JP4649836B2 - カメラシステム - Google Patents
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Description
ここで、例えば、予備発光での反射光量が多すぎてデータがオーバーフローしたときは予備発光は失敗となる。すなわち、この場合には反射光量の測定結果に基づいて本発光量を演算できないので、本発光時の閃光装置の調光を適正に行うことができずに閃光撮影が失敗することになる。したがって、この予備発光の失敗時には、発光条件を変更して再度予備発光を行うが、その反面で撮影時におけるカメラの応答性が悪化する。この点に関し、特許文献1には、カメラ内蔵の閃光装置と、カメラ外部の閃光装置とを被写体距離に応じて切り替えて予備発光を行うカメラが開示されている。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記距離検出手段は、前記被写体からの光束に基づいて合焦判定を行う焦点検出手段によって合焦と判定された時の前記撮影光学系のレンズ位置に基づいて前記被写体距離を検出するものであり、前記誤差量出力手段は、前記撮影光学系の被写界深度または焦点深度に基づいて前記至近側誤差量を出力することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカメラシステム。
請求項5の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記誤差量出力手段は、温度に応じて変化する前記距離検出手段の前記至近側誤差量を出力することを特徴とする。
(第1実施形態の構成)
図1は、本発明の第1実施形態である電子カメラ100の概要図である。
第1実施形態の電子カメラ100は、撮像レンズ1および絞り2からなる撮影光学系と、撮像レンズ1を駆動させるレンズ駆動部3と、撮像センサ4と、A/D変換部5と、画像処理部6と、コンデンサの蓄積電荷でキセノン発光管を発光させる閃光発光部7と、画像処理部6の出力した撮影画像データを一時待避させるメモリ8と、撮影画像データを最終的に格納する記録媒体9と、撮影画像データ等を表示するモニタ10と、撮影画像データ等を伝達するデータバス11と、CPU12とから構成されている。
CPU12は、撮影光学系、撮像センサ4、画像処理部6およびモニタ10の制御、閃光発光部7の発光条件の決定および発光制御、メモリ8に記録されるデータの処理、記録媒体9への撮影画像データの記録および読み出し、電子カメラ100の露光演算などの処理を行う。このCPU12には、実験等によって予め求められた各種の誤差量の演算データが記録されている。
また、電子カメラ100は、自動発光モード、強制発光モード、赤目軽減モード等の複数のモードを有し、図示しないモード設定スイッチによって、CPU12にモード設定を入力することができる。ここで、自動発光モードでは、被写界の輝度情報に応じてCPU12が閃光発光部7を発光させるか否かを自動的に判定する。強制発光モードでは、被写界の輝度情報にかかわらず、撮影者の意図に基づいてCPU12が強制的に閃光発光部7を発光させる。赤目軽減モードでは、CPU12は閃光発光部7を撮影前に発光させて、被写体の人物を予備照射(赤目軽減発光)する。これにより被写体の瞳孔の開口度を小さくして赤目に写るのを防止する。
第1実施形態の電子カメラ100は上記のように構成され、以下、第1実施形態の電子カメラ100の動作を、図2の流れ図によって説明する。
ステップS101:撮影者は、電子カメラ100の電源投入後に、図示しないレリーズボタンの半押しなどの所定の入力を電子カメラ100に行う。電子カメラ100のCPU12は、撮像センサ4から被写界の輝度情報を取り込む。そして、CPU12は輝度情報に基づいて露出演算を実行し、撮影時の撮影条件(絞り2の絞り値、撮像センサ4の感度、シャッタ秒時など)を決定する。
ステップS103:CPU12は焦点検出動作を実行する。具体的には、CPU12は、レンズ駆動部3によって可動範囲全域にわたって一方向に撮像レンズ1をスキャン動作させ、これと同期して撮像センサ4の焦点検出エリアから周期的に出力を得る。そして、CPU12は生成された焦点評価値のピークを検索して合焦位置を検出する。
ステップS106:CPU12は、赤目軽減のために閃光発光部7を所定の発光量で発光させて、被写体の人物を予備照射する。
ステップS108:CPU12は、予備発光の発光条件(S107)にしたがって閃光発光部7を予備発光させる。CPU12は、予備発光での被写体の反射光量データを撮像センサ4から取得する。
ステップS110:CPU12は、本発光の発光条件(S109)にしたがって閃光発光部7を本発光させる。この本発光に同期して、CPU12は撮像センサ4によって被写体を撮影する。そして、撮像センサ4の出力に基づいて画像処理部6が撮影画像データを生成する。
ステップS112:CPU12は撮影画像データを記録媒体9に格納し、次回の撮影動作を待機する。以上で電子カメラ100の一連の撮影動作が完了する。
次に、図2のS107における「予備発光の発光条件演算サブルーチン」を詳細に説明する。
