JP4647242B2 - クイック交換式フィルタ装置ならびにそのような装置に使用される基台およびクイック交換式フィルタ - Google Patents

クイック交換式フィルタ装置ならびにそのような装置に使用される基台およびクイック交換式フィルタ Download PDF

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Description

本発明は、少なくとも１つの基台と、そのような基台上に載置することの可能な少なくとも１つのクイック交換式フィルタとを備えたクイック交換式フィルタ装置に関する。
そのような装置に使用することを目的とするクイック交換式フィルタは本願の出願人によるヨーロッパ特許出願公開明細書第０６０６９６０号から公知である。さらに、本願の出願人はそのようなクイック交換式フィルタ装置を流通させている。実際には、前記クイック交換式フィルタ装置はカートリッジと呼ばれている。
ヨーロッパ特許出願公開明細書第０６０６９６０号
本発明の目的はフィルタハウジング内においてガスの逆流が生じないクイック交換式フィルタを備えた新規なクイック交換式フィルタ装置を提供することである。
本発明の別の目的は、通されるガスから炭化水素化合物を濾去するために設けられたクイック交換式フィルタを備え、前記フィルタが既に飽和状態になっているかどうかを確認可能な新規なクイック交換式フィルタ装置を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、より大きなフィルタ容量に加えて改善された清浄効果を有するクイック交換式フィルタ装置を提供することである。
本発明のさらに別の目的は自動的にその状態を確認可能なフィルタ装置を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、基台からフィルタを取外してもガスの流通を遮断することにならないクイック交換式フィルタ装置を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、本発明による前記クイック交換式フィルタ装置の基台上に粗悪なフィルタを載置し得ることを防止することである。
本発明のさらに別の目的は、前記基台とクイック交換式フィルタとの間にしっかりした連結状態を生じせしめて、前記クイック交換式フィルタが前記基台に誤った状態で連結される可能性を排除することである。
本発明のさらに別の目的は、通されるガスから水分と酸素を濾去するために設けられたクイック交換式フィルタを備え、前記フィルタが既に飽和状態になっているかどうかを確認可能なクイック交換式フィルタ装置を提供することである。
本発明のなおさらに別の目的は、そのまま、すなわち、プリフラッシュなしで、少なくとも最小限のプリフラッシュ時間の後で使用することの可能なクイック交換式フィルタを備えたクイック交換式フィルタ装置を提供することである。公知のフィルタの場合、フィルタからのキャリアガスがプロセスで使用しうるようになる前にそのキャリアガスでフィルタを所定時間フラッシュすることを通常必要としている。本発明の目的は前記フラッシュ時間を短縮可能なあるいは省略することさえも可能なクイック交換式フィルタ装置を提供することである。
この目的のために、本発明は少なくとも１つの基台と少なくとも１つのクイック交換式フィルタとを備えたクイック交換式フィルタ装置において、前記基台は前記基台を流体管系統に接続するための入口側接続要素と出口側接続要素とを備え、前記基台は前記クイック交換式フィルタの入口に接続されるガス入口側スタブと前記クイック交換式フィルタの出口に接続されるガス出口側スタブとを有するフィルタ結合部とを備え、前記クイック交換式フィルタは、フィルタ材料によって少なくとも部分的に充填されかつ前記入口および出口が接続されているフィルタハウジングと、前記基台の前記フィルタ結合部と協働可能に設けられているクイック交換式カップリングとを備え、前記クイック交換式カップリングは前記クイック交換式フィルタの前記入口と前記出口とを収納し、前記基台は前記クイック交換式フィルタを前記基台に手動で接続するための手段と、前記クイック交換式フィルタを前記基台から取外すとき前記ガス出口側スタブと前記ガス入口側スタブとを自動的に気密シールするための密閉手段とを備えているクイック交換式フィルタ装置を提供する。
