱させる)電磁誘導加熱装置と、を有する定着装置(本発明の定着装置)であることを特徴とする。
但し、本発明の定着部材としては、以下のいずれかを適用する。
金属層を含む管状フィルムと、該管状フィルムの軸方向の少なくとも一端部に配設された該管状フィルムを回転させるための駆動伝達部材と、前記管状フィルムと前記駆動伝達部材とを接着するための接着部と、を有し、前記駆動伝達部材は駆動伝達部と嵌め込み部とで構成され、前記接着部は前記嵌め込み部の一部が嵌め込まれた状態で、前記嵌め込み部の露出した外周面と前記管状フィルムの端部側の外周面とを覆うようにして接着する金属の層であることを特徴とする定着部材。
金属層を含む管状フィルムと、該管状フィルムの軸方向の少なくとも一端部に配設された該管状フィルムを回転させるための駆動伝達部材と、前記管状フィルムと前記駆動伝達部材とを接着するための接着部と、を有し、前記接着部は、前記管状フィルムの基材層と前記駆動伝達部材とを接着する金属の層であることを特徴とする定着部材。
金属層を含む管状フィルムと、該管状フィルムの軸方向の少なくとも一端部に配設された該管状フィルムを回転させるための駆動伝達部材と、前記管状フィルムと前記駆動伝達部材とを接着するための接着部と、を有し、前記駆動伝達部材が前記管状フィルムにねじ作用で嵌め込まれ、前記接着部は、前記管状フィルムの螺子溝と前記駆動伝達部の螺子溝との間に形成され、該螺子溝は前記管状フィルムが回転すると前記駆動伝達部材が締めこまれるように形成されていることを特徴とする定着部材。
本発明の画像形成装置では、上記定着部材が、管状フィルムの少なくとも一端部にギア部材を備えることにより、管状フィルムが加圧ロールに非接触な状況でも、駆動手段によりギア部材に動力が伝達され、管状フィルム単独での回転が可能となる。これにより、電磁誘導加熱装置で誘導加熱される領域が管状フィルム全域に及ぶため、管状フィルムが効率的に発熱される。さらに、管状フィルムで発生した熱が加圧ロールに奪われることがないため、管状フィルムが加圧ロールと常に接している方式に比べて、ウォームアップ時間の短縮が可能となる。
以下に、本発明の画像形成装置について説明する。
図1に示されるように、本発明の画像形成装置40は、像保持体としての感光ドラム60と、感光ドラム60の表面を帯電させる帯電装置62と、帯電させた感光ドラム60の表面に潜像を形成する潜像形成手段としてのレーザースキャナ64及びミラー65と、潜像を現像剤により現像しトナー像を形成する現像手段としての回転式現像装置66と、トナー像を記録媒体に転写する転写手段としての中間転写体68及び転写ロール70と、トナー像を記録媒体に加熱定着する定着手段であると共に、ギア部材(図示せず)を有しトナーを溶融加熱する定着部材としての定着部材21、加圧部材としての加圧ロール22、定着部材21を加圧する加圧パッド24、及び定着部材21に磁界を印加する電磁誘導加熱装置26を備える定着装置28と、感光ドラム60の表面を清掃するクリーニング装置74と、感光ドラム60の表面を除電する除電装置76と、記録媒体を収納する給紙ユニット78と、記録媒体を順次送り出す給紙ローラ80と、送り出された記録媒体を一枚ずつ搬送するレジストローラ82と、記録媒体を案内する記録媒体ガイド84と、を少なくとも備えている。
詳細には、感光ドラム60の周囲に沿って矢印A方向に順に、感光ドラム60に近接して設けられその表面を帯電させる(非接触型の)帯電装置62と、感光ドラム60の表面に形成された潜像にトナーを付与することによりトナー像を形成する回転式の現像装置66と、外周面が感光ドラム60表面に接触し矢印B方向に回転可能な中間転写体68と、中間転写体68の表面にトナー像を転写した後の感光ドラム60の表面を清掃するクリーニング装置74と、感光ドラム60の表面を除電する除電装置76とが設けられている。
なお、帯電装置62と現像装置66との間の感光ドラム60の表面には、感光ドラム60の表面に潜像を形成するために、各色の画像情報(信号)に応じたレーザ光が、ミラー65を介してレーザースキャナ64より照射される。
また、現像装置66は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のトナーをそれぞれ収容した各色の現像器(不図示)を備えており、現像装置66が回転することにより、感光ドラム60の表面に形成された潜像に各色のトナーを付与し、トナー像を形成することが可能である。
中間転写体68の周囲には、感光ドラム60の他に、転写ロール70が設けられている。中間転写体68の外周面と転写ロール70表面とは圧接し、この圧接部を記録媒体が矢印D方向に挿通可能であり、圧接部を記録媒体が通過した際に、中間転写体68表面に保持されたトナー像が、記録媒体の表面に転写される。また、圧接部に対して、矢印D方向と反対側には給紙装置77が設けられ、矢印D方向側には定着装置28が設けられている。
給紙装置77は、給紙ユニット78、給紙ローラ80、レジストローラ82及び記録媒体ガイド84から構成される。
中間転写体68と転写ロール70との圧接部への給紙は、給紙ユニット78に収納された記録媒体が、給紙ユニット78に内蔵された不図示の記録媒体押し上げ手段により給紙ローラ80に接触する位置まで押し上げられ、記録媒体が給紙ローラ80に接触した時点で、給紙ローラ80及びレジストローラ82が回転することにより記録媒体ガイド84に沿って矢印D方向に搬送されることにより行われる。
また、定着装置28は、加圧ロール22と、加圧パッド24と、定着部材21から構成される。定着部材21の表面と接触するように定着部材21と対向して加圧ロール22が設けられている。定着部材21と加圧フィルム22が接触している領域(以下、適宜、「接触領域」と称する)は、記録媒体の搬送路を境界として、中間転写体68側に加圧ロール22が配置され、転写ロール70側に定着部材21が配置されることにより形成される。
定着部材21は加圧ロール22と接触/非接触の切り替えが可能となるように取り付けられており、加圧ロール22と非接触な位置にあるときでも、後述するギア部材20Fに駆動力を与えることで単独での回転が可能である。また、定着部材21が加圧ロール22と接触している場合には、加圧ロールに連動して回転可能であり、定着部材21の回転方向は矢印V方向であり、加圧ロール22の回転方向は矢印V方向である。また、定着部材21を挟んで、加圧ロール22と対向し、加圧ロール22表面を押圧するように、定着部材21の内周面には加圧パッド24が設けられている。さらに、加圧パッド24に対して、加圧ロール22と反対側に、定着部材21の表面に対向し且つ近接するように電磁誘導加熱装置26が設けられている。
次に、画像形成装置40における転写及び加熱定着について以下に説明する。
まず、感光ドラム60表面に形成された各色のトナー像は、感光ドラム60と中間転写体68との間に印加されたバイアス電圧により、感光ドラム60と中間転写体68との接触領域において、各色のトナー像毎に画像情報と一致するように中間転写体68外周面に重ねて転写される。このようにしてカラーのトナー像がその外周面に転写された中間転写体68は矢印B方向に回転し、トナー像は、転写ロール70と中間転写体68との圧接部において、給紙装置によって、圧接部に搬送されてきた記録媒体表面に転写される。
