以下、本発明に係る地図情報配信システムについて具体化した第1乃至第3実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1実施形態)
先ず、第1実施形態に係る地図情報配信システム1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は第1実施形態に係る地図情報配信システム1を示したブロック図である。
図1に示すように第1実施形態に係る地図情報配信システム1は、ナビゲーション装置2と、ナビゲーション装置2に対して地図情報を更新する為の更新情報を配信する地図情報配信センタ3と、ネットワーク4から基本的に構成されている。そして、ナビゲーション装置2と地図情報配信センタ3は、ネットワーク4を介して各種の情報の送受信が可能となるように構成されている。尚、ナビゲーション装置2の構成に関しては後に図2を用いて詳細に説明する。
地図情報配信センタ3は、図1に示すようにサーバ10と、サーバ10に接続された情報記録部としてのセンタ側地図情報DB14と、ナビ更新履歴情報DB15と、センタ側通信装置16とを備える。また、サーバ10は、サーバ10の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU11、並びにCPU11が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM12、ナビゲーション装置2からの要求に基づいてナビゲーション装置2に記憶された地図情報の内、所定エリアの地図情報を新たなバージョンの地図情報に更新する為の更新情報をセンタ側地図情報DB14から抽出し、ナビゲーション装置2に対して配信する地図情報更新処理(図7参照)等を行うための各種の制御プログラムが記録されたROM13等の内部記憶装置を備えている。尚、CPU11に代えてMPU等を使用することができる。
また、センタ側地図情報DB14には、地図情報配信センタ3で作成され、ナビゲーション装置2に記憶された地図情報を更新する際の基本となる地図情報である更新用地図情報17がバージョン毎に区分されて記憶されている。更に、現在のナビゲーション装置2に記憶される地図情報の一部又は全部を更新用地図情報17に更新する為の更新情報についても記憶されている。ここで、バージョンとは地図情報が作成された時期を特定する為の作成時期情報であり、バージョンを参照することによって地図情報が作成された時期を特定することが可能となっている。
また、センタ側地図情報DB14に記憶された更新用地図情報17には、ナビゲーション装置2で経路案内及び地図表示を行うのに必要な各種情報が記録されており、例えば、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、施設の一種である道路(リンク)に関するリンクデータ、経路を探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOI(Point of Interest)に関する店舗データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。
ここで、特に地図表示データとしては、10km×10kmで区画された2次メッシュをベースに4分割(長さ1/2)、16分割(1/4)、64分割(1/8)されたユニットで構成されており、各ユニットのデータ量が略同レベルになるように、各地のユニットが設定されている。最も小さい64分割サイズのユニットは、約1.25km四方の大きさである。
また、ノードデータとしては、実際の道路の分岐点(交差点、T字路等も含む)、各道路に曲率半径等に応じて所定の距離ごとに設定されたノード点の座標(位置)、ノードが交差点に対応するノードであるか等を表すノード属性、ノードに接続するリンクのリンク番号のリストである接続リンク番号リスト、ノードにリンクを介して隣接するノードのノード番号のリストである隣接ノード番号リスト、各ノード点の高さ(高度)等に関するデータ等が記録される。
また、リンクデータとしては、道路を構成する各リンクに関してリンクの属する道路の幅員、勾(こう)配、カント、バンク、路面の状態、道路の車線数、車線数の減少する箇所、幅員の狭くなる箇所、踏切り等を表すデータが、コーナに関して、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口及び出口等を表すデータが、道路属性に関して、降坂路、登坂路等を表すデータが、道路種別に関して、国道、県道、細街路等の一般道のほか、高速自動車国道、都市高速道路、一般有料道路、有料橋等の有料道路を表すデータがそれぞれ記録される。更に、有料道路に関して、有料道路の入口及び出口の取付道(ランプウェイ)、料金所(インターチェンジ)等に関するデータが記録される。
また、探索データとしては、設定された目的地までの経路を探索及び表示する際に使用されるデータについて記録されており、ノードを通過する際のコスト(以下、ノードコストという)や道路を構成するリンクのコスト(以下、リンクコストという)からなる探索コストを算出する為に使用するコストデータ、経路探索により選択された経路を液晶ディスプレイ25の地図上に表示するための経路表示データ等から構成されている。
また、店舗データとしては、各地域のホテル、病院、ガソリンスタンド、駐車場、観光施設等のPOIに関するデータがPOIを特定するIDとともに記録される。なお、前記センタ側地図情報DB14には、所定の情報をナビゲーション装置2のスピーカ26によって出力するための音声出力データも記録される。
そして、後述するように地図情報配信センタ3は、ナビゲーション装置2からの要求があったタイミングで、センタ側地図情報DB14に格納された更新用地図情報17の内、最もバージョンの新しい更新用地図情報17によってナビゲーション装置2に記憶された地図情報の更新を行う。具体的に第1実施形態に係る地図情報配信システム1では、後述するナビゲーション装置2で自車の走行履歴に基づいて作成される解析データテーブル37に基づいた所定エリアを同じく解析データテーブル37に基づいたタイミングで、最もバージョンの新しい更新用地図情報17に更新する為の更新情報をナビゲーション装置2に対して配信することにより更新が行われる。ここで、ナビゲーション装置2に対して送信される更新情報としては、最もバージョンの新しい更新用地図情報17の全情報を送信することとしても良いし、現在のナビゲーション装置に記憶される地図情報から最もバージョンの新しい更新用地図情報17に更新する為の必要最小限の情報(更新部分の情報のみ)を送信することとしても良い。
一方、ナビ更新履歴情報DB15には、ナビゲーション装置2に記憶されている地図情報について現在までに更新を行った更新履歴に関する情報が、ナビゲーション装置2を特定するナビ識別IDとともに記憶される。更新履歴としては、具体的に地図情報を構成するリンクデータやノードデータ毎にどのバージョンの地図情報が用いられているかが記憶されており、ナビゲーション装置2の地図情報の更新を行う毎に新たな更新履歴に書き換えられる。