前記フィルタハウジング内における逆流を防止するために、前記フィルタハウジング内のガスの逆流を防止するように前記ガス入口側スタブの流体抵抗を前記ガス出口側スタブの流体抵抗より大きくすることができる。
炭化水素類をキャリアガスから除去するクイック交換式フィルタ装置のフィルタ材料の飽和状態を確認する目的で、前記フィルタハウジングをガラスで製造して透明にすることが可能で、前記ハウジングは、前記フィルタ材料に加えて、前記フィルタ材料が飽和状態になったりまたは少なくともそのフィルタ効果を失ったときに変色する標識を含み、前記フィルタ材料は前記ガスから炭化水素類を除去し、前記標識は炭化水素類に接触すると変色する。この目的のために、前記標識は二クロム酸カリウムを含むことが可能であり、前記フィルタ材料は活性炭を含むことができる。二クロム酸カリウムに加えて、前記標識はシリカゲルと硫酸とをさらに含むことができる。
より大きなフィルタ容量を得るために、前記クイック交換式フィルタ装置において同タイプのクイック交換式フィルタを２つ並列に前記管系統に接続することができる。意外にも、容量がより大きくなること、すなわち、滞留時間がより長くなることに加えて、ガスの浄化も大幅に良好になる。これは、並列に接続された２つのフィルタ内のガスの流速がかなり低く、従って前記フィルタ材料内のガスの滞留時間がかなり長くなるという事実の結果であると思われる。このように滞留時間が長くなることによって、ガスの浄化が大幅に改善されることに繋がると思われる。少なくとも一対のフィルタ結合部を備えた基台を用い、前記入口側接続要素が前記基台内の入口チャンネルに接続し、前記出口側接続要素が前記基台内の出口チャンネルに接続し、一対のフィルタ結合部のガス入口側スタブが前記入口チャンネルにそれぞれ接続され、一対のフィルタ結合部のガス出口側スタブが前記出口チャンネルにそれぞれ接続されるようにして、そのような並列接続を簡易に実現することも任意に可能である。
クイック交換式フィルタ装置におけるさまざまなクイック交換式フィルタのデータを簡易に取り得るように、これらのクイック交換式フィルタのそれぞれにトランスポンダを組込むこともできる。このトランスポンダは離れた場所から読み出すことが可能である。この方法で、特定のフィルタが既にどの位の時間使用されているのか、さらにそのフィルタは交換を必要としているかどうかを簡易に確認することが可能である。制御においてこれらのデータを評価する際に通されるガスの量も考慮に入れる場合、前記フィルタにおいて標識を用いると手間を省くことも可能である。事実、使用可能な残り時間をモニタリングすることによって、フィルタが交換を必要とする時に前記装置は注意を使用者に与えることができる。前記トランスポンダを読み出すために、例えば、前記フィルタ装置の複数の基台のうちの１つ、幾つかの基台、またはそれぞれの基台にクイック交換式フィルタのトランスポンダを読み出すためのレシーバを設けることが可能である。
所望により、バイパスパイプと、クイック交換式フィルタを前記基台から取外したときに前記入口側接続要素と前記出口側接続要素との間に前記バイパスパイプを介して流体的接続を達成させるとともに、クイック交換式フィルタが前記基台上に載置されたときには前記流体的接続を断つための手段とを前記基台に設けることができる。
そのようなバイパスパイプは、前記クイック交換式フィルタを前記基台から取外すときに大気から空気がパイプ系統内に拡散する可能性を最小限にする。公知の基台の場合には、クイック交換式フィルタを取外すときにガス流が遮断された。本実施態様の場合には、遮断する代わりにろ過されていないガスが通ることになる。そのような解決方法の方がより良い結果をもたらすプロセス条件がある。いずれの場合においても、この解決方法によると極く一時的にろ過されていないガスが使用されことになるが、プロセスの中断はない。
他のメーカーのフィルタが本願の出願人の基台上に載置されることを防止するために、前記基台のフィルタ結合部およびクイック交換式フィルタのクイック交換式カップリングに互いに協働する形状的特徴を備えて、対象となる基台用のクイック交換式フィルタしか前記基台上に載置できないようにすることができる。
上記基台のメーカー以外のメーカーからのクイック交換式フィルタが載置されると上記クイック交換式フィルタ装置の効果は最早保証できないので、そのような対策は特に重要である。様々な形状的特徴の例が特許請求範囲に挙げられている。