図3は、被写体距離Dstと実際の被写体距離との誤差量を示す図である。CPU12は、焦点検出動作(S103)の結果、合焦時の撮像レンズ1のレンズ位置に基づいて被写体距離Dstを検出する。しかし、被写体像の結像位置が焦点検出の許容誤差(±ε)の範囲内にあればCPU12は合焦と判定するので、現実には被写体距離Dstの位置よりも被写体が至近側または望遠側に位置する場合がある。
ステップS201:CPU12は、図2のステップS103における合焦時の撮像レンズ1の位置(被写体距離Dstに対応する)を取得する。そして、CPU12は、合焦時の撮像レンズ1の位置から、CPU12の誤差量演算データに基づく至近側の誤差量相当分(至近側誤差量Dpfに対応する)を減じて、最も至近となる距離に被写体が位置する場合のレンズ位置を演算する。
(1)撮影光学系の被写界深度または焦点深度が深くなると、焦点検出の許容誤差(±ε)が大きくなる。したがって、誤差量には被写界深度または焦点深度を考慮する。具体的には、絞り2の絞り値によって被写界深度または焦点深度が変動するので、CPU12は絞り値の関数等によって誤差量を演算する。
第1実施形態では、CPU12は被写体距離Dstに対して誤差量を考慮した距離範囲のうち、最も至近となる距離(Dst−Dpf)に被写体が位置するものとして予備発光の発光条件を求める。したがって、誤差量を考慮せずに被写体距離Dstで予備発光の発光条件を演算した場合と比較して、被写体の反射光のオーバーフローによる予備発光の失敗の可能性が著しく低減し、短時間で本発光の発光条件を決定することができる。
以上、本発明を上記の実施形態によって説明してきたが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明のカメラシステムの発光手段は、カメラ内蔵のものに限定されず、カメラに着脱可能なものを当然に含む。また、予備発光の発光条件の演算では、第1実施形態で列挙した誤差量のすべてを考慮する必要はなく、これらのいずれかを選択的に考慮して予備発光の発光条件を決定してもよい。
2 絞り
3 レンズ駆動部
4 撮像センサ
5 A/D変換部
6 画像処理部
7 閃光発光部
8 メモリ
9 記録媒体
10 モニタ
11 データバス
12 CPU
100 電子カメラ
Claims (7)
- 被写体を照射する発光手段を備え、撮影のための本発光に先立って予備発光を行い、該予備発光の発光結果に基づいて本発光の発光条件を決定するカメラシステムであって、
撮影光学系による被写体像を撮像する撮像手段と、
被写体距離を検出する距離検出手段と、
前記距離検出手段による前記被写体距離の至近側の誤差範囲に対応する至近側誤差量を出力する誤差量出力手段と、
前記被写体距離と前記至近側誤差量とに基づいた補正距離を演算する演算手段と、
前記補正距離に基づいて前記発光手段が予備発光をするように前記発光手段を制御する制御部とを有することを特徴とするカメラシステム。 - 前記演算手段は、前記被写体距離から前記至近側誤差量を減算した補正距離を演算することを特徴とする請求項1に記載のカメラシステム。
- 前記距離検出手段は、前記被写体からの光束に基づいて合焦判定を行う焦点検出手段によって合焦と判定された時の前記撮影光学系のレンズ位置に基づいて前記被写体距離を検出するものであり、
前記誤差量出力手段は、前記撮影光学系の被写界深度または焦点深度に基づいて前記至近側誤差量を出力することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカメラシステム。 - 前記被写体からの光束を制限する絞りをさらに有し、
前記誤差量出力手段は、前記絞りの絞り値に基づいて前記至近側誤差量を出力することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカメラシステム。 - 前記誤差量出力手段は、温度に応じて変化する前記距離検出手段の前記至近側誤差量を出力することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカメラシステム。
- 前記距離検出手段は、前記被写体からの光束に基づいて合焦判定を行う焦点検出手段によって合焦と判定された時の前記撮影光学系のレンズ位置に基づいて前記被写体距離を検出するものであり、
前記誤差量出力手段は、前記焦点検出手段の受光部のノイズ量に基づいて前記至近側誤差量を出力することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカメラシステム。 - 前記距離検出手段は、前記被写体からの光束に基づいて合焦判定を行う焦点検出手段によって合焦と判定された時の前記撮影光学系のレンズ位置に基づいて前記被写体距離を検出するものであり、
前記誤差量出力手段は、前記被写体の像のコントラストにより変化する前記焦点検出手段の信頼性に基づいて前記至近側誤差量を出力することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカメラシステム。
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