尚、地図情報配信センタ3は、個人、企業、団体、地方自治体、政府関係機関等のいずれが運営していてもよく、VICS(登録商標:VehicleInformation and CommunicationSystem)センタが運営していてもよい。
また、ネットワーク4としては、例えばLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、イントラネット、携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網等の通信系を使用することができる。そして、放送衛星によるCS放送、BS放送、地上波ディジタルテレビ放送、FM多重放送等を利用する通信系を使用することもできる。更に、高度道路交通システム(ITS)において利用されるノンストップ自動料金支払いシステム(ETC)、狭域通信システム(DSRC)等の通信系を使用することもできる。
次に、第1実施形態に係る地図情報配信システム1を構成するナビゲーション装置2の概略構成について図2を用いて説明する。図2は第1実施形態に係るナビゲーション装置2を示したブロック図である。
図2に示すように第1実施形態に係るナビゲーション装置2は、自車の現在位置を検出する現在地検出処理部21と、各種のデータが記録されたデータ記録部22と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーション制御部(目的地入力手段、日付入力手段、地図情報更新手段、走行履歴作成手段、時期検出手段)23と、操作者からの操作を受け付ける操作部24と、操作者に対して地図等の情報を表示する液晶ディスプレイ25と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ26と、交通情報センタや地図情報配信センタ3等の情報センタとの間で通信を行う通信装置27と、から構成されている。また、ナビゲーション制御部23には自車の走行速度を検出する車速センサ28が接続される。
以下に、ナビゲーション装置2を構成する各構成要素について説明すると、現在地検出処理部21は、GPS31、地磁気センサ32、距離センサ33、ステアリングセンサ34、方位検出部としてのジャイロセンサ35、高度計(図示せず)等からなり、現在の自車の位置、方位、目標物(例えば、交差点)までの距離等を検出することが可能となっている。
具体的には、GPS31は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することにより、地球上における自車の現在地及び現在時刻を検出し、地磁気センサ32は、地磁気を測定することによって自車方位を検出し、距離センサ33は、道路上の所定の位置間の距離等を検出する。ここで、距離センサ33としては、例えば、自車の車輪(図示せず)の回転速度を測定し、測定した回転速度に基づいて距離を検出するセンサ、加速度を測定し、測定した加速度を2回積分して距離を検出するセンサ等を使用することができる。
また、ステアリングセンサ34は自車の舵(だ)角を検出する。ここで、ステアリングセンサ34としては、例えば、ステアリングホイール(図示せず)の回転部に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ、車輪に取り付けられた角度センサ等が使用される。
そして、ジャイロセンサ35は自車の旋回角を検出する。ここで、ジャイロセンサ35としては、例えば、ガスレートジャイロ、振動ジャイロ等が使用される。また、ジャイロセンサ35によって検出された旋回角を積分することにより、自車方位を検出することができる。
また、データ記録部22は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された走行履歴DB36、解析データテーブル37、ナビ側地図情報DB38、及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。尚、第1実施形態においては、データ記録部22の外部記憶装置及び記憶媒体としてハードディスクが使用されるが、ハードディスクのほかに、フレキシブルディスク等の磁気ディスクを外部記憶装置として使用することができる。また、メモリーカード、磁気テープ、磁気ドラム、CD、MD、DVD、光ディスク、MO、ICカード、光カード等を外部記憶装置として使用することもできる。
次に、データ記録部22に設けられる走行履歴DB36について説明する。図3は第1実施形態に係る走行履歴DB36の記憶領域を示した図である。
図3に示すように走行履歴DB36には、自車が過去にどのような走行を行ったかを示す走行履歴データについて累積記憶される。また、走行履歴データは、走行した日付と、自車が走行を行った際の目的地の施設名称と、目的地の属するジャンルと、目的地が含まれる2次メッシュを特定するエリアIDと、目的地の座標とから構成される。
ここで、走行履歴データを記憶する手順について説明すると、先ず自車の走行終了時にイグニションがONからOFFされた際に、GPS31により自車の現在位置を検出し、更に、その現在位置を含む2次メッシュを特定するエリアIDをナビ地図情報39によって検出する。その後、後述するナビ地図情報39の店舗データから当該座標に位置する施設(即ち、目的地)の名称とジャンルを特定する。
例えば、図3に示す走行履歴DB36では「2005年7月31日」に「○○海(ジャンル:海水浴場)」を目的地として走行しており、「2005年8月14日」に「△△墓地(ジャンル:神社・寺)」を目的地として走行していることが記憶されている。
尚、走行履歴DB36に記憶させる走行履歴データとしては目的地に関する情報の他に出発地に関する情報を記録することとしても良く、更に出発地から目的地までに走行したリンクのリンク番号やノードを記憶させることとしても良い。
次に、解析データテーブル37について説明すると、解析データテーブル37は走行履歴DB36に基づいてナビゲーション制御部23により作成及び更新されるテーブルであり、自車が過去にそれぞれの目的地をどの時期に走行したのかに関する解析結果を示すものである。図4は第1実施形態に係る解析データテーブル37を示した図である。
図4に示すように解析データテーブル37は、前記走行履歴DB36に記憶された走行履歴データを、目的地毎に統計して区分するとともに自車が目的地へと走行した各日付に基づいて目的地へと走行する時期をそれぞれの目的地に対応付けて記録している。ここで、第1実施形態に係る地図情報配信システム1で対応付けられる時期としては、「通年」、「春」、「夏」、「秋」、「冬」、「GW(ゴールデンウィーク)」、「お盆」、「年末年始」の8種類がある。
例えば、「会社」や「○×デパート」のように特に季節に左右されることなく、一年を通して走行している走行履歴の目的地は「通年」が対応付けられる。
また、「□◇ゲレンデ」のように12〜2月のみに走行している走行履歴の目的値は「冬」が対応付けられる。同じように3〜5月のみに走行している走行履歴の目的地は「春」が対応付けられ、6〜8月のみに走行している走行履歴の目的地は「夏」が対応付けられ、9〜11月のみに走行している走行履歴の目的地は「秋」が対応付けられる。
