JP4646988B2 - 比較器及びa/d変換器 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の差動電圧対を受け取り、クロック信号に同期して、前記複数の差動電圧対の各々の差電圧について比較動作を行う比較器及び、アナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換器、特に、並列型の構成を有するA/D変換器に関する。
近年、情報通信の高速化、光ディスクピックアップの高倍速化、高容量化にともない高速、広入力帯域、更に、コスト削減のため省面積、省電力のA/D変換器が必要とされている。
図14は、従来技術における並列型A/D変換器1400の構成を示す。このA/D変換器を用いて、高速なアナログ/ディジタル変換が行われていた。
A/D変換器1400は、参照電圧発生回路1401、差動増幅器列1402、比較器列1404、エンコード回路1405から構成される。参照電圧発生回路1401は、高圧側基準電圧1401aと低圧側基準電圧1401bとの間の電圧を複数の抵抗R1〜Rnにより分圧して、参照電圧VR1〜VRn+1を発生している。参照電圧VR1〜VRn+1は、差動増幅器列1402に入力される。差動増幅器列1402は、n+1個の差動増幅器を有し、アナログ入力信号電圧入力端子AINから入力されたアナログ入力信号電圧と参照電圧VR1〜VRn+1との関係に対して並列で所定の増幅を行い、比較器列1404に入力する。比較器列1404は、差動増幅器列1402の出力を並列で比較する。エンコード回路1405は、比較器列1404から出力された比較結果を論理処理(変換)して、所定の分解能のディジタル信号DOUTを出力する。ここで、A/D変換器のビット数をNとすると、前記nは2のN乗程度となる。
前記のような並列構成を有する従来のA/D変換器は、積分型、直並列型などのA/D変換器と比較して、参照電圧とアナログ入力信号電圧とを並列で同時に比較処理するため、高速にA/D変換が可能であるという長所を有している。
しかしながら、A/D変換器の分解能を1ビットずつ大きくする毎に、差動増幅器及び比較器の数を2倍ずつ増加する必要があり、消費電力及び占有面積が増大するという短所を有している。また、A/D変換器の分解能を大きくするためには、差動増幅器のオフセット誤差、増幅率、比較器のオフセット誤差、比較精度などの要求仕様が高くなるという短所を有している。
前記のような短所の改善を図ったA/D変換器が、特許文献1に開示されている。
図15は、並列型A/D変換器の前記に示すような短所に対して改善を図った別の従来技術の並列型A/D変換器1500の構成の一例である。A/D変換器1500は、参照電圧発生回路1501、差動増幅器列1502、補間抵抗器列1503、比較器列1504、エンコード回路1505から構成される。A/D変換器1500は、図14のA/D変換器1400と比較して、比較器列及びエンコード回路は同様の構造であるが、参照電圧発生回路1501に含まれる抵抗の数が少ない点、差動増幅器列1502に含まれる差動増幅器の数が少ない点、及び補間抵抗器列1503を備えている点で異なる。
参照電圧発生回路1501は、高圧側基準電圧1501aと低圧側基準電圧1501bとの間の電圧を、2のN乗個(N:A/D変換器のビット数)よりも少ないm個の抵抗R1〜Rmにより分圧して参照電圧VR1〜VRm+1を発生している。参照電圧VR1〜VRm+1は、差動増幅器列1502に入力される。差動増幅器列1502はm+1個の差動増幅器を有し、アナログ入力信号電圧入力端子AINから入力されたアナログ入力信号電圧と参照電圧VR1〜VRm+1との関係に対して並列で所定の増幅を行い、補間抵抗器列1503に入力する。補間抵抗器列1503は複数の抵抗を備えており、互いに隣接する2つの差動増幅器の正極出力電圧と負極出力電圧との差電圧及び、負極出力電圧と正極出力電圧との差電圧を各々分圧して差動の補間電圧として得て、これを比較器列1504に与える。比較器列1504は各補間電圧を並列で比較する。エンコード回路1505は、比較器列1504から出力された比較結果を論理処理(変換)して、所定の分解能のディジタル信号DOUTを出力する。
A/D変換器1500は、補間するビット数をLビットとすると、前記従来のA/D変換器1400と比べて、差動増幅器の数を1/Lに低減することができる。従って、電力及び面積を削減することが可能であるという長所を有している。しかしながら、比較器の分解能を1ビット大きくする毎に、比較器の数が2倍ずつ増加し、消費電流及び占有面積が増大するという短所を有していることは、前記従来のA/D変換器1400と同様である。また、A/D変換器の分解能を大きくするためには、比較器のオフセット誤差、比較精度などの要求仕様が高くなるという短所を有していることは、前記従来のA/D変換器1400と同様である。
前記のような短所の改善を図ったA/D変換器が、特許文献2に開示されている。
図16は、並列型A/D変換器の前記に示すような短所に対して更に改善を図った、別の従来技術の並列型A/D変換器1600の構成の一例である。A/D変換器1600は、参照電圧発生回路1601、差動増幅器列1602、比較器列1604、エンコード回路1605から構成される。A/D変換器1600は、図15のA/D変換器1500と比較して、参照電圧発生回路1601及び差動増幅器列1602及びエンコード回路1605は同様の構造であるが、補間抵抗器列1503を備えていない点、比較器列の入力が互いに隣り合う2つの差動増幅器の正極、負極出力電圧である点で異なる。
参照電圧発生回路1601は、高圧側基準電圧1601aと低圧側基準電圧1601bとの間の電圧を、2のN乗個(N:A/D変換器のビット数)よりも少ないm個の抵抗R1〜Rmにより分圧して参照電圧VR1〜VRm+1を発生している。参照電圧VR1〜VRm+1は、差動増幅器列1602に入力される。差動増幅器列1602はm+1個の差動増幅器を有し、アナログ入力信号電圧入力端子AINから入力されたアナログ入力信号電圧と参照電圧VR1〜VRm+1との関係に対して並列で所定の増幅を行い比較器列1604に与える。比較器列1604に含まれる各々の比較器は、互いに隣り合う2つの差動増幅器の正極、負極出力が与えられる。各比較器の入力トランジスタは、所定のサイズ比で構成され、クロック信号CLKに同期しながら、隣り合う2つの差動増幅器の正極、負極出力を補間しながら並列で比較する。尚、補間処理は、補間抵抗を必要としない。エンコード回路1605は、比較器列1604から出力された比較結果を論理処理(変換)して、所定の分解能のディジタル信号DOUTを出力する。
図17は、前記図16に示される並列型A/D変換器1600を構成する比較器列1604に用いられるダイナミック型比較器1700の構成の一例である。比較器1700は、NMOSトランジスタm11、m12、m21、m22を含む入力トランジスタ部と、NMOSトランジスタm1a、m1b及びPMOSトランジスタm3a、m3bを含む正帰還部(クロスカップルインバータラッチ部)とを備え、正帰還部のNMOSトランジスタm1a、m3aのゲート端子及びPMOSm3bのドレイン端子に出力端子QBが、正帰還部のトランジスタm1b、m3bのゲート端子及びPMOSトランジスタm3aのドレイン端子に出力端子Qが接続されている。また、NMOSトランジスタm1aのドレイン端子とPMOSトランジスタm3aのドレイン端子との間に、クロック信号CLKに同期してスイッチとして作用するNMOSトランジスタm2aが接続され、NMOSトランジスタm1bのドレイン端子とPMOSトランジスタm3bのドレイン端子との間に、CLKに同期してスイッチとして作用するNMOSトランジスタm2bが接続されている。PMOSトランジスタm3a、m3bのソース端子は、電源VDDに接続されている。また、PMOSトランジスタm3aのドレイン端子と電源VDDとの間に、クロック信号CLKに同期してスイッチとして作用するPMOSトランジスタm4aが接続され、PMOSトランジスタm3bのドレイン端子と電源VDDとの間に、CLKに同期してスイッチとして作用するPMOSトランジスタm4bが接続されている。
入力トランジスタ部を構成するNMOSトランジスタm11、m21、m12、m22のゲート端子は、各々、第1の差動増幅器の正極出力Vo1、負極出力Vob1、第2の差動増幅器の正極出力Vo2、負極出力Vob2が接続され、ソース端子は基準接地電位VSSが接続され、NMOSトランジスタm11及びm12のドレイン端子は、NMOSトランジスタm1aのソース端子(以下、ノードVaという)、NMOSトランジスタm21及びm22のドレイン端子は、NMOSトランジスタm1bのソース端子(以下、ノードVbという)に接続されている。クロック信号CLKに同期してスイッチとして作用するNMOSトランジスタm2a、m2bのゲート端子及び、クロック信号CLKに同期してスイッチとして作用するPMOSトランジスタm4a、m4bのゲート端子は、共にクロック信号CLKに接続されている。
入力トランジスタ部は所定の重み付け演算を行うことにより閾値電圧Vtnを決定し、第1の差動増幅器の正極出力電圧Vo1と負極出力電圧Vob1との差電圧と、第2の差動増幅器の正極出力電圧Vo2と負極出力電圧Vob2との差電圧とを比較した比較結果を正帰還部に出力する。所定の重み付け演算は、例えば、入力トランジスタ部のトランジスタのゲート幅Wのサイズ比を一定の値に設定することで実現される。例えば、トランジスタm11のサイズとトランジスタm12のサイズとのサイズ比を1:3に設定し、トランジスタm12のサイズとトランジスタm22のサイズとのサイズ比を1:3に設定することにより、閾値電圧Vtnが得られる。
正帰還部は、クロック信号CLKが所定のレベル以上(以後”High”とする)にある場合、PMOSトランジスタm4a、m4bが開放状態(OFF)になり、NMOSトランジスタm2a、m2bは導通状態(ON)になり、入力トランジスタ部から出力される比較結果を増幅し、増幅された比較結果を保持すると共に、増幅された比較結果をディジタル信号として出力する。
クロック信号CLKが所定のレベル以下(以後”Low”とする)にある場合、PMOSトランジスタm4a、m4bが導通状態(ON)になり出力端子Q,QBは電源電圧VDD、つまり”High”にリセットされる。また、NMOSトランジスタm2a、m2bは開放状態(OFF)になり、電流経路が遮断され、電力消費は0になる。
これにより、比較器の入力トランジスタ部に含まれるトランジスタが任意のサイズ比を有する(重み付けを持たせる)ことにより、従来技術において用いられていた補間抵抗器列が不要となる長所を有する。また、これによって、補間回路で必要としていた動作電流及び面積が削減でき、省電力、省面積であるという長所を有する。更に、ダイナミック型比較器であるため、省電力であるという長所を有する。
特開平4−43718号公報 特開2003−158456公報
ここで、図16に示される並列型A/D変換器を構成する比較器列1604に用いられる図17に示したダイナミック型比較器1700の構成の一例の動作を、図18を用いて再度確認する。
クロック信号CLKは、ある一定周期又は不定周期で、”Low”と”High”とを繰り返す。一方、第1の差動増幅器の正極出力電圧Vo1、負極出力電圧Vob1及び、第2の差動増幅器の正極出力電圧Vo2、負極出力電圧Vob2は、アナログ入力信号電圧と各々の差動増幅器に与えられる参照電圧とに従って、所定の信号増幅を出力した結果である。これによると、Vo1−Vob1>0、Vo2−Vob2>0のとき、クロック信号CLKが”High”になった後、入力トランジスタ部で所定の重み付け演算を行うことにより閾値電圧Vtnを決定し、Vo1とVob1との差電圧と、Vo2とVob2との差電圧とを比較した比較結果を正帰還部に出力して、正帰還部で増幅することにより、出力端子Q=”High”、QB=”Low”を出力する。同様に、Vo1−Vob1<0、Vo2−Vob2<0のとき、クロック信号CLKが”High”になった後、入力トランジスタ部で所定の重み付け演算を行うことにより閾値電圧Vtnを決定し、Vo1とVob1との差電圧と、Vo2とVob2との差電圧とを比較した比較結果を正帰還部に出力し、正帰還部で増幅することにより、出力端子Q=”Low”、QB=”High”を出力する。また、クロック信号CLKが”Low”であれば、出力端子Q=QB=”High”を出力する。
