JP4647111B2 - 靴中敷用繊維構造体およびその製造方法 - Google Patents

靴中敷用繊維構造体およびその製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、靴中敷用繊維構造体および靴中敷に関するものであり、さらに詳しくは着用後すぐに個人の足型にフィットする靴中敷に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
靴中敷に必要な機能としては、靴の内部において足裏に接し、足のズレを防止して力のロスを防ぐ機能の他に、足への衝撃を吸収する衝撃吸収機能などが挙げられる。これらの機能等を発揮させるために、綿布などの上層の下に、比較的柔軟な中層を積層し、更に、比較的硬い下層を積層した積層靴中敷が知られている。
【0003】
また、靴中敷には平な平中敷の他に、フィット感の向上を目的として、中敷における踏まず部の表面が足裏にの形状に沿って盛り上がった成形中敷が知られている。
しかしながら、上記したような靴中敷は、統計的に算出された標準的な足の形状であり、かかる既成品は、個々人の歩行の癖等までは十分に考慮されておらず、一応のフィット感は得られるものの、決して十分とは言い難いものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の課題を解決しようとするものであり、既成品でありながら、履いている最中に個々人にあったフィット感が得られる靴中敷を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、支持層とその一表面に立設した繊維層からなる靴中敷用繊維構造体であって、該靴中敷用繊維構造体は、捲縮率5%以上の接着性捲縮繊維を20質量%以上含み、かつ繊維層が該接着性捲縮繊維間の熱接着による融着層と、該融着層よりも表面側に存在して該接着性捲縮繊維により熱接着されていないバルキー性の高い嵩高層から形成されていることを特徴とする靴中敷用繊維構造体である。
【0006】
さらに本発明は、捲縮率が5%以上の接着性捲縮繊維を20質量%以上含み、かつ支持層とその一表面に立設した繊維層とからなる繊維構造体の支持層面より水をスプレーした後、熱処理することにより、繊維層を、接着性捲縮繊維間の熱接着による融着層と、該融着層よりも表面側に存在して該接着性捲縮繊維により熱接着されていないバルキー性の高い嵩高層の複層構造とすることを特徴とする靴中敷用繊維構造体の製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
まず、本発明を構成する靴中敷用繊維構造体について説明する。
該繊維構造体は、支持層に立設されて繊維層が存在し、かかる繊維層は融着層とバルキー性の高い嵩高層によって構成される。本発明にいう支持層とは、本質的に変形し難い層であり、かかる層としては、繊維からなる層、フィルム、シートなどが挙げられる。繊維からなる層としては、織編布、各種の不織布、立毛布帛のグランド部などが挙げられる。
【0008】
また、本発明の靴中敷用繊維構造体は、接着性捲縮繊維を含有する。本発明でいう接着性捲縮繊維とは、110〜190℃の乾熱処理下で自己接着または他の繊維に接着するポリマー成分を含有する繊維、または湿熱無緊張処理下で約95℃以上の熱水により軟化して、自己接着または他の繊維に接着するポリマー成分を含有する捲縮繊維である。該捲縮繊維の捲縮形態は、平面的なジグザグ状の捲縮や、仮撚による立体捲縮、サイドバイサイド型複合繊維、偏心芯鞘型複合繊維、非対称冷却繊維などによって発現するコイル状の立体捲縮等、特に限定されるものではないが、該繊維構造体の嵩高性、柔軟性の観点から立体捲縮を有している繊維であることが好ましく、特に仮撚捲縮繊維が好ましく用いられる。