ガスから水蒸気および酸素を濾去する目的で、商標名「ナノケム」の下に流通されているフィルタ材料によりフィルタハウジングを少なくとも部分的に充填することが可能である。この材料はマテソン・トライガス社によって流通されている。酸素または水分を数ｐｐｂレベルで含むガスにこのフィルタ材料が接触するとこのフィルタ材料は呈色を示すので、このフィルタ材料は標識としても作用することができる。云うまでもないが、前記フィルタ材料「ナノケム」を標識としても使用する場合には前記フィルタハウジングをガラスで製造する必要がある。
使用者が新しいクイック交換式フィルタをプリフラッシュするのに必要な時間を最小限にする目的で、前記装置用クイック交換式フィルタを後で清浄するガスを用いて工場で既にプリフラッシュし、プリフラッシュ後に、空気または空気中のガス類が前記フィルター内に拡散したりフラッシュ用ガスが前記フィルタ外に拡散することが殆どないように前記フィルタハウジングを密閉するができる。これにより最終使用者は多大な時間を節約できるので、クイック交換式フィルタを交換した後より短時間でガスクロマトグラフ装置、質量分析装置またはＬＣＭＳを使用することが可能である。この場合、前記フィルタは特定ガス用フィルタである。
特に、フィルタが工場でヘリウムによって既にプリフラッシュされている場合、フィルタハウジングの製造および密閉は厳格な要件を満たす必要がある。実際、ヘリウムは、例えば、プラスチック製ハウジングや不完全なシーリングを通って容易に拡散してしまう。
本発明は、本発明によるクイック交換式フィルタ装置に使用することを明らかに目的とするクイック交換式フィルタにも関する。
本発明は、本発明によるクイック交換式フィルタ装置に使用することを明らかに目的とする基台にも関する。
本発明のさらに具体的な実施態様は従属請求項に記載されており、２件の例示的な実施態様に基づき、図面を参照してこれらを以下に明らかにする。図中、
図１はクイック交換式フィルタが取り付けられた基台の断面図を示している。
図２はクイック交換式フィルタが取り付けられていない基台の同様な断面図を示している。
図３は前記基台の背面図を示している。
図４は図３に示されている基台の上面図を示している。
図５は図２〜４に示されている基台の前面図を示している。
図６は図２〜５に示されている基台の側面図を示している。
図７はフィルタが取り付けられている基台の第３の代替可能な実施態様の断面図を示している。
図８は、フィルタが取り付けられていない図７の基台を示している。
図９〜１１は、ガス入口側スタブおよびガス出口側スタブを省略した、フィルタ結合部を２つ備えた基台の上面図、前面図および右側面図をそれぞれ示している。
図１２は、ガス入口側スタブおよびガス出口側スタブならびにフィルタが設けられた、図９に示されている基台の断面図を示している。
図１３は、図１２に示されている例示的実施態様のガス入口側スタブおよびガス出口側スタブをさらに詳細に示している。
これらのさまざまな図において、同様の部分には同様の符号を付けることにする。
図１は基台１とその上に載置されたクイック交換式フィルタ２のユニットを断面図で示している。このユニットは、そのようなユニットが１個またはそれ以上存在するクイック交換式フィルタ装置の一部となり得る。
図１〜６が示すように、基台は基台を流体管系統に接続するための入口側接続要素３および出口側接続要素４を一般に備えている。入口側接続要素３内に入口チャネル２４が開口している。出口側接続要素４内に出口チャネル２５が開口している。基台１には、クイック交換式フィルタ２の入口７に接続するためのガス入口側スタブ６とクイック交換式フィルタ２の出口９に接続するためのガス出口側スタブ８とを備えたフィルタ結合部５が少なくとも１個さらに設けられている。
基台１はクイック交換式フィルタ２を基台１に手動で接続するための手段を備えている。本実施態様において、この手段はクイック交換式フィルタ２の底側を締付けながらねじ山１５を有するフィルタ結合部５に螺着可能なネジ付リング１４である。従って、クイック交換式フィルタの固定は手動で実施可能であり、このことは工具類を使用する必要はないことを意味している。