ここで、図17に示す比較器1700において、入力トランジスタ部のドレイン電圧であるノードVa及びVbに注目する。ここで、図18に示すVthは、比較器の入力トランジスタ部のNMOSトランジスタm11、m12、m21、m22の閾値電圧である。
Vob1<Vth及びVob2<Vthである期間、NMOSトランジスタm21、m22は共にOFFする。ここで、クロック信号CLKが”High”となり、比較器の一連の比較動作を終えたとしても、NMOSトランジスタm21、m22はOFFしているため、Vbの寄生容量に溜まった電荷は保持され、ノードVbが接地電圧VSSにリセットされず、高い電圧を保つ。一方、ノードVaは比較器の一連の比較動作を終えると、出力端子QBが”Low”になり、NMOSトランジスタm1aがOFFし、ノードVaを流れる電流はほぼ0になる。また、NMOSトランジスタm11、m12がONするため、ノードVaは”Low”になる。更に、Vob1<Vth及びVob2<Vthの状態で、クロック信号CLKが”Low”となっても、NMOSトランジスタm21、m22は共にOFFしており、更に、NMOSトランジスタm2a、m2bがOFFするので、ノードVbはハイインピーダンス状態となり、ノードVbの寄生容量に溜まった電荷は保持され、ノードVbは接地電圧VSSにリセットされず、高い電圧を保ったままになる。一方、ノードVaはNMOSトランジスタm2aがOFFし、ノードVaを流れる電流はほぼ0になる。また、Vo1>Vth及びVo2>Vthであれば、NMOSトランジスタm11、m12がONするため、ノードVaは”Low”になる。
Vo1<Vth及びVo2<Vthの場合も、同様に、クロック信号CLKが”High”となって比較器の一連の比較動作を終えたとしても、ノードVaは接地電圧VSSにリセットされず、高い電圧を保つ。また、クロック信号CLKが”Low”となっても、ノードVaは接地電圧VSSにリセットされず、高い電圧を保つ。
クロック信号CLKの周波数が非常に遅い場合、クロック信号CLKが”Low”になった場合、Vob1<Vth及びVob2<VthとなってNMOSトランジスタm21及びm22がOFFしても、又は、Vo1<Vth及びVo2<VthとなってNMOSトランジスタm11及びm12がOFFしても、該当トランジスタの若干のリーク電流によって、ノードVb又はVaに溜まった電荷が逃げて、ノードVb又はVaは”Low”となる。
しかしながら、前述の通り、ノードVb又はVaの電圧は、クロック信号CLKが”Low”になった場合でも、リセットされず、高い電圧を保ってしまう。このとき、比較動作を正常に行うためには、クロック信号CLKが”High”になった瞬間に高い電圧を保っていたノードVb又はVaが急速に定常状態に戻る必要があるが、アナログ入力信号の周波数が速い場合には、当然に、第1及び第2のの差動増幅器の正極及び負極出力Vo1、Vob1、Vo2、Vob2の周波数も速くなり、ノードVb又はVaは定常状態に戻ることができなくなり、これが比較器のオフセットとして働き、比較器の比較精度が劣化し、結局はA/D変換器の精度が極端に劣化するという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ダイナミック型比較器において、クロック信号CLKの周波数及びアナログ入力信号の周波数が速い場合であっても、前記ノードVb又はVaを強制的に定常状態に戻して、比較器の比較精度を向上させることにある。
以上の目的を達成するため、本発明では、ダイナミック型比較器において、比較動作の開始の前の段階で、前記ノードVb又はVaに電荷が残留してオフセットが生じていても、この両ノードを強制的に共通の電圧にリセットして、そのオフセットを解消することとする。
具体的に、請求項1記載の発明の比較器は、複数の差動電圧対を受け、クロック信号に同期して前記複数の差動電圧対の各々の差電圧について比較動作を行う比較器であって、前記複数の差動電圧対が入力され、この複数の差動電圧対について所定の重み付け演算をして電圧−電流変換動作を行うことにより、この重み付けを行った複数の差動電圧対の各々の差電圧について差動比較動作を行い、この差動比較結果である差動電流対を出力する入力トランジスタ部と、前記入力トランジスタ部からの差動比較結果を受け、前記クロック信号に同期して、このクロック信号が所定レベルにあるとき、前記受けた差動比較結果を所定電圧レベルまで増幅して比較器の比較結果として出力する正帰還部と、前記クロック信号が前記所定のレベルにないとき、前記入力トランジスタ部と前記正帰還部とを接続している2つの接続部を共に所定リセット電圧にリセットするリセット部とを備え、前記リセット部は、前記所定リセット電圧を発生するリセット電圧発生器を備え、前記リセット電圧発生器は、前記入力トランジスタ部と前記正帰還部とにより構成される回路と同一の回路のうち少なくとも差動対の一方の回路部分を備えたレプリカ回路を備え、前記レプリカ回路の前記入力トランジスタ部と前記正帰還部との接続部の電圧を前記所定リセット電圧として出力することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、前記請求項1記載の比較器において、前記リセット部がリセットする所定リセット電圧は、接地電圧であることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、複数の差動電圧対を受け、クロック信号に同期して前記複数の差動電圧対の各々の差電圧について比較動作を行う比較器であって、前記複数の差動電圧対が入力され、この複数の差動電圧対について所定の重み付け演算をして電圧−電流変換動作を行うことにより、この重み付けを行った複数の差動電圧対の各々の差電圧について差動比較動作を行い、この差動比較結果である差動電流対を出力する入力トランジスタ部と、1対の帰還トランジスタを有し、前記入力トランジスタ部からの差動比較結果を受け、前記クロック信号に同期して、このクロック信号が所定レベルにあるとき、前記受けた差動比較結果を所定電圧レベルまで増幅して比較器の比較結果として出力する正帰還部と、前記正帰還部の1対の帰還トランジスタに各々直列に接続され、前記クロック信号によってスイッチ動作を行って前記正帰還部の動作を許可又は禁止する1対のスイッチトランジスタと、前記クロック信号が前記所定のレベルにないとき、前記正帰還部の1対の帰還トランジスタと前記1対のスイッチトランジスタとを接続している2つの接続部を共に所定のリセット電圧にリセットするリセット部とを備え、前記リセット部は、前記所定リセット電圧を発生するリセット電圧発生器を備え、前記リセット電圧発生器は、前記入力トランジスタ部と前記正帰還部と前記1対のスイッチトランジスタにより構成される回路と同一の回路のうち少なくとも差動対の一方の回路部分を備えたレプリカ回路を備え、前記レプリカ回路の前記正帰還部の帰還トランジスタと前記スイッチトランジスタとを接続している接続部の電圧を所定リセット電圧として出力することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、前記請求項3記載の比較器において、前記リセット部がリセットする所定リセット電圧は、接地電圧であることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、前記請求項1〜4の何れか1項に記載の比較器において、前記リセット部には、前記正帰還部に与えられるクロック信号の反転信号が与えられ、前記リセット部に与えるクロック信号の反転信号を設定時間遅延させる遅延回路が備えられることを特徴とする。
請求項6記載の発明のA/D変換器は、前記請求項1〜5の何れか1項に記載の比較器を用いてA/D変換することを特徴とする。
以上により、本発明では、比較動作の開始の前の段階で、比較器内部の所定の2つのノードの一方に電荷が残留してオフセットが生じていても、この両ノードがリセット部により強制的に共通のリセット電圧にリセットされるので、そのオフセットを解消できて、比較器の比較精度が向上する。
以上説明したように、本発明によれば、クロック信号の周波数及びアナログ入力信号の周波数が高くなった場合であっても、比較精度が劣化することがない。従って、クロック信号の周波数やアナログ入力信号の周波数を拡大することが可能ある。
以下に、本発明の比較器及び、A/D変換器の具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本実施形態1によるダイナミック型比較器100の構成の一例を示す図である。
同図において、比較器100は、NMOSトランジスタm11、m12、m21、m22を含む入力トランジスタ部10と、NMOSトランジスタm1a、m1b及びPMOSトランジスタm3a、m3bを含む正帰還部(クロスカップルインバータラッチ部)11とを備え、正帰還部11のm1a、m3aのゲート端子及びm3bのドレイン端子に出力端子QBが、正帰還部11のトランジスタm1b、m3bのゲート端子及びトランジスタm3aのドレイン端子に出力端子Qが接続されている。
また、図1において、NMOSトランジスタm1aのドレイン端子とPMOSトランジスタm3aのドレイン端子との間に、クロック信号CLKに同期してスイッチとして作用するNMOSトランジスタm2aが接続され、NMOSトランジスタm1bのドレイン端子とPMOSトランジスタm3bのドレイン端子との間に、CLKに同期してスイッチとして作用するNMOSトランジスタm2bが接続されている。PMOSトランジスタm3a、m3bのソース端子は、電源VDDに接続されている。また、PMOSトランジスタm3aのドレイン端子と電源VDDとの間に、クロック信号CLKに同期してスイッチとして作用するPMOSトランジスタm4aが接続され、PMOSトランジスタm3bのドレイン端子と電源VDDとの間に、クロック信号CLKに同期してスイッチとして作用するPMOSトランジスタm4bが接続されている。入力トランジスタ部10を構成するNMOSトランジスタm11、m21、m12、m22のゲート端子は、各々、第1の差動増幅器の正極出力Vo1、負極出力Vob1、第2の差動増幅器の正極出力Vo2、負極出力Vob2が接続され、ソース端子は基準接地電位VSSが接続され、NMOSトランジスタm11及びm12のドレイン端子は、NMOSトランジスタm1aのソース端子(ノードVa)、NMOSトランジスタm21及びm22のドレイン端子は、NMOSトランジスタm1bのソース端子(ノードVb)に接続されている。クロック信号CLKに同期してスイッチとして作用するNMOSスイッチトランジスタm2a、m2bのゲート端子及び、クロック信号CLKに同期してスイッチとして作用するPMOSスイッチトランジスタm4a、m4bのゲート端子は、クロック信号CLKに接続されている。更に、ノードVaとリセット電圧入力端子Vresetとの間に、リセットトランジスタとして作用するNMOSトランジスタmraが接続され、ノードVbとリセット電圧入力端子Vresetとの間に、リセットトランジスタとして作用するNMOSトランジスタmrbが接続される。これ等のリセットトランジスタmra、mrbはリセット部12を構成すると共に、それ等のリセットトランジスタmra、mrbのゲート端子には、クロック信号の反転信号/CLKが接続されている。以上が本実施形態1によるダイナミック型比較器100の構成である。
次に、図1及び図2を参照しながら、本実施形態1のダイナミック型比較器100の一連の動作を説明する。
図2は、クロック信号CLK、比較器100の出力端子Q及びQB、第1の差動増幅器の正極出力Vo1及び負極出力Vob1、第2の差動増幅器の正極出力Vo2及び負極出力Vob2、比較器100のノードVa及びVbの電圧のタイミングチャートを示している。