一方、生糸のようなストレートヤーンでは上記の三次元ランダムコイルの発現は得られず、接着部が点ではなくて塊状となり、風合も硬くなる。また、接着性を有していても、熱処理で捲縮が消失するような接着性捲縮繊維は、本発明の効果が得られない結果となり好ましくない。また、接着性捲縮繊維が接着成分100質量%からなる単独糸(いわゆるホモフィラメント)をレギュラー捲縮加工糸と混合しても目標とする構造体を得ることは困難である。
【0009】
かかる接着性捲縮繊維は、5%以上の捲縮率を有していることが必要であり、好ましくは10〜20%の捲縮率を有する繊維である。捲縮率が5%未満であると、融着層の形成が不十分となり、本発明の目的とする足型にあったフィット感が得られる靴敷用繊維構造体が得られない。
【0010】
該接着性捲縮繊維を構成するポリマーとしては、例えば、ナイロン12またはアクリルアミドを一成分とする共重合体、ポリ乳酸、エチレン−ビニルアルコール系共重合体などを挙げることができるが、中でもエチレン−ビニルアルコール系共重合体が好ましく用いられる。エチレン−ビニルアルコール系共重合体としては、ポリビニルアルコールにエチレン残基が10〜60モル%共重合されたものが好ましく、特にエチレン残基が30〜50モル%共重合されたものが、接着性の点で好ましい。また、ビニルアルコール部分は95モル%以上の鹸化度をもつものが好ましい。エチレン残基が多いことにより、接着性を有するが熱水には溶解しにくいという、特異な性質を有する。重合度は特に限定されないが、400〜1500程度が好ましい。
本発明においては、目的とする繊維構造体とした後に、染色性付与または繊維改質などの後加工のため、エチレン−ビニルアルコール系共重合体を部分架橋処理することができる。
【0011】
本発明で使用される接着性捲縮繊維は、上記のポリマー単独からなる繊維でもよいし、 他の熱可塑性重合体との複合繊維や、他の熱可塑性重合体からなる繊維の表面に該ポリマーを被覆した繊維でもよい。他の熱可塑性重合体としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン等を挙げることができるが、耐熱性、寸法安定性等の点でエチレン−ビニルアルコール系共重合体より高い融点をもつポリエステル、ポリアミド等が好ましく用いられる。
【0012】
ポリエステルとしてはテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、フタル酸、α,β−(4−カルボキシフェノキシ)エタン、4,4’−ジカルボキシジフェニル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、アゼライン酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオールからなる繊維形成性のポリエステルを挙げることができ、構成単位の80モル%以上がエチレンテレフタレート単位であることが好ましい。
【0013】
ポリアミドとしてはナイロン6、ナイロン66、ナイロン12を主成分とする脂肪族ポリアミド、半芳香族ポリアミドなどを挙げることができ、少量の第三成分を含有するポリアミドでもよい。
【0014】
本発明において、該繊維構造体を構成する繊維として、エチレン−ビニルアルコール系共重合体と他の熱可塑性重合体からなる複合繊維を用いる場合は、複合比は前者:後者(質量比)=10:90〜90:10、特に30:70〜70:30であることが紡糸性の点から好ましい。また、複合形態については特に限定されず、従来公知の複合形態を採用することができるが、エチレン−ビニルアルコール系共重合体が繊維表面の少なくとも一部に存在していることが必要であり、50%以上露出していることが好ましい。具体的な複合形態としては、例えば、芯鞘型、偏心芯鞘型、多層貼合型、サイドバイサイド型、ランダム複合型、放射状貼合型、微細繊維発生型等を挙げることができる。これらの繊維の断面形状は中実断面形状である丸断面や異型断面形状に限らず、中空断面形状等、種々の断面形状とすることができる。
【0015】