トナー像がその表面に転写された記録媒体は、矢印D方向に移動し、定着装置28により加熱定着され、記録媒体表面に画像が定着される。定着部材21の表面は、表面に対向して設けられた電磁誘導加熱装置26により、加熱昇温時は加圧ロールと非接触な状態で定着可能な温度に達するまで加熱される。この時、定着部材21はギア部材20Fに駆動力を与えることで矢印V方向に回転している。表面が定着可能な温度に達した後は、定着部材21は加圧ロール22と接触して矢印V方向へ回転し、加圧ロール22との接触領域において、矢印D方向へと挿通される記録媒体表面のトナー像を加熱溶融することにより加熱定着する。このようにしてカラー画像がその表面に形成された記録媒体はさらに矢印D方向に搬送され、画像形成装置40の外部に排出される。
<定着装置>
図2に示されるように、本発明の定着装置28は、定着部材21を有している。そして、定着部材21は、磁界が印加された際に発生する渦電流により発熱する金属層20Bを含む管状フィルム20と、その軸方向の両端部へ設けられたギア部材20Fとを有している(図4〜図8参照)。加えて、定着装置28は、定着部材21における管状フィルム20と、管状フィルム20に接して接触領域を形成して回転する加圧ロール22と、加圧ロール22が設けられた側と反対側の面を内周面側から管状フィルム20を加圧ロール22へ押圧する加圧パッド24と、交流電流を流すことにより管状フィルム20の金属層20Bに交流磁界を印加する電磁誘導加熱装置26と、を有している。
このような定着装置28における定着は、未定着トナー像が形成された記録媒体を、管状フィルム20と加圧ロール22との間に形成された接触領域に、加熱された管状フィルム20と接するように挿通させて行われる。記録媒体が接触領域を通過する際に、未定着トナー像が溶融した状態で押圧され記録媒体表面に定着される。
次に、このような定着装置の具体例について、詳細に説明する。
この管状フィルム20に接するように加圧ロール22が配され、管状フィルム20と加圧ロール22との間に接触領域を形成している。加圧ロール22は、基材22A上にシリコーンゴム等による弾性体層22Bが形成され、さらにその上層にフッ素系化合物による離型層22Cが形成された構成を有する。
管状フィルム20の内周面側には、加圧ロール22と対向する位置に、管状フィルム20の内面を押圧し、局所的に接触圧を高める加圧パッド24が設けられている。この加圧パッド24は、管状フィルム20の内周面に接して接触領域を押圧する接触ヘッド24Bと、この接触ヘッド24Bを保持するシリコーンゴム等からなる接触パッド24Cと、接触パッド24Cを支持する支持体24Aとから構成されている。
さらに、管状フィルム20を中心として加圧ロール22と対向する位置に、電磁誘導コイル(励磁コイル)26Aを内蔵した電磁誘導加熱装置26が設けられている。電磁誘導加熱装置26は、電磁誘導コイル26Aに交流電流を印加することにより、発生する磁場を励磁回路で変化させ、管状フィルム20の金属層20Bに渦電流を発生させるものである。この渦電流が金属層20Bの電気抵抗によって熱(ジュール熱)に変換され、結果的に管状フィルム20の表面が発熱する。
次に、定着装置28による定着について説明する。
まず、不図示の駆動装置により加圧ロール22が矢印G方向に回転し、それにつれて管状フィルム20も矢印F方向に従動回転する。ここで、未定着トナー像86が形成された記録媒体88は矢印H方向に、定着装置28の接触領域に挿通される。この際、未定着トナー像86は溶融状態で記録媒体88表面に押圧され、記録媒体88表面に定着される。
尚、図2に示した例では、ロール駆動(ベルトが従動)であるが、駆動方法はベルト駆動(ロールが従動)であってもよい。
次に、電磁誘導作用による発熱原理を以下に説明する。
まず、不図示の励磁回路により電磁誘導コイル26Aに交流電流が印加されると、電磁誘導コイル26Aの周囲に磁束が生成と消滅を繰り返す。この磁束が管状フィルム20の図3に示す金属層20Bを横切るとき、その磁束の変化を妨げる磁界を生じるように金属層20B中に渦電流が発生する。この渦電流と金属層20Bの固有抵抗によってジュール熱が発生する。なお、金属層20Bについては詳細を後述する。
この渦電流は、表皮効果のためにほとんど金属層20Bの電磁誘導加熱装置26側の面に集中して流れ、金属層20Bの表皮抵抗Rsに比例した電力で発熱を生じる。ここで、角周波数をω、透磁率をμ、固有抵抗をρとすると、表皮深さδは下式(A)で示される。
・式(A) δ=(2ρ/ωμ)1/2
さらに、表皮抵抗Rsは下式(B)で示される。
・式(B) Rs=ρ/δ=(ωμρ/2)1/2
また、管状フィルム20の金属層20Bに発生する電力Pは、管状フィルム20中を流れる電流をIh、面積をSとすると、次式(C)で表わされる。
・式(C) P∝Rs∫|Ih|2dS
したがって、表皮抵抗Rsを大きくするか、あるいは電流Ihを大きくすれば電力Pを増すことができ、発熱量を増すことが可能となる。ここで表皮深さδ(m)は、励磁回路の周波数f(Hz)と、比透磁率μrと、固有抵抗ρ(Ω・m)により下式(D)で表わされる。
・式(D) δ=503(ρ/(fμr))1/2
これは電磁誘導で使われる電磁波の吸収の深さを示しており、これより深いところでは電磁波の強度は1/e以下になっており、逆に言うとほとんどのエネルギーはこの深さまで吸収されている。
ここで、金属層20Bの厚みは、上記式で表わされる表皮深さより厚く(好ましくは3μm以上20μm以下)することが好ましい。金属層20Bの厚みが3μmよりも小さいと、ほとんどの電磁エネルギーが吸収しきれず効率が悪くなる場合があるためである。
<定着部材21>
本発明における定着部材21は、管状フィルム20の軸方向の少なくとも一端部にギア部材20Fを有している。図4〜図8に示す例では、管状フィルム20の両端にギア部材20Fを有している。
そして、ギア部材20Fは、接着部20Gを介して管状フィルム20に接着されている。
図4に示す定着部材21では、接着部20Gが管状フィルム20の内周面に位置するように設置されている。すなわち、ギア部材20Fは、管状フィルム20の内周面で接着されている。この態様では、接着強度を向上させることができる、接着時に管状フィルムへのダメージを少なく出来るため得率が向上する、駆動伝達部材の外径が管状フィルム内径より大きい場合でも管状フィルムを膨張させながら挿入することが可能である、点で好ましい。
また、図5に示す定着部材21では、接着部20Gが管状フィルム20の外周面に位置するように設置されている。すなわち、ギア部材20Fは、管状フィルム20の外周面で接着されている。この態様では、ギア部材の体積を少なくでき、低コストで作製できる点で好ましい。
図6に示す定着部材21では、接着部20Gが、主として金属を含む層からなり、ギア部材20Fの嵌め込み部20F−2の外周面及び管状フィルム20の外周面と接するように設置されている。この態様では、接着強度を向上させることができる、耐熱性に優れるため長期間の使用においても接触面が剥離することがない、接着部が主として金属を含む層で覆われており、オイルの漏れが発生せず耐久性に優れている、点で好ましい。
図7に示す定着部材21では、接着部20Gが、管状フィルム20から連続する金属層20Bからなり、該金属層20Bが駆動伝達部材20Fの嵌め込み部20F−2と接着するように配置されている。この態様では、該金属層の形成と駆動伝達部材との接着を一工程で行うことができ、接着部が主として金属を含む層で覆われており、オイルの漏れが発生せず耐久性に優れている、点で好ましい。