クロック信号CLKが”Low”の時、NMOSトランジスタm2a、m2bはOFF、PMOSトランジスタm4a、m4bはONする。これにより、正帰還部11は動作しなくなり、出力端子Q、QBは”High”にプルアップされる。このとき、NMOSトランジスタm2a、m2bがOFFしているため、本回路には電流が流れない。一方、クロック信号の反転信号/CLKは”High”となり、NMOSトランジスタmra、mrbがONし、ノードVa及びVbとリセット電圧入力端子Vresetとが導通する。この作用は、第1及び第2の差動増幅器の正極出力Vo1及びVo2共に、又は、第1及び第2の差動増幅器の負極出力Vob1及びVob2共に入力トランジスタ部10の閾値電圧Vthを下回り、入力トランジスタ部10のNMOSトランジスタm11、m12が共に、又は、NMOSトランジスタm21、m22が共にOFFしたとしても有効であり、従ってノードVa、Vbの電圧は所定リセット電圧Vresetにリセットされる(Reset状態)。
クロック信号CLKが”High”(所定レベル)の時、NMOSトランジスタm2a、m2bはON、PMOSトランジスタm4a、m4bはOFFする。これにより、正帰還部11は動作可能となる。入力トランジスタ部10のNMOSトランジスタm11、m12、m21、m22は所定の重み付け演算を行うことにより閾値電圧Vtnを決定して、第1の差動増幅器の正極出力電圧Vo1と負極出力電圧Vob1との差電圧と、第2の差動増幅器の正極出力電圧Vo2と負極出力電圧Vob2との差電圧とに対して差動比較し、この差動比較した差動比較結果として、ノードVa、Vbに流れる差動電流対を正帰還部11に出力する。
前記所定の重み付け演算は、例えば、入力トランジスタ部10のトランジスタのゲート幅Wのサイズ比を一定の値に設定することで実現される。例えば、トランジスタm11とm12とのゲート幅Wのサイズ比及び、トランジスタm12とm22とのゲート幅Wのサイズ比を各々1:3に設定することにより、閾値電圧Vtnが得られる。尚、上述した所定の重み付け演算の実現方法としては、任意の方法を用いることができる。例えば、入力トランジスタ部10のトランジスタのゲート幅Wは等しく、ゲート長Lの比を一定の値に設定することにより、上述した所定の重み付け演算を実現するようにしても同様の効果を得ることができる。また、入力トランジスタ部10のトランジスタのゲート幅W及びゲート長Lは等しく、トランジスタの並列接続個数の比を一定の値に設定することにより、上述した所定の重み付け演算を実現するようにしても、同様の効果を得ることができる。ここで、入力トランジスタ部10のNMOSトランジスタm11、m12、m21、m22の各々のドレイン電流は各々のゲート端子電圧により変化する。これにより、トランジスタm11及びm12のゲート端子電圧に応じたドレイン電圧VDS1、及び、トランジスタm21及びm22のゲート端子電圧に応じたドレイン電圧VDS2が各々発生し、正帰還部11は、これ等のドレイン電圧VDS1及びVDS2の差電圧を正帰還し、所定電圧レベルである電源電圧VDDつまり”High”、又は基準接地電圧VSSつまり”Low”まで増幅し、その状態を保持する(Compare&Latch状態)。また、このとき、比較器の出力端子Q、QBが遷移している期間は、本回路には電流が流れるが、出力端子Q、QBの遷移が終了し、Latch状態となれば、本回路には電流が流れない。例えば、VDS1>VDS2の場合、差電圧を正帰還することにより、比較器の出力端子Qは”High”、出力端子QBは”Low”まで増幅されることになる。一方、クロック信号の反転信号/CLKは”Low”となり、NMOSトランジスタmra、mrbがOFFし、ノードVa及びVbとリセット電圧入力端子Vresetとは切断される。
入力トランジスタ部10のNMOSトランジスタm11、m12、m21、m22は、クロック信号CLKが”High”になった瞬間、リニア領域で動作する。ここで、トランジスタm11、m12、m21、m22のゲート長Lを一定、ゲート幅を各々W1,W2,W1,W2、閾値電圧をVth、キャリア移動度をμn、ゲート容量をCoxとし、ゲート端子電圧−ソース端子電圧を各々Vgs11(=Vo1),Vgs12(=Vo2),Vgs21(=Vob1),Vgs22(=Vob2)とすると、各々のドレインコンダクタンスG11,G12,G21,G22は,各々
G11=μn・Cox・
(W1/L)(Vo1−Vth−VDS1) (1.1)
G12=μn・Cox・
(W2/L)(Vo2−Vth−VDS1) (1.2)
G21=μn・Cox・
(W1/L)(Vob1−Vth−VDS2) (1.3)
G22=μn・Cox・
(W2/L)(Vob2−Vth−VDS2) (1.4)
と表すことができる。
図1に示す、比較器100の閾値電圧は、正帰還部11が不感になる状態つまり、
VDS1=VDS2(=VDS)
の場合、且つ、トランジスタm11及びm12のドレインコンダクタンスG11及びG12の和と、トランジスタm21及びm22のドレインコンダクタンスG21及びG22の和とが等しい場合に得られるため、
G11+G12=G21+G22
μn・Cox・((W1/L)(Vo1−Vth−VDS1)+
(W2/L)(Vo2−Vth−VDS1))=
μn・Cox・((W1/L)(Vob1−Vth−VDS2)+
(W2/L)(Vob2−Vth−VDS2))
W1(Vo1−Vth−VDS)+ W2(Vo2−Vth−VDS)=
W1(Vob1−Vth−VDS)+W2(Vob2−Vth−VDS)
W1・Vo1+W2・Vo2=W1・Vob1+W2・Vob2
(1.5)
となる。
ここで、ゲート幅W1及びW2のサイズ比を、
W1:W2=n/m:(m−n)/m (1.6)
とすると、
(n・Vo1+(m−n)・Vo2)/m=
(n・Vob1+(m−n)・Vob2)/m (1.7)
となる。
ここで、図3を用いて更に詳しく確認する。図3は、比較器100の入力信号つまり第1の差動増幅器の正極出力電圧Vo1及び負極出力電圧Vob1と、第2の差動増幅器の正極出力電圧Vo2及び負極出力電圧Vob2との軌跡と閾値電圧とを示した図である。図3の破線Aは式(1.7)の左辺の軌跡を表しており、Vo1とVo2とを、n:m−nに分割したものである。同様に、破線Bは式(1.7)の右辺の軌跡を表しており、Vob1とVob2とを、n:m−nに分割したものである。破線Aと破線Bの交点Vtnは、比較器100の閾値電圧を示している。このとき、交点Vtnは、Vo1及びVob1の交点Vt1と、Vo2及びVob2の交点Vt2との間をn:m−nに分割するものである。従って、入力トランジスタ部10のNMOSトランジスタ(m11、m21)と、(m12、m22)とのゲートサイズ比をn/m:(m−n)/mとすることにより、交点Vt1と交点Vt2との間をm分割し、その位置をnとする閾値電圧Vtnを得ることができる。
以上が本実施形態1のダイナミック型比較器100の一連の動作説明である。
以上のように、本実施形態1のダイナミック型比較器100は、リセット状態において、クロック信号の反転信号に同期して動作するリセットトランジスタmra、mrbを用いてノードVa及びVbを所定リセット電圧Vresetにリセットする機能を有するので、クロック信号周波数及びアナログ入力信号周波数が速くなったときであっても、比較精度を良好に確保できる。
(実施形態2)
図4は、実施形態1のダイナミック型比較器400の構成の一例を示す図である。比較器400は、NMOSトランジスタm11、m12、m21、m22を含む入力トランジスタ部と、NMOSトランジスタm1a、m1b及びPMOSトランジスタm3a、m3bを含む正帰還部(クロスカップルインバータラッチ部)とを備え、正帰還部のトランジスタm1a、m3aのゲート端子及びトランジスタm3bのドレイン端子に出力端子QBが、正帰還部のトランジスタm1b、m3bのゲート端子及びトランジスタm3aのドレイン端子に出力端子Qが接続されている。また、NMOSトランジスタm1aのドレイン端子とPMOSトランジスタm3aのドレイン端子との間にクロック信号CLKに同期してスイッチとして作用するNMOSトランジスタm2aが接続され、NMOSトランジスタm1bのドレイン端子とPMOSトランジスタm3bのドレイン端子との間にCLKに同期してスイッチとして作用するNMOSトランジスタm2bが接続されている。PMOSトランジスタm3a、m3bのソース端子は、電源VDDに接続されている。また、PMOSトランジスタm3aのドレイン端子と電源VDDとの間にクロック信号CLKに同期してスイッチとして作用するPMOSトランジスタm4aが接続され、PMOSトランジスタm3bのドレイン端子と電源VDDとの間にCLKに同期してスイッチとして作用するPMOSトランジスタm4bが接続されている。入力トランジスタ部を構成するNMOSトランジスタm11、m21、m12、m22のゲート端子は、各々、第1の差動増幅器の正極出力Vo1、負極出力Vob1、第2の差動増幅器の正極出力Vo2、負極出力Vob2が接続され、ソース端子は基準接地電位VSSが接続され、トランジスタm11及びm12のドレイン端子は、トランジスタm1aのソース端子(ノードVa)、トランジスタm21及びm22のドレイン端子は、トランジスタm1bのソース端子(Vb)に接続されている。
また、クロック信号CLKに同期してスイッチとして作用するNMOSトランジスタm2a、m2bのゲート端子及び、クロック信号CLKに同期してスイッチとして作用するPMOSトランジスタm4a、m4bのゲート端子は、クロック信号CLKに接続されている。更に、ノードVaと接地電圧VSSとの間にリセットトランジスタとして作用するNMOSトランジスタmraが接続され、Vbと接地電圧VSSとの間にリセットトランジスタとして作用するNMOSトランジスタmrbが接続され、リセットトランジスタとして作用するNMOSトランジスタmra、mrbのゲート端子には、クロック信号の反転信号/CLKが接続されている。以上が本実施形態2のダイナミック型比較器400の構成の一例である。
次に図4を参照しながら本実施形態2のダイナミック型比較器400の一連の動作を説明する。
本実施形態2のダイナミック型比較器400の一連の動作は基本的には、本実施形態1のダイナミック型比較器100の一連の動作とほぼ等しい。異なる点は、下記のクロック信号CLKが”Low”の時のリセット状態である。
クロック信号CLKが”Low”の時、NMOSトランジスタm2a、m2bはOFF、PMOSトランジスタm4a、m4bはONする。これにより、正帰還部は動作しなくなり、出力端子Q、QBは”High”にプルアップされる。このとき、トランジスタm2a、m2bがOFFしているため、本回路には電流が流れない。一方、クロック信号の反転信号/CLKは”High”となり、NMOSトランジスタmra、mrbがONし、ノードVa及びVbと接地電圧VSSと導通する。この作用は、Vo1及びVo2共に、又は、Vob1及びVob2共に入力トランジスタ部の閾値電圧Vthを下回り、入力トランジスタ部のNMOSトランジスタm11及びm12共に、又は、トランジスタm21及びm22共にOFFしたとしても有効であり、従ってノードVa、Vbの電圧は接地電圧VSSにリセットされる(Reset状態)。
クロック信号CLKが”High”の時、NMOSトランジスタm2a、m2bはON、PMOSトランジスタm4a、m4bはOFFする。これにより、正帰還部は動作可能となる。入力トランジスタ部のNMOSトランジスタm11、m12、m21、m22は所定の重み付け演算を行うことにより閾値電圧Vtnを決定し、第1の差動増幅器の正極出力電圧Vo1と負極出力電圧Vob1との差電圧と、第2の差動増幅器の正極出力電圧Vo2と負極出力電圧Vob2との差電圧とに対して、比較した比較結果を正帰還部に出力する。所定の重み付け演算の実現は、実施形態1で既述したので、ここでは省略する。入力トランジスタ部のトランジスタm11、m12、m21、m22の各々のドレイン電流はその各々のゲート端子電圧により変化する。これにより、トランジスタm11及びm12のゲート端子電圧に応じたドレイン電圧VDS1、及び、トランジスタm21及びm22のゲート端子電圧に応じたドレイン電圧VDS2が発生し、正帰還部は、VDS1及びVDS2の差電圧を正帰還し、電源電圧VDDつまり”High”又は、基準接地電圧VSSつまり”Low”まで増幅し、その状態を保持する(Compare&Latch状態)。また、このとき、比較器の出力端子Q、QBが遷移している期間は、本回路には電流が流れるが、出力端子Q、QBの遷移が終了しLatch状態となれば、本回路には電流が流れない。例えば、VDS1>VDS2の場合、差電圧を正帰還することにより、比較器の出力端子Qは”High”、出力端子QBは”Low”まで増幅されることになる。一方、クロック信号の反転信号/CLKは”Low”となり、NMOSトランジスタmra、mrbがOFFし、ノードVa及びVbと基準接地電圧VSSとは切断される。