また、他の繊維の表面にエチレン−ビニルアルコール系共重合体を被覆した繊維においては、該共重合体が他の繊維の表面を1/3以上被覆していることが好ましく、さらに好ましくは1/2以上である。
【0016】
本発明の靴中敷用繊維構造体は、接着性捲縮繊維を20質量%以上含むことが必要であり、好ましくは50〜100質量%であり、さらに好ましくは80〜100質量%である。接着性捲縮繊維が20質量%を下回ると繊維間の接着が不十分となり、融着層の形成が不十分となる。接着性捲縮繊維は融着層に含まれることは必須であるが、必要に応じて支持層に含まれてもよい。支持層に含まれる接着性捲縮繊維は、該融着層との接着成分として作用すると同時に、層間の分離もしくはパイル抜けの防止となる。
【0017】
該支持層に接着性捲縮繊維を用いる場合には、10質量%以上含有させるのが好ましく、より好ましくは20〜100質量%である。支持層に該接着性捲縮繊維を用いることで、支持層と融着層の接着がより強固となる。
【0018】
本発明の靴中敷用繊維構造体は、支持層に立設する繊維層が接着性捲縮繊維間の接着により形成される融着層とバルキー性の高い嵩高層から構成される点に特徴を有する。かかる繊維構造体からなる靴中敷は、着用時に部分的な荷重が掛かることにより、融着層が変形し、高密度化が生じることで、結果的に厚みが減少する部分と維持される部分とが同時に形成されるため、個々人の足の負荷状況に応じた厚み変化が生じて優れたフィット感を与えるものである。
【0019】
また、本発明においては、融着層の表面側にバルキー性の高い嵩高層が存在することで上述のフィット感に加えて、良好な風合を有する靴中敷用繊維構造体とすることが可能となる。該嵩高層は、本発明の靴中敷とした場合に、着用後も良好な風合が保持されるのである。なお本発明にいうバルキー性の高い嵩高層(以下、単に嵩高層と称する場合がある。)とは、接着性捲縮繊維により熱接着されていない部分を示すものであり、該嵩高層を構成する繊維は、接着性捲縮繊維であってもよいし、他の繊維であってもよい。
【0020】
さらに、着用時の発汗による水分は嵩高層から融着層を経て構造体の裏面側へ移行するため、足裏と接触する部分は常に乾燥しているために蒸れ感防止にも効果的である。また、融着層と嵩高層を構成する繊維種が同一である必要はなく、それぞれ異なる捲縮繊維を使用してもよい。
【0021】
以下、図によって本発明の靴中敷用繊維構造体の構造をさらに詳細に説明する。
図1は本発明の靴中敷用繊維構造体の一例を示す断面模式図であり、接着性捲縮繊維を100質量%用いたものである。
支持層1に立設して繊維層2が存在し、該繊維層に接着性捲縮繊維3が存在する。該接着性捲縮繊維3が熱接着することで融着層4が形成されており、さらにその上に嵩高層5が存在している。なお、本断面図は丸編地により得られるものであるが、支持層の構造はこれに限定されない。
【0022】
次に、本発明の靴中敷用繊維構造体の製造方法について説明する。
本発明の繊維構造体は、編織法では、シングル丸編地、ダブルラッセル編地、多重織物、不織布等を用いることができる。一例として、シングル丸編地の中でも、編成中にカットパイルが形成され、また長いカットパイルが確保できるシール編地の例を用いて、本発明の構造体を製造する方法について述べる。
シール編地は、例えば口径20インチ、18ゲージのシール編機を使用して得ることができる。支持層となる組織は2本の地糸から構成され、カットパイル糸として接着性捲縮繊維を給糸し、パイル編地を得ることができる。
【0023】
本発明において、パイル編地を用いる場合は、そのパイル長を2〜20mmとすることが好ましく、より好ましくは3〜15mmである。なお、本発明にいうパイル長とは、編地のグランド部からパイル先端までの長さを示す。
【0024】
また、本発明においては、パイル長の異なる繊維を用いてもよい。パイル長の異なる繊維を用いることで、パイル長の短い部分が熱接着されることにより融着層が形成され、パイル長の長い部分が嵩高層として形成されるのである。