更に、「△△墓地」のように8月のお盆の時期のみに走行している走行履歴の目的地は「お盆」が対応付けられる。同じようにGWのみに走行している走行履歴の目的地は「GW」が対応付けられ、年末年始のみに走行している走行履歴の目的地は「年末年始」が対応付けられる。
また、解析データテーブル37には上記のように対応付けられる時期の他に、目的地へと走行した日付が属する全ての月(例えば、その目的地へと8月及び9月の日付のみに走行していた場合には8月〜9月)と、目的地である施設の名称と、目的地である施設が属するジャンルと、目的地が含まれる2次メッシュを特定するエリアIDと、目的地の座標と、目的地へと走行した回数と、目的地の解析データテーブルを更新した最終更新日についても記憶される。
そして、第1実施形態に係る地図情報配信システム1では、後述するように解析データテーブル37に基づいてナビゲーション装置2に記憶されたナビ地図情報39の内、更新の対象となるエリアと更新を行うタイミングが決定される。具体的には、時期として「通年」が対応付けられた目的地が含まれる2次メッシュは、毎月1日に更新を行う。また、時期として「春」が対応付けられた目的地が含まれる2次メッシュは、春の始まる3月1日に更新を行う。また、時期として「夏」が対応付けられた目的地が含まれる2次メッシュは、夏の始まる6月1日に更新を行う。また、時期として「秋」が対応付けられた目的地が含まれる2次メッシュは、秋の始まる9月1日に更新を行う。また、時期として「冬」が対応付けられた目的地が含まれる2次メッシュは、冬の始まる12月1日に更新を行う。また、時期として「GW」が対応付けられた目的地が含まれる2次メッシュは、GWの始まる4月29日に更新を行う。また、時期として「お盆」が対応付けられた目的地が含まれる2次メッシュは、お盆の始まる8月8日に更新を行う。また、時期として「年末年始」が対応付けられた目的地が含まれる2次メッシュは、年末年始の始まる12月28日に更新を行う。それによって、目的地毎に走行時期の直前の最適なタイミングで地図情報の更新を行うことが可能となる。
一方、ナビ側地図情報DB38は、現在ナビゲーション装置2の走行案内や経路探索に使用されるとともに地図情報配信センタ3による更新対象となるナビ地図情報39が格納されている。ここで、ナビ地図情報39には、更新用地図情報17と同様にナビゲーション装置2の経路案内及び地図表示に必要な各種情報が記録されており、例えば、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、施設の一種である道路(リンク)に関するリンクデータ、経路を探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOIに関する店舗データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。尚、各データの詳細については既に説明したので、ここではその詳細は省略する。
そして、ナビ側地図情報DB38の内容は、地図情報配信センタ3から通信装置27を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
以下に、ナビゲーション装置2のナビ側地図情報DB38に格納されたナビ地図情報39の更新手順について図5を用いて説明すると、先ず、解析データテーブル37で目的地が対応付けられた時期に基づくタイミングで、ナビゲーション装置2から地図情報配信センタ3に対して当該時期に対応付けられた目的地に関する情報とナビを識別するナビ識別IDとが送信される。その後、地図情報配信センタ3は、更新用地図情報17として記憶される地図情報の内、最も新しいバージョン(図5ではVer.5)の地図情報から、受信した目的地を含む所定エリアの地図情報を抽出する。そして、利用者の個人情報やクレジットカード番号等からなる課金情報が地図情報配信センタ3に対して送信されると、それに応じて地図情報配信センタ3は、目的地を含むエリアのみを更新用地図情報17の最新バージョン(図5ではVer.5)の地図情報に更新する為の更新情報をナビゲーション装置2に配信する。それによって、ナビゲーション装置2のナビ地図情報39は新たな地図情報に更新される。
また、ナビゲーション装置2を構成するナビゲーション制御部23は、ナビゲーション装置2の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、自車の走行履歴を走行履歴DB36に累積記憶するとともに解析データテーブル37の作成及び更新を行う走行記録処理プログラム(図6参照)、解析データテーブル37に基づいたタイミングでナビ地図情報39の所定エリアの更新を行う地図情報更新処理プログラム(図7参照)が記録されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記録するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置を備えている。尚、前記RAM42、ROM43、フラッシュメモリ44等としては半導体メモリ、磁気コア等が使用される。そして、演算装置及び制御装置としては、CPU41に代えてMPU等を使用することも可能である。
また、第1実施形態においては、前記ROM43に各種のプログラムが記録され、前記データ記録部22に各種のデータが記録されるようになっているが、プログラム、データ等を同じ外部記憶装置、メモリーカード等からプログラム、データ等を読み出して前記フラッシュメモリ44に書き込むこともできる。更に、メモリーカード等を交換することによって前記プログラム、データ等を更新することができる。
更に、前記ナビゲーション制御部23には、操作部24、液晶ディスプレイ25、スピーカ26、通信装置27の各周辺装置(アクチュエータ)が電気的に接続されている。
操作部24は、走行開始時の現在地を修正し、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際や施設に関する情報の検索を行う際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ(図示せず)から構成される。そして、ナビゲーション制御部23は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、操作部24としては、キーボード、マウス、バーコードリーダ、遠隔操作用のリモートコントロール装置、ジョイスティック、ライトペン、スタイラスペン等を使用することもできる。更に、液晶ディスプレイ25の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。
また、液晶ディスプレイ25には、地図情報の更新を行うか否かを選択させる更新選択画面の他、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までの誘導経路、誘導経路に沿った案内情報、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。尚、液晶ディスプレイ25の代わりに、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ等を使用したり、車両のフロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を使用することも可能である。