他の回路の動作原理は、本実施形態1のダイナミック型比較器100と等しい。
以上が本実施形態2のダイナミック型比較器400の一連の動作説明である。
以上のように、本実施形態2のダイナミック型比較器400は、リセット状態において、クロック信号の反転信号に同期して動作するスイッチを用いてノードVa及びVbを接地電圧VSSにリセットする機能を有することで、従来技術で問題であった、クロック信号周波数及びアナログ入力信号周波数が速くなったときに生じていた、比較精度の劣化を低減することが可能となる。また、比較器100と比較すると、リセット電圧入力端子Vresetが不要である点、リセット状態のノードVa及びVb電圧がVresetではなく接地電圧VSSである点で異なる。
(実施形態3)
図5は、実施形態3のダイナミック型比較器500の構成の一例を示す図である。比較器500は、NMOSトランジスタm11、m12、m21、m22を含む入力トランジスタ部と、NMOSトランジスタm1a、m1b及びPMOSトランジスタm3a、m3bを含む正帰還部(クロスカップルインバータラッチ部)とを備え、正帰還部のトランジスタm1a、m3aのゲート端子及びトランジスタm3bのドレイン端子に出力端子QBが、正帰還部のトランジスタm1b、m3bのゲート端子及びトランジスタm3aのドレイン端子に出力端子Qが接続されている。また、NMOSトランジスタm1aのドレイン端子とPMOSトランジスタm3aのドレイン端子との間にクロック信号CLKに同期してスイッチとして作用するNMOSトランジスタm2aが接続され、NMOSトランジスタm1bのドレイン端子とPMOSトランジスタm3bのドレイン端子との間にCLKに同期してスイッチとして作用するNMOSトランジスタm2bが接続されている。PMOSトランジスタm3a、m3bのソース端子は、電源VDDに接続されている。また、PMOSトランジスタm3aのドレイン端子と電源VDDとの間にクロック信号CLKに同期してスイッチとして作用するPMOSトランジスタm4aが接続され、PMOSトランジスタm3bのドレイン端子と電源VDDとの間にCLKに同期してスイッチとして作用するPMOSトランジスタm4bが接続されている。入力トランジスタ部を構成するNMOSトランジスタm11、m21、m12、m22のゲート端子は、各々、第1の差動増幅器の正極出力Vo1、負極出力Vob1、第2の差動増幅器の正極出力Vo2、負極出力Vob2が接続され、ソース端子は基準接地電位VSSが接続され、トランジスタm11及びm12のドレイン端子は、m1aのソース端子(ノードVa)、トランジスタm21及びm22のドレイン端子は、トランジスタm1bのソース端子(Vb)に接続されている。クロック信号CLKに同期してスイッチとして作用するNMOSトランジスタm2a、m2bのゲート端子及び、クロック信号CLKに同期してスイッチとして作用するPMOSトランジスタm4a、m4bのゲート端子は、クロック信号CLKに接続されている。更に、2つのノード(接続部)Va、Vbの間には、リセットトランジスタとして作用するNMOSトランジスタmrが接続され、このリセットトランジスタとして作用するNMOSトランジスタmrのゲート端子には、クロック信号の反転信号/CLKが接続されている。以上が本実施形態3のダイナミック型比較器500の構成の一例である。
次に図5を参照しながら本実施形態3のダイナミック型比較器500の一連の動作を説明する。
本実施形態3のダイナミック型比較器500の一連の動作は基本的には、本実施形態1のダイナミック型比較器100の一連の動作とほぼ等しい。異なる点は、下記のクロック信号CLKが”Low”の時のリセット状態である。
クロック信号CLKが”Low”の時、NMOSトランジスタm2a、m2bはOFF、PMOSトランジスタm4a、m4bはONする。これにより、正帰還部は動作しなくなり、出力端子Q、QBは”High”にプルアップされる。このとき、トランジスタm2a、m2bがOFFしているため、本回路には電流が流れない。一方、クロック信号の反転信号/CLKは”High”となり、NMOSトランジスタmrがONし、2つのノードVa、Vbとを短絡し、導通させる。この作用は、Vo1及びVo2共に、又は、Vob1及びVob2共に入力トランジスタ部の閾値電圧Vthを下回り、入力トランジスタ部のNMOSトランジスタm11及びm12共に、又は、トランジスタm21及びm22共にOFFしたとしても有効であり、従ってノードVa及びVbの電圧は同電位にリセットされる。本回路に電流が流れず、トランジスタm11、m12、m21、m22のいずれか一つ以上のトランジスタがONしているとすると、結局のところ、ノードVa及びVbは接地電圧VSSにリセットされる(Reset状態)。
クロック信号CLKが”High”の時、NMOSトランジスタm2a、m2bはON、PMOSトランジスタm4a、m4bはOFFする。これにより、正帰還部は動作可能となる。入力トランジスタ部のNMOSトランジスタm11、m12、m21、m22は所定の重み付け演算を行うことにより閾値電圧Vtnを決定し、第1の差動増幅器の正極出力電圧Vo1と負極出力電圧Vob1との差電圧と、第2の差動増幅器の正極出力電圧Vo2と負極出力電圧Vob2との差電圧とに対して、比較した比較結果を正帰還部に出力する。所定の重み付け演算の実現は既述したので、省略する。入力トランジスタ部のトランジスタm11、m12、m21、m22の各々のドレイン電流はその各々のゲート端子電圧により変化する。これにより、トランジスタm11及びm12のゲート端子電圧に応じたドレイン電圧VDS1、及び、トランジスタm21及びm22のゲート端子電圧に応じたドレイン電圧VDS2が発生し、正帰還部は、VDS1及びVDS2の差電圧を正帰還し、電源電圧VDDつまり”High”又は、基準接地電圧VSSつまり”Low”まで増幅し、その状態を保持する(Compare&Latch状態)。また、このとき、比較器の出力端子Q、QBが遷移している期間は、本回路には電流が流れるが、出力端子Q、QBの遷移が終了しLatch状態となれば、本回路には電流が流れない。例えば、VDS1>VDS2の場合、差電圧を正帰還することにより、比較器の出力端子Qは”High”、出力端子QBは”Low”まで増幅されることになる。一方、クロック信号の反転信号/CLKは”Low”となり、NMOSトランジスタmrがOFFし、ノードVaとVbとは切断される。
他の回路の動作原理は、本実施形態1のダイナミック型比較器100と等しい。
以上が本実施形態3のダイナミック型比較器500の一連の動作説明である。
以上のように、本実施形態3のダイナミック型比較器500は、リセット状態において、クロック信号の反転信号に同期して動作するスイッチを用いてノードVa及びVbを同電位にリセットする機能を有することで、従来技術で問題であった、クロック信号周波数及びアナログ入力信号周波数が速くなったときに生じていた、比較精度の劣化を低減することが可能となる。また、比較器100と比較すると、リセット電圧入力端子Vresetが不要である点、リセット状態のノードVa及びVb電圧がVresetではなくノードVa及びVbが同電位、又は、リセット状態で、トランジスタm11、m12、m21、m22のいずれかがON状態であればノードVa及びVb電圧が接地電圧VSSである点で異なる。また、比較器400と比較すると、リセットトランジスタの数が一つ少なくても構成可能である点で異なる。
(実施形態4)
図6は、実施形態1のダイナミック型比較器100にかかる、本実施形態4のVreset発生器(リセット電圧発生器)600の構成の一例を示す図である。Vreset発生器600は比較器100の半回路となっており、比較器100のレプリカ回路として構成される。NMOSトランジスタm11、m12を含む入力トランジスタ部と、比較器100の正帰還部の半回路であるNMOSトランジスタm1及びPMOSトランジスタm3とを備え、トランジスタm1、m3のゲート端子及びトランジスタm3のドレイン端子が接続されている。また、NMOSトランジスタm1のドレイン端子とPMOSトランジスタm3のドレイン端子との間に、Vreset発生器動作信号ENABLEに同期してスイッチとして作用するNMOSトランジスタm2が接続されている。PMOSトランジスタm3のソース端子は、電源VDDに接続されている。また、PMOSトランジスタm3のドレイン端子と電源VDDとの間にVreset発生器動作信号ENABLEに同期してスイッチとして作用するPMOSトランジスタm4が接続されている。入力トランジスタ部を構成するNMOSトランジスタm11及びm21のゲート端子は、差動増幅器の正極出力及び負極出力のコモンモード電圧Vomidが接続され、ソース端子は基準接地電圧VSSが接続され、入力トランジスタ部10と正帰還部11との接続点、即ち、NMOSトランジスタm11及びm12のドレイン端子と、帰還トランジスタm1のソース端子との接続部の電圧は、リセット電圧Vresetとして外部出力される。Vreset発生器動作信号ENABLEに同期してスイッチとして作用するNMOSトランジスタm2のゲート端子及び、Vreset発生器動作信号ENABLEに同期してスイッチとして作用するPMOSトランジスタm4のゲート端子は、Vreset発生器動作信号ENABLEに接続されている。以上が本実施形態1のダイナミック型比較器100にかかる、本実施形態4のVreset発生器600の構成の一例である。
次に図6を参照しながら本実施形態4のVreset発生器600の一連の動作を説明する。
Vreset発生器動作信号ENABLEが”Low”の時、NMOSトランジスタm2はOFF、PMOSトランジスタm4はONする。これにより、比較器100の正帰還部の半回路は動作しなくなり、トランジスタm3のゲート端子電圧は”High”にプルアップされ、リセット電圧Vresetは”Low”に収束する。このとき、トランジスタm2がOFFしているため、本回路には電流が流れない。
Vreset発生器動作信号ENABLEが”High”の時、NMOSトランジスタm2はON、PMOSトランジスタm4はOFFする。これにより、比較器100の正帰還部の半回路は動作可能となる。入力トランジスタ部のNMOSトランジスタm11、m12は所定のサイズ比とする。例えば、トランジスタm11とトランジスタm12とのゲート幅Wのサイズ比を(1.6)式で言うところの、(m/2)/m:(m/2)/mとする。尚、本実施形態1の動作説明において前述したとおり、所定のサイズ比の実現方法は任意の方法を用いることができる。この場合、トランジスタm11及びトランジスタm12のゲート端子−ソース端子間電圧はVomidであり、Vomidに従って、トランジスタm11及びm12に、ある一定のドレイン電流を本回路に流す働きをする。トランジスタm11及びm12のドレイン電流の合成電流は、トランジスタm3及びm2及びm1を流れる。これをVreset発生器動作電流とする。トランジスタm3はゲート端子とドレイン端子が接続されたダイオード接続になっているため、ある一定のコンダクタンスをもつ抵抗として動作するため、Vreset発生器動作電流によってある一定の電圧がトランジスタm3のゲート端子すなわちトランジスタm3のドレイン端子に発生する。また、トランジスタm2のゲート端子電圧はVreset発生器動作信号ENABLE、トランジスタm2のドレイン端子電圧はトランジスタm3のドレイン端子電圧であり、Vreset発生器動作電流、ゲート端子−ソース端子間電圧(ENABLE−m2のソース端子電圧)、ドレイン端子−ソース端子電圧(トランジスタm3のドレイン端子電圧−トランジスタm2のソース端子電圧)の関係を満たす、ある一定の電圧がトランジスタm2のソース端子電圧に発生する。同様に、トランジスタm1のゲート端子電圧はトランジスタm3のドレイン端子電圧、トランジスタm1のドレイン端子電圧は、トランジスタm2のソース端子電圧であり、Vreset発生器動作電流、ゲート端子−ソース端子間電圧(トランジスタm3のドレイン端子電圧−トランジスタm1のソース端子電圧)、ドレイン端子−ソース端子電圧(トランジスタm2のソース端子電圧−トランジスタm1のソース端子電圧)の関係を満たす、ある一定の電圧がトランジスタm1のソース端子電圧に発生する。つまり、このトランジスタm1のソース端子電圧が、リセット電圧Vresetとして発生する。