図２においてはっきり見えるように、クイック交換式フィルタ２を基台１から取外したときにガス出口側スタブ８およびガス入口側スタブ６を自動的に気密シールするための気密手段が基台１に設けられている。この気密手段はガス入口側スタブ６内のバルブ１６とガス出口側スタブ８内のバルブ１７とからなっている。これらのバルブ１６，１７はバルブフランジ１６ａ，バルブフランジ１７ａと弁棒１６ｂ、１７ｂをそれぞれ備えている。バルブフランジ１６ａ、バルブフランジ１７ａ上には密閉リング１８，１９がそれぞれ配置され、バルブ閉位置において密閉リング１８，１９はガス入口側スタブ６，ガス出口側スタブ８内の弁座２０，２１に対してそれぞれ押付けられている。前もって応力を加えられているばね２２，２３によってバルブ１６，１７は閉位置にそれぞれ維持されている（図２参照）。クイック交換式フィルタ２を基台１上に載置することによって、バルブ１６，１７はばね２２，２３の力に抗して自動的に開放される（図１参照）。この方法により、入口チャネル２４を介して入口側接続要素３とクイック交換式フィルタ２の入口７との間と、出口チャネル２５を介して出口側接続要素４とクイック交換式フィルタ２の出口９との間に流体的接続が達成される。ガス入口側スタブ６とガス出口側スタブ８の上に２個の密閉リング２６，２７と密閉リング２８，２９がそれぞれ設けられて気密シールを構成していることも図２においてはっきりと見える。図３〜６は、ガス入口側スタブ６とガス出口側スタブ８が取外されている基台１の幾つかの図面をしめしている。ガス入口側スタブ６とガス出口側スタブ８は基台の開口４３，４４中に配設されている（図４および図５参照）。図４は、クイック交換式フィルタ２が間違った状態で基台に接続されることを防止する作用のある位置合せ用ピンが設けられる開口４５をさらに示している。この位置合せ用ピンとクイック交換式フィルタ２のクイック交換式カップリング１３に対応する開口とが存在することにより、クイック交換式フィルタ２がいつも正しい方法で基台１に確実に接続されるようにしている。
クイック交換式フィルタ２は入口７と出口９を有するフィルタハウジング１０を備えている。フィルタハウジング１０はフィルタ材料１２によって少なくとも部分的に充填されている。このクイック交換式フィルタ２は、基台１のフィルタ結合部５と協働するように設けられたクイック交換式カップリング１３も備えている。クイック交換式カップリング１３はクイック交換式フィルタ２の入口７および出口９を収納している。フィルタハウジング１０は保護キャップ３０によって囲繞されている。そのような保護キャップ３０は何かに強く当たった結果としてフィルタハウジング１０が壊れることを防止している。さらに、過剰な圧力の結果としてフィルタハウジング１０が爆発した場合にこの保護キャップ３０は使用者を保護する。この例示的実施態様においてはガラスで構成されているフィルタハウジング１０とクイック交換式カップリング１３との間の接続は締付けプレート３１と２個のＯ−リング３２，３３とによって行なわれている。ボルト３４，３５を使用して締付けプレート３１を締付けることにより、Ｏ−リング３２，３３が変形してフィルタハウジング１０の端部を締付ける。フィルタ材料１２は２個のガス透過性栓３６，３７によって固定されている。クイック交換式フィルタ２を基台１上に載置すると弁棒１６ｂ、１７ｂによって穴が開けられるキャップ３８，３９が入口７および出口９内に設けられている。
図示の例示的実施態様について特別なことは、この実施態様がガスから炭化水素類を除去することを目的とするクイック交換式フィルタ２であると共に、標識４０の存在によりフィルタ材料１２が飽和状態になったときにそれを目で認識しうるようにもしていることである。この例示的実施態様において、フィルタ材料１２は活性炭からなり、前記標識は二クロム酸カリウムを含み、この二クロム酸カリウムは炭化水素類に接触すると変色する。別の実施態様において、フィルタ材料、そのフィルタ材料および／または標識は、マテソン・トライガス社によって流通されている「ナノケム」からなっている。