また、スピーカ26は、ナビゲーション制御部23からの指示に基づいて誘導経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスを出力する。ここで、案内される音声ガイダンスとしては、例えば、「200m先、○○交差点を右方向です。」や「この先の国道○○号線が渋滞しています。」等がある。なお、スピーカ26より出力される音声としては、合成された音声のほかに、各種効果音、予めテープやメモリ等に録音された各種の案内情報を出力することもできる。
そして、通信装置27は、地図情報配信センタ3と通信を行う通信手段であり、図5に示すように地図情報配信センタ3との間でエリアID、ナビ識別ID、課金情報、更新情報等の送受信を行う。また、地図情報配信センタ3に加えて、例えば、VICSセンタ等から送信された渋滞情報、規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況等の各情報から成る交通情報を受信することも可能である。
続いて、前記構成を有する地図情報配信システム1においてナビゲーション装置2のCPU41が実行する走行記録処理プログラムについて図6に基づき説明する。図6は第1実施形態に係る走行記録処理プログラムのフローチャートである。ここで、走行記録処理プログラムは、自車の走行履歴を走行履歴DB36に累積記憶するとともに走行履歴DB36に基づいて解析データテーブル37の作成及び更新を行うプログラムである。尚、以下の図5にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置2が備えているRAM42やROM43に記憶されており、CPU41により実行される。
先ず、走行記録処理プログラムにおいてステップ(以下、Sと略記する)1では、CPU41は、イグニションスイッチがONからOFFにされたか否か、即ち自車のエンジンが停止したか否かを車両ECU(図示せず)から送信される検出信号に基づいて判定する。
そして、イグニションスイッチがOFFされたと判定した場合(S1:YES)には、S2において、現在地検出処理部21の検出結果に基づいて自車の現在位置が検出され、更に、GPS31によって現在時刻が検出される。
一方、イグニションスイッチがOFFされていないと判定された場合(S1:NO)には、OFFされるまで待機する。
更に、S3では、前記S2で検出された自車の現在位置とナビ側地図情報DB38に記憶されたナビ地図情報39の特に店舗データに基づいて、自車の現在位置に位置する施設(即ち、自車の走行した目的地)の名称と施設の属するジャンルを検出する。
また、S4では、前記S2で検出された自車の現在位置とナビ側地図情報DB38に記憶されたナビ地図情報39の特に地図表示データに基づいて、自車の現在位置を含む2次メッシュ(即ち、自車の走行した目的地を含む2次メッシュ)を特定するエリアIDを検出する。
その後、S5では前記S2〜S4の検出結果に基づいて、今回の走行履歴データとして現在の日付と、目的地の施設名称と、施設の属するジャンルと、目的地が含まれる2次メッシュを特定するエリアIDと、目的地の座標とがそれぞれ走行履歴DB36(図3参照)に新たに記録される。尚、上記S5の処理が目的地入力手段及び日付入力手段の処理に相当する。また、S1乃至S5の処理が走行履歴作成手段の処理に相当する。
更に、S6では前記S5で新たに記憶された走行履歴データに基づいて走行履歴DB36に記録された走行履歴データの解析が行われる。具体的には、走行履歴データを同一目的地毎に統計して区分するとともに、自車が目的地へと走行した各日付に基づいて目的地へと走行する時期(第1実施形態では「通年」、「春」、「夏」、「秋」、「冬」、「GW」、「お盆」、「年末年始」の8種類)を目的地毎に検出して対応付ける。尚、上記S6の処理が時期検出手段の処理に相当する。
その後、S7では前記S6の解析結果に基づいて解析データテーブル37(図4参照)の更新を行う。具体的に、新たに記録された走行履歴データの目的地が今までに解析データテーブル37に記録されていない目的地であった場合には、目的地へ走行した日付から検出された上記いずれかの時期を対応付け、解析データテーブル37に新たな目的地の項目を追加する。
一方、既に解析データテーブル37に存在する目的地へ走行する走行履歴であった場合には、目的地へ走行した回数を1回増加し、今回追加された走行履歴における目的地へ走行した日付が現在対応付けられている時期を変更するものであった場合には対応付けられた時期を適当な時期に変更する。
続いて、前記構成を有する地図情報配信システム1においてナビゲーション装置2のCPU41及び地図情報配信センタ3のCPU11が実行する地図情報更新処理プログラムについて図7に基づき説明する。図7は第1実施形態に係る地図情報更新処理プログラムのフローチャートである。ここで、地図情報更新処理プログラムは、ナビゲーション装置2からの要求に基づいてナビゲーション装置2に記憶された地図情報の内、過去に自車が走行した目的地を含むエリアを解析データテーブル37に基づいたタイミングで新たなバージョンの地図情報に更新するプログラムである。尚、以下の図7にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置2が備えているRAM42やROM43、又は地図情報配信センタ3が備えているRAM12やROM13に記憶されており、CPU41或いはCPU11により実行される。
先ず、図7に基づいてナビゲーション装置2のCPU41が実行する地図情報更新処理プログラムについて説明する。S11において、CPU41はナビ地図情報39の更新を行うタイミングであるか否かを判定する。具体的には、解析データテーブル37で目的地に対応付けられた時期とGPS31から取得した現在時刻に基づいて判定され、例えば「通年」が対応付けられた目的地が解析データテーブル37に記録されている場合には毎月1日に更新を行うタイミングであると判定される。また、「春」が対応付けられた目的地が記録されている場合には3月1日に更新を行うタイミングであると判定される。また、「夏」が対応付けられた目的地が記録されている場合には6月1日に更新を行うタイミングであると判定される。また、「秋」が対応付けられた目的地が記録されている場合には9月1日に更新を行うタイミングであると判定される。また、「冬」が対応付けられた目的地が記録されている場合には12月1日に更新を行うタイミングであると判定される。また、「GW」が対応付けられた目的地が記録されている場合には4月29日に更新を行うタイミングであると判定される。また、「お盆」が対応付けられた目的地が記録されている場合には8月8日に更新を行うタイミングであると判定される。また、「年末年始」が対応付けられた目的地が記録されている場合には12月28日に更新を行うタイミングであると判定される。