以上が、本実施形態4のVreset発生器600の一連の動作である。
比較器100のリセット端子Vresetに対して、本実施形態4のVreset発生器600が発生するリセット電圧Vresetを与えることにより、比較器100がリセット状態の時にノードVa及びVbを、本実施形態4のVreset発生器600が発生するリセット電圧Vresetとしてリセットすることにより、クロック信号CLKが”Low”から”High”に遷移するとき、すなわち、比較器100がリセット状態からCompara&Latch状態に遷移するときには、ノードVa、Vbの電位が定常状態に制御されているので、比較器100は最も敏感に動作する。
以上のように、本実施形態1のダイナミック型比較器100にかかる、本実施形態4のVreset発生器600は、比較器100の半回路をレプリカ回路として有し、前述の動作によりリセット電圧Vresetを発生させることにより、本実施形態1のダイナミック型比較器100を最も効率的に、速く動作させることが可能となる。
尚、図6に示したVreset発生器600は、図1に示した比較器100の構成のうち差動対の一方を構成する回路部分のみで構成したが、比較器100の全体で構成しても良いのは勿論である。この場合には、出力端子Qと反転出力端子QBとを短絡すると共に、帰還トランジスタm1aと入力トランジスタ部のトランジスタm12との接続点と、帰還トランジスタm1bと入力トランジスタ部のトランジスタm21との接続点とを接続し、更に、2つのノードVa、Vbを接続する。
また、本実施形態4のVreset発生器600では、入力トランジスタ部はNMOSトランジスタとしたが、比較器と共に本構成をNMOSトランジスタとPMOSトランジスタを入れ替え、入力トランジスタ部をPMOSトランジスタとしても、同様の効果が得られる。
(実施形態5)
図7は、実施形態5のダイナミック型比較器700の構成の一例を示す図である。比較器700は、NMOSトランジスタm11、m12、m21、m22を含む入力トランジスタ部と、NMOSトランジスタからなる1対の帰還トランジスタm1a、m1b及び1対のPMOSトランジスタm3a、m3bを含む正帰還部(クロスカップルインバータラッチ部)とを備え、正帰還部のトランジスタm1a、m3aのゲート端子及びトランジスタm3bのドレイン端子に出力端子QBが、正帰還部のトランジスタm1b、m3bのゲート端子及びトランジスタm3aのドレイン端子に出力端子Qが接続されている。また、NMOSトランジスタm1aのドレイン端子とPMOSトランジスタm3aのドレイン端子との間にクロック信号CLKに同期してON/OFF動作するNMOSトランジスタからなるスイッチトランジスタm2aが接続され、NMOSトランジスタm1bのドレイン端子とPMOSトランジスタm3bのドレイン端子との間に、クロック信号CLKに同期してON/OFF動作するNMOSトランジスタからなるスイッチトランジスタるm2bが接続されている。PMOSトランジスタm3a、m3bのソース端子は、電源VDDに接続されている。また、PMOSトランジスタm3aのドレイン端子と電源VDDとの間にクロック信号CLKに同期してスイッチとして作用するPMOSトランジスタm4aが接続され、PMOSトランジスタm3bのドレイン端子と電源VDDとの間にCLKに同期してスイッチとして作用するPMOSトランジスタm4bが接続されている。入力トランジスタ部を構成するNMOSトランジスタm11、m21、m12、m22のゲート端子は、各々、第1の差動増幅器の正極出力Vo1、負極出力Vob1、第2の差動増幅器の正極出力Vo2、負極出力Vob2が接続され、ソース端子は基準接地電圧VSSが接続され、トランジスタm11及びm12のドレイン端子は、トランジスタm1aのソース端子(ノードVa)、トランジスタm21及びm22のドレイン端子は、トランジスタm1bのソース端子(ノードVb)に接続されている。クロック信号CLKに同期してスイッチとして作用するNMOSトランジスタm2a、m2bのゲート端子及び、クロック信号CLKに同期してスイッチとして作用するPMOSトランジスタm4a、m4bのゲート端子は、クロック信号CLKに接続されている。
ここで、前記スイッチトランジスタm2aのソース端子と帰還トランジスタm1aのドレイン端子との接続部をノードVc、スイッチトランジスタm2bのソース端子と帰還トランジスタm1bのドレイン端子との接続部をノードVdとして、ノードVcとリセット電圧入力端子Vresetとの間にリセットトランジスタとして作用するNMOSトランジスタmraが接続され、ノードVdとリセット電圧入力端子Vresetとの間にリセットトランジスタとして作用するNMOSトランジスタmrbが接続され、リセットトランジスタとして作用するNMOSトランジスタmra、mrbのゲート端子には、クロック信号の反転信号/CLKが接続されている。以上が本実施形態5のダイナミック型比較器700の構成の一例である。
次に図7を参照しながら本実施形態5のダイナミック型比較器700の一連の動作を説明する。
本実施形態5のダイナミック型比較器700の一連の動作は基本的には、本実施形態1のダイナミック型比較器100の一連の動作とほぼ等しい。異なる点は、下記のクロック信号CLKが”Low”の時のリセット状態である。
クロック信号CLKが”Low”の時、NMOSトランジスタm2a、m2bはOFF、PMOSトランジスタm4a、m4bはONする。これにより、正帰還部は動作しなくなり、出力端子Q、QBは”High”にプルアップされる。このとき、トランジスタm2a、m2bがOFFしているため、本回路には電流が流れない。一方、クロック信号の反転信号/CLKは”High”となり、NMOSトランジスタmra、mrbがONし、ノードVc及びVdとリセット電圧入力端子Vresetと導通する。この作用は、Vo1及びVo2共に、又は、Vob1及びVob2共に入力トランジスタ部の閾値電圧Vthを下回り、入力トランジスタ部のNMOSトランジスタm11及びm12共に、又は、トランジスタm21及びm22共にOFFしたとしても有効であり、従ってノードVc、Vdの電圧はVresetにリセットされる。また、出力端子Q,QBは”High”にプルアップされているため、トランジスタm1a及びトランジスタm1bはONし、ノードVcとVaとが、また、VdとVbとが導通する。従ってノードVa、Vbの電圧もVresetにリセットされる(Reset状態)。
クロック信号CLKが”High”の時、NMOSトランジスタm2a、m2bはON、PMOSトランジスタm4a、m4bはOFFする。これにより、正帰還部は動作可能となる。入力トランジスタ部のNMOSトランジスタm11、m12、m21、m22は所定の重み付け演算を行うことにより閾値電圧Vtnを決定し、第1の差動増幅器の正極出力電圧Vo1と負極出力電圧Vob1との差電圧と、第2の差動増幅器の正極出力電圧Vo2と負極出力電圧Vob2との差電圧とに対して、比較した比較結果を正帰還部に出力する。所定の重み付け演算の実現は既述したので、省略する。入力トランジスタ部のトランジスタm11、m12、m21、m22の各々のドレイン電流はその各々のゲート端子電圧により変化する。これにより、トランジスタm11及びm12のゲート端子電圧に応じたドレイン電圧VDS1、及び、トランジスタm21及びm22のゲート端子電圧に応じたドレイン電圧VDS2が発生し、正帰還部は、VDS1及びVDS2の差電圧を正帰還し、電源電圧VDDつまり”High”又は、基準接地電圧VSSつまり”Low”まで増幅し、その状態を保持する(Compare&Latch状態)。また、このとき、比較器の出力端子Q、QBが遷移している期間は、本回路には電流が流れるが、出力端子Q、QBの遷移が終了しLatch状態となれば、本回路には電流が流れない。例えば、VDS1>VDS2の場合、差電圧を正帰還することにより、比較器の出力端子Qは”High”、出力端子QBは”Low”まで増幅されることになる。一方、クロック信号の反転信号/CLKは”Low”となり、NMOSトランジスタmra、mrbがOFFし、ノードVc及びVdとリセット電圧入力端子Vresetとは切断される。
他の回路の動作原理は、本実施形態1のダイナミック型比較器100と等しい。
以上が本実施形態5のダイナミック型比較器700の一連の動作説明である。
以上のように、本実施形態5のダイナミック型比較器700は、リセット状態において、クロック信号の反転信号に同期して動作するスイッチを用いてノードVc及びVdを、更に、ノードVa及びVbをVresetにリセットする機能を有することで、従来技術で問題であった、クロック信号周波数及びアナログ入力信号周波数が速くなったときに生じていた、比較精度の劣化を低減することが可能となる。
(実施形態6)
図8は、実施形態6のダイナミック型比較器800の構成の一例を示す図である。比較器800は、NMOSトランジスタm11、m12、m21、m22を含む入力トランジスタ部と、NMOSトランジスタm1a、m1b及びPMOSトランジスタm3a、m3bを含む正帰還部(クロスカップルインバータラッチ部)とを備え、正帰還部のトランジスタm1a、m3aのゲート端子及びトランジスタm3bのドレイン端子に出力端子QBが、正帰還部のトランジスタm1b、m3bのゲート端子及びトランジスタm3aのドレイン端子に出力端子Qが接続されている。また、NMOSトランジスタm1aのドレイン端子とPMOSトランジスタm3aのドレイン端子との間にクロック信号CLKに同期してスイッチとして作用するNMOSトランジスタm2aが接続され、NMOSトランジスタm1bのドレイン端子とPMOSトランジスタm3bのドレイン端子との間にCLKに同期してスイッチとして作用するNMOSトランジスタm2bが接続されている。PMOSトランジスタm3a、m3bのソース端子は、電源VDDに接続されている。また、PMOSトランジスタm3aのドレイン端子と電源VDDとの間にクロック信号CLKに同期してスイッチとして作用するPMOSトランジスタm4aが接続され、PMOSトランジスタm3bのドレイン端子と電源VDDとの間にCLKに同期してスイッチとして作用するPMOSトランジスタm4bが接続されている。入力トランジスタ部を構成するNMOSトランジスタm11、m21、m12、m22のゲート端子は、各々、第1の差動増幅器の正極出力Vo1、負極出力Vob1、第2の差動増幅器の正極出力Vo2、負極出力Vob2が接続され、ソース端子は基準接地電圧VSSが接続され、トランジスタm11及びm12のドレイン端子は、トランジスタm1aのソース端子(ノードVa)、トランジスタm21及びm22のドレイン端子は、トランジスタm1bのソース端子(Vb)に接続されている。クロック信号CLKに同期してスイッチとして作用するNMOSトランジスタm2a、m2bのゲート端子及び、クロック信号CLKに同期してスイッチとして作用するPMOSトランジスタm4a、m4bのゲート端子は、クロック信号CLKに接続されている。更にここで、トランジスタm2aのソース端子とトランジスタm1aのドレイン端子の接続点をノードVc、トランジスタm2bのソース端子とトランジスタm1bのドレイン端子の接続点をノードVdとして、ノードVcと接地電圧VSSとの間にリセットトランジスタとして作用するNMOSトランジスタmraが接続され、Vdと接地電圧VSSとの間にリセットトランジスタとして作用するNMOSトランジスタmrbが接続され、リセットトランジスタとして作用するNMOSトランジスタmra、mrbのゲート端子には、クロック信号の反転信号/CLKが接続されている。以上が本実施形態6のダイナミック型比較器800の構成の一例である。
次に図8を参照しながら本実施形態6のダイナミック型比較器800の一連の動作を説明する。