図8に示す定着部材21では、接着部20Gは螺子溝に形成されており、該螺子溝は、駆動伝達部材20Fの嵌め込み部20F−2に形成された雄螺子が管状フィルム20に形成された雌螺子にネジ作用で嵌め込まれ、螺子溝が、管状フィルム20が回転すると駆動伝達部材20Fが締めこまれるように形成されている。この態様では、管状フィルムが加圧ロールと接して回転している時は常に締めこまれているので、管状フィルムが駆動伝達部材から抜けることがなく、接着強度を向上させることができる、ネジ作用で嵌め込んでおり定着部材の組み立て性が向上する、点で好ましい。
以下に、管状フィルム20、ギア部材20F及び接着部20Gについて、図3〜図8に従って説明する。
〔管状フィルム20〕
図3は、本発明における管状フィルム20の一例を示す断面図である。図3において、管状フィルム20は、耐熱性樹脂層20A(基材)、金属層20B、保護層20C、離型層20Eからなり、その内周側から外周側へと、この順に設けられた構成を有する。管状フィルム20には、定着に必要な発熱源となる金属層20Bがあればよく、その他の層は特に限定されない。また、カラー画像の高画質化や、白黒画像の形成速度向上のために、保護層20Cと離型層20Eとの間に弾性層20Dを設けてもよい。
また、図8に示すように、駆動伝達部材20Fを管状フィルム20にねじ作用で嵌め込む場合、管状フィルムの内面端部に形成する螺子溝の高さは、接着強度と管状フィルムの機械的強度の観点から、15μm以上であり管状フィルム20の厚さより小さいことが好ましく、20μm以上30μm以下であることがより好ましい。溝の高さが15μm未満であると、駆動伝達部材の嵌め込み部の溝との接触面積が小さく、接着部の強度が劣る場合がある。また、溝の高さが管状フィルムの厚さ以上の場合、溝を管状フィルムの内面端部に別途設ける必要があり、管状フィルムの作製が困難である場合がある。また、螺子溝のピッチは、接着強度の観点から、5μm以上100μm以下であることが好ましい。5μm未満であると、螺子溝が密集し過ぎるため、ギア部材が管状フィルムに占め込まれる際のトルクにより螺子溝間の螺子山が削られる場合があり、100μmを超えると、駆動伝達部材の嵌め込み部の溝との接触面積が小さく、接着部の強度が劣る場合がある。
以下に、管状フィルム20を構成する各層について説明する。
[耐熱性樹脂層20A]
管状フィルム20における耐熱性樹脂層20Aは、電磁誘導加熱方式の定着装置28にこの管状フィルム20を用いて繰り返し周動搬送した場合に、定着時に耐熱性樹脂層20Aに隣接して設けられた金属層20Bが発熱した状態でも物性低下がなく、高強度を維持できる必要がある。このため、耐熱性樹脂層20Aは耐熱性樹脂から主に構成される。
耐熱性樹脂の代わりに金属フィルムを用いた場合は、管状フィルム20の内周面と接触する加圧パッド24(図2参照)と金属フィルムとの摺動性を確保することが困難であるため、加圧パッド24を損傷してしまい、長期に渡って安定して画像を形成できない。
従って、加圧パット24と接する側の層として、より摺動性の高い耐熱性樹脂から構成される耐熱性樹脂層20Aを設けることで、加圧パッド24との摺動抵抗がなく、押圧部材の寿命を延長させることができる。また、耐熱性樹脂には断熱効果があるため、金属層20Bで発生した熱を加圧パット24へ逃がすことなく効率よく使うことができる。
用いることができる耐熱性樹脂としては、ポリイミド、芳香族ポリアミド、サーモトロピック液晶ポリマー等の液晶材料など、高耐熱・高強度樹脂等が挙げられるが、この中でもポリイミド、又はポリイミドを主成分(50質量%以上)としたものが好ましい。また、耐熱性樹脂中に断熱効果のあるフィラーを加えたり、耐熱性樹脂を発泡させることにより断熱効果をさらに向上させてもよい。
耐熱性樹脂層20Aの好ましい厚さは、管状フィルム20の長期に渡る繰り返しの周動搬送を可能とする剛性と柔軟性とを両立させる観点から、10μm以上100μm以下の範囲内が好ましく、30μm以上80μm以下の範囲内がより好ましい。また、耐熱性樹脂層20Aの厚さが10μm未満では剛性が弱く、周動搬送中に皺になったり、両端のエッジ部分に亀裂が生じてしまう場合がある。逆に100μmを超えると、柔軟性を確保できない場合があることや熱容量が増加するためウォームアップ時間が長くなる場合がある。
一方、駆動伝達部材20Fの嵌め込み部20F−2を管状フィルム20に嵌め込む場合、管状フィルム20の内周端部に螺子溝を設け、雌螺子を形成する必要がある。耐熱性樹脂層20Aの好ましい厚さは、前述した螺子溝の高さの観点から、50μm以上100μm以下の範囲内が好ましく、60μm以上80μm以下の範囲内がより好ましい。耐熱性樹脂層20Aの厚さが50μm以下では螺子溝が形成されることで機械的強度に劣る場合がある。逆に、100μmを超えると、柔軟性を確保できない場合があることや熱容量が増加するためウォームアップ時間が長くなる場合がある。
また、金属層との接着性を向上させることを狙いに耐熱性樹脂層20A表面の粗度をRaが0.1以上5以下の範囲で粗くしても良い。
[金属層20B]
本発明における管状フィルム20において、金属層20Bは、電磁誘導コイル(励磁コイル)26Aから発生する磁界により渦電流を発生させることで発熱するための層である。かかる金属としては、例えば、ニッケル、鉄、銅、金、銀、アルミニウム、クロム、錫、亜鉛などの単一もしくは2種類以上の合金のどちらでも選択可能である。この中でも銅、金、銀は固有抵抗が低いため、銅、金、銀及びこれらの合金が好ましく、コスト及び加工性から特に銅あるいは銅を主成分(「主成分」とは質量比で50%以上を意味し、保護層の場合も同様である)とする合金が好ましい。
金属層20Bの厚さは、熱容量の点から薄い方が好ましいが、厚さが3μm未満になると、抵抗値が高くなることにより、十分な渦電流が発生し難くなり発熱が不足し、ウォームアップ時間が長くなるか、或いは、定着可能な温度まで加熱することができなくなる場合がある。また、金属層20Bの厚さが20μmを超えると、十分な発熱は得られるものの、金属層20B自体の熱容量が大きくなってしまうことからウォームアップ時間が長くなってしまう場合がある。従って、金属層20Bの厚さは3μm以上20μm以下の範囲であることが好ましく、5μm以上15μm以下の範囲であることがより好ましい。
また、耐熱性樹脂層20Aと金属層20Bとの間に無電解メッキにより形成された金属層が形成されていてもよい。従来、ポリイミド等のフレキシブル基板と銅との積層板などで、密着性が高い膜を形成するためには、真空設備を用いた蒸着やスパッタリング等のPVD法で第一の金属層を形成する場合が多い。しかし、真空設備を使った成膜方法では、特に管状フィルム20で表される円筒形状の基体に対してはバッチ処理が必要となるためコストアップとなる場合がある。そこで、PVD法で密着性を得る代わりに粗面化処理を行った耐熱性樹脂等で構成されている耐熱性樹脂層20Aを使うことで、触媒反応で形成された密着力の弱い無電解メッキにより形成された金属層でも、十分な密着が得られるため、低コスト化が可能となる。
また、無電解メッキにより形成された金属層が、ニッケル、銅、クロムのうちの少なくとも一種類の金属により形成されていれば、金属層20Bを電解メッキで作製するための電極として使うことが可能である。
一方、図7では、管状フィルム20から金属層20Bが連続して突出しており、該突出部と嵌め込み部20F−2とが接着することにより接着部20Gが形成されている図である。この場合、管状フィルム20の端部から駆動伝達部20F−1端部までの長さ(接着部20Gの幅)は、接着部20Gの耐久性の観点から、管状フィルム20端部から10μm以上であることが好ましい。