そして、ナビ地図情報39の更新を行うタイミングでないと判定された場合(S11:NO)には、更新を行うタイミングとなるまで待機する一方、更新を行うタイミングであると判定された場合(S11:YES)には、S12へと移行する。
次に、S12においてCPU41は、解析データテーブル37から前記S11で更新を行うタイミングであると判定された時期が対応付けられている目的地に関する情報(具体的には、目的地を含む2次メッシュのエリアID)を取得する。
その後、S13でCPU41は、前記S12で取得した目的地に関する情報と、ナビゲーション装置2を識別するナビ識別IDを地図情報配信センタ3に対して送信する。その後、S14では地図情報配信センタ3から目的地を含む2次メッシュにおいて更新すべき地図情報があることを受信する。
続いて、S15においてCPU41は、利用者に対して地図情報の更新を行うか否かを選択させる選択画面を液晶ディスプレイ25に表示させる。尚、選択画面には更新を行う更新対象エリアの地図や更新内容(変更される道路の形状や、追加されるPOIの位置等)を表示するようにしても良い。
そして、S16でCPU41は利用者が更新を実行することを選択したか否かを判定する。その結果、更新を実行しないことを選択したと判定された場合(S16:NO)には、地図情報の更新を行うことなく当該地図情報更新処理プログラムを終了する。
それに対し、利用者が更新を実行することを選択したと判定された場合(S16:YES)には、更新を行うことを選択した選択結果として地図情報配信センタ3に対して課金情報を送信する(S17)。ここで、課金情報は利用者の個人情報やクレジットカード番号等からなり、地図情報配信センタ3は課金情報を取得することによって地図情報更新に係る料金を利用者の口座から徴収することが可能となる。
次に、S18でCPU41は、地図情報配信センタ3から送信された更新情報を受信する。そして、S19では前記S18で受信した更新情報に基づいてナビ側地図情報DB38に記憶されたナビ地図情報39の更新を行う。具体的には、ナビ地図情報39の特に目的地を含む2次メッシュのエリア内の地図情報(道路表示データ、ノードデータ、リンクデータ等)をセンタ側地図情報DB14に記憶された最新のバージョン(例えば、Ver.5)の更新用地図情報17へと更新する。尚、上記S19の処理が地図情報更新手段の処理に相当する。
次に、図7に基づいて地図情報配信センタ3のCPU11が実行する地図情報更新処理プログラムについて説明する。先ず、S101においてCPU11は、前記S13でナビゲーション装置2から送信された目的地に関する情報と、ナビゲーション装置2を識別するナビ識別IDを受信する。そして、S102では受信した目的地を含む2次メッシュにおいて、更新前後の地図情報の比較が行われる。具体的には、先ず、ナビゲーション装置2に記憶されているナビ地図情報39を受信したナビ識別IDとナビ更新履歴情報DB15から特定し、目的地を含む2次メッシュにおけるナビ地図情報39と、同じく目的地を含む2次メッシュにおける最新のバージョンの更新用地図情報17とを比較して、更新対象となる地図情報を検出する。
次に、S103においてCPU11は、前記S102の比較結果に基づいて目的地を含む2次メッシュにおいて更新する地図情報があるか否かを判定する。
ここで、図8は前記S102で地図情報の比較によって更新対象となる地図情報を検出する際の具体例を示した模式図である。例えば前記S101で「△△墓地」の目的地に関する情報を受信した場合には、図8に示すように、目的地である△△墓地51を含む2次メッシュの更新対象エリア52において地図情報を比較する。そして、更新対象エリア52においてナビ地図情報39と更新用地図情報17とを比較した結果、更新によって追加される道路(リンク)53と、同じく追加されるPOIであるコンビニエンスストア54が検出された場合には、更新する地図情報があると判定される。
そして、前記S103の判定の結果、更新する地図情報がないと判定された場合(S103:NO)には、更新するべき情報が無いことをナビゲーション装置2に対して送信する(S104)。そして、ナビゲーション装置2は更新するべき情報が無いことを受信した場合には、更新すべき情報が無い旨を液晶ディスプレイ25に表示し、地図情報の更新を行うことなく当該地図情報更新処理プログラムを終了する。
一方、更新する地図情報があると判定された場合(S103:YES)には、更新するべき情報があることをナビゲーション装置2に対して送信する(S105)。尚、S105では更新内容(追加されたリンクやPOIを示した地図画像等)を併せて送信し、ナビゲーション装置2に更新内容を表示させるようにしても良い。
続いて、S106でCPU11は前記S17でナビゲーション装置2から送信された課金情報を受信する。そして、S107ではナビゲーション装置2に記憶されたナビ地図情報39の内、目的地を含む2次メッシュの地図情報を比較対照とした最新のバージョンの地図情報へと更新する為の更新情報をナビゲーション装置2に対して配信する。
以上詳細に説明した通り、第1実施形態に係る地図情報配信システム1では、自車の走行履歴データを解析することにより解析データテーブル37を作成し(S6、S7)、現在ナビゲーション装置2に記憶されているナビ地図情報39の内、特に自車が過去に走行した目的地を含む2次メッシュの更新対象エリア52を、解析データテーブル37で当該目的地に対応付けられた期間に基づいたタイミングで更新を行う(S19)ので、利用者が過去に走行した目的地の周辺エリアのみを対象として、今後、利用者が当該目的地への走行する時期を考慮したタイミングで地図情報の更新を行うことが可能となる。従って、利用者の生活範囲外であって、特定の時期のみ走行する目的地の周辺エリアであっても、目的地へと走行する直前の最適なタイミングで更新された最新の地図情報に基づいて経路の探索や走行の案内が可能となる。それにより、利用者の作業負担や地図情報配信センタ3に対する不要な通信を減少させることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る地図情報配信システムについて図9乃至図11に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図8の第1実施形態に係る地図情報配信システム1の構成と同一符号は、前記第1実施形態に係る地図情報配信システム1の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
この第2実施形態に係る地図情報配信システムの概略構成は、第1実施形態に係る地図情報配信システム1とほぼ同じ構成である。また、各種制御処理も第1実施形態に係る地図情報配信システム1とほぼ同じ制御処理である。
ただし、第1実施形態に係る地図情報配信システム1がナビゲーション装置2に記憶されたナビ地図情報39の内、特に自車が過去に走行した目的地の周辺地域の地図情報を走行した時期に基づいたタイミングで更新を行うのに対し、第2実施形態に係る地図情報配信システムではナビゲーション装置2に記憶されたナビ地図情報39の内、特に自車が将来に走行する予定の目的地の周辺地域の地図情報を走行する予定の時期に基づいたタイミングで更新を行う点で前記第1実施形態に係る地図情報配信システムと異なっている。