本実施形態6のダイナミック型比較器800の一連の動作は基本的には、本実施形態1のダイナミック型比較器100の一連の動作とほぼ等しい。異なる点は、下記のクロック信号CLKが”Low”の時のリセット状態である。
クロック信号CLKが”Low”の時、NMOSトランジスタm2a、m2bはOFF、PMOSトランジスタm4a、m4bはONする。これにより、正帰還部は動作しなくなり、出力端子Q、QBは”High”にプルアップされる。このとき、トランジスタm2a、m2bがOFFしているため、本回路には電流が流れない。一方、クロック信号の反転信号/CLKは”High”となり、NMOSトランジスタmra、mrbがONし、ノードVc及びVdと接地電圧VSSと導通する。また、出力端子Q,QBは”High”にプルアップされているため、トランジスタm1a及びm1bはONし、ノードVcとVaとが、また、VdとVbとが導通する。従ってノードVa、Vbの電圧も接地電圧VSSにリセットされる。この作用は、Vo1及びVo2共に、又は、Vob1及びVob2共に入力トランジスタ部の閾値電圧Vthを下回り、入力トランジスタ部のNMOSトランジスタm11及びm12共に、又は、トランジスタm21及びm22共にOFFしたとしても有効であり、従ってノードVa、Vbの電圧は接地電圧VSSにリセットされる。また、出力端子Q,QBは”High”にプルアップされているため、トランジスタm1a及びm1bはONし、ノードVcとVaとが、また、ノードVdとVbとが導通する。従ってノードVa、Vbの電圧も接地電圧VSSにリセットされる(Reset状態)。
クロック信号CLKが”High”の時、NMOSトランジスタm2a、m2bはON、PMOSトランジスタm4a、m4bはOFFする。これにより、正帰還部は動作可能となる。入力トランジスタ部のNMOSトランジスタm11、m12、m21、m22は所定の重み付け演算を行うことにより閾値電圧Vtnを決定し、第1の差動増幅器の正極出力電圧Vo1と負極出力電圧Vob1との差電圧と、第2の差動増幅器の正極出力電圧Vo2と負極出力電圧Vob2との差電圧とに対して、比較した比較結果を正帰還部に出力する。所定の重み付け演算の実現は既述したので、省略する。入力トランジスタ部のトランジスタm11、m12、m21、m22の各々のドレイン電流はその各々のゲート端子電圧により変化する。これにより、トランジスタm11及びトランジスタm12のゲート端子電圧に応じたドレイン電圧VDS1、及び、トランジスタm21及びm22のゲート端子電圧に応じたドレイン電圧VDS2が発生し、正帰還部は、VDS1及びVDS2の差電圧を正帰還し、電源電圧VDDつまり”High”又は、基準接地電圧VSSつまり”Low”まで増幅し、その状態を保持する(Compare&Latch状態)。また、このとき、比較器の出力端子Q、QBが遷移している期間は、本回路には電流が流れるが、出力端子Q、QBの遷移が終了しLatch状態となれば、本回路には電流が流れない。例えば、VDS1>VDS2の場合、差電圧を正帰還することにより、比較器の出力端子Qは”High”、出力端子QBは”Low”まで増幅されることになる。一方、クロック信号の反転信号/CLKは”Low”となり、NMOSトランジスタmra、mrbがOFFし、ノードVc及びVdと基準接地電圧VSSとは切断される。
他の回路の動作原理は、本実施形態1のダイナミック型比較器100と等しい。
以上が本実施形態6のダイナミック型比較器800の一連の動作説明である。
以上のように、本実施形態6のダイナミック型比較器800は、リセット状態において、クロック信号の反転信号に同期して動作するスイッチを用いてノードVc及びVdを、更に、ノードVa及びVbを接地電圧VSSにリセットする機能を有することで、従来技術で問題であった、クロック信号周波数及びアナログ入力信号周波数が速くなったときに生じていた、比較精度の劣化を低減することが可能となる。また、比較器700と比較すると、リセット電圧入力端子Vresetが不要である点、リセット状態のノードVc及びVd電圧がVresetではなく接地電圧VSSである点で異なる。
(実施形態7)
図9は、実施形態7のダイナミック型比較器900の構成の一例を示す図である。比較器900は、NMOSトランジスタm11、m12、m21、m22を含む入力トランジスタ部と、NMOSトランジスタm1a、m1b及びPMOSトランジスタm3a、m3bを含む正帰還部(クロスカップルインバータラッチ部)とを備え、正帰還部のトランジスタm1a、m3aのゲート端子及びトランジスタm3bのドレイン端子に出力端子QBが、正帰還部のトランジスタm1b、m3bのゲート端子及びトランジスタm3aのドレイン端子に出力端子Qが接続されている。また、NMOSトランジスタm1aのドレイン端子とPMOSトランジスタm3aのドレイン端子との間にクロック信号CLKに同期してスイッチとして作用するNMOSトランジスタm2aが接続され、NMOSトランジスタm1bのドレイン端子とPMOSトランジスタm3bのドレイン端子との間にCLKに同期してスイッチとして作用するNMOSトランジスタm2bが接続されている。PMOSトランジスタm3a、m3bのソース端子は、電源VDDに接続されている。また、PMOSトランジスタm3aのドレイン端子と電源VDDとの間にクロック信号CLKに同期してスイッチとして作用するPMOSトランジスタm4aが接続され、PMOSトランジスタm3bのドレイン端子と電源VDDとの間にCLKに同期してスイッチとして作用するPMOSトランジスタm4bが接続されている。入力トランジスタ部を構成するNMOSトランジスタm11、m21、m12、m22のゲート端子は、各々、第1の差動増幅器の正極出力Vo1、負極出力Vob1、第2の差動増幅器の正極出力Vo2、負極出力Vob2が接続され、ソース端子は基準接地電圧VSSが接続され、トランジスタm11及びm12のドレイン端子は、トランジスタm1aのソース端子(ノードVa)、トランジスタm21及びm22のドレイン端子は、トランジスタm1bのソース端子(Vb)に接続されている。クロック信号CLKに同期してスイッチとして作用するNMOSトランジスタm2a、m2bのゲート端子及び、クロック信号CLKに同期してスイッチとして作用するPMOSトランジスタm4a、m4bのゲート端子は、クロック信号CLKに接続されている。更にここで、トランジスタm2aのソース端子とトランジスタm1aのドレイン端子の接続点をノードVc、トランジスタm2bのソース端子とトランジスタm1bのドレイン端子の接続点をVdとして、ノードVcとVdとの間にリセットトランジスタとして作用するNMOSトランジスタmrが接続され、リセットトランジスタとして作用するNMOSトランジスタmrのゲート端子には、クロック信号の反転信号/CLKが接続されている。以上が本実施形態7のダイナミック型比較器900の構成の一例である。
次に図9を参照しながら本実施形態7のダイナミック型比較器900の一連の動作を説明する。
本実施形態7のダイナミック型比較器900の一連の動作は基本的には、本実施形態1のダイナミック型比較器100の一連の動作とほぼ等しい。異なる点は、下記のクロック信号CLKが”Low”の時のリセット状態である。
クロック信号CLKが”Low”の時、NMOSトランジスタm2a、m2bはOFF、PMOSトランジスタm4a、m4bはONする。これにより、正帰還部は動作しなくなり、出力端子Q、QBは”High”にプルアップされる。このとき、トランジスタm2a、m2bがOFFしているため、本回路には電流が流れない。一方、クロック信号の反転信号/CLKは”High”となり、NMOSトランジスタmrがONし、ノードVcとVdとが導通する。また、出力端子Q,QBは”High”にプルアップされているため、トランジスタm1a及びm1bはONし、ノードVcとVaとが、また、VdとVbとが導通する。従ってノードVaとVbとノードVcとVdとが導通する。この作用は、Vo1及びVo2共に、又は、Vob1及びVob2共に入力トランジスタ部の閾値電圧Vthを下回り、入力トランジスタ部のNMOSトランジスタm11及びm12共に、又は、トランジスタm21及びm22共にOFFしたとしても有効であり、従ってノードVc及びVdの電圧は同電位にリセットされる。また、出力端子Q,QBは”High”にプルアップされているため、トランジスタm1a及びm1bはONし、ノードVcとVaとが、また、VdとVbとが導通する。本回路に電流が流れず、トランジスタm11、m12、m21、m22のいずれか一つ以上のトランジスタがONしているとすると、結局のところ、ノードVa、Vb、Vc、Vdは接地電圧VSSにリセットされる(Reset状態)。
クロック信号CLKが”High”の時、NMOSトランジスタm2a、m2bはON、PMOSトランジスタm4a、m4bはOFFする。これにより、正帰還部は動作可能となる。入力トランジスタ部のNMOSトランジスタm11、m12、m21、m22は所定の重み付け演算を行うことにより閾値電圧Vtnを決定し、第1の差動増幅器の正極出力電圧Vo1と負極出力電圧Vob1との差電圧と、第2の差動増幅器の正極出力電圧Vo2と負極出力電圧Vob2との差電圧とに対して、比較した比較結果を正帰還部に出力する。所定の重み付け演算の実現は既述したので、省略する。入力トランジスタ部のトランジスタm11、m12、m21、m22の各々のドレイン電流はその各々のゲート端子電圧により変化する。これにより、トランジスタm11及びm12のゲート端子電圧に応じたドレイン電圧VDS1、及び、トランジスタm21及びm22のゲート端子電圧に応じたドレイン電圧VDS2が発生し、正帰還部は、VDS1及びVDS2の差電圧を正帰還し、電源電圧VDDつまり”High”又は、基準接地電圧VSSつまり”Low”まで増幅し、その状態を保持する(Compare&Latch状態)。また、このとき、比較器の出力端子Q、QBが遷移している期間は、本回路には電流が流れるが、出力端子Q、QBの遷移が終了しLatch状態となれば、本回路には電流が流れない。例えば、VDS1>VDS2の場合、差電圧を正帰還することにより、比較器の出力端子Qは”High”、出力端子QBは”Low”まで増幅されることになる。一方、クロック信号の反転信号/CLKは”Low”となり、NMOSトランジスタmrがOFFし、ノードVcとVdとは切断される。
他の回路の動作原理は、本実施形態1のダイナミック型比較器100と等しい。
以上が本実施形態7のダイナミック型比較器900の一連の動作説明である。
以上のように、本実施形態7のダイナミック型比較器900は、リセット状態において、クロック信号の反転信号に同期して動作するスイッチを用いてノードVa、Vb、Vc、Vdを同電位にリセットする機能を有することにより、従来技術で問題であった、クロック信号周波数及びアナログ入力信号周波数が速くなったときに生じていた、比較精度の劣化を低減することが可能となる。また、比較器100と比較すると、リセット電圧入力端子Vresetが不要である点、リセット状態のノードVc及びVd電圧がVresetではなくノードVc及びVdが同電位、又は、リセット状態で、トランジスタm11、m12、m21、m22のいずれかがON状態であればノードVa、Vb、Vc、Vdの電圧が接地電圧VSSである点で異なる。また、比較器800と比較すると、リセットトランジスタの数が一つ少なくても構成可能である点で異なる。
(実施形態8)