図１に示されている例示的実施態様についてやはり特別なことは、クイック交換式フィルタ２がトランスポンダ４１を備えていることである。基台１はレシーバ４２を備えている。これらを備えることの利点は、クイック交換式フィルタ装置におけるさまざまなフィルタ類２の状態を自動的に確認可能なことである。実際、レシーバ４２を中央処理装置に接続すると、さまざまなフィルタの使用期間、さらに所望により、それらのフィルタの使用可能な残り時間を簡便にモニターすることができる。従って、この装置は新しいフィルタを発注する必要があることを使用者に知らせることが可能であり、あるいは、この装置はフィルタの寿命が尽きる前に自動的にそのような発注を行なうことさえも可能である。トランスポンダ４１およびレシーバ４２は正規のフィルタが基台１に載置されたかどうかを確認するためにも使用可能である。所望により、トランスポンダ４１に温度センサを設けることも可能である。フィルタ材料の温度が上昇すると、このことは通常反応が生起することを意味し、そこでフィルタ材料が飽和状態になることを意味している。温度センサを有するトランスポンダ４１をフィルタハウジング１０の下流側終端の近傍に設けると、フィルタから間もなく漏れが生じるかどうかを確認することができる。その場合、トランスポンダ４１は標識として作用するので、フィルタのハウジングを透明にデザインする必要は最早なくなり、例えば金属製にしてもよい。
レシーバ４２は対象となっているクイック交換式フィルタ２の経時的実働データを記憶するためにも使用可能である。この方法により、有効寿命、流量測定値および／または温度測定値をレシーバ４２のメモリに記憶することができる。そのようなデータは使用可能な残り時間を推定するために簡便に使用可能である。
図７について特別なことは、基台１がバイパスパイプ５１と、クイック交換式フィルタ２を基台１から取外すときにバイパスパイプ５１を介して入口側接続要素３と出口側接続要素４との間に流体的接続を達成し、クイック交換式フィルタ２を基台１の上に載置するときに前記流体的接続を断つための手段とを備えていることである。この例示的実施態様においては、基台１に対して長手方向に調節可能であって、第１および第２のシール面５３，４６を備えているピン５２をガス入口側スタブ６内に組込むことによって前記手段を構成できる。基台１、より具体的には、そのガス入口側スタブ６は第１および第２の弁座４７，４８を含んでいる。第１の位置において、ピン５２はその第１のシール面５３を第１の弁座４７に当接させて、入口側接続要素３とバイパスパイプ５１との間に流体的接続が存在している間はガス入口側スタブガス入口側スタブ６と入口側接続要素３との間の流体的接続を遮断する（図８参照）。第２の位置において、前記ピンはその第２のシール面４６を第２の弁座４８に当接させて、ガス入口側スタブ６と入口側接続要素３との間に流体的接続が存在している間はバイパスパイプ５１と入口側接続要素３との間の流体的接続を遮断する（図７参照）。ピン５２はばね４９によって図８に示されている位置に押圧される。バイパスパイプ５１が存在することにより前記管系統および基台１はキャリアガスで満たされたまま維持されるので、例えば、ガスクロマトグラフィ、質量分析またはＬＣＭＳのような実行中のプロセスを継続することができる。ろ過されていないガスが短時間使用されることを認めざるを得ないが、このことは実行中のプロセスには通常何の問題にもならない。いずれにしても、フィルタ交換後のフラッシュ頻度を大幅に減らしたり、あるいはフラッシュを完全に省略することが可能である。
図９〜１１は、一対のフィルタ結合部５を備えた基台１の上面図、前面図および右側面図をそれぞれ示している。図９〜１１においてガス入口側スタブ６，６’およびガス出口側スタブ８，８’は示されていないが、図９〜１１はガス入口側スタブおよびガス出口側スタブ６，８が嵌入される開口４３，４４を示している。さらに、基台１の組立てが完成した状態で位置合せ用ピン５０が組込まれる開口も示されている。しかしながら、これらのガス入口側スタブおよびガス出口側スタブならびに位置合せ用ピン５０’は図１２および１３の断面図では見ることができる。そのような基台上に同タイプのクイック交換式フィルタ２を２個載置することができる。次いでクイック交換式フィルタ２を並列に前記管系統に接続するように基台は具現化されている。この目的のために、入口側接続要素３は基台内の入口チャネル２４に接続されている。出口側接続要素４は基台内の出口チャネル２５に接続されている。一対のフィルタ結合部５，５’のガス入口側スタブ６，６’は入口チャネル２４にそれぞれ結合されている。一対のフィルタ結合部５，５’のガス出口側スタブ８，８’は出口チャネル２５にそれぞれ結合されている。したがって、入口チャネル２４内に流入するガスは２個のフィルタ２中に広がり、それらのフィルタを通って流れた後、出口チャネル２５を介して基台１から流出する。前記フィルタを通る際にガスは低速で流れるので、フィルタ内の滞留時間が長くなるだけでなく、より良好な清浄が行なわれることは驚くべきである。特に、例えばＬＣＭＳプロセスにように大きなガス流量を必要とするプロセスに対してそのような並列接続は多大な利点がある。