先ず、第2実施形態に係るナビゲーション装置2のデータ記録部22に設けられるスケジュールテーブル(走行予定表)60について説明する。図9は第2実施形態に係るスケジュールテーブル60について示した図である。
図9に示すようにスケジュールテーブル60には、利用者が将来走行する予定の目的地を示したスケジュールデータについて記憶される。ここで、スケジュールデータはナビゲーション装置2が予め備えるスケジュール作成機能においてナビゲーション制御部(走行予定表作成手段)23によって作成されるデータであり、操作部24の操作に基づいてスケジュール(具体的には利用者が走行する予定の日付と目的地)を入力すること、又はパーソナルコンピュータ(PC)や携帯電話機において予め登録したスケジュールをナビゲーション装置2に対して送信することによってスケジュールテーブル60に対して記憶される。
また、スケジュールデータは、走行する予定の日付と、走行する予定の目的地の施設名称と、目的地の属するジャンルと、目的地が含まれる2次メッシュを特定するエリアIDと、目的地の座標とから構成される。
ここで、スケジュールデータを記憶する手順について説明すると、先ず操作部24の操作情報又はPC等によって送信された情報に基づいて目的地へと走行する予定の日付及び目的地の施設を特定し、特定された施設から施設のジャンル及び施設の位置座標をナビ地図情報39に基づいて検出する。更に、その目的地を含む2次メッシュを特定するエリアIDをナビ地図情報39によって検出する。その後、特定及び検出した各情報についてスケジュールテーブル60に対して記憶する。
例えば、図9に示すスケジュールテーブル60では「2005年10月28日」に「○×デパート(ジャンル:デパート)」を目的地として走行する予定のスケジュールが記録されており、「2005年10月30日」に「◇◇高原(ジャンル:名所)」を目的地として走行する予定のスケジュールが記憶されている。
尚、スケジュールテーブル60に記憶させるスケジュールデータとしては走行する予定の日付と目的地の名称のみを記憶させることとしても良い。
そして、第2実施形態に係る地図情報配信システムでは、後述するようにスケジュールテーブル60に基づいてナビゲーション装置2に記憶されたナビ地図情報39の内、更新の対象となるエリアと更新を行うタイミングが決定される。具体的には、走行する予定の目的地を含む2次メッシュを、走行する予定の日付の前日に更新を行う。それによって、目的地毎に走行時期の直前の最適なタイミングで地図情報の更新を行うことが可能となる。
続いて、第2実施形態に係る地図情報配信システムにおいてナビゲーション装置2のCPU41及び地図情報配信センタ3のCPU11が実行する地図情報更新処理プログラムについて図10に基づき説明する。図10は第2実施形態に係る地図情報更新処理プログラムのフローチャートである。ここで、地図情報更新処理プログラムは、ナビゲーション装置2からの要求に基づいてナビゲーション装置2に記憶された地図情報の内、将来に自車が走行する予定の目的地を含むエリアをスケジュールテーブル60に基づいたタイミングで新たなバージョンの地図情報に更新するプログラムである。尚、以下の図10にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置2が備えているRAM42やROM43、又は地図情報配信センタ3が備えているRAM12やROM13に記憶されており、CPU41或いはCPU11により実行される。
先ず、図10に基づいてナビゲーション装置2のCPU41が実行する地図情報更新処理プログラムについて説明する。S201において、CPU41はナビ地図情報39の更新を行うタイミングであるか否かを判定する。具体的には、スケジュールテーブル60に記憶された目的地へ走行する予定の日付とGPS31から取得した現在時刻に基づいて判定され、例えば「12月18日」が走行の予定日として記憶されている場合には、その前日である12月17日に更新を行うタイミングであると判定される。
そして、ナビ地図情報39の更新を行うタイミングでないと判定された場合(S201:NO)には、更新を行うタイミングとなるまで待機する一方、更新を行うタイミングであると判定された場合(S201:YES)には、S202へと移行する。
次に、S202においてCPU41は、スケジュールテーブル60から前記S201で更新を行うタイミングであると判定された日付が対応付けられている走行予定の目的地に関する情報(具体的には、目的地を含む2次メッシュのエリアID)を取得する。
その後、S203でCPU41は、前記S202で取得した目的地に関する情報と、ナビゲーション装置2を識別するナビ識別IDを地図情報配信センタ3に対して送信する。その後、S204では地図情報配信センタ3から目的地を含む2次メッシュにおいて更新すべき地図情報があることを受信する。
続いて、S205においてCPU41は、利用者に対して地図情報の更新を行うか否かを選択させる選択画面を液晶ディスプレイ25に表示させる。尚、選択画面には更新を行う更新対象エリアの地図や更新内容に関する情報を表示するようにしても良い。
そして、S206でCPU41は利用者が更新を実行することを選択したか否かを判定する。その結果、更新を実行しないことを選択したと判定された場合(S206:NO)には、地図情報の更新を行うことなく当該地図情報更新処理プログラムを終了する。
それに対し、利用者が更新を実行することを選択したと判定された場合(S206:YES)には、更新を行うことを選択した選択結果として地図情報配信センタ3に対して課金情報を送信する(S207)。ここで、課金情報は利用者の個人情報やクレジットカード番号等からなり、地図情報配信センタ3は課金情報を取得することによって地図情報更新に係る料金を利用者の口座から徴収することが可能となる。
次に、S208でCPU41は、地図情報配信センタ3から送信された更新情報を受信する。そして、S209では前記S208で受信した更新情報に基づいてナビ側地図情報DB38に記憶されたナビ地図情報39の更新を行う。具体的には、ナビ地図情報39の特に走行する予定の目的地を含む2次メッシュのエリア内の地図情報(道路表示データ、ノードデータ、リンクデータ等)をセンタ側地図情報DB14に記憶された最新のバージョン(例えば、Ver.5)の更新用地図情報17へと更新する。尚、上記S209の処理が地図情報更新手段の処理に相当する。
次に、図10に基づいて地図情報配信センタ3のCPU11が実行する地図情報更新処理プログラムについて説明する。先ず、S301においてCPU11は、前記S203でナビゲーション装置2から送信された走行予定の目的地に関する情報と、ナビゲーション装置2を識別するナビ識別IDを受信する。そして、S302では受信した目的地を含む2次メッシュにおいて、更新前後の地図情報の比較が行われる。具体的には、先ず、ナビゲーション装置2に記憶されているナビ地図情報39を受信したナビ識別IDとナビ更新履歴情報DB15から特定し、目的地を含む2次メッシュにおけるナビ地図情報39と、同じく目的地を含む2次メッシュにおける最新のバージョンの更新用地図情報17とを比較して、更新対象となる地図情報を検出する。