図10は、実施形態5のダイナミック型比較器700にかかる、本実施形態8のVreset発生器(リセット電圧発生器)1000の構成の一例を示す図である。Vreset発生器1000は比較器700の半回路となっており、比較器700のレプリカ回路として構成される。NMOSトランジスタm11、m12を含む入力トランジスタ部と、比較器700の正帰還部の半回路であるNMOSトランジスタm1及びPMOSトランジスタm3とを備え、トランジスタm1、m3のゲート端子及びトランジスタm3のドレイン端子が接続されている。また、NMOSトランジスタm1のドレイン端子とPMOSトランジスタm3のドレイン端子との間に、Vreset発生器動作信号ENABLEに同期してスイッチとして作用するNMOSトランジスタm2が接続されている。PMOSトランジスタm3のソース端子は、電源VDDに接続されている。また、PMOSトランジスタm3のドレイン端子と電源VDDとの間にVreset発生器動作信号ENABLEに同期してスイッチとして作用するPMOSトランジスタm4が接続されている。入力トランジスタ部を構成するNMOSトランジスタm11及びm21のゲート端子は、差動増幅器の正極出力及び負極出力のコモンモード電圧Vomidが接続され、ソース端子は基準接地電圧VSSが接続され、NMOSトランジスタm11及びm12のドレイン端子は、帰還トランジスタm1のソース端子に接続されており、帰還トランジスタm1のドレイン端子はスイッチトランジスタm2のソース端子に接続され、この帰還トランジスタm1とスイッチトランジスタm2との接続部の電圧が所定リセット電圧Vresetとして外部出力される。Vreset発生器動作信号ENABLEに同期してスイッチとして作用するNMOSトランジスタm2のゲート端子及び、Vreset発生器動作信号ENABLEに同期してスイッチとして作用するPMOSトランジスタm4のゲート端子は、Vreset発生器動作信号ENABLEに接続されている。以上が本実施形態5のダイナミック型比較器700にかかる、本実施形態8のVreset発生器1000の構成の一例である。
次に図10を参照しながら本実施形態4のVreset発生器1000の一連の動作を説明する。
Vreset発生器動作信号ENABLEが”Low”の時、NMOSトランジスタm2はOFF、PMOSトランジスタm4はONする。これにより、比較器700の正帰還部の半回路は動作しなくなり、トランジスタm3のゲート端子電圧は”High”にプルアップされ、リセット電圧Vresetは”Low”に収束する。このとき、トランジスタm2がOFFしているため、本回路には電流が流れない。
Vreset発生器動作信号ENABLEが”High”の時、NMOSトランジスタm2はON、PMOSトランジスタm4はOFFする。これにより、比較器100の正帰還部の半回路は動作可能となる。入力トランジスタ部のNMOSトランジスタm11、m12は所定のサイズ比とする。例えば、トランジスタm11とトランジスタm12とのゲート幅Wのサイズ比を(1.6)式で言うところの、(m/2)/m:(m/2)/mとする。尚、本実施形態1の動作説明において前述したとおり、所定のサイズ比の実現方法は任意の方法を用いることができる。この場合、トランジスタm11及びm12のゲート端子−ソース端子間電圧はVomidであり、Vomidに従って、トランジスタm11及びm12に、ある一定のドレイン電流を本回路に流す働きをする。トランジスタm11及びm12のドレイン電流の合成電流は、トランジスタm3及びm2及びm1を流れる。これをVreset発生器動作電流とする。トランジスタm3はゲート端子とドレイン端子が接続されたダイオード接続になっているため、ある一定のコンダクタンスをもつ抵抗として動作するため、Vreset発生器動作電流によってある一定の電圧がトランジスタm3のゲート端子すなわちトランジスタm3のドレイン端子に発生する。また、トランジスタm2のゲート端子電圧はVreset発生器動作信号ENABLE、トランジスタm2のドレイン端子電圧はトランジスタm3のドレイン端子電圧であり、Vreset発生器動作電流、ゲート端子−ソース端子間電圧(ENABLE−トランジスタm2のソース端子電圧)、ドレイン端子−ソース端子電圧(トランジスタm3のドレイン端子電圧−トランジスタm2のソース端子電圧)の関係を満たす、ある一定の電圧がトランジスタm2のソース端子に発生する。同様に、トランジスタm1のゲート端子電圧はトランジスタm3のドレイン端子電圧、トランジスタm1のドレイン端子電圧は、トランジスタm2のソース端子電圧であり、Vreset発生器動作電流、ゲート端子−ソース端子間電圧(トランジスタm3のドレイン端子電圧−トランジスタm1のソース端子電圧)、ドレイン端子−ソース端子電圧(トランジスタm2のソース端子電圧−トランジスタm1のソース端子電圧)の関係を満たす、ある一定の電圧がトランジスタm1のソース端子電圧に発生する。つまり、このトランジスタm2のソース端子電圧が、リセット電圧Vresetとして発生する。
以上が、本実施形態8のVreset発生器1000の一連の動作である。
比較器700のリセット端子Vresetに対して、本実施形態8のVreset発生器1000が発生するリセット電圧Vresetを与えることにより、比較器700がリセット状態の時にノードVc及びVdを、本実施形態8のVreset発生器1000が発生するリセット電圧Vresetとしてリセットすることにより、クロック信号CLKが”Low”から”High”に遷移するとき、すなわち、比較器700がリセット状態からCompara&Latch状態に遷移するとき、比較器700が最も敏感に動作する。
以上のように、本実施形態5のダイナミック型比較器700にかかる、本実施形態8のVreset発生器1000は、比較器700の半回路をレプリカ回路として有し、前述の動作によりリセット電圧Vresetを発生させることにより、本実施形態5のダイナミック型比較器700を最も効率的に、速く動作させることが可能となる。
尚、図10に示したVreset発生器1000は、図7に示した比較器700の構成のうち差動対の一方を構成する回路部分のみで構成したが、比較器700の全体で構成しても良いのは勿論である。
更に、本実施形態8のVreset発生器1000では、入力トランジスタ部はNMOSトランジスタとしたが、比較器と共に本構成をNMOSトランジスタとPMOSトランジスタを入れ替え、入力トランジスタ部をPMOSトランジスタとしても、同様の効果が得られる。
(実施形態9)
図11は、本実施形態1にかかる比較器100、又は、本実施形態2にかかる比較器400、又は、本実施形態3にかかる比較器500、又は、本実施形態5にかかる比較器700、又は、本実施形態6にかかる比較器800、又は、本実施形態7にかかる比較器900に使用するリセットトランジスタのゲート端子に与えるクロック信号の反転信号/CLKを、クロック信号CLKより発生するための反転クロック発生回路(遅延回路)1100の構成の一例を示す図である。反転クロック発生回路1100は、インバータ1101とバッファ1102とを有する。インバータ1101の入力端子はクロック信号CLKが与えられ、インバータ1101の出力とバッファ1102の出力が接続されており、バッファ1102の出力がクロック信号の反転信号/CLKとして出力される。以上が本実施形態9の反転クロック発生回路1100の構成の一例である。 次に図11を参照しながら本実施形態11の反転クロック発生回路1100の一連の動作を説明する。
クロック信号CLKがインバータ1101に与えられると、インバータ1101は所定の遅延を持ったクロック信号CLKの反転信号を出力する。インバータ1101によって出力されたクロック信号CLKの反転信号がバッファ1102に与えられると、バッファ1102は与えられたクロック信号CLKの反転信号に対して更に所定の遅延を持ったクロック信号CLKの反転信号/CLKを出力する。
以上が本実施形態11の反転クロック発生回路1100の一連の動作である。
この反転クロック発生回路1100によって出力されたクロック信号CLKの反転信号/CLKを本実施形態1にかかる比較器100、又は、本実施形態2にかかる比較器400、又は、本実施形態3にかかる比較器500、又は、本実施形態5にかかる比較器700、又は、本実施形態6にかかる比較器800、又は、本実施形態7にかかる比較器900に使用するリセットトランジスタのゲート端子に与えることで、更に精度良く各々の比較器を動作させることが可能である。
次に、図12を用いて、反転クロック発生回路1100によって出力されたクロック信号CLKの反転信号/CLKを本実施形態1にかかる比較器100に使用するリセットトランジスタのゲート端子に与えた場合の動作を更に詳しく説明する。
図12は、クロック信号CLK、比較器100の出力端子Q及びQB、第1の差動増幅器の正極出力Vo1及び負極出力Vob1、第2の差動増幅器の正極出力Vo2及び負極出力Vob2、反転クロック発生回路1100によって出力されたクロック信号CLKの反転信号/CLK、比較器100のノードVa及びVbの電圧のタイミングチャートを示している。
クロック信号CLKが”Low”の時、NMOSトランジスタm2a、m2bはOFF、PMOSトランジスタm4a、m4bはONする。これにより、正帰還部は動作しなくなり、出力端子Q、QBは”High”にプルアップされる。このとき、トランジスタm2a、m2bがOFFしているため、本回路には電流が流れない。一方、クロック信号の反転信号/CLKは、クロック信号CLKが”Low”に遷移した瞬間から所定の遅延を持って”High”となり、NMOSトランジスタmra、mrbがONし、ノードVa及びVbとリセット電圧入力端子Vresetと導通する。この作用は、Vo1及びVo2共に、又は、Vob1及びVob2共に入力トランジスタ部の閾値電圧Vthを下回り、入力トランジスタ部のNMOSトランジスタm11及びm12共に、又は、トランジスタm21及びm22共にOFFしたとしても有効であり、従ってノードVa、Vbの電圧はVresetにリセットされる(Reset状態)。
クロック信号CLKが”High”の時、NMOSトランジスタm2a、m2bはON、PMOSトランジスタm4a、m4bはOFFする。これにより、正帰還部は動作可能となる。しかしながら、クロック信号CLKが”High”に遷移した瞬間は、クロック信号の反転信号/CLKは、また、”Low”のままである。つまり、正帰還部は動作可能であるが、比較はまだ開始されていない(スタンバイ状態)。入力トランジスタ部のNMOSトランジスタm11、m12、m21、m22は所定の重み付け演算を行うことにより閾値電圧Vtnを決定し、第1の差動増幅器の正極出力電圧Vo1と負極出力電圧Vob1との差電圧と、第2の差動増幅器の正極出力電圧Vo2と負極出力電圧Vob2との差電圧とに対して、比較した比較結果を正帰還部に出力する。所定の重み付け演算実現は既述したので、省略する。クロック信号CLKが”High”に遷移した後、所定の遅延時間経過後にクロック信号の反転信号/CLKは”Low”となり、NMOSトランジスタmra、mrbがOFFし、ノードVa及びVbとリセット電圧入力端子Vresetとは切断される。ここで、入力トランジスタ部のトランジスタm11、m12、m21、m22の各々のドレイン電流はその各々のゲート端子電圧により変化する。これにより、トランジスタm11及びm12のゲート端子電圧に応じたドレイン電圧VDS1、及び、トランジスタm21及びm22のゲート端子電圧に応じたドレイン電圧VDS2が発生し、正帰還部は、VDS1及びVDS2の差電圧を正帰還し、電源電圧VDDつまり”High”又は、基準接地電圧VSSつまり”Low”まで増幅し、その状態を保持する(Compare&Latch状態)。また、このとき、比較器の出力端子Q、QBが遷移している期間は、本回路には電流が流れるが、出力端子Q、QBの遷移が終了し、Latch状態となれば、本回路には電流が流れない。例えば、VDS1>VDS2の場合、差電圧を正帰還することにより、比較器の出力端子Qは”High”、QBは”Low”まで増幅されることになる。
他の回路の動作原理は、本実施形態1のダイナミック型比較器100と等しい。
以上が、本実施形態9の反転クロック発生回路1100によって出力されたクロック信号CLKの反転信号/CLKを本実施形態1にかかる比較器100に使用するリセットトランジスタのゲート端子に与えた場合の一連の動作である。
以上のように、本実施形態1にかかる比較器100、又は、本実施形態2にかかる比較器400、又は、本実施形態3にかかる比較器500、又は、本実施形態5にかかる比較器700、又は、本実施形態6にかかる比較器800、又は、本実施形態7にかかる比較器900に使用するリセットトランジスタのゲート端子に与えるクロック信号の反転信号/CLKを、クロック信号CLKより発生するための反転クロック発生回路1100によって与えることにより、リセット状態においてクロック信号CLKに対して所定の遅延時間を有するクロック信号の反転信号に同期して動作するスイッチを用いてノードVa及びVbをVreset又は接地電圧VSSにリセットする機能を有し、クロック信号CLKが”High”に遷移した瞬間も、ノードVa及びVbがリセットされた状態であるスタンバイ状態を有するので、正帰還部もノードVa、vbがリセット電圧にある定常状態からCompare&Latch状態に遷移するので、クロック信号周波数及びアナログ入力信号周波数が速くなった場合であっても、比較精度の劣化を更に安定して低減することが可能となる。