[保護層20C]
保護層20Cは、金属層20Bに加わる機械的ストレスを緩和してクラック等のディフェクトを抑制し金属層20Bを保護するために、それ自身が充分な耐機械的ストレス性を有していることが好ましい。そのために内部応力の絶対値が5kg/mm以下であることが必要であり、好ましくは2kg/mm以下、より好ましくは1kg/mm以下である。内部応力が小さくなればそれ自身の耐機械的ストレス性が増すため0にすることが好ましいが、管理が困難となる。従って、実用的に充分な耐性を持っていれば良く、内部応力が5kg/mm以下であれば機械的ストレスに対する実用上の耐性は十分である。
さらに、保護層20Cに含まれる不純物金属の濃度は0.1質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.05質量%以下、さらに好ましくは0.02質量%以下である。不純物金属が0.1質量%を超えると、脆い膜になりやすく、信頼性が低下してしまう。
また、クラック等のディフェクトを抑制し金属層20Bを保護するために、十分な強度が確保できる厚みを有していることが好ましい。このため、保護層20Cの膜厚は少なくとも1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがより好ましい。
膜厚が1μm未満の場合には、金属層20Bを十分に保護することができず、金属層20Bにクラック等のディフェクトが発生し、発熱特性が低下する等の問題を招いてしまう場合がある。
従って、保護層20Cは強度を確保する点からは厚い方が好ましいが膜厚が厚くなるに伴い熱容量も増加してしまい、結果的にウォームアップ時間が長くなってしまう場合がある。このため、保護層20Cの膜厚は10μm以下であることが好ましく、7μm以下であることがより好ましい。
さらに、金属層20Bの耐屈曲性を向上させるためには、管状フィルム20を屈曲させた時の折れ曲がりの中心が金属層20Bの中にあることが好ましく、さらに好ましくは金属層20Bの中心付近にあることが好ましい。折れ曲がりの中心が金属層20Bの中にあるように、耐熱性樹脂層20Aと保護層20Cの弾性率、厚さを選択してやれば良い。
なお、保護層20Cを構成する材料は、ニッケル、クロム、錫、亜鉛、あるいは、これらの金属を主成分とする合金を用いることが好ましい。また、金属層20Bが銅あるいは銅を主成分とする合金からなる場合には、保護層20Cはニッケルあるいはニッケルを主成分とする合金からなることが好ましい。この場合の作製方法としては、電解メッキが好ましい。電解メッキを用いることで、安価で、接着性が良く、膜厚均一性な保護層20Cを得ることが可能となる。電解メッキで作る場合は低電流でメッキすることにより不純物を簡単に取り除くことが出来るといった利点もある。
既述のように、保護層20Cを始めとした金属層20Bは、電解メッキで形成することが好ましい。電解メッキで形成し、内部応力を所望の範囲にするには、例えば、メッキ液中の不純物濃度を0.1質量%以下としたり、電流密度を0.1A/dm以上20A/dm以下の範囲で好ましい値に調整したり、レベリング材や応力緩和材を添加することが好ましく、上記条件を適宜組み合わせることがより好ましい。
また、ニッケルの電解メッキ法としては、ワット浴が知られている。しかし、ワット浴で作ったニッケル膜の引張応力は大きいため、このままでは保護層20Cとしては使えない。そこで、硫黄含有有機化合物に代表される応力減少材を添加することが好ましい。応力減少材としてはサッカリン、パラトルエンスルファミド、ベンゼンジスルフォン酸、1,3,6−ナフタリントリスルフォン酸ナトリウム等がある。これらを適度に添加し、内部応力を減少させることで保護層20Cとしての使用が可能となる。添加量としては、3mg/L以上40mg/L以下とすることが好ましい。
その他に、スルファミン酸ニッケル浴、スルファミン酸ニッケルハイスピード浴という方法も知られている。この方法で作った場合、温度、電流密度によって、内部応力の値が大きく変わる。従って、保護層20Cとしての使用目的に合うよう、内部応力が小さくなる条件でめっきすることが重要である。スルファミン酸ニッケル浴、スルファミン酸ニッケルハイスピード浴は内部応力が小さいために、光沢剤の添加量を少なくでき、ニッケル膜に硫黄成分を含まないため、耐熱性に優れるといった利点がある。
[離型層20E]
本発明における管状フィルム20は、記録媒体と接する側の面が、定着時に溶融状態の未定着トナー像と固着するのを防ぐために、フッ素系化合物のような低表面エネルギー材料を主成分として構成される離型層20Eを含む。
離型層20Eに用いられるフッ素系化合物としては、例えば、フッ素ゴムや、ポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」という)、パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下、「PFA」という)、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体(以下、「FEP」という)等のフッ素樹脂などを用いることができるが、特に限定されるものではない。
また、この離型層20Eの厚さは、10μm以上100μm以下の範囲内であることが好ましく、20μm以上50μm以下の範囲内であることがより好ましい。離型層20Eの厚さが10μm未満であると、記録媒体のエッジでの繰り返し擦擦により離型層20Eが摩滅する場合がある。一方、離型層20Eの厚さが100μmを超えると表面の柔軟性がなくなり、その結果トナーを押しつぶす力が働き定着画像の粒状性が損なわれる場合がある。さらに、熱容量も大きくなるため、ウォームアップ時間が長くなったりする場合がある。
[弾性層20D]
本発明における管状フィルム20では、保護層20Cと離型層20Eとの間に、更に弾性層20Dを設けてもよい。特に、カラー画像を形成する場合に、弾性層20Dを設けることが好ましい。
これは、カラー画像を形成する場合には、記録媒体上に黒・マゼンタ・イエロー・シアンの4色のカラートナー像が積層された状態で定着する必要があるためである。すなわち、積層されたこれら4色のカラートナー像に均一に一定以上の熱量を与えることで4色が十分に溶融しあって鮮明なカラー画像を得るため、弾性層20Dがない管状フィルム20を使うと、積層されたトナーを押しつぶしてしまう場合がある。このため、記録媒体に近い(つまり積層された下層にある)カラートナー像に対しては十分な熱が与えられないために、定着により得られるカラー画像の発色性が低下してしまう場合があるためである。
また、白黒画像を形成する場合でも、特に高速化に対応するためには弾性層20Dを設けることが好ましい。これは弾性層20Dを設けることで弾性層20Dが接触領域内で変形し、低荷重でも十分な接触幅が得られるために、高速であってもトナー像への熱の受け渡しができて定着が可能となるからである。
なお、弾性層20Dを構成する材料としては、公知の弾性材料を用いることができ、このような弾性材料としては、例えば、シリコーンゴムやフッ素ゴムのような耐熱性のゴムを用いることが好ましい。
このような耐熱性のゴムとしては、例えば、東レダウコーニングシリコーン社製の液状シリコーンゴムSE6744や、DuPont Dow elastmers社製のバイトンB−202等が挙げられる。
ここで、保護層20Cの固有抵抗は、金属層20Bの固有抵抗よりも大きくなっており、さらに保護層20Cの内部応力の絶対値が5kg/mm以下となっていることが好ましい。