次に、S303においてCPU11は、前記S302の比較結果に基づいて目的地を含む2次メッシュにおいて更新する地図情報があるか否かを判定する。
ここで、図11は前記S302で地図情報の比較によって更新対象となる地図情報を検出する際の具体例を示した模式図である。例えば前記S301で「××ランド」の目的地に関する情報を受信した場合には、図11に示すように、目的地である××ランド61を含む2次メッシュの更新対象エリア62において地図情報を比較する。そして、更新対象エリア62においてナビ地図情報39と更新用地図情報17とを比較した結果、更新によって追加されるPOIである△○デパート63が検出された場合には、更新する地図情報があると判定される。
そして、前記S303の判定の結果、更新する地図情報がないと判定された場合(S303:NO)には、更新するべき情報が無いことをナビゲーション装置2に対して送信する(S304)。そして、ナビゲーション装置2は更新するべき情報が無いことを受信した場合には、更新すべき情報が無い旨を液晶ディスプレイ25に表示し、地図情報の更新を行うことなく当該地図情報更新処理プログラムを終了する。
一方、更新する地図情報があると判定された場合(S303:YES)には、更新するべき情報があることをナビゲーション装置2に対して送信する(S305)。尚、S305では更新内容(追加されたリンクやPOIを示した地図画像等)を併せて送信し、ナビゲーション装置2に更新内容を表示させるようにしても良い。
続いて、S306でCPU11は前記S207でナビゲーション装置2から送信された課金情報を受信する。そして、S307ではナビゲーション装置2に記憶されたナビ地図情報39の内、目的地を含む2次メッシュの地図情報を比較対照とした最新のバージョンの地図情報へと更新する為の更新情報をナビゲーション装置2に対して配信する。
以上詳細に説明した通り、第2実施形態に係る地図情報配信システムでは、自車の走行予定を記録したスケジュールテーブル60を作成し、現在ナビゲーション装置2に記憶されているナビ地図情報39の内、特に自車が将来に走行する予定の目的地を含む2次メッシュの更新対象エリア62を、スケジュールテーブル60で当該目的地に対応付けられた走行予定の日付に基づいたタイミングで更新を行う(S209)ので、利用者が将来に走行する予定の目的地の周辺エリアのみを対象として、当該目的地への走行する時期を考慮したタイミングで地図情報の更新を行うことが可能となる。従って、利用者の生活範囲外であっても、特に将来に走行予定の目的地の周辺エリアについては、走行する直前の最適なタイミングで更新された最新の地図情報に基づいて経路の探索や走行の案内が可能となる。それにより、利用者の作業負担や地図情報配信センタ3に対する不要な通信を減少させることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る地図情報配信システムについて図12乃至図14に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図8の第1実施形態に係る地図情報配信システム1の構成と同一符号は、前記第1実施形態に係る地図情報配信システム1の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
この第3実施形態に係る地図情報配信システムの概略構成は、第1実施形態に係る地図情報配信システム1とほぼ同じ構成である。また、各種制御処理も第1実施形態に係る地図情報配信システム1とほぼ同じ制御処理である。
ただし、第1実施形態に係る地図情報配信システム1がナビゲーション装置2に記憶されたナビ地図情報39の内、特に自車が過去に走行した目的地の周辺地域の地図情報を走行した時期に基づいたタイミングで更新を行うのに対し、第3実施形態に係る地図情報配信システムではナビゲーション装置2に記憶されたナビ地図情報39の内、特にナビゲーション装置2に登録される利用者の自宅位置の周辺地域の地図情報を、自宅位置を登録(登録内容の変更含む)したタイミングで更新を行う点で前記第1実施形態に係る地図情報配信システムと異なっている。
先ず、第3実施形態に係るナビゲーション装置2のデータ記録部22に設けられる自宅位置記憶テーブル70について説明する。図12は第3実施形態に係る自宅位置記憶テーブル70について示した図である。
図12に示すように自宅位置記憶テーブル70には、経路の探索等に用いられる利用者の自宅位置について記憶される。そして、自宅位置記憶テーブル70はナビゲーション装置2の自宅位置の入力画面において、操作部24の操作に基づいて電話番号や住所を入力することによって利用者の自宅位置に関する情報が記憶される。
また、自宅位置に関する情報は、自宅の位置座標と、自宅位置が含まれる2次メッシュを特定するエリアIDと、自宅位置を更新した更新日時とから構成される。
ここで、自宅位置を記憶する手順について説明すると、先ず操作部24の操作情報とナビ地図情報39に基づいて自宅の位置座標を特定し、特定された位置座標から自宅位置を含む2次メッシュを特定するエリアIDを検出してそれぞれ記録される。また、自宅位置の入力操作が行われた日付を最終更新日時として記録する。
尚、自宅位置記憶テーブル70に記憶させる自宅位置に関する情報としては自宅位置の位置座標のみを記憶させることとしても良い。
そして、第3実施形態に係る地図情報配信システムでは、後述するように自宅位置記憶テーブル70に基づいてナビゲーション装置2に記憶されたナビ地図情報39の内、更新の対象となるエリアと更新を行うタイミングが決定される。具体的には、自宅位置を含む2次メッシュを、自宅位置を登録(登録内容の変更含む)したタイミングで更新を行う。それによって、利用者が引越しを行ったタイミングで新たな自宅周辺の地図情報の更新を行うことが可能となる。
続いて、第3実施形態に係る地図情報配信システムにおいてナビゲーション装置2のCPU41及び地図情報配信センタ3のCPU11が実行する地図情報更新処理プログラムについて図13に基づき説明する。図13は第3実施形態に係る地図情報更新処理プログラムのフローチャートである。ここで、地図情報更新処理プログラムは、ナビゲーション装置2からの要求に基づいてナビゲーション装置2に記憶された地図情報の内、利用者の自宅位置を含むエリアについて自宅位置を登録(登録内容の変更含む)したタイミングで新たなバージョンの地図情報に更新するプログラムである。尚、以下の図13にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置2が備えているRAM42やROM43、又は地図情報配信センタ3が備えているRAM12やROM13に記憶されており、CPU41或いはCPU11により実行される。