図１３には、図１２に示されている基台１とは別の細部が多数示されている。ところで、これらの細部は単一の基台にも同様に適用可能で、同様な効果をもたらすことができる。第１に、弁棒１６ａの周囲のガス入口側スタブ６内の流通室が弁棒１７ｂの周囲のガス出口側スタブ８内の流通室より格段に小さいことがこの図面においてはっきり見ることができる。これによってガス入口側スタブ６内の流体抵抗をガス出口側スタブ８内の流体抵抗よりすっと大きくすることができる。その結果、フィルタハウジング１０内でガスが淀んだり逆流する可能性が最小限なり、クイック交換式フィルタ２の清浄効果に良好な影響が及ぼされる。これを達成するために、この例示的実施態様においては、ガス出口側スタブ８の内径と外径がいずれもガス入口側スタブ６の内径と外径より大きく構成されている。これらの径の違いはフィルタ内における逆流を防止するだけでなく、位置合せ用ピン５０の存在がない場合においてさえ、基台上にフィルタ２が誤って載置されることが防止されるという特に良好な別の利点も有する。従って、直径の異なるガス入口側および出口側スタブ６，８はユニークな形状的特徴を構成している。この形状的特徴は他のメーカーのフィルタがそのように構成された基台には適合しないということも確実にしている。この方法により、前記クイック交換式フィルタ装置の良好な効果がより確実に保証される。実際上、すべての部品が１つのメーカーから供給されることになる。所望により、基台１にさらに別の経常的特徴を付加することも可能である。例えば、ガス入口側スタブ６を長くして、少なくともガス出口側スタブ８よりもフィルタ結合部５のより外側まで延びるようにすることも可能である。さらに、位置合せ用ピン５０を２本以上設けることも可能であり、この構成は図１２に示されている。位置合せ用ピンが２本以上存在することにより、クイック交換式フィルタ２と基台１との間がしっかりと安定に結合される。さらに、この位置合せ用ピンは、１３とクイック交換式フィルタ２の締付けプレート３１とを完全に貫通するような長さを有しても良い。このようにすると、フィルタ材料で完全に充填されているシリンダ状ハウジングを備えた複数のフィルタを結合することが不可能になる。そのようなフィルタは、例えば、ヴァリアン・クロムパック社によって流通されている。
本発明が上記例示的実施態様に限定されるのではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において様々な変更が可能であることは明白である。
例えば、目で検査される標識がフィルタハウジング内にない場合にはフィルタハウジングを金属で作製することも可能である。
クイック交換式フィルタが取り付けられた基台の断面図である。 クイック交換式フィルタが取り付けられていない基台の同様な断面図である。 前記基台の背面図である。 図３に示されている基台の上面図である。 図２〜４に示されている基台の前面図である。 図２〜５に示されている基台の側面図である。 フィルタが取り付けられている基台の第３の代替可能な実施態様の断面図である。 フィルタが取り付けられていない図７の基台を示す図である。 ガス入口側スタブおよびガス出口側スタブを省略した、フィルタ結合部を２つ備えた基台の上面図である。 ガス入口側スタブおよびガス出口側スタブを省略した、フィルタ結合部を２つ備えた基台の前面図である。 ガス入口側スタブおよびガス出口側スタブを省略した、フィルタ結合部を２つ備えた基台の右側面図である。 ガス入口側スタブおよびガス出口側スタブならびにフィルタが設けられた、図９に示されている基台の断面図である。 図１２に示されている例示的実施態様のガス入口側スタブおよびガス出口側スタブをさらに詳細に示す図である。
符号の説明
１ 基台
２ クイック交換式フィルタ
３ 入口側接続要素
４ 出口側接続要素
５，５ フィルタ結合部
６，６’ ガス入口側スタブ
７ 入口
８，８’ ガス出口側スタブ
９ 出口
１０ フィルタハウジング
１２ フィルタ材料
１３ クイック交換式カップリング
２４ 入口チャンネル
２５ 出口チャンネル
４０ 標識
４１ トランスポンダ
４２ レシーバ
４６ 第２のシール面
４７ 第１の弁座
４８ 第２の弁座
５１ バイパスパイプ
５２ ピン
５３ 第１のシール面