保護層20Cの固有抵抗が金属層20Bの固有抵抗よりも大きくなっているが、保護層20Cの固有抵抗ρAが、金属層20Bの固有抵抗ρBの1倍を超えることが必要であり、2倍以上であることが好ましく、2.5倍以上であることがより好ましい。保護層の固有抵抗ρAは、金属層20Bの固有抵抗ρBの1倍未満である場合にはウォームアップタイムが長くなることがある。また、1倍を超え2倍未満の場合では、ウォームアップタイムを確実に短縮することができるが、2倍を超える場合と比べるとやや不充分な場合がある。
また、保護層20Cの固有抵抗ρAは、金属層20Bの固有抵抗ρBよりも大きければ大きい程好ましいが、材料選択肢が狭まる等の実用上の観点からは、保護層20Cの固有抵抗ρAは、金属層20Bの固有抵抗ρBの20倍以下であることが好ましい。ここで、固有抵抗の値は、JIS C 2525(1999年)「金属抵抗材料の導体抵抗及び体積抵抗率試験方法」に準拠し、ダイアインスツルメンツ社製抵抗率計ロレスタGP MPC−T600型を用いて、4端子4探針法により測定することができる。保護層20Cの固有抵抗ρAは、金属層20Bの固有抵抗ρBよりも大きいことを条件に、2Ω・m以上30Ω・m以下とすることが好ましく、3Ω・m以上30Ω・m以下とすることがより好ましい。
本発明における管状フィルム20は、金属層20Bに対して記録媒体が位置する側とは反対側の面に耐熱性樹脂からなる耐熱性樹脂層20Aを設けている。このため、金属層20Bが耐熱性樹脂層20Aの機能を兼ねるような場合と比べると、耐熱性樹脂層20Aの断熱効果により金属層20Bで発生した熱の定着部材内面(記録媒体と接触しない側の面)側への流失が少なくなるため、ウォームアップタイムをより短縮することができる。さらに、管状フィルム20の内面に設けられる加圧パッド24との摺動抵抗を抑制することができるため、加圧パッド24の損傷を抑えてその寿命を延ばすことができる。
さらに、管状フィルム20には、金属層20Bの外周側に保護層20Cが設けられている。このため、管状フィルム20が繰り返し回転を行うことによって接触領域内で変形を繰り返すことによる機械的ストレスが、保護層20Cにより緩和されるため、長期に渡って使用しても金属層20Bでのクラック等の機械的ディフェクトの発生が抑制され、発熱特性を安定して維持することができる。
このような保護層20Cを設けない場合には、金属層20Bは、その両面に引っ張り力あるいは圧縮力を強く受けるために、クラック等の機械的ディフェクトが発生し易く、長期に渡って使用した場合には、金属層20Bの電気特性や発熱特性が劣化してしまう。
また、管状フィルム20には、フッ素樹脂等の表面エネルギーの低い樹脂材料から構成される離型層20Eを設けている。このような離型層20Eは、金属材料と比較すると熱伝導率が低い上に、強度にも劣る。しかしながら、本発明における管状フィルム20においては離型層20Eを設けるような場合において、この離型層20Eの厚みを、より熱伝導率が高く強度にも優れた保護層20Cの厚みで置き換えることで、管状フィルム20の強度を向上させることができる上に、ウォームアップタイムもより短縮することができる。
なお、保護層20Cは、内部応力が小さいことが好ましい。内部応力が大きい場合は、応力が働いている反対側に屈曲しようとする場合にその材料がもつ伸びの限界を超え、保護層20C自体にクラック・亀裂が生じてしまう。クラック・亀裂を生じないようにするには内部応力の絶対値が5kg/mm以下であることが必要である。
さらに、保護層20Cに含まれる不純物金属の濃度は0.1質量%以下であることが好ましい。不純物金属が0.1質量%を超えると、内部応力が小さくても、脆い膜になってしまい、繰返し屈曲ストレスに対する耐性が充分ではなくなる場合がある。
ここで、不純物金属とは、例えば、保護層20Cがニッケルを主成分とする場合は、ニッケル及びニッケルと合金を形成している金属以外の金属成分をさす。不純物金属の濃度を0.1質量%以下とするには、例えば、メッキ処理にて保護層20Cを形成する場合、メッキ浴内のメッキ液中の上記不純物金属の濃度を0.1質量%以下としておけばよい。メッキ液中の不純物濃度は、原子吸光やICP等により測定することができる。保護層20C中の不純物金属の濃度は、適切な溶媒に溶解して原子吸光やICP等により測定することができる。また、蛍光X線で測定してもよい。
なお、金属層20Bは銅、保護層はニッケルを主成分とすることが好ましい。金属層20Bは機能から、金、銀、銅、アルミニウムを選択するのが好ましいが、コスト、作りやすさの点で銅がより好ましい。銅の上に蒸着が可能で、機能、コストを考慮すると保護層20Cはニッケルを主成分とした金属層が好ましい。
さらに、金属層20Bが銅、保護層がニッケルを主成分とした金属であれば、両層ともに、電解メッキにより形成することが可能であり、製造コストを低減することが可能である。
また、本発明における管状フィルム20の線膨張係数は、10×10-6/℃以上40×10-6/℃以下であり、10×10-6/℃以上25×10-6/℃以下が好ましく、12×10-6/℃以上20×10-6/℃以下がさらに好ましい。10×10-6/℃より小さいと金属層との線膨張係数の乖離が大きくなり、金属層の剥れ、割れが発生しやすくなり、40×10-6/℃より大きいと、温度による膨張差が大きく高品質な画質が得られにくい、駆動部材との線膨張係数との乖離が大きいため剥離しやすくなるといった問題がある。なお発熱層として銅を選択した場合、銅の線膨張係数は1.68×10-5/℃である
ここで、この熱線膨張係数の測定は、下記方法によって行われる。
線膨張係数の測定は、具体的には、JIS K7197に準拠し、熱機械分析(TMA)法を用いて測定する。線膨張係数の測定は、測定対象となる管状フィルム20の周方向(プロセス方向、MD方向ともいう)を長手方向とする3mm×15mmの長方形状の試験片を用意し、実際に試験可能な試料寸法(実行長ともいう)を10mmとする。
このような試験片について、昇温速度5℃/minとし、荷重2.0gの条件下で10℃から100℃まで昇温し、1℃辺りの試験片の伸び率(TMA曲線の、加熱による収縮や融解による急激な膨張が生じる前の直線部分の傾きを試験片実行長で除した値)を測定した。同一種類の管状フィルム20を一本につき試験片3個について測定した上記伸び率の平均値を、熱線膨張係数として求めた。
なお、上記荷重は、管状フィルム20の周長を測定する時の荷重とは異なるが、熱線膨張係数を求めるときの管状フィルム20の伸びそのものは、上記荷重によるものではなく熱によるものであるため、周長を測定するときの荷重とは異なっていても、TMA曲線により求められる熱線膨張率と、管状フィルム20の周長測定時の温度変化率とは良い対応が取れる。
なお、TMA測定を行う装置上の制約で室温以下の測定が不可能な環境にある場合には、室温から加熱を開始するようにしてもよい。また、TMA測定の測定開始前には、管状フィルム20中に吸着されている水を除去する必要があるが、完全に除去することが出来なかった場合には、TMA曲線の加熱による収縮や融解による急激な膨張が生じる前の直線部分の傾きを用いて熱線膨張係数を算出するものとする。
以下、同様の方法で線膨張係数を測定した。
〔ギア部材20F〕