尚、本実施形態9の反転クロック発生回路1100は、バッファ1102を有するが、インバータ1101のみを用いて構成しても同様の効果を得ることができる。
尚、本実施形態9の反転クロック発生回路1100は、インバータ1101の出力がバッファ1102の入力として与えられているが、クロック信号CLKをバッファ1102に与え、バッファ1102の出力をインバータ1101に与えても同様の効果を得ることができる。
尚、本実施形態の反転クロック発生回路1100を備える比較器は、前記第1〜第8の実施形態で示した何れの比較器であっても良い。また、複数個の比較器を使用してA/D変換器を構成する場合に、その複数個の比較器のうち少なくとも1個に本実施形態の反転クロック発生回路1100付きの比較器を備える構成としても良い。
(実施形態10)
図13は、本実施形態10の並列型A/D変換器1300の構成の一例を示す図である。
同図の並列型A/D変換器1300は、参照電圧発生回路1301、差動増幅器列1302、比較器列1304、エンコード回路1305から構成される。
前記参照電圧発生回路1301は、高圧側基準電圧1301aと、低圧側基準電圧1301bとの間の電圧を、2のN乗個(N:A/D変換器のビット数)よりも少ないm個の抵抗R1〜Rmにより分圧して参照電圧VR1〜VRm+1を発生している。VR1〜VRm+1は、差動増幅器列1302に入力される。差動増幅器列1302はm+1個の差動増幅器を有し、アナログ入力信号電圧入力端子AINから入力されたアナログ入力信号電圧と参照電圧VR1〜VRm+1との関係に対して並列で所定の増幅を行い、比較器列1304に与える。比較器列103に含まれる各々の比較器は互いに隣り合う2つの差動増幅器の正極、負極出力が与えられる。各々の比較器は、以上で説明した比較器の何れかを採用したり、これ等に反転クロック発生回路1100を有する構造とした比較器が採用可能である。入力トランジスタは、所定のサイズ比で構成され、クロック信号CLKに同期しながら、隣り合う2つの差動増幅器の正極、負極出力を補間しながら並列で比較する。エンコード回路1305は、比較器列1304から出力された比較結果を論理処理(変換)して、所定の分解能のディジタル信号DOUTを出力する。以上が本実施形態10の並列型A/D変換器1300の構成の一例である。
次に、図13を参照しながら本実施形態10の並列型A/D変換器1300の一連の動作を説明する。
参照電圧発生回路1301は、直列に接続されたm個の抵抗R1〜Rmを備え、その両端に高圧側基準電圧1301aと低圧側基準電圧1301bとが印加される。これにより、高圧側基準電圧1301aと、低圧側基準電圧1301bとの間の電圧が分圧され、参照電圧VR1〜VRm+1が発生する。
差動増幅器列1302を構成する各々の差動増幅器A1〜Am+1は2つの入力端子を有しており、一方の入力端子にはアナログ入力信号電圧AINが与えられ、もう一方の入力端子には、参照電圧発生回路1301で発生したVR1〜VRm+1が与えられる。各々の差動増幅器は、正極出力(Vo1〜Vom+1)及び負極出力(Vob1〜Vom+1)など、複数の出力電圧セットを出力する。
比較器列1304を構成する各々の比較器は、以上で説明した比較器の何れかの構成を有する。それ等の動作は記述したので、ここでは省略する。
エンコード回路1305は、比較器列1304を構成する各々の比較器によって出力端子Q、QBから出力された比較結果に対して、論理処理(変換)して、所定の分解能のディジタル信号を出力する。
以上が本実施形態10の並列型A/D変換器1300の動作説明である。
以上のように、本実施形態10の並列型A/D変換器1300は、以上で説明した比較器を複数個備えた比較器列を構成することにより、比較器の入力トランジスタ部に含まれるトランジスタが所定のサイズ比とすることで、従来技術において用いられていた補間抵抗器列が不要となり、動作電流及び占有面積が削減できるだけでなく、比較器がリセット状態において、クロック信号の反転信号に同期して動作するスイッチを用いてノードVa及びVbをVreset又は接地電圧VSSにリセットする機能を有することで、従来技術で問題であった、クロック信号周波数及びアナログ入力信号周波数が速くなったときに生じていた、比較器の比較精度の劣化を低減することが可能となり、A/D変換器の特性を向上させることが可能となる。
尚、以上で説明したダイナミック型比較器では、第1の差動増幅器の正極出力電圧及び負極出力電圧のセットと、第2の差動増幅器の正極出力電圧及び負極出力電圧のセットとが入力される比較器の数が4個の場合を示したが、本発明はこれに限定されることなく、比較器の数は、2のn乗個(nは自然数)であれば良く、同様の効果が得られる。
また、以上で説明したダイナミック型比較器では、ノードVa及びVbと、所定リセット電圧Vresetとを接続するためのスイッチは、NMOSトランジスタとしたが、同様の機能を持つスイッチ、例えば、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタを組み合わせたCMOS形式のスイッチや、チャージインジェクションを削減するためのダーミー付きCMOSスイッチとしても、同様の効果が得られる。
更に、以上で説明したダイナミック型比較器では、入力トランジスタ部10はNMOSトランジスタとしたが、NMOSトランジスタとPMOSトランジスタとを入れ替えて、入力トランジスタ部10をPMOSトランジスタで構成しても、同様の効果が得られる。
以上説明したように、本発明は、クロック信号の周波数及びアナログ入力信号の周波数が高くなった場合であっても、比較器の比較精度を高く保持できるので、ダイナミック型比較器として有用であり、また、アナログ入力信号の帯域を拡大できるので、ディジタルリードチャネルのアナログフロントエンド用のA/D変換器や、広いアナログ入力信号帯域を必要するダイレクトコンバージョンを行うためのシステム等の用途に適用可能である。
本実施形態1の比較器の具体的構成を示す図である。 同比較器のタイミングチャートを示す図である。 同比較器において入力信号軌跡と比較器閾値電圧との関係を示す図である。 本実施形態2の比較器の具体的構成を示す図である。 本実施形態3の比較器の具体的構成を示す図である。 本実施形態4の比較器におけるVreset発生器の具体的構成を示す図である。 本実施形態5の比較器の具体的構成を示す図である。 本実施形態6の比較器の具体的構成を示す図である。 本実施形態7の比較器の具体的構成を示す図である。 本実施形態8の比較器におけるVreset発生器の具体的構成を示す図である。 本実施形態9の比較器における反転クロック発生回路の具体的構成を示す図である。 同反転クロック発生回路を用いた比較器のタイミンチャートを示す図である。 本実施形態10のA/D変換器の構成を示す図である。 従来の並列型A/D変換器の構成を示す図である。 従来の改良された並列型A/D変換器の構成を示す図である。 従来の更に改良された並列型A/D変換器の構成を示す図である。 同従来の並列型A/D変換器に用いられる比較器の構成を示す図である。 同従来の比較器のタイミングチャートを示す図である。
符号の説明
10 入力トランジスタ部
11 正帰還部
12 リセット部
100 比較器
400 比較器
500 比較器
600 Vreset発生器(リセット電圧発生器)
700 比較器
800 比較器
900 比較器
1000 Vreset発生器
1100 反転クロック発生回路(遅延回路)
1300 A/D変換器
1301 参照電圧発生回路
1301a 高圧側基準電圧
1301b 低圧側基準電圧
1302 差動増幅器列
1303 比較器列
1304 エンコード回路

Claims (6)

  1. 複数の差動電圧対を受け、クロック信号に同期して前記複数の差動電圧対の各々の差電圧について比較動作を行う比較器であって、
    前記複数の差動電圧対が入力され、この複数の差動電圧対について所定の重み付け演算をして電圧−電流変換動作を行うことにより、この重み付けを行った複数の差動電圧対の各々の差電圧について差動比較動作を行い、この差動比較結果である差動電流対を出力する入力トランジスタ部と、
    前記入力トランジスタ部からの差動比較結果を受け、前記クロック信号に同期して、このクロック信号が所定レベルにあるとき、前記受けた差動比較結果を所定電圧レベルまで増幅して比較器の比較結果として出力する正帰還部と、
    前記クロック信号が前記所定のレベルにないとき、前記入力トランジスタ部と前記正帰還部とを接続している2つの接続部を共に所定リセット電圧にリセットするリセット部とを備え、
    前記リセット部は、
    前記所定リセット電圧を発生するリセット電圧発生器を備え、
    前記リセット電圧発生器は、
    前記入力トランジスタ部と前記正帰還部とにより構成される回路と同一の回路のうち少なくとも差動対の一方の回路部分を備えたレプリカ回路を備え、
    前記レプリカ回路の前記入力トランジスタ部と前記正帰還部との接続部の電圧を前記所定リセット電圧として出力する
    ことを特徴とする比較器。
  2. 前記請求項1記載の比較器において、
    前記リセット部がリセットする所定リセット電圧は、接地電圧である
    ことを特徴とする比較器。
  3. 複数の差動電圧対を受け、クロック信号に同期して前記複数の差動電圧対の各々の差電圧について比較動作を行う比較器であって、
    前記複数の差動電圧対が入力され、この複数の差動電圧対について所定の重み付け演算をして電圧−電流変換動作を行うことにより、この重み付けを行った複数の差動電圧対の各々の差電圧について差動比較動作を行い、この差動比較結果である差動電流対を出力する入力トランジスタ部と、
    1対の帰還トランジスタを有し、前記入力トランジスタ部からの差動比較結果を受け、前記クロック信号に同期して、このクロック信号が所定レベルにあるとき、前記受けた差動比較結果を所定電圧レベルまで増幅して比較器の比較結果として出力する正帰還部と、
    前記正帰還部の1対の帰還トランジスタに各々直列に接続され、前記クロック信号によってスイッチ動作を行って前記正帰還部の動作を許可又は禁止する1対のスイッチトランジスタと、
    前記クロック信号が前記所定のレベルにないとき、前記正帰還部の1対の帰還トランジスタと前記1対のスイッチトランジスタとを接続している2つの接続部を共に所定のリセット電圧にリセットするリセット部とを備え、
    前記リセット部は、
    前記所定リセット電圧を発生するリセット電圧発生器を備え、
    前記リセット電圧発生器は、
    前記入力トランジスタ部と前記正帰還部と前記1対のスイッチトランジスタにより構成される回路と同一の回路のうち少なくとも差動対の一方の回路部分を備えたレプリカ回路を備え、
    前記レプリカ回路の前記正帰還部の帰還トランジスタと前記スイッチトランジスタとを接続している接続部の電圧を所定リセット電圧として出力する
    ことを特徴とする比較器。
  4. 前記請求項3記載の比較器において、
    前記リセット部がリセットする所定リセット電圧は、接地電圧である
    ことを特徴とする比較器。
  5. 前記請求項1〜4の何れか1項に記載の比較器において、
    前記リセット部には、前記正帰還部に与えられるクロック信号の反転信号が与えられ、
    前記リセット部に与えるクロック信号の反転信号を設定時間遅延させる遅延回路が備えられる
    ことを特徴とする比較器。
  6. 前記請求項1〜5の何れか1項に記載の比較器を用いてA/D変換する
    ことを特徴とするA/D変換器。
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