【0025】
得られた編地のカットパイル糸を毛割機を用いて開繊したのち、支持層側よりスプレー装置により水を噴霧して、含水生地とした後、乾燥熱処理を行う。熱処理後、乾燥機の出口で冷却して本発明の靴中敷用繊維構造体を得ることができる。特に本発明では、熱処理により、支持層に立設する繊維層において融着層と嵩高層が同時に形成される点に特徴を有するものであり、優れたフィット感と良好な風合を併せもつ繊維構造体が容易に得られるという利点がある。
【0026】
本発明は、水を噴霧した後熱処理を行う必要がある。含水生地を熱処理することにより、接着性捲縮繊維が熱接着され本発明の融着層が得られるのである。単なる乾熱処理においては、本発明の目的とする融着層が形成されない場合がある。
【0027】
該生地に水を噴霧する際、その含水量は、該生地に対して10〜50質量%が好ましく、より好ましくは、20〜40質量%である。含水量が10質量%未満であると、融着層の形成が不十分となる場合がある。一方、含水量が、50質量%を超えると、嵩高層が形成されない場合があり、本発明の目的とする構造体が得られない場合がある。
【0028】
また、本発明においては、水の噴霧を支持層側から行うことが極めて重要である。水の噴霧を支持層側から行うことにより、本発明の目的とする柔軟な融着層が形成されるのである。水の噴霧を支持層の反対側より行うと、本発明の目的とする繊維構造体とした場合に、風合が悪くなる場合がある。
【0029】
本発明において、熱処理温度は、接着性捲縮繊維を構成する接着性ポリマーに応じて適宜設定すればよいが、110〜200℃とするのが好ましく、特に接着性捲縮繊維を構成する接着性ポリマーの融点−50℃以上で行うのが好ましい。
処理温度が、110℃未満の場合は、本発明の目的とする融着層が得られない場合があり、一方、200℃を超える温度で処理を行うと、該構造体を構成する繊維が膠着し、風合が悪くなる場合がある。また、熱処理時間は、目的に応じて設定すればよいが、得られる繊維構造体の風合の点から、2〜10分とするのが好ましい。
【0030】
本発明による靴中敷用繊維構造体は、その融着層を利用して着用時の部分的な荷重により変形することで優れた足へのフィット感を達成することが可能であり、さらには表面の存在する嵩高層により優れた風合を有する。
なお、靴中敷の製造に際しては、本発明の繊維構造体を単独で使用することもできるが、裏面にウレタン樹脂等のシートを積層した形態でも使用することができる。
さらに、本発明品へのさらなる機能性付与として、支持層部分に抗菌・消臭製を備えた繊維を編み込んだりすることも可能である。
【0031】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
尚、実施例中の各物性は以下の方法により求めた。
(1)捲縮率
カセ取機で5500dtexのカセとなるまで糸条を巻き取った後、カセの下端中央に10gの荷重を吊るし、上部でこのカセを固定し、0.009cN/dtexの荷重が掛かった状態で90℃にて30分間熱水処理を行なう。次いで、無荷重状態で室温に放置して乾燥した後、再び10gの荷重をかけて5分間放置後の糸長を測定し、これをL1(mm)とする。次に1kgの荷重を掛け、30秒間放置後の糸長を測定し、これをL2(mm)とするとき、下記式により算出される。
捲縮率(%)={(L2−L1)/L2}×100
(2)厚み分布
コンパスを用いて測定部分を挟み込み、厚み相当の間隔を1mm目盛りのメジャーを用いて測定した。
【0032】
実施例1
(1)繊維製造
微粒子シリカを3質量%含有したポリエチレンテレフタレート[フェノール/テトラクロロエタン等質量混合溶媒中、30℃で測定した固有粘度=0.68dl/g]を芯成分とし、鞘成分としてエチレン含有量40モル%、MI=10のエチレン−ビニルアルコール系共重合体を用い、紡糸温度260℃にて紡糸し、芯鞘複合繊維を得た。(芯/鞘比率=50/50、167dtex/48フィラメント)。