本発明におけるギア部材20Fは、管状フィルム20の軸方向の少なくとも一端部に配置され、接着部20Gが管状フィルム20の内周面側、又は外周面側に位置するように設けられることができる。ここで、「一端部」の「端部」とは、管状フィルム20の軸方向において、管状フィルム20の非画像領域に対応する領域を意味する。すなわち、駆動伝達部は、管状フィルム20の軸方向の外側に設けられる場合はもちろん、内側に設けられていても構わない。内側に設けられる場合、その範囲は管状フィルム20の非画像領域に依存するが、通常、管状フィルム20の端から内側に50mm以下の幅で形成することが好ましく、5mm以上30mm以下の幅で形成することがより好ましい。
ギア部材20Fが管状フィルム20の内周面に設けられる態様では、ギア部材20Fは、例えば、図4、6〜8に示すように、円柱状の駆動伝達部20F−1と円柱状の嵌め込み部20F−2とで構成されている。駆動伝達部20F−1と嵌め込み部20F−2とは、同軸に且つ連続して形成されている。駆動伝達部20F−1の外周面には、その軸方向に沿って断面三角状の凸部20F−3が周方向に所定の間隔で配置されている。そして、ギア部材20Fは、その嵌め込み部20F−2が管状フィルム20の内周面側に嵌め込まれる、即ち当該嵌め込み部20F−2の外周面と管状フィルム20の内周面とが接着部を介して対向して設けられている。さらに、図8では、ギア部材20Fの嵌め込み部20F−2をネジ作用により管状フィルム20に嵌め込むため、嵌め込み部20F−2の外周面には螺子溝が形成されており、嵌め込み部20F−2が雄螺子となる。また、前記螺子溝は、定着部材の回転方向とは逆方向に駆動伝達部材を回すと締めこまれるように形成されている。従って、定着部材が加圧部材と接触しながら回転している最中は、常に駆動伝達部材が締めこまれるような力が働くので、管状フィルム20と駆動伝達部20F−2とは強固に接着されていることになる。
一方、ギア部材20Fが管状フィルム20の外周面に設けられる態様では、ギア部材20Fは、例えば、図5に示すように、円柱状の駆動伝達部20F−1のみから構成されている。駆動伝達部20F−1の外周面には、その軸方向に沿って断面三角状の凸部20F−3が周方向に所定の間隔で配置されている。そして、ギア部材20Fには、その内周面に管状フィルム20が嵌め込まれる、即ち当該ギア部材20Fの内周面と管状フィルム20の外周面とが接着部20Gを介して対向して設けられている。
ギア部材20Fの材質は、管状フィルム20が加熱された時にギア部材20Fの温度も上昇するため、定着温度での耐熱性を有し、且つ線膨張係数が小さいものが好ましい。加えて、ギア部材20Fの材質が、シリコーンゴム弾性体、フッ素ゴム弾性体など弾性を有するものである場合(中でもシリコーンゴム弾性体がより好ましい。)、ギア部材20Fは管状フィルム20との摩擦力が大きくなる効果が期待できる。さらに、管状フィルム20が加圧ロール22に押圧され変形する場合、ギア部材20Fが管状フィルム20の変形に追従する材質であれば、管状フィルム20の耐久性が向上する効果が期待できる。なお、弾性体とは100Paの外力印加により変形させても、元の形状に復元する材料から構成されるものをいう。
一方、管状フィルム20の変形領域がギア部材20Fの装着位置に達しない場合、ギア部材20Fは弾性を有していなくてもよい。このようなものとしては、金属系又は熱可塑性の結晶性プラスチックが高温で硬度を有するため好ましく、その中でもポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)が望ましい。PPS樹脂の線膨張係数は管状フィルムの好ましい材質の一つであるポリイミド材料の線膨張係数より小さいが概ね同等であり、非加熱状態及び加熱状態で膨張が同様であるために、接着剥れが起こりに難いため好ましい。ギア部材20Fの線膨張係数は0.5×10-5/℃以上1.6×10-5/℃以下であることが好ましく、0.8×10-5/℃以上1.3×10-5/℃以下がより好ましい。ギア部材20Fが管状フィルムの内周面に設けられる態様では、0.5×10-5/℃より小さいと管状フィルムから剥がれてしまう場合があるので好ましくなく、1.6×10-5/℃より大きいと、管状フィルムを変形させてしまう場合があるので好ましくない。ギア部材20Fが管状フィルムの外周面に設けられる態様では、0.5×10-5/℃より大きいと管状フィルムから剥がれてしまう場合があるので好ましくなく、1.6×10-5/℃より小さいと、管状フィルムを変形させてしまう場合があるので好ましくない。
[接着部20G]
本発明における接着部20Gは、接着剤により構成される。接着部20Gが接着剤である場合、定着温度での耐熱性を有することが好ましく、線膨張率が大きいものが好ましい。
耐熱性を有し且つ線膨張率が大きいものとして、シリコーンゴム系が好ましい。シリコーンゴム系の接着剤は、管状フィルム20とギア部材20Fの体積変動に追従するのに有利であり、本発明に好ましい接着剤である。
前記効果を奏する接着部として好ましい弾性率の範囲は、0.5MPa以上5MPa以下であり、より好ましくは1MPa以上3MPa以下である。0.5MPaより小さいと、引き裂き強度が低いために接着部の信頼性が劣り、5MPaより大きいと、体積変動に対する追従性が劣ってしまう。
ここで、前記弾性率は、オートグラフ((株)東洋精機製作所製、V1−C)を用い、JIS K 7161(1994)に準拠して、常温にて引張速度を50mm/min.として、曲げ弾性率を測定した。
また、前記接着剤の線膨張係数は1×10-5/℃以上1×10-3/℃以下であり、1×10-4/℃以上5×10-4/℃以下であることが好ましく、2×10-4/℃以上4×10-4/℃以下であることがより好ましい。1×10-5/℃より小さいと、引き裂き強度が低いために接着部の信頼性が劣り、1×10-3/℃より大きいと、体積変動に対しての追従性が低く好ましくない。
また、接着部20Gは、機械的強度の観点から、金属の層により構成されていてもよい。接着部20Gが金属の層である場合(図6、及び図7参照)、層を形成しやすく、強度に優れるものが好ましい。特に、接着部20Gが金属の層である場合には、接着部が強固になるばかりでなく、熱が放出されやすくなる。そのため、画像形成領域外である管状フィルムの端部は加熱され続け、過剰に昇温すると管状フィルムの端部が劣化してしまうが、端部の熱を放出して過剰に昇温することを抑制できるという観点からも好ましい。ここで、「金属の層」とは、接着部20Gの全質量に対して、金属が50質量%以上含有されることを表す。
金属の含有量としては、50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。金属の含有量が50質量%以下であると、接着部20Gの強度が劣る場合があるためである。
接着部20Gに用いられる金属としては、例えば、ニッケル、鉄、銅、金、銀、アルミニウム、クロム、錫、亜鉛などの単一もしくは2種類以上の合金が挙げられ、好ましくは銅、金、銀及びこれらの合金が挙げられる。
このような金属の層は、製造工程の簡略化の観点から、金属単相からなる層であることがより好ましい。また、管状フィルム20の金属層と同一の材質からなることが特に好ましい。
[線膨張係数の関係]
本発明における定着部材21においては、ギア部材20Fが管状フィルム20の内周面で接着されている場合(図4、及び図6〜8参照)、接着部20Gの線膨張係数が管状フィルム20およびギア部材20Fの線膨張係数より大きいことが好ましい。定着部材21が定着温度に上昇する際、接着部20Gの線膨張係数がギア部材20F及び管状フィルム20の線膨張係数より小さいと、管状フィルム20と接着部20G、及び接着部20Gとギア部材20Fが剥離する原因となる。また、接着部20Gの線膨張係数がギア部材20F及び管状フィルム20の線膨張係数と比較して過度に大きい場合、管状フィルム20のしわ、割れの原因となることがある。従って、定着温度において管状フィルム20の内周径はギア部材20Fの挿入部(接着面となる部分)の外周径より大きいことがよい。