Claims (23)

  1. 少なくとも１つの基台と少なくとも１つのクイック交換式フィルタとを備えたクイック
    交換式フィルタ装置であって、前記基台は前記基台を流体管系統に接続するための入口側
    接続要素と出口側接続要素とを備え、前記基台は前記クイック交換式フィルタの入口に接
    続されるガス入口側スタブと前記クイック交換式フィルタの出口に接続されるガス出口側
    スタブとを有するフィルタ結合部とを備え、前記クイック交換式フィルタは、フィルタ材
    料によって少なくとも部分的に充填されかつ前記入口および出口が接続されているフィル
    タハウジングと、前記基台の前記フィルタ結合部と協働可能に設けられているクイック交
    換式カップリングとを備え、前記クイック交換式カップリングは前記クイック交換式フィ
    ルタの前記入口と前記出口とを収納し、前記基台は前記クイック交換式フィルタを前記基
    台に手動で接続するための手段と、前記クイック交換式フィルタを前記基台から取外すと
    き前記ガス出口側スタブと前記ガス入口側スタブとを自動的に気密シールするための密閉
    手段とを備えたクイック交換式フィルタ装置において、
    前記基台は、バイパスパイプと、クイック交換式フィルタを前記基台から取外したときに前記入口側接続要素と前記出口側接続要素との間に前記バイパスパイプを介して流体的接続を達成させるとともに、クイック交換式フィルタが前記基台上に載置されたときには前記流体的接続を断つための手段を備え、該手段は、前記基台に対して長手方向に調節可能なピンからなり、前記ピンが第１のシール面と第２のシール面とを備え、前記基台が第１の弁座と第２の弁座とを含み、第１の位置において、前記ピンはその第１のシール面を前記第１の弁座に当接させて、前記入口側接続要素と前記バイパスパイプとの間に流体的接続が存在している間は前記ガス入口側スタブと前記入口側接続要素との間の流体的接続を遮断し、第２の位置において、前記ピンはその第２のシール面を前記第２の弁座に当接させて、前記ガス入口側スタブと前記入口側接続要素との間に流体的接続が存在している間は前記バイパスパイプと前記入口側接続要素との間の流体的接続を遮断することを特徴とするクイック交換式フィルタ装置。
  2. 前記フィルタハウジング内のガスの逆流を防止するように前記ガス入口側スタブの流体抵抗が前記ガス出口側スタブの流体抵抗より大きい請求項１に記載のクイック交換式フィルタ装置。
  3. 前記ガス入口側スタブの直径が前記ガス出口側スタブの直径より小さい請求項２に記載
    のクイック交換式フィルタ装置。
  4. 前記ガス入口側スタブの内径および外径が前記ガス出口側スタブの内径および外径より
    それぞれ小さい請求項２または３に記載のクイック交換式フィルタ装置。
  5. 前記フィルタハウジングはガラス製で透明であり、前記ハウジングは、前記フィルタ材料に加えて、前記フィルタ材料が飽和状態になったりまたは少なくともそのフィルタ効果を失ったときに変色する標識を含み、前記フィルタ材料は前記ガスから炭化水素類を除去し、前記標識は炭化水素類に接触すると変色することを特徴とする請求項１に記載のクイック交換式フィルタ装置。
  6. 前記標識が二クロム酸カリウムを含む請求項５に記載のクイック交換式フィルタ装置。
  7. 前記フィルタ材料が活性炭からなる請求項５または６に記載のクイック交換式フィルタ
    装置。
  8. 同タイプのクイック交換式フィルタが２つ並列に前記管系統に接続されて
    いることを特徴とする請求項１に記載のクイック交換式フィルタ装置。
  9. 前記クイック交換式フィルタ装置が少なくとも一対のフィルタ結合部を備えた基台を含
    み、前記入口側接続要素が前記基台内の入口チャンネルに接続し、前記出口側接続要素が
    前記基台内の出口チャンネルに接続し、一対のフィルタ結合部のガス入口側スタブが前記
    入口チャンネルにそれぞれ接続され、一対のフィルタ結合部のガス出口側スタブが前記出
    口チャンネルにそれぞれ接続されている請求項８に記載のクイック交換式フィルタ装置。
  10. トランスポンダがクイック交換式フィルタに組込まれていることを特徴とする請求項１に記載のクイック交換式フィルタ装置。
  11. 前記クイック交換式フィルタ装置の基台がクイック交換式フィルタのトランスポンダを