先ず、図13に基づいてナビゲーション装置2のCPU41が実行する地図情報更新処理プログラムについて説明する。S401において、CPU41はナビ地図情報39の更新を行うタイミングであるか否かを判定する。具体的には、液晶ディスプレイ25に所定の自宅位置登録画面を表示させた状態で、操作部24の操作によって新たな利用者の自宅位置に関する情報が登録された場合に、更新を行うタイミングであると判定される。
そして、ナビ地図情報39の更新を行うタイミングでないと判定された場合(S401:NO)には、更新を行うタイミングとなるまで待機する一方、更新を行うタイミングであると判定された場合(S401:YES)には、S402へと移行する。
次に、S402においてCPU41は、自宅位置記憶テーブル70から新たに登録された自宅位置に関する情報(具体的には、自宅位置を含む2次メッシュのエリアID)を取得する。
その後、S403でCPU41は、前記S402で取得した自宅位置に関する情報と、ナビゲーション装置2を識別するナビ識別IDを地図情報配信センタ3に対して送信する。その後、S404では地図情報配信センタ3から目的地を含む2次メッシュにおいて更新すべき地図情報があることを受信する。
続いて、S405においてCPU41は、利用者に対して地図情報の更新を行うか否かを選択させる選択画面を液晶ディスプレイ25に表示させる。尚、選択画面には更新を行う更新対象エリアの地図や更新内容に関する情報を表示するようにしても良い。
そして、S406でCPU41は利用者が更新を実行することを選択したか否かを判定する。その結果、更新を実行しないことを選択したと判定された場合(S406:NO)には、地図情報の更新を行うことなく当該地図情報更新処理プログラムを終了する。
それに対し、利用者が更新を実行することを選択したと判定された場合(S406:YES)には、更新を行うことを選択した選択結果として地図情報配信センタ3に対して課金情報を送信する(S407)。ここで、課金情報は利用者の個人情報やクレジットカード番号等からなり、地図情報配信センタ3は課金情報を取得することによって地図情報更新に係る料金を利用者の口座から徴収することが可能となる。
次に、S408でCPU41は、地図情報配信センタ3から送信された更新情報を受信する。そして、S409では前記S408で受信した更新情報に基づいてナビ側地図情報DB38に記憶されたナビ地図情報39の更新を行う。具体的には、ナビ地図情報39の特に自宅位置を含む2次メッシュのエリア内の地図情報(道路表示データ、ノードデータ、リンクデータ等)をセンタ側地図情報DB14に記憶された最新のバージョン(例えば、Ver.5)の更新用地図情報17へと更新する。
次に、図13に基づいて地図情報配信センタ3のCPU11が実行する地図情報更新処理プログラムについて説明する。先ず、S501においてCPU11は、前記S503でナビゲーション装置2から送信された利用者の自宅位置に関する情報と、ナビゲーション装置2を識別するナビ識別IDを受信する。そして、S502では受信した自宅位置を含む2次メッシュにおいて、更新前後の地図情報の比較が行われる。具体的には、先ず、ナビゲーション装置2に記憶されているナビ地図情報39を受信したナビ識別IDとナビ更新履歴情報DB15から特定し、自宅位置を含む2次メッシュにおけるナビ地図情報39と、同じく自宅位置を含む2次メッシュにおける最新のバージョンの更新用地図情報17とを比較して、更新対象となる地図情報を検出する。
次に、S503においてCPU11は、前記S502の比較結果に基づいて自宅位置を含む2次メッシュにおいて更新する地図情報があるか否かを判定する。
ここで、図14は前記S502で地図情報の比較によって更新対象となる地図情報を検出する際の具体例を示した模式図である。例えば前記S501で新たに登録された自宅位置に関する情報を受信した場合には、図14に示すように、新たな自宅位置である自宅71を含む2次メッシュの更新対象エリア72において地図情報を比較する。そして、更新対象エリア72においてナビ地図情報39と更新用地図情報17とを比較した結果、更新によって追加される道路(リンク)73と、同じく追加されるPOIであるコンビニエンスストア74が検出された場合には、更新する地図情報があると判定される。
そして、前記S503の判定の結果、更新する地図情報がないと判定された場合(S503:NO)には、更新するべき情報が無いことをナビゲーション装置2に対して送信する(S504)。そして、ナビゲーション装置2は更新するべき情報が無いことを受信した場合には、更新すべき情報が無い旨を液晶ディスプレイ25に表示し、地図情報の更新を行うことなく当該地図情報更新処理プログラムを終了する。
一方、更新する地図情報があると判定された場合(S503:YES)には、更新するべき情報があることをナビゲーション装置2に対して送信する(S505)。尚、S505では更新内容(追加されたリンクやPOIを示した地図画像等)を併せて送信し、ナビゲーション装置2に更新内容を表示させるようにしても良い。
続いて、S506でCPU11は前記S507でナビゲーション装置2から送信された課金情報を受信する。そして、S507ではナビゲーション装置2に記憶されたナビ地図情報39の内、自宅位置を含む2次メッシュの地図情報を比較対照とした最新のバージョンの地図情報へと更新する為の更新情報をナビゲーション装置2に対して配信する。
以上詳細に説明した通り、第3実施形態に係る地図情報配信システムでは、現在ナビゲーション装置2に記憶されているナビ地図情報39の内、特に利用者の自宅位置を含む2次メッシュの更新対象エリア72を、自宅位置が登録(登録内容の変更を含む)されたタイミングで更新を行う(S409)ので、利用者が引っ越しをして自宅位置が変更した場合であっても新たな自宅位置の周辺エリアを対象として、変更直後の最適なタイミングにおいて地図情報の更新を行うことが可能となる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、第1乃至第3実施形態において、ナビゲーション装置2に記憶された地図情報の更新は、走行する目的地又は自宅位置を含む2次メッシュを更新対象エリアとして更新するように構成されているが、走行する目的地又は自宅位置から周囲5kmのエリアを更新対象エリアとして更新するようにしても良い。また、特に第1及び第2実施形態においては、走行する目的地から自宅位置までの間のエリアを更新対象エリアとして更新するようにしても良い。
また、第1乃至第3実施形態では、走行する目的地又は自宅位置を含む2次メッシュを特定するエリアIDをナビゲーション装置2から地図情報配信センタ3に対して送信することとしているが、ナビゲーション装置2から地図情報配信センタ3に対しては走行する目的地又は自宅位置の座標のみを送信し、地図情報配信センタ3側で走行する目的地又は自宅位置を含む2次メッシュを特定するエリアIDを検出するようにしても良い。
また、第1及び第2実施形態では、走行する目的地の周辺地域における地図情報の更新を行うこととしているが、走行する目的地に相当する施設のみの地図情報を更新することとしても良い。
また、第1及び第2実施形態では走行する目的地の周辺エリアを更新対象エリアとしているが、走行する目的地と同一ジャンルが関連付けられた全施設の周辺エリアにおける地図情報を更新することとしても良い。