また、ギア部材20Fが管状フィルム20の外周面で接着されている場合(図5参照)も上述した内容と同様である。従って、定着温度においてギア部材20Fの内周径は管状フィルム20の外周径より大きいことがよい。
以下、本発明の実施例を説明する。但し、実施例で用いた本発明のギア部材20Fの作製方法は以下の例に限定されるわけではない。
−定着部材の作製−
参考例1)
耐熱性樹脂層20Aの材料として、ポリイミド樹脂(商品名:Uワニス−S、宇部興産株式会社製)を用いて膜厚60μm、外径30mmの無端状ベルトを作製した。
次に、この無端状ベルトの外周面に#400のアルミナ粒子を使用したサンドブラストによる粗面化処理を行い、洗浄し、外周面に無電解ニッケルめっき処理を行ってニッケル層を0.5μm形成した。次にこの無電解ニッケルめっき膜を電極として、この上に電解メッキ処理により膜厚10μmの銅層(金属層20B)を形成した。
なお、上記電解メッキ処理の条件として、使用したメッキ液は、硫酸銅(70g/L)、硫酸(200g/L)、塩酸(50mg/L)からなり、液温30℃、電流密度は0.2A/dmとした。
続いて、この銅層上に硫酸Ni(250g/L)、塩化Ni(45g/L)、ほう酸(40g/L)、トップセリーナ73X(5ml/L、奥野製薬工業株式会社製)、MU-2(5ml/L、奥野製薬工業株式会社)からなるメッキ液を用い、液温度50℃、ph4.0、電流密度3A/dmの条件で電解メッキ処理により膜厚5μmのニッケル層(保護層20C)を形成した。
ニッケル層上に、シリコーンゴム弾性層(商品名:SE6744、東レ・ダウコーニング株式会社製)を200μm塗布し、200℃で1時間乾燥した。さらにフッ素樹脂(PFA)ディスパージョン塗料(商品名:EN−710CL、三井・デュポンフロロケミカル株式会社製)を塗布し、その後380℃の炉内に1時間放置して、フッ素樹脂塗膜を焼成することにより膜厚30μmのPFA層(離型層20E)を形成し、管状フィルム20を作製した。なお、ダイアインスツルメンツ社製抵抗率計ロレスタGP MPC−T600型により測定したニッケル層(保護層20C)及び銅層(金属層20B)の固有抵抗は、それぞれ、6.8Ωm及び1.7Ωmであった。また、上述での線膨張係数の測定方法に基づいて線膨張係数を測定した結果、管状フィルム20の線膨張係数は12×10-6/℃であった。また、管状フィルム20を170℃に加熱した際の内周長は94.2mmであった。
次に、管状フィルム20の内周面に、シリコーンゴム系の接着剤(SE1714、東レ・ダウコーニング株式会社製)を塗ったギア部材20F(ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、商品名:トレリナA504FG1、東レ株式会社製)を挿入し、180℃で4時間加熱して、管状フィルム20とギア部材20Fを接着させた(図4参照)。また、上述での線膨張係数の測定方法に基づいて線膨張係数を測定した結果、シリコーンゴム系の接着剤(加熱後)、及びギア部材20Fの線膨張係数は、それぞれ、3×10-4/℃、及び1.0×10-5/℃あった。また、170℃に加熱した際のギア部材における挿入部の外周長は94.0mmであった。
(比較例1)
管状フィルム20の内面にギア部材20Fを装着しなかった以外は参考例1と同様な方法で定着部材21を作製した。
(比較例2)
管状フィルム20に金属層20Bを設けない以外は比較例1と同様な方法で定着部材21を作製した。
参考例2)
参考例1の接着剤として、エポキシ製の接着剤(商品名:EP160、セメダイン株式会社製)を用いたこと以外は参考例1と同様な方法で定着部材21を作製した。また、上述での線膨張係数の測定方法に基づいて線膨張係数を測定した結果、前記エポキシ製の接着剤の線膨張係数は2×10-4/℃であった。
(実施例3)
参考例1の接着部20Gを、管状フィルム20に、ギア部材20F(ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、商品名:トレリナA504FG1、東レ株式会社製)を圧入後、嵌め込み部20F−2及び管状フィルム20の外周面に銅層を形成して接続した(図6参照)以外は参考例1と同様な方法で定着部材21を作製した。
接着部20Gの銅層は、嵌め込み部20F−2の外周面及び管状フィルム20の外周面に、無電解ニッケルめっき処理を行ってニッケル層を0.5μm形成した。次にこのニッケル層を電極として、公知の方法で電解銅めっき処理(光沢硫酸銅浴)により、基材の表面とギア部材20Fの表面に連続した10μmの銅層(金属層20B)を形成した。
なお、上記電解メッキ処理の条件として、使用したメッキ液は、硫酸銅(70g/L)、硫酸(200g/L)、塩酸(50mg/L)からなり、液温30℃、電流密度は0.2A/dmとした。
(実施例4)
耐熱性樹脂層20Aの材料として、ポリイミド樹脂(商品名:Uワニス−S、宇部興産株式会社製)を用いて膜厚60μm、外径30mmの無端状ベルトを作製した。
次に、この無端状ベルトにギア部材20F(ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、商品名:トレリナA504FG1、東レ株式会社製)を圧入した状態で保持したまま、両部材の表面をホーニング処理により粗面化を行った。この後、洗浄し、公知の方法により、無電解ニッケルめっき処理を行い、0.5μmの厚さの無電解ニッケル層を形成した。続いて、無電解ニッケル層を電極として、公知の方法で電解銅めっき処理(光沢硫酸銅浴)により、基材の表面とギア部材20Fの表面に連続した10μmの銅層(金属層20B)を形成した。
なお、上記電解メッキ処理の条件として、使用したメッキ液は、硫酸銅(70g/L)、硫酸(200g/L)、塩酸(50mg/L)からなり、液温30℃、電流密度は0.2A/dmとした。
続いて、この銅層上に硫酸Ni(250g/L)、塩化Ni(45g/L)、ほう酸(40g/L)、トップセリーナ73X(5ml/L、奥野製薬工業株式会社製)、MU-2(5ml/L、奥野製薬工業株式会社)からなるメッキ液を用い、液温度50℃、ph4.0、電流密度3A/dmの条件で電解メッキ処理により膜厚5μmのニッケル層(保護層20C)を形成した。
なお、上記電解メッキ処理の条件として、使用したメッキ液は、硫酸銅(70g/L)、硫酸(200g/L)、塩酸(50mg/L)からなり、液温30℃、電流密度は0.2A/dmとした。
ニッケル層上に、シリコーンゴム弾性層(商品名:SE6744、東レ・ダウコーニング株式会社製)を200μm塗布し、200℃で1時間乾燥した。さらにフッ素樹脂(PFA)ディスパージョン塗料(商品名:EN−710CL、三井・デュポンフロロケミカル株式会社製)を塗布し、その後380℃の炉内に1時間放置して、フッ素樹脂塗膜を焼成することにより膜厚30μmのPFA層(離型層20E)を形成し、管状フィルム20を作製した(図7参照)。なお、ダイアインスツルメンツ社製抵抗率計ロレスタGP MPC−T600型により測定したニッケル層(保護層20C)及び銅層(金属層20B)の固有抵抗は、それぞれ、6.8Ωm及び1.7Ωmであった。また、上述での線膨張係数の測定方法に基づいて線膨張係数を測定した結果、管状フィルム20の線膨張係数は12×10-6/℃であった。また、管状フィルム20を170℃に加熱した際の内周長は94.2mmであった。