この繊維を用いて仮撚数2350T/M、1段ヒーター温度120℃、2段ヒーター温度135℃により仮撚加工を施して仮撚加工糸を得た。得られた仮撚加工糸の捲縮率は17%であった。
(2)丸編シール編地の製造
上記した芯鞘型複合仮撚加工糸とポリエチレンテレフタレート仮撚加工糸(167dtex/48フィラメント)を3本引き揃えてカットパイルとし、ポリエチレンテレフタレート仮撚加工糸(167dtex/48フィラメント)を地糸として、20インチ、18ゲージのシール編機を用いて編立し、厚みが7mm、目付が440g/m2のシ−ル編地を得た。
(3)靴中敷用繊維構造体の製造
前記のシール編地を精練した後、該編地裏面より水をスプレー方式により噴霧して、含水率を30質量%とし、乾燥機で170℃の熱風処理を2分間実施した。
得られた繊維構造体(編地)はパイル高さが5mm、また地糸部(支持層)から概ね4mmの厚み分が繊維接着による融着層を形成し、該融着層の表面にはバルキー性の高い嵩高層が形成されていた。
【0033】
得られた靴中敷用繊維構造体を市販の中敷用型枠により所定の足型に裁断して靴中敷を得た。得られた靴中敷を26cmサイズのビジネスシューズ内に装着して、体重76kgのパネラーにより着用試験を行い、着用後の靴中敷の厚み変化の分布を調査した。着用後における本発明の靴中敷の厚み分布を示す模式図を図2に示す。
図2において、靴中敷6には歩行中に体重が掛かり厚み減少した部分7とこれよりも厚み変化の少ない部分8が観察された。
厚み減少した部分7の厚さは2〜2.7mmの範囲にあり、厚い部分8については4.3〜4.9mmの範囲であった。
また、歩行性についても本発明の靴中敷を装着した場合の方が、フィット感が得られ、さらに従来のクッション性を重視したものに比べて快適な歩行性が得られた。
【0034】
【発明の効果】
本発明による靴中敷用繊維構造体は接着性捲縮繊維どうしが複雑に絡んで融着した融着層と表面近くの嵩高層の作用により着用時の部分的な荷重により負荷部分の融着層が変形することにより個々人の足型にフィットした履き心地感が得られる靴中敷用繊維構造体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の繊維構造体の一例を示す断面模式図。
【図2】 着用後における本発明の靴中敷の厚み分布を示す模式図。
【符号の説明】
1:支持層
2:繊維層
3:接着性捲縮繊維
4:融着層
5:嵩高層
6:靴中敷
7:厚み減少した部分
8:厚み減少の少ない部分

Claims (6)

  1. 支持層とその一表面に立設した繊維層からなる靴中敷用繊維構造体であって、該靴中敷用繊維構造体は、捲縮率5%以上の接着性捲縮繊維を20質量%以上含み、かつ繊維層が該接着性捲縮繊維間の熱接着による融着層と、該融着層よりも表面側に存在して該接着性捲縮繊維により熱接着されていないバルキー性の高い嵩高層から形成されていることを特徴とする靴中敷用繊維構造体。
  2. 捲縮が立体捲縮である請求項1に記載の靴中敷用繊維構造体。
  3. 捲縮が仮撚捲縮である請求項1または2に記載の靴中敷用繊維構造体。
  4. 該接着性捲縮繊維が、繊維表面の少なくとも一部にエチレン−ビニルアルコール系共重合体が存在する繊維である請求項1〜3のいずれか1項に記載の靴中敷用繊維構造体。
  5. 請求項1〜4に記載の繊維構造体からなる靴中敷。
  6. 捲縮率が5%以上の接着性捲縮繊維を20質量%以上含み、かつ支持層とその一表面に立設した繊維層とからなる繊維構造体の支持層面より水をスプレーした後、熱処理することにより、繊維層を、接着性捲縮繊維間の熱接着による融着層と、該融着層よりも表面側に存在して該接着性捲縮繊維により熱接着されていないバルキー性の高い嵩高層の複層構造とすることを特徴とする靴中敷用繊維構造体の製造方法。
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