    読み取るためのレシーバを備えている請求項１０に記載のクイック交換式フィルタ装置。
  12. 前記トランスポンダが温度センサを備えている請求項１０または１１に記載のクイック交換式フィルタ装置。
  13. 前記基台の前記フィルタ結合部と前記クイック交換式フィルタのクイック交換式カップリングは互いに協働する形状的特徴を備えて対象となる基台用のクイック交換式フィルタしか前記基台に設けられないようにしていることを特徴とする請求項１に記載のクイック交換式フィルタ装置。
  14. 前記形状的特徴が前記ガス入口側スタブと前記ガス出口側スタブの直径に関わる請求項
    １３に記載のクイック交換式フィルタ装置。
  15. 前記ガス入口側スタブの内径が前記ガス出口側スタブの内径より小さい請求項１４に記
    載のクイック交換式フィルタ装置。
  16. 前記ガス入口側スタブの外径が前記ガス出口側スタブの外径より小さい請求項１４また
    は１６に記載のクイック交換式フィルタ装置。
  17. 前記形状的特徴が前記ガス入口側スタブと前記ガス出口側スタブの長さに関わる請求項
    １３に記載のクイック交換式フィルタ装置。
  18. 前記形状的特徴が前記基台の前記フィルタ結合部に設けられた少なくとも１本の位置合
    わせ用ピンを包含する請求項１３に記載のクイック交換式フィルタ装置。
  19. ２本以上の位置合わせ用ピンが前記基台の前記フィルタ結合部に設けられている請求項
    １８に記載のクイック交換式フィルタ装置。
  20. 前記基台上に前記クイック交換式フィルタが載置した状態において、少なくとも１本の
    位置合わせ用ピンが前記フィルタの前記フィルタ結合部を完全に貫通して延びるようにこ
    のピンの長さが定められ、前記クイック交換式カップリングを通って孔が設けられている
    請求項１８または１９に記載のクイック交換式フィルタ装置。
  21. 少なくとも１つのクイック交換式フィルタは、ガスから水蒸気と酸素とを除去するためのフィルター材料を少なくとも部分的に充填されたフィルタハウジングを備えたことを特徴とする請求項１に記載のクイック交換式フィルタ装置。
  22. 前記装置用クイック交換式フィルタが前記装置を後で清浄するガスを用いて工場で既にプリフラッシュされており、プリフラッシュ後に、空気または空気中のガス類が前記フィルター内に拡散したりフラッシュ用ガスが前記フィルタ外に拡散することが殆どないように前記フィルタハウジングを作製して密閉することを特徴とする請求項１に記載のクイック交換式フィルタ装置。
  23. 基台は、該基台を流体管系統に接続するための入口側接続要素と出口側接続要素とを備え、前記基台は前記クイック交換式フィルタの入口に接続されるガス入口側スタブと前記クイック交換式フィルタの出口に接続されるガス出口側スタブとを有するフィルタ結合部とを備え、該基台は、前記クイック交換式フィルタを前記基台に手動で接続するための手段と、前記クイック交換式フィルタを前記基台から取外すとき前記ガス出口側スタブと前記ガス入口側スタブとを自動的に気密シールするための密閉手段とを備えるとともに、
    該基台は、バイパスパイプと、クイック交換式フィルタを前記基台から取外したときに前記入口側接続要素と前記出口側接続要素との間に前記バイパスパイプを介して流体的接続を達成させるとともに、クイック交換式フィルタが該基台上に載置されたときには前記流体的接続を断つための手段を備え、該手段は、前記基台に対して長手方向に調節可能なピンからなり、前記ピンが第１のシール面と第２のシール面とを備え、前記基台が第１の弁座と第２の弁座とを含み、第１の位置において、前記ピンはその第１のシール面を前記第１の弁座に当接させて、前記入口側接続要素と前記バイパスパイプとの間に流体的接続が存在している間は前記ガス入口側スタブと前記入口側接続要素との間の流体的接続を遮断し、第２の位置において、前記ピンはその第２のシール面を前記第２の弁座に当接させて、前記ガス入口側スタブと前記入口側接続要素との間に流体的接続が存在している間は前記バイパスパイプと前記入口側接続要素との間の流体的接続を遮断するようにしたことを特徴とする、前記請求項１乃至請求項２２のうちの何れか１項に記載のクイック交換式フィルタ装置に使用する基台。
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