(実施例5)
参考例1の管状フィルム20及びギア部材20Fにおいて、管状フィルム20を雌螺子とし、ギア部材20Fの嵌め込み部20F−2を雄螺子とし、管状フィルム20が回転するとギア部材20Fが締めこまれるように螺子溝を形成した。なお、溝の高さは25μmとし、溝のピッチ幅は50μmとした。その後、螺子溝にシリコーンゴム系の接着剤(SE1714、東レ・ダウコーニング株式会社製)を塗ったギア部材20F(ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、商品名:トレリナA504FG1、東レ株式会社製)を管状フィルム20にネジ作用により挿入し、180℃で4時間加熱して、管状フィルム20とギア部材20Fを接着させた(図8参照)。このようにして管状フィルム20とギア部材20Fとを接着した以外は参考例1と同様な方法で定着部材21を形成した。
(比較例3)
参考例1において、管状フィルム20にギア部材20Fを圧入し、管状フィルム20の外側からリング状締め具で接合部を補強した以外は参考例1と同様にして定着部材21を形成した。
−定着装置−
参考例1、2、実施例3〜5、比較例1〜3の定着部材21を用いて、定着可能な温度(ここでは170℃とした)に達するまでの時間と定着画像を評価した。定着の評価はDocuCentre Color400(富士ゼロックス社製)の定着装置を本発明の定着装置に置き換えて行った。用紙として富士ゼロックス社製J紙を用いた。参考例1、2、実施例3〜5、比較例1、及び3は誘導加熱による方式で加熱した。比較例2は加圧ロール内部にハロゲンランプを挿入し、加圧ロールを加熱し、その熱で管状フィルム20を加熱した。
参考例1、2、実施例3〜5、及び比較例3は定着可能な温度に達するまでは、ギア部材20Fと加圧ロール22を非接触にし、定着可能な温度に達した後は加圧ロール22と接触させた。比較例1はギア部材20Fと加圧ロール22が接触しながら回転している状態で加熱した。
その結果、参考例1、2、実施例3〜5及び比較例3は、定着可能な温度まで上昇する時間は4秒であった。比較例1は、10秒であった。比較例2は30秒であった。
つぎにギア部材20Fが170℃に達した後に、未定着トナーが載ったA4紙を連続で40万枚流し、定着後の画像評価を行った。
その結果、参考例1では30万枚まで問題なかったが、それ以降にギア部材と管状フィルムの剥がれが起こった。参考例2は28万枚までは問題なかったが、それ以降にギア部材と管状フィルムの剥がれが起こった。実施例3、4は問題が見当たらなかった。実施例5は30万枚以降にギア部材と管状フィルムの剥がれが起こっていたが、40万枚まで管状フィルムが破損する事無く使用することができた。比較例3では、5万枚以降にギア部材と管状フィルムの分離が起こった。
−評価結果−
定着温度に達する時間では参考例1、2、実施例3〜5が良好な結果を示したが、参考例2は連続走行で信頼性に問題があった。比較例1、2は連続走行では問題が無かったが、定着温度に達する時間が参考例1に比べて遅かった。比較例3は定着温度に達する時間は問題なかったが、連続走行で信頼性に大きな問題があった。
本発明の実施形態における画像形成装置を示した概略構成図である。 本発明の実施形態における定着装置を示した構成図である。 本発明の実施形態における管状フィルムの断面図である。 本発明の実施形態における定着部材を示す図であり、(A)が(B)の4−4’断面図、(B)が正面図、(C)が側面図である。 本発明の他の実施形態における定着部材を示す図であり、(A)が(B)の5−5’断面図、(B)が正面図、(C)が側面図である。 本発明の他の実施形態における定着部材を示す図であり、(A)が(B)の6−6’断面図、(B)が正面図、(C)が側面図である。 本発明の他の実施形態における定着部材を示す図であり、(A)が(B)の7−7’断面図、(B)が正面図、(C)が側面図である。 本発明の他の実施形態における定着部材を示す図であり、(A)が(B)の8−8’断面図、(B)が正面図、(C)が側面図である。
符号の説明
20 管状フィルム
20B 金属層
20C 保護層(金属層)
20F ギア部材(駆動伝達部材)
20G 接着部(接着剤)
21 定着部材
22 加圧ロール(加圧部材)
26 電磁誘導加熱装置
28 定着装置
40 画像形成装置
60 感光ドラム(像保持体)
62 帯電装置(帯電手段)
64 レーザースキャナ(潜像形成手段)
65 ミラー(潜像形成手段)
66 回転式現像装置(現像手段)
68 中間転写体(転写手段)
70 転写ロール(転写手段)

Claims (6)

  1. 金属層を含む管状フィルムと、該管状フィルムの軸方向の少なくとも一端部に配設された該管状フィルムを回転させるための駆動伝達部材と、前記管状フィルムと前記駆動伝達部材とを接着するための接着部と、を有し、
    前記駆動伝達部材は駆動伝達部と嵌め込み部とで構成され、
    前記接着部は前記嵌め込み部の一部が嵌め込まれた状態で、前記嵌め込み部の露出した外周面と前記管状フィルムの端部側の外周面とを覆うようにして接着する金属の層であることを特徴とする定着部材。
  2. 金属層を含む管状フィルムと、該管状フィルムの軸方向の少なくとも一端部に配設された該管状フィルムを回転させるための駆動伝達部材と、前記管状フィルムと前記駆動伝達部材とを接着するための接着部と、を有し、
    前記接着部は、前記管状フィルムの基材層と前記駆動伝達部材とを接着する金属の層であることを特徴とする定着部材。
  3. 金属層を含む管状フィルムと、該管状フィルムの軸方向の少なくとも一端部に配設された該管状フィルムを回転させるための駆動伝達部材と、前記管状フィルムと前記駆動伝達部材とを接着するための接着部と、を有し、
    前記駆動伝達部材が前記管状フィルムにねじ作用で嵌め込まれ、前記接着部は、前記管状フィルムの螺子溝と前記駆動伝達部の螺子溝との間に形成され、該螺子溝は前記管状フィルムが回転すると前記駆動伝達部材が締めこまれるように形成されていることを特徴とする定着部材。
  4. 前記接着部の線膨張係数が前記管状フィルムおよび前記駆動伝達部材の線膨張係数よりも大きいことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の定着部材。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の定着部材と、該定着部材に接触する加圧部材と、交流磁界を印加して定着部材を加熱する電磁誘導加熱装置と、を有することを特徴とする定着装置。
  6. 像保持体と、該像保持体表面を帯電させる帯電手段と、前記像保持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像を現像剤により現像しトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記トナー像を記録媒体に加熱定着する定着手段とを備え、
    該定着手段は、請求項に